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【2019年TSF同人小説ベスト1の初日売上!】オーダーメイド~牝妻紗雪の事情~ サンプル②

オーダーメイド

 金持ちの別荘か、もしくは知られざるリゾート地か。
 山奥にあるとは思えないお洒落な洋館は――しかし、地下の底の底まで、非合法な設備に満たされていた。
 手術室、拷問部屋、解剖室。
 ただの調教だけではなく臓器の摘出や、マイクロチップの移植等の危険極まりない手術をするのも、珍しくはない……。
 プランによっては手間を掛けずに痛みをもって奴隷を躾けることもあるし、地上の解剖室とは異なり、生きたまま――しかも、死なないように――四肢を切り取ることだってあるのだ。
 故に、ずらりと並ぶ地下牢。そこの簡素なベッドに人が横たわっているのも、当然と言えば当然の状況である。
「…………」
 艶やかな茶髪を揺らし、ベッドの上で呼吸するのは、美しく、しかも、まだ年若い日本人の”娘”であった。
「う、う……うっ、うぅぅ」
 胸が上下するたびに、豊かで大きな乳房が、たぷたぷと揺れる。
 寝返りを打つと、さらに激しさを増して、日本人離れしたおっぱいは左右に真広ぐ……。
「……はっ、はぅぅ」
 すると、”娘”は悩ましい響きの吐息を漏らした。
 まるで不慣れな感覚を味わっているかのように――。
 柔らかな肉房が、たぷっ、たぷっ、と互いにぶつかるたび、忙しなくベッドの上で身動いだ。
 艶めく茶髪は、華奢な肩や乳房の膨らみに絡み付く。
「う、うぐ……う、ぅぅ? んー、んんっ? んんー?」
 ごろごろ、とシーツに皺を付けながら、転がる”娘”。
 遂に重たい瞼を開けて、ゆっくりと辺りを見渡した。
(……あー、頭いてぇー……随分、寝た気がするけど。 いま何時だ――つぅーか、今日は何月の、何日だぁ?)
 頭が、酷く痛い。
 地獄の二日酔いと同じような感覚であった。一日以上もベッドで寝入っていた時みたいに、ズキズキと疼く額を押さえる。
「ふぁああ……ああ、喉もいてぇー……ん? 喉がヒリヒリするのは……まぁ、いんだけど……なんだぁ、この甲高い声は?」
 頭痛のせいで、あまり思考が働かない。
 ぽりぽりと痒い所を――丸みを帯びた肩や、むっちりと膨らむお尻を――掻きつつ、ベッドから抜け出す。
 自分の声の高さに戸惑いつつ、目に止まった洗面台の蛇口を弛める。
 ジャバァアア――。
「んっ、んぐっ……けほっ。 けほっ、んだよぉ、これ――邪魔だなぁー」
 水を直接飲んでいると、艶めく長髪が垂れ下がり、瞳を遮った。
 それを不満げに払い除ける”娘”。
 身に付けているピンクの病衣は、たゆん、ぷるん、と胸元の豊かな膨らみのバウンドに、危なく落ちそうになっている。
 けれど、本人は、全く気付いていなかった。
「ふぅー……少し、スッキリした。 けど……アアー。 くそぉ……まだ、喉がおかしいぞぉ? ハハ、なんだ……この気持ちわりー声……?」
 細やかな指で、小さな喉仏を押さえる”娘”。
 違和感を覚えて、色々と原因を考える――が、しかし!!
(まっ、すぐ治るだろー! それより……女、いや……なんだか、女を抱く気分じゃねーな。 うん……腹が減ったから、ピザでも取るか……)
 生来からの楽観的思考……と言うか、難しい問題を一度も自力で説いたことのない脳は、早々に違和感の追及を諦める。
 まずは空腹で痛むお腹を満足させようと思いつつ……再び、ぽりぽりと臀肉を掻く。柔らかな尻肉の感触を、気に入ったのかもしれない。
「んー……? あー、なんだ? お前? ……昨日ぐらいに相手してやった女かぁー?」
 下品に指で尻を擦りながら、ぼぉーと前を見つめていた”娘”は正面の鏡に、そう語り掛けていた。
 まるで鏡に映っているのが、自分以外の人間であるかのように。
(泣いたり、騒いだりしない、ってことは――金で釣った奴か? …………駄目だ。 思い出せねー。 まあまあの女だけど……セックスした記憶がないぞ? ……しかし、間抜けな面してやがんなぁー……笑える!)
 少しの間は見つめていたが、鏡に映る美少女に興味はないようだ。
 ”娘”は……そのまま後ろに振り返った。
 宅配を頼むために、電話を探そうとする。
 しかし、固定電話は見当たらない。
「あれ――?」
 今度は自身のスマホを探そうと、ベッドに乗る。
 けど、それもなかった。
「おっかしーなぁ? ……ていうか、ここどこだ……?」
 もう意識は冴えている筈なのに、能天気なことを呟き、狭い部屋を――
地下牢を歩き回る”娘”。
「わっ、ととっ……!? なんだ、歩き辛いぞ! ……ちゃんと整備してるのか、ここのホテルは!?」
 たゆるん、ぷるるん、とブラジャーのない――病衣に生肌を押し当てている――豊満な巨房は奔放に揺れ弾み、”娘”はフラフラと転び掛けた。
 けれども、まだ自分の体の異変に気付かず、歩き難いことを床のせいにしてしまった。
(……いや、変だ。 変だろ……絶対に。 なんで俺様が……こんな劣悪な。 最低の部屋を借りているんだ?)
 ばかりか……今の肉体よりも、部屋の構造に意識が向いてしまう。
 歩くたび。
 首を振り向かせるたび。
 豊満な膨らみの乳房は大きく弾み、さらさらと艶の濃い茶髪が肩や背中に纏わり付いている。
 だが、この”娘”は、そのことを無視し続ける。
 脳が不良品のせいで――最も重要な『問題』に、まだ気付いていない。
「おーい! おーい、ってばぁああ!! 誰かいないのかッ!? 早くドアを開けるよ!!」
 意識を失い、記憶がない内に、鉄格子に囲まれた牢屋に放り込まれれば……多少は危機感を持つべきなのだが。
「…………ん? ん、ん……? んなぁ、あああ~~~~ッ!?」
 間抜けな様子で叫んでから……五分以上が経過した頃。
 漸く。漸く、だ。
 外見はとても愛らしく、胸も尻も肉感的に実っている美少女なのに――
中身は、頭の悪いクソガキである”娘”は、驚愕を顔に張り付けて、太い鉄棒を握り締めた。
「なんだよこれ!? ろ、牢っ? ろ、牢屋だとォ――ッ!?」
 自分が監禁されている事実を悟り、悲鳴のような叫び声を発する。
 甲高い美声は、廊下の隅々まで響いていった。
「お、おい! 俺を誰だと思ってやがる!? ど、どこのどいつだ!! 俺様を閉じ込めやがって! ちくしょう――だせぇ、えええ!!」
 細い腕で鉄格子を揺らし、必死に要求を伝える”娘”。
 すると。
「はぐぅ、うう!?」
 むぎゅり、と豊かな胸を、鉄格子の隙間に押し込んでしまい……思わず背筋を反らす。
 半端ではない胸の激痛が、ビリビリと神経を遡った。
「ちくしょう……い、いてぇー!? なんだよ、これ……!? ひぅうう!? お、俺の胸がっ!? 胸がッ!?」
 痛覚の発生源。
 己の豊かなおっぱいを両手で持ち上げ、さらに切羽詰まる”娘”。
 現実をまだ理解していないようで、ぎゅう、ぎゅう、と己の乳房を指で拉げては、「ひぃっ!? ひゃ、わあッ!?」と勝手に錯乱していく。
「嘘、だろ!? こんな……こんなのまるで、女の乳みてーじゃねーか!? 何がどうなって……そうだ! さっきの……さっきの女! お、おい……お前だ! お前!! お前、なんか知っているんじゃ、ねーのかよぉッ!?」

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【4/20発売】オーダーメイド~牝妻紗雪の事情~ サンプル①

オーダーメイド

作:kagami0235
絵:ささくまきょうた様

 日本……山奥。
 険しい山々と深い森は天然の防壁と化し、非合法組織の施設である洋風の館を世間から隔離させていた。
 外から見るだけならばお洒落な別荘に見えるだろう。
 だが、一歩中に踏み込めば、そこではおぞましい人身売買が繰り広げられているのだ。
 お客様の望みで、誘拐されてきた人間。
 借金や、訳ありの事情によって組織に買われた人間……。
 そんな被害者たちは、ただ奴隷として売られるだけではなく、顧客〈クライアント〉の要望に応じた洗脳、調教――さらには、危険な人体実験も、日々強いられているのだ。
 政財界や警察とも蜜月の関係を築いている巨大な組織。
 助けなど来ない、この国の闇。

 そして、今日もまた……憐れな牝奴隷が誕生しようとしていた。

「あー、なんか噂を聞いて来たんだけど……俺に相応しい女、っているの? こんな不便なところに、わざわざ俺様が来てやったんだ……。 碌でもない女ばかりだったら、ただじゃ済まさねーぞ?」

 館の内部。来賓室。
 メガネを掛けた勝ち気な――と言うか、見るからに傲岸不遜な――黒髪の青年が、目の前の女性へと、吐き捨てるように聞いていた。
 典型的に、女性をモノとしか思っていないタイプ。
 小物クラスの屑男であり……選ばれた人間しか利用できない、この館には不釣り合いな人種と言えた。
「ええ……勿論です。 私たちが、ご用意するプラン・サービスは完璧です。
全てのクライアント様に、ご満足頂いております。 ただ……」
 無礼な態度の青年に、しかし、露ほども怒らず、飄々と応えるのは、この裏組織随一の調教師。
 女性の調教師――ミキである。
 ドレスのような華やかな衣装が似合うと同時に、今着ているようなスーツもよく映える、中性的な出で立ちの美女だ。
 男装の麗人と言う言葉が、よく似合う女であった。
「ご希望金額――1000万円ですと、最低ランクのプラン・サービスしか、ご用意できません。 そこは、ご了承をお願い致します……」
「はああッ!? おい! 何言ってんのぉ!? 女程度に1000万円かけるだけでも十分だろ! つぅーか、調教? 洗脳? それぐらい俺だって出来る!! 明らかにぼったくりじゃねーか!!」
「いえいえ。 私たちのご用意する奴隷たちは、どれもこれもが一級品。
大変、恐れ入りますが……単純に女性を犯して、殴ればいいと言う訳では、ございませんので……」
「…………お前、俺を馬鹿にしてないか? それが客に対する態度かッ!? ……あっ、そうだ! お前だ、お前がいい! この榊原珠貴様の奴隷に――いや、ペットにしてやる!! こんなところで働くよりも、楽できるぞ?」
 傲岸不遜。厚顔無恥。恐れ知らず。
 自分を顧客だと信じているメガネを掛けた青年――榊原珠貴〈さかきはら たまき〉は、調教師ミキにそう提案した。
 『勿論、俺様のペットになれるんだからタダな!!』とも、付け足す。
 何と言うか……”本当にこんな人間がいるの?”と、思いたくなるほどの低能人間である。
「生憎と従業員を対象としたプランは、ご用意しておりません。 そもそも、私以上の調教師はこの組織にいませんので――例え、そのようなプランがあったとしても、きっと上層部が断るでしょうね。 ウフフ……」
 対する調教師ミキは、冷ややかな微笑で応えた。
 柳に風とは、このことだ。
 どれほど珠貴が無礼な悪態を吐いても、彼女は少しも動じない。
 それが、青年をますます苛立たせた。
 女は全て、彼に跪くべきだからだ。
(生意気な女だ! なんか知らないけど――腹立つな、こいつの澄ました笑みはッ!! この女! 俺を馬鹿にしてやがる……絶対に!! ……そもそも女なんて、捕まえて犯して黙らせれば済む話なんだ。 1000万? 奴隷? ペット? めんどくせー……もうこいつを犯して、さっさと帰ろう!!)
 なにせ自分は『榊原珠貴』なのだ。
 一代でIT企業のトップに上り詰めた榊原優作のひとり息子。しかも、早くして亡くなった母親の方は工場産業の一角を担っている財閥の三女である。
 言わば生まれた時からの権力者。
 金も、女も、力も不自由したことなどない。
 そして、今までも。これからも。
 女を犯したければ――犯すだけ。
 後の後始末は亡くなった母親に紹介された始末屋に頼めば事足りるのだ。
 父親や、母方の祖父に金を払って貰えば、”殺人”さえも隠蔽出来る。
 権力とは、そう言うものだ。
「――ふんっ」
 既に25歳を超えて、しかし、それでも遊び歩いている珠貴は、我慢と言う言葉を知らない。
 不機嫌そうに鼻を鳴らし、差し出された品目表を乱暴にミキから奪う。襲うタイミングを計るため、メニュー表を取り敢えず開いた。
 ……が。
「てめー! やっぱり、俺様を馬鹿にしてんのか!?」
 彼は、激昂した。
 彼女へと投げ飛ばしたレストランの品目表のように、薄い本には……たったひとりの娘の写真と情報しか載っていなかったのだ。

 クライアントの要望に応える豊富なプラン・サービスが聞いて、呆れる。

 しかも。

 『西園紗雪〈にしぞの さゆき〉』
 姉と共に男たちに襲われ、最近まで昏×状態に陥っていた。
 学校は、退学扱い。
 姉はその際絞殺されて死亡し、彼女が入院中に、両親もひき逃げによって死亡する。
 強×犯と、ひき逃げ犯は捕まっていない……。

 ――と言う、珠貴にとって、どうでもいい記述だけだったからだ。
 写真で見る限り、顔やスタイルは悪くない。
 けれど、大金を払うほどではなかった。
 ミキを犯した帰りに、街を散策し……運が良ければ、今日中に捕まえられるレベルの女の子である。
「俺は客だぞ!? 榊原珠貴様だぞ!? こんな対応して、どうなると思ってやがる!? お前、終わったぞッ!!」
「いいえ。 こちらは確かに”クライアント”様に決めて頂いたプラン・サービスで御座います。 これに変更など……絶対にありえません」
「はあっ!? はああっ!? 何言ってんだ、この馬鹿女っ!? 何勝手に決めてんだよ!?」
 ぞんざいな扱いを受けたと思い、珠貴は調教師の女の胸倉を掴んだ。
「こうなったら今ここで犯すだけじゃ、済まさねーぞ!! このまま連れて帰って毎日、毎日、犯してやる! 殴って、蹴って、犯し続けて……”ご主人様、許してください”って言わせてやるっ!!」
 『いい口実が出来た』と内心でほくそ笑み、珠貴は腕を振り上げた。
 幾人の娘を――学生、社会人関わらず無数の女性を――叩き、殴り、押さえ付け、そして、犯した男の手が、ミキの美しい顔を狙う!!
(泣け! 泣け! 泣いて、俺に跪け!!)
 浅ましい欲望を膨らませて、びゅん、と珠貴は平手打ちを放った。
 しかし、調教師ミキの顔は、少しも揺らがない。それどころか、飄々とした笑顔を浮かべたままであった。
 どこんッ!
「あぐっ!?」
 一瞬、である。全ては、数秒の内に終わっていた。
 調教師の女は、胸倉を掴んでいた手を華麗に外す。振り下ろされてきた腕も、柔術を思わせる動きで絡め取り……怒る男の体を投げ飛ばした。
 大きく回転しながら、青年は部屋の壁まで吹き飛ばされていたのだ。
「お、おぐ……なに、が……? お、おまえ……いま、いま……おれさまを!?」
 目の奥に火花が散り、ぶるぶると頭を振って立ち上がる珠貴。
「ええ、投げました。 想像以上に……おいたが早い人でしたので――」
「て、てめー! 俺を誰だと思ってるッ!? 俺は榊原珠貴だぞ!? 榊原だ! 珠貴様だ!! くそぉー……もういい! コロス! ……コロス!!
てめーみたいなクソ女! だれが犯すかよッ!!」
 女に痛い目を合わされて、ますます怒り狂う珠貴。
 けれども、今の一撃に怯えてしまったのか……壁に背を預けて、負け犬のように吠えていく。
「おい! 誰か来い! 来いよ!? こいつ客に手を出したぞ!? 俺様に噛み付いたんだ! 早く、こいつを捕まえて殺せよ!! 早く、殺せ!! 殺せぇ!! なっ、何やってんだ……ッ!?」
 自分本位なことばかりを吐き捨て、調教師ミキから距離を置く青年。
 女への乱暴は、当たり前。日常の一部。
 だが、しかし……己が乱暴されることは一度も体験したことのなかった珠貴は、過剰なほど目の前の抵抗者に、怯え捲る。
「おっ、おお! 来たか! お前ら――そいつを押さえろ! クズ共め!!」
 それでいて、屈強な男たち――ミキと同じく、黒いスーツを纏った複数の大男――が現れた途端、珠貴は鼻を鳴らして、ミキに勝ち誇った。
 まるで子供同士の喧嘩で親や先生に助けて貰ったガキのように、他人の力を自分の力だと信じ、高慢な笑みを浮かべていく。
 もっとも、この男たちを自身の味方だと思うのは、早計である。
 ……と言うか、この状況で。
「うわっ!? ざ、ざけんな!? はなせ! 俺様を誰だと思ってやがる!? 捕まえるのは、あっちだろ!? 馬鹿なのか!? は、はなせぇえ――!?」
 どうして男たちが珠貴を助けに来た、と思うのだろうか?
 黒尽くめの複数の大男は無言のまま、珠貴の身体を床へと押し付ける。
 またしても、負け犬のように彼は、ギャンギャン、と悪態を吠えていった。
「この榊原珠貴様に、こんなことして――お前ら終わったぞ!? 親父に! ジーちゃんに!! このことを言ったら、お前ら全員、死ぬんだ! 死刑なんだ! 死刑、死刑!! だから、はなせぇええ~~ッ!!」
 男たちは沈黙を貫きながらも……ガキのように喚くばかりの珠貴に、嫌気がするのだろう。
 がっしりとした体格の大男たちが、同時に顔を顰める。
 彼らは目線で上司に――調教師サキに、指示を仰いだ。
「あの娘や……クライアント様が言うように。 本当に……どうしようもないクソガキですねぇー。 でも、ご安心を……我が、組織はあなたのようなクズでも、カスでも――」
 床に組み伏せられた珠貴へとしゃがみ込み……。
「立派な奴隷に……いいえ、牝奴隷に調教してあげますのでっ♡」
「あ、ぎぃッ、ッ!?」
 銃器のようなデザインの注射器を彼の首に当て、ミキはトリガーを引いた。
 グリップ部分の液剤タンクが、こぽこぽ、と小さな泡を生み出して、謎の薬品が、彼の血流に紛れて、全身へと巡っていく……。
「……珠貴さん。 あなたの人間としての人生は――今日で終わりです。
これからはご主人様に媚びて、縋って、甘える……惨めな牝妻奴隷として生まれ変わるんですよー。 ……あはははっ!!」
「……っ、…………っ」
 ミキの言葉の意味を半分も理解できぬまま、珠貴は意識を昏倒させる。

 そして――。

「しかし……クライアント様や、あの娘の要望とは言え……私が本気で調教出来ないのは、非常に残念です! ……唯愛さん以来の、遣り甲斐のありそうな仕事なのですが…………まぁ、仕方ありませんね。 クライアント様たちのお楽しみを邪魔しない範囲内で……あなたを牝奴隷に躾けてあげます!! クフフ、ウフ……フフフ♪」

 最初っから”顧客”ではなく、組織が提供する商品――”牝奴隷”のひとりであったことさえも……彼は最後まで気付けなかった。

 何も知らず、分からずに……珠貴は、牝畜生へと堕ちていく。

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【TSF小説・DL作品】オーダーメイド~牝妻唯愛の事情~ ①

