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勇者ウィルの冒険(連載2回目)
絵師: そら夕日さん いちご色素

連載一回目はこちら
(4)
4人での話し合いでウィルは人前ではウィラ・コンティと名のることになった。コンティと言うのはウィルの母方の姓なのでまんざら嘘というわけでもない。
ウィル改めウィラはロックと馬を並べて少し先を進んでいる。笑い声が聞こえてきた。どうやら巨人ロックを乗せた馬がへばりかけているのをからかっているらしい。10mほど後方でシマラと共に駒を並べて進むアトランはそれを見て微笑んだ。
「ねえ、君」
言われて隣にいるシマラに注意を向ける。
「どうした」
「その笑みさ。君までウィラちゃんに惚れたんじゃあるまいな」
「そうじゃない。ただ女性化したショックを乗り越えてくれたようなので嬉しかっただけさ」
「そのことなんだが」
「うん?」
「僕が彼に説明したように女への変化があのネックレスの働きで起こったのは間違いない。母上の贈り物の力を信頼してるからこそ、ああして暢気に旅をする気になったのだろうさ」
「確かに魔物の力で変身させられたより安心だろうな」
「僕がウィルに強力な力が働いたと言ったのを覚えているかい?」
「無論だ。第一普通の変身魔法なら君が解いているだろう」
「うん。でも実はそれだけじゃないんだ。邪悪な気配こそないけれどあれは魔族の使う魔法に近いと思う」
「もう少し詳しくウィルに聞くか」
「ウィラちゃんだろう」
そのとき少女の悲鳴が聞こえたので2人は慌てて馬腹を蹴った。
近寄ると2人が互いに謝りあっている。
「すまない。わざとじゃないんだ、ウィル」
「こちらこそ悲鳴をあげてすいませんでした。ちょっと驚いたので。それからウィラと呼んで下さいね」
「ああ、ウィラ。俺が悪かった」
事情を聞こうとアトランは割って入る。
「2人ともどうしたんだ」
「冗談を言い合っていて俺がいつものつもりで抱き上げてしまったのさ、そのーウィラを」
「あーっと、えーっと、あのー、ちょっと手が胸に来て驚いたのでー」
その恥らう可憐な様はアトランを直撃した。
「そ、そうか」
強い視線を感じて横を見るとシマラがねめつけている。
「君?」
アトランはシマラの耳元でささやいた。
「ウィラが可愛いのに改めて気付いただけさ」
「遅すぎるぞ、君」
2人が内緒話をしている間にウィルとロックは仲直りをしていた。
「あのー少し驚いたけど以前どおりにして下さるほうが嬉しいです」
「そうか! でもそのーこれからは気をつけるよ。敏感な部分に」
(5)
数日後大河の東岸に着いた一行は渡し舟に乗り込んだ。渡し舟と言っても川幅も広く王国の東への街道の一部で交通量も多いのでかなり大きい。船倉もあり馬や馬車もそのまま乗れるようになっていた。
ウィルは1人で甲板に出た。時間ぎりぎりに乗船したので他の3人は手続きや馬と荷物の固定に行っている。大幅に雑用が減ったのは女性化したおかげだ。
手すりに身をあずけてウィルは西岸をながめていた。この辺りは彼にとっておなじみの場所だ。西岸の港から南に向かえば母の兄が治める広大な領地がある。幼いとき父親が冒険の旅に出るとよく母とそこで過ごした。そうだ西の領地に住む母の元で男に戻ったら一度叔父を訪ねよう。兄思いの母は父の引退で住居が遠くはなれたことをいつもぼやいていた。
良いことを思いついたと体を動かし手すりが胸をこすり、ウィルの心は自分が女性化したことに向けられる。
冒険者としては筋力が、特に上半身のそれが大幅に落ちたのが痛い。持久力も、これはわずかだが、落ちた。両手剣はもちろん長剣も扱いかねる今のウィルが帯びているのは護身用の小太刀だ。
素早さは短時間なら遜色ない。体の柔軟性は増したが、戦いの役に立つとは思えない。シマラは魔力は増したというが、今さら魔術を学んでも男に戻れば役にたたないだろうからそんな気も起きない。
母にクリスタルのことを聞くまでこの体でがんばるしかないらしい。そう思いながらウィルがため息をついたとき話しかけてくるものがあった。
「お嬢さん、お一人ですか?」
「ほへ?」
横を見ると従者を連れた若い貴族が手すりに寄りかかってウィルを見ていた。
「お供とはぐれられたのですか?」
「供というか、仲間はいます。今たぶん船倉にいると思いますワ」
