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【完結】【投稿小説】”男”を奪われた果てに ①

作:Haseyan http://mypage.syosetu.com/486829/
挿絵:そらねこ https://skima.jp/profile?id=23496

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『先月より相次ぐ男子学生の行方不明事件に関して』

 大学の学生専用ホームページの中心。眼が痛いほどに自己主張している注意喚起の文章を流し読みして、男子大学生の伊藤 楓はスマートフォンをしまった。最近ではニュースでも大々的に放送されているそれが、自分の町で起きている。だが、いまいち実感が沸かないのが大抵の若者の感想だろう。
 楓もその例に漏れず、否、それ以上に危機感が頭を素通りしていた。

「えーっと、駅を出て右だったかな」

 見知らぬ町を、教えられた住所を目指して進む。自然と歩みは軽く、思わず鼻唄が漏れそうになる。
 当たり前だ。今から赴くのは楓の恋人、金城 真紀の住宅なのだから。付き合いはじめて一ヶ月ほど。何だか展開が早い気もしなくもないが、彼女に招かれて喜ばない男はいない。

 多少の疑念なんてものはどこかへ置き去り、楓に満ちるのは歓喜とほんの少しの緊張だった。

「んで……ここ、だよな?」

 ついつい一人言が溢れてしまう。大学で手渡されたメモに書かれた住所は確かにここであっているはずだ。
 しかし、目の前にあるのは豪邸。アパートに一人暮らしの楓には、遥か遠い世界であるお金持ちの居住があるのみ。本当にここなのかと、疑念が沸き上がる。

「先に電話してみて……」

「あ、やっぱり。いらっしゃーい」

 スマホを取り出そうとしたとき、件の豪邸の玄関が開く。中から顔を出したのはセミショートの女子大生──真紀だった。
 愛らしさの中にミステリアスな一面を絶妙に混ぜ合わせた美人。少なくとも楓が惚れた女性の顔だ。

「そんなところでボーッとして。早く入って入って」

「い、いやちょっとビックリしてさ。まさかこんなに大きな家に住んでるなんて思わなかったし……」

「まあ、確かにちょっと大きいけど……。そんな言うほどじゃないって」

 曖昧に笑う彼女と巨大な屋敷を見比べる。明らかに“ちょっと大きい”では済まない。
 だが、彼女の性格からして自慢するつもりは無いのだろう。下手に掘り下げるのは止めておこうと、頭の中身を切り替える。

「それじゃあ、お邪魔します」

「はいはい。いらっしゃい」

 先程とは別のベクトルの緊張を増やしつつも、楓は玄関を潜った。

「うわぁ……」

 口から勝手に声が溢れ落ちる。外観に劣らず内装もまた、非常に豪勢なものだった。どこを向いても高価なものしかない。
 鑑定など一般市民の楓にはできやしないが、一目で分かるのだ。それほどまでの圧倒的な、それを越えて暴力的なほどの金の気配が廊下さえも満たしている。

「こっちよ。付いてきて」

「あ、ああ」

 それらに目を奪われながらも、真紀の背中を追う。足を進めながら展開される雑談を交わしながら、しかしと楓は首を捻った。

 これほどの豪邸だというのに、人の気配がまるで感じられない。どこからも生活音が聞こえてこないのだ。とても真紀と家族だけで維持できるとも思えず、家政婦の類いがいるのかと考えたが、影も形もない。

「……ねぇ、大丈夫? 話ちゃんと聞いてる?」

「ご、ごめん! ちょっと色々と目移りしちゃってさ……」

「ふーん。私より家の方が気になるんだ」

「ごめんって!」

 冗談半分ながらも、拗ねたように瞳を細められてしまえば、楓は謝る他無かった。せっかく彼女の家に招いてもらったのに、他の思考に更けるなんて、確かに最低だ。
 些細な疑問など、後で真紀本人に尋ねればいい。今は二人の時間を楽しむべきだった。

「もう、気持ちはわかるけどね」

 気持ちを切り替え、何気ない会話に花を咲かせる。そして、家の中を歩くには長すぎる距離を進み、一つのドアの前にたどり着いた。
 シンプルながらも趣のある茶色のドア。真紀が躊躇い無くそれを開き、楓も続く。

「ここが私の部屋よ。まあ、ゆっくりしていって」

「改めてお邪魔します……と」

「ふふ。何を固くなってるの」

 一人の女子学生が使うにはあまりに広すぎる。それが最初に抱いた感想だった。小さな家庭ならこれだけでリビングとして使えるだろう。
 続いて眼が向くのは内装。男の楓とはまるで違う。女性らしい部屋だった。そんなところに初めて足を踏み入れ、緊張しないわけがない。

「そんなことない、そんなことないって」

「ほんと?」

 それを必死に隠すのもまた、男の矜持でありバカなところだろう。バレバレな嘘は明らかに見抜かれていたが、それでも続ける。
 わかっていても仕方ないのだ。男は格好つけたがる生き物なのだから。

 意地の悪そうな瞳に耐えれず、視線を逸らすと真紀の小さな笑い声が聞こえた。逆に真紀は異性を自室に呼んで緊張していないのだろうか。
 そう思い視線を戻しても、惚れた女性の笑顔があるだけだ。少なくとも表面上は自然体。こういうところで女性は強いと苦々しい笑みを返した。

「……それでさ。ちょっとこっち来てよ」

「どうしたんだ?」

 疑問符を浮かべながらも真紀の元へ近付いた。こうやって並ぶと身長差の真紀は楓を見上げる形となる。
 真紀はこちらを見つめたまま、何も言わない。見つめ合うだけの時間。それが過ぎていって。

 彼女の上目遣いの瞳が、怪しく煌めいた気がした。

「ちょっとお願いがあるの」

「なに? 真紀の頼みなら何でも頑張るよ」

「ふふ。ありがと。じゃあ、これから何があっても私がいいって言うまで黙って受け入れて欲しいの」

「……? な、何か知らないけど、了解」

 具体的な言葉のない“お願い”に首をかしげながらも、楓は快諾して。突如、一歩踏み込んだ真紀が楓の胸に手をついて、背伸びしたのは次の瞬間だった。
 二人の唇が、重なっていた。

「……!」

 驚きはあった。突然の行為に。だが、拒絶する理由などどこにもない。これまで何度か繰り返してきた口付けを。真紀の柔らかい唇を受け入れる。
 だが、いつもと違う。長く、永く。そして情熱的に真紀は求めてきた。舌が入り込んでくる。心臓が高鳴る。顔が真っ赤に染まるのを感じながらも、楓は先の約束を守った。

「ん……」

 体が熱い。興奮しているからだろうか。理性が段々と剥がれ落ちるのを自覚し、逆に楓から攻めようとしてもそれは真紀の舌に優しく止められる。
 あくまで主導権を握っているのは真紀の方で、楓は翻弄されるだけ。体が熱い。

「────」

 一度唇が離れ何かを呟き、再び真紀は口付けを求める。意識にモヤがかかっていた。どこか夢見心地で、ふわふわと気持ち良くて。
 何かがおかしいという考えも、すぐに流されてしまう。骨が軋む音が何処かから聞こえた。

 身体中がむず痒い。視界の端に長い何かが映り、下腹部の奥底で何かが脈動した。だが、それ以上に濃厚で甘美な快感が全てを忘れさせてしまう。
 楓の内側で大事な何かが剥がれ落ち、それが少しずつ真紀に吸われていくような。そんな感覚に満たされ、しかし判断力など欠片も残されていない。異常を異常と自覚しているのに、意識をそちらに向けることができない。

「んっ……ん……」

 全身の脂肪が勝手に震え、収縮していた。
 喉が細くなり、出っ張りが消えてなくなる。肩幅が狭くなる。胸の辺りが重たくなる。腰が引き締まり、身体中の肉付きが良くなる。
 ふと静かに閉ざしていた瞼を開けば、目の前に真紀の顔が、あまりに冷徹な真紀の瞳があった。何故かすぐ隣に。
 先程までは身長の低い真紀に合わせて下を向いていたのに、今は真横に最愛の恋人がいる。

 おかしいという疑念がある。危機感がある。だが、相変わらず真紀の舌に意識の全てが囚われていた。

「ん……ぅ、ぁ……」

 艶めかしい声をあげたのはどちらだったのか。それは女性の声で、ならば真紀の声のはずなのに、まるで楓から溢れたような気がして。
 足腰が歪み自然と内股になる。股間に強い痛みが走り、顔が強ばり身体に力が入る。

 ──その衝撃でようやく、楓は我に返った。

「──っ!? ま、待ってくれ! 真紀、何をして……」

「黙って受け入れてって言ったでしょ」

「ちょ、や……」

 顎を掴まれ強引に唇を奪われる。逃げようとしても何故か真紀の体が大きい。楓と身長も体格もほとんど変わらなかった。
 むしろ全身が自分でなくなってしまったかのようにうまく動かせず、成す統べなく真紀に“吸われていく”。

「ん、く……ぁっ、や……ぁ、ぁあ」

 股間の痛みが振り返し、男の象徴が縮んでいく。そして、足の隙間へ沈むように溶けていくのを感じる。それを迎え入れた先、楓の下腹部の奥が疼いた。
 急速に新しい何かが創られていくのがわかる、わかってしまう。先程までは意識がおぼろげで受け入れてしまっていたが、はっきりとそれを感じるのは恐怖でしかない。

 真紀に全て吸いつくされて、それが完成してしまったら、もう手遅れになってしまうのを本能的に理解したから。だが、逃れられない。力の入らない体ではもがくことさえ難しく、何より恐怖に気づいても口付けはなお心地良い。

 最後の抵抗を見せるように、変化が一時的に止まった。それを見て取った瞬間、真紀が眉を潜めて。痛いほどに吸う力を強めた。

「ぅぅ、んっ……ぁぁっ!」

 早送りのように変化が再開する。一気に男としての証が消え去り、股間がすっきりと滑らかになった。代わりに楓には未知の器官が体内で形を成し、神経と接続される。知らない感覚、知らない情報。それが突如として楓の脳を貫いた。
 だが、決して痛みではない。むしろ快感が雷のように全身を駆け巡り、細胞レベルで自分が書き換えられていくのを感じる。ただの見てくれだけだった変態が本当の意味で機能を始め、楓にできるのは翻弄されるように息を荒くするのみ。

「ふ、あぁ……はぁ、はぁ……!」

「ごめんね。それとご馳走様」

 最後の一滴まで楓の唇からそれが抜けきると、真紀は静かに唇と手を離した。力の入らない体はそのまま膝から崩れ落ち、楓は座り込んだまま必死に自分の肩を抱く。
 そうしなければ未知の快感に耐えきれず、決壊してしまいそうで。同時に、下腹部の奥の熱さと初めての感覚から、無意識に太ももどうしを擦り合わせてしまう。

挿絵1 完成

 先ほどまでぴったりだった衣服の大きさが全く合っておらず、首から下は完全に視線を遮断していた。だが、布の上からでも全身が細く柔らかくなっているのは、それを抱く腕が伝えてきている。

②へつづく

【投稿小説】”男”を奪われた果てに ⑩ <最終回>

作:Haseyan http://mypage.syosetu.com/486829/
挿絵:そらねこ https://skima.jp/profile?id=23496

①はこちら


「真紀、持ってきたよ」

「ありがとう。そこに置いておいて」

 重たい資料と本の山を両手で抱える。ふらふらとしそうになる足腰に懸命に力を込め、どうにか真紀の座る机の隅にそれを下ろした。
 昔ならこのぐらい簡単だったのになと、楓は懐かしみながら汗を拭う。その腕は白く細い女性のそれだった。

「……どうした?」

「いや、もうすっかり女の子で馴染んじゃったなって」

「三年もこの体でいたらね」

 結局、あの日の夜に男へ戻る手段を失った楓は、女性として生きることを余儀なくされた。真紀の魔法で身近な人々の記憶を改竄し、両親のコネとやらで戸籍の性別欄まで女性に修正され、完全に楓は女性になったのだ。
 とは言え、当時は冷静になったあとで酷く落ち込んだりもした。確かにあの瞬間は楓の意思で、もう戻らなくてもいいかもと答えたものの、その場の幸福感やら何やらで流された部分も大きい。

 男として生きてきた十九年間が消え去り、ありもしない女の子としての記録に塗り替えられた時には涙を抑えられなかった。しかし、真紀に色々な意味で慰められて、今ではもう吹っ切れている。

 入学したときとは反対の性別で大学を無事に卒業したあとは、こうして魔法の研究の助手として真紀の家に住み込んでいた。ちなみに表向きは真紀の父親の企業に就職していることになっている。
 それも一般には薬品開発と偽って、魔法の研究に勤しんでいると聞いているが。楓の戸籍を書き換えたりと、彼はどれほどの権力を持っているのか。底が知れない。

「ふーん……ちょっとは解るようになってきたけど、やっぱり俺には何してるのか……」

「魔法ってそういう血筋じゃないと扱えないから、無理もないよ 」

「こう身近にあると興味湧くんだけどね。……『生物の限定的な性転換について』?」

 覗き込んだタイトルにハッとなって顔をあげる。そのまま真意を問うように真紀の横顔へ静かに視線を向けた。
 疑念をぶつける楓の前でも真紀はあくまでも自然体で、こちらに振り返る。

「そのさ、色々とあれから道具使ってたよね? 女の子同士に、なっちゃったから。使い捨ての魔法の触媒にその辺の人から“男らしさ”を盗んでくるのは楓くんは嫌だっていうし……あの時、私が奪ったちゃった人たちに返して回るのは大変だったよ」

「それはさすがに、さ……」

 遠回しに口にされた夜の営みのことに顔を赤く染めながら答える。実は本当の意味で愛し合ったのは楓が男を失ったあの夜だけだ。
 あの時、真紀に生えたのはあくまで楓の“男らしさ”を無理やり吸収して、使い捨てにしたからできたこと。好きなときに性器だけ男にするなんてことは本来できない。

 その代わりに道具を利用して擬似的な行為に及ぶのがいつもの二人のやり方だった。それでも十分に楓は満たされているので不満はないのだが。

「でね、ようやくできたんだ」

「……俺、もう今さら戻っても」

「ごめん違うの。やっぱり無条件で女の子から男の子にするのは無理でね。その、あそこだけ……一時的に男の子のものにする魔法理論で……」

 しかし、それも昨日までのことらしい。真紀はいつの間にかそんな魔法を研究していたのか。

「一回のために何日も準備しなきゃだし、あくまで似たようなものに変化させるだけだから、その……出てくるのは見た目だけのただの液体で、赤ちゃんとかはまだ作れないけど……」

「あ、赤ちゃんってそんな……考えたこともなかったし……! “まだ”いいよ!」

 とんでもない単語が飛び出し、ついつい恥ずかしさを誤魔化すように声を荒らげた。楓の体にだって月のものは来ているのだ。
 その気になれば、子供を宿すことだってできてしまう。パートナーが真紀である以上、それはあり得ないと考えていたのだが。

「“まだ”、ね。確かに今すぐできないことを考えても仕方ないからね。それよりもさ、実はその魔法の一回目の準備はできてるんだけど……楓くんは“する”のと“される”のとどっちがいい?」

「え、えぇ……いや、それは……その」

 すっかり女の子に染まってしまっても、口調は未だに男っぽさが抜けないし、根本的なところでは男だと自負している。
 でも、それでも、ベッドの上で真紀と二人きりの時、どっちの立場がいいのかと問われてしまえば、

「される方が、いいかな……」

挿絵3

 普段から主導権を握れることはなくて、何より真紀に散々愛され尽くした体はもう、彼女には逆らえないように仕込まれてしまっていて。
 それが嫌ではないと自覚してしまっている以上、そう答えるのは当然の結論だった。

「ふふ。じゃあ、早速だけど実地試験ってことで」

「え、ま、真紀!? ダメだって、こんな昼間か……ひゃぁ……っ!」

「久しぶりに一緒になれるんだから。いつも以上に、可愛がってあげる」

 僅かに真紀の方が背は高く、何より本心から抵抗する気の無い楓はあっという間にベッドへ連行される。

 小さな町の大きな屋敷の中で、夜遅くまで愛し合う声が響き渡る。あの日を境に変わり切ってしまった人生だけど。それでも、結果的に楓は幸せだ。
 愛しい彼女のパートナーとしてその片腕となり、寄り添い続ける。ときには喧嘩をすることもあるだろうけども。この新しい人生で真紀と最期まで共に過ごすのが、楓の願いで。その望みが叶う明るい未来が約束されているかのように、今日も魔女の屋敷の不思議な日常は緩やかに流れていた。

【投稿小説】”男”を奪われた果てに ⑨

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挿絵:そらねこ https://skima.jp/profile?id=23496

①はこちら

 手足の拘束が消え、そのまま崩れ落ちるようにベッドへ倒れた。瞼も自由になったのようだが、気力が沸かず閉ざしたまま闇の中で余韻に浸る。

「……そろそろ、元に戻ろうか。楓くんもこれ以上は体力の限界だもんね」

 真紀がベッドから降り、机の引き出しを物色している。彼女の背中がほんの少しだけ遠くなった。たった数歩の距離だ。だが、無性に怖くなる。
 自分でも意味がわからない。でも、意味など求めていない。

 真紀がベッドに戻ってくる。その手には青色の結晶が握られていた。それが楓の“男らしさ”。楓が男でいるための概念、それが物質化したものだ。

「可愛い楓くんともお別れかぁ。ちょっと名残惜しいけど」

「まき……キスして」

「……楓くん?」

 とにかく真紀を側に感じていたかった。寝転がって俯せから仰向けになり、祈願する。真紀が驚いたように、どこか動揺したように硬直した。

「なんか、わかんないけど……頼む」

「もう……じゃあおいで」

 それでも真紀は仕方なさげに、力の入らない楓の背中に腕を回し、手繰り寄せてくれる。愛しい恋人の顔が近づき、唇が重なった。
 蕩けるように気持ち良い。何よりとても安心する。舌が絡み、好きな人が自分を求めてくれていると嬉しくなる。楓も腕を回して、抱き締め合った。

「ん……ぁ、ぅぅ……」

 抱き締める真紀は柔らかい。抱き締められる楓も柔らかい。全裸と半裸で触れ合うと、お互いの滑らかな肌から温もりを感じ取れる。
 先程のように意識が飛ぶような激しさはなくとも、ふわふわと夢見心地な口付けも十分に気持ち良かった。

「ぷはぁ……っ」

「ほら、元に戻りたいんでしょ? だからそろそろ」

「──もうちょっとだけ。こうしてて」

「…………」

 自分でもどうしてこんなことを頼んでいるのか、楓にはわからなかった。己の欲求を今さら抑えることなどできないだけだ。
 ただただ、心の底からして欲しいことを口にしてしまっている。