2017Q2おかし製作所DMM販売数13位

【オーダーメイド~牝妻唯愛の事情~】
作:kagami0235
絵:ささくま きょうた

『第一章』


「本日は、我が組織をご利用いただき――誠にありがとう御座います。鮫塚大将様。私は、ここの総支配人を務めています。松村と言う者です」
妙に腰が低い、中肉中背の男だった。
それなりの値段はするだろう背広を纏い、きっちりと髪型を整えながら、平凡な雰囲気を拭えない彼は、『職業柄、名刺はお渡しできませんが……ご了承ください』と言い、ソファに座ることを勧めて来る。
僅かに抱いていた期待が萎んでいくのを、鮫塚大将は感じていた。
(……やっぱり、か。……どうせ無駄だったんだ)
人里離れた山奥。
山と山の隙間に潜り込むようにして、その洋館は建っていた。
広大な庭には噴水や花園もあり、一目ではリゾート施設に見えなくもない。
だが、しかし……。
「それでは……早速、ご紹介させて頂きます。お父様の方から大将様は、大変におモテになると言うことを聞きましたので――いやはや。珍しい商品を……つまりは女性を取り繕ってみたのですが……どうでしょうか?」
松村が、ぺこぺことお辞儀する。
その手から差し出された写真には、複数の女性があられもない姿で映し出されていたのである。
「例えば……これは、男性器を見せさえすれば絶対に服従してしまう娘。名前はカオリ。また、こちらはどうでしょうか。他人の排泄物を定期的に摂取しないと呼吸困難になるよう躾けた娘……レイコです。……おっと、これもお勧めですね。純潔を守ったまま、性感帯だけを過剰に開発した娘……ナナ。どれも至高の肢体たちです」
「…………」
そう、ここは普通の場所ではない。
陰湿な犯罪行為が平然と行われる日常の裏、世界の闇。
ここでは顧客の注文<オーダー>に応え、商品と言う名の”ヒト”が売り買いされているのだ。
調教済みの奴隷たちは、裏の世界でも人気が高かった。……が、しかし。
(うーん……んーっ……微妙だなぁ……僕の好みじゃないなぁ……)
客室に案内される最中にも、破廉恥な姿――ボンデージや、裸など――で恥辱の仕打ちに晒されている女性たちとすれ違っていた。
悔し気に睨むもの、怯えて震え上がるもの……そして、身も心も奴隷に堕ちたもの。
最初こそはゾクゾクと背筋が粟立ったが、それも一瞬だ。
大将は、どうしても乗り気になれない。
(それに……思う通りになる女なんて……普通にいたしなぁ……)
大企業の跡取り息子の大将は、金にも、女にも困ったことはない。
自惚れでも何でもなく容姿端麗で、優秀、しかも金持ちと来て、周りの人間たちは勝手に媚びて寄ってくるのだ。
困難も、苦しみも味わったことがない。
故に……彼の心は満たされことがなかった。
「…………ま、また。……今からでも新しい商品を納入し……御覧のような
サービスで、大将様好みの性奴隷に仕立てることも可能です。どうですか?」
用意していた商品では釣れなかった松村は、組織で行うサービスの一覧を、慌てて差し出して来た。
高級外食店のような豪勢な品目表には……一般の神経なら目を瞑りたくなるような最低で下品な記述ばかりが、隙間なく埋められていた。
だが、大将は平然と一覧に目を通していく。
(……へえ。アナルに……ダルマに……拷問。あ……壁や床に埋めて、死ぬまで飼うのもあるのか。……肉便器化サービス。なるほど、手が込んでいるのは
……認めるよ)
やはり、大将は狂っているのだろう。
異常を、異常だと思えないのだ。
(……うーん。……僕には、まだいいっていうか。どれも……興味がないっていうか……でも父さんには安心して貰いたいし……わざわざ僕に、ここを勧めるくらいだから――そろそろ奥さんも、孫も欲しいんだろうなあ。……でも)
苦労も、絶望も一度もなかったレールの上の人生。
それだけが、大将を歪ませた――わけではなかった。
むしろ、原因の大半は父親にあるのだ。
鮫塚小五郎。
過保護では、とても言い表せない彼の教育の結果、鮫塚大将と言う人間は、常識と良心を失ったまま大人になっていたのだ。
(…………あれ?……なんだ……これ?)
父には感謝しているし、困らせたくないとは思いつつ、一覧表を流し見ていた大将は、不意に視線を止めた。
それは純粋な興味だった。
内容が、よく分からなかったからだ。
「……せい、てんかん……調教……?」
――『性転換調教』。
この文字だけが、妙に意識に入り込む。すると……。
「ああ……それですか。性転換調教サービス……こちらのコースでは、私たちが用意した商品や、指定して頂いた人物を……文字通りに性転換し……お客様のご注文通りに――身も心も作り変えるサービスです」
「そんな……ことが……可能なんですか?」
「勿論ですよ。技術とは、科学とは……むしろ、世界の裏側で進歩するものです。大将様のご想像を超えて……男をオンナに、女をオトコに――変えてみせます!完璧にっ!」
その言葉が、大将の胸に、心に響いた。
どくん、どくん……どどどっ。
彼の中で、何かが目を覚ます。
「どんな人物でも……僕の望むままにっ――変える。オンナに……変える」
「はい。どんな男でも大将様のためだけの……性奴隷に変えてみせますっ!」
『まぁ、他のサービスと比べても、かなりお値段が掛かるのですが……』と零す松村の声は、もうほとんど耳に入っていなかった。
(僕の周りは……僕の思い通りになる連中ばかりだった。男も、女も……退屈する。むしろ、相対するだけで疲れる、煩わしい奴らだ。けど……普通じゃない、オンナなら?……男だったのに……女に変えられて、僕だけの……奴隷に、牝になる。……うん、いいかも。これにしよう!)
想像したこともない背徳の刺激を――大将は求めていた。
松村の言葉を聞き、男を女に変えて、牝として飼ってみたくなったのである。
まるで子犬や子猫を買い上げる感覚で、にやり、と彼は唇を歪めた。
「決めました。松村さん……僕、このサービスがいいです。これで女に変えた男を……奴隷に。いえ、パートナーにっ。僕の妻にします!」
「……おおっ。畏まりました」
「僕だけを愛して、僕だけに体を捧げる――そう……牝妻と言うくらいに、身も心も牝にして下さい」
「はい、はいっ。分かりました。……ですが、基本料金だけでも二億は掛かります。大将様のご要望のサービス内容だと……恐らく、お値段の方が五億……いえ、六億は超えると思うのですが……」
「ああ、そこは心配しなくていいです。父さんに言えば……今日中にも振り込むと思います。むしろ、どんなに金が掛かってもいいです!」
「…………は、はあ。流石は鮫塚……様で……お支払いが豪快ですねぇ」
「代わりに、完璧に!僕の注文通りの――牝妻に仕上げてください!!」
「そこはご安心ください!我々の調教技術は絶対です!!それでは……ご確認しなければならないことが幾つかあるのですが……まずは――」
先ほどの一覧表の上に……『性転換調教コース』と書かれた別の一冊を提示し、松村がふたつの項目を指差した。
「……商品はこちらで準備した人で構いませんか?それとも……お客様の方でご指定された人に致しますか?」
その問い掛けに――大将は、嬉しそうに口を開いた。
「……指定します」
「では、その方の名前は?」
「……常原勇大。それが――未来の僕の妻となる人間です」
堂々と――何一つ罪悪感なく――大企業の跡取り息子は、そう言った。

その一言が、ひとりの男の人生を壊すことを知りながら――。

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オーダーメイド~牝妻唯愛の事情~

妖精TSF奇譚~俺が、オレの奴隷妖精!?~ サンプル⑤

「ま、さか……いや……間違いない! お、お前――お前はッ!!」
 ぴきーん、と頭に直感が走る!!
 妖精の姿。
 フラスコに閉じ込められた状態。
 そして、巨人のように見える自分自身の肉体。
 全ては、ひとつに繋がっていた。

 ――つまり!!

「おい! お前! お前は、この体の妖精なんだろ!? お前は――俺の体と、自分の体を入れ替えたんだッ!! そうなんだろッ!?」

 アレックスは、選りにもよって選って彼自身が捕獲し、そして、売り飛ばそうとした妖精娘と、肉体を交換されていたのだ。
 恐らくは意識を失う前に受けた魔術――いやや、魔法。
 あれがきっと、ふたりの魂を違う肉体へと入れ替えたのである。
「か、返せ! 返せ、俺のカラダぁ――!!」
 辺境の田舎から、都会の魔導都市へと。
 千載一遇の好機を得た筈の少年は――しかし、一転して自由を奪われた妖精の娘へと成り果てた。
「だせッ! だせぇーッ!! ううぅ……お前! こんなことして、どうなるか分かっているのか!? 元に戻ったら……お前みたいな羽虫! 羽虫なんてっ!!」
 ギュウッ、ギュウッ、と胸部をガラスへと貼り付け、アレックスは自身の豊満おっぱいを淫靡に拉げる――。
 どんどん、とか細い腕でフラスコを叩き、羽を皺くちゃにさせながら、全力で泣き叫ぶ。
(ふざけんな! 返せ! だせっ! もっ、戻せ!! ――俺はこんなところで躓くはずのない人間なんだ! 魔導都市で魔術や魔法をを学び――有名な魔導士になって! ……金持ちになって! いい女を侍らせて!! うっ、うわぁああああ~~~~ッ、ッ!!)
 思い描いていた理想の未来が、素晴らしいものであるからこそ――こんな現実を、少年は絶対に認めない。
「うがぁ、ああああ~~~~ッ! だぁッ、だせぇ、えええ~~~~ッ!! は、羽虫ぃいいいいッ、ツツ!!」
 名声を。権力を。そして、女を。
 この世の全てを手に入れるつもりでいたアレックスは、無力な妖精の体で、フラスコ内部で暴れた。
 そう暴れたのだ。
 必死に――全力で。……けれど。
「…………」
「うわっ!? わぁあ!?」
 ひょいっ、とフラスコごと宙に持ち上げられて――。
(うひっ、ひゃぁあああ!?)
 ぶんぶん! しゃか! しゃか!!
 ガラスの容器を上下に揺らされる。
 頭も、おっぱいも。
 髪も、羽も……むちむちしたお尻や太腿も。
 アレックスの嫋やかな女体は数秒の内に、何度も何度もガラスの壁と床に叩きつけられた。
「誰が――羽虫だって?」
「あぐっ……ぐっ、ふぁッ……はぁッ……やめッ! ひ、ぃぃ……い、やぁ、あ……がッ、ッ……!?」
 問いかけられても、その声は耳に入らない。
 本当の肉体の手の中に、納まったまま……。
 手首の動きだけで、フラスコを上下にスライドされている。
 しかし――たったそれだけで。
(た、助け――助けてぇ、えええッ!?)
 魔力のない妖精娘となってしまったアレックスには……堪らない!!
 例えるならば大嵐の海に、小船で放り出されたような感覚だろうか。  
 むちむちと色っぽい妖精肢体は、激しい痛みと共に、繰り返しフラスコ内で跳ね回り続けた。
(やめろぉ!! やだっ……なんで、こんなことに! ……あ、ああ……ッ!!)
 腕も、足も。
 どうやって動かすのか分からない羽も。
 全てが等しく、ガラス容器へと叩きつけられて――。
「……あうッ!」
 最後はガラスとおっぱいが強烈に衝突することで、アレックスの妖精肢体は漸く停止した。
 その際、鼻先も半透明の硬い材質にギリギリ当たり、かなり痛いのか。
「いだぁ、ぃぃ! はぅ、うぅぅ~~っ!」
 アレックスは動く気配のないまま、情けない泣き声を漏らしていく……。
 瞳からは大粒の涙が溢れていた。
 すると、その姿を見下ろしていた彼自身の本当の肉体は――否、違う。

「あんたには……感謝しているよ! ――魔力を奪われて、死ぬかどうかの瀬戸際だったところに――そこそこ魔力の高い体を、わざわざ持ってきてくれたんだから♪」

 魔力のない身体を捨てて、人間の男の体を乗っ取った元妖精の娘は――。

「……そのお礼として、あんたを殺しもしないし、売りもしない。 ……あんたの代わりに今日からオレが――アレックス・モンカーレになる!! そして……あんたはオレの奴隷妖精として飼われるんだ。 一生ね!!」
「あっ、あぅ……そんな……冗談だろ……う、嘘だッ!?」
「……だから、口には気を付けろよ? アハハハ――!!」

 再度机の上に置いたフラスコの中で……惨めにへたり込むアレックスを、
大声で嘲笑した。
 中身は、この体の本当の持ち主――森で遭遇した、美しい美貌の妖精娘の筈なのに、まるで横暴な男のような立ち振る舞いと口調であった。

「今はどっちが羽虫で、どっちが人間様か――。 もう一度、そこでゆっくりと考えてみろ!!」
「まっ……待てッ! ま、まって……くれ! ここから――出せよぉ、ぉ!!」

 引き留めようとするが、少年から体を奪った妖精娘は――振り返らない。
 まるで遊んでいた玩具に飽きたように、アレックスを無視して、部屋の外へと行ってしまった。

「じょ、冗談だろ!? おい! お願い――お願いだから!! 俺をここから出してくれぇー!! だッ、だせぇ、ええ~~~~ッツツ!!」
 
 アレックスは諦めずに、何度もフラスコの表面を叩いた。
 だが、結局一晩中頑張っても……自分の体を奪った妖精娘は、一度も現れなかった。
 小人サイズの可憐な娘でしかない、今の彼の行動と、声は……それほど『無力』だったのである。

 そして、これは名誉と権力と女を手に入れた大魔導士”アレックス”の物語――ではなく。

「だっ、誰が奴隷妖精だ!? 俺は、そんなの認めないぃ、いい~~ッ!! ここから出て! 体を取り戻して!! お、俺は……大魔導士になってやるんだぁ、あああ~~ッ!! だせよぉおおお!! ばっか~~ッツ!!」

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その大魔導士に生涯飼われることになる……一匹の哀れな”妖精娘”の物語であった。

妖精TSF奇譚~俺が、オレの奴隷妖精!?~ FANZA版
妖精TSF奇譚~俺が、オレの奴隷妖精!?~ DLsitecom版

妖精TSF奇譚~俺が、オレの奴隷妖精!?~ サンプル④

(ち、乳首ィ! はぁ、んっ、んんっ――!?)
 ぐりぐりッ、とアレックスの乳首を責め立てる。
 途端、豊満な乳房から切ない疼きが巻き起こり、彼は両腕でその柔らかな肉房を包み込む。
 ぷるんっ、ぷるるん!!
 ……想像以上の弾力で、彼の大きすぎるおっぱいは二の腕から溢れる。
 むわぁぁ、と甘い匂いの蒸気が、乳の奥や脇から蒸れ出た。
「お、おれ。 やっぱり――女なんだ。 今の俺は……あの妖精の……女なんだっ、っ……」
 悩ましく四方八方に揺れて弾む巨房に目を向ければ、次々とこの妖精肢体に――いいや、異性の身体に、意識が釘付けとなった。
 筋肉の質も、骨格の構造も……全てが違う、女の子の肉体。
 まるで骨の太さと、筋肉の逞しさを失う代わりに、男の何倍も、モチモチとした柔らかい肉質が全身を包み込み――ただ立っているだけでも、アレックスはどうしようもなく心細くなった。
(こ、ここにも……なにもない。 胸やお尻は、こんな邪魔なくらい大きいのに……俺のムスコも、タマタマも……何もないんだっ、っ……!)
 カァと頬を上気させつつも、さらに目線を傾けた。
 ぷるるん、と波打つ巨乳に、ほとんど遮られて何も見えない。
 けれども、お臍や腰の括れから続く滑らかな曲線美と、柔らかい肉の盛り上がりが織り成す、乙女の恥部が……確かにそこにあるのだ。
「あっ……ぅ、ンン……ッ!」
 『じゅんっ』とお腹の奥が濡れた気がして、アレックスは巨乳房を抱き抱えたまま、息を詰まらせる。
 揺れ弾む乳肉の下。
 下腹部……。 恥部のむちむちとした膨らみへと、縦筋に切り込まれた肉割れ目からも、熱い疼きが脳裏へと響いて来た。
(女の体――これが、女の……カラダ……ッ!!)
 妖精とは言え――異性の肉体なのだ。
 健全な少年であるアレックスは、当然とばかりに興奮し、頬を悩ましく火照らせる。
 ごくっ……と唾を呑み込み、おっぱいを見つめていく。
「……い、いや――ダメだ。 こんなことしている場合じゃない!!」
 危うく暴走しそうな肉欲を何とか踏み留めるアレックス。
(……兎に角、ここから脱出しないと! ――でも、どうする? 考えろ! ……考えるんだ!! 方法は、ある筈だ!!)
 自然と内股になってしまう乙女の骨格に悩まされながらも、円筒型の封印フラスコをぐるりと見回した。
 だが、しかし……やはり、胸のおっぱいが淫靡に跳ねる! 跳ねる!
 たゆるん、ぷるるんっ!!
「は、はぅうう~~!? こ、この乳! ――おっぱい……じゃ、邪魔だぁー!」
 何か使える物はないかと探している最中でも、容赦なく撓み捲るイヤらしい巨大おっぱい……。
 意識を。集中を。
 根こそぎ奪われるアレックスは、真っ赤な顔になりながら、再び両腕で自身の巨房を支えた。
 ……が。
「んっ……んっ、んぁっ……ンっ!」
 波打つ乳房に悩まされない代わりに、乳肉の弾力と熱――そして、その熱によってむわむわと蒸し上がる女体の甘い香りに、アレックスの意識は、熱く乱される。
 だら、だら……だらり。
 大量の汗雫が、額や脇から滲み垂れた。
「く、くそぉー……なんで、俺が……こんな目に!? そ、……そもそも。 俺はどうして……こんなことになっているんだ? なんで俺があの妖精の姿になって……この容器に閉じ込められているんだ? わ、わけ分かんねーよ!!」
 ガラスの容器内は、女の体臭で狂おしく蒸し上がる。
(だ、だから――ダメだって! そりゃあ……この体は……あの妖精の娘は、……村の女どころか、アヒムの館のメイドたちよりも美しい。 美しいけど……うぅ、うう!)
 欲望のままおっぱいを揉み回し、恥部の肉割れ目へと、細い指を捻じ込みたい……。
 初めて見る女の裸体を。ありのままの女の肉体を。
 味わい尽くし、調べ尽くし……そして、出来ることなら犯してみたい!!
 噎せ返るほど強まった妖精女体の甘美な香りに心奪われ……アレックスの意識は、卑しい欲望へと染まっていく。
「あっ、ああ……うあっ……何をして……俺は……ッ、ッ!!」
 なぜか、妖精娘の姿に変わっている。
 なぜか、自作のマジックアイテムに自分が囚われている。
 なぜか、森から自分の家へと戻っている――。
 幾つもの『謎』と。多くの『疑惑』と。
 胸の奥でくすぶり続ける『悪寒』……。
 だが、不安な気持ちを募らせながらも、文字通りに己の物となった艶美な女体へと、アレックスの好奇心は向かっていった。
 ぐにゃり、と可憐な掌で、巨乳房を拉げる。
 甘切ない……そう、それこそ全身から溢れ出る女の体臭と同じくらい、甘い電撃が、びりびりと彼の意識を掻き乱す。
「んふぁ、ああっ……♡」
 びく、びくん。
 凄まじい感度。
 嫋やかな妖精肢体が、悩ましく震えた。
 アレックスは豊満なおっぱいを揺らし弾ませ、へなへなと座りそうになる。
「あ、ああ……これが――女の……か、からだぁ、ぁ……っ♡」
 知性も、理性も……いいや、悪寒や危機感さえも、全てを台無しになるほど狂おしい感覚。
 汗に塗れ、密閉された湿気でどんどんと火照る妖精の肢体の奥が。
 女体の奥底が。
 じゅん、ぬるぅ、ぷしゅっ。
 熱い体液を滲ませながら、小さく蠕動していく。
 けれども……ガタンッ!
「……うわっ!?」
 部屋のドアが開いた。
 そこには山のように聳え立つ大きな巨人がいた。
 しかし、その顔は。風貌は――。
(俺!? 俺だとッ!?)
 『アレックス・モンカーレ』である。
 そうドアを開けたのは、彼自身の姿であった。より正確に言えば……彼自身の本当の『肉体』であった。

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妖精TSF奇譚~俺が、オレの奴隷妖精!?~ サンプル③

「う、……うーん……」
 『アレックス・モンカーレ』が親から引き継いだ道具屋の二階。
 若き魔術師が魔導を学ぶための部屋……いや、その勉学用の机の上で、一匹の”妖精娘”が動き始めた。
(あれ――? 俺いつの間に……家に。 ……帰って来たんだ?)
 ずきずきと痛む額を掌で押さえながら、起き上がる。
 すると……たゆるん、ぷるるん!!
「ふへッ!?」
 胸部で揺れて弾む柔らかな乳房が、”妖精娘”の意識を揺さぶった。
 あまりの衝撃に目を見開く。
「なんだ……これ! ……はう、ぅぅッ、ッ!?」
 恐る恐る豊かな膨らみに手を乗せると、確かな人肌の温度が神経を遡り、しかも、乳肌の方からも切ない疼きが脳裏へと迫った。
 さらさらと舞い落ちる長髪……人ではありえないエメラルドグリーンのロングヘア―が、剥き出しの胸元や細い腕に絡みつく。
 いいや、それどころか――裸の全身へと、ぴったりと吸い付いた。
「えっ、えっ? お、おい……おいおい!? なんの冗談だよ!?」
 彫刻のように、あるいは神秘的に美しい顔を強張らせて”妖精娘”は、
繰り返し指を肌へと滑らせていく……。
 繊細な指と腕の構造。きゅっ、と括れた艶めかしい腰部。
 胸元の豊か過ぎる膨らみには負けるものの、それでもむっちりと色気付く臀部と太腿の肉。
 お臍だって、恐ろしいくらいに滑らかだった。
「こ、これ……俺じゃない! 俺が、俺じゃないッ!? お、男の体が――女になっている、だと!? そ、それに――なんで俺は裸なんだッ!?」
 蠱惑のボディライン――お腹の窪みと、腰の曲線美――を辿り、指を降下させてみれば、陰毛が生えた筈の股間はツルツルであった。
「あっ、あっ、あぁ、ああ~~っ、っ!!」
 そして、柔らかに膨らんでいる恥丘には、男の証である――陰嚢と陰茎も、消えていた。
 代わりに与えられているのは……逆にこの体が、女であることを証明する、妙な疼きを帯びている肉割れ目であった。
「こんなの……うっ、嘘だ!! なにが! どうなって……! うわぁっ!?」
 全身を撫で回し、必死に現状を理解しようとしていた”妖精娘”であったが、額と胸の豊かな膨らみが、何かに当たる。
 踏ん張ることも出来ずに、無様にすってんころりん!
「い、いたた……うっ、うう…………え? これは?」
 バランスを崩し、背中から倒れた筈が……なぜか、空中で止まった。
 ”妖精娘”は豊満巨乳を揺らし弾ませながら、ぺたぺたと宙に触れる……と。
「――ガラス?」
 自分が細くて狭い……ガラスの容器に囚われていることに気が付いた。
「なんだよ!? なんだよ、これ――ッ!? これ、って! お、おい!?」
 イヤな予感が。おぞましい悪寒が。
 ”妖精娘”の背筋に走る――。
 ガラスに小さな手を押し付けながら、ぐるぐるとその場を回った。
「こ、ここは……俺の、……俺の部屋だけど……ここは! 俺が今いる、ここは――ッ、ッ!?」
 日々の収入から生活費を抜いた、乏しい金銭で購入した魔術本。
 こんな辺境の田舎でも採取できる、さして珍しくもない薬草などで作り上げた魔法薬が入った小瓶に、いつも自身が使っているペンとインク。
 日常の品々が、あまりにも大きく見えた。いや、実際に『大きい』のだ。
「つ、机の上ッ!? じゃ、じゃあ――このガラスの筒は!?」
 何故ならば、それらは人間専用の物品だからだ。
 小人サイズの”妖精娘”にしてみれば、まさに巨人の世界……。
 実際に人間の机など、天空に浮かぶ島のようなものであった。
「うっ、うわぁ、あああー!! だ、だせーっ! だせぇ~~~~ッ!!」
 その上で、可憐で美しい美貌の”妖精娘”は――いいや。
「俺を! ここからだせぇ、え~~ッ、ツツ!! 俺は……妖精じゃない!! なんで!? どうして!? お、俺が……妖精の女に――あの妖精の娘になっているんだよぉ、おお!?」
 この家、この部屋の所有者……アレックス・モンカーレは、か細い腕でガラスを叩く。
 そう彼は、己が捕獲する筈であった妖精娘の姿となって、自身が製作した封印瓶の中に囚われていたのだ。
「なんだよ、これッ!? 冗談じゃないぞ!? ふ、ふざけるなぁああ!!」
 ムッチリと色っぽい美肌は、勿論……。
 華奢な肩口といい、心細いほど繊細な手足といい。
 ガラスの壁に押し敗けて、ギュウッ、ギュウッ、悩ましく拉げる巨乳房。
 艶めかしく引き締まった細腰。
 棒も、玉もない……寂しくも、美しく照り光る恥丘の膨らみ。
 胸の圧倒的なボリュームと競うようにして、むちむちと弾む臀肉だって異性の、女の体であった。
 そして、背中でさらさらと舞い踊るのがエメラルドグリーンの長髪ならば……くしゃっ、くしゃっ、と皺音を立てているのは蝶の羽。
 いいや、妖精の羽であった。
(ウソだッ! こんなのウソだッ!! 俺が……俺があの妖精になっているなんてッ!! どうなって、いやがるんだぁ、ああーッ!?)
 否定したくても体の感覚は、全て現実である。
 大魔導士を志す少年は……自分が妖精娘になってしまった、この理不尽な状況に戸惑いを激しくさせた。
 涙を瞳に溜め込んで、必死に叫ぶ。握った拳で、ガラスを懸命に叩いた。
「だせぇ――!! 俺は妖精じゃない! 妖精じゃないんだぁああ!!」
 どん、どん、どんどん!!
 自身が魔術で補強したことも忘れて、フラスコを割ろうと足掻くアレックス。
 すると……ぶるるん、ぷるんっ。
「はぅ、ううーっ!? い、いたっ……くぅ、ううっ!?」
 大きな肉果実ふたつは、激しく上下に揺れた。
 その衝撃は、ガラスの表面に押し付けている乳肌へと集中して――。