これでいなくなるかとウィルは期待したのだが、相手は逆に間合いを詰めてくる。女性化して最初の敵キャラらしい。
「拙者は宰相猊下のお役目を勤めますジャック・ワイルダーと申すもの」
「はあ、えーっとウィラ・コンティです」
宰相猊下というのは国教の最高指導者ロンド大司教のことだ。政教のトップに上り詰めたロンドはいまや国王をも凌ぐ勢いである。ただ物事にうといウィルは知らなかったが、ロンドには魔族と裏で通じているという黒い噂が昔からある。先代の北の魔王ルゲイルを倒したウィルの父親が左遷されたのもロンドの差し金といわれていた。これこそウィルの父親が全ての職を辞し西の領地に引きこもった原因である。
男がさらに一歩近づいてきたのでウィルがオロオロしている所に助けが現れた。
「この小さい紳士はどなたかな、ウィラ」
「ああ、ロック。私に挨拶してくださったワイルダー卿よ」
ワイルダーは決して小さくはない。女性化する前のウィルと同じくらいの身長だ。しかし雲をつくようなという言葉を体現するような大男ロックの前では確かに小さく見えた。
「拙者は宰相猊下のお役目を勤めますジャック・ワイルダー男爵」
「ふん。拙者は国王陛下の命を果たして都に戻る途中のロック・ダンカン男爵だ」
「お供の方も戻られたようだから退散するとしよう。お困りのことがありましたらいつでも相談に来てください。都でなら宰相家の家宰に言えば私の居場所は分かります」
従者を連れてすごすごと立ち去ったワイルダーの立っていた場所にロックは『けっ』と言いながら唾を吐いた。ウィルはおかしくてたまらない。
「ロック、かわいそうよ。彼はさほどの使い手じゃなさそうだし」
「そんなへなちょこがウィラを無力な少女扱いするのが我慢ならなかったんだ」
「そういえばロックって男爵だったの」
「そのうちな」
「え?」
「出世街道の途中でちょっと休憩中なのさ」
「まあ」
西岸の港に上陸した一行はウィルの希望もあり先を急ぐことにした。通常なら5日かかる都までの旅程を3日でこなす予定である。
しばらくするとウィルは他の3人を引離し少し前に出ていた。女性化してからは少しでも早くと気がせくため拍車を加えることが多い。幸い軽量化しているので馬にたいして負担はかからなかった。
しばらく駒を進めているとウィルは気になる人物を街道脇に見つけた。それは小さな少女である。この辺りは街道の近くまで山が迫っており一番近い町からもずいぶん離れていた。だぶだぶの服を着せられたおさなごが1人でいるのは不自然だ。しかも荷物といえば少女の力では持ち上げるのがやっとの巨大な剣のみである。
ウィルは思わず巻き乗りして少女の顔を覗き込んだ。その目に涙があるのを見て慌てて馬を止めこう話かける。
「お嬢さん、どうしたの」
「うるせー、俺は男だ!」
「はいぃ?」
その時には他の3人も追いついており、2人の喜劇をニヤニヤと見つめていた。
「言った通りさ。お前のような小娘に助けを請う俺じゃねえ」
「まあ、ひどい。でも私より小さく見えるのは気のせいなのかしら」
「後ろの小山の向こうで山賊どもを退治した反動さ」
アトランの合図でロックが山に向かう。
「おっさんたちは俺の言うことを信じないのか?」
じっと少女を見ていたシマラはこう指摘した。
「君は何か対価を必要とする術を使ったわけだ」
「辛気臭いおっさんだが頭は切れるようだな」
「これはどうも、お褒めいただいて」
その時馬蹄の音とともにロックが戻ってきた。
「20人ほど死んでるぜ」
「ほーら、ほんとだろう」
「なるほど」アトランは続ける。「次の宿場まで連れて行ってやろうか?」
「1人で大丈夫さ」
3人が口々に勧める誘いを少女はけんもほろろに断った。
シマラが言うなら生意気な口をきく少女が元男なのは確かだろう。でもウィルには何かが引っかかる。よく思い出してみると少女は最初から道端にいたのではない。ウィルがよそ見している間に現れたはずだ。そして目の涙。態度がかたくなのなったのは……。
「あなたいつ男に戻るの?」
「え? ああ、今でも可能だけどやりすぎると女で固定する可能性があるから当分使いたくねえ」
「ふーん。女1人だと不便なことも多いの。都まで付き合ってくれないかな」
「あんたに?」
「ええ」
「俺は男だぞ」
「当分は女の子でしょう」
「ま、まあ、そうだが……」
「お願い」
「女の願いを無下にはできねえな」
「ありがとう。名前は?」
「俺はフレッド」
「フレッド?」