「楓くん甘えすぎだよ。本当にどうしたの?」

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【投稿小説】”男”を奪われた果てに ⑧

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①はこちら

「痛かったら言ってね」

「うん……」

 真紀の右手がさらに降り、楓の大切な場所に。湿り気を帯びた下着の布越しに、人差し指があてがわれる。これは仕方ないのだと。決して悪いことではなく、必要なことなのだと大義名分を手に入れた以上は抵抗もしない。
 その触れた刺激だけでも、ゾクゾクと得たいの知れない何かが背筋を通り抜けた。どうなってしまうのか、怖くはある。だが、それ以上に早く弄って欲しいと、滅茶苦茶にして欲しいと、そんな情欲もどこかから沸き上がってきていた。

「うあぁっ……ふぅ……んぁ……ぁっ……」

 真紀の繊細な指が秘裂をなぞるように、ゆっくりと動く。敏感なところを直接弄られ、比べ物にならない波が全身に押し寄せてきた。
 耐えなくてはいけない。本当の女の子みたいに気持ち良さそうによがって、喘ぐなんてみっともないことはできない。

「頑張ってても声は抑えきれてないよ。でも……可愛い」

「ち、ちがぁ……ぁぁ、ふぅっ……ぅ、うぅ……んぁ……っ」

 しかし、真紀の手は楓の様子を見ながら、適度に力加減を変えていく。決して痛くならないのに。あくまで気持ち良くしようと、優しく楓に触れる。
 驚くほどに真紀の指使いは上手かった。

「……んっ」

 空いている左手が頭の後ろに回されて、そのまま抱き寄せられるように真紀と唇が重なった。大切な場所と口内を同時に責められ、頭の中が滅茶苦茶になる。
 男の時は一ヶ所に貯まって、それでおしまいだった。けれど今は、女の子は全身で受け止めている。一度受け入れてしまったら、あとはどこを触られても、もう──

「こっちおいで」

 真紀の手に引っ張られて、上半身を起こす。最早言葉を発する気も起きず、言われるがままに真紀に後ろから抱きつかれるような体勢で座り込んだ。
 本当に今の楓は真紀よりも小柄だった。こうしてすっぽりと収まってしまう。そのことに唖然とする中、真紀の手が背後から楓の胸を捉えた。

「ふぁ、ぁ、ぁぁっ……」

「声も我慢しなくていいのに」

「そ、れふぅ……っ! は……ずかしい、い、ひゃぁ!」

「意地にならなくてもいいよ」

 それぞれの手が両方の乳首を同時につねってきた。強すぎるほどの、でも痛くない程度の刺激に耐えきれなかった嬌声があがってしまう。
 信じられないような甲高い悲鳴なのに、でもそこに決して嫌悪はない。気持ち良さに耐える女の子の声でしかない。

「ほら、あの可愛い女の子が楓くんなんだよ」

「ち、ちが……」

「こんなことされて気持ち良くならない女の子はいないんだから。我慢する理由なんてないの」

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【投稿小説】”男”を奪われた果てに ⑦

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①はこちら

 太陽が沈み、月が顔を出し、それから更に数刻経ったような時間。真紀の屋敷の前に楓たちは戻ってきていた。
 結局、様々なお店を巡って、夕飯まで食べてきたらこんな時間だ。色々と複雑な感情もあったけれども、恋人とのデートとしては十分に楽しかったと言えるだろう。色々と複雑な感情もあったけれども。あったけれども。

「ま、それもこれでおしまいだぁ! 元に戻してくれー!」

「ちょっとぐらい躊躇ってくれてもいいのに。私は新鮮で楽しかったよ」

「一日だけのお試しならまあ、悪くなかったかもだけど……。俺が男ってのはもう変えられないし」

 体は変えられても、よっぽどなことが無い限りは楓の魂は男に染まってしまっている。今さらこの体を受け入れきるのは、無理難題だった。
 その言葉に真紀はつまらなさそうに唇を尖らせながら、鍵を開け家の中へ楓を招き入れる。

「じゃあ、私の部屋でやろうか」

「魔法なんて良くわからないし、専門家に任せるよ」

 何か条件があるのかもしれないし、ただ単に落ち着きたいだけなのかもしれない。それは判別できないが、ひとまず真紀の言うとおりにするべきだろう。
 彼女の背中を追うように、あの部屋へ。楓が男を奪われた部屋に足を進める。ようやく元に戻れるのと、心が少なからず軽くなっていた。

「じゃあまずは服を脱いで」

「わかった」

 部屋に入るとすぐに、真紀の指示に従って服を捨て去っていく。そして上下共に下着姿となり、着慣れぬそれも取っ払おうとして、真紀の声に制止された。

「下着はまだいいや。そのままベッドに仰向けになって……」

「えっと、このまま仰向けか」

「そうそう、それで……」

 男から女にされたときにはキス一つで済んだのに、逆のときには色々と準備がいるのか。僅かに疑問に思うが、魔法の存在すら知らなかった素人が口を出すわけにもいなかった。

「次にどうすればいいんだ?」

 疑問を口にしても、真紀は動かない。そうしているうちに、楓は羞恥心に襲われ落ち着かなくなっていく。下着姿で無防備にベッドの上で待っている姿は、完全に誘っているようにしか見えないのではないだろうか。
 今の楓は襲われる側の性別なのだ。尤も、真紀もそうなのだから変な間違いはないとは思う。

「ま、真紀。これはちょっとあれだから……なるべく早くさ」

「────」

「真紀?」

 しかし、恥ずかしいことに違いは無かった。顔が赤く染まるのを自覚しながら視線を逸らす。やはり真紀の様子がおかしい。何やら黙りこくって、こちらに視線を突き刺さるほどに向けているのが見なくてもわかる。
 そのまま沈黙が流れる。耐えかねて視線を彼女に戻し、何か声をかけようとして、

「今日はまだ終わってないから。最後にもう一つだけ言うこと聞いてね」

「……ぅっ!?」

「必要なことだから」

 気がつけば目の前に真紀の顔があった。触れ合えるほどすぐ近くに。仰向けに寝そべる楓の顔の側に手を付き、足を太ももの間に差し込んで、真紀は迫ってきていた。
 頭が停止する。十数秒前に思い浮かんだ考えが、また脳裏をかすんだ。今の楓は襲われる側の体なのだと。

「あ、あの……真紀?」

「男の子に戻りたいんでしょ? だったら、じっとしてて」

「何し……んんっ!?」

 ただでさえ近かった真紀の顔が更に接近し、唇が重なる。真紀の柔らかい唇と、楓の柔らかくなってしまった唇が触れ合う。
 必死な抵抗も上を取られ、真紀よりも小柄になってしまった今の楓には無意味なものだった。舌が絡んでくる。魔法のためにではなく。ただ純粋に真紀が楓を求めている。
 好き勝手に口内を犯されて、驚きから追い出そうとしても真紀の舌はのらりくらりとかわしていく。そうこうしているうちに優しい動きで翻弄され、体が熱くなってきてしまった。

 二人の間を橋かけるように唾液が糸を引き、唇が離される。その様子を楓はぼやけた思考の中でしか、見ることができない。
 立場が、逆なはずだ。こんな体になってしまっても楓は男で、真紀は女で。なのにどうして真紀の意思で、楓はされるがままになっているのか。

「ま、待ってくれ……こういうのは、その……元に戻ってから、な?」

「そのためにやってるんだよ」

 混乱していてもこのままではまずいと、それだけは分かっていた。だが、言葉を投げ掛けても真紀は聞く耳を持たない。力で抵抗しようにも、今の体はあまりに弱々しかった。

 守る暇も与えられず、買ったばかりのブラジャーが首の方へずらされ、楓の胸が顔を出す。真紀の手に収まるぐらいの程よい果実。生まれて半日しか経っていない乳房。
 必死に隠そうとする手も優しく退けられて、あろうことか真紀がピンク色の乳首にしゃぶりついてきた。

「あっ……! や、やめぁぁ……ん、くぅ……っ!」

 右の膨らみは空いた手で揉まれて、左の膨らみを真紀に吸われている。ときに舐められ、ときに甘噛みされ、予想できない刺激は電撃となって胸から楓の全身に伝わっていく。
 自分で触ってもこんなことにはならなかった。だから、身構えてなかった。知らなかった。こんな気持ち良いなんて知っちゃいけなかった。

 止めなくちゃと思っていたのに、口から信じられないほどイヤらしい声が溢れそうになってしまう。どうにかそれを塞き止めるのだけで精一杯で、真紀を引き剥がそうとする腕には驚くほどに力が入っていない。
 気持ち良さが押し寄せ、勝手に腰が動いてしまう。口を固く結び、それでも甲高い悲鳴は上がり続ける。足をばたつかせ、肩が震える。

「そんなに気持ちいい? おっぱいだけでちょっと大げさじゃない?」

「そん……な、ちがうって……おれ、おとこだから……ちが、う」

「うーん、もしかしたら性転換した体だと何か違うのかな。普通の女の子と少しだけ」

 真紀が顔を離す。だが、一度溜まった熱が引くことはない。むしろ悶々としたものを残すばかりだ。
 このまま流されてもいいのではないかと、脳裏を過る程度には。それでも、残る理性をどうにか振り絞り、声を張り上げる。

「真紀! こんな体で、やるのはおかしいって……! 俺は、俺は男として君の隣にいたいから、先に元に戻してくれ!」

「だから、男の子に戻すためにやってるの」

「意味がわからない。それとこれと、一体何が……」

 疑問を口にしても真紀は止まらない。わざとらしくお腹を撫でながら、真紀の右手が降りていく。そのこばゆさに体を固くしつつも、向かう先を想像して、

「真紀……!」

「まだ違うから落ち着いて。ここ、わかるよね?」

 しかし、楓の予想を裏切り真紀の手は下腹部の辺り、へそと股間の真ん中辺りで止まった。そのまま指でトントンと、何かを示すように楓を軽く叩く。
 疑問符が浮かび上がる。何も理解していない様子の楓を見てか、真紀は苦笑しながら言葉を続けた。

「男の子から女の子にするのは簡単でも、その逆は難しいんだよ。理由は長くなっちゃうんだけどね」

「そ、そうなのか? じゃあどうやって……」

「だからここ。赤ちゃんの生まれる場所。女の子を女の子にしてるここに、直接、干渉しなくちゃいけないの。ものを入れるわけだから、ちゃんとほぐしてあげないと痛いなんてものじゃ済まないし……」

 尚も真紀は楓の下腹部を優しく叩く。すぐには、頭に入らなかった。言っている意味を飲み込めず、しかしまもなく気がつく。
 つまり、真紀は楓のあそこから楓を男に戻そうと、そのために──

「う、嘘だよな? 他に、他に方法はないのか?」

「無いよ。それに楓くんだって興味あるじゃない? 女の子になったばっかりで、すぐに一人でしちゃうぐらいなんだから」

「……っ!? ま、ち、違うって……あれは……」

「部屋に戻ってきてすぐにわかったよ。ふふ、まあ男の子はエッチだから、気になっちゃっても仕方ないよ」

 気づかれていた。男のはずなのに女の体になって。よりによって彼女のベッドで一人致してしまったことを。
 バレていないと思っていたのに、真紀にはお見通しだったのだ。恥ずかしくて今日最大級の火が顔から吹き上がる。必死に弁明しようとしても、このリアクションを取ってしまった時点で何もかも無意味だろう。

「だから、今さらでしょ? “男らしさ”を楓くんの中に戻したいなら任せて」

「だ、だったらせめて、自分でやって……」

「それも無理。魔法を使えるのは私だけだよ」

 ただ胸を触られただけでこの様なのに、下まで進んでしまったら。真紀の前で醜態を晒すことになってしまう。男としてとても接することができなくなってしまう。
 それだけは避けたいのに。でも、真紀はそんなこと気にした様子もなくて。

「大丈夫、それで嫌いになったりしないから。可愛いところいっぱい見せて」

「うぅ……それは、俺が言うはずの台詞じゃ……!」

「今は楓くんが女の子だからいいんでーす」

 真っ直ぐこちらを見下ろす真紀。どこか楽しげで艶かしい恋人の表情を楓は見上げ、一度合わせてしまった視線が解けなくなってしまったと錯覚した。
 いつまでも決心の付かない楓を真紀は黙って待っている。これでは、本当にどっちが男か女かわからない。今はどっちも女だが、立場はまるで逆転してしまったようだった。

「わ、わかったよ。任せる、任せるから……早く、終わらせてくれ……」

 女々しく躊躇っているよりもさっさと踏ん切りを付けよう。せめてもの抵抗として許可を出し、真紀は小さな微笑みで答えてくれた。

⑧につづく

【投稿小説】”男”を奪われた果てに ⑥

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①はこちら

「ねぇ、どうしたの? そんなに疲れて」

 場所は打って代わり、同じショッピングモール内のスイーツ店。その一角のテーブルに楓は突っ伏していた。
 楽しげにパフェを口に運ぶ真紀の前でも、顔を起こす気力が湧かない。

「だって、長すぎる……」

「別に私の買い物に付き合ってくれるのは初めてじゃないでしょ?」

「それを自分が着るんじゃまた話が違うって! 今だってこんな、こんな格好で……!」

 思い返す度に顔から火が出そうだった。男のはずなのに、こんな女性らしさ溢れる服を身に付けて外を歩き回るのは。
 事情を知らぬ人から見てみれば、女性二人が仲睦まじく言葉を交わしながら、パフェに舌鼓を打っているだけだろう。だから、人の目など気にする必要など無い。

 何度も繰り返すが、主観と客観の差が激しすぎる故の葛藤だった。楓からしたら女装。外から見たらただの可愛らしい女性。頭で理解していても、堂々としていろという方が不可能だ。

「倒れてないで早く食べなよ」

「……うん、甘い」

 甘いものは嫌いではない。スプーンで口に運んだそれは忌々しいほどに美味しかった。疲労困憊の脳が途端に糖分を要求し、楓は逆らうことなく次々と呑み込んでいく。
 楓の食べぶりを見てか、面白げに真紀が笑った。そんな様子を見て一つの疑問が浮かび、思わず顔が強張る。突然手を止めた楓に真紀も訝しげにこちらを見ていた。

「なぁ、変なこと聞くけどさ」

「急にどうしたの?」

「真紀の家であったことって、全部本当だったんだよな?」

「何言ってるのよ。そうじゃなかったら、どうして昨日まで男の子だった楓くんが今は女の子なの?」

「いや、そうなんだけど……そうじゃなくて……」

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【DL販売TSF小説】性転兄妹~富永武司の淫靡な妹ライフ~ ① 

2017Q3おかし製作所DMM販売数42位

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性転兄妹~富永武司の淫靡な妹ライフ~

作:kagami0235
絵:佐野昭様

【――第一章――】

雲が素早く地平線の彼方へと進む風の強さ。
そのお蔭で、今日の夜空は都心には珍しいほど星が綺麗に見えた。
雲一つない空では小さな星と、真ん丸の月が淡く輝いている。
ガタガタと強風で窓が鳴るマンションの一室。
そこでは――。
「沙織。おめでとう」
細やかに誕生日が、祝われていた。
主役である妹へ、兄――富永武司<たけし>が、プレゼントを渡す。
「ありがとう。兄さん」
微笑む姿は、兄の目から見ても可憐である。
古典的な大和撫子を思わせる長く艶やかな黒髪と、まだあどけなさが残る丸い顔が生み出す魅力は、きっと数多くの男たちを誘惑していることだろう。
「……沙織、学校で変な奴らに言い寄られていないよな?」
「もう武司兄さん!何を言っているのよ……そんな訳ないでしょっ!」
場違いな質問を思わず漏らし、妹の富永沙織<さおり>が頬を不満げに膨らませる。
眉を曲げ、上目遣いで睨む姿――やはり、お人形のように愛らしい。
(心配だなぁ。……しっかり者の沙織に限って、そんなことはないと思うけど。でも、沙織は女の子。無理やり男に言い寄られたら、抵抗できないし……
うぐわぁああ!心配だぁ!!)
知人友人には『シスコン』と揶揄される、沙織限定の過保護欲が爆発した。
本日の誕生日で、法的には結婚も出来る歳となったとはいえ――それでも、心配してしまうのは、武司が兄であり……同時に『親』でもあるからだ。
「澪さんも何か言ってよ!……私って……そんなに無防備に見えるのかな?」
「うふふ。そんなにカンカンになっちゃだめよ。お兄さん――武司さんも、沙織ちゃんが可愛いから、心配になっているだけなんだから……。そうですよね、武司さん」
「あっ……は、はいっ!」
不機嫌な沙織は、隣に座る女性に賛同を求め――その彼女の切れ長の瞳が、武司を貫いた。
魅惑たっぷりの美貌に、息を呑む。
(澪さん……綺麗だなぁ――)
“絶世の美女”と言う言葉を、一瞬で思い浮かべてしまうほど艶美な女性だ。
大人びた美貌に相応しく艶美に肉張り詰めた巨乳房と、悩ましく実ったむちむちの尻房。
腰も細く引き締まり、どんな服でもセクシーに着こなしてしまうようなプロポーション。
片目を隠す髪型と、肩布なしのノースリーブセーターが、さらに彼女の魅力を後押ししている。
ミステリアスであり、壮麗であり……妖しく微笑む艶姿に、感電したような感覚が、体を走る。
石塚澪<みお>。
一年前より沙織の家庭教師をしている彼女こそが、今武司が恋している女性である。
「……でも」
「……な、なんだ沙織?」
ぽうっ、と澪に見惚れていると、沙織がさらに怒ったように目を据えた。
そして――。
「武司兄さん……私の事……まだ子供だって思っているんでしょ?可愛いって言うのは――子供として。妹としてでしょ?」
こう口を開いたのだ。
そんな当然のことを聞かれても――武司の答えは決まっている。
「あ、当たり前だろ!……沙織は何時までも可愛いボクの妹だ!」
「……うん。そうだよね……やっぱり、そうなんだ…………」
「もう!ダメじゃない、武司さん。沙織ちゃんを悲しませちゃったらっ!――ちゃんと、ひとりの女の子として見て上げないと!」
「み、澪さん!?い、いや……あははは。おかしなことを言わないで下さいよぉぉ。沙織は、沙織です。ボクの可愛い妹なんだから……何時までも子供ですよ!」
「……はあぁ。……沙織ちゃん、元気出してね?お兄さん――全然、分かっていないみたいだから」
「……うん。分かってます、澪さん。――ごめんね、武司兄さん。折角祝ってもらっているのに、変な雰囲気出しちゃって」
「あ、うっ……いや。ボクこそ……え、ええっと。そのあっ、あれだ――!沙織は可愛いから、彼氏なんて直に作れるぞ!あ、あははは……はは、はは……
う、うぅぅ……」
二人の――なぜか、澪も交えた――視線が、痛かった。
心が、どんどんと削られる思いである。
だが、何が悪いのかも分からないので、笑って誤魔化すしかなかった。
(なんだっ。いったい何が不満なんだ沙織――可愛いって言ってるのに。
あれか、子供扱いがいけないのか!?でも、沙織はまだまだ子供だろ!?)
年頃の娘の気持ちなど、分かる訳もない。
大人扱いして!
ひとりの女性として――どう見える?
この頃は、そんなことをお願いされたり、聞かされたりするばかりだ。
(難しい年頃なんだなぁ。そう言えば……何時もだったら、友達を呼んで祝うのに――今日だけは何時もお世話になっているからって澪さんだけを招きたい、って言い出したり……まぁ、ボクには有難かったから……いいけど)
これが男と女の――いや、『兄』と『妹』の隔たりなのだろう。
思春期の女の子の行動を深く考えても、仕方ない。
そうひとりで勝手に納得した武司であった。……が。
「澪さん……私、覚悟決めました」
「私も……ますます許せなくなっちゃった」
「ふ、二人とも!頼むから、こそこそと話さないでくれっ!!」
まるで仲の良い姉妹のように寄り合い、小声で話す沙織と澪。
まさか、それが彼を恥辱と愛欲に貶める算段であるとは思いもせずに――。
「沙織!悪かったってばぁ!今度……欲しいモノ買ってやるよ!美味しい物でも食べに行こう――そうだ!よければ澪さんも、ご一緒に出掛けませんか!」