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妖精TSF奇譚~俺が、オレの奴隷妖精!?~ サンプル②

(どこだ……どこにいる! 何としても見つけないと――!!)
 村の同世代の少年少女とは異なり、生い茂る森の中を慣れていないアレックスは、息を早々に切らしながら、目を凝らす。耳を研ぎ澄ます。
 がさがさ! かぁー、かぁー!
 ――きゅい、きゅい!
 生気溢れる緑林の中には、虫も、動物も、数多の数ほど生きている。
 この中で、一匹の……極小の生物を探すのは至難だった。
 けれど――。
(はあ、はあ……どこにいるんだ妖精!? くそっ! 見つけてやる、必ず! …………うおッ!?)
 少ない材料とお金で製作した、マジックアイテム――簡単な魔術を仕掛けた円筒型のフラスコを握り締め、さらに森の奥へと進もうとした時であった。
 来た道に仕掛けていた探知魔術に、何かが引っ掛かる。
(落ち着け――落ち着くんだ! これは……間違いない!!)
 対象の大きさ。飛行速度。
 そして、微量ながらも魔力の気配。
 アレックスは音を立てないように、道を引き返す。
 ゆっくりと。のろのろと。
 だが、確実に標的へと忍び寄る……。
(……あれ、か? あれが――妖精なのか?)
 淡く発光する小さな球体が、大きな葉っぱに乗っていた。
 吸い付くようにそこに視線を注げば、掌サイズの小人の姿が露わになる。
 まだ距離があると言うのに――。
 意識に焼き付く、神秘的なエメラルドグリーンの髪と、澄み切った瞳。
 若くて、美しい美女の姿。
 けれども、その背中から生えているのは、やはり鮮やかな翠緑に染まった蝶の羽であった。
(……間違いない! 本物の――妖精だッ!!)
 彼女がいる場所だけが……まるで異世界のようである。
 エルフよりも、精霊に近い魔法生命体。
 そして、高位のドラゴンに匹敵する力を持った人外の脅威。
 ごくんっ……と。
 アレックスは緊張に唾を呑み込む。
 額から流れる汗を、音を立てぬように、腕で拭った。
(よし……! ここでも、このフラスコに吸い込めるが……念には念を入れて。 確実に捕獲しないと――!!)
 最強の人外生物のひとつであるが、今ではそこら中に生息する虫程度の力しかない妖精娘に対し――アレックスは、非常であった。
 用心深く、疑い深く、そして……用意周到。
 ポケットから取り出したのは、催眠効果のある魔法薬を注入した球体。
 これで標的の意識を朦朧とさせて、一気に近付き、近距離で封印魔術を発動させるのが、アレックスの計画であった。
(おっ、おりゃぁあ!!)
 ばふんっ、っ……!
 一回限りの奇襲は――成功した!!
 丁度いい感じに妖精の頭上に飛んだ球体は、真っ二つに裂け、薄い紫色の粉を周囲に散布していく。
 へなへなと妖精の娘は葉っぱの上に座り込んだ。
「おっ、おおぉぉ――!!」
 後は、文字通りに――”詰める”だけ。
 どかどかと地面を走り、アレックスは妖精へと接近する。
 見れば見るほど美しい――娘。
 それこそ王女のような美貌の妖精娘である。
 彼女が潤んだ瞳でこちらを見上げた。
 だが、もうお遅い。
「封印!!」
 アレックスが、魔術を発動させる。
 蓋を外したフラスコの内部から、びゅうっ、びゅうっ、と風の音がした。
 その風は、段々と激しくなる。強く渦巻いていく。
 ゴゥウ! ゴゥウウ!!
 ――ビュゥウウ、ゥウウウッッ!!
 前もって封じていた魔力は瞬時に膨張し、小型の嵐となってフラスコの外へと放たれた。
 まるで蛇の如く、強烈な気流は螺旋を描きながら妖精へと向かった。
「…………!!」
 成す術もない筈の妖精娘は……しかし、唐突に羽を動かし、宙へと逃げた。
 風蛇の咢は、惜しくも外れる。
「無駄だ! 諦めろ――羽虫め!!」
 それでも……捕獲は、時間の問題だった。
 アレックスは、そう確信して封印瓶の入り口を妖精へと向ける。
 彼女は、遠くに飛び去ろうとせずに――なぜか、自らアレックスへと飛び込んできた。
「どうせ、死ぬんだ! ならせめて――俺の役に立て! 羽虫女!!」
 最後のあがき。意味のない抵抗。無駄な行い。
 見苦しい醜態を晒す妖精娘へと、彼は罵声を浴びせた。
 だが、その直後――アレックスにとって『まさか』の事態が起きる。
「――ッ!! ――ッ、ツツ!!」
 妖精娘が、大きく腕を広げ……呪文を唱えた!!
 人間には聞き取ることの出来ない妖精言語の魔術――否、魔法であった。
「なっ……!?」
 妖精娘の唇から――びゅんっ、と発射された光線。
 いや、光の球は、アレックスの顔へと真っすぐに飛んでいく。
「むぐぅッ、ッ……!?」
 ほとんどの魔力がないと、目の前の妖精娘を甘く見ていたアレックスは……その光の球体を止められなかった。
(ま、まずぃ! あっ、あっ、――あぐぅうう!?)
 後悔しても、既に手遅れだ。
 驚きに開いたままの口から侵入されて――光の球が、暴力的な魔力を生み出し、アレックスの体内で爆ぜていく。
 瞬時に神経も、意識も、何もかもが現世と……いいや、己の肉体と無理やり切り離された。
(う、うわぁあああ~~ッ!? なんだ、これはぁ、あああ――――!?)
 アレックスは何も出来ない……手も、足も。
 さらには瞳や口、鼻もない、淡く煌めく球体の姿となって自身の肉体から彼は放出されていたのだ。追放されていたのだ。
(これは――!? 俺の魂が、肉体から出ているのか!?)
 そして、魂だけの存在となったアレックスが向かう先は――。
(うわ! どっ、――どけぇえええ!?)
 白目を剥いて、空中で停止する妖精娘……その唇の奥であった。
 肉体はない。今の彼は、魂だけの存在だ。
 けれども、目の前に迫るものが、妖精娘の身体であることは、魂だけの状態となっても見ることが出来たアレックス。
 もっとも、肉体がないので、何も出来ない。正しくお手上げ状態であった。
(なんだっ! なんなんだぁ、あああ~~!? 俺はいったい、……ひぃ、いいい!? なんで魂が……アッ! アアッ!! こっ、この体はち、ちっ、違うぅ~~!!)
 魂だけを肉体から切り離されて、凄い魔力で導かれているアレックスは、
成す術もなく妖精娘の肉体へと入っていく……。
 奥の、奥へ。
 底の、底へ――。
 彼の魂は堕ちていく。まるで奈落へと落とされたように。
(うっ……うくぅっ? か、体の感覚が戻って……きた?)
 やがて、身体の感触が意識へと舞い戻った。
 アレックスは、試しに瞼を動かした――が、その直後。
「うっ、うあっ? うぉ、おおお――!?」
 背中から真っ逆さまに、彼の体は一気に沈んだ。
 いや、身体が急降下したのだ。
 重なるトラブルに、アレックスの意識は戸惑い捲る。
「うあああぁ、あああ~~ッ!?」
 自身の唇から発せられた、甲高い悲鳴の不自然さも――今のアレックスでは、気付けない。
(お、落ちてる!? 落ちているのかっ、っ!?)
 すっかりと青ざめた顔で下を見れば、遥か遠くに地面が見える。
 どんどんと近付く草木や岩が、やたらと大きく見えた。
(なんだ! ここはどこなんだ!? 俺は、どこに飛ばされたんだ!? ――うぉ、おおお……ッ、ッ!?)
 『魔術……いや、高位魔法で遠くに飛ばされた!?』と思うアレックスの体に、突風が絡み付いた。
 四肢が、捩じれる。背骨が折れそうなほど圧迫された。
「あぐっ……うぐッ……ひッ、ひぐぅ……ッ、ッ!!」
 それは呼吸すらも不可能なほどの暴風。嵐の檻。
 そして、烈風の蛇であった。
 肉体がバラバラになりそうな力で彼は上空へ、ぐるぐるっ、ぐるんぐるんっ、と舞い上がる。
 たぷるん、ぷるるん。ばさり、ばさばさ。
(……うわっ、わぁー!! 胸がくる、ひぃー……たすけぇ……がっ、ぁぁ。 んひぃ、ぃいー……ッ、ツツ!?)
 風の力で、折れそうな細い手足。風の力で、千切れそうな括れた腰。
 そして、胸元の豊満で柔らかい巨房や、背中で痛々しい音を立てる羽。
 己の肉体の変化に、アレックスはまだ気付かない。
 嫋やかな丸みを帯びた身体を、四方八方から捩じられ、打ち上げられ、叩きつけられて――。
「うぐぅ! はぅっ! んはぁ、あああ~~! ひぎゃぁあああ!?」
 蛇状に渦巻く嵐の中、アレックスは悶絶する。
「おっ、おッ……んぐっ……!?」
 無様にも泡まで噴き始めたアレックス。
 その瞳に一瞬だけ映った陰は――巨人の少年。
 山のように聳え立ち、慌てふためく彼を、にたにたとほくそ笑んでいた。
 だが、しかし……その顔は。
 その黒髪と、黒目は。
(なんで、”オレ”が――俺を見ているんだッ!? まさかっ! こいつのせいなのかッ!? こんな訳のわからない目に、俺が合っているのは……ッ!?)
 顔立ちはおろか、服装さえもアレックスを模倣している正体不明の巨人。
 強烈に渦巻く気流の中で、何度も何度も跳ね回りながら、彼はその正体を見極めようと、瞳を大きく開く。

 ……が!!

「……ッ、ッ! ん、ヒィィ、ィ……ッ!?」

 アレックスの顔は、涙で濡れた。
 見開いたふたつの眼が見た先は……硬くて、つるつるとしたガラスの壁。
 いいや、底であった。

「ひぃ、ひぁ、あああ~~ッ!? や、やだぁー!!」

 回避不可能! 回避、不可能!
 回避は、……絶対無理!!

「やだ! やだぁ、ああッ!! 誰か止めてくれぇ、えええ~~~~ッ!?」

 ”最後のあがき”。”意味のない抵抗”。”無駄な行い”。

 妖精娘の無様な抗いを馬鹿にしていた、傲慢な少年は――しかし、自分の身の危険の時だけは、大慌て。
 涙も、鼻水も噴き垂らし、情けなく懇願する……。
 けれども、そのまま勢いよくガラスの底へと、アレックスはキスをした。

 ――ドゴーンッ!!

「ンンッ、ギャァアアア~~ッ!? おごっ、ほぉ、ォォ……ッ!?」

 幸運か、不幸か。
 アレックスは大怪我も、死ぬこともなく――意識だけを手放していた。


妖精TSF奇譚~俺が、オレの奴隷妖精!?~ FANZA版
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【3/17発売】妖精TSF奇譚~俺が、オレの奴隷妖精!?~ サンプル①

表紙

妖精TSF奇譚~俺が、オレの奴隷妖精!?~ FANZA版
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作:kagami0235
絵:うつき滄人

サンプル①


 ”妖精族”――。
 それはエルフよりも精霊に近い存在とされており、人間ではとても太刀打ちできない上位の魔法生命体のことである。
 エルフやドワーフなら兎も角、一介の人間の魔導士では、その姿を認識することも難しいとされていた。

 けれども……。

「――はぁ? 妖精を見た、って?」

 アレックス・モンカーレは、ベッドに横たわる色白の青年に向かって、そう聞き返していた。
 こほんっ、と小さく咳き込みながら、長い金髪を揺らし、彼は答えた。
「うん……こほっ。 数日前、久しぶりに体調が良くなったから……屋敷の直ぐ横にある森を、散策していたんだけど――」
「そこにいたのか? 妖精が?」
「ああ、間違いないよ。 最初は発光する虫かと思ったんだけど……よくよく見れば、確かに人の形をしていた。 見た目は、人間の娘と変わらなかったよ。 けほ、こほっ……ごほっ!」
 病弱の金髪青年――アヒム・ヘーイ・ガールドは、咳を漏らしながら、自身が目撃したものを、アレックスに伝える。
 青褪めた顔色。咳の激しさ。涼しいくらいの気温なのに、冷や汗を垂らす色白の肌……。
 明らかに彼は、重度の病に掛かっている。
「アヒム……また調子に乗ったな。 いい加減にしておけよ……病人は大人しく寝ておけ! 唯でさえ体が弱いのにっ!!」
 アレックスは机の上に常備してあった錠剤と飲み水を、青年に渡した。
「す、……すまないっ。 ハハッ、……情けない限りだよ。 ボクの方が年上なのに……んくっ、ごくんっ……」
「……全くだ」
「アハハ……ごめん。 ごめん。 でも……本当にキミには助けて貰っているばかりだ。 こうして話し相手をして貰えているだけで、ありがたい――」
 薬を服用し、シーツを被り直した青年は、苦し気に表情を歪めながらも、繰り返し、アレックスへと感謝を述べる。
 『キミが好きそうな話だったから話したけど――どうかな?』と言って、だんだんと瞼を落としていった……。
「……確かに。 俺も妖精には、興味がある。 もしも捕まえたら……お前にも見せてやる」
「お、……おいおい。 ボクでも知っているぞ……妖精……は、高位のドラゴンに匹敵する、存在なん、だろぉ? ボクに注意しておいて――キミが、危ないことをして、どうするんだい…………?」
 それ以上の反応はなかった。
 ほぼ一年中をベッドの上で過ごすアヒムは、極端に体力がなく――また強力な薬を使用しているため、こうして唐突に意識を失うことは、珍しくもない。
「じゃあ、今日はこれで失礼します……」
 この青年と無駄話をする日々は、既に六年近く続けている。
 アレックスは手慣れた様子で帰宅の準備をすると、背後に控えていたメイド長に声を掛けた。
「……はい。 何時も、お坊ちゃまのお話相手……誠にありがとう御座いますの。 ――ですが、わたくしからもお願い致しますの。 どうか、あまり危険なことはなさらないで下さいませ。 たった一人のご友人であるアレックス様に……万が一のことがあれば、お坊ちゃまはきっと酷く悲しまれてしまいますので……」
 横を通り過ぎる際に、メイド長が囁いた。
 彼女もまた……アレックスを気に掛け、苦言を呈したのだ。
 つまり、それほど妖精と言う存在は、超危険な存在として世間に知れ渡っているのである。

 ――もっとも。

(ばーか。 誰が止めるか……! あいつなんかに目撃されるってことは……そいつは間違いなく追放された妖精! 掟を破り、魔力を奪われて、妖精郷から追い出された妖精だ!! ……こんなすげーレアなものを見逃す訳がないだろ!?)

 魔術・魔法の知識を持つ者――勉強熱心な魔術師であるならば、アヒムの証言には、正に一獲千金の価値があった。
 メイドたちの見送りも見えなくなった歩道の途中で、くるっ、と身を翻す。
 辺境の村の道具屋を営むアレックスにとって……アヒムのためだけに建てられた屋敷は、眩しく彼の瞳に映っていた。

(魔力がない妖精でも――妖精だ! そいつを捕獲して、売れば……大金が手に入る! それこそ、この屋敷を買っても……お釣りが返って来るくらいの金がッ!! それだけあれば……俺は、こんな田舎から! ド田舎から解放されるんだ――ッツ!!)

 そう彼は……青年貴族に、最初っから妖精を見せるつもりなどなかった。
 そして、同時に命の危険を晒すつもりもない。

 アレックスは、魔力を剥奪された追放妖精――それこそ虫以下の下等生物――を、ノーリスクで捕獲し、自分の大きな夢の足掛かりにしようと考えていたのであった。





 アレックス・モンカーレは、魔術師である。
 そして、何れは大魔導士になることを夢見ていた。
 両親には分からなくても、生まれながらに持っていた常人以上の魔力を、彼自身は理解していたのだ。
 だからこそ、都会――魔導都市への留学を目標として、こつこつと勉強と、貯蓄に励んでいた。
 だが、魔力があっても……”運”はなかった。
 両親が流行り病で亡くなり、彼は夢を追うどころか、日常生活を保つだけで精いっぱい。
 しかも、お人よしだった両親が、田舎貴族の病弱な嫡男とアレックスを……無理矢理、友人にしてしまったために、彼は無駄な人付き合いのために、
貴重な時間をさらに削らなくてはならなかったのだ。
 青年貴族アヒムの話し相手になる見返りに、幾つか利益――安く品を仕入れたり、税を少し免除して貰ったり――はあるが、微々たるものである。
 一分一秒を惜しむ、夢を諦められない少年にとって、それはある意味地獄のような苦悩の時であった。

 だが、しかし――。

「ここだな! ――急がないと! ……追放された妖精は、魔力がほとんどないから……早く捕獲しないと、森の動物や虫に食われてしまう!!」

 そのアヒムとの無駄な交流が、アレックスの『運命』を変えようとしていた。
 妖精を捕獲し、それを売れば見たこともない大金が手に入る。
 十分な資金さえあれば魔導都市に留学し、魔術・魔法を広く深く学べる。
 それに国家資格に受かれば――『魔導士』を名乗れる!
 簡単な魔術・魔法を扱えれば誰もが名乗れる魔術師ではなく……国家が認める魔導士へと出世の道が開けるのだ。
 瞳をギラギラと輝かせて、アレックスはずかずかと森の奥へと進んでいく。




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【投稿小説】忍法 姫様第一主義! 後編

作 猫野 丸太丸
キャラデザイン&挿絵 衣子 https://twitter.com/org_happysummer

 巨大カエルは校長を乗せたまま穴からはい出した。相手が怪物の場合、穂乃香の忍術は通用するのだろうか? どうも簡単ではないようだ。くのいちたちは、包囲しながらも攻撃はできず、カエルを避けて後退を始めた。
「おまえたち! ほんのすこしの間、食い止めていてくれ!」
「そうだにゃりん!」
 なんと岡田が、穂乃香をかついで走りはじめた。そして疲れたところで穂乃香がジャンプ。殿島までの残り距離を全力でこちらへ走ってきた。
「姫様ー!!」
「たぶんオレに注文でしょ? なにが必要かな?」
「さすがは素早いお答え! あやつを倒すには力が足りませぬ。姫様の、最愛のお情けを!」
「え、まさか、最愛って」
「おっぱいを、所望いたします!」

忍者姫挿絵2

 ついに来たか。殿島は穂乃香の前で、帯に手をかけてうーん、とうなった。固い帯に守られて、殿島には乳房があるのかないのかいまだに明らかではない。
「どう露出するんでしょう。遠山の金さんみたく片はだを脱ぐとか?」
「いけませぬ、はしたない。……身八つ口(みやつぐち)から出すのですわ」
 到着した穂乃香は殿島の左腕を取った。わきの下を探ると、そこには生地を縫っていない穴が開いているのだ。穂乃香の手は重い衣装の下にもぐり、なかの肌着をずらし、ついに核心に触れた。
「…………にゃ」
 岡田みたいなはしたない声を出すのを、殿島は必死に耐えた。まるで手のひらに吸いつくように、丸みを帯びた乳房が穂乃香の手に捕らえられたのである。
(オレにおっぱいがある。しかも体のほうが覚えてますっ、穂乃香はオレのおっぱいを、過去にもんだことが、ある!!)
 やさしくわきから露出された左胸を、穂乃香のあの柔らかな唇が含んだ。乳首だけを引っぱるのではない。ふわふわの白いところごと大きく口に入れて、乳首は舌で転がす。
 それだけで殿島の気持ちよさがどんどん穂乃香に流れこんでいくのがかわいくてしかたがない。
「男なのに! これじゃ穂乃香さんのお母さんになったみたい」
 やっと思い出してくれましたか、という目線で、穂乃香は殿島をじとっと見返した。
 かりにも戦闘中である。一分も経っていないのに、殿島には時間が無限に感じられた。自分におっぱいがあって、こんなかわいい穂乃香が、殿島のおっぱいを好きだといってねぶっている。チンコがないのになんだか股間が熱くなってきた。
 エネルギーを吸い終わると、穂乃香は殿島の乳首にやさしく懐紙を当てて、着物のなかに戻した。
「うーん」
 もたれかかる殿島の髪をよしよししてから、穂乃香は崖下をにらんだ。
「さあ、用意はできました。覚悟なさい、忍!」
 穂乃香の印とともに特大の煙があがり、斜面に現れたのは、どう見ても身長四倍の巨大姫様だった。
 穂乃香は巨大姫様像の胸もとによじ登り、すっぽり着物のなかに収まった。
(え……、すごく恥ずかしいんですけど)
 我に返った殿島をおいて、号令とともに滑り出す巨大姫様。
「姫様の、美しさは、無敵ですーっ!」
 巨大カエルと激突して、最後の大爆発が起こった。

 戦いが終わり、完全に女体化した生徒たちはあと片づけを始めた。面白いことに半数以上はくのいちではなく町人のような着物を着ている。殿島はなすすべもなく椅子に座って見学しているだけだ。しょうじき、ずっと困っている。
「てーへんだー、てーへんだー、ほい、いっちょうあがり」
 胸をさらしで巻いて下はふんどし、両肩を出している格好の女の子が、殿島のほうへ走ってきた。
「崩れた校舎はじきに直りやすぜ」
「わー、すごいですね……。どんな風になるの」
「もちろん! お江戸の町でさぁ」
 崩れたすりばち穴は埋められ(すごいね)、鉄筋コンクリート構造はほぼもとのままだ。ただ内装はすっかり江戸屋敷風に変えられてしまっている。殿島はこういうのを見たことがある。たしか温泉旅館だ。
「だからよ、オレにもごほうびをおくれよ。指きりなんてしちゃったりよ」
 威勢のいい町人娘はうつむきながら、自分の小指を差し出してきた。殿島が小指をからめるとそれだけでぷるぷる震えている。きっと小指担当の娘なのだ。
 からわらに立つ穂乃香が笑って、殿島の耳もとに口を近づけた。
「みんなでよくがんばりましたから。疲れを癒す温泉をご用意しましたよ」
「まじですか」