「姓もあるちゃんとした家のでだぞ。フレデリック・ザリエルって言うんだ」
「良い名だけどその姿の時はつかえないわ」
「うーん。言われて見れば」
「フレデリックならフレデリカね。フリーダでどうかな」
「我慢してやらあ、あんた良い人そうだし」
「ありがとう」
「俺の嫁に……あっ」
ウィルの後ろでにらみつける3人に気付いてフレッドは沈黙した。
フレッドがアトランとロックに伴われ荷物を取に戻ったのでウィルはシマラと道端で待っている。フレッドは相当若年化しているというシマラの話をきいてウィルは自分の判断は正しかったと思った。幼い女の子となったフレッドは安心して旅をともにできる人が来るのを草むらで待っていたに違いない。それがウィルだった。その後現れた3人を見てから文句を言い始めた。
「なあウィラ」
「なあにシマラ」
「ウィルのことはフレッドには言わない方が良いと思う」
「どうしてかしら」
「他の2人も同じ意見なんだが」
「じゃあ従う」
「君の母上の贈り物も関わる以上知るのは最小限が良いと思うんだ」
「わかったわ」
<つづきはこちら>
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百鬼丸が女の子に転生するというタイプのTS。
TSとしてはコレクターなら。
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言及されてた。
あむぁい様のほうでは、一番厚い層向けにわかりやすく伝えるほうにシフトしているようだ。
以前はポテッとエロ漫画のアフィリエイトを貼り付けていただけだが、最近はTS漫画の内容まで掘り下げて、詳しく紹介している。
本屋に勤めていた人から聞いたことがあるが、やはりPOPなどで内容を細かく、個人的な視点で伝えると売り上げが変わるそうだ。
参考
TSサイトにおける正しいアマゾンアフィリのやり方(1)
TSサイトにおける正しいアマゾンアフィリのやり方(2)
エロ漫画は個人的には日本の大切な文化だと思っており、町中の本屋からなくなっていくのはさみしい限り。応援したい意味もあり、積極的に展開しています。
個人的な視点で>創作者、コテハンの場合は比較的趣味嗜好がわかり良いので購入判断の参考にするには読者にとって便利かなと思います。
基本的には今後ともハイ&ロー混在戦略で。
またネットワークを無限の人的リソースとして捉えており、リクルートとコラボレーションに余念がないようだ。
実際、絵描きなんて孤独な作業で人と一緒に動くことは稀だから面白がられるんじゃないんすかね。
大言壮語ぎみでも嫌味にならないキャラクターは得ですね~。
この辺から片鱗があったのではー。http://okashi.blog6.fc2.com/blog-entry-1847.html
アマゾンの収益は既に課税圏に突入していますので、目先の収益よりも成長戦略をとって投資にがんがんまわしたいかなと。楽しいし。
逆に一見さんには関係ない息子さんネタや太古のネタは絞り込んでいるようだ。
まあ、プライバシーの問題とかマニアック過ぎるということなんだろう。
もう受験でハイになってる高校生じゃないということか・・・。
太古のネタは思い出せないという制約もー。
高校生>あの頃は若かったなぁ。
無理にでもハイに入れとかないとダウンに落ちすぎないですか。
池田先生と並べていただくとは光栄ですな。
勇者ウィルの冒険
絵師: そら夕日さん いちご色素

Ⅰ 妻をめとらば勇者様
勇者ウィル・サンダースは剣をおさめたまま前方を凝視している。
ここはダンジョンの最深部、目的の宝箱を守る竜ももういない。何を迷うことがあろう。しかしウィルの視線は宝箱に刻まれた呪いの文字を見つめていた。そこには彼の父と戦った悪竜ファフナーの名もある。いやな予感がしたが、ウィルは手ぶらで引き返すわけにはいかない。この冒険に参加し、彼を先に進めるため強敵を引き受けてくれた3人の仲間になんといいわけをするのだ。ウィルは母親から贈られた護身のネックレスについたクリスタルを握り防護の呪文を唱えると思い切って蓋を開けた。
(1)
ウィルの3人の仲間たちはそれぞれの方法でダンジョンを脱出して入り口の近くに集まった。力のロックは岩を砕いて、智のシマラは既知のポイントへの帰還魔法で、技のアトランは空間をくりぬいたのだ。いずれも往きには使えない技なのが惜しい。