慌てふためき手を擦り合わせ、武司は二人の機嫌を取るのであった。



「んん~~っ。みずぅ」
珍しく夜中に目を覚ました武司は、フラフラと廊下を歩いていた。
(なんだぁ……?お酒でも飲みすぎたかァ?)
確かに普段よりも、アルコールを摂取したとは思う。
けれども、何時もの酩酊感とは違う。視界に白い靄が掛かっているのである。
(……ちょっと浮かれ過ぎちゃったかな。ボク……)
大切な妹の誕生日と、恋い焦がれる女性との触れ合いに、気分上々で酒を煽った。
その弊害だと思い、水をごくごくと飲む。
「……明日は休みだけど……早く寝よう…………」
不思議な感覚は、続いていた。
体の感覚だけは鋭いのに、視界に……意識に白いフィルターが被せられているような脱力に苛まされる。
『早く寝た方がいい』と再び廊下を歩いていた。
その時である。
「…………ん?」
明りがドアの隙間から漏れていた。
沙織の部屋である。
(――まだ、起きているのか?幾ら明日が休みだからって)
時刻は日付が変わる数十分前、うら若き女の子がこんな時間まで起きているのは感心しないなぁ――と思いつつ、武司はその場を去ろうとした。
……すると。
『あはっ、ンン――澪さぁ、ン!』
「…………えっ?」
色っぽい喘ぎ声が、廊下に漏れる。
淫らな嬌声が――愛しの妹の声だと気付くのに、数十秒も掛かってしまった。
ドアの向こう側。
沙織の部屋から、卑猥な声と肉音が艶やかに奏でられていく。
『いい、いいの!澪さっ、んん!もっと……もっとくっつけてぇ!!』
『かわいいっ!とっても可愛いわよ、沙織ちゃん!!』
背筋に……怖気が走った。
(……い、ま。今のは……いや、夢だ。そんなはずはない……っ)
異様な恐怖に急き立てられて、ドアノブに手が掛かる。
『あっ、ああ!素敵ィ!みっ――澪さん、んん!!』
『沙織ちゃん!かわいい……んっ、んん!』
「――っ!」
なぜか、体はかちこちに固まっていた。
まるで見えない何がか縛るように……止めようとするように、武司は動けなかった。……が、それでも。
「さっ……沙織!?」
愛する妹の為に、呪縛を打ち破って、兄は部屋へと突入した。
沙織がいた。
澪がいた。
ふたり一緒にベッドの上で――。
くちゃ、ぬちゃ……ぬちゅ、れろれろ。
艶やかな美唇と、小さく可憐な唇が悩ましく絡み合う。
そして、裸の女体が互いの恥部を重ね、腰を上下に振っている。
「あっ、ああん!あっ……た――武司っ、おにいちゃん?」
快感に蕩けた瞳が、武司を見つける。
少し恥ずかしそうに眉が寄ったのは一瞬だけ。
直に今まで見たこともないほど、妖しい微笑を張り付ける。
「あーあ。見つかっちゃったわね。沙織ちゃん」
「あっ、ああ!よ、予定……通りですねぇ。あふゥ……澪さんのキス。熱くて、柔らかくて……スキィッ。んっ、んん!」
くちゅ、ぬちゃ、と唇と唇が押し合い、舌と舌が擦れ、歯がぶつかり合う。
見たこともない――武司だってしたことがない――熱烈な口付けを見せられて、武司の激情は解き放たれる。
「なっ、何を……何をやっているんだ!二人とも!!」
当然の叫びに、小馬鹿にしたような鼻息がふたつ漏れる。
「武司お兄ちゃん――見て、分からないの?」
「セックスよ。セックスっ!……レズセックス!沙織ちゃんの体も、顔も……
すっごく敏感で……楽しいのよ!」
鮮やかな紅色の舌が、沙織の頬を舐める。そのまま耳裏、項も舐め擽った。
妹は……嬉しそうに震えて、喘ぎを振り撒く。
「あっ、あんっ。澪さんっ……だめぇ。気持ち……よくて……また。あっ、ああン!」
「見せつけてあげましょう。私たちの――”愛”を」
腰をくねらせ乙女の肉穴から愛液を噴き漏らす沙織を、澪は優しく抱き締めつつ己の恥骨を押し重ねて、双方の敏感粘膜を刺激する。
くちゃ、ぬちゃ、くちゃくちゃ。
愛液が撹拌される淫靡な音が……嫌でも耳へと入り込む。
限界……だった。
「さ、沙織ィィ――!!そんなっ……こんないかがわしいこと止めろぉ!み、澪さんもだ!あんたっ……人の妹に何をするんだぁ!!」
怒りが、足へと伝わり、一歩を踏み出す。
しかし……『ぐにゃり』。
唐突に、世界が歪んだ。
(……へっ?)
唖然と、宙を舞う武司。
何が起きたのかも分からない。
ただ気が付けば、空中で二回、三回と回転しながら、床へと沈んだのだ。
床下は粘土でもなければ、底無しの砂地獄でもない。
なのに、腕が、足が、尻が……そして、胴体が、ずぶずぶと飲まれる。
「うっ、うわぁあああ――っ!?」
数秒遅れて驚愕するも、手遅れである。
全身がほぼ床へとめり込み、首しか動かせない有り様だ。

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【投稿小説】”男”を奪われた果てに ⑤

作:Haseyan http://mypage.syosetu.com/486829/
挿絵:そらねこ https://skima.jp/profile?id=23496

①はこちら

挿絵2

 ごくりと息を飲む。急速に思考が白熱するのを感じて、両手を胸に当てた。下着の固さと確かに存在する母性の柔らかさがある。
 勝手に指がうごめき出す。蹂躙するようにゆっくりと揉み砕けば、男を魅惑する至高の感触と触られていると言う女性の興奮が同時に襲いかかってきた。

 一人で致した淫らな記憶が鮮明に甦る。体が熱くなってきた。理性が溶け、思考が白熱し、欲望が爆発して、

「そちらがお気に召しましたら、そのままご購入も可能ですが」

「は、はい!? ああ、お願いします……!」

 店員の声に肩を跳ね上げさせた。外出先で何をしようとしていたのか。自分自身の変態さが恥ずかしくて仕方がない。
 それなりにまともな人間だと自負していたが、そんな細やかな自信も失いそうだった。

「楓く……楓ちゃん決まった?」

「い、一応は」

「じゃあそれを買っちゃおうか。あとは服だけど、これとか良くない?」

 そういってにこやかに掲げたのは、如何にも女性らしく可愛らしい服だ。チェックのロングスカートに白いブラウス。そして、女性物のカーディガン。
 思わず真紀の顔を二度見する。魔女は自信満々の笑顔を輝かせていた。

「えっと……さ。俺はズボンが良くて、スカートはあまり……」

 側に店員がいることもあって、はっきりと言うことはできない。言外に男だから無理だと伝えると、真紀は笑みから反転、不機嫌そうに眉を潜める。
 そのまま顔を背けると、わざとらしく大きな声で、

「分かったよ。もう一生そのままでいいならそ……」

「着る! 着るから! 言うこと聞くからさ!」

「ありがと。きっと似合うと思うよ!」

 反射的に呼び止めれば、再び笑顔を咲かせた真紀に服を押し付けられた。騙されたと気がつくには遅すぎる。
 そのままカーテンの向こう側に消えていく真紀を茫然と眺めることしかできなかった。店員も苦笑を残して試着室から退室していく。

 残されたのは楓と真紀ご自慢のコーディネートだけ。

「悪くないけどさ。俺じゃなければ……!」


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【投稿小説】”男”を奪われた果てに ④

作:Haseyan http://mypage.syosetu.com/486829/
挿絵:そらねこ https://skima.jp/profile?id=23496

①はこちら

 地面を凝視し、他の感覚を可能な限り遮断しながら足を進める。先導するのは楓と握り合う真紀の手だ。真紀のお願い、もとい脅迫の従って二人はショッピングモールを歩いていた。

「そんなに恥ずかしいの?」

「は、恥ずかしいに決まってる……」

「まあ、確かにそんな格好だしね」

 真紀の苦笑する先は、楓の服装だった。当たり前だが、今の姿の楓の服はどこにもない。あったのは真紀の私服と、着ることさえ難しくなった男の服だけだ。
 そのため、今の楓は真紀の高校時代のジャージを借りて、帽子をかぶり、その場しのぎの格好で公共の場に出ている。

 一体これは何の拷問なのだろうか。変わり果ててしまった足の付け根は、何にも守られていないやら、違和感が激しいやらで顔から火が出る気分。女性らしくなってしまった胸も足を踏み出す度に先端が擦れて妙に痛い。嫌でも今の自分は女の子なのだと自覚させられて、恥ずかしさは倍増しでは済まなかった。

 周りの人々の視線が普段と比べ物にならないほど突き刺さっている。それは過敏になっている楓の錯覚だろうか。きっと錯覚だと祈りながら、とにかく視線は足元に固定する。
 それが今できる唯一の抵抗だった。

「というか、魔女なら服ぐらいどうにかできたりは……」

「何言ってるの。何もないところから服を出せるわけ無いでしょ?」

「男を女にできるならそれぐらい頑張ってくれよ……!」

 あくまで楓のケースは元あるものを変化させただけ。無から有を作り出すこととは訳が違う、と言うのが真紀の言い分だ。
 魔法なんてもの信じてすらなかった楓からすれば、服の方が簡単に思えてしまうのだが。どうやらそうでもないらしい。

「ほら、着いたよ」

「これでようやくマシな……って!?」

 真紀に促されて顔を上げ、瞬間、ただでさえ赤かった顔にさらに熱が集まり、再び俯かざるを得なかった。一瞬見てしまったもの、それが示す状況を知ってわなわなと肩を震える。
 周囲を支配するのは華やかな布の数々。しかし、楓にはあまり縁のなかった形のもの。今の楓が足を踏み入れていたのは、女性の下着売り場のど真ん中だった。

「すみませーん。店員さーん」

「え、ま、なんで、この店……!」

「服を買うなら下着から全部じゃないと」

 色々と限界ですっかり忘れていた。ここで購入した下着を身に着けるのは他でもない、楓自身なのだ。確かに今の体では必要なのだろうが、それでも楓の精神的負担は計り知れない。
 混乱しているうちに真紀に呼ばれた店員が駆け寄ってきた。俯く楓の心境などいざ知らず、見事な営業スマイルを向けてくる。

「お待たせしました。御用でしょうか?」

「この子のサイズ測ってもらえませんか」

「ええ、もちろん。それで……ん?」

 真紀から楓に視線を移し、店員の女性は訝しげに首を傾げる。その疑念の先は楓の服装なのは明白だった。
 微妙にサイズの合わないジャージ姿、加えればズボンの下にはその場凌ぎの男物のパンツを履いているという問題外の格好だ。すぐにスマイルの向こう側に消えた表情だが、確かに店員は困惑していた。

「ごめんなさい、色々あって服を全部ダメにしちゃったんです。それで慌てて一緒に買いに来て」

「あー、なるほど。失礼いたしました。それではすぐにでも済ませてしまいましょうか」

「え、あ……」

「いってらっしゃーい」

 さっさと真紀が会話と捏造された事情説明を済ませてしまう。今更断るわけにもいかず、楓は流れに身を任せるほかなかった。羞恥心はとっくに天井を突き破っているが、それでも店員の背中を追っていく。

「こちらへどうぞー」

 辿り着いた試着室に促されるままに足を踏み入れると、店員も続いてくる。動悸が止まらない。少しでも早く元に戻りたい。

「それでは測りますので、服を脱いでくださいね」

「は、はい」

 ここまで来たらもう、腹を括る他なかった。言われるがままに服を脱ぎ捨てる。なるべく鏡は視界に入れないように。少しでも自分の今の姿を見たくない。その少しずつの認識が変化を受け入れて、確定させてしまうようで怖いのだ。
 無論、恥ずかしいという単純な感情も理由を大きく占めているが。

「それにしても災難でしたね。この服は?」

「え、あ、っと……真紀の、連れの子の余りを借りて……」

「それで少し大きめの服なんですね。では、腕を上げてください」

 真紀の服が少し大きめ。その言葉に今の自分は恋人よりも体格が小さくなってしまっていると、軽くショックを覚える。自虐的な笑みが零れる中で店員の手際は見事だった。

「んっ……」

 次々と楓の様々な部位のサイズを盛り取っていく。しかし、この体が男の時よりも明らかにデリケートなせいか。或いは楓が意識しすぎているせいか。店員に他意は無いはずなのに、こそばゆさで身を捩らせそうになってしまう。

 特に胸の辺りを触れられると、何度も何度も今の姿を再確認させられるような倒錯感で妙な気分になりそうだった。至って真面目な態度の店員の前で何をしているのだと、同時に自己嫌悪に陥りそうになるが、それでも恥ずかしさは留まるところを知らない。

「終わりましたよ。お客様にあったものをお持ちしますので、少々お待ちください」

 一度店員は試着室から出ていったが、すぐに戻ってくる。ただしその手には様々な布が、男の楓は一生身に着けるはずがなかった布が、女性の下着が揃えられていた。

「お好きなものをご試着してみてください。こちらのものなどとても可愛らしくてお客様にお似合いになるかと思いますが」

「あ、あ……いや、それ派手過ぎる……」

 真っ先に店員が差し出してきたものは、華やかなレースなどで飾り付けられた下着の上下セットだった。確かに可愛らしいのかもしれないが、女性経験数時間の楓にはレベルが高すぎる。

「そうでも無いですよ。きっと似合いますから是非とも」

「え、遠慮させてください! それよりそっちのやつで……それも正直嫌だけど……」

「……そうですか。それでは、こちらですね」

 少々残念そうに、店員は比較的落ち着いた色合いの下着を手渡してくる。恐る恐ると受け取ったそれだが、十分に楓の目に毒である。それを自ら身に着けるとなればなおさら。
 しかし、ここまで来てやっぱり何も買わないのは明らかにおかしいだろう。覚悟を決める。緊張で心臓の鼓動が増々加速していくのを自覚しながら、その未知の布と向かい合って。

「あ、えっと……」

「如何なさいましたか? お邪魔でしたら退出しますが……」

「そうじゃないです! そうじゃなくて、あの……ちゃんとした着け方わからないんですが」

 どうやって装着すればいいのか、残念ながら楓は知らなかった。もちろん、それを胸の膨らみに当てて固定すればよいのは知識として持っている。だが、いざ見様見真似でやってみようとすると、思考が凍結してしまった。
 二十歳前後の女性が下着の着け方を知らないという明らかにおかしな状況だが、それでも聞かざるを得なかった。何も尋ねないでくれと、祈りながら店員に助けを求める。

「……ああ! それでは失礼します。しっかりと収めるにはコツがいりますからね」

 しかし楓の懸念に反して、店員に戸惑いは無かった。安心半分困惑半分の気持ちでいると店員が背中に回り、下着を胸に当ててきて。そのまま背中や二の腕などから、脂肪をかき集めるようにして胸に集めていく。
 驚く暇も恥ずかしがる暇もない見事の手腕で、気が付けば楓の胸にあったのは知る必要のなかったはずの装着感だけだ。

「どうですか?」

「え、あ……」

 先ほどから言葉にならない音ばっかり発している気がする。だが、眼下に広がる光景には感想などとても言葉として形にできない。女性の母性を象徴するなだらかな曲線が、胸の谷間が男のはずの楓に存在している光景は。
 決して大きくない。だが、小さくもなく確かに存在を主張している。男の夢の詰まった膨らみ。それの持ち主は楓自身なのだ。

挿絵2

【投稿小説】”男”を奪われた果てに ③

作:Haseyan http://mypage.syosetu.com/486829/
挿絵:そらねこ https://skima.jp/profile?id=23496

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「こんな時に、ダメだってのに……」

 気が付けば左手は右腕のワイシャツを掴んだまま、右手を胸に押し当てていた。初めて触れた女性の乳房、それの極上の柔らかさ。もう止まらない。

「はぁっ……はぁっ……!」

 仰向けになり両手でそれぞれの胸を揉み回す。気持ちいいのかどうかは正直よくわからない。だが、とにかく興奮した。中途半端に抑圧しようとした欲求は、かえって行為の激しくさせる効果しかない。

「いっ」

 あまりに強く掴み過ぎたせいか、痛みを感じて短く悲鳴を上げる。しかし、それでも女体を蹂躙する動きは止まらない。ただ今度はゆっくりと。優しく撫でるように触れていく。

「俺、なにして……るんだろう」

 自問自答しても欲望に支配された意識を理性が取り戻すことは叶わない。胸を揉む手は止まらず、段々と高まっていくのが分かる。先ほどの性転換の最中に感じた夢見心地のように。一転に集中する男と違って体中が熱っぽくなっていた。

「ぁっ……」

 興味本位で胸の先端の可愛らしい突起を摘まんだ。打って変わって鋭い快感が電気のように流れ、勝手に甲高い切なげな声が出てしまう。その自分のはずの声に、さらに興奮を覚えてしまった。
 下腹部の奥底で何かが一際大きく疼く。同時に太ももの内側にひんやりとした感触を得て、目を見開いた。

「う、そ……これじゃ、ほんとに……」

 女みたいだ。否、違う。本当に女なのだ。男のように一物を固くするのではなく、嫌らしく蜜を溢れ出させる女の子なのだ。
 ふと鏡へ視線を向ければ、そこには恋人のベッドの上で発情しきった女性が横たわっている。
 その艶めかしい吐息が。細く白い体が。柔らかな胸が。甘い液を垂らす秘裂が。鏡越しにこちらを見る女の子が。
 全てが、楓なのだ。