 くのいちたちに手取り足取り案内されて、殿島は脱衣所に連れてこられ、すぐに全身脱がされてしまった。着物からの解放感もさることながら、自分の裸体が衝撃的だ。
 ついに見てしまった、殿島もやっぱり女の子になっているのだ。しかも胸やお尻が超絶した盛り上がりを主張している。
「こんなのがオレにくっついてるなんて。学校でこの体ってやばくないですか?」
 長い髪で懸命に胸とあそこを隠したが、わがままボディはぜんぜん隠れていない気がする。
「かわいいにゃりんっ」
 後ろから猫娘岡田がとびついて、殿島を講堂みたくでかい大浴場へと押しこんだ。もちろん岡田もすっ裸だ。健康的な肌の色で、猫耳と猫しっぽがほんとうに生えている。股間がつるつるだから女子になっている形がひと目でばれた。
「それ、大丈夫なんですか、岡田」
「姫様こそ、正体が分かっちゃったにゃりん……。おまえ、殿島だよね」
 おもわず頬を押さえると、フリーになった胸もとの髪束を岡田がていねいにつまんだ。
「殿島だからこそのなっとくの美髪、とうぜんだったにゃりん。オレの気持ちが浮気じゃないこと、分かってくれたかにゃ?」
「岡田ってほんきで変身前から髪の毛フェチだったんだ」
「『殿島の』髪の毛フェチにゃりん。だから猫になってもオレの魂は熱いままにゃりんっ」
 殿島が困っていると、湯桶を持った僕娘忍者がやはり全裸で走りこんできた。熱いお湯をふりかけてくる。
「きゃあ」
「僕らだって、ずっと、その……。体育の着替えのときに見つめていたんだからね!」
「だから殿島は安心して全校生徒のお姫様でいていいんだよっ!」
「つまり『お姫様』ってそういう意味だったのですか!」
「そうでーーす!」
 生徒がみんな変身前から殿島を、その胸を唇を髪をおへそをお尻をその他の部分を……、狙っていた。だから殿島はみんなのお姫様だったのだ!
「俺だけに注目しなくたって。みんなだって魅力的なのに」
「その心遣いがしびれるー! 岡田は一生、ついていくにゃりん」
 足もとにじゃれついている岡田。丸いお尻からしっぽがぴんと立っている。全裸の僕っ娘たちも左右から殿島をはさんで、下半身にさわろうとしてくる。もしも同級生でさえなければ、感動するほど夢みたいなシチュエーションだ。
 殿島は洗い場に座らされて、扱いづらい黒髪は穂乃香が洗ってくれた。めちゃくちゃ丁寧にシャンプーやトリートメントをしてくれる。つばき油成分が良い、と穂乃香は語った。
「穂乃香さんは、オレのなにが好きなんですか。やっぱりおっぱいですか」
 穂乃香はため息をついた。彼女の指が頭皮に触れるとすごく懐かしい気分にさせられる。
「他の者だって大なり小なりそうですけど……。あたしは姫様そのものが大好きなんです。ずっとずっとお慕い申し上げていたのですよ」
「覚えないからぴんと来ないです。でもじつは、体が覚えちゃってて」
「からだ、が?」
 いたずらっぽく聞き直されたから、殿島は恥ずかしくてうつむいた。
「うふふ。体だけでもあたしを認めてくれて、うれしいです」
 そう言って後ろから肩を抱かれただけで、殿島の首筋がくすぐったくなってくる。
「穂乃香さんも気をつけてください! 生おっぱいの感触がやばいです」
「どうということはないですわ。よこしまな心が消えて、姫様はこれから誰よりも姫様になっていくのですよ」
「……トイレに行きたくなりました」
 立ち上がろうとする殿島を、穂乃香が留める。
「あれれ? またお逃げになるのでしょうか」
「またって」
「あたしは姫様に一生お仕えします。そしてどこまでも追いかけます。だってあたしは……」
 殿島がいちばん好みの、いちばん安心する声で穂乃香はささやいた。
「姫様から生まれた、姫様の魅力の妖精なのです」
 困惑した殿島の思考を、しゃがれた笑い声が中断した。ふり向けば、背後にはなんと作業員みたいな作務衣を着た校長が、モップを持って立っている。
「なんで女湯に入ってきているのですか!?」
「忍者学校とか考えたけれど、なんのことはない、姫様にお仕えしたほうがみんなもよほど健康的になった。これもまた忍者学校。どうぞ、殿島くんの好きにおやりなさい」
(そんな安易に公認しないでください)
 用意ができましたと言われ、殿島は穂乃香と校長に案内される。大きな風呂と露天風呂がある、そこに大勢の女の子たちが集結していた。みんなにおっぱいがあって、みんなたぶん、チンコを失っているのだ。いちばん奥には穂乃香が造った巨大姫様像まであるのが冗談ぽい。
 裸になった女子たちは胸を見せつけたり、身を寄せあったり、像に座って足をばたばたさせたりしている。もう視界に入りきれないくらいの嬌態だ。そして殿島が近づいた瞬間、全員がこちらを見てにっこりした。
「姫様ーー!」
 みんなのかわいいという気持ちが、電波のように殿島めがけて襲ってくる。そしてひとりひとりに対応した体の部分、つまり全身が、ぼんっと桃色になった。

【投稿小説】忍法 姫様第一主義! 中編

作 猫野 丸太丸
キャラデザイン&挿絵 衣子 https://twitter.com/org_happysummer

「ご覧ください、ちゃんとおっぱいも生えました!」
 忍者が着物の胸もとを広げると、メッシュ下着の下にふっくらとした谷間が出てきた。女顔になった同級生に、おっぱいがあるのだ。危ない忍者下着で強調された危ない女体だ。
「ほらー、すっごくやわらかいです。僕ら、くのいちになったんですよ?」
「ちょっとちょっと! しまっていいですよ! 信じますから!」
「ありがたき幸せ。では僕らも穂乃香殿に加勢してきます! 散!」
 女体化した忍者たちは去った。殿島自身も女の姿になっているし、全体的にまずいことに巻きこまれている気がしてきた。
「あとでもとに戻れるんでしょうか……」
 混乱しているといい方法が思い浮かばない。殿島はそろそろ安心できる陣地が欲しくなった。なにより慣れない着物姿で立っているのがつらい。すり鉢の縁から離れ、残った教室の床に椅子を並べはじめる。着物のすそを引っかけずに腰掛けるのは苦労しそうだ。
(穂乃香ちゃんやみんなが休める場所も考えましょうね……)
 しかし忍者相手のスピーディーな展開は、殿島に余裕を持たせてはくれなかった。教室の窓に近づいたとたん、外から手が伸びた。そして即座になに者かが手足をからめてきたのだ。新手の黒装束だ。
「誰? 忍者?」
「捕まえたぜ、姫ちゃん」
 残念だが、敵の黒忍者に回りこまれてしまったようだ。黒い手甲をつけた腕が体を締めつけるのだが、後ろからのため顔は見えない。
 ただその声には聞き覚えがあった。
「おまえ、まさか岡田か?」
「そうだよ、忍者になっちゃったのさ」
 殿島は理解した。学校にできたアリ地獄のような斜面は、生徒を中央の穴に引きずりこんで黒忍者に改造する仕掛けなのだ。穴から上ってくる幾多の黒忍者は、みんなもと生徒なのかもしれない。そして忍者はなぜか殿島を、暗殺すべき姫と認識する。
 岡田はすぐに凶器を振るったりしなかった。殿島の後頭部に鼻づらが当たる感覚がある。長い髪に顔を埋めているようだ。
「なんのまねでしょうか」
「姫様って言うだけあって髪がきれいだなー。同級生を思い出すぜ。そいつ、貴族の身分でもないのに髪の毛が別世界みたくビューティフルで、眺めているだけで毎日退屈しなかった」
(うわあ。そういうレベルで好きだったんですか? 冗談)
 岡田は殿島の正体を分かっていないようだ。このままではほんとうに暗殺されてしまうかもしれない。身動きが取れない殿島は、必死に周囲を見回した。そして気づいた。
 穂乃香が敵を振り切り、鬼の形相でこちらへ走ってきている。殿島を見てあわてて助けに来るのだ。この後の展開は、殿島には簡単に予想できた。
「岡田、きみもカン違いしていることがあるんですけど」
「この状況で是非もないだろ、姫様はオレの掌中だ」
「違う! 身の危険が迫っているのは岡田のほうです! 逃げて!」
 しかし忍者走りしてくる穂乃香相手に、殿島の警告では遅すぎた。ジャンプした穂乃香が投げつけてきたのはもちろん桃色玉だ。殿島は岡田ごと、二度目の煙に包まれることになった。
 怪しい煙がしみこんだせいで、殿島は自分の体がますますつるつるになった気がした。美容効果もあるのかもしれない。そして岡田の手足が力なく離れたことから、彼にも忍術が効いてしまったと予想できた。穂乃香といえば殿島のほうをにらんでいる。
「姫様! どうかじっとしていてくださいませ! そのほうが守りやすいですから!」
 穂乃香はまたすぐに斜面を降りていく。意を決して殿島はふり向いた。教室の床で尻もちをついているのは岡田だ。だが……、以前とは見違えるようにかわいくなっていた。
 細いウエストに手足、顔は丸顔になり、男くささはみじんもない。おまけに頭には黒い猫耳。どうしてだ。岡田は自分の頭をさわり、それから胸をもんだ。
「……オレ、猫忍者になったにゃりん」
「どうして語尾が『にゃりん』なのでしょうかー?」
「日本で猫忍者といえば『にゃりん』だにゃりん」
 岡田が襟もとを広げると、メッシュ下着を着ていてその下にはしっかりおっぱいがあるのが見て取れた。立ち上がって数回ジャンプをしたのは、揺れを確認したのだろう。
「ふにふにはじけるぅ。この体、サイコーかも、姫様」
「岡田はそれでいいんですか? たしかにかわいいけど」
「ンニャ!!」
 とつぜん電気で撃たれたように、岡田猫忍者は全身を振るわせた。
「姫様に『かわいい』って言われたら体が反応したにゃりん! なんだか胸が熱い」
 足もとにかしこまり、上目づかいに殿島を見る岡田。細い肩がじつに女の子っぽい。
「あ、あ、あ、もう視線だけで体がおかしいにゃりん」
 ふうふう言っているので、殿島はひざまずいてあごをなでてあげた。岡田が苦しそうに言う。
「姫様ぁ、なでるの、上手すぎ……。お情けを、その美しすぎる髪の毛をひと束、さわらせてにゃりん」
 両手を猫の手の形にしておねだりする様子がかわいそうで、殿島は髪の毛をすこしより分けてさし出した。岡田は受け取った髪先をまず鼻に押しつけ、それからおっぱいに当てた。

忍者姫挿絵1

さらにごろんとお腹を見せると、髪の先を股間にはさもうとする。
「岡田、おまえにはもうチンコがなさそうだけど、さすがにそれはイヤかも」
「猫のまたぐらはつるつるになめられて清潔にゃ! あーん、しゅきしゅきパワーがたまってくるぅ!」
(岡田が変態になった……)
 なんの力が手に入ったのか、元気になった岡田はとび上がると、猛スピードで走り去った。行く手には黒忍者が十人以上いる。岡田の激突とともに大爆発、はでに桃色の煙が上がった。
 桃色の煙が立つのは、岡田も姫様のパワーを吸収して穂乃香流の忍術が使えるようになったということだ。つまりやられた敵はみんな下僕な女の子に……。
「あのー」
「ひぇっ!」
 気づけば最初に転換した忍者二人が戻って来ていた。両方とも顔を真っ赤にして、殿島から少し離れたところで小さくなっている。なんだか殿島のほうが申し訳なくなる恐縮ぶりだ。
「戦い、ご苦労様です。休みますか? 水筒のお茶ならありますよ」
「それには及びませぬ! むしろ忍術が切れたもので……」
「僕らにも穂乃香や岡田と同じお情けを賜りたく……」
 あんまりだ。殿島は頭が痛くなった。くのいちたちは殿島にかけ寄って左右から支えてくれる。
「姫様は気が張っているゆえ、お体がつらそうなのですね」
「僕らが温めますから、気が楽になりますよ」
 教室の床にじかに横になったけれど、腕枕してもらったからそれほど痛くない。くのいちにぴったりと身を寄せられると、たしかに柔らかさが心地よいのだ。
「ありがとう、疲れが吸い取られる気がする」
「では姫様の愛を頂きますっ」
 くのいちたちは示し合わせると、着物のすそから手を入れてきた! 忍者のすばやい動きで殿島の下半身をまさぐっていく。
「え? 待って、やめ……」
「僕ってば、姫様のおへそがないと生きていけないんだっ」
「僕は姫様の尾骨が生きがいなの」
 この二人も、すっかり変態だった。
 着物のなかに手を通されて分かった。いまの殿島はパンツ形の下着をはいていない。だから指が着物のすき間へと割り入り、すぐに殿島の肌に触れる。
「お尻だなんて言っておまえ、すきを見て娘御のだいじなところをさわるつもりだな?」
「聞き捨てならないな、僕は一途にお尻を求めてるんだっ!」
 しかし意図的でないにしても、細い指であちこち探られているのだ。殿島にとったら自分の股間にチンコがないこと、のっぺりとして敏感なことが分かってしまう。
(ああっ、オレ、ほんとに女の子になってたぁ)
 やがてくのいちたちの指が目的のところにふれたとたん、殿島の下半身に電撃が走った。くのいちたちは殿島のおへそとお尻専門になってしまったようだ。
(二人の手のひら、なんだかしびれますっ)
 くのいちたちは蕩けた顔で殿島にしなだれかかる。
「僕ら、姫様のとりこなくのいちだよぉ」
「姫様も僕らのこと、女の子として好きになった? けっこう恥ずかしいんだからかわいいって言ってくださいまし」
 熱と汗のにおいがむんむんになって、乳房もますます柔らかく当たってくる。脚をからめられて殿島の意識もぼうっとしてしまう。
「ああっ、うん、かわいい、かわいいからそのくらいで許して……」
「ありがとー!!」
 ようやく充電が終わったのか、手を離すとくのいちたちは戦場へと下りていった。あとにはふにゃふにゃになった殿島が残されるだけだ。
 戦闘はすり鉢穴全体に広がっていた。ぶつかるたびに穂乃香たちくのいちは優勢になっている。敵を一方的に変身させられるのだから当然だ。
(学校のみんなが黒忍者になるのはイヤだけど、変態になるのもまずいでしょ)
 おへそやお尻がじんじんするたびに僕っ娘くのいちを思い出し、長い髪が揺れるたびに猫岡田を思い出す。唇を開くと穂乃香の舌の感触が……。そしてふとももがこすれるたびに自分の女体を感じてしまう。殿島はいったいどうするのか。
 殿島は、次は油断しないよう注意しながら、教室からの出口を探した。
(自分がいなくなれば黒忍者も襲う目標を見失うし、そうすれば意味不明な戦闘も終わるかも、かな)
 しかし殿島の試みはまた天変地異で妨げられた。残った校舎が地震のように揺れはじめたのだ。教室の扉はずれて斜めに閉まった。とことんついていない。
(震源は、すり鉢の底か!?)
 殿島は着物のすそを踏んずけて転んだ。這いながら下をのぞきこんでみる。
 見れば穂乃香たちが穴の中央からすこし離れたところで姿勢を低くして耐えている。警戒の中心、穴の底は真っ黒だ。そこからなにやら巨大なものが出てきた。醜悪でねばつく皮膚を持った怪物だ。
 おおきな……、カエルだ。しかもカエルの頭には白ひげの老人忍者が立っていた。
(こういう忍者っていますよね! 雰囲気がなんだかだれかに似て……)
 ガマガエルの忍者は一帯に響く声で「静まれ、不良生徒!」と叫んだ。声を聞いて判明した。正体はきっとこの学校の、校長先生だ。
「おのれ、新時代の人材育成が必要だったからこそ太古の秘術を用いて、わが校を忍者の学校にしようと思ったのに!」
 殿島は絶望で頭痛がした。そんな理由で校長は異常事態を起こしたのだ。
「優秀な若人が忍者になるはずなのに、どうしてくのいちが増えているのだ!」
 穂乃香が立ち上がって指さした。
「悪の忍者を滅ぼすためです! おまえは悪行を働く前に倒します、われらと、われらが頂く姫様が!」
「えっ、オレ? 経緯がちょっと違うんですけどね……」
 とはいえ、へんな校長のせいで黒忍者にされるのはイヤである。殿島は穂乃香たちが勝ってくれることを期待した。

<後編につづく>

【投稿小説】忍法 姫様第一主義! 前編

作 猫野 丸太丸
キャラデザイン&挿絵 衣子 https://twitter.com/org_happysummer

衣子さん くのいち完成

 殿島 功一朗はその朝、驚愕した。男子校の教室で始業前、机にもたれかかりさわやかに前髪をかき上げていたときのことだ。
「見せつけてくれるね、オレ、おまえの髪って好きだわ、キューティクル気にしてんの?」
 友人の岡田にそう言われたから、殿島は髪を切るまねをしてから背中をたたいた。
「そんなに好きなら、きみがハゲたときに髪を持っていきます?」
「えー、いいの? 千円出すわ」
 岡田がおどけて言うので、ほかの男子も寄ってきた。
「千円は見下しすぎだろ! 一万円くらい払えよ」
「岡田は気前よく百万円払う男だろ」
「百万円か……、ある意味、相場だな」
 岡田が真顔で答えたので殿島は笑った。
「百万とか出されたらかえってあげられないでしょ」
 殿島は岡田のえり首をくすぐった。ツボに入ったのか岡田はおおげさに前につんのめる。
 しかしその瞬間、バグった三次元画像のように目の前の背景がブロック状に、ずれた。
「!?」
 殿島はまばたきをする。彼の鼻先で、世界が四角く崩れる。頭上のブロックは空に変わり、そして教室の壁や床、窓はすべて下へ、地面に消えていくのだ。
 錯覚ではなかった。友達をつついたら教室ごと世界が崩落した。なにそれ。
 そして現れた地形は巨大なすり鉢状の斜面だった。岡田といえばもう机とともに斜面を滑り落ちている。
「お、岡田ー! オレが押したからですか!?」
 前に出ようとしたが殿島の足元はすり鉢の縁だ。恐怖にすくんでいると、ほかの生徒たちも斜面を転がるのが見える。砂混じりの激しい風が吹き上がってきた。
「……冗談きついでしょ」
 教室どころか、学校全体が沈下してしまったかもしれない。遠近感がつかめない異様な光景だった。地盤沈下とかトンネル工事で事故とか、そんなレベルではないだろう。とりあえず安全な足場がないかと殿島は横歩きを始めた。
 ふと、斜面の下のほうで黒い人影が動いた。見れば影は下から上へと走ってくる。しかもけっこう速い。
「登ろうと思えば可能だったんですね」
 安心した殿島だったが、それにしても黒い影は全く速度を落とさない。見た目が黒いのはどうしてか。近づくにつれて分かった。そいつは全身黒い服に黒い頭巾を着こんでいるのだ。時代劇にいる忍者衣装スタイル。
 ますます悪夢だ。
 意味不明な行動をする忍者に、殿島は手を振ってみた。
「やあ。この災害についてなにかご存知でしょうか?」
「お命ちょうだい!! とうっ」
 最後の一歩を跳躍して黒忍者は殿島にとびかかる。動体視力が良い殿島は、忍者の手に短い刃を見つけた。取り回しの良い忍者刀だ、つまり相手を斬るわけだ。
 いきなり勝手に学校が崩れ、地面に大穴が空いて、そこから忍者が出てきて殺される。理不尽な急展開に、殿島ができたのは近くの椅子を持って頭上に構えるくらいだった。
(抵抗の姿勢は示すけど! 切り抜けるほうは無理でしょ、残念!)
 忍者刀が殿島に迫った。

 そこへ疾風とともに、なにかが横殴りに殿島をはたく。
「ご免!」
 柔らかくて細身の、もうひとりの黒装束が現れた! 動体視力が良い殿島は、倒れつつも周囲を見回す。悪い忍者と、突如現れた髪の長い黒装束が激しくぶつかりあっている。やがて長髪のほうが悪い忍者を蹴り転がした。忍者は上ってきた斜面を落ちる。
「姫様! 助けに参りました」
 とにかく動きの素早いその子は、殿島の足元にきびっと片ひざをついて笑った。女の子だ。黒髪をアップに結んだ髪形で、つり目ぎみなのが元気でかわいい。黒い和装とメッシュのそでということは、この子も忍者っぽい。女だからくのいちということか。
「敵の忍者はこの後も増えるでしょう。ご言い分があるとは思いますがあたしとともに」
「すとーっぷ! まずは自己紹介からでしょ。僕は殿島巧一朗。きみは?」
 くのいちはすこし言いよどんでから答えた。
「ほ、穂乃香ですっ……、憶えてないんだ」
 彼女の背後から、さっきの黒忍者が復帰してとびかかってきた。くのいち穂乃香はなんと殿島を見つめたまま後ろ蹴りだけで黒忍者を撃退した。
「ま、いっか。迷っているひまはありません。姫様はあたしといっしょに」
「ありがとう、オレを怖い忍者から守ってくれたのは感謝するけど、敵もきみも状況をカン違いしていると思うのですよ」
「なにが、ですか?」
「さっきから姫様って呼んでいるよね。それってオレのこと?」
 穂乃香は小さくうなずいた。殿島はなるべく優しい声を出した。
「いやいや、オレは姫様じゃないです。だってオレ、男ですから」
「そこからですか……」
 穂乃香は「いきなり全部理解させるとびっくりしちゃうのに」とつぶやきつつ両手の指を組み合わせた。忍者の印ってやつだ。
「ぽいっと」
 左手の指の間からミニトマトくらいの、桃色の玉が出てきた。
「説明を最後までお聞きください。これから忍術を行います。敵襲中にあえて施術するので冷静に受けとめてください、暴れると落ちたり敵に刺されたりします!」
「分かるよ! できたら脱出後にゆっくり聞くのでどうかな」
「戦いには姫様のお力がいま必要なのです。失礼!」
 印を固めた穂乃香の指先から桃色の玉が射出され、殿島の胸に当たった。
 ぼんっ。ふき出したのは桃色の煙だ。お線香のような和風の香りが広がり、視界が遮られた。煙が全身にしみこむ感覚がしたから殿島は身構えたが、谷から吹く風で煙幕はすぐに流れた。
「へーえ、これが忍術なの? ふわわわっ!」
 冷静にと言われた注意を殿島は覚えておけるほうだ。しかし驚愕しないのはむりだった。
 頭と体にずしり、と重さがかかったのだ。体のほうは見てすぐに分かった。着物だ。赤くて布地が二重か三重になっていて、大きなそでが垂れている。そしてそで口から見えた手が、白い。
「オレの手ですかー!」
 クラスの女子がふざけて髪をさわってくるときの細くてなめらかな指、それが十本とも殿島の両手に降臨していた。殿島は頭に手をやった。頭皮にそって優しくなでる感触はまちがいなく女の子の指だ。
そして指で握った髪が長ーーい。殿島の髪質そのままに長さを増した黒髪が、先はお尻まで伸びている。
(手のひらをこぼれ落ちたのがサラってなった、サラって!)
 お尻まである美しい髪、けっして不精して伸ばしたごわ髪なんかじゃない。それを左右から両手ですくって、顔の前で合わせて、頬に当ててみた。和風のお香の匂いがしっとりする。
「ちがうって言ったのに! オレ、ほんとに姫様になった?」
「われわれの、ううん、あたしの姫様ですわ。いつ見てもお麗しい」
 着物の帯に花の紋がある、そこに穂乃香が指を伸ばしてつんつんした。でも、姫ということは……。殿島の視線はさらに下へ向かう。着物のすそがふんわり長いので、自分の下半身がぜんぜん分からない。穂乃香はさらに身を寄せてきた。
「下が気になります?」
「うん」
「もちろんあなたは男子ではございませぬ。娘御ですわ」
 穂乃香の手のひらが股間と思しきあたりに伸びた! さする感じが厚い布を通して伝わる。このなめらかで恥骨に直接当たる感じは、
(まさかオレにチンコが、ない!?)