「遅すぎないか、ウィルの奴」
雑のうから取り出したワインを他のものに勧めながら、ロックが最初に口を開いた。
「経験こそ浅いが、あいつの勇気は折り紙つきさ」
アトランは自分に言い聞かせるように答える。
「その経験こそ、ダンジョンの奥で必要なものじゃないのかな」
皮肉な口調で答えたのはシマラである。
「シマラの言う通りだ。それに力なら俺が、魔法ならシマラが、剣技ならアトランのほうが上だろう」
「くそ、どうしろというんだ。1人で行かせねばその経験もつめないじゃないか」
そういうと杯の酒を飲み干して地面に投げつける。ロックとシマラは顔を見合わせた。冷静なアトランがこれほど感情を見せるのは珍しい。酒のせいではない、彼はとても強いのだ。
「悪いアトラン、僕もウィルのことが心配なのはかわらないんだ」
自分の非を認めてシマラは詫びた。
「それなら捜しに行こうぜ!」
「まあ待て」
「なぜ止めるんだアトラン。君だって心配なんだろう?」
「最後の関門を越えたとき妖精は消えたから案内するものがいない。それに私たちが今捜しに入ればウィルを信じなかったことになるだろう」
「それはそうだが……。おい、シマラ」
「僕はアトランに賛成だな。ウィルの為にお祈りをしよう」
「え~い、縁起でもない」
誰も話さなくなり、杯だけが重ねられた。4本目の栓をロックが抜いたとき矢が空気を切り裂くような音がした。
「ウィルか?」とロック。
「彼の脱出魔法の疾風(はやて)だな」
冷静なシマラも既に立ち上がっている。彼も心配していたのだ。
「無事だったか……」
アトランの口調はその内心を示していた。
しかしいつもならぴたりと3人の前で止まるはずの風切り音が巡回を始めた。
「おい、こりゃあ」
「暴走じゃないのか、シマラ」
「アトランの言う通りらしいな」
「おい!」
「もう始めてる」
シマラは素早く呪文を唱えて印をきった。音が止みもうもうと土ぼこりが舞い上がる。
ひどいなあとぼやき始めたロックも視界が戻ると黙り込んだ。そこに倒れているのは会ったこともない少女だ。いや3人ともどこかで会った気はしていた。
素直なロックが最初に沈黙を破る。
「ウィルに妹がいたっけ?」
「やれやれ、着ている男物の服に見覚えがあるな」
「アトランの指摘は正しい。それに手にあるのはこのダンジョンの宝物らしいぜ」
(2)
ウィルが目を覚ますと頼りになる3人の仲間が心配そうに覗き込んでいた。
「ああ、不思議な夢をみたよ……あれ?」
慌てて手を上げ繊細になった指を見る姿を見て3人は心配が的中していることを知った。
ロックが直ぐに思いを口にする。
「やっぱりお前さん」
「ウィルか……」とアトランは思案顔。
「その変化、変身魔法にしては強力だぞ」
シマラの言葉に不審を感じたアトランが聞きただす。
「どういうことだ」
「僕だって一通り魔法の勉強はしている。自分の力で解けなくても普通解法の糸口くらいは見えるものさ」
「むぅ」
「ど、どうしよう。女の子になっちゃったよ」
ウィルには3人の会話を聞く余裕はなかったらしい。3人でしばらくなだめてやっとウィルは冷静さを取り戻した。
「君が質問した方が良さそうだな」
とアトランはシマラに言った。
「光栄な指名だね。さあウィル、起こったことを順序だてて話してごらん」
ウィルは守護竜を倒す所までを簡単に話してから宝箱のことを詳細に説明した。最後まで聞き終えてからシマラはたずねる。
「その書かれていた言葉はわかるかい?」
「細かい意味はわからないけれど書けるよ」
ウィルはシマラから筆記用具を受け取り可愛い手でのろいの言葉を書き始めた。
頬を赤らめたシマラを横目で見ながらアトランはそっとつぶやいた。
「やれやれ、やっこさん、女性化したウィルにもうご執心かな」
シマラは女に手が早い。
ウィルの書いた文章を読んだシマラは首を捻った。
「これは確かに強力な呪いだけど、変だなあ」
「俺も変だと思うぞ。その字は読めないけどな」
「確かにそうだな」
「えーアトランには俺の考えがわかるのかい。まだ説明してないのに」
ロックのいつもどおりのとぼけた様子を見てウィルに笑みが戻った。
「そりゃあロック。敵を女性化しても宝の守りにはならないって言うんだろう?」
「ウィルにもわかるのかよ」
「ところでその内容は?」