「一回だけだ……一回だけ。こうなったら仕方ないから……」

 中身の無い理由付けと共に、右手が下腹部を滑るように股間へと向かっていく。ゆっくりと作られたばかりの大切な場所へ進む。細い指先が目的の場所へ近づくごとに心臓の高鳴りが増していく。

「ほんとに、俺のがない……」

 太ももの隙間に指先を飛び込ませた先には当たりまえのように男の象徴が無くなっていた。代わりにあるのは、その男を受け入れるための器官。
 蜜を垂れ流しながら何かを期待するように待ち構えている、生まれたばかりの女性だ。

「ひ、ぃ……」

 秘裂に指先が触れる直前で僅かに躊躇うが、すぐ欲望に背中を押されて。軽くなぞるように刺激すると、経験の無い感覚がぞくりと背筋を走った。。
 単純に男の時よりも胴体に近いせいか、ダイレクトにそれが伝わってくる。男とは似て違うそれに慎重になりながらも、指は止まらない。

「こんな、音出てるのか……俺から……」

 何度も何度も上下に割れ目を指が蹂躙する。段々と快感を貪るように動きが早くなる。いやらしい水っぽい音が響き出していた。

「ふ、ぅ……」

 恐らくは楓の男の成れの果て。小さな肉芽を軽く摘まむ。今度は慣れ親しんだものに比較的近い感覚が返ってくる。しかし、記憶にあるものよりも刺激が強すぎた。それでも夢中になって、何度も何度も弄り続ける。
 楓の指先が女性の大切な場所を蹂躙する。同時に女性の指先に楓自身が弄ばれている。

「ん……っ、ぁ……あっ」

 だが、たどり着けない。自慰で声が出てしまい、体がビクピクと勝手に動く経験など初めてだ。それほどに全身は快感に震えているのに、その終点には足りない。男だったらとっくに出して終わっているはずなのに。

「あ、ぁ……ひゅぅ……っ」

 もどかしい。早く達したい。でもまだ足りない。だからといって激しすぎると今度は痛いだけだ。優しく逸る心を抑えながら、慰めていく。
 そして、ふわふわとした全身を包む女特有のそれに呑み込まれながら、終わりは近づいてきた。下腹部の奥底が熱い。男とどこか似ているようで、でも比べ物にならない快楽の天井が迫っている。

「く、ぅ……ぁ、あっ……」

 既に未知の世界にいるのに、これが爆発してしまったらどうなってしまうのか。本能的な恐怖を覚え、体を固くする。瞼を固く閉じ、それでも指は大切な場所をいやらしく求め続けて。

「あぁっ……!」

 勝手に腰が大きく跳ね上がると同時、全身の神経を快感が駆け巡った。甲高い悲鳴を漏らしながら気持ち良さに蹂躙される小柄な体は、静かに痙攣するのをすぐには止めてくれない。

「はぁ……はぁ……」

 気持ち良かった。男として生きてきて、これまで一人で致してきたものとはまるで違った。呆然とする意識の中にそんな考えが芽生える。
 しかも、一度達してしまっても、まだ余韻が残っているのだ。出すものを出せば急激に冷めていく男と違いすぎる。

「これ何回でも、いけそう……」

 淫らな思考が脳裏を過る。男とは似ているところがあっても、決定的に違う自慰をもう一度。求めるならば何度でも時間の許す限り、貪ることができる。

 だが、そこで自分がどこに寝そべっているのかに気がつき、飛び起きた。そうだ。楓は女の体にされて、あろうことか自分自身に発情し、恋人のベッドで一人致してしまったのだ。
 なるべく抑えていたとはいえ、あれだけ気持ち良さそうに声を上げながら。真っ昼間に恋人の家で一人。

「ほ、ほんとに何やってるんだよ俺は……!?」

 冷静になるのが遅れた。これが男のままなら終わった瞬間にでも思い出しそうだが、中々すぐには感覚の抜け切らない女のそれでは訳が違った。
 今でも鏡を見れば頬を色っぽく上気させた少女が、こちらを恥ずかしそうに見返してくる。それが男の楓だと信じられない現実を改めて見せ付けられて、頭を抱えた。

 本当にこんなことをしている場合ではなかった。どうにかして元に戻してもらわなくては困るのだ。

「やっぱりどうにかして戻してもらわないと……!」

 今さら女性の人生など受け入れられない。真紀が帰ってきたら、もう一度頼んでみるしかないだろう。仮に力づくで“男らしさ”の水晶を取り戻すにしても、このか弱い体では勝算は薄い。
 しかも真紀は魔女だ。想像できないような護身術があっても不思議ではなかった。

 部屋においてあったティッシュで見える限りの行為の跡を吹き去りベッドに腰かけ直すと、覚悟を決めながら真紀を待つ。ブラウス一枚で僅かに汗ばんだ肢体に再び悶々としたものが沸き上がりそうになるのは必死に無視した。
 両膝に拳を乗せて、言葉を選びつつ扉を見据える。

「ただいまー……ん?」

 ちょうどタイミングが良かったのか。ドアノブが動き真紀の姿が戻ってきたのは、ほんの数分後だった。
 異常な状況にも関わらず、いつも通りの彼女なのが逆に恐ろしい。そんな楓の内心も知らず、真紀は首をかしげると楓に視線を差し向けた。

「…………」

「な、なんだよ?」

「……いや、ごめんごめん。何でもないよ。それでどうするか結論は出た?」

「出るわけない。何度でも頼むから。元に、男に、戻してくれよ」

「しつこいなー」

 立ち上がり真っ直ぐに頭を下げる。もうこれしかない。ただひたすら、真紀にこの願いが届くことを祈るしか。それしか無いのだ。
 沈黙が満ちる。頭を下げているため、真紀の表情を探ることは叶わない。見えるのは女性らしくなってしまって楓のボディラインぐらいだ。顔が赤くなる。

「うーん、そこまで嫌なの? なんなら、楓くん自身も最初から女の子だったって記憶にできるけど」

「そんなことしたら俺じゃなくなっちゃうって……。本当に嫌だ」

 記憶まで書き換えられたら、楓は消えてしまう。体も中身も変質し、残るのは楓を元に創られた別の誰かだ。
 そんな最悪の展開だけは、何としてでも避けなくてはいけなかった。

 どこまでも食い下がらない楓に何か思うところがあったのか。真紀が何か考え込むように腕を組む。虚空に向けられていた彼女の瞳が、ふと何かに気づいたように楓へ標準を定めた。

 まずは顔を。続いてブラウスによって僅かながらに隠された体躯を。味見するかのように遠慮無く観察する。
 その視線に何故か緊張するのを必死に隠すように、黙って耐え続けた。

「じゃあ、わかった。今度こそわかったよ」

「ほ、本当か!?」

「その代わり今日一日は言うこと聞いてほしいかな。そしたらあの結晶は楓くんの中に戻してあげるよ」

「そ、そりゃあまた取り返しのつかない実験台とかは嫌だけど、ある程度のことならいくらでも聞く!」

 ようやく見出だした希望に思わず食ってかかる。これでさらに飛んでもない魔法の餌食にされたら堪ったものではないが、常識的な範囲ならいくらでも付き合おう。
 それで元に戻れるならドンと来いと言ったところだ。

「それで、何をすればいいんだ?」

「そのまま一緒に出掛けるの」

「え……このまま?」

「うん、そのまま」

 前言撤回だ。女の子のまま外を歩けと、それはあまりに難しい。ただ出掛けるだけだからと、この姿を人前に晒すのは抵抗がありすぎる。
 事情を知らない人からすれば何も恥ずかしいことはないのだろうが。楓からしてみると女装して街中を歩く、そんな気分に近かった。

「嫌ならいいけど、ずっとそのままね」

「わ、わかった! 普通に出掛けるだけだ! それなら構わないから!」

 しかし、楓の内心を他所に真紀は当たり前のように、絶対の権利を行使した。それを出されてしまっては楓が拒否することなどできはしない。
 どちらの方が立場が上など、考えるまでもなかった。

「ふふ、それじゃあ行こっか」

「あ、ああ……」

 嬉しげに手を叩く真紀の姿とは真逆に、楓のテンションはどこまでも転落していった。

【投稿小説】”男”を奪われた果てに ②

作:Haseyan http://mypage.syosetu.com/486829/
挿絵:そらねこ https://skima.jp/profile?id=23496

①はこちら

挿絵1 完成

「ま、真紀ぃ……一体何を、して……声も……?」

「ぺっ。うん、綺麗な結晶になったわね」

 荒く呼吸を繰り返しながら尋ねても、真紀は見向きもしなかった。代わりに口から吐き出したビー玉のような青い水晶をご満悦の様子で見つめている。
 嬉しげに微笑む姿は楓の惚れた女性のままで。逆にそれが恐ろしい。楓はこんな訳の分からない目に合っているのに、普段と変わらない彼女が。恐ろしくて仕方がない。

「答えてくれよ、本当にな、あぅ……!?」

 立ち上がろうと足に力を入れるが、満足に上半身を持ち上げることなく崩れてしまった。力が入らないこともあるが、それ以上に足の長さや向き。当たり前のそれらが脳の認識と大きく異なっている。
 初めて使う機械を説明書無しに動かそうとして失敗する。そんな感覚だった。

「あー、無理して立たない方がいいよ。いきなり体が変わって、手足も満足に動かせないでしょ?」

「体が変わって、って……」

「見るなり触るなりすればわかるよ」

 どこか他人事な真紀に怯えながらも、楓は恐る恐る己の手のひらを見つめた。だが、袖に覆われて指先がちょこんと飛び出ているだけ。震える手でカーディガンとシャツを捲れば、姿を現したのは細く白い腕だ。
 明らかに楓のものではない。まるで子供のような、或いは女性のような。

「な、なんだよこれ……髪も長くなって……」

 こうなってしまっては邪魔なだけだとカーディガンを脱ぎ捨て、その最中に長い絹のようなものが頬をくすぐった。柔らかな長い長い髪の毛。それが背中にかかるほどに伸びている。
 喉の手を当ててみれば、喉仏は見当たらず腕のように細く変化していた。そのままゆっくりと撫でるように下げていけば、ふっくらとした脂肪の丘がカーブを描いている。

 さらに手が下がる。腰は元の状態よりも二回りも細くなり、そしてお尻にかけて緩やかな二つ目の曲線を生み出していた。手を戻して胸の丘に当ててみる。柔らかい感触が指から、そして逆に触られるこそばゆさが胸から発信される。
 あり得ない。しかし、見て触った結果全てが一つの事実を指し示していた。その結論に達したところで、楓はハッとなると左手を胸に残したまま右手をさらに下へ降ろす。最後の希望に縋るように腹をなぞり、股間に指先を突っ込んで、

「う、そ……だって」

 何もなかった。正確には別のものが形成されていたが、少なくとも楓が求めるものは無かった。それで今度こそ楓は事実を受け入れるしかない。女性になってしまったという信じがたい事実を受け入れるしかないのだ。
 それでも同時にあり得ないという気持ちも心の半分を満たしていた。先ほどまで男で、十九年間もそれで過ごしてきたはずなのに一瞬にして女性になってしまうだなんて。そんなことは、あり得ないはずなのだ。

「真紀、説明してくれよ! お前は一体何で……俺に何をして……!?」

「……私ね、魔女なの」

「は」

 とても現実に放つとは思えない言葉に、間の抜けた声が漏れる。だが、真紀の瞳は本気だった。少なくとも冗談の類はうかがえない。

「ちょっと珍しい素材が研究に欲しかったんだけど、切らしちゃってて。それで楓くんから貰ったの」

「貰うって何を……?」

「言ってしまえば“男らしさ”ね。ほら、これが楓くんの男の子としての要素。それを物質化したやつよ」

 唖然とする楓に見せつけてくるのは、先ほど真紀が吐き出した青い水晶だ。僅かに向こう側が透けて見えるその物質の向こう側で、悪戯っぽく真紀が笑っていた。

「それで俺は……こんな体に」

「そうそう。人間ってのは元々ママのお腹の中では全員女の子なの。男って要素を貰って男の子になるだけ。だから、それを吸い出したら女の子になっちゃったって。そういうわけね」

「わ、わかった! 理由とか魔女だとかもう何でもいいから! 俺に返してくれ!」

 話の内容は半分も理解できなかったが、それでも原因はつかめた。どうにか取り返そうと立ち上がり、真紀に飛びかかろうとするが、一歩踏み出しただけで転倒してしまう。
 ズボンを踏んでしまったこともあるが、相変わらず体の自由が利かないのだ。

「そんな必死になられても……これ買うと高いもん」

「知らないっての! そんなことは!」

 倒れたまま見上げる真紀はやはり自然体だった。これほどまでに楓は決死の気持ちなのに、冷めているとそう思えるほど落ち着いている。
 それは最愛の恋人などではなかった。ただこちらを見下ろしているのは、一人の“魔女”だ。楓を素材を取り出した後の残りカス程度にか捉えていない。真紀の瞳は静かにそう告げていた。

「だ、騙したのかよ……最初からこれ目的で、俺と付き合ったふりして……」

「そんなことはないよ」

「は? だったらなんで」

「私は楓くんに告白されて嬉しかった。でも、それ以上に魔女としての研究が大事なだけなの。もし好きじゃないなら他の材料みたいにポイ捨てするし」

 魔女は人間と価値観が違うのだろう。楓には全く理解できない理論を当たり前のように展開してくる。そして何より、聞き捨てならない言葉があった。

「他の材料……?」

「そうそう、最近うちの大学で行方不明事件が話題でしょ? あれはね、私がみんなの“男らしさ”を奪ったの。ちょっとそれっぽいこと言ってあげたらほいほい付いてきて、簡単だったよ」

 楓は目を見開く。目の前に連続行方不明事件の犯人がいる。そして、自分もその被害者になってしまったのだと、ようやく理解した。
 こうやって女の子にされてしまえば、誰も被害者の男子大学生とは思わないだろう。保護されたとしても記憶が混濁している少女として、別の事件扱いされるのが妥当か。

 警察の捜査が難航しているのも当然だった。死体が見つかる訳もなく、本人たちの体は既に失われてしまっている。特定するのは不可能だ。

「言っておくけど、その場で声をかけただけで別に何もしてないからね。騙して人目のないところに連れ込んで、そのまま貰うもの貰っちゃっただけ。浮気なんてするつもりはないから」

 何も言葉が出てこない。真紀はあくまで楓の恋人という立場を否定するわけではなく、そのうえで楓から大切なものを奪った。理解できない。理解したくない。
 大好きだった恋人は、恋人のまま魔女でもあっただなんて。

「でね、そんなんじゃ楓くんも困ると思うから、私がどうにかしてあげるよ」

「どうにか……? そんなことより元に戻してくれれば」

「それは無理。一、このまま私が用意した戸籍で新しい人生を送る。二、ちょっと周りの記憶を書き換えちゃって最初から女の子だったことしちゃう。三、ここで私の研究の手伝いでもしながら暮らす。どれがいい?」

「──いい加減にふざけないでくれよ!」

 もう、我慢の限界だった。楓に寄り添ってくれてるのか、ただの材料だとしか思っていないのか、訳が分からない。頭は当の昔に破裂寸前で、怒りの沸点は今超えた。
 魔女だかなんだとか知らないが、楓の人生は滅茶苦茶だ。どれを取っても元の生活には戻れない。
 十九年も男として生きてきて、今から女性として生きるのなんてできやしないし、できたとしても願い下げだ。ただ一つ、今の楓が求めるのは男の体を取り戻すこと。それだけなのだ。

「────」

「……怒鳴って悪かった。でも本当にお願いだよ。まだ俺のことを好きなら、一回ぐらい言うこと聞いてほしい。全部、無かったことにして忘れるから。だから」

 少女の声で必死に祈願すれば、真紀は静かにこちらを見つめていた。座り込んだまま両手を合わせて、頭を下げる。
 もし、楓の好きだった真紀が在ってくれるなら。魔女ではなくて恋人でいてくれるなら。そう願い続けて、

「わかったよ」

「っ! なら……」

「さすがにすぐに決められないよね。私はちょっと他の事やってるから。あ、そうだ。服も無いと困るだろうし……とりあえずこれでも羽織ってて」

「え、あ、ま……って」

 タンスから一枚の布を投げ渡すと、静止に振り返りもせず真紀は部屋から出て行ってしまった。一人取り残された部屋の中、茫然としても彼女がすぐに戻ってくる気配は無い。絶望に思考が停止し、楓は頭を抱えた。

「本当に、どうしよう……」

 自分の喉から鈴のなるように可愛らしい声が響くのが忌々しい。指先から感じる頭は小さく、そして髪の毛質は柔らかくさらさらとしているのもまた、その嘆きの対象だ。どこからどこまでも楓は元の楓ではなくなってしまった。
 散々に弱音をまき散らし、それでようやく周囲を見渡す。とにかく何か行動しなくてはいけない。そんな思いから視線を飛ばして、大きな姿見に目が止まった。

「……あれが、俺?」

 鏡越しにこちらを困惑した表情で少女が見つめている。内股の、所謂、女の子座り。ぶかぶかな男物のシャツとズボンで隠され、首から下はよく見えないが、それでも女性らしい緩やかな曲線を描く体つきなのはかろうじて分かった。
 逆に完全に剥き出しな少女の顔は、化粧をしていないとは思えないほどに綺麗で可愛らしくて、それだけは安堵する。良くも悪くも完全に女性の体と顔だった。これで中途半端に男のままだったら最悪なんて言葉では済まされない。
 あくまで不幸中の幸いに過ぎないが、少しでも良いことに目を向けなければとても耐えられなかった。

「よ、よし。ゆっくりなら、立て……る」

 傍にあったベッドに手をついて、ゆっくりと二本の足で立ち上がる。一度安定すれば問題ないが、少しでも歩こうとすると違和感が大きくてまた転倒してしまいそうだ。
 そもそも目線の高さも足の長さも違う上に、何だか腰が妙に高い気がする。骨格の違いか、意図せず内股になってしまいそうになるのも、体を動かしにくい原因の一つだった。

 そして何より、衣服が邪魔である。ズボンを踏んでしまうのは当然のこと、シャツの袖はどんなに捲ってもすぐに落ちてきてしまう。これでは不便極まりなかった。

「暖かいし脱いじゃって……このまま?」

 幸いにも室温は寒くも暑くもなく、裸でも風を引くことは無い。しかし、それでも楓は躊躇った。だって今裸になって露になるのは、慣れ親しんだ男の体ではなく、女の子の体だ。
 未だ真紀ともそこまでの関係を持っていなかった楓は、それを想像して顔を真っ赤に染める。そんな体が今の自分自身だと思うと余計にだった。