 殿島が呆けている間もなく、背後からは、何度蹴られてもめげない黒忍者がふたたび迫ってきていた。いや、それどころか同じ格好の忍者が二人に増えている。穂乃香が言っていた、敵は増えると。
「いいかげんしつこーい!」
 穂乃香がくさりに錘がついた分銅を取り出して投げたから、二人の忍者はからまって落ちた。でも崖下に見えなくなるほどではない。殿島は身長が低くなったので、伸びをしてのぞきこむ。すり鉢の下から、上ってくる黒い点がもっと増えている。敵は二人や三人ではないのだ。
「やばいですよ、多勢に無勢っぽい」
「あたしも同感でございます」
「じゃあどうする?」
「撃退する方法、じつはあるのですが」
 穂乃香は下を向いてもじもじした。
「その……、あたし、姫様にお情けを賜りとう存じます」
「あー! 時代劇で聞いたことがありますね。お情けってつまりこう」
 殿島は両腕でハグする仕草をしてみせた。穂乃香は顔を赤くしてうなずいている。お情けとは「主君からの格別の寵愛のこと」なのだ。
 ぐずぐず考えない殿島である。着物のそでをたぐってすばやくくのいちを抱きよせた。自身の腕も細くなってしまったが、穂乃香はきゃしゃでとても抱きごこちがいい。
(着物で抱きあうのっていい感じ。でも、つぎにどうするのかオレは知らないです)
「ああっ、姫様、いつになくお盛んっ。さあ、そのまま接吻を」
 そう言いながら、穂乃香は自ら顔を近づけてきた。おもわず目を閉じる殿島。首を傾げた穂乃香が唇を合わせる。
(やっわらけぇ~)
 穂乃香のみずみずしさもさることながら、自分の唇の柔軟さに驚きを隠しきれない。息が震えたら、動揺しているのが相手にばれてしまう。そんな心配を打ち消すように穂乃香が舌を入れてきた。
(キャッ、舌先が当たった!?)
「素敵。姫様の口づけはなにごとにも代えがたいです!」
「それはどうも……。ってオレの声が変わっている?」
 口を押さえる殿島をおいて、穂乃香は斜面を滑り降りた。行く手には黒忍者二人。印を結べば穂乃香の手にまた桃色の玉が現れる。
「姫様の魅力こそが忍法の源なのです! ぽいっと」
 煙玉を投げつけると、敵忍者は濃い煙に包まれた。
(穂乃香は姫にキスすれば忍術が使えるってことか。あくまでオレは姫様じゃないですが)
 しかし煙が晴れたとき、殿島は目を疑った。敵忍者がなんだかすっきりした見た目になっている。黒装束に覆面はそのままだが、手足が短く、細くなった。そして自分の胸や股間をさわっている。
(胸とお尻が丸いです。あー、穂乃香の桃色忍術って、そういう……。オレのときと同じですか)
 やがて自分をさわるのに一段落すると、忍者たちは刀を捨てて、殿島のもとにふつうに歩いてきた。ひざまずいて言う。
「姫様に男の魂を抜かれました。生まれ変わったこの身を捧げます」
 さっきの「お命ちょうだい」発言は男声だったのに、いまは女声になっている。殿島はおもわず胸の帯に手を当てた。
「まさかきみたちも女になった?」
「はいっ、うれしいです」
「ちょっと穂乃香さんー、これ大丈夫なんでしょうか?」
 遠くで戦っている穂乃香はちらりと殿島のほうを見た。
「彼らは味方になりましたよー。身も心も姫様のものです」
 性転換に加えて洗脳までしてしまったのだろうか。殿島としては、味方といっても素直には受け取れない。
「べつにそういうの望んでないんですけど」
「僕らの忠義をお疑いですか?」
 変身した忍者たちが覆面を脱ぐ。なかなかかわいい顔だ。しかし殿島は首をかしげた。どこかで見た顔である。考えて思いあたった。この忍者、同級生の男子たちではないだろうか?


<中編につづく>



【依頼小説】女体化オークション 作 千景 イメージキャラ Meito 後編

作              千景 https://skima.jp/profile/?id=23210
イメージキャラデザイン Meito https://twitter.com/meito_67

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◆◆ 前編はこちら

「ひっ、あああああっ!? ひゃっ、やっ、やあっ!!」
「流石によく締まっているな……なかなか好みだ。そら、もっと突くぞッ」
「おおおおぉぉぉっ───!! 奥、奥突いちゃらめぇっ!?」

 ズッ――ぬぷぅッ!!
 先端の亀頭がぬかるむ真琴の膣道を、変わりたての秘部を一気に割った。
 まるで大砲の弾が直撃したかのような衝撃に真琴の頭の中が真っ白に染まる。

「あ、あ、あっ、ふぁぁぁぁ……っ!!」

 悲鳴と同時に開いた上の唇の内側で、唾液に塗れた舌がピンと尖った。
 空虚を抱きしめ続けていた筒が欲望の形に歪み、肉壁を押し退けていた。
 灼熱を伴う男根は真琴を狂わせるのに十分な大きさと太さだ。顔が蕩ける。はしたなく人相が歪む。

「(気持ちいい……っ。女の子って、みんな、こんなこと……!!)」

 本来であれば一生味わうことなく済んだであろう乱暴な快楽に、人生観が瞬く間に書き換えられていく。

「んんんっ、あぁぁっ、あふ……っ!!」

 例の薬で作り変えられた身体は、どうやら随分と性行為に向いているらしい。感じやすい、と言い換えるべきか。
 初めての挿入だというのに痛みは皆無で、全身が歓喜の悲鳴をあげるのを堪え切れない。
 昂ぶる気持ちがコントロール出来ない。
 相手の逸物はまだ膣を埋めただけでまったく動いていないというのに、真琴はそのたった一突きだけで興奮の天井に追いやられてしまった。
 先で子宮口を少し掠られただけでも、すぐに絶頂へ到達してしまう予感があった。
 
「こっちも味わってみようか」
「ひうっ……!?」

 身動き一つ取れずに硬直する、真琴。
 そこで突然、彼の腰を包んでいた手が、露出したままの美尻肉を揉みしだいた。

「ふあぁっ、はうっ――んんっふ……!
 お尻、お尻だめっ……揉まない、でぇ……!!」

 上等なマッサージにも似た気持ちよさに思わず気の抜けた声を出してしまう。
 間抜けな声に頬を赤くする理由はないし、そもそもとっくに顔は真っ赤っかだ。
 だがそれすら序章と言わんばかりに、次の瞬間――真琴は本当の意味で腰砕けになってしまった。
 半澤の指が、菊座をなで上げたのだ。今までただの一度も触れられることのなかった、盲点の感帯。

「っっ!? そっち、違……ッ!?」

 指の圧をきゅっ、きゅっと跳ね返している内に、納めたままになっていた男根が突如動き奥をくすぐった。

「あっ、あああぁぁあああ――!?」

 それだけで最奥部が敏感に反応する。真琴の予感は的中していた。
 ほんの僅かな膣道の擦れが、早くも達しかけていた真琴に止めを刺して潮を勢いよく噴出させる。
 身体の中心から響き渡る快感が背骨を伝って脳髄を揺らし、思考を焼き尽くす。

(す、ご……! 男の、男の人のちんぽって、こんな気持ちいいの……!)

 早くも、心まで女のそれに適合し始めながら。
 オナニーや、恐らく女体への挿入でも絶対に得られなかったろう"挿入される"快感に真琴は為す術もなく打ちのめされることと相成った。

「んんっ、はっ、はあ、……ああんっ、はあ……すごい……すごいぃ……っ!」
「さ、まだまだ行くぞ……ッ!!」

 頭の芯が痺れて、思考に靄がかかる。
 膣内を犯されて到達する。男としてはあってはならない醜態だが、女としては本懐だ。
 余韻に浸って項垂れる真琴へ、半澤が再び腰をぶつけ始める。

 ――ぱしんッ! ぱしんッ!! ぱしぃぃぃんッ!!!

 荒々しい腰使いで、震え続ける膣道を貪るように犯し続ける半澤。
 真琴の髪が小さく揺れ、快楽を助長するように叩かれた美尻がぶるると震えた。

「ひああっ、ああっ、まだ、イったばっかりなのに……!」

 絶頂の余韻が去らぬまま、更に追い詰めようとする半澤の行為に、真琴のか細い理性は完全に吹き飛びつつあった。
 誘うような動きに快楽が燃え上がる。到達した体は悲鳴をあげているのに、真琴のもっと深い部分は依然としてかつての象徴を求め続けていた。
 二律背反の均衡はすぐさま崩れる。楕円を描くように半澤が腰を動かして、真琴を責め立てたからだ。

「ぁっ、ぐりぐりしちゃ、らめ……!」

 しかし肝心な部分は接触しないままだ。
 子宮口ではなく、膣道の浅い部分に亀頭を押しつける。
 入り口のごく浅い部分に亀頭が当たっていた。
 秘芯の真裏のあたりが肉棒に押されるたびに齎される鋭い悦びが真琴を快楽の奈落に突き落とす。

「おいおい、早いな。もう"堕ち"始めてる」
「ふぇ……ッ!? 僕、何をっ……」

 四つん這いのまま、気付けば真琴は自ら亀頭を求めて腰を振るっていた。
 お尻の表面が相手の太ももにあたって波立つ。膣から生まれる透明な雫が、出し入れによって飛沫していく。
 羞恥の感情はもう彼方に吹き飛んでしまった。そんなものは最早頭の片隅にすらなかった。
 霞んでいく視界と溶けていく思考のなか、交合の快楽に身も心も溺れていく。

「(ああっ、だめ、だめだっ……! これ以上やったら、戻れなくなるっ……!
  なのにっ、なのになんでっ、腰止められないのっ……!!?)」

 自ら奥へ奥へといきり勃った逸物を導き、快楽の沼に落ちていく真琴。
 ベッドへ滴るほど愛液の満ちた筒で男根を包み込む。
 入り口がくちゃくちゃと音を立てて男根を納め、子宮の口が亀頭をそそり上げる。
 名器と真琴の姿に絆されたのか、半澤が真琴の腰を掴み、自分の側へと引き寄せた。

「ああっ、ふああんっ! んんっ!!」

 真琴は光悦の表情のまま、瞳を見開く。
 膣奥が押し上げられていた。
 あまりの良さに悲鳴さえあげられない。
 半澤はそのまま真琴の腰を掴み取り、腰を叩き付けてゆく。

 呼吸を絶え絶えにしつつも、真琴は巨根を受け止め続ける。
 脚も腰も熱に溶けて力が入らないが、それでも真琴はこの陵辱を受け入れ続けていた。

「ああっ、いっ、イクッ……! なんか、なんか来るぅぅぅっ……!!」

 余裕のない声音で叫び、真琴は全身を震わせた。
 ボルチオの快感に、身体が負けてしまったのだ。
 唇を噛み締めて悶える真琴の奥深いところにとうとう亀頭が押し当てられた。
 子宮口を亀頭の先で蓋するような、これ以上ないほど密着した性器が欲望を放つ。

「ふあああっ、あああ!! ああああああぁぁぁっ……!!」

 薄い木版くらいなら平気で貫通しそうな勢いで迸る精液。
 子宮口が一瞬で粘液にまみれ、勢いよく跳ね回る。
 直接突かれるよりも遥かに複雑で一定しない刺激が押し寄せる。
 子宮ごと揺さぶる膣内射精の衝撃は、真琴を更なる高みへと連れ去っていく。

「なかなかいい穴だった。合格だぞ、二階堂真琴───いや。おまえは今日から、"真子(まこ)"だ。そう名乗れ」
「ひゃ、いぃ……」

 ――奥に塗りつけられるたび、真琴は背中を震わせ続けた。
 射精が粗方収まると同時に、冷たい床へと崩れ落ちる。
 精液が丸出しになっている臀部や、白濁に濡れた太股に飛んでいく。

「(ぼく、ぼく……終わっ、ちゃった……)」

 終わった。終わってしまった。
 男なのに女の体にされただけでは飽き足らず、女体の快楽までも貪ってしまったのだ。
 
 ごめんなさい、お母さん、お父さん。
 僕はもう、男の子には戻れそうにありません。
 
 そんな風に心の中で詫びる健気な様子とは裏腹に───真琴改め真子の口元は、だらしなく、緩んでいた。


【依頼小説】女体化オークション 作 千景 イメージキャラ Meito 前編

作              千景 https://skima.jp/profile/?id=23210
イメージキャラデザイン Meito https://twitter.com/meito_67

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 二階堂真琴───十七歳、高校二年生。
 彼は端的に言ってどこにでもいる、ごくごく普通の男子高校生であった。
 文も武も特別秀でているわけではなく、クラス内でのカースト順位も至って平均的。
 反社会的な物事には手を出さず、所謂オタク文化に傾倒することもなく、毎日のテレビ番組に一喜一憂するような。そんな人物だ。
 だが、しかし。運命とは分からないもので、そんな彼の人生が平凡でなくなる時が突然やって来た。
 
「……はあ、すっかり遅くなっちゃったな。母さんにどやされなきゃいいけど」

 部活動の練習を済ませて帰途に着く頃には時計の針が七時を回り、辺りは完全に暗くなってしまっている。
 ただでさえ些か過保護気味な母親なのだ。帰ってからまたあれこれ聞かれるのだろうと想像し、陰鬱な気分になる真琴。
 勉強道具がぎっちり詰まった手提げ鞄を片手に家路を急ぐ彼の背後から車の走行音が聞こえたのは、まさにそんな中のことだった。

「ん───なんだ?」

 後ろからやって来た車が、緩やかなブレーキ音と共に真琴の傍らで停まる。
 見覚えのない車だが……ひょっとして親戚の誰かが新しい車でも買ったのだろうか?
 そう思いつつ車内に目を向ける真琴だったが、開かれた窓の向こうに見える運転手の顔は真琴の知るものではなかった。

 本来ならば、この時点で逃げるべきである。
 しかし真琴はそうした危険とは無縁の日常生活を送っていたことと、男である自分がその手のトラブルに巻き込まれることはまずあるまいという思い込みが災いし、のん気にもその場に立ち止まってしまった。
 それが運の尽き。後部座席のドアが乱暴に開かれ、そこから数人の男たちが飛び出してくる。
 「あ、マズい」と真琴がようやく思い至った時には既に、彼らの屈強な腕が真琴の身体をがっちりと捕まえてしまっていた。

「や、やめろっ! 何するんですか、離してっ……むごっ!?」
「うるさいな、少し黙ってろ。痛い目は見たくねェだろ?」

 流石に危機感を覚えた真琴が手をバタつかせて暴れるものの、時既に遅し。
 抑え込まれた身体はびくともせず、大声で喚き立てる口にはボールギャグがねじ込まれた。
 涎を垂らしながら、声を出すことも出来なくなった真琴が車の中に連れ込まれ……何事もなかったかのように発進。
 何処かへと、傍目には普通の一般車にしか見えないワンボックスカーが向かっていく。
 二階堂真琴という、平穏でない世界を知らない少年を乗せて。彼を───非日常の世界へと連行してゆく。

「(一体、何が……)」

 何が、どうなってるんだ。
 未だにさっぱり事態が呑み込めない真琴の声なき問いに対する答えは、当然返ってこなかった。

 ……そして彼はこの後、その身を以って欲した答えを知ることになる。


◆◆


「やっ、やめろっ、離せぇっ! 警察、警察呼びますよ……!!」
「んー? ああ、別に構わないよ? 呼べるものならご自由に」

 真琴が連れられた先は、白い壁に囲まれた無機質な独房めいた部屋だった。
 身体を椅子に縛り付けられ、手足の自由も利かない。
 だからこそ、彼の"警察を呼ぶ"という脅し文句に一切の効力はなく、逆に滑稽にすら聞こえてしまうのが憐れであった。

「そんな暴れないの。ちょっとお注射するだけでしょ」

 白衣に身を包んだ、胸にメロンでも入れているのかというほど豊満な膨らみを持った女。
 女医、なのだろうか。くすくす笑う彼女の手にはしかし、得体の知れない青い液体で満たされた注射器が握られている。
 どう考えても危険な薬なのが丸分かりだ。あれに比べれば病院の注射など屁でもないと断言出来る。
 しかし、そんな彼のいじらしい抵抗も虚しく───注射針がその色白な肌に触れ、ぷつりと音を立てて潜り込んでいく。

「あっ……!」

 途端に顔を青ざめさせる真琴。
 恐怖を浮かべる彼のことなど一顧だにせず、液体はその体内へと投与されてしまった。一滴とて残さず、だ。
 目に見えて怯えている真琴の姿が面白かったのか、煽りの言葉が飛ぶ。
 
「よしよし、お注射頑張れまちたね~。もうお兄ちゃんなんだから、あんなに暴れちゃダメでちゅよ~?」
「う、うるさい……! 僕に、何を注射したんですか……!?」
「んー」

 当然の疑問を投げつけられた女医は腕を組んで天井を見つめた。
 どう答えればいいのかな、と悩んでいる様子だったが、彼女は程なく意地の悪い笑みを浮かべてみせた。
 吐息の香りが嗅ぎ取れるほど顔を近付けて、言う。否……意地悪く、仄めかす。

「すぐに分かるよ」




 ───その言葉の意味を真琴が理解したのは、本当にそれからすぐのことだった。

「あっ、うっ……何、何これぇ……!?」

 身体が疼く奇妙な感覚。
 身体の芯から湧き上がってくる熱。
 なのに痛みや苦しみは不思議となくて、酒に酔ったみたいに頭がぼうっとする。
 堪らず身を捩らせる真琴だが、やはり椅子の拘束はびくともしちゃくれなかった。

「(あの人、僕に何をしたんだ……?)」

 自分の体内で、何か良くないことが起こっている。
 真琴にもその程度は理解出来たが、あくまで分かったのはそれだけだ。
 恐怖と疑問が満たす彼の脳髄を救ったのは、それらが吹き飛ぶほど激しい驚き。

「っ───!?!?」

 不意に気付いた。本当にふと、その異変を見つけることが出来た。
 男らしく膨らみとは無縁だった筈の胸板が、明らかに盛り上がってきている。
 最初はまだ気のせいで片付けられる程度の変化だったが、徐々に膨らみは男性としては異常な大きさへと変わっていった。
 真琴の気付きから三分も経った頃には……彼の胸はすっかり女体のそれと変わらない、豊満なものをぶら下げていた。

「何、これ……おっぱい……? どうして……」

 何が何だか分からない。
 そんな心地の真琴だったが、彼を苛む災難は胸以外にも山ほどある。
 ただそれらは服で隠されていたり、自分の目では確認出来ない箇所だったりするものだから分からないだけ。
 もしもこの光景を見ている人間が他に居たならば、目を瞠って驚いたことだろう。

 真琴の腰やくびれのラインは目に見えてほっそりと可愛らしく整っていき。
 真琴を男たらしめる何よりの象徴である股間の逸物は少しずつ小さくなり、果てには消えてしまい。
 代わりとばかりに、一筋の秘裂に置換されてしまったのだから。


◆◆


「二百万円!!」
「ふん、なら俺は四百万で買うぞ!」
「儂は六百万出すッ」

 声高に響く、現実離れした金額。
 真琴の姿は今、オークション会場の壇上にあった。
 首には輪を付けられ、傍らの職員にリードを引かれ逃げられない状態で、彼は"商品"へと成り下がっていた。
 
「なんだよ、これ……これが、僕だってのか……?」

 しかし、今の真琴にはそれすら頭に入らない。
 その理由は、彼の前に用意されている等身大の姿見の所為であった。
 そこには、真琴の今の姿が詳らかに写し出されているのだ。
 ……すっかり見る影もなく変わってしまった、自分自身の姿が。

「う、嘘だっ! こんなの、こんなの僕じゃないっ!!」

 体格は細く淑やかなそれに変わり、胸は膨らみ一丁前に主張を見せている。
 無理矢理着させられた衣装は言わずもがな女物で、痴女と言っても何ら語弊のないものだ。
 明らかに布面積の少ない下着に膨らみは確認出来ず───真琴にも自分のモノが締め付けられている感覚はもはやない。

 二階堂真琴は、完全に女体化してしまっていた。
 今の彼は百人が見れば百人が認める、何処に出しても恥ずかしくない立派な美少女に他ならなかった。

「千二百万!」
「なにくそ、千五百万でどうだ!」
「こうなりゃヤケだ、二千万!!」

 そんな彼の心境を他所に、オークションは進行していく。
 二階堂真琴という女体化性玩具を争奪する、道楽家共の競りが。
 理解を越えた目の前の現実に───真琴はぺたりと、女の子そのものの姿勢でへたり込んでしまった。

「(こんなの……悪い、夢だよ───)」

 冷たい床の感触が、新調された性器を疼かせる。
 男性器では決して感じられなかった感覚を、まだ真琴は定義出来ずにいたが。
 彼が現実を受け入れようが受け入れまいが、オークションは一切構うことなく進んでいき。


「三千万円。悪いが、今夜は俺が買い取らせて貰うぞ」


 順当に、終結を迎えた。
 どこかの企業の社長なのだろう、スーツ姿に黒髪の若い男だった。
 一気に金額を跳ね上がらせた彼の一声に続く者は結局現れることなく───二階堂真琴の買い取り手が決定したのだ。

「落札おめでとうございます、半澤様。早速お使いになられますか?」
「そうだな。せっかく大枚叩いて買ったんだ、穴の具合を確かめておこうか」

 半澤、と呼ばれた落札者がズボンを下ろすと、そこにはかつての真琴のものですら及びも付かない巨根が鎮座していた。
 既に準備万端なのか完全に勃起しており、失意の真琴も思わずその威容に釘付けになってしまう。

「あ、あ……」
「ふふ、初心だな。俺好みだ───」

 ───あるいは、それは。
 男であることを辞めた彼に芽生えた、新たな"本能"であったのかもしれない。

「───今日はたっぷり可愛がってやる。覚悟しろ」


◆◆ 後編に続く

妻のカラダ~永遠を楽しむための牝玩具~ (kagami0235さんの電子同人小説) サンプル⑤

妻のカラダ~永遠を楽しむための牝玩具~ FANZA版
妻のカラダ~永遠を楽しむための牝玩具~ DLsitecom版

妻のカラダ~永遠を楽しむための牝玩具~

(嘘だろ……ま、さか……俺の方が? これは、もしかして――!?)
 嫌な予感が頭を過ぎり、顔色を青くさせて、ラルフは掌を握る。
 さらにそのまま……開き、また握りを数回繰り返した。
 すると、可愛そうなくらい青ざめているパステルも小さな手を何度も開閉させていった。
「――っ、っ!!」
 まるで自分の動きをトレースしたかのような妻の行動に、驚く。
 ……と。
 彼の頭から生える金髪が、緩やかに波打ち、板枷にぶつかった。
 鏡の中のパステルのブロンドもゆっくりと跳ねては、板枷に絡み付いた。
 そして、決定的だったのは――やはりと言うべきか――胸元の、たゆん、ぷるるん、たぷるん!!
 盛大に揺れて弾む謎の球体であった。少しの身動ぎだけで、途轍もない負荷が掛かる肉塊にラルフはバランスを崩す。
 途端、魔法の壁に映っているエルフ娘も、板枷に苦しめられながら、必死に乳房を支えようと足腰を踏ん張っていた。
「そんな……これは透視の魔法じゃ、ない? これは、これは――」
 パステルと同じように豊満で大きな肉の塊ふたつを……胸で揺らし弾ませ、ラルフは己の思い違いに気が付いた。
 目の前の魔術は――単なる”鏡”なのだ。
 即ち……この哀れな姿で映し出されている妻は、パステルは。
「俺が……お、れがっ……パステル? この体は――パステルの! 妻の体だと言うのか!?」
「正解……じゃあ、私は誰だと思う?」
「ひぃいっ!?」
 パステルに気を取られていたラルフは、簡単に後ろを取られていた。
 相手は勿論――自分の姿をした謎の大男。
「お、おい……まさか、それ――その体は……俺のなのかっ!? ……お、前はパステル――――じゃないッ!? ……レーア! レーアなのか!!」
 屈強な戦士とは思えないほど、声を裏返しながら、ラルフは問いかけた。
 すると、あっさりとその大男――いや、彼自身の肉体を乗っ取った”魔女”は、自身の正体を告げる。
「大正解――どう、かしら? 七年間の望みが叶って……これは、ラルフ……あなたが望んだことなのよ? ……うふふふっ!!」
「な、なに? 俺の……望み? これが――妻の体になることが、なんで俺の望みになるんだっ!!」
「ふふ、だって……」
「うわっ! はな、せえ――っ!!」
 ラルフの体となった”魔女”――レーアは、今や巨漢の男。
 それに対して今のラルフは、板枷を付けられたエルフ娘でしかない。
 強引に、魔術で生み出された鏡の前に立たされる。
 たゆん、ぷるるん、と彼の見えないところで――板の下で、豊満な爆乳が激しく波打った。
「あなたは妻を取り戻したい。 ――けど……あの娘、パステルは私から離れたくない。 一生、私の僕でいたい……ってお願いされる。 だから考えたの……夫であるあなたには――”あの娘の体だけを返してあげよう”って! ふふ……良かったわねぇ。 愛する妻と文字通りに一つになれて。 しかも、これで二度と離れることもないわ……くふっ、あはははは!」
「ち、違う――!! パステルが、そんなこと言うもんかっ! こんなこと俺は望んでいないっ!! だっ、……だいたい!?」
 レーアの発言に、ラルフは黙っていられなかった。
「なんでお前が――俺になる必要があるんだ! そういうなら……パステルが俺に……俺の体になっている筈だろ!?」
「いやよ。 そんなの……退屈じゃない! 私も……混ぜなさいよ!! こんな面白いことは……本当に、久しぶりなんだからっ!!」
「たい、くつ……? 退屈って言ったのか!? こんな……人の体を入れ替えて!? 俺の体を奪って――俺を妻の体にして……たっ、退屈だとぉぉ、おお~~ッ!?」
 肉体と精神――いや、魂の交換など、超高等魔法である。
 いや、さらに言えば高が『退屈』のためだけに、己の肉体を他人の物と取り換えるなど、ラルフには理解できなかった。
「ラルフ――あなたはとっても興味深い! とっても、面白いのよ! ここまで私の魔力に染まらない人間は……珍しいのよ! ……だから、そんな男が、私の前に現れたら……肉体を奪ってしまうのも――仕方ないでしょ?」
「そんな、そんな……ばかなっ!!」
 『それに肉体交換なんて、6000年前に飽きるほどやったし――今更ね』と付け加えたレーア。
 その瞬間に、ラルフは思い知る。
 人間は勿論、エルフやダークエルフとも異なる価値観。
 逸脱した倫理観。
 これが”魔女” レーア・ハブウッド……。
「くっ、ぅ――――!!」
 パステルを助けようとしたことに、悔いはない。
 しかし、ずっと”魔女”に辱められてきた妻の体だからなのか。
 ぞわぞわ、ぞわりっ……。
 今まで感じたことのない悪寒が脳裏に押し寄せ、思わず震えてしまう。
 すると、牛の乳のようなおっぱいが痛いくらいに上下した。
 薄暗闇の中、淫靡な肉球体ふたつが残像を描き左右にも揺れて、汗雫が牢の床へと飛散する。
「うふふ、ふ――お願いだから、出来る限り長く抵抗して頂戴ね♡ 私を退屈しないように頑張れば……元に戻してあげなくもないわよ?」
「俺を……俺をどうするつもりなんだ! つ、妻の体で……っ!!」
「決まっているじゃない――あなたの妻が味わった快感を、今度は夫であるあなたが味わうのよ。 私の可愛い奴隷としてね――あははは!!」
「…………っ、っ」
 女口調で話し、傲慢に高笑いするレーアの姿に……自分の本当の肉体が完全に他者に奪われたことを思い知らされたラルフ。
 妻であるエルフ娘になってしまった彼に出来ることは、精いっぱいにレーアを睨み上げて、悔しそうに歯を噛み締めるだけであった。

(どんな……苦しみでも耐えてやる! 耐えきって……自分の体も、パステルも取り戻す!! 俺は絶対に諦めないからな――!!)