「ああ、アトラン。こいつは宝を奪おうとしたものを魔物に変えようという恐ろしい魔法さ。悪から奪い返すという名目があっても盗みは盗みだ。どんな英雄もその瞬間だけは神のご加護を受けられなくなる。暗黒面に落ち易く落としやすい一瞬を狙ってそのものを宝を守る魔物にするわけさ」
「どうりでダンジョンの守りがかたいわけだ」
「おいおい俺たちは人間と戦ったのか?」
「魔物と化した者は永遠の闇の中にある。あれは慈悲だよ。彼らの魂の為に祈ろう」
「えー僕は魔物なの? じゃあ早く3人で殺してよ」
「馬鹿言え、邪気が感じられん」
「敵の魔手に落ちたなら、宝を奪ってくることはないだろうさ」
「2人の言う通りだ。ところでウィルは何かしたのか。そのー変身の前に」
「母上にいただいた護身のネックレスを握って呪文を唱えただけだよ」
「守りきれなかったということかな、超強力なそのネックレスの魔法でも。落ち着いたら一度君の母上の所に伺った方が良さそうだな」
「直ぐに行きましょう」
「そうはいかないよ」
「なぜです」
答えたのは珍しくロックだった。
「このクエストは王家の依頼なんだろう」
「ええ、まあ」
「報告が先だ」
「で、でもー」
「勇者の苦難だ。後の世の名高い伝説になるだろう」
「えー女の子になったことがですか?」
「ほら古の英雄ヘラクレスも女になる苦難を乗り越えただろう」
「それって女装じゃないですか?」
「なあに男の心を失わなければ同じことさ」
「そうかなあ」
「もう女々しいぞ」
(3)
まず都へ向かうことで意見が一致すると、アトランが毛布に包まったままのウィルを見つめながら言った。
「さてそうなるとウィルの着替えがいるな」
「旅の間の名前も要るだろう。ウィルじゃ変だし」
これはロック。
「着替えならたくさん持っていますし、名前まで変えなくても」
「2人の言うことが正しいと思うな。王家の方には真実を話すにしても道々勇者ウィルが女性化したと宣伝して歩く必要はないだろう? それに着替えの件は試してみればわかるさ。さあ僕たち3人は背を向けているから」
ウィルは毛布から抜け出して自分の荷物の側まで歩いた。着慣れたはずの鎧下がこすれて痛い。
3人が背を向けているのを確認して旅装を取り出して着替えてみる。上着の前は合わず、ゆきは長い。ズボンはお尻でつかえてはけなかった。なんだか悔しくて悲しくて涙が目からあふれ出す。
長い沈黙の後聞こえてきたすすり泣きに3人は背を向けたまま顔を見合わせる。無言のやり取りがあり代表してシマラが話しかけた。
「どうだい」
「無理です。裸で旅しなきゃいけないらしいです。グスン」
「慌てるなって。俺の鞍嚢の横の包みを開けてみろ」
「シマラの方が僕より、元の僕より背が高いから無理ですよ」
「まあ、見てみろ。そして聞け。そのー俺には1人の従妹がある」
横のアトランが困ったようなため息をついたのでシマラはその足を踏んだ。
「痛いな」
「ため息は止めろよ」
「お前、あれは自分の女のために買ったんだろう」
「女のことはウィルに秘密にしてくれ」
「シマラ、これって女性の衣装ですよ」
「従妹の背格好は今のウィルと同じくらいなんだ。この前の町でなかなかデザインの良い外出着を見つけて買ったのさ、従妹のためにね。そのーとりあえず着てみろよ」
「女物を?」
「裸で旅を?」
「わかりましたってば」
ウィルはしばらく下着を持ち上げたまま固まっていたが、思い切って着始める。
「着方わかるか?」
「僕だって子供じゃありません。知ってますよ。えーっと」
「前ではめてから後ろへ回せ」
「あ、はい。え!」
「見てないってば」
確かにシマラが盗み見した気配はない。
「じゃあどうして」
「音でわかるのさ」
「蛇の道は蛇ってね」
「おいロック」
「シマラは女装の趣味が?」
「そのサイズじゃ僕は着れないって」
「ああ、そうか……」
しばらく衣擦れの音だけが続いた。
「外套以外は着ました。いいですよ、こっちを見ても」
振り向いた3人は地上に降り立った天使を目の前にして声が出なかった。
<つづきはこちら>
イラスト企画、勇者ウィルにお二方からSS投稿がありました。
投稿、まことにありがとうございました。
この上は100人ぐらいTS娘を並べてしまおうかと!!←極端。
明日そうそう戦士フレッドがお目見えですので、あわせて他の作家さんたちもよろしくお願いします。
投稿されたSS ①『捌け欲の精霊』 DEKOIさん <いちおう18禁>
②勇者と魔王の嫁入り修行 DEKOIさん