「じ、自分の体だって……そもそも、そんなこと言ってる場合か」

 半ば自分に対しての言い訳のように吐き捨てて、楓はベッドに腰かけると服を脱ぎ捨てていった。身動きを邪魔していた布が無くなり、代わりに開放感に包まれる。しかし、ゆっくりと視線を降ろせばそこにあるのは生まれままの姿を──それは違うか。
 一糸纏わぬ姿を晒す美しい少女の裸体があった。ただしその内面を反映するように隠されるべき場所は大股に開かれていて、急速に恥ずかしさを感じると楓は勢いよく足を閉じた。いくら動きにくかったとはいえ、これでは目に毒が過ぎる。

 やはりぶかぶかでも着ておくべきかと悩んでいると、先ほど真紀がタンスから取り出した布に目が付いた。立ち上がり胸が揺れる感覚などに翻弄されながらも、ゆっくりと手に取る。

 それは白いワイシャツだった。他にサイズが合いそうな衣服も無く腕を通す。裸よりかは断然マシになった。そう思い、再び姿見に視線を移して、

「……裸よりも悪化してる」

 思わずくぎ付けになった。先ほどと同じ少女が、今度は涙目で裸にワイシャツ一枚で見つめている。しかし、薄い布は女性らしい曲線美を余計に目立たせ、とてもきわどい姿を演出していた。
 思わず隠すように胸の辺りで体を抱くが、更なる危険な香りを放つだけだ。何より腕の内側に存在する柔らかな感触が、少女の顔をさらに熱くする。

「うぅ……こんな、のって」

 はっきり言って、普段ならば楓は股間が膨らむのを抑えきれていなかった。しかし、今その感覚は微塵もない。最早、その場所にあるのは誰かを愛する器官ではなく、愛される器官だけ。目立った変化などあるわけがない。
 代わりに男としての内面に共鳴して下腹部の奥が疼くような、未知の気配を感じそれが全身を支配していく。性転換と同時に体を貫いた衝撃を、否、快感を記憶として体が呼び戻す。

「あ、これ、やばい……」

 妙なスイッチが入ってしまった。ダメだ、こんな状況で何をするつもりだ。必死に自分に言い聞かせるように心の中で叫んでも、体の火照りは収まる気配がない。顔だけに存在していた熱が全身に移り、思考が白熱する。
 その熱が理性を少しずつ溶かしていた。何故だか足腰に力が入らなくなって、耐えきれずベッドに倒れ込む。

「落ち着け、落ち着け……やめろ……!」

 どうにか抑え込もうと、横向きに寝そべりながら体を抱き、ワイシャツを伸びるほどにわしづかむ。消さなくてはいけない欲求を握りつぶすように、無意識のうちに足を揃えて体を丸める。だが、それも逆効果でしかなかった。
 自分を抱いているはずなのに、それはひどく柔らかい。こすり合わせる太ももがすべすべで気持ちが良い。そして、寝そべるベッドからは、恋人の真紀の匂いがした。

 こんな訳の分からない目にあっても、楓はまだ真紀への恋心を忘れることはできていなかったのだ。きっと、命の危険を感じたり、痛みを伴っていないからかもしれない。
 だからまだ好きな女性の匂いを傍に、女性の体が目の前にある今の状況で。魂は男である楓が興奮しないわけがない。そして、その興奮の影響を受けるのは女性になってしまった今の体なのだ。

③へつづく

【小説】ヒーロー訓練生のオレが訓練中に女体化してしまった件について ③

作 TAMAこんにゃく https://skima.jp/profile/?id=32953
キャラデザイン 蜂密柑 https://twitter.com/hdkmkn

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①から読む

「さあ、この中を進むのだ」
「………………」
 戦闘服に着替え直したあと、プール先の扉に入ったオレの目の前に現れた、まるで車の洗車ブースのような大きめの機械。
「どうした? 何をためらう?」
「ためらいますって!」
 事も無げな校長の口調に対し、オレは反論する。
「何か中で、ウィィィィィンって動いてますよね?」
 ブースの内部では、幾重にも連なった小さな洗浄ブラシらしきものが回転を続けていた。
「これに耐えることができれば、敵のどんな攻撃でも耐えられるようになるだろう……」
「……エロ限定ですけどねっ!」
「どうとでも言うがいい。正義のためには手段を選んではいられん」
「………………」
 有無を言わさぬ感じになってきたので、仕方なしにブースの入り口前に立ち、
「――行きますっ!」
 左右の頬をぱんぱんっと叩き、腹をくくって歩みを進めた。
 ヴッィィィィンッ……!
「んっああっ……やっあっああっ……!」
 回転する細やかな毛が、戦闘服越しに身体に容赦なくこすり上げていく。
「んっはああっ……やあっはあっあぁぁっ……あっあっあっああっ……!」
 断続的に伝わってくるもぞもぞってした刺激の前に、思わずオレはブースから身を引っ込め、
「はあっはあ……こ、こんなの無理ですっ……!」
「どうした本郷字訓練生! 怖気(おじけ)づいたかっ!」
「怖気づいたとかじゃなくてですね……」
「心頭滅却すれば火もまた涼しだっ! さあ行けっ!」
 説得するのは無駄だと実感したので、改めてオレは覚悟を決めて突っ込む。
「んっあっあっ……くっふあっふぅっ……やっ、やぃぃぃぃンっ……!」
 ヴゥゥゥンと荒れ狂うブラシの中。当然、強烈なこそばゆさが全身を襲うことになるものの、精神を集中してなんとか強引にかいくぐり進んでいく。
「あっひアッひあひアッ……! ひっひぃぃいっッ……!」
 胸やお腹、脚といったところは元より、脇腹や鼠径部、脇下などの特に敏感な個所までブラシでこすり上げられ、否応なしにこみ上げてくる猛烈なくすぐったさに素っ頓狂な声を上げてしまう。ある意味これは、喘ぎ声を聞かれるよりもずっと恥ずかしい。
「くっひゃっふっひぃぃぃッ……! はあっはあはあっはあ……」
 あまりのくすぐったさに過呼吸気味になりながらも、オレはブースを突っ切ることに成功した。
「はあっはあっ……はあっはあ……」
「見事だっ……! 次は――」
 呼吸がようやく整ってきたところに、無慈悲にも南雲校長が指示を出そうとしたそのとき、
「ちょっと待て! 今、緊急に連絡が入ってきた」
 南雲校長の口調が、急に緊張感あふれるものに変化した。
 ややあって、再び天井からの声が響く。
「今、この訓練施設に怪人が出現したそうだっ!」
「怪人っ……!」
「怪人はD2ブロック……近くにいるぞっ!」
 ぴりっとした緊張感が、オレの意識を走り抜けたそのとき、
「はーっはっはっ、見つけたぞヒーロー訓練生!」
 気付けば近くに、怪人らしき異様な姿があった。
「お前は……」
「聞いて驚けっ! 俺の名はタコ怪人っ! お前を始末するために来た地獄の使者だっ!」
 怪人はその名の通り、赤い顔に筒のような口、人間とほぼ変わらない両腕、二足歩行で鎧のようなものを身にまとっている。
(確かに、タコそのものって顔してるな……)
 何のひねりもないネーミングだったが、わかりやすさとレトロ感だけは評価できる気がした。
「ちょうどいい本郷字訓練生! この怪人を倒せっ! それを最終試練とするッ!」
「えっ……オレがですかっ!?」
「そうだっ! 君ならできるっ……頼むぞっ!」
(南雲校長……オレに期待してるんだなっ……!)
 憧れのヒーローの頼みに、オレは応えることにした。
「いくぞっ怪人っ!」
 めらめらと戦意をたぎらせ、拳を握りしめて怪人に向かっていく。
「馬鹿めっ。これでも喰らえっ!」
 にやりと笑うタコ怪人。その背中から突然、ぶっとい触手が伸び、
「しまったっ……!」
 オレの身体は、何本もの触手に絡め取られてしまった。
「ふふふふっ……イイ身体してるじゃないかお前……」
「離せこのぉっ……! あっ……あっあああッ……!」
 触手を振りほどこうとした途端、その先端部が服の隙間をぬって中に入り込み、柔らかな個所に吸い付いてきた。
「ほ~れほれほれ~気持ちよかろ~」
「そんなこと……ひうっ! あるわけなっ……ひうっふっ! あっあっあっぃぃぃッ……!」
 口では強がって否定してみるものの、かん高く声を漏らしてしまっていては何の説得力もあるまい。
「ふぁうっふっ……くあっあっあぁぁっ……そ、そんなことらめぇぇぇ……!」
 実際、両胸の先端やお腹、その下の股といった部分をなぶられるのは心地よい気がした。
 ただし、それ以上におぞましさの方が先に立つ。
「ひっひひひっ……ヒーロー訓練生って言っても、所詮はただの女じゃねえか。このまま、オレの奴隷にしてやるぜっ……!」
「ひうンッ……! くっ……くそっ!」
 力を込めれば込めるほど、触手の締め上げがきつくなっていく。タコ怪人の下卑た笑い声を聞くことしかできないオレの胸中に悔しさが滲む。
(これじゃまるで……あの時と一緒じゃんか……)
 脳裏には、怪人に為す術もなく怯え、座して死を待つしかなかった、十数年前の記憶がフラッシュバックしていた。
(あの時、何もできなかった自分が悔しくて仕方がなかった……だからこそ今まで、死にものぐるいでつらい訓練を乗り越えてきたんじゃないか……それなのに……オレは……)
 そこでふと、心の奥底で何かがたぎり出す。
(いや……今はもう、あの時のオレじゃないはず……君ならできると、南雲校長いや、仮面の柔術家南雲は言ってくれたじゃないか……!)
 憧れのヒーローの言葉を、今一度噛み締め、
「うっおぉぉぉおっっ……!」
 オレの中で、再び熱く燃え上がる正義の心。
「なっ……何だっ……このプレッシャーは……」
 タコ怪人は触手による締め付けを、より強くするものの、
「その汚らわしい触手を離せッ!」
 瞬間、全身に強烈な力がみなぎり、まとわりつくタコ怪人の触手を吹き飛ばす。
 すたっと着地したあと、
「はっあぁぁぁぁぁっ……!」
 精神を集中させ、両腕を堂々とX字に交錯させ叫ぶ。
「バーニング・クロスファイヤー!!」
 燃える正義の心が具現化した衝撃刃が、クロスした両腕から飛び出し、
「げっげげげぇぇっ……!!」
 直撃を受けたタコ怪人は、勢いよく吹き飛ぶこととなった。
 ドッガァァァァァァンッ!
 そして、室内の壁にその身体が叩きつけられる。
「やったよなっ……?」
 立ち昇る煙の中を、目を凝らして確認しようとした。
「えっ……!?」
 煙が収まってくると、壁にドデカい穴が空いてしまい、計器類やモニターだらけの部屋が丸見えになってしまっているのが確認できた。それどころか、室内にはよく見知った眉毛が太く彫りが深い顔立ちで、体格が良いスーツ姿の中年男性の姿が見えるではないか。
「なっ……南雲校長っ……なぜここに……!」
「実はここが、生徒の訓練を統制する管理室なんだ。今まで場所は秘密にしておいたがな……」
 駆け寄ったオレに対し、校長は動じることなく答える。
「あれっ……あなたは誰です?」
 校長の隣には、黒いマントに身を覆った軍服姿の、割れた顎が特徴的な中年男性がいた。
「ああっ、彼は――」
 紹介しようとする校長を、黒マントの男性は手を挙げて制止し、
「ふふふっ……聞いて驚くな……私こそが悪の軍団ゴルレムの首領、ノーザンパイク大佐だっ!」
「何だとっ――!」
 身構えるオレ。ゴルレムといえば、20年ほど前に日本のみならず、世界中に暗躍していた組織じゃないか。
 十数年前、オレの父さんを殺した組織、"デルドムン"とはまた別ではあるが。
「違うだろパイク。元"悪の軍団"だろ」
「ああ、そうだったな。いやーすまんすまん」
 突っ込みを入れる南雲校長と、気恥ずかしそうに後頭部をかくパイク大佐。
(なんだか妙に仲が良さそうだが……?)
 にこやかな二人を見ると、感じる違和感が拭えない。
「あの……お二人は?」
「今度こそ私の口から説明しよう。今から17年前、私は激戦の末に、ここにいるパイク大佐を倒し、ゴルレムを壊滅させた」
「それは良く知ってます」
「そのあとなんだが、パイク大佐は自分たちを打倒した、正義の力に強い関心を抱くようになってな……気付けば我々、ヒーロー側に組織ごと協力してくれるようになったのだ」
「えええっ!」
 そんなの初耳である。
「ってことは……今倒したタコ怪人はもしかして……」
「ああ、我々の組織の者だ……訓練にサプライズとして登場してもらったんだが、まああの様子では、全治二週間といったところか」
「す、すみませんっ!」
 空いた壁の穴のそばで伸びてしまっているタコ怪人に目をやるパイク大佐に対し、オレは深々と頭を下げる。
「なあにっ……気にする必要はない。怪人は頑丈さだけが取り柄だからな」
 ハハハと笑うパイク大佐。確かに、ちっとも邪悪なものが感じられない。
「ところで……あなたはどうしてここに?」
 ふと湧き上がった疑問。
「良くぞ聞いてくれたっ……本郷字劾……君の女体化調教についての協力を、南雲校長から頼まれてね……」
「ええっ……!」
 ふと明かされる衝撃の事実。
「ち、ちょっとパイク……」
「す、すまんすまんっ……悪の首領だった頃の、ヒーローの前で悪巧みを、堂々とぶっちゃけてしまう癖がまだ抜けていなくてな……」
 さっと顔を青ざめさせる南雲校長に対し、やっちまったという感じで顔をかくパイク大佐。
 正直な話、今はこの黒マントの方が信用できる。
 だが疑問点は、とりあえず当事者にぶつけることにした。
「ど、どういうことですかっ!」
「ええとっ、これはだね……」
 普段の鷹揚な様子とはうって変わって、校長は明らかに歯切れの悪い口調になっていた。
「私が説明しよう。これまで君が女体化した後の、一連の過程は全て映像として記録されている」
「――――!!」
 パイク大佐の説明に愕然とするオレ。ってことはあんなことやこんなことも……記録されちまってるってのか。
「と、いうことは更衣室も……」
「ああ、もれなく録画してあるぞ」
「………………」
 へなへなへなっと、オレはその場にへたり込んでしまう。
「ど、どうしてそんなことを……」
 うつむいたまま、南雲校長に対して問いかける。
「ええとっ……あっあの……」
「私が説明しよう。録画した映像を作品として売り出し、その売上金をヒーロー養成所の運営基金に当てる目的のためだっ!」
「……はあっ!?」
 パイク大佐の口から暴露されたあんまりの事実に、オレは耳を疑った。
「本当ですかっ校長っ!」
「もはや言い逃れできんようだな。その通り、最初から君を女の子に変化させ、"ヒーロー訓練生が女体化し調教されるマル秘映像"として密かに流通させるつもりだった……これまで君が訓練で浴びていた波動、あれには実際に、女体化を促進させる効果があった」
「ということは、最初から知ってて……」
「だって訓練生の中でも、女体化の適正を持っているのは君だけだったんだ!」
 開き直った南雲校長に対し、オレは喰ってかかる。
「どうしてそこまでして、資金が欲しかったんですかっ!」
「仕方ないだろう! 10年前、"デルドムン"を壊滅させて以来、悪の組織の活動は世界規模でなりを潜めていった! その影響で、毎年毎年予算が減らされてしまってな!」
「それでも、いいじゃありませんか!」
「よくないっ! 悪の組織というものはいつ、活動を活発化させるかわからんっ! だから何としても、十二分な資金が必要なのだっ!」
「そうですかっ……うふふふっ……」
 どこまでも悪びれない校長の返答。頭の中でふと、何かが切れた感じがした。
「わ、わかってくれたか本郷字訓練生……」
 安堵した様子になる南雲校長に対し、
「あなたは確か、大切なのは性別ではなく、正義を愛する心だと仰られましたよね……」
「ああ、言ったぞ」
「それなら、オレも自分の中の、正義を愛する心に従って、目の前の悪を討ちます!」
「悪…………!?」
 きょとんとする南雲校長。一方、パイク大佐はいつの間にか、部下のタコ怪人とともにいずこかへと消えていた。さすがは元、悪の首領。称賛すべき危険回避能力である。
「わかっていないようですね……あなたのことですよ!」
「げっ……!」
 ようやく気がついた校長は、わたわたと慌てふためき、
「ま、待て……は、話せばわかる……」
 もちろんオレの答えは、
「――――問答無用っ!」
 自分の憧れだったヒーローに対し、怒りのバーニング・クロスファイヤーをぶちかますこととなった。
 むろん、撮影された一部始終の映像記録は、跡形もなく全て消滅させたことは言うまでもない。