 不屈の闘志を燃やし、レーアへの反逆を再度誓うラルフ。
 だが、彼はまだ気づいていなかった。
 
 妻のカラダとなったラルフは、今や完全な女であり――レーアの”奴隷”になることが、どれほどの地獄であるのかを。

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 どれほど抗い、もがき、祈ろうが――ラルフ・ドリーテに待っているのは、
 底無しの闇であった。

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妻のカラダ~永遠を楽しむための牝玩具~ (kagami0235さんの電子同人小説) サンプル④

妻のカラダ~永遠を楽しむための牝玩具~ FANZA版
妻のカラダ~永遠を楽しむための牝玩具~ DLsitecom版

妻のカラダ~永遠を楽しむための牝玩具~

「…………んっ、こ……ここ、は?」

 暖かな思い出――いや、夢から目覚めたラルフに待っていたのは、地下牢であった。
 湿った空気。冷たい床。窓のない狭い部屋と、鉄格子。
(そうか……俺は……あのまま……)
 幽閉された部屋にひとり残されたラルフは、嫌でも先程の出来事を思い出してしまう。
 妻パステルとレーアとの、信じられない痴態を。
(違う……あれは、違う! 妻は――パステルは正気じゃない! 操られているんだ……あの女に! 魔女に!!)
 夫である自分でも一度も交わることが叶わなかった妻を、思うが儘に蹂躙したレーア。
 そして、そのダークエルフに身も心も委ねているような、淫蕩の表情を浮かべたパステル。
 しかし、それでも彼には僅かな希望が残っていた。
 彼女は自らの意思で、”魔女”を慕っているわけではないと、そう信じる。
 なぜなら……。
(魔女――レーア・ハブウッド。 1万年は軽く生きている、化け物だ。 きっとパステルもあいつの魔力に、正気を失っているんだ!!)
 ”魔女”と呼ばれるダークエルフ。
 レーア・ハブウッドは、生きた伝説である。
 曰く、その尋常ならざる魔力は女神や魔王すらも脅かし、彼女の近くにある全ての物が、その魔力によって支配される。
 曰く、彼女の魔力に汚染された土地ごと封印結界で閉じ込めたが、それでも彼女を信仰する人々が集まり、小さな国を作ってしまった。
 曰く、退屈凌ぎに戦争や殺戮を引き起こし、近年ではそれにも飽きて男や女を、とっかえひっかえして、堕落の限りを尽くしている。
 そう言った話が絶えず存在し――そして、それのどれもが真実であった。
(あいつから離せば……パステルを取り戻せる。 でも――ぐずぐずしていたら、俺もあいつの魔力に支配されてしまうかも。 急いで……脱出だ!!)
 『自らの意思で、パステルは夫を裏切った訳ではない――』。
 そう思うしかなかった。今は……。
 故に、ラルフの行動は早かった。
 結わえていた長髪に隠していた、脱出用の魔法道具を取り出そうと腕を動かす。
「な、に――?」
 だが……振り上げた筈の手は、空を切った。
 何度腕を動かそうとしても、硬い何かに邪魔をされる。
 ガチャ、ガチャ、と手首ふたつと首から金属的な音が鳴り続けた。
(なんだ――板、枷? いつの間に――?)
 四肢に括りつけられていた鉄球は姿を無くし、代わりに板状の枷がラルフの両手と首を固定していたのだ。
(くそ――ふざけやがって!!)
 小さく舌打ちをしながら、軽く体を動かす。
 結わえた髪の方から、掌に乗るように仕向けたのだ。
 ……けれども。
「うわっ!? あぐっ、っ……!?」
 胸の方でボリューム豊かな何かが、たゆん、たぷるん、と揺れて弾んだ。
 華奢な足腰では、その反動に堪え切れず、ラルフは強かに転倒してしまう。
(おかしい――? 何かが……なにか、変だ――!?)
 悪夢のような現実に。幸せであった夢に。
 意識を振り回されていたラルフも、自身の体の異変に気が付いた。
 血走った目が、必死に辺りを見渡す。
(き、ん? 髪の色が……なんだ、金色だと? それに……なんだ、これ? 腕や、足が……細い? それ、に……腰が括れて……胸に、たぷるん、たぷるん、と揺れる物体が……付いている? しかも、これ……直接肌にくっ付いてないか?)
 銀髪は、金色の髪へと変わっている。
 無造作にウエーブの掛かったブロンドは、項や枷へと散らばっていた。
 花の香りのような、甘い臭気が鼻孔を擽る。
 その上、手足は冗談のようにか細くなっており、これではとても剣など振るえない。
 それに腰が異様なほど括れたのに対し、臀部も、乳房も、柔らかな肉がこれでもかと言うくらい盛り上がっている。
「うぐっ! く、そぉ……うっ、ぐっ……はぁ、はあ、はー……!!」
 特に胸の砲弾型の球体には大苦戦。
 ラルフは情けない喘ぎを見っともなく漏らしながら、不安定な体のバランスに慣れるしかなかった。
 たゆる、ぷるん、胸が盛大に揺れる。
(くぅ――あ、あぁ……ん!)
 妙に甘酸っぱい痺れが、全身を蝕んでいく。
 唯でさえ湿った地下の空気のせいで、ラルフの体は嫌な汗でいっぱいだった。じめじめと肌が滑る。
「くっ、そぉ……あいつ。 あの魔女……俺に何をしやがった!? ――喉も、これっ! 何か……されたのかっ? すげぇー……声が高いぞっ!? はぁ、はぁ、はあー……!」
 汗が渇かず、むしろ、量が増し、むしむしと全身が熱くなる。
 すると、胸に付いた謎の球体の頂点が、『ツン』と反り返り、悩ましい疼きが神経を遡って来る。
 まるで自分の乳首のように、感覚が彼に伝わってくる。
(いやっ――!! そんなわけっ……あるか! 喉がすげー、甲高くなっていても……こんな、どう考えても……女のおっぱいのような形や感覚でも!! 俺は男で、戦士だ! 俺は、男なんだ!!)
 女性特有のソプラノ声しか発しない声帯も、牛のように大きく柔らかい肉房も。
 全ては”魔女”の、レーアの幻惑に過ぎない。
 そう信じて、何度も何度も転び倒れながら、どうにかラルフはぷるぷると直立した。
「――ふふ。 どう約束通りに返してあげたわよ、あなたの”妻”を」
「おまっ、ぇ……? お前は――な、なっ!? 馬鹿な!?」
 ただ立つと言う行為に随分と疲労したラルフ――すると、その前に、大男が現れた。
 それも自分が見上げなければならないほどの、巨人の如き巨漢の男だ。
 しかし、その圧倒的な背丈も驚愕なのだが、その顔に彼の両目は釘づけにされた。息すらも忘れて、男を見やる。
「なんで、お前! 俺と同じ顔なんだ……お前はいったい!?」
 その顔は、まさしく”ラルフ”そのものだ。
 子供の頃から一生懸命に鍛え上げた巨漢の身体に反し、端麗な顔付きのまま成長した――凛々しい男の顔。
 それは紛れもなく自分の顔……いや、自分の『肉体』であった。
「当ててみなさい。 少し考えれば分かるから――くふ、ふ」
 眼前の”ラルフ・ドリーテ”が微笑んだ。妙に女っぽい口調で。
「なに、が……起きて――お前はなんだ? 俺の体に何をした!? レーアは! パステルは、どこにいったんだっ、っ!!」
 ラルフの声が、地下室に響き渡る。
 ……が、透き通ったソプラノ声のため、少しも迫力はない。
 まるで非力な娘の絶叫のようであった。
「あははは! いるじゃない! ここに!! ……そして、あなた自身が――愛しい妻そのものなのよッ!!」
 ぱちん、と音がした。
 薄暗闇の中、ラルフの姿形を真似る大男が、指を打ち鳴らしたのだ。
 そして、魔法の気配が背後に現れる……。
(なん、だ……? 後ろに、何をしてっ……?)
 ラルフは、転ばぬようにゆっくりと後ろに振り返った。
「……えっ? ぱ、ぱすっ――!?」
 輝いていたのは魔法で作られた大きな壁、そして、ラルフの妻――”パステル・ドリーテ”の哀れな姿が、空中に映し出されていた。
(パステル! パステル!!)
 先程、裏切られたばかりだと言うのに……それでもラルフは我を忘れて、愛しい妻へと飛び出した。
「あぐっ! ぐっ――パステル! 待ってろ、今俺が救い出してやる……! ああ――こんな格好をさせられて……可哀想にッ!!」
 妻パステルの姿は――とても、酷い物であった。
 まず真面な衣服を着ていない。
 メイドの服すらも剥ぎ取られ、僅かな面積の乳当てと股当てだけが、妻の美しい裸体を守っている有様だ。
 さらには自由を封じるための大きな板状の枷が、彼女のか弱い首と細い手首を拘束していて、パステルの可憐な顔は、苦痛に歪んでいる。
 たゆん、ぷるん――ぷるるん。
 無理やり肥大化された、牛のような乳房が、板枷の下で激しく撓む。
「パステル! 俺は……キミを信じるぞ!! 全て、あの魔女のせいなんだ……あの女から逃げられれば――また昔のようなキミに、パステルに戻るんだ!! ぱす、てる……? パステル……? え……?」
 光を反射する魔法の壁に板枷を何度もぶつけながら、必死にパステルに呼びかける。
 しかし、その途中でラルフは違和感に気が付いた。
「パステル……え、なんで……? 俺と同じ高さなんだ……?」
 最初の疑問は、背丈であった。
 幼少期ならいざ知らず、ずっと鍛えたラルフの体は、既にパステルの背を超えていた。
 頭一つ分以上は、確実に自分の方が大きい。
 しかし、今やその彼女と同じ目線で、彼はずっと喋っていたのだ。
「それに……ああ、そんな――まさか……まさかっ?」
 いや、それだけではない――。
 大柄なラルフに合わせられたような大きな板枷は、パステルの可憐な体を束縛しているものと幅もサイズも同じであった。
 つまり、目の前の光景を信じるならば、今の妻は、巨漢の彼と同等の身長と肩幅を持った女性でなければならないのだ。

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妻のカラダ~永遠を楽しむための牝玩具~ (kagami0235さんの電子同人小説) サンプル③

妻のカラダ~永遠を楽しむための牝玩具~ FANZA版
妻のカラダ~永遠を楽しむための牝玩具~ DLsitecom版

妻のカラダ~永遠を楽しむための牝玩具~

(もしかして……まだ夢を見ているのか? 実は……今までの出来事は全て……悪い夢? 本当は、俺の妻は――パステルは、まだ誘拐されていない? これは――夢だ。 悪夢に違いないんだ……ッ! で、でなければ……なんだって言うんだ!!)
 あまりの衝撃な出来事に、現実味がない。
 急速に、この七年間――妻を探し、大陸中を放浪した苦難の日々――が、夢の中の出来事のように思えてしまう。
(……くぅ! あっ、あっ……あぅっ……!! オレ、オレのペニス――あぐッ! 何でッ……!?)
 何故ならば、裸に引ん剥かれたラルフの股間……。そこにある彼のペニスもまた、レーアの一物に負けない勢いで勃起していたからだ。
 初夜を迎える前に妻を拉致され、妻を探すことだけに全てを犠牲にしていた彼は――当然ながら、異性と、女性と、性的関係になったことはない。
 一度だって。
 屈強な戦士の男になっても、未だ心は初心な青年、いいや、少年のままのラルフ・ドリーテ。
 しかし、だからと言って、愛する妻が他人と淫らに交わっている光景に……興奮するなど異常である。
(さ、めろっ! 醒めるんだ、オレ……この悪夢から!!)
 だから、これは――妻の裏切りは、全て虚構。
 夢魔が見せる、最低最悪な夢に違いなかった。
(くそぉ……あっ、ああ! パステルの……あそこっ! レーアの精液で……ドロドロに溶けて! ああ、あんなに女の蜜が噴き出て――うっ、うわっ、ああっ! うっ、――おぉおおお!!)
 絶望と悲しみ。怒りと興奮。
 様々な感情がラルフの意識を真っ白な世界へと叩き上げて……その度に、人並以上はある勃起ペニスは、びくびく、びくんっ、と脈打った。
「ふふふ、パステル……夫なんかに処女を奪われなくて良かったわよね? 最初の相手が私で……このレーア様で、光栄だと思うでしょ?」
「はっ、はひぃ、ぃ♡ レーア様……光栄ですぅ。 それに……こんな男が……お、夫だったのが……間違いですぅ♡ わた、くし……愛しているのは、レーア様だけです♡」
「――ですって。 襲撃者さん……いいえ、ラルフさん。 うふふ……可哀想に」
「はむっ、んっ……んちゅっ、んんっ――♡」
 レーアに憐憫と同情の眼差しを向けられる。
 しかし、ラルフの視線は、その足元に釘付けだった。
 妻のパステルである。
 彼女はホクホクと湯気を放つレーアの肉棒に鼻を擦り付けていたと思いきや……躊躇なく、その太く長い肉幹を唇に咥え込んだのだ。
「んぐっ、ぐぼっ……♡ んぐっ、げぶっ、ふぁ、ああ……♡」
 知能のない魔物のような喘ぎを繰り返しつつ、まるで人飲みワームのような下品な顔付きで、じゅぼっ、じゅぼっ、とレーアのペニスを舐め扱く。
 清楚で厳かなエルフ妻――その変わり果てた姿に。
(い、嫌だ……こんなの見たくない! 見たくないっ!! やめろぉー!!)
 びぐんっ、びぐんっ、とラルフの股間は猛々しく勃起した。充血した。
 鋼のように硬くなった肉棒の先より、半透明の汁が、留めなく溢れ出す。
「――んっ! ぎっ――――!?」
 魔法によって動くことも、瞼を閉じることも許されないラルフ。
 背中からぴったりと壁に貼り付けられた巨漢は、股間の勃起ペニスだけを雄々しく屹立させていた。
 そんな最中である。
 ビキビキに膨張した肉幹と亀頭に、柔らかな何かが触れる。
 ――レーアの足。それも、生足だった。
「あなた――最高ね♪ 普通の連中は、ここまでやれば……心を折れば……すぐさま私の僕になってしまうのに。 あなたはまだ……私の魔力の影響を受けていない。 ……これは凄いことなのよ。 うふ、あは……あはは! ますます――あなたに興味を持っちゃった♪」
 レーアの足が、上下に動く。
 男とは違い滑らかで、細やかな足指や足裏が、ごし、ごしごし、と彼の亀頭を刺激する。
(あぐぅうう! むっ、むむっ、むぅ――無理だぁあああ! ぐひぃ~~っ!!)
 勃起肉の一部しか触れていないレーアの足であったが、褐色肌の足は淫靡に跳ね動き、ラルフのペニスは根元から震え上がった。
 限界である。
 動けない本体の代わりに、レーアの生足を乗せながら、猛々しい肉の棒は、びゅくんっ、びゅくんっ、と暴れた。
 どびゅる、びゅる! ドビュ、ドビュルぅうううう――!!
「――――っ!! ――――っ、つつ!!」
 我慢に我慢を重ねた射精快感……。
 これに抗える男はいない。牡はいない。
 この七年間で、さらに鍛え上げた肉体が――レーアに屈服させられた。
 疲労と快感に限界を迎えて、そのままぐったりと気絶する戦士の男。
 実に情けない。醜態そのもの。

 ……だが。

「あはー! うふ……ふふふ!! どうやら……何千年ぶりに、心の底から楽しめる玩具のようね。 なら――最高の"おもてなし"をしてあげないと……ねぇ♡」

 ”魔女”と呼ばれるダークエルフの美女には、とても気に入られた。
 愛すべき妻を求めて、悪魔の巣穴に自ら踏み込んだ戦士であり夫のラルフ――。
 
 まさかこれが後に『夫婦』となるふたりの出会いになるとはラルフは勿論、レーアすらも想像していなかった。





――”どうしたの、ラルフ?”
 簡素な神官服――ところどころ、ツギハギで繕った古着――に身を包んだ、エルフの美しい女性が、女の子のように端麗な顔の少年を慰める。

 ――”そう、他の子どもたちにイジメられたのね? 私からもきつく言っておくけど、いい……ラルフ。 男の子なんだから、強くならなきゃダメよ?”

 家族を失った少年を拾ってくれた、命の恩人。
 姉であり、母親でもある神官。
 でも……それだけはない。
 物心がつき始めた頃から、少年は、彼女のことが好きだった。
 愛していた。

 ――”……え? 強い戦士になって、お金をいーぱい稼ぐようになったら……私をお嫁さんに欲しいの? うーん……そうねぇー”

 だから、そんなお願いを言ってしまったのは、完全な勢い。
 感情に任せた、恥ずかしい子供の戯言。

 ――”しょうがない。 いいわよ……でも、強くなって、お金を稼ぐだけじゃいけないの。 誰よりも優しい男の人になるのよ、ラルフ”

 当然、彼女も本気ではない。
 虐められて泣いていた少年を元気づけるための嘘なのは、明らかだった。

 ――”後、泣き虫なところも治しなさい。 それで、私がラルフを強くて優しい男だと認められたら……お嫁さんでも、なんでもなってあげるから!!”