③SAY YES あむぁい <18禁>
④勇者ウィルの冒険 amahaさん
コミックヴァルキリー
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勇者と魔王の嫁入り修行(その1)
絵師: そら夕日さん いちご色素

勇者ウィル
世界は破滅の道を進んでいた。
この世界には勇者と魔王がいる。
勇者の名前はウィル。
前魔王を倒した勇者とこの世界において最大の領土を誇る国の姫との間に出来た
、由緒正しき血統を持つ青年。
魔王の名前はルゲイス。
ウィルの父親に倒された前魔王の実の息子であり、現在は魔族の頂点に立つ男。
本来、偉大な前任者の息子の実力がボンクラなのが世の常だ。
「晴れた日には布団を干す」位に決定付けられた世界の理の1つと言ってもいい
だろう。
だが彼ら2人は違った。
強いのだ。それも半端でなく強過ぎる位、強いのだ。
強国の親衛隊長や魔族の上級将官の強さが三○無双の雑魚兵士クラスと当てはめ
たら、彼らの実力は武者ガ○ダムクラスの強さだ。
彼らは生まれもって優れた才能を持ち、そして幼少の頃から「1日30時間の特
訓」クラスの修行を続けてきた。
その為にお互いに「勇者」「魔王」を名乗る頃には、彼らの強さは周囲の者に比
べて飛びぬけていた。
それこそ、手がつけれない位に。
そして問題なのは2人共、自分の理念についてはとてつもなく真面目なのだ。
勇者ウィルは魔族から人類を守ることを信念として貫いていた。
魔王ルゲイスは世界の覇権を人類から奪い取り、魔族による世界征服を至上の目
的としていた。
そして更に悪いことに2人の実力は拮抗していた。それこそ全く差異がない位に
。
片や仇敵の息子。片や人類を脅かす魔族の王。
お互いに相手を倒す事に一切の躊躇はない。
2人の心根は超真面目。実力は完全な拮抗状態。自分の目的達成の為に、最優先
で倒すべき相手同士。
そんな2人だからこそ、直接対決する事が多々生じているのだ。
そして常に戦闘は手加減一切なしのマジモード。
お互いがお互い、背水の陣でもひいているのではないかと思われるほどの、真剣
勝負。
そして極めつけに悪いことに2人とも戦闘になると周りの状況が一切目に入らな
くなってしまう。
よっていざ戦闘になると、周りに対する影響に関して、一切考慮せずに暴れまわ
る。
そんな訳で。
勇者と魔王が戦うことは、周囲に大災害が発生したのではと疑いたくなるような
壊滅的な破壊状態を撒き散らす。
大地が割れ、天を引き裂き、森は火で焼き払われ、山は崩れ落ち、川は干上がり
、空からミート君が降ってきて、ポール・○が指を折る。
世界にとって、2人の一騎打ちは「天災」クラスの大問題なのだ。
こんな周りにとってはた迷惑な戦闘が1週間に1回は起こっている。
ちなみにこの世界の1週間は、我々の世界の3日間にあたる。
常に場所を変えながら頻繁に発生するこの災害は、世界中に大きな被害をもたら
していた。
あまり大きくないまっ平らなこの世界において、それは自己治癒能力をはるかに
上回る大破壊行為であった。
世界は破滅の道を進んでいた。
それがたった2つの存在による大喧嘩が原因であることは、周知の事実である。
<つづきはこちら>
ANIMAL X
紹介引用 アマゾンさまより
出版社/著者からの内容紹介
恐竜の末裔である<血族>の少年・浅羽湊(あさばみなと)。 彼との出会いは、鮎川裕司(あゆかわゆうじ)の 人生を一変させた。 湊にさらわれた裕司は、自分が普通の男ではなく、 <血族>の『雌』であることを知らされる……。 喜びに沸きかえる湊たちの村──しかし突然、 武装した軍勢の襲撃が! さまざまなものの思惑が、 裕司の、そして湊の運命を翻弄する!!
月100万の薬の生体実験のアルバイトをしていた祐司の受難!実は最初の方読んでいたのですが途中からフォローしきれず取りこぼしておりました。なんか娘が産まれてるので多分TSに成功しているのではないかと推測されます。読者レビュー見ても嫌な感じに女の子扱いされてそうですね。すっごい長編ですけど(商業誌のTSとしては5指に入る長さかな)トライしてみては如何でしょうか?
![]() | ANIMAL X 原始再来 10 (10) 杉本 亜未 (2004/08/25) 徳間書店 この商品の詳細を見る |
1巻より引用
「手こずらせるな!ここじゃお前は犬以下だ!!