【小説】ヒーロー訓練生のオレが訓練中に女体化してしまった件について ②

作 TAMAこんにゃく https://skima.jp/profile/?id=32953
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 3日後の戦闘訓練。
「ようしっ、次の部屋に向かえっ!」
 例によってオレは、”戦闘訓練タイプ2”を余裕でクリアしたあと、鉄扉をこじ開け次の部屋に向かう。
 そして、壁際のブースに身体を預けた。
「ボタンを押してください……」
 無機質な機械音声が聞こえてくる。
(いいかオレ、自分の感覚を素直に認めるんだ……)
 再度自分に言い聞かせたあと、どきどきしながら赤ボタンを押す。
 ウィィィィィン……。
 すぐさま波動が、全身へと伝わってきた。
「んっんっ……あっうぅぅっ……」
 無意識のうちに心と身体が強張っていたので、
「んんっ、ふぅぅぅっ……」
 深々と息を吐き、意識的に緊張を解きほぐした。
 途端、妙な感覚が身体奥で強くなり、
「――っっはっ!? あっあっあぁぁぁんっ……!」
 オレはそれこそ、女の子のような声で嬌声を上げることとなる。
「あんあんっ……き、気持ちいいよぉおぉっ!」
 その瞬間。
 ドックン!
「――――!?」
 ドックン! ドックドクドク! ドックン!
 自分の身体が、何かしら別のものに移り変わっていくような感覚がして、
「あんっ……もうっ……いきなり過ぎっ……!」
 気付けばオレの声は、女の子のようにかん高くなっていた。
「ど、どうしちゃったんだ……」
 思わず口元に手を当てる。同時に波動が停止し、ブースが開かれた。
「えっ……」
 自らの身体を見て目が点になる。いつもは真っ平らなはずの胸元が、なぜか豊かに膨らんでいる。
(これ……乳首浮き出てるじゃんっ……!)
 張り出した双丘の先端に、くっきりと乳首が浮き出ていた。
(お尻もなんだかぴしっとしてる……胸と一緒に膨らんだみたい……)
「――――!? もしかして……」
 ようやくそこで、ある単純な事実に気が付く。
「お、オレ……女になっちゃったの!」
「う~むっ……そのようだな……」
「こ、校長っ……これはいったい、どういうことですかっ!」
 響いてきた南雲校長の声。気が気でないオレは質問をぶつける。
「これは……脳が女体化シミュレーションを現実のものとすっかり誤解してしまって、実際に女体化が起こったようだな……心当たりはないか?」
「…………!?」
(そういやオレ、気持ちいいっていう感覚を素直に認めたよな……)
 頭を抱えつつも、オレは質問を続けた。
「あのっ……元に戻るためには……」
「実はな……女体化した男性ヒーローが、元通り男性に戻れたという実例はこれまでない」
「ええっ!!」
 それはあまりに、残酷な事実であった。愕然と、その場にへたり込んでしまう。
「本郷字訓練生……ショックなのはわかるが……」
「オレは女の子……オレは女の子……オレは女の子…………オレは女の子………………オレは――」
「しっかりしたまえっ! 女性だからって、ヒーローになれないわけではないんだぞっ! これまでも数多くの女性ヒーローが、男性に負けず劣らずの活躍をしてきた!」
「…………!」
 はっと衝撃を受け、オレは顔を上げる。
「大切なのは性別ではなく、正義を愛する心! 違うかねっ!」
「そ、その通りですっ……!」
 再び立ち上がる。南雲校長の仰る通り、オレは大切なものを見失っていた。
「ではまず、この試練を突破したまえ」
「はいっ!」
 元気よく返事をし、最初のブロック群を飛び越えていく。
(うんっ、女体化したからといって、肉体の能力はそのままだな……)
 ひとまず安堵するオレだったが、
「……………………」
 無事ブロック地帯を抜けてみると目の前には、バリアポールゾーンが音を立てて立ち塞がっている。男性の時にやっとこさ通過したここを、完全に女体化してしまったオレがはたして通過できるのか。
「どうした? 今の君は行くしかないんだっ!」
「……もちろん行きますっ……!」
 毅然とした態度で校長に返答し、バリアゾーンに足を進めた。
 バッチバチバチバチッ……!
「んっふぅぅっ……! はうっはぅぅっ……!」
 刺激が伝わってきた途端、身体に広がってくる痛がゆいような刺激。
 それは瞬く間に全身に回り、性感となって否応なしに声を上げてしまうのだった。
「んんんっ、むっふぁぅぅンっ……!」
 思わず、その場にへたり込みそうになる。
「どうしたっ! 女性だからってこれしきのトラップ、突破できないのでは話にならんぞっ!」
「くっふぅっ……!」
 叱咤を受けたオレは、きりっと前を見据え、
(大切なのは、湧き上がってくる感覚を素直に認めることっ……!)
 そう心に刻み、敢然と足を進めた。
 ビリビリビリッ……バチバチバチッ……!
「んっふぁぁぁ……いっいぃぃぃん……こ、これ嫌いじゃないかもっ……!」
 電磁バリアの衝撃の中に、明らかに心地よいものが感じられ、
「ぬっふぁっあんあんあんッ……! これっいぃぃぃぃんっ! バチバチすんの気持ちいぃよぉぉぉっ!」
 ついにオレは、快感を求めて自ら積極的に、歩みを進めるようになった。
「あんああっ……しびれんの好っきぃぃぃぃっ!」
 もはやへたり込むことなく、性感にもだえながらもそのまま、電磁バリア地帯を突っ切ることに成功する。
「はあっはあ……もう、終わっちゃったの……」
 ふと我に帰る。
(やっばっ……いくら感覚を素直に受け入れるといっても、これじゃただの痴女じゃんか……)
「こほんっ……見事だ……本郷字訓練生……」
「――――――!?」
 わざとらしい校長の咳払いを聞き、オレはいたたまれなくなってしゃがみ込む。
(ああっ、穴があったら入りたいっ……)
 実際に穴はないかと、きょろきょろ辺りを見回すものの、残念ながら設置されていなかった。
「では、ここを飛び越えてもらおう」
 羞恥心をひとまず脇に押しやり、身を起こして前方を見る。そこには、毎度毎度突破することのできなかった15メートルの柱が悠然とそびえていた。
「はぁぁぁっ……ふぅぅぅっ……」
 深呼吸で精神を落ち着かせたあと、助走をつけ思い切って跳躍する。
 びくんっ……!
 案の定、高台まであと1メートルのところで不意に妙な感じになるものの、
「んっはぁぁぁンっ!」
 湧き上がってきた性感により身体を縮こませるのではなく、そのまま跳躍中の筋肉にぴっしぃぃぃんと力を込めた。
 スタッ……!
 気が付けば、オレは高台上への着地を華麗に決めていた。
「こ、これは……成功したっ……」
 すぐにぱちぱちと、手拍子の音が響いてきて、
「見事だぞ本郷字訓練生! やればできるじゃないか!」
「ありがとうございます校長……!」
 湧き上がる喜びに打ち震える。6回目にしてようやくの突破であった。
「だが、戦闘訓練タイプ3はここからだっ! 先に進みたまえっ!」
「はいっ!」
 意気揚々と高台から前進し、扉を開けて次の部屋に……。
「これは…………」
 そこには目測100メートルほどの長さの、大きめのプールがあった。
「ここを泳いで突破してくれ」
「それだけですか……?」
「そうだ。その服装のままってわけにはいかん。そこの更衣室に水着が用意してあるから着替えるといい」
「ええっ……」
 拍子抜けしつつも、オレは指示通りにプール脇の更衣室に入った。
「水着に着替えるってことは……当然脱ぐんだよな……」
 当たり前のことを確認し、着用していた白いマント、モノクロのツートンカラーが特徴的な戦闘服といった、いわゆるヒーロースーツを脱ぎ捨て下着姿となる。
 ぷるんっ……!
 途端におっぱいが露出することとなった。
「しっかし、大きいなコレ……」
 改めて見ると、正直邪魔くさい気がする。
 オレは続けて、靴下とトランクスを脱ぎ捨てた。
「………………」
 一糸まとわぬ姿の自分を、備え付けられていた鏡で見つめる。
「すっかり、女の子になっちまったんだなオレ……」
 たわわな胸に大きめのお尻。丸みを帯びた全身は、ナイスバディとでも形容すべきだろう。
「でも……自分でなければ十分に、可愛い女の子だよな……」
 客観的に見て今のオレは、ショートカットがよく似合う正真正銘の美少女であった。
「うふふっ……」
 口元に人差し指をそっとあてがい、艶めかしく微笑んでみる。
「な、何やってんだオレ……」
 すぐに恥ずかしくなり、いそいそと用意された水着を着用する。
「普通の水着だよなこれ……」
 身につけたソレは、何の変哲もない競泳用水着であった。
「強いていうなら、おっぱいが強調されるのが恥ずかしいような……」
 とりあえず、更衣室から出る。
「遅かったな本郷字訓練生。早速始めたまえ」
「はいっ……」
 自分の水着姿を校長に見られていると思うと、いたたまれなくなるような気がしたが、
 ひとまず、プールの中にざっぱぁぁぁんと飛び込み、水をかき分けるクロールを開始した。
(いくらなんでも、これだけで済むはずがないような……)
 そう思ったとき、
 ぐっにゅっ……。
 突如柔らかな触感が、手の平に伝わってきて、
 ぐっにゅっ……ぐっにぐにぐにぐにっ……。
「きゃっ……!」
 それどころか全身、奇妙な柔らかさに包まれていく。
「な、南雲校長っ……! これは一体っ……?」
 両脚のばたつきをいったん止め、校長に問いかける。
「このプールの水はただの水じゃない! スライム状に変化し、うごめいて中の人間を容赦なくこすり上げる水だっ!」
「なんだって……!」
 もはや、それは水と呼べるものなのか……。
 心の中で突っ込みを入れたオレの身体に、ぐっにぐにぐにっとスライムがこすりつけられ、
「んっはっ……あっあっぁああああっ……!」
 例によって敏感なオレは、高らかな嬌声を響かせることとなった。
「さあさあどうした本郷字訓練生っ! 泳がぬ限り、このプールから抜け出すことはできんぞっ!!」
 仕方ないので、オレは再びクロールで、スライムの中をかき分けて進もうとしたが、
「ぬっふっ……んんあっはあっはあ……」
 スライムが水着の中まで入り込み、にゅむにゅむにゅうむと大事なところを刺激していく。
 声を上げてしまえばもはや、クロールは維持できなかった。
「はあっはあ……ならばっ……」
 今度は正面からスライムをかき分ける、平泳ぎを開始する。
「あっふっ、あっはあっあんんっ……ひっいぃぃッ……はあっ……はあ……」
 水着の中にスライムが入り込んでくるのは変わりなかったが、息継ぎがしやすくなったことにより、あえぎながらでもなんとか泳ぎを維持できている。
「あっあっあっふぁぁぁぁん……そこダメなのにぃぃぃッ……はっふぁっふぁっ……いぃぃぃン……!」
 はしたない声を上げながらも、うごめきまわるスライムの真っただ中を突き進んでいく。
 あっという間にプールの端が見え、そこにタッチした。
「よーしっ! OKっ!」
 校長の声とともに、ざっばんとプールから上がった。
「はあっはあっはあっはあ……」
 身体にまとわりついたままのスライムを振り落としつつ、盛大にあえぐオレ。むろん体力的にきついのではなく、性感的にきついのであった。
「さあ、次の訓練のため、通常の戦闘服に着替え直してくれ」
「また次があるんですか……」
「仕方ないだろう。敵の女体化攻撃に耐えうるようになるためには、十二分な対策が必要なのだ」
「もうすでに、オレは女ですけど……」
「あくまでも性感を与えてくる敵への対策ってことだ。さあ向こうの更衣室に入りたまえ。下着と替えの戦闘服を用意してある」
「もしかしてその下着ってのは……」
「もちろん女性用の、ブラジャーとパンティーだ」
「…………はあっ……」
 すっかりと達観したようになって、オレは更衣室に向かうのであった。

③へつづく

【小説】ヒーロー訓練生のオレが訓練中に女体化してしまった件について ①

作 TAMAこんにゃく https://skima.jp/profile/?id=32953
キャラデザイン 蜂密柑 https://twitter.com/hdkmkn

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「そこだっ!」
 高速で動き回る円盤状の物体群。一瞬の隙を見計らい、オレはその中に飛び込み、
「ダイビングクラッシャー!」
 身体を勢いよく回転させ、周囲の円盤を次々となぎ払っていく。
 あらかた撃墜したそのとき、
「ようしっ! 戦闘訓練タイプ2クリアっ!」
 天井に設置されたスピーカー付きカメラから威厳ある男性の太い声が響き渡り、緊張をひとまず解いた。
「まあ、ここまでは余裕といったところか」
「そうですね校長……」
 ふぅぅぅっと息を吐きつつ、オレは天井からの声に応える。
「さすがは期待の本郷字訓練生……と称賛したいところだが、それは次の試練を突破してからのこと……さあ、進むのだ」
「………………」
 再び緊張感が走り、無言のまま、おずおずと壁際の扉に進み出る。
「では、入りたまえ」
「ごくっ……」
 無意識のうちに唾を飲み込みながら、促されるまま重量感のある鉄扉を押し開くのであった。

 申し遅れたが、オレの名前は本郷字劾(ほんごうじがい)。どこにでもいる17歳……というわけではなく、少々特殊な環境にいる。
 何が特殊かって? それはオレが普通の高校2年生ではなく、内閣府直属機関特殊戦闘隊員育成学校の2年生だってこと。聞き慣れない学校名だと思うだろう。そう思うのも無理はない。なにしろ一般には公表されていない、政府の特殊機関だからな。
 ここは通称"ヒーロー養成所"と呼ばれている。そう、悪と戦う正義のヒーローをここで育成するための学校なんだ。
 オレがここに入学した理由はもちろん、憧れの正義のヒーローとなるため!
 幼少時オレは、父さんと一緒にいるところを悪の怪人に襲われた。父さんはオレを守って死んでしまい、オレも怪人の手にかかろうとしていたところを、救ってくれたのが正義のヒーロー、仮面の柔術家南雲だった。
 それ以来、オレは彼のようになりたいと憧れを抱き、日々ヒーローになるための自主トレーニングを積み重ねてきた。そうした努力が実り、一年前晴れて政府から、ヒーロー養成所へのスカウトが来たのである。
 入学して驚いたのは、校長があの”仮面の柔術家南雲”こと、南雲(なぐも)隼人(はやと)だったこと。なんでも10年前、悪の組織を壊滅させたときに負傷してしまい、それ以来は後進の育成に専念しているとか。
 ずっと憧れていたヒーローが校長を務める、このヒーロー養成所で、オレは今のところ優秀な成績を修めている。
 そう、このところ行われる、"とある訓練"を除いては……。

「………………」
 だだっ広い室内の片隅に設置されているブース内のシートに身体を預け、否応なしに湧き上がる緊張感にオレはひたすら無言でいた。
「ボタンを押してください……」
 無機質な機械音声が響き、オレは設置されているコンソールの中で、ひときわ大きな赤ボタンを押す。
 ウィィィィィン……。
 途端うねるような波動が全身に周り、
「んっくわっ……」
 妙な感覚を覚え、、オレは声を漏らしてしまう。
 うねるような波動が止まり、オレの身体をすっぽりと覆うブースがぱかっと開く。
 身を起こし、前に進み出てみる。
「では、戦闘訓練タイプ3を開始する!」
 校長の野太い号令が響き、見慣れたトラップ群に向かって、勢いよくオレは駆け出した。
「よっ、はっはっ!」
 アクションゲームの主人公のように、飛び飛びになっているブロックの上に飛び乗り、また他のブロックの上に飛ぶ。
 ここまでは楽勝なのだが、その次が問題で……。
 最後のブロックから広い足場へと無事着地に成功したオレの眼前に、立ちはだかるバリアポールゾーン。左右のポールから発生している電撃が、分厚いバリアを形成している。
 そのまま突き進むしか、ここを突破する方法はない。正義のヒーローならばもっと知恵を使うべきという意見もあろうが、これは敵が放ってくるであろう電磁ショックに対する耐性を強化するという目的があるらしい。
「行くかっ……」
 ややためらい気味ではあったものの、オレはばちばちと音を鳴らすバリアの中に身を踊らせた。
 ビビビビビビッ……!
 伝わってくる衝撃は決して弱いものではなかったので、どんどんとバリアの中を突き進む。
(このままなら、突破するのはわけないのだが……)
 希望的観測を抱きはじめたそのとき、
「――――あっふぅんっ!」
 突如身体を、ジンとした感覚が突き抜けた。
 そのまま前に進むものの、
「あっはあっ……ひぅぅっ……あンっ……あっあっぁぁあッ……!」
 電磁バリアによる衝撃を受け、身体の奥底から否応なしに湧き上がる性感。
「さあっ、どうした前に進めっ!」
 その場にへたり込みそうになるオレに対し、校長の叱咤が響き渡る。
「わかりましたっ……! んっくっ……あっふあっ……あんいぃぃっ……!」
 オレは気力を振り絞り、なんとか前方に、震える足を進めた。
 いきなり女の子みたいな声を出して、一体どうしちゃったんだ!と思うことだろう。実はオレがブースの中で受けた波動は、男性の感覚を女性の感覚に転換するためのもの。今行っている訓練は、女体化攻撃を受けたときのシミュレーションなのだ。
 女体化攻撃を行ってくる敵なんているの?と驚かれるかもしれないが、最近は実例があるらしい。なんでも女体化攻撃を喰らった男性ヒーローが、怪人の触手攻撃の前に為す術もなく敗北したという話だ。
 成功例があるだけに、今後は敵側が大々的に攻撃手段として取り入れてくることが予想される。そのため、女体化攻撃を受けたときの対策は、これからヒーローになろうとする男子にとって必須のものといって過言ではないだろう。
 だからこそ、オレは負けないっ!!
 決意を新たにし、どうにか根性で、オレは電磁バリア地帯と突破した。
「はあっはあ……あっあぁっ……」
 荒い息を吐きつつ、よろけてしまう。普段電磁バリアによる衝撃を受けても、まさかこうはならないだろう。痛みを感じれば感じるほど、なぜか心地よいような、なんとも形容しがたい気持ちになるのが正直怖い。
「無事突破したな。だが次はどうだ?」
 校長の声が響き、目の前に高くそびえ立っているでかい柱の上に設置された足場を見やる。
 切り立った崖を連想させるそれの高さは、ゆうに目測15メートルは越していた。
「ここで毎回、失敗してきたな……」
 校長が言う通り、オレは毎回ここで失敗している。
「だがヒーローなら、不屈の精神を持たねばならないっ! 恐れず立ち向かえっ!」
「ええっ……」
 覚悟を決めたオレは、目一杯助走をつけ、15メートル上の高台めがけ、勢いよく跳躍した。
(行けるかっ――!?)
 高台まで、あと1メートルのところまで来たとき、
「んっはぅっ……!」
 不意に湧き上がってきた性感により、声を漏らすオレは力が抜けてしまい、
 ドッスンッ!
 そのまま床下へと、勢いよく叩きつけられた。
「痛っつつっ……」
 柱下の材質は比較的柔らかめとはいえど、14メートルから落下した衝撃が強烈なことには変わりなかった。
 ちなみにこれで怪我をすることはない。常人とは鍛え方が違うからな。
(しかし急に、妙な感じになってしまうとは……)
 どうやら先ほどの電磁バリアによる刺激が残っており、跳躍時に全身の筋肉を思いっきり使ったのがよくなかったらしい。
「また落第だなっ! 本郷字訓練生! 肉体の刺激によって跳躍に失敗するとは、まだまだ未熟っ!」
「………………」
 響き渡る校長の怒号を受け、オレは自分の至らなさを、ただただ恥じるのみであった。

 シャァァァァッ……。
 無様な結果に終わった訓練のあと、オレはシャワーで、身体の汗を洗い流していた。
 だが湧き上がる悔しさまで、洗い流すことはもちろんできない。
「くそっ……これで何回目だっ……」
 一ヶ月ほど前から、女体化攻撃を想定したシミュレーション訓練が行われているものの、今まで一回も突破できた試しがない。
 原因はわかりきっている。男性の感覚を女性の感覚に転換するための波動を受けると、異様に感度が上がってしまうのだ。それによって普段余裕でこなせている動きが満足にこなせなくなり、結果落第へとつながってしまう。
 一方、突破策はまだピンとこないのがなんとも歯がゆい。身体に湧き上がるあの変な感じに、どう対処したらいいのか見当もつかない。
(要は……肉体の刺激によって動きが鈍るのが問題なんだよな……我慢するといっても、難しいと思うし……)
 熱いシャワーを浴びながら、オレは思考をフル回転させる。
(待て……いっそのこと我慢するんじゃなく、好ましいものとして受け入れたらどうだ……? ほら、恐怖心も素直に受け入れてこそ、真の勇気を獲得することができるって、南雲校長も仰っていたことだし……)
 身体に感じるあの変な感じなんだが、別に苦しいというわけではない。ただ何となく気持ちいいような感覚を認めたとき、自分がどうなってしまうのか不安なだけだ。
(そうか……試してみる価値はあるな……)
「見てろよ……連続追試記録は、5で止めてみせるぜ……」
 いつしかオレは、誰も見ていないシャワー室の中で一人、壁に向かってガッツポーズを行っていた。