 でも、それでも……その瞬間から少年は、誰よりも強くなろうと誓ったのだ。

 愛する女性を守れるようになるために。

 そして――そして。

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妻のカラダ~永遠を楽しむための牝玩具~ (kagami0235さんの電子同人小説) サンプル②

妻のカラダ~永遠を楽しむための牝玩具~ FANZA版
妻のカラダ~永遠を楽しむための牝玩具~ DLsitecom版

妻のカラダ~永遠を楽しむための牝玩具~

(彼女が……あんなに優しい彼女が――魔女レーアに屈するものかッ!!)
 なぜなら、妻パステルほど高潔で清楚な女性を、ラルフは知らないからだ。
 何千年の栄華を楽しみ――噂では男と女、両方と一日中淫遊に入れ込んでいる――淫靡極まりない女領主と違い、パステルは愛と清貧を規律とした女神の信徒。
 神官である。
 貧しい生活にも表情ひとつ変えず人々のために尽くし、神殿で孤児たちの面倒を見ていたほどの人格者。
 そして、結婚し夫婦になっても、一年間は夫に対して操を立てることを女神に誓っていた模範的な信仰者。
 その彼女を、”魔女”なんかが馬鹿にすることなんて、夫であるラルフには、とても堪えられない。
「じゃあ……証明してあげる。 あなたの目の前で――」
「なっ、ぐっ――くっ、ぉぉ……っ!!」
 しかし、心の内で燃え滾る憎悪に反して、ラルフは脆弱だった。
 無力だった。
 いや、確かに彼は長年の努力で屈強な肉体を有し、その剣の腕は、大陸で30人以内には入るほどの戦士だ。
 だが、それでもこの”魔女”と呼ばれるダークエルフには勝てない。
 有り余る異常な魔力は、レーアの意思に関わらず、周囲の物や人に影響を与える。彼女は呪文を唱えることなく様々な事象を支配するのだ。
(うわっ、ぁああ! このば、化け物めっ!!)
 両手足の枷が宙に浮かび、あっという間に彼の巨体を壁へと括りつけた。
 さらには声を上げることすらも、封じられてしまう。
(くそっ! くそぉおおっ!!)
 無様に――屈強な肉体の男が裸で――壁へと貼り付けにされて、ラルフに出来ることはレーアを睨むことであった。
「……っ! ……ッ、ッ!?」
 かつん、こつん、こつん。
 そんな彼の牢屋に向かって、誰かの足音が向かってきた。
(まさか――まさか、まさかっ!!)
 『じゃあ……証明してあげる。 あなたの目の前で――』。
 レーアの言葉が脳裏に蘇り、ラルフは硬い唾を呑み込んだ。
 ドキン、ドキン、と緊張のあまりに、彼の心臓の鼓動は早まっていく。
「レーア様。 お呼びでしょうか?」
「――――っ」
 自身が叫んだのか、それとも感動のあまりに声が詰まったのか。
 今のラルフには確かめる術はない。
 しかし、レーアにお辞儀したメイドが可憐なエルフの女性であり――自分の妻であることは、間違いなかった。
(パステル! ――パステル!! なんて……酷い! この七年間、どんな酷い目に合わされていたんだっ!?)
 金の糸であるかのような艶やかな金髪は肩口まで伸び、琥珀の瞳がくっきりと薄暗闇の中、輝いている。
 エルフ特有の尖った耳。妖精の如く可憐でキュートな顔。
 それは七年前と変わらない妻の眩しいほどの美貌――だが、彼女の体には、七年前とは違う部分もあった。
 ……胸である。
 以前もほど良い大きさの乳房であったが、今はまるで牛の如く肥大化したおっぱいが、メイド服を切り裂かんばかりに、たぷん、たぷん。
 ただ立っているだけでも、呼吸しているだけでも……淫靡に跳ね回っている、パステルの胸元。
 奴隷として買われた女性は、いかがわしい魔術で身体を改造されることがあると聞くが、彼女もきっとそうなのだろう。
(きさま! 妻を……俺のパステルの体をなんだと思っているんだ!!)
 声にならずとも、叫ばずにはいられない。
 肌に血が滲み、骨が軋むが――構わない。痛みなど感じない。
 ただ熱く燃え立つ憤怒だけが、ラルフを突き動かしていた。
「そうよ。 この男――あなたの夫だと言う男が……私とあなたの関係を否定するから……目の前で証明しようと思って。 ところで……パステル、この男の言うことは本当なの?」
「えっ……えっと、その…………」
「――何を言い淀んでいるのかしら? 私に嘘を言うつもり?」
「い、いえ! ……本当です! この男は、ラルフ。 ラルフ・ドリーテ。 お恥ずかしいのですが……わたくしの夫だった、人間、です。 お許しください、レーア様っ!!」
「――――ッ!?」
 まるで罪を告白するように顔を青ざめながら、『ラルフが夫であること』を打ち明ける妻パステルに……ラルフは、驚きを隠せない。
 心臓が、ばくん、ばくん、と音を立てた。
「でも……あなた、私に身も心も捧げる覚悟をした時、……自分には男はいない。 処女だって言っていなかったかしら?」
「違います! 違うんです、レーア様!! 夫がいたことは……事実です。 でも……”幸運”……にも結婚して三か月で人攫いの方に、連れてこられたので……行為は、してません。 正真正銘……処女の……おまんこを……あなた様に捧げました! お願いです……わたくしを嫌いにならないでくださいっ!」
 ――”おまんこ”。
 妻の、パステルの、唇から出た言葉。
 七年ぶりの美しい声が発した淫語に、ラルフの意識は一瞬停止する。
(はっ、へぇ? ふぁ、なっ、なっ――?)
 ラルフを間抜けと馬鹿にするべきか。それとも仕方ないと同情すべきか。
 再会した妻のあまりにもあんまりな発言と行動に、彼は戸惑うばかりだ。
「パステル、あなたの愛するヒトは――?」
「レーア様です」
「パステル、あなたが好きなおちんちんは?」
「勿論……レーア様の、おちんちん……さまですぅ♡」
「じゃあ、それを可愛そうな夫さんに証明しましょうか――必死に七年間も探していた妻は……ダークエルフの女に身も心を捧げている淫乱女であることを!」
「はい! ……ああっ! と、……当番よりも、一週間も早く――レーア様に、わたくしのカラダを! おまんこを使って頂けるなんて! し、幸せぇ♡♡」
 パステルの声が、ふしだらな……それこそ娼婦の如く淫靡な音色へと裏返り、彼女の豊かな臀部が、レーアへと向けられた。
「さぁ、特等席よ! ……多分、女神の教えで一年間は夫と妻の営みを禁止していたんでしょうけど……ふふふ。 その教えのせいで……この私に妻の純潔を奪われたことを……そこで見ていなさい!! そして、彼女の心が、私の物となっていることも……そこで自覚しなさい!!」
 ”魔女”と呼ばれるダークエルフは、さも当たり前のように男根と女陰が共存した摩訶不思議な恥部を衣類より取り出すと、ラルフの前でメイドを犯し始める。
 いや、違う。
 夫の前で――妻パステルの牝穴へと繰り返す勃起ペニスを突き入れた。
(うっ、嘘だ!? うそ、だ……ウソだぁ!! こんなの……幻だ! 幻術だ! 誰、か……そう言ってくれ! 俺のパステルが……あの彼女が――こんな、こんな淫らに、乱れて! 腰を振るなんて……ウソだぁ、ああああ!!)
 無意識に首を左右に振るラルフ。
 目の前の現実を信じたくないのだ。
 けれども――。
「ああっ、レーア様! 万歳!! レーア様! 素敵ィィ~~!!」
 女性のモノとは思えない極太のペニスを、濡れ弛んでいた陰唇へと突き入れられた妻は……より卑猥な声を張り上げた。
 偵察で見た、異様なほど領主を慕う民衆たちと同じように。レーアを賛美して、腰をくねくねと跳ね上げていく。
「……っ! …………っ、っ!!」
 夫であるラルフには、一度だって見せたこともない牝の貌。
 肉悦に溺れる、ふしだらな笑みをパステルは惜しみなく浮かべていく……。
 ガラガラと彼の中で何かが崩れた。
(こんな――こんなこと!! 嘘だッ……ウソ、だぁああ……!!)
 願っていたことを。祈っていたことを。
 妻パステルとの再会を――夫ラルフは、誰よりも否定する。
 だが、小刻みに腰を振るレーアも、ゆさゆさと豊かな臀部を繰り返し跳ね上げるパステルも。
 全ては現実だ。
 夫である自分以外の手によって……牝として開発された妻の陰唇が、ずぶずぶっ、と太いペニスを咥え込む。
 そして――。
「受け取りなさい――!!」
「はぁ、んふっ、ふぁあああ~~~~っ♡♡」
 どびゅっ、どびゅる!!
 濃厚な精液――ザーメンを勢いよく吐き出したレーアのペニス。
 熱い体液を子宮で受け止めた妻は、ぶるぶると震え、快感を享受する。
 もはや獣であった。
 四つ足となり、額をぐりぐりと地面に押し付け、あまりの気持ち良さに舌をだらしなく垂らしている妻のパステル。
 何もかもが悪夢であった。

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換魂受験 後編 作 TAMAこんにゃく 絵 どっきー

作:TAMAこんにゃく
キャラクターイメージ:どっきー

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前編はこちら


 翌日もその効果は持続し、模試の問題を楽勝で解くことに成功した。全問正解ではいくらなんでも不自然なので、わざと適度に間違えながら。
 模試の結果が返ってくると、当然ながらご両親は大喜び。
『この調子で頼みますよ♪』と、信頼を得ることができた俺はひとまず安堵する。
 後から気づいたことだが、絶頂による効果は永続的なものではなく、一定の時間が経過するとまた元に戻ってしまう。もっとも、自慰行為をして再び絶頂に至ることにより、また再び明晰な頭脳を取り戻せるのだが。
 ”BODY SWAPPER”アプリを開発した友人に相談すると『おそらくは強烈な性感によって、精神と肉体との結びつきが強くなったのだろう』という返答。
 さらには『分析に時間がかかっているから、まだお互いを元の肉体に戻せるわけではない。何が起こるかわからないからくれぐれも気をつけてくれ』という話であった。まあ、気をつけるといったって具体的にどうすんだという感じではあるが。
 絶対合格を引き受けた身としては、確実に結果を残さねばならない。そのためには模試の度に、前もって前日に絶頂を迎えなければならなかった。
 当初はおっかなびっくりであった吉乃ちゃんの身体を使っての自慰も、回数を重ねることに慣れっこになっていった。もちろん吉乃ちゃん本人には秘密にしながら。
 模試で好成績を残し続けた結果、当然高まっていくご両親の期待。
 志望大学も、いつの間にかそれなりの偏差値を誇る女子大に変更されていた。
 そして迎えた、センター試験の前日。
 例によって俺は明晰な頭脳を試験でいかんなく発揮させるため、ひと通り学習を済ませた後にベッドに横たわり、胸元と股ぐらを両手指先でもてあそぶ自慰行為に没頭していた。
『んあっ……あっぁぁっ……いっいぃぃぃぃん……』
 吉乃ちゃんの肉体で、快感の吐息を漏らす俺。
 その時、事件は起こる。
『勉強はかどってる? 先生っ!』
 若い男の声とともに突如、部屋のドアが開け放たれ、
『えっ……えええっ……!』
『先生……何してるの……?』
 若い男こと吉乃ちゃんは、ベッドの上で自慰行為にふける俺を目撃し、差し入れを乗っけたトレイを持ったまま立ち尽くすこととなった。

「なるほど……そういう事情があったんだね」
 事情をひとしきり説明した後、静かに呟く吉乃ちゃん。
「ごめん……もっと早く打ち明けておくべきだったんだけど……」
 テーブル越しに座る吉乃ちゃんは押し黙ったままである。そりゃ自分の肉体でオナニーされていたって知らされたら、年頃の乙女としてショックを受けざるを得ないだろう。
 掛ける言葉が見つからないまま、どうしたものかと逡巡していると、
「ぷっ、ぷぷっ……あっははははっ!」
「ど、どうしたの吉乃ちゃん?」
 不意に顔を上げて笑い出す若い男こと吉乃ちゃんに、びっくりしてしまう俺。
「よかった……先生だけじゃなかったんだね」
「へっ? どういうこと?」
「あのね……実はあたしも、先生の身体でオナニーしてたの」
「えっ……えぇぇぇぇっ!」
 突然のぶっちゃけに、ついつい素っ頓狂な声を上げてしまう俺に対し、吉乃ちゃんの告白は続く。
「男の人の身体ってよくわかんなくて、とりあえず股間のオチンチンを触ってみたのね。そしたらだんだんと気持ちよくなってきちゃって……気がついたらオナニーが習慣づいてたの」
「ってことはまさか……」
「うん。毎日精液どぴゅどぴゅって出しまくってるよ♪」
「………………」
 俺は赤面し、座ったままうつむく。自分の逸物はおろか、精液までも存分に見られてしまっているなんて、恥ずかしいことこの上ない。
「赤くなることなんてないのに~これでお互い様なんだしさ♪」
 俺の顔で、にははと笑う吉乃ちゃん。ああ、彼女のように物事にこだわらない思考回路を持っているのなら、人生においてさぞや悩み苦しむことはないだろうに。
「あのさ……お願いがあるんだけど……」
「な、何だい……」
 改まった様子の吉乃ちゃんに、何とか顔を上げて答える。
「この際思い切って、オナニーの見せ合いっこしない?」
「はい? 今、なんて……」
 一瞬、何を言われたのかわからなかった。
「だから、オナニーの見せ合いっこだよ」
「ななな、何を考えて――」
「だってさ、これ見てくれる?」
 顔を真っ赤にして断固断ろうとする俺に、すっくと立ち上がった吉乃ちゃんは自らの股間、つまり俺の肉体の股間を指し示す。
「えっ……もしかして勃っちゃってる……」
 吉乃ちゃんが履いているジーンズの股間部が、まるでテントのように張り出されていた。
「……先生があたしの身体でオナニーしてるの見たら、なんだか興奮してきちゃって……どうせなら先生のオナニー見ながら、あたしもオナニーしたいなって……ダメかな?」
「…………」
 いくら俺の顔でとはいえ、小動物のようにすがるような目つきでじっと見つめられると何も言えなくなってしまう。
「わかった、ちょっとだけなら……」
「ホント? やったぁ♪」
 俺のためらいがちの返答に対し、俺の顔で満面の笑みを浮かべる吉乃ちゃん。
(んっ……今どきっとしたような……)
 元来の彼女のコケティッシュな笑顔を思い出し、否応なしに胸が高なっていくのを俺は感じていた。
「それじゃ、セーターめくり上げてブラ外して、下はスカート履いたままショーツも脱いで。あたしがズリネタに使いやすいようにね」
「いいよ……」
 俺は立ち上がると、吉乃ちゃんの要求通りに着ているセーターをめくり上げ、スカートを履いたままショーツを脱ぎ捨てた。
「そのまま座って、オナニーはじめて♪」
「…………」
 無言で吉乃ちゃんの真ん前にしゃがみ込んだ俺はひとまず、むき出しになった左右の乳房をそれぞれ左右の手で掴むと、むにゅむにゅむにゅと揉みしだいてみた。
「んっはうぅっ……」
 早速感じてしまい、艶めかしい吐息を口元から漏らすこととなる。
「うっふふふっ……こうしてみるとあたしのおっぱいって綺麗だな……」
 小ぶりながらも形がよい真っ白な乳肉がむにむにっとひしゃげていく様を、興味深そうに見つめる吉乃ちゃん。ごめん俺は、君のおっぱい揉み揉みして気持ちよくなっちゃってます。
「ほらほらっ、遠慮しないで下のほうもいじってみてよ」
「はあっぁぁ……うんっわかった……」
 肉体の持ち主に促されるまま、乳肉を揉みしだく右手はそのままで、左手を下側に移動させ、スカートをめくり上げた状態で秘部に指先を差し入れる。
「んはぅっ……あんあんぁぁぁ……!」
 人差し指と中指で割れ目を下から上、上から下、また下から上となぞっていくと、なんとも強烈なこそばゆさが下腹部に発生するのだった。
「くすくすっ、どう私のオマ○コ……いじるの気持ちいいでしょ……」
「はあっぁぁ……うんっ……」
 あえぎながら首肯する俺。
(待てよ、まるでオナニーを経験したことがあるような口ぶりじゃないか……)
 俺の気づきを知ってか知らずか、自分の秘部がいじくられているのを楽しげに見つける吉乃ちゃん。
「ふうっ……私もう我慢できないよ……」
 そう呟くと彼女は、股間部のファスナーをじぃぃっと下げる。
「あっ……!?」
「ふっふふ……どう久々に見る自分のオチン○ンは……」
 誇らしげに吉乃ちゃんが露出させたものは、天を衝かん勢いでそそり勃っている俺の逸物。
「はあっはあ……なんだか見てるとその……」
「その?」
 いたずらっぽく訊く吉乃ちゃんに対し、俺は正直に答えることにした。
「やけに、お腹がうずうずしてくるような……」
 これはつまり、俺は自分のモノを見て興奮してますよと言ってるようなものである。
「うっふふふっ……あたしと同じじゃん♪」
 にこやかに笑うと、吉乃ちゃんは俺のオナニーの様子をガン見しながら、自らの手で逸物をしごきはじめる。
「んあっ……オチン○ンしこしこするの気持ちいいっ……」
 俺の身体で恍惚とした様子になる吉乃ちゃん。先端部の亀頭からは透明な液体がにじみ出てきており、強烈な性感を得ているというのがひと目でわかる。
「んあっはぁぁっ……ギンギンになった自分のモノ見てると、おっぱいとオマ○コ切なくなっちゃうのぉぉぉ……」
 吉乃ちゃんの声でよがってみせる俺。ここまであからさまに精神が肉体の影響を受けるとは、自分でも驚きであった。
 もっともそれは、自分の身体を見て欲情して一心不乱に逸物をしごいている吉乃ちゃんにも言えることだが。
「いいよ先生っ……二人でおもいっきり気持ちよくなろっ♪」
 彼女の言葉で、自制心の糸がぷつんと切れた。
「やあっあんあんっ……オチン○ン見ながら乳首とオマ○コいじるの、止めらんないっ……!」
 右手指先でねちっこく乳房の先端部をこねくり回しながら、左手指先を膣口に差し入れ、ぬっちゅぬちゅぬちゅぬちゅと執拗に愛液を掻き回していく俺。
「んあんあっ……竿の部分左手でしこしこしながら、下側のタマタマ右手でむにむにすんの気持ちいいのおっ……」
 一方の吉乃ちゃんも、両手をフルに活用して男性器をもてあそび快感を得ていた。
 このような調子で自分の身体を見つめ合いながら、お互いに肉体の性感を昂ぶらせていく俺と吉乃ちゃん。
「ふぁんふぁぁぁあっ……吉乃ちゃんっ……いっ、イッちゃいそうっ……!」
「いいよっ先生……一緒にイこぉっ……!」
 やがて二人同時に、絶頂へと達することとなった。
「んぁぁぁっっ……!」
 いつも通りにぶわっとした感覚に身体中が満たされ、頭の中が真っ白になったと思いきや、
「んああぁっ……あれ?」
 周囲の視点がなぜか、それまでとは180度回転していた。
「はあっはあ……あれっ、なんで先生が前にいるの?」
 乳房と秘部に手を当てたまま、艷やかにあえいでいる目の前の美少女がきょとんとこちらを見つめる。
「吉乃ちゃん? ってことは……」
 ふと下を向く。胸元は膨らんでおらす、股間部にはよく見知った竿のようなもの。
「これはもしかして……」
「そう、あたしと先生、元に戻れたんだよ!」
「…………やったっ!!」
 思わずその場でガッツポーズを決める俺。
 だがその時。
 どっぴゅうっ……!
 むき出しのままの逸物の先端から放たれた精液が勢いよく飛び、吉乃ちゃんの可愛らしい顔に命中する。
「やべっ……!」
 さっと血の気が引く。実は俺は遅漏で、絶頂のタイミングからやや遅れて射精を迎える体質なのだ。
「ご、ごめんっ、吉乃ちゃん……」
「別に謝らなくてもいいよ。別に先生の精液なら、嫌じゃないし」
「えっ……?」
 思わず土下座する勢いの俺に対し、何ごともなかったかのように平然とした態度の吉乃ちゃん。
 彼女は人差し指で、顔に付着した精液を少しだけすくい取ると、あろうことかそれをひと舐めする。
「ぺろっ、んんっ……ほろ苦くて美味しい……」
「吉乃ちゃん……」
 恍惚な表情になる彼女は、たまらなくエロティックだ。
「――――はっ!? 今ここで入れ替わってしまったら、明日のセンターどうすんだっ?」
 その事実に気づき、またも大慌てになる。どうしよう。また”BODY SWAPPER”アプリを使うのはリスクが高すぎるし……。
 頭を抱えた俺に対し、吉乃ちゃんが声を掛ける。
「ん~もしかしたら大丈夫かも」
「えっ……?」
「ちょっと問題解いてみるね」
 そう言うと彼女は衣服を整え、机に向かって問題集を見る。すぐにかりかりと、順調に鉛筆を走らせる音が聞こえてきた。
「吉乃ちゃん……?」
 俺は逸物をしまいながらも、その様子をあっけに取られて眺める。
「はいっ。見てみて先生!」
 堂々と差し出された解答をひとしきり確認した後、俺は驚いて呟く。
「ぜ、全問正解っ……!」

 翌日吉乃ちゃんは、元の身体でセンター試験を受けることとなった。
 結果は好感触。後で行った自己採点では、目標の点数を無事達成していた。
 ひとまずほっとしながらも、アプリ開発者の友人に質問をしたところ『おそらくは二人同時に絶頂を迎えたことにより、お互いの精神が無意識にシンクロしたのだろう。何にせよ良かったな』という解答。まあ、そのようなことだろうとは思ってはいた。
 それから、俺と吉乃ちゃんは元通りの身体になったことをご両親に報告。もちろん、絶頂のくだりはぼかして。
 ご両親は大喜び。『吉乃の学力が上がったのは、先生の努力の賜物です』と俺を大絶賛。
 まあ確かに、吉乃ちゃんの身体で気を抜かず猛勉強していたのが功を奏したに違いない。
 それから本命の女子大、さらに滑り止めの大学の二次試験対策のため、俺は引き続き家庭教師として吉乃ちゃんを指導した。
 以前とはうって変わって、彼女は俺が言ったことを的確に理解し、きちんと記憶に留めていく。
 スムーズに指導は進み、やがて迎えた二次試験でも、もちろん好成績をおさめることに成功する。
 そして迎えた合格発表。吉乃ちゃんは、本命の"それなりの偏差値を誇る女子大"に見事合格を果たしていた。
 大喜びするご両親と俺。まあ俺の場合は、500万円の債務が帳消しになったことも大きいが。
 何にせよ換魂受験は、無事大成功を迎えたのだった。

 それから半年後。
「ふうっ……これで今日の分は終了と……」
 本日は土曜日なので、五時頃に早くも指導スケジュールをすべて終えていた俺は、待ち合わせ場所の公園に向かう。
「あっ! お疲れ様先生っ!」
 公園までたどり着くと、ふりふりした上着と短めのスカートという、小洒落た服装の女子大生が出迎えてくれた。
「お待たせっ、吉乃ちゃん」
 彼女に対し微笑む俺。俺と吉乃ちゃんは、なんとあれから付き合うことになったのだ。
 実は吉乃ちゃんは、前々から俺のことが好きだったらしく、身体を交換してからはすっかりべた惚れになってしまったとのこと。まあ俺も、同じような感じではあったが。
 何はともあれ現在は、ご両親公認でお付き合いをさせてもらっている。
「そういやそろそろ、先生じゃなくて"俊哉"って呼んでもらえないか?」
「ん~っ、やっぱダメ」
 せっかくの提案を、あえなく却下される。
「どうして?」
 まあ大した問題ではないのだが、一応理由が知りたい。
「先生って呼ぶの慣れてるし。それにね、あたしにとっては今でも先生じゃん。エッチなこと教えてくれる……」
「…………」
 ちらりと見せる妖艶な表情にどきりとして無言になる俺。実はもう既に、ひと通りやることはやったのだ。正直なところ、俺と吉乃ちゃんの相性はすごくいい。やっぱお互いの身体を知り尽くしているというのが大きいのだろう。
「さて、行こっか」
 吉乃ちゃんは俺の手を取ると、どこへとともなく歩きだす。
「えっ、どこに行くの?」
 彼女とともに歩を進めながらも、ぴんとこない俺。
「もう、先生も察しが悪いね。二人の愛の予備校、っていったらわかるかな?」
「ああっ……」
 さすがに納得する。つまりラブホってことね。
 ようやく気づいた俺に、吉乃ちゃんは振り返って微笑む。
「ふふっ、今日も個人指導よろしくお願いします。先生♥」