村の男全員の子作りの道具なんだからなっ!!」
おおっ言われてみてぇw
まぁ、ホントに言われたら嫌ですけどね。
敵役田所博士も良いですよぉ。
「よし わかった。 人口受精を受けてもらう」
「あ それに脳外科医の飯田くんに来てもらってくれ
なに鮎川くんの前頭葉を少しいじるんだ ロボトミーだよ
これで彼も従順になる」
しびれますぅ。
実はネトカフェで止められずに4巻まで一気読みしちゃいました。美味しゅうございました♪
初出 2006.1.16
ボイン姉妹の個人授業
![]() | ボイン姉妹の個人授業 (2008/04/25) Windows Vista 商品詳細を見る |
提訴:札幌の広告代理店、北大生協を カタログ差し止め求め--地裁 /北海道
訴状によると、エー社と生協は06年ごろ、カタログ作製の請負契約を結び、「北海道大学オリジナル商品カタログ2006」を作製した。しかし、生協は07年3月ごろから、同様のカタログを別の業者に委託して作製し直して配布。このカタログには、前のカタログで使用した「大吟醸『ポプラ並木』」など35枚の写真が無断使用されていた。
商品写真(あえて言えばごとき)が著作権侵害に問われうるか、に興味をもってウオッチング。
著作権侵害は結構重罪なんで、こんなのは範疇にいれるべきでない、と個人的には思いますが。
電撃エクスチェンジャーと気まぐれバニーの冒険(ねりわさび)
エクスチェンジャーの方は以前持ってたのですが、1回ぐらいしか読まずにそのまま紛失してるんでストーリーがあやふやです。魔法がきっかけだったかと思うのですが、電気ショックで女の子に変身する体質になった男の子が性的な意味でひどい目にあうお話ですね。単行本ほぼ全部がTSですんでお買い得。「是非、買うべき」でランキング。オレももう一回買おうかな。
→買ったw
変身シーンとMCシーンをちょっと引用。
変身シーンは魔法でばばんと! MCの方は魔王を倒そうとバニースーツで挑むものの、魔王の分身の睨みで麻痺してしまう萌えシーンですー。


「気まぐれバニーの冒険」内のふぁいてぃんぐばにぃの冒険(3連作)が、該当で悪の魔道師えびどぶ君が、剣士ふぁいてぃんぐバニーに魔剣で女の子にされてしまいます。あ、ねりわさび先生は、バニーガールに関してもなみなみならぬ思い入れを持たれており、ええ感じですね。こちらも、「是非、買うべき」。ヒロインピンチですが、「新造人間ストラグルバニー」はいつか取り上げたいぐらい大好きです。
20060907 初出
![]() | 文庫 気まぐれバニーの冒険 ねりわさび (1996/05) フランス書院 この商品の詳細を見る |

テーマ:二次元総合 エロゲーエロ漫画エロ小説など - ジャンル:アダルト
投稿TS小説第141番 Blood Line (65)(21禁)
「あ? なん、で?」
「どうし――あっ、お前!」
引きつるような違和感に0035号が胸を拳で叩く。けれどそれは何も解決できなかった。背後から足下にいる銀髪を見つけた0093号が叫ぶ。
白と銀の奥に光る紅い瞳が二人を睨み上げる。0035号の身体の中で、それまで動き続けていた心臓が止まった。倒れ込んでくる0035号の身体を避け、リサは下がりながら立ち上がった。直後に首が絞め付けられる。
(うぐぅ……苦し、ううううっ)
首を絞める見えない手を、リサの手が払おうと動く。けれどその動きは空しくも用を為さない。廊下の角には憎々しげに睨んでくる0093号の姿があった。
「答えなさい。ワタシ達に会う前に会ったのはどうした」
ゆっくりとリサに近づく0093号。リサはそれに答えず再び蹲った。
「――捕らえるなんてヌルイ。この手で殺してあ、ぎゃ?!」
リサの首をねじ切ろうと力を強めた瞬間、0093号は小さな叫びを上げ耳を押さえた。リサが鹿島にやったように鼓膜を破ったのだ。突然の痛みに0093号の首を絞める能力が消え去り、リサは喉を押さえて激しく咳き込んだ。
女装&TSエロゲ ときどきパクッちゃお
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女装怪盗もの。
登場人物とかはこちらに。
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はじめての課長の教科書
課長さんも、課長さん候補も(って、ウチの客層になんにんいるのだろうかw)買うべし。
やっぱり教育が重要っすかねー。
ウチも、もっとがんがん投稿者を育てたいなぁ。
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2007年Q3 あむぁいおかし製作所 アマゾン売れ線 DVDとかその他の部
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投稿TS小説第141番 Blood Line (64)(21禁)
(真理、さん? 真理さんが……あああああああっうわああああああああああああああ!)
目の前で打ち抜かれた真理の姿に、一瞬何が起こったのか解らなかった。昨日も貴子が目の前で血を流して死んでいった。今日もまた、大事な人の命が奪われていった。リサを強制的に男から女へ換え、陵辱の限りをつくし人間の尊厳などお構いなしな高野の手で。それもこれまでで最も深く心を寄せていた真理の命が。
能力が使えたとしても助けられなかったかも知れない。しかしおめおめと指を銜えて見ているような、手も足も出せないと言うことは無かった筈だと感じ、リサは自責の念と高野への憎悪で感情が一気に爆発した。
全身に溜まった能力の黒い渦。それが身体の内側から外側へ出ようと暴れまくる。それがリサに激しい痛みを与えていた。静かに髪を掻きむしりながら転げ回る様子に、周囲の男達も驚き声も上げずにそれを見ているしか無かった。
(ぐぅうあああっ、無くなれっ消えちゃええええ!)