②へつづく

【挿絵追加/投稿小説】ぴっちりスーツを着せられ女体化(仮) 文 こーやん 絵 爆音丸

文 こーやん https://twitter.com/koyan1490
絵 爆音丸 https://twitter.com/bakuon10

「これ、なーんだ?」
「えっ どうしてこれが…」
「バラされたくなかったら一つお願いを聞いて欲しいんだけど」
「お願い?」
「大丈夫。きっと気に入ると思うわ」

数日前…学校でこっそりTwitterをしていたら背後から迫ってくる気配に気が付かなかった。女装コスプレ画像のツイートにどれぐらい通知がきてるか気になって、つい見ていたところを背後から画面を覗き込まれてしまったのだ。

アカウントがバレてしまった僕はこうして、女装した画像を出されて脅されている。

「かなめ君。こういうアカウントだったら見るときはもっと気をつけないとだめだよ?」
クラスの成瀬さんは意地悪そうな笑顔を浮かべて僕に忠告する。

「…。」
「クラスのみんなにアカウントをバラしたくないよね?しかもこんな裏のアカウントを…バラされたくなかったら放課後、一緒に来てほしいところがあるの」
「う、うん…」
「大丈夫。悪いようにはしないわ。きっと気にいるはずよ」

放課後、成瀬さんの言われるがままに学校をあとにすると、待ち合わせていたクルマに乗らされた。

成瀬さんは「放課後のバイト」で人が乗れるぐらいのパワードスーツの開発を手伝っているらしい。まだ試作中で完成すれば、災害救助や戦闘用にも応用が効くものだそうだ。特殊なパワードスーツでパイロットが見つかっていないので、僕に手伝ってほしいということだそうだ。

「かなめ君なら絶対大丈夫。すごくヤってくれそうな気がするもん」
「そ、そうかな…」
「恥ずかしがらなくても大丈夫!好きなようにしてくれていいからね」
「う、うん…」
だが、正直にいうと自信がない。どうして、こんな僕が…。

クルマは山中の廃墟工場で止まり、さらにその地下に連れて行かれてしまう。
コンクリートで固められた廊下をしばらく歩いて、研究室のような部屋に通された。

「それじゃまず、パイロットをして貰う前に着替えて体を整えないとね!」
と机にかぶっていた布をめくると、パイロットスーツのような赤いスーツの入った袋やヘルメットなどがあらわになった。得体の知れない薬の入ったアンプルやよくわからない形をした道具などもある。

「これに着替えるの?」
「そう。だから早く服脱いで!」
「えっ…え…で、でも!!」

うろたえてると成瀬さんは僕の目をじーーと見つめながら、腕を握った。
「大丈夫。お兄ちゃんのとか見慣れちゃってるし…そのうち関係なくなるわ…。安心して。怖くないから」

茶色の瞳で見つめられて動けないでいると、あっという間にワイシャツのボタンとズボンのベルトまで外されていた。
「!?」
あまりにあっという間すぎて声がでない。

「ねぇ…女の子の体になってみたくない…?やわらかくて、さらさらで、きもちがいい…女の子になりたいんだよね?だから、ああいうことしてるんだよね…?」

下着こそつけているものの裸のような状態で、ぬるぬるした動きで、肌をソフトタッチされる。お腹や下腹部、太もも、おしりをやさしく…やさしく…。
それがあまりにも気持ちが良くて体に力が入らない。強く握られた左手首だけの感覚を残して。

「きもちがいいよね?興味があるよね?してみたいよね?してみたくない?」
うなずくだけで精一杯だった。それを確認してか、着ているもの全部を脱がされてしまった。

どれだけ時間が立ったのか…多分何分もたっていないのに、成瀬さんはゴム手袋をして目の前に立っていた。
「あ、やっと気がついた。いい?パイロットスーツを着る前にこの液体を塗る必要があるの。今から私が塗ってあげるから、そのままでいてね。」
「うん。わかったよ…」

オレンジのボトルを開けると粘性の高いドロッとした液体がゴム手袋に落ちる。それを成瀬さんは丁寧に手袋の上に広げる。
「それじゃ塗るわね。ちょっと冷たいかも」

肩からゆっくりと上半身に塗りまわされる。少し冷たくてひやっとするけど、すぐに慣れるとなんだか暖かく感じる。乳首に触れられて念入りに塗りこまれて、切ない吐息と声が一瞬漏れてしまう。股間のそれはあっという間に上にいきりたち、先っぽから塗ってもいないのに粘液が溢れ始めている。

粘液をさらに補充して成瀬さんの手は下半身に伸びていく。

「はぁはぁ…んぅ…」
思わず気持ちよくて息が荒くなって、変な声がでてしまう。
「ふふ…すごく気持ちよさそう。」

あまりの快感で動けない。股間を念入りに塗られて、細いゴムの手袋の指先がアナルに侵入してくる。

「あっ…」

思わす声が漏れてしまう。粘液で濡れたゴムの手袋が中を優しくかき回す。

「はいっちゃったwそれじゃ余計なものを全部出しておこうね」
「よ、余計なもの?」
「女の子の体になる前に、余計なものを"抜いて"おかないとね」
「ぬ、抜く…?」

しばらくアナルの中をいじられると、おちんちんがムズムズして裏側をノックするように撫で回されるとあまりの気持ちよさに腰が抜けてしまいそうになる。グリグリと裏側からおされると、突然ビクン!と体が暴れて大量に射精をしてしまった。

「うわぁすごい。男の子がこんなにビクンって射精するところ初めてみた!すごい量www」

視界が白っぽく肩で息をするほどに激しい快感に、現実感が薄れていく。
しかし、体はなぜか火照ったまま、むしろじわじわと熱くなり始めていた。

「そろそろ反応し始めてくるころね。はやくスーツを装着しちゃいましょ」
「反応?」
「あれ?話さなかったっけ?」
「え??」
「今塗ったローションは、かなめ君の体を表面から女の子にしていく成分が含まれているの。肌はきれいになるし、感度も敏感になるし、体型も少しずつ女の子に変化していくわ」

成瀬さんは説明しながら銀色の真空パックの袋をとってジップロックを開くと、中から赤いパイロットスーツがでてきた。ムワっとゴムのような匂いがあたりに広がった。

赤く光沢を放つスーツを広げると背中のスリットがパックリ割れて開いて、中に入る身体を待ち受けてる。スーツの内側は銀色でテカテカしていて、さっき塗ってもらったジェルでネトネトギトギトしてる。粘液で満たされた何かに身体を埋めていくようなものだった。

「それじゃ右足からスーツに入ろうか。中はすごく気持ちがいいよ」
「う、うん…」

ぴっちりスーツ 修正

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18歳未満に見せたくない周期表のエッチな覚え方 (後編) 作 猫野 丸太丸 絵 あめご

 ふと、頭のなかに走馬燈が流れた。先学期のことだ。男から女の子になって涙を流す巨乳の娘、それは中津だった? 右のおっぱいをなめているのが先学期学年一位の、僕。そして左のおっぱいは、常に学年二位をキープしている男、中村……。先生が言った。
「成績を強制的に上げる儀式とはいえ、さすがに学内で乱交行為をしていると問題になりますからね、関係者の記憶は消させてもらいます」

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 理解した……。中津はもともと地味な女子どころか男子だったのだ。それを女体化したのは僕たちだ。毎年二位をキープすることでおいしいところを味わっていたのは中村(何回目? まさか、三年以上?)。僕も一位で調子に乗っておっぱいをなめていたら、今度は犠牲者の側にされてしまった。これからボクは中村にご賞味されてしまう……。
「これで君も、僕のものだ」
 目からなんだか、涙が流れはじめた。
 そのときボクの左手がベッドから引っぱり出された。
「いまがチャンスだよ。筆を借りちゃったっての」
 左腕にすらすらと元素記号が書かれる!
「ス(H)リ(Li)のな(Na)か(K)つ、ルビー(Rb)をせしめて(Cs)フランスへ(Fr)!」
 戒めが解かれたボクはベッドから転がり出た。すぐに優しくて柔らかい女の子の胸に抱きすくめられる。見上げたら、きりっとした表情のお姉さんがいた。中津だ!
「はい、これで君はオレのものになりましたー。真っ赤な君はオレのルビーちゃん! うへへ、さあ行こう、フランス(書院)の世界へ!」
 フランス? 頭がぐわんぐわんして、中津が正しいことを言っているようにしか聞こえない。
「ハイ、ボクは中津のものです……」
 言葉は自然に口から出た。そして、どこかで中村の舌打ちが聞こえた。
「名前が同じナカ……、で始まるのがミスだったか」
 頭を殴られた先生が床でのびているのはどうでもいい。特別室の天井が流れていって、そこからほぼ全裸の状態でどうやって帰ったか分からない。ボクは中津の家に連れていかれた。

 ふたりともすっ裸になって、いっしょにシャワーを浴びた。とうとう秘密が分かった、ボクにも中津にも周期表の文字が肌に刻まれていて消えない。中津は自分のふとももの文字を見せて、いたずらっぽく笑った。
「Bまであるけど、無いものは立たないよな!」
 ボクの手を取り、ワンルームのベッドがある部屋へ連れていく。そのまま股間を押しつけてきた! おんなじ形の平らな部分がこすりつけられる。一瞬、おっぱいの先も触れた。ボクがうかつにも呪文をかけて作っちゃった、中津の女体だ。
「だめだよぉ、乳首なんて当たってぇ」
「オレのルビーちゃんに遠慮は不要だよ」
 逃げようとしたのに、長くてかわいい腕に抱きすくめられる。夢よりも忘れられた過去よりも、愛しあっている中津が最高にかわいい。
「ねえ、女の子になる前のボクたちって、友達だったのかな……」
「さあ? 公式を覚えたら忘れちゃったってのー」
 ボクの体からも中津の体からも桃みたいな香気が立ち上る。見つめあっていたら、おっぱいどうしがくっついちゃった。
「下のお口どうしでキスすると気持ちいいよぉ」
「分かんないよ、なにそれっ」
 脚をからみ合わせたら、あ、当たった、と感じる部分があった。中津のそんなエッチなところを感じていいんだと思ったらもう止まらなかった。
「中津のおんなのこ、気持ちいいっ」
「オレもだよぉっ! 君って最高にかわいいっ」
 複雑にからみあった脚の、日焼けしているのが中津で真っ白なのがボクって想像したら胸がいっぱいになる。中津にかわいいって言われることがこんなに気持ちいいって思わなかった!
 やがて、疲れた体をまた優しくぎゅってしてもらう。
「上のキスも……、いいかな」
「うん」
 愛のあるキス。ボクは女の子として丁重に扱われた。

 長い夏休み期間、中津のレッスンでボクはすっかり女の子に生まれ変わった。そして学校がはじまると堂々と登校したのだった。学校なんて嫌になっても良いはずなんだけれど、昔のことはよく思い出せない。なんだかクラスのみんなにご奉仕しなくては! という気分になるのだ。清潔な女子の制服で現れたボクにクラスメイトは最初、戸惑っていたけれど、明るくお話していたらすぐに慣れてしまった。
 中津は夏服のふくらみを見せつけながら言う。
「うへへへ、へんな姉ちゃんでーす」
 ボクも同じ姿勢で宣言する。
「……お姉ちゃんの妹分の、お姉ちゃんです」
 スカートが揺れる感じ、それを男子どもが見つめてくるのが面白すぎる。
 クラスの男子を二人ではさんですりすりしてあげると、なんだか嬉しそうなのが楽しい。それが成績アップと引き換えに課せられた義務らしいので、うん、悪くない気分なのだ。
 でも気になるのは、中津が中村にはサービスを手厚くしているってこと。おっぱいの押しつけかたとかが普通じゃない気がする。ボクは止めてほしいんだけどなぁ。
「ちょっと、中村ってなんだかキモい」
「そんなこと言わないで、うへへへ。遊んじゃおうぜ」
 そしらぬ顔の中村はおっぱいに顔をうずめている。
 たぶん……、かすかな記憶が本当ならば、中津は中村を惑わせて今度こそ試験最下位に落とそうとしているのだ。そしたら思いっきり仕返ししてやろう。ひとりだけずっといい目を見るだなんて許せないのだ。
「でも君はやっぱりオレのもの―」
 ときどき思い出したように中津から言われると、ボクの左手首はきゅんきゅんしてしまう。
「はーい、スリの中津ぅ」
 ボクは抱きついて嬉しくってふとももをいじった。そして、考えたらボクも復讐されて女の子にされたのかなー、と思うのだった。

(終)

18歳未満に見せたくない周期表のエッチな覚え方 (中編) 作 猫野 丸太丸 絵 あめご

 それだけじゃないぞ。そう言って中津が僕のシャツをめくった。まさか。ずきずきする自分の腰を見下ろした。ズボンのベルトが緩み、骨盤の真ん中でローライズぎみに引っかかっている。それにくらべてお腹は……、すごいくびれだ!
「ふふふ、ウエストが細くなりましたねー。これで君も女の子」
 中村に言われなくても分かった。やわらかそうなお腹は腹筋の形も消えてしまい、ふにゃっとした形のかわいいおへそがあるだけだ。肌の色もピンク色でなまめかしい。見えないけれど、なんとなく胸もふくらんでいる気がする。椅子からお尻を浮かせて、腰を伸ばそうとした。おなかがぴくぴくとうごめいて、自分の腹ながらなんだか、エッチだ。、
「ありえない、へんな姉ちゃんってこれじゃまるで性転換じゃないか?」
「さあ、二行目を行くぞ。ハロゲン元素だ」
 続けるのか!? ふたたび中村が落ち着き払って言った。
「先は長いよ、がんばれ。ふ(F)くらんだ(Cl)ぶらじゃー(Br)、あいの(I)あと(At)(ハロゲン元素)」
「ブラジャー? ブラジャーって言った?」
 はたしてワイシャツのボタンが上から順に外されていく。僕の胸にはささやかな綿布が巻きついていた。うおっ、ブラジャー……ってわけでもないか。
 オレもー、と言って、中津は片手で自分のブラウスのボタンを外した。とうとう実物を見てしまった、まろび出てくるのは信じがたい大きさの胸だ。Hカップの黒ブラジャーに支えられたふわふわが、僕の腕に当たっている。どんな男子だって理解する、これが本物のブラジャー、本物の谷間だ。
「愛のブラジャー、君にもあ、げ、る!」
 先生が僕の胸もとに文字を刻んだ。こんどは刺激的な感覚と同時につんとする洗剤のにおい、そして胸が、丸くふくらんでいく! 巻きついていた布地もきれいなレース模様になり、パステルカラーのブラジャーになった。
「かわいいなっ、君の谷間!」
 中津はそう言うけど、大きさは彼女のとは比べものにならない。でも女の子の胸だ。僕の胸におっぱいが生えてしまったのだ。
「さわっていい?」
「いやっ、いやっ」
 抵抗もむなしく中津の指先がブラジャーの下から滑り込んだ。うそだ、谷間が中津のかわいい爪先をはさんでいる。
「やわっこくて熱くてきっもちいいー」
「気持ちよくないよぉっ!」
 中村が咳ばらいをした。
「次に行こう。お(O)す(S)のせいきは(Se)てっ(Te)ぽう(Po)だ(酸素族元素)」
 唱えられた言葉のいきなりの落差に驚愕した。オスの鉄砲って、まさかアレですか?
「うむ、あれだ」
 先生がへその上に文字を書き込む。苦しかった腰が、まるで酸素を供給されて燃えたかのように熱くなった。
「ほぉら、酸素(O)と硫黄(S)で爆発しろ!」
 ああっ、懐かしいこの感覚は股間のほうだ。チンコがありえないほど怒張し、伸びてトランクスの外に出た。先端がへそにまで反り上がる。こんな大きさにふくらんだことってなかった。なにより感覚がエグい。ちょっと刺激されたらどうにかなってしまいそうだ。
「でかいなぁ。じゃあ次にいきましょう、先生」
「げぇっ、チンコ、このままかよ?」
「ノー(N)パン(P)のあそこは(As)すべすべ(Sb)びろびろ(Bi)(窒素族元素)」
 なにげに怖いことを言われている。三人は僕のズボンとトランクスを完全に脱がしてしまった。骨盤と脚の輪郭はもう女の子みたいだから、グロテスクなチンコだけが男を主張している、そんな怪しい下半身だ。その恥骨のあたりに先生が元素記号を書き込んだ。
 たちまち陰毛が抜け落ち、きれいな肌になっていく。つるつるすべすべな感じはまるで股間が幼くなったみたいだ(チンコを除いて)。そしてその奥で、玉袋にいやな寒気がした。だって玉が縮む感じっていえば高いところから落ちたときみたいだ。
 椅子に座っているのに高所落下の恐怖がきて、僕は身もだえした。
「あれれ、君のキンタマが無くなっていくよー」
 言われたのであわてて両ももをこすり合わせた。当たるものが、無い!
「タマナシのフタナリさんになりましたね」
 中村が遠慮なく脚を開く。そして人差し指で、玉袋と肛門との間、蟻の戸渡りと呼ばれる部分をなでた。なにかある? 玉袋が股間に張りついてしまったかわりに、ものすごく敏感なところがある。
「そんな、僕、ほんとうに女に……」
「そうだよ、だからいまから男の子として最後の射精をしてくださいね」
 先生が次の文を書いた。炭素族の元素だ。
「しん(C)し(Si)のげんき(Ge)はすん(Sn)なり(Pb)終わるよ(炭素族元素)」
 僕の股間はがちがちに硬くなっている。金剛の棒みたいなそれをすっきりさせてもらわないと耐えられない。みんながこんなにしちゃったんだから、なんとかする責任があるはずだ。でも中村……には触ってほしくない。目で懇願すると、中津はあやしく微笑んでくれた。
「紳士の股間をなだめてほしい? オレがしてあげるよ」
「おっぱいで……、お願い」
 我ながらよくもそんな調子のいいことが言えたものだが、中津はオーケーしてくれた。
 さらさら髪の頭が股ぐらに覆いかぶさる。黒いブラジャーが引き下げられて、乳輪が半分出ている。そんな乳房のあいだに熱い棒をはさんでもらう! しかも中津の右手は僕の股下に回され、ふにゃふにゃになった蟻の戸渡りをなで始めた。上と下、ダブルの快感でどうにかなりそう……!
「あー。うぅ」
「すんなり出ちゃったね。十秒保たなかったっての」
 顔をあげて笑う中津が白濁液まみれなのってほんとうにいいんだろうか? 液体はいつもの十倍量って感じで、へそにもたまって椅子へとしたたり落ちている。
「ごめん、くさくって」
「いいんだよ、最後の射精なんだし」
 中津が胸をどけたら、チンコはびっくりするほど縮んでいた。小さくて赤くて、そのまま股間に押しこめてしまいそうだ。
「まさか、無くなる」
「そうだよー、無くなっちゃうんだよ、オレと同じお姉ちゃんのあそこになるんだよ」
 中村が横からホウ素族の元素を唱えた。
「B(B)まである(Al)がインポは(In)たたない(Tl)(ホウ素族元素)」
「Bって、なんだっけ……」
「こうすることだよん」
 中津と中村が再び横に回って僕のブラジャーを外した。かわいらしいけれど十分な大きさのおっぱいが左右に広がる、それを二人が手のひらですくいあげた。あっ、おっぱいをなめられると思ったらその通りで、乳首は同級生たちの口の中におさまった。
「中津はともかくっ、中村なめるなっ、どさくさにまぎれて、」
 中村は余裕の表情でうなずいただけで、止めなかった。
 股間をいじられながら乳首を責められるのって痛いかと思った。でも痛くなかった、気持ちいい。なのにチンコはもう反応しない。二人に全身を優しくされることのほうが気持ちよくなっちゃったからだ。役目を終えたチンコはさらに小さく、見えなくなっていく。
「やだよぉ、無くなるよぉ」
「気持ちのいい体になっちゃえばいいんだよー、ほら、つるつるでかわいいよ」
 最後に中津の手のひらが撫でたら、僕――ボクの股間からはもうチンコが失われていた。しっかりこねられた恥丘はほんとにつるつるふにふにになって、ふとももを寄せたら白くてエロい三角形になっている。
「無い……。おんなのこに、なっちゃった……」
 こんな体で学校にいるのが恥ずかしすぎる。そう思っているのに、先生は脚を広げ直して内股にこう書いた。
「ベッド(Be)にもぐって(Mg)カレと(Ca)する(Sr)のはば(Ba)ら(Ra)いろ(アルカリ土類元素)」
「いやぁ」
 する、するって……セックスだよね? 恥ずかしくて全身が真っ赤になる。なのに中村はボクのおなかをタオルできれいに拭いて、お姫様抱っこして連れて行く。天井がぐるぐる回りながら、きっとベッドに行くんだ。
ベッドに下ろされたらすぐにふとんをかぶった。長いあいだ椅子に座らされていた体は、ふかふかのベッドですごく楽さを感じてしまう。でもアルカリ土類元素のせいで、中村はこれからボクとセックスするつもりなのだ。
 やつは視界の外からベッドに滑りこんできた。懸命に後ろを向くけれど、男らしい腕に抱きすくめられてしまう。
「安心して身を任せて。バラ色だから」
「うるさいっ、中村なんて対象外だっ」
 おびえた声は小さすぎて、男の巨体に届かない。そう、中村はボクより大きくなっている。脚のあいだに滑りこまれたら腰の太さに驚く。って冷静に観察している場合じゃないのに! だっていまボクの股間には中村が好きそうな性器が付いている。股間に当たっている中村に注入されたらきっとバカになっちゃう。
「ハ、イ、ボクは中村専用へんな姉ちゃんデス」
 みたくなっちゃったらどうするんだよ! 助けてほしい、なのに体どうしがくっついて取れない、包みこまれる、すごく温かくて優しくて気持ちいい。もっと触ってほしい、なめてほしい。きっと周期表の呪文のせいなのに!