換魂受験 前編 作 TAMAこんにゃく 絵 どっきー

作:TAMAこんにゃく
キャラクターイメージ:どっきー

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「誠に、申し訳ございませんっ!」
 ソファに腰を下ろしたまま、俺は深々と頭を下げた。
「………………」
 テーブル越しの相手は押し黙っている。きっと腕組みをしたまま、眉間にシワを寄せて唇の内側を噛んでいるに違いない。
「ふぅっ……」
 ため息を漏らした後、彼はおもむろに語り出す。
「先生には頑張ってもらったけど……こうなるとは思わなかったよ……」
 その声のトーンには深い失望の色が充満している。
「まさかの不合格とはね……これで娘は大学浪人ってわけだ」
「…………」
 今度は俺が押し黙る番であった。この度、教え子は大学に落第してしまったのだ。合格請負人として、とても申し開きようがない状況である。
「言いたくはないのだが……当初の契約にあるように、損害賠償を請求させてもらう……」
「――――!?」
 思わず俺は頭を上げる。テーブルの上には不合格通知とともに、最初に渡しておいた契約書が置かれていた。
「額は、500万だったね……」
 渋い顔を浮かべている彼こと教え子のお父さんが、契約書に目を透しながら呟く。
「500万……!」
 あまりに大きな額に、一瞬耳を疑う。"絶対合格させる"という前提で家庭教師のビジネスを展開しているため、わざとありえない金額を契約書に記入していたっけ。
 それにしても500万とは、我ながらよくもまあ、できもしないことを契約書に書いたものだ……って、マジでどうすんだこれ……そんな金持ってねえぞ。
 額から冷や汗が、たらりと流れたその時、
「ビタ一文負けずに払ってもらう……と言いたいところだが、特別に請求しないことにしてもいい」
「えっ……!」
 目を見開く俺。お父さんは言葉を続け、
「もちろん条件がある。それは来年、絶対に娘を合格させることだ」
「…………」
 無言になる俺。その目標達成の難しさに、気が遠くなるような感覚がしたが、
「喜んで、引き受けさせていただきます……!」
 ぺこりと頭を下げる。こうなった以上、実質選択肢はないに等しい。
「ところで……現状、どうやっても元には戻れないということで、間違いはないのかね?」
「ええっ……」
 質問に答える。"元には戻れない"というのはすぐ後で説明しよう。
「ならば仕方ない。しばらくはここで生活してもらおう」
「わかりました……」
 承知せざるを得ない事情が、今の俺にはある。
「そうと決まれば話は早い。母さん、吉(よし)乃(の)を読んできてくれ」
「はい……」
 テーブルのそばで、俺とお父さんの会話を見守っていたお母さんが、階段を上っていく。
 ほどなくして、中肉中背で黒髪の若い男がリビングルームに現れた。
 この、年の頃20代半ばで、それなりに端正な顔立ちをしている彼のことを俺は、とある事情からよく知っている。
「吉乃、これから先生も、当分この家で生活することになった。いいね?」
「うん! 先生なら大歓迎だよ!」
 男は、あっからかんと明るく答える。
「本当にごめん吉乃ちゃん。こんなことになっちゃって……」
 ソファから腰を上げた俺は男に対し、土下座して謝罪の言葉を述べた。
「顔を上げて。先生は何も悪くないって」
「吉乃ちゃん……」
 天使のような慈悲深い言葉を掛けられ、ゆっくりと顔を上げる俺。この若い男の頭上から、後光が差しているような錯覚にさえ陥った。
「あたしの身体のまま、普通の生活に戻れないでしょ。だから気兼ねなくこの家にいていいの♪」
「ありがとう……」
 再び頭を深々と下げる。いま現在、俺の身体は女性のものになっていた。
 "俺"という一人称からおわかりのように、俺はれっきとした男性である。別に女体化したというのではなく、教え子である今(いま)春(はる)吉(よし)乃(の)ちゃん、彼女の肉体を俺は今、借りている状況なのだ。
「あたしも先生の身体貸してもらってるんだし、これからよろしくね、先生♪」
「ああっ……よろしく……」
 立ち上がった俺は、にこっとした笑顔を浮かべる男こと吉乃ちゃんに、柔らかな頬をぽりぽりと掻き返答する。彼女の台詞からわかるように、彼女が今借りている肉体は俺のものであった。
 そう、俺と吉乃ちゃんの魂と肉体は、交互に入れ替わっているのである。

 ここまでの経緯を説明しよう。
 俺、横澤(よこさわ)俊(とし)哉(や)の職業はハイパー家庭教師である。
 何だそれは……と思うかもしれないが、それだけ腕が立つ家庭教師ってことなのだ。
 事実、これまで100を超える生徒を受け持ってきて、その全員をもれなく第一志望校に合格させている実績がある。
 どうしてそんなことが可能なのかというと、俺の教え方が素晴らしく上手いというのがまず一つ目の理由。
 二つ目の理由は、いざという時の切り札である携帯アプリ”BODY SWAPPER”の存在。
 聞いたことがないアプリの名と思うだろう。それもそのはず。何せ”BODY SWAPPER”は、俺の友人である天才プログラマーが開発したアプリで、まだ市場に出回っていないからだ。
 ”BODY SWAPPER”アプリはその名の通り、身体(ボディ)を交換(スワップ)する機能を持つ。もう少し具体的に言うと、対象者2人の肉体と精神をそっくりそのまま入れ替えてしまうのだ。
 んなアホな……と思うだろう。無理もない。実際俺も、試してみるまで半信半疑だったからな。
 家庭教師をやっていると、どうしても成績が伸びない生徒に出くわすことが往々にしてある。とある男子生徒を受け持っている時、俺はスマホにインストールしたばかりの”BODY SWAPPER”アプリを試してみた。
 俺と彼の精神と身体は見事に入れ替わり、直近のテストを彼の代わりに受け、見事好成績をおさめることに成功した。しかも、試験終了後に入れ替えた精神と身体は難なく元に戻すことができたのである。
 当然、俺の株は急上昇。
 それ以来、大切な試験前であるにも関わらず、どうしても生徒の理解が追いつかない……という時に”BODY SWAPPER”アプリを使うようにしている。
 いざという時にはこうした換(かえ)魂(たま)受験を行うことにより、受験業界における俺の評価はうなぎ上りとなり、いつしか"ハイパー家庭教師"と呼ばれるようになっていたのだ。
 ほんと、友人には感謝である。まあ向こうも、十分なデータが取れて満足っていう話だがな。
 今回受け持っている今春吉乃ちゃんは、快活で素直さが魅力の女子高生。
 とびきりの美少女で性格も良いんだけど、欠点は頭がゆるいこと。
 成績は常に赤点すれすれという彼女の指導を1年間ほど受け持ってきたが、いくら丁寧に優しく解説したところで、全く頭で理解しようとしないのは困りものだった。
 世間一般から見て、ラクショーな偏差値の女子大を受験することになったが、試験直前期になっても俺は彼女を、合格に必要なレベルに到達させることができなかった。
 俺はついに、”BODY SWAPPER”で換魂受験をやる話を彼女とご両親に持ちかける。
 『不合格になるぐらいなら……』と本人とご両親も承諾してくれたので、俺は試験当日に”BODY SWAPPER”を起動。俺と吉乃ちゃんは、魂と身体を入れ替えることとなった。
 意気揚々と受験会場に向かい、試験を受ける俺。だがここで、ある異変が発生する。
 それは問題を見ても、さっぱり答えが浮かんでこないということ。
 どうしたことかと頭を軽めにマッサージしたり、腕をつねって脳に刺激を与えてみるものの、これまで換魂をやってきた時のように、脳内で解答をスムーズに導き出すことができない。
 とうとうそのまま、試験時間が無情にも過ぎ去ってしまった。
 いくらなんでもこりゃおかしいぞと再起動したスマホを見てみると、そこには"ERROR"の一文字。
 アプリ開発者である友人に問い詰めてみたところ、おそらくは予期せぬエラーが発生し、魂に肉体が上手い具合に定着しなかったのだろうという話。
 それどころか、元に戻そうとしてアプリを起動させても、俺の魂は吉乃ちゃんの肉体に収まったままで、吉乃ちゃんの魂は俺の肉体に収まったまま。
 当然、どうにかしてくれと友人に頼み込むものの、エラーの原因を分析しないと対処のしようがないため、当分はそのままだという。
 考えられる最悪の事態が発生してしまい、俺はただひたすらに、ご両親に対して平謝りすることになったのだった。

 何はともあれ、ご両親にチャンスを与えられた以上はやるしかない。
 予備校に通うこととなった吉乃ちゃんこと俺は、猛勉強を開始。
 だが悲しいことに、理解したこと・暗記したことが、脳内の記憶から次から次へと抜けていく。
 なるほど、これじゃいくら教えても成績が上がらないわけだ。
 いくら勉強しても覚えられないまま、模試を受けることとなった。これである程度の結果示すことができなければ、ご両親に対して申し訳が立たない。
「参ったな……全然わからんぞ……」
 模試の前日。なかなか学力が身につかず、問題が思うように解けない状況に苛立ちを覚えながら、吉乃ちゃんの自室で自学学習に勤しんでいたその時、
「………………」
 不意に俺は、下腹部にむらっとする衝動を覚えた。
(この感覚は……この感覚を俺は、よく知っている……)
 男であればおなじみの感覚といえば、察しが付くと思う。
(俺、オナニーしたいってことだよな……)
 男であれば誰もが日々行っていることを、女の身体で思うとは意外だったものの、
(まあいいか……女の子もたまにはオナニーするっていう話だし……)
「ごくっ…………」
 生唾を飲み込む俺。椅子に座った体勢で首を下側へと向けてみるとそこには、やや小ぶりながらも存在感のある胸元が、華奢ですらっとした小柄な身体に、絶妙なアクセントを与えていた。
(そういや、女の子の肉体に乗り移れたのって客観的に見てラッキーかも……)
 女性と身体を交換したのは、実は吉乃ちゃんが初めてである。状況が状況だっただけに、落ち着いてその事実を認識していなかったのだ。
「うふぅっ……」
 いつしか俺は、胸元に両手を押し当て艷やかな吐息を漏らしていた。
(これが吉乃ちゃんのおっぱい……なんて柔らかい……)
 シャツとブラ越しであるにも関わらず、そのむにっとした触感は素晴らしい。
 左胸にむにむにっと左手指先を沈み込ませつつ、右手を短パンの上から股ぐらにそっと這わせてみる。
「んあっ……!」
 その瞬間、下腹部のうずきが強くなったような気がした。
「うふあっ……んんんっ……んっ……」
 右手中指をぐっぃぃっと股ぐらの中央に押し当てていく。生地越しにくっきりと感じる割れ目の感触がなんとも心地よい。
(これは……やみつきになりそうだ……)
 性的興奮を昂ぶらせた俺は、下側から左手をシャツの内部に潜り込ませ、上側から右手を短パンの内部に潜り込ませた。
「うふっ……あっふぅ……」
 一枚の生地越しに胸元と股ぐらをさすってみると、下腹部がかあっと熱くなっていくのが感じられる。
 やがて俺の、もとい吉乃ちゃんの身体奥から湧き上がってくる、どうしようもないほどの切なさ。
 何とかしてそれを鎮めようと、ついに俺はブラジャーとショーツの内側に、左手指先と右手指先をそれぞれ滑り込ませた。
「あっはっ……」
 乙女の柔肌に直接触れることになり、皮膚に感じるこそばゆさに声を上げる。これまでも入浴して身体を洗う際には素肌に直接触れてはいたものの、性的なことを意識してやるのとやらないのでは体感に大きな違いがあった。
 ちなみに入浴時には、なるべく吉乃ちゃんの身体を見ないようにしている。理由はもちろん、吉乃ちゃんに悪い気がするからだ。
「はっふっ……んぅんぅっ……」
 しなやかな指先を乳肉に沈み込ませていくと、心地よい圧迫感としっぽりとした感触が同時に感じられ、否応なしに感じてしまい、
「あっはっ!? ……うはぅっ……あぁっ……」
 指先で割れ目を這うようになぞっていくと、じんじんとした刺激が下腹部に浸透していく。
 教え子の身体の、大切な個所をもてあそぶという行為にそれこそ罪悪感を覚えつつも、両手の指先の動きはもはや、止められるものではない。
「うっふぅっ……ふぅぅっ……くぅひぃぃっ……!」
 乳首をつまみ上げてみる。たおやかな乳房の先端部はすぐさま固くなっていき、くにくにっと指先でこねくり回すと、なんとも形容しがない妙な感覚がこみ上げてくるのだった。
「んっはっ!? あっはっ……やっはっはぁぁぁっ……!」
 割れ目の上部にある突起を指先でなぞっていると、それだけでじんとした刺激が一気に強くなった。ここが女の子の性的器官、"陰核(クリトリス)"と呼ばれている個所であることは察しが付いていたが、実際にいじくってみるとずいぶん性感が強いものであった。
(これが女の子の性感……男のものよりも断然気持ちいい……)
 これまでに感じたことのない感覚の虜となった俺は、乳首と秘部を愛撫する指先の動きに拍車を掛けていく。
「うっはぁぁっ……やぁぁっ……きっ、気持ちいいよぉぉっ……!」
 口元から甲高い声のトーンで正直に感想を漏らしてしまう。乳首の奥からは甘いような感覚がじんわりと広がってくる上、濡れそぼった割れ目から聞こえてくるぬちゃぬちゃとした音が、否応なしに性感を昂ぶらせるのだった。
(俺……吉乃ちゃんの身体でこんなにも気持ちよくなっちゃってる……今、どんな顔してるんだろ……)
 ふと脳内に、大きな瞳を悩ましげに細めている、艷やかに上気しきった吉乃ちゃんの表情が浮かんできた。
(こ、これははっきりいって、エロ可愛いっ……)
 あまりにも鮮明に思い浮かべることができたのは、実際に今、そのような表情をしているからで間違いはあるまい。
(そういや俺……吉乃ちゃんのことが可愛いって前々から想っていたような……)
 その事実を確認すると、彼女の身体をいじくって悦びを得ているという背徳感が急激に強くなっていき、性的興奮に油を注ぐこととなった。
「あっはぁぁっ……おっぱいとオマ○コ、一緒にいじんのやめられないのぉぉっ……!」
 敏感な個所をこねくり回す指先のあまりにも執拗な動き。強烈な性感が身体中を駆け巡り、ぶわっとした感覚に意識が持っていかれそうになる。
「いっ……いいいっ……もうっ、イッちゃうぅぅぅっ……!」
 とうとう俺は、吉乃ちゃんの身体で絶頂を迎えることとなった。
(すっすごいっ……頭の中真っ白……これが、メスイキの感覚っ……)
 少しの間、下腹部を中心に広がっていく、とろけるように甘い浮遊感を堪能していたが、
「はあはあっ……何、やってんだろ俺……教え子の身体で……」
 呼吸が整っていくとともに冷静さを取り戻した思考回路が、俺の性的興奮を急速にクールダウンさせていく。
 下着を整え、俺は勉強に戻ることにした。
「………………!?」
 そこで俺は、あることに気が付く。
「何だこれは……ずいぶんと簡単な問題じゃないか……」
 そう、この時俺は、吉乃ちゃんの身体でも明晰な頭脳を発揮することができるようになっていたのである。

<後編につづく>

美少女になる代わりにウソが付けなくなってしまう小説 後編

作 TAMAこんにゃく https://skima.jp/profile/?id=32953
キャラデザイン かもり https://twitter.com/aloeblues

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 こうして土曜日、近場のリゾート施設に優佳里さんとともに宿泊することとなった。
 彼女のお父さんは、その施設を経営している会社の大株主らしく、特別に二人とも格安の料金で宿泊できるのが何ともありがたい。
 まあ、何よりもありがたいのは、屋内プールにおける優佳里さんの水着姿で……。
「どう? 似合うかな友紀ちゃん?」
 パレオ付きビキニに身を包んだ彼女を見て、
「うんっ……とっても似合うよ」
 紛れもない本心を漏らす俺。実際今の優佳里さんは、下手な女優が霞むぐらい、魅力的であった。俺以上にすらりとした体つきに、ボリューミーかつ均整が取れた双丘。
 健康的かつたまらないエロスを発散している。男性は元より女性でさえ、惹かれてしまうのではないだろうか。
 対する俺は、白とピンクの横縞模様という、ごくごく一般的なデザインのビキニを着ていた。
 それでも一般的に見て、魅力がないわけではないというのは、身体に突き刺さってくる男性たちの視線によってわかる。
 何はともあれ、優佳里さんとプールを堪能することにした。
「きゃっははははっ!」
 水遊びに興じる優佳里さんは、まるで無邪気な子供のような笑顔を浮かべる。
(可愛いっ……どきどきする……)
 こんな娘と仲良くなれるんだったら、女体化したことも悪くないかもと思ったそのとき、
「やあっ! 楽しんでいるみたいじゃん!」
 いきなり若い男に、声を掛けられる俺と優佳里さん。
 見てみると日焼けした肌に金髪。さらに耳元にはピアスまでしている。そのような出で立ちの男が、彼だけでなく4人ほどいた。
「………………!?」
 身構える俺。外見で人を判断するのはよくないが、こうした連中は十中八九、下心を持っていると見て間違いはない。
「ええっ! あなたたちも楽しんでる?」
 まともに返す優佳里さんを見て、俺はずっこける。そうか、お嬢様育ちの彼女は、こうした連中に対する警戒心がまったくないのか。
「そうだよ! もしよかったら俺たちと一緒に楽しもう!」
 案の定、奴らはのってくる。
(くそっ……逃げ出したいけど、優佳里さんを見殺しにするわけにいかないしな……)
 そのまま強引に、金髪のチャラ男たちと行動をともにする事態に陥ってしまった。

「ねえっ、君名前なんていうの?」
「友紀です……」
 先ほどからしつこく訊かれているので、ついつい返答してしまう。
「友紀ちゃんっていうんだ! 可愛い名前だね~」
「どうも……」
 無愛想に呟く。こんな連中からでも、"可愛い名前"と言われて悪い気はしない。
 あれから俺と優佳里さんは、水着でも入店できるのが売りの、施設内の飲み屋に連れられていた。
 入店して小1時間、4人のチャラ男のうち1名に、俺はしつこくつきまとわれている。よっぽど俺が気に入ったみたいだ。
 同じテーブルの少し離れたところで、他の3人は優佳里さんを取り囲んでいる。
(優佳里さん……そんなに仲良くしちゃまずいって……)
 お酒が入ってますます和気あいあいとする様子を見て、俺の中で危機感が膨れ上がっていく。
 間が悪いことに店内には、他に客の姿が見えなかった。
「ね~ね~、恥ずかしがってないで、俺と一緒に飲もうぜぇ!」
 優佳里さんとは対照的に、俺は基本的には押し黙って酒にも口を付けていない。理由は単純で、口を開いた途端にどうなるかわかったもんじゃないからだ。酒を飲んでしまうのも、この場においてはもちろん避けたい。
(どうする……?)
 逡巡する俺は、
「ごめんっ、トイレ行ってくるね」
 断って席を立つ。ひとまずそこで、一人になって打開策を練ることにした。

(かといって……どうしたもんやら)
 早々と用を済ませた後、色々と考えるものの、まるで有効な手段が思い浮かばない。
(そろそろ戻らないとな。優佳里さんが心配だし……)
 10分ほどは時間が経っていると思ったので、さすがに戻ることにする。
「やあ、長かったじゃん……」
 女子トイレから出た瞬間、目の前に立っていたのは、先ほどつきまとっていた男であった。
 腕組みをして廊下の壁に寄り掛かっている。そのにやけた表情には先ほどまでの、取り繕った温和さがない。
「どうしてここに……」
「へへ……決まってるじゃねえかっ」
 そう呟いた途端、彼はがばっと身を乗り出し、俺の身体を押しやるようにし反対側の壁際に片手を付けた。
「そろそろ、素直になってもらおうと思ってね……!」
 そして、いきなり俺の胸元めがけ手を伸ばしてきた。
 ぱしぃん……!
 反射的に勢いよく払いのけ、響き渡る乾いた音。
「このっ――」
 彼より早く、頭に血が上った俺は口を開く。
「何するんだこの野郎っ!」
「なっ……」
 それまでとはうって変わった様子に、チャラ男はたじろくこととなった。
「女の子二人こんな飲み屋に連れ込んで、好きなコトしようったってそうはいかねえぞっ! さっさと失せやがれっ!」
(ああっ……正直に怒りをぶち撒けてしまった……これでトラブルは避けられんっ……)
 強気な口調とは裏腹に、内心やっちまったという気持ちが急に湧き上がってきた。
「ふふっ……舐めた口利きやがって……」
 そのうちチャラ男は、不敵な笑みを浮かべ、
「そうだよ……おめえら二人にイイことしようと思って、こちとら近づいてきたのさ……今ごろもう一人は、お楽しみの真っ最中だろう」
「…………何だとっ!」
 俺の脳裏に、最悪の光景が浮かぶ。それと同時に、ぐつぐつと怒りが湧き上がってきた。
「安心しなっ……おめえも仲間に入れてやるぜっ!」
 両手を伸ばしてきたチャラ男であったが、
「させるかっ!!」
 懐に入り込んだ俺は、そいつの右肩をぐぃと掴むと身体を沈め込ませ、
 ドスンッ……!
 そのまま一本背負いを、勢いよく決め込んだ。
「いけねっ……やっちまった……」
 途端に心配になってチャラ男を見る。したたかに背中を打ちつけることになったそいつは、伸びて気を失っているものの、どうやら命に別状はないようだった。
 言い忘れたが、俺は柔道五段の、黒帯の保有者である。
 かといって素人相手に技をみだりに使うわけにはいかなかったので、力づくで解決することは選択肢から除外していたのだ。
(でももう、そんなこと言ってられっか!)
 俺は急いで、ダイニング席に戻る。
「いっやぁぁぁっ……止めてぇ……」
「おらおら……別にいいじゃねえかっ!」
 優佳里さんはまさに、3人の男に手篭めにされようとしている最中(さなか)であった。
「止めろっ! 優佳里さんを離せっ!」
 駆けつけた俺が叫ぶと、3人は振り返る。
「何だぁ、てめえっ!」
「一緒に可愛がってやらあっ!」
 向かってくるそいつらを、俺は次々と投げ飛ばす。
 後には、気絶したチャラ男が3人。まあ加減はしておいた。
「大丈夫? 優佳里さん……」
 縮こまって震える彼女に、俺はそっと近づいて優しく声を掛ける。
「うんっ……怖かったよっ!」
 やおら立ち上がると、抱きついてくる優佳里さん。
「本当、無事でよかった……」
 震えたままの身体を、俺は優しく抱いた。

 その後、カウンターにうずくまってガクガク震えていたバーテンダーに、警備員を呼んでもらってこの件は終了となった。ちなみに彼は連中に脅されていたため、その場で呼ぶことはできなかったらしい。
 時刻はすっかり午後9時近くになっていたので、俺と優佳里さんはホテルに戻ることとなった。
 その相部屋での出来事。

「………………」
 俺をまじまじと見つめてくる優佳里さん。部屋の照明は適度に落とされ、なんとなくそういう雰囲気が漂っていた。
 ちなみに二人とも、Tシャツとショートパンツというラフな部屋着姿である。
「友紀ちゃんって、あんなに勇気があって強かったんだね……まるで男の人みたい」
「こほんっ……」
 口を開けば、"男だったこともある"とついぶっちゃけてしまいそうだった。
「あの……聞いてくれるかな……私、友紀ちゃんのことが好きになったみたい」
「えっ…………!」
 一瞬、自分の耳が信じられなかった。
「私、勇気があって強い人に憧れてたの……でも……女の子同士なんて、変、かな……」
 彼女の手を取り、俺は真実を話す。
「何も変じゃないよ。私だって、優佳里さんのこと好きだから……」
「友紀ちゃん……」
「キス、しよ……」
 こうして俺と優佳里さんは、唇を重ね合わせることとなった。
(ああっ……優佳里さんの唇、ぷにっとして柔らかい……)
 もっとも、相手もそう思っているかもしれない。俺も女の子だからな。
 唇を離した後、優佳里さんは小さな手を俺の胸元に差し伸べ、
 もっにゅっ……むにむにもにっ……。
「んっふっっ……」
「ふふっ……友紀ちゃんのおっぱい柔らか~い♪」
 得意げになる優佳里さん。俺は仕返しとばかりに、
 もっにゅっ……むっにもにむにぃぃっ……!
「ふぁっあっ……ちょっと友紀ちゃん強いって……!」
 たわわなおっぱいの感触がTシャツの生地越しに伝わってきて、揉みしだく俺を夢中にさせる。
 もちろん優佳里さんは、それに伴って艷やかな吐息を漏らすのだった。
(あの優佳里さんとおっぱいの揉み合いができるなんて……俺は日本、いや世界一の幸せ者だっ……!)
 ――その後、どうなったかはお察しの通り。
 全て終わった後、すやすやと眠る優佳里さんの隣で、
「おかげで美少女としての人生を満喫できそうです。後悔なんかしていません……」
胸元に手を当て、悪魔に対して感謝の言葉を述べる俺であった。

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    二次著作は禁止しません。改変やアレンジ、パロディもご自由に。連絡欲しいですし、投稿希望ですけど。

 

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