<後編につづく>

18歳未満に見せたくない周期表のエッチな覚え方 (前編) 作 猫野 丸太丸 絵 あめご

作 猫野 丸太丸
絵 あめご https://twitter.com/amegopixiv

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 学校は、試験だ。騒がしい教室でひとり復習をしながらそう考えた。結果がすべての現代において、勉学の結果とは試験の成績である。単刀直入に言ってうちの学園は試験の結果に厳しい。全員に順位を公表まではしないけれど、成績優秀者と下位者は特別扱いされることをみんな知っているのだ。学年一位の僕には知るよしもないが、定期試験の結果が悪かった者には刑罰に近いおしおきが与えられるらしい。
 例えばあの子――、休み時間もこうしてノートを見直している僕をしり目に、机の上に座って友達とだべっている女子、中津(なかつ)は麻薬を打って変わってしまった。じゃなくて、最下位の罰を受けて人間が変わってしまった。
「うへへ、試験が終わった後の牛丼弁当っておいしいな、オレ、大盛り持ってきたー」
 ワイルドなショートカットの頭をのけぞらせながらオレっ娘の中津は笑った。スカートがめくれて日に焼けた大きなふとももが見えている。日焼け跡の境目を指でなでているのはわざとか。脚があの角度だと正面からはパンツが見えているのではないだろうか。ブラウスを押し上げている胸もありえない大きさだ。
 傍らの男子を捕まえてヘッドロックしている。おっぱい、ぎゅう、ぎゅう。こっちのがよっぽど牛肉だ、恥ずかしくないんだろうか?
「試験勉強? オレは一回地獄を見てるから、こんどはもう完璧よー」
 中津は余裕というか、なにも考えていないようなゆるい表情だった。
「そんで逆にね、隣りで勉強する男子はオレのふとももが気になって成績が下がっちゃうー」
 急にふり返って、こちらにいたずらっぽい視線を送ってくる。思いっきり言われているじゃないか! 僕はあわてて目をそらして机上の作業に戻った。中津の言うとおりだ。気をそらしていては試験に負けてしまう。
 ここで不思議なことを思い出す。中津は先学期、もっと地味な娘だった気がするのだ。それが試験で最下位を取って、春休み中になにかの罰を受けて、新学期にはもうあんな性格と見た目になってしまった。いまではもう、男子が頼めばヤらせてくれるという噂まで立っているのだ……。
 罰のせいで頭がよけいにゆるくなってしまったら逆効果ではないだろうか?
 まさか変なことには巻き込まれないように気をつけよう、そう思ったはずだった。

 その日の夜に夢を見た。丸い肉まんを頬ばっている夢だ。温かくてなかなかおいしい。もっとしゃぶろうとして、よく見たらそれは中津のおっぱいだった。
「…………!!」
「うへへへー」
 中津が笑っている。声にならない驚愕の息がもれる。あわてて謝って逃げようと思たけど、違う! こんな明晰夢で生おっぱい、離したらもったいない、耐えろ、俺! でも下のほうにピンク色のなにかが見えている。まさか中津、スカートのなかも、はいていない!? 夢の中だし遠慮なく下を見ようか、それともおっぱいか……。
 迷っている最中に僕は目が覚めた。目覚まし時計は午前三時を指している。
「最悪、恥ずかし」
 頭を振ってから気がついた。へんな夢なんか見たから、寝る直前まで憶えていた公式を忘れてしまったのだ。焦った僕はベッドから出て教科書を開いた。

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異世界転生した僕はエロ装備のロリっ子姫騎士にTS♥発情オナニーからのスライム姦で身も心も陥落しちゃいました♥ 【後編】

作 チーズフライささ美 https://skima.jp/profile/?id=7962
キャライメージ ぜる https://twitter.com/wisel_r18

20180418111445011s_20180901084316195.jpg

<前編はこちら>

「はぁーっ♥はぁーっ♥喉渇いたなあ……」

 体液を消耗した恭一郎は、五回目の絶頂の後でようやく格好を整える。再び小川へと近づき、両手を軽く洗った後に水を掬った。冷たくて清らかな川の水で、喉を潤す。

「ぷはっ、おいしい!」

 そのまま数回水を飲むと、喉の渇きがおさまってきた。一息ついたところで、ガサガサと何かが蠢く音に気が付く。

「っ、何だ!?」

 草むらから、半透明のアメーバ状の生物が飛び出してきた。スライムはにゅるにゅると芝生を這いずり回り、少しずつ恭一郎に近づいていく。

「ど、どうしよう……!」

 恭一郎は何も武器を持っていない。かといっていきなり素手で触れる勇気もなかった。彼がためらっている間に、スライムは姫騎士に飛びかかる。

「うひゃあ!?」

 スライムがべっとりと貼りついたのは、恭一郎のたわわな胸だった。ややひんやりとした温度とぬるぬるした感触に、彼は間抜けな悲鳴を上げる。半透明のゲルはそのまま胸当てと肌の隙間に入り込み、とうとう乳首にまで迫る。

 きゅっ♥

「んあぁっ♥」

 乳首をぬるぬるしたものにつままれた感触がして、恭一郎は思わず甘い声をあげてしまった。連続オナニーの後の過敏な身体は、ぬるついたスライム相手でも発情してしまう。

「この、やめっ、ヘンタイモンスター!」

 勇気を出してスライムを掴もうとしても、流動体は恭一郎の手をすり抜けるだけである。スライムはさっきの反応に気をよくしたのか、乳首を重点的に責め始めた。

 にゅる♥くりくりっ♥ぺたぺた♥じゅるっ♥

「んっ、くぅ、はぁん♥」

 まさかこんな、雑魚っぽい見た目のモンスターなんかに。恭一郎は悔しさのあまり唇をかみ締めるも、蜂蜜のような喘ぎ声は時折もれ出てしまう。

 じゅるるるっ♥♥♥

「んほおおおおっ!?♥♥♥」

 びくんっ♥♥♥がくがくっ♥♥♥じゅん♥♥♥

 それは突然の出来事だった。スライムが恭一郎の両乳首を思いっきり吸い、唐突なアクメに晒される。六度目の絶頂は恭一郎から完全に身体の力を抜き、その場にがくりとへたりこませた。

「あ♥うそ♥そんなぁ、僕、スライムに乳首だけでイかされちゃった……♥」

 単細胞生物ごときによがらされた事実に敗北感を覚え、なかなか立ち上がることができない。その隙を逃さず、スライムは恭一郎の四肢を拘束した。地面に大の字にされたまま動けなくされ、恭一郎は本格的に命の危険を覚える。

「ヤバい、これ、どうしたらいいんだ……!?」

 焦る恭一郎を差し置いて、スライムは本格的に姫騎士の身体を探りにかかる。むき出しの肩や腋、腹などを丹念に愛撫し、ぬるついた粘液まみれにした。やがてスライムは、びしょびしょの黒いパンティへとその身体を伸ばし始めた。

「そこは♥そこだけはだめっ♥やめろっ♥」

 パンティ越しにねっと~り♥となぞるだけで、とろとろの本気汁がじゅわり♥と染み出てくる。その味をお気に召したのか、スライムは刃物状へと姿を変えてパンティの股部分を切り裂いた。そのままくぱぁ♥と性器を広げられ、恭一郎の羞恥が最高潮に達する。

「やめろって♥広げるなぁっ……♥」

全文を表示 »

異世界転生した僕はエロ装備のロリっ子姫騎士にTS♥発情オナニーからのスライム姦で身も心も陥落しちゃいました♥ 【前編】

作 チーズフライささ美 https://skima.jp/profile/?id=7962
キャライメージ ぜる https://twitter.com/wisel_r18

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 木村恭一郎はごくごく普通の男子高校生だ。少し童顔なきらいはあるが、一般的な学生として日々を過ごしている。今日の放課後も友人と別れ、帰宅途中だった。
 横断歩道を渡っていたとき、不意に気配を感じて道路の方を見る。居眠り運転のトラックが、恭一郎めがけて突進し――強烈な痛みと共に、意識は暗転した。

「いててて……」

 全身に鈍い痛み。しかし、トラックに激突されたならばこの程度ではきっと済まないであろう。恭一郎は芝生から立ち上がった。そう、道路のアスファルトではなく芝生から。

「……あれ?」

 一瞬、トラックの勢いによって公園にまで吹っ飛ばされたのかと思った。しかし周りは生い茂る木に囲まれ、小川が流れるのどかな風景が広がっていた。

「ここ、……どこだ?」

 まるで、この前偶然ネットで見た小説――「トラックに轢かれて異世界転生」みたいな展開だ。恭一郎は未知なる世界に不安を隠せないまま、周りをきょろきょろと伺う。恐ろしさを紛らわすように、黒い薄手のグローブに覆われた手をぎゅっと握り締めた。
 そこで初めて、自分が学生服ではない別の衣装を着ていることに気が付いた。恭一郎は小川まで歩き、そっと自分の姿を確認する。

「な、な、……何だこれぇ!?」

 ぱっちりとした瞳には長い睫毛が添えられ、唇はぷるぷるでつやつや。髪はセミロングの金髪で、肩を過ぎるくらいに伸びている。明らかに少女の顔つきだった。今まで童顔をネタにからかわれたことはあったが、ここまで女らしい顔ではなかったはずだ。

「そんな、僕、女になっちゃったのか!?」

 ショックで叫ぶ声も心なしか高めだ。恭一郎が戸惑いのあまり一歩下がると、小川の水面に全身が映しだされた。
 たゆんと揺れる大きなおっぱいが、乳首をギリギリ隠す程度の頼りない胸当てに覆われていた。腰周りや脚は白いアーマーで覆われていたが、それも女性的な体つきを強調するかのようなエロ衣装である。すべすべの肩やくびれた腹は丸見えで、股間にいたっては黒く薄いパンティ一枚という防御力のなさだった。
 いわゆる「姫騎士」という、セクシーな装備で味方を鼓舞しながら戦う役割である。

「何か、すごいエッチな格好だな……」

 胸元で揺れる二つの果実を、自らの手でもにゅ♥とわし掴んでみる。マシュマロのようなやわらかさとグミのような弾力、そして自分が触られているという感触が伝わってきた。作りものではなく、本物のおっぱいである。
 恭一郎の心は健全な男子高校生だ。いくら自分とはいえ、女の身体に興味津々である事実を否定できなかった。
 辺りを念入りに見回して、誰もいないことを確認する。胸当てをそっと外してみると、桃色の乳首がぷるんっ♥と勢いよく飛び出てきた。

「うわ……♥女の子の、乳首だぁ……♥」

 興奮のせいか、恭一郎の乳首は既に固くしこっていた。試しにちょっとだけ摘まんでみると、ぴりぴりとした快楽が身体を駆け巡る。

「んっ♥……これ、きもちぃかも……♥」

 乳輪をくすぐってみたり、先っぽをカリカリ♥と引っかいてみたり。恭一郎はだんだん乳首弄りに夢中になり、息もあがってきた。頬は薔薇色に紅潮し、瞳の奥はとろりととろけている。

「はぁ……っ♥」

 いつの間にか内股になり、もじもじと身体を捩じらせていた。恭一郎が下を見ると、黒いパンティが僅かに変色しているのがわかる。

「……♥♥♥」

 乳首から指を離し、パンティのクロッチ部分の布をずらす。にちゃり♥と濃厚な水音と一緒に、毛の一本も生えていない濡れ濡れの割れ目が視界に入った。

「お、おまんこ♥女の子のびしょびしょおまんこ♥」

 恭一郎はたまらず、割れ目に指を伸ばした。スジに沿って一撫でするだけで、大量のとろみが人差し指に絡みつく。舐めてみると、少し生臭くてしょっぱい味がした。たまらなく鼻息が大きくなり、今度は思い切って割れ目のナカに指を差し込む。

 くちゅ♥くちゅ♥

「あ♥あん♥」

 気持ちいいところを探して、大胆に指をぐちゃぐちゃかき混ぜる。すると性器の上の方に敏感な突起があることを突き止めた。愛液を絡めた指でぬちぬち♥と愛撫すれば、思わず腰が浮くぐらいの快楽が走る。

「これぇ♥くりとりす、だよね♥んあっ♥くりとりす、きもちぃよぉ……♥」

 恭一郎は豆弄りに夢中になった。あまり強く擦りすぎると刺激が強すぎるため、優しい手つきで甘ったるい快楽を享受する。膣口からとぷり♥とぷり♥と際限なくあふれ出る愛液を掬って、塗りつけるような愛撫を繰り返した。

「はふ♥んぅう♥はぁああん♥」

 芝生に寝転び、M字開脚の体勢で嬌声をあげながら股間をぐちょぐちょに苛める。その姿はまるで痴女そのものだったが、恭一郎はおかまいなく女の快楽を追及した。片手で乳首を抓りながら、もう片方の手でおまんこをくちゅくちゅ♥といじくりまわす。腰の奥に快感がぐるぐると渦巻き、ますます身体が昂ぶっていった。

「あ、あ♥なんかキちゃう♥……っ、あああーーーっ♥♥♥」

 びくんびくん♥びくびくっ♥かくっかくっ♥

 恭一郎は一際大きく喘ぎながら絶頂を迎えた。初めての、女としての絶頂。全身が熱くほてり、快感の余韻が甘く身体を包み込む。

「はふ♥はふ♥あ……あはぁ……♥」

 男のときは出したら終わりだったが、今の身体はむしろ貪欲にもっともっとと欲しがっていた。

「ん♥もう、いっかいだけ♥」

 イったばかりで過度に敏感な身体を最低限休めると、恭一郎はすぐに手マンオナニーを再開した。じゅく♥じゅく♥と熟れ過ぎた果実のような音を立てながら、懸命に指でおまんこをかき回し続ける。感度が高まった性器は早速とてつもない快感をもたらし、恭一郎はすぐにメスアクメへと連れていかれた。

「ああーーっ♥♥♥んあんっ♥♥♥」

 再び全身をがっくがっくとふるわせ、大いなるエクスタシーを受けとめる。そのとき、おまんこからぷしっ♥と勢いよくさらさらした液体が噴射された。

「あへぇ……♥お潮、噴いちゃった♥」

 潮は数回に分かれてぷし♥ぷし♥と噴き続け、芝生を淫靡な液体で濡らす。その後も恭一郎のおまんこくちゅくちゅオナニーは続き、辺りにびっしょりと水たまりができるほど愛液と潮を垂れ流した。

<後編に続く>

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  • 男の子が女の子に変身してひどい目にあっちゃうような小説を作ってます。イラストはパートナーの巴ちゃん画のオレの変身前後の姿。リンクフリーです。本ブログに掲載されている文章・画像のうち著作物であるものに関しては、無断転載禁止です。わたし自身が著作者または著作権者である部分については、4000文字あたり10000円で掲載を許可しますが、著作者表記などはきちんと行ってください。もちろん、法的に正しい引用や私的複製に関しては無許可かつ無料でOKです。適当におだてれば無料掲載も可能です。
    二次著作は禁止しません。改変やアレンジ、パロディもご自由に。連絡欲しいですし、投稿希望ですけど。

 

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