不意にリサの身体は苦痛から開放されていた。掻き乱した髪を持つ手の中に小さな装置が握られていたけれど、周囲の人間には解らない。蹲ったリサに、さっきまでリサを後ろから犯していた佐久間が側にやってきた。
「なんだ突然狂いやがって――う、ぎゃああああ!」
リサの銀髪を掴み、顔を上げさせた佐久間が叫び声を上げていた。掴んだ右腕の肘を基点として一瞬の内に捻ってしまった。何が起こったのかも解らず、ただ佐久間の叫び声だけしか聞こえなかった他の面々は、不思議そうな顔でその姿を見ていた。しかし、ぶちぶちと筋が切れる音と、佐久間の止まない叫びに、井原が異変を悟った。
「垣内っ渡辺っ0106を拘束しろ! 所長はこちらへっ」
高野以外の男は全員が裸だ。それは武器が手近に無いという事と、急所が容易に解る事を意味していた。リサは情け容赦なく佐久間と垣内と渡辺の股間を捻り潰す。それは鹿島にしたような若干の遠慮もなく、擦り潰すように。悶絶して動かなくなった三人を後目にリサはドアの外に消えた高野を追う。
西岡と時田が散らばった衣服から銃を取りリサに向ける。しかし、トリガーを引く筈の指をイメージしただけで引き千切ってしまった。室内に二人の叫びが少し響いたが、それも直ぐに止んでしまった。
憎悪に燃えたリサの能力は、それまで以上に強く、そしてその能力を自身の手の中でコントロールしていた。
あと34冊ぐらい今月アマゾンで売りたいですw
さてさてゴールデンウィーク。
長い休みもどうせあっという間、なんとか創作してみませんか?
あむぁいおかし製作所では投稿お待ちしております。
イラスト企画にもご参加くださいませー。
ここんとこ1か月の拍手実績
拍手数
合計 今日 昨日 過去7日 過去30日
2430 4 5 47 298
拍手数の記事別統計
エントリー名 グラフ
日曜巴ちゃん劇場6 えろえろらぐなげどん はじめてのお風呂編(2) 4% 12
画像付作品へのリンク(巴ちゃん編) 3.4% 10
銀河TS 第150番 レヴァルシー (18禁) 3.4% 10
よるいちさんの作品へのリンク(2) 3% 9
日曜巴ちゃん劇場8 ほのぼのらぐなげどん おしゃれやってみた編① 2.7% 8
600万ヒット記念 水曜イラスト企画 絵師 そら夕日さん(3) 仮名:勇者 ウィル 2.3% 7
投稿TS小説 『捌け欲の精霊』 by.DEKOI <いちおう18禁> 2.3% 7
SECRET PLOT(NeWMeN) 2% 6
シグルイ 2% 6
よるいちさんがヴィリムを描いてくれました! 2% 6
600万ヒット記念 水曜イラスト企画 絵師 そら夕日さん(4) 仮名:魔王ルゲイス 1.7% 5
4/1です。 1.7% 5
adexirusuさんにぼくたちのイラストを描いていただきました♪ 1.7% 5
日曜巴ちゃん劇場7 乱入イラスト企画② ダクネス雪村 1.7% 5
600万ヒット記念 水曜イラスト企画 絵師 KAZU-Tさん(2) 仮名:大野あゆむ 1.3% 4
投稿TS小説第141番 Blood Line (51)(21禁) 1.3% 4
600万ヒット記念 水曜イラスト企画 絵師 七色遥さん(1) 仮名:池澤 けんいち 1.3% 4
紅い首輪と代価のカタチ (2007/12) 龍炎 狼牙 1.3% 4
640万ヒットを達成しました! 1.3% 4
ナイナイ9ボール 第二打 (TS小説第152番) 1.3% 4
合計 298
650万ヒット記念作品 洗脳TS小説第165番 SAY YES(前編) <18禁>
イラスト:KAZU-T
主演:大野あゆむ as 森村あゆむ

「それじゃあ、これから質問をするから、必ず『はい』って答える事」
「はい」
私立東雲高校3年生、森村あゆむはボイスチャットにはまった。少し前の模試の判定がAで油断したのか、その日のあゆむは脇が甘かった。
ネットは1日1時間。そう決めていた。
便利なネットも過度に依存すれば害悪にしかならない。
受験生には節制が必要なのだ。
切っ掛けは、彼女の。高瀬ゆかりのブログの記事だった。
知性と教養溢れる品格のある文章。論理展開も完璧で心地よい。
ところがそれを書いてるのが20そこそこの東大生でしかも可愛いと言うのが意表をついた。で、書き込んだ。
何度か、交流を続けるうちにすっかり嵌ってしまっていた。
東大の情報を得るため、などと自分に言い聞かせて毎日チェックするようになった。
いや、さすがに東大は無謀だったのだが。
で、ボイスチャットに誘われたのだった。
両親が用意した完璧な防音のある勉強部屋は内側から鍵をかければ密室と化す。
彼女の言うがままに携帯とPCをつなぎ、アドレスをクリックするとそこには彼女が映っていた。
カメラ越しに動く彼女はブログで見慣れた彼女よりもさらに魅力的で。自分だけが今、彼女を独占している事に有頂天になった。彼女の映る画面、その背景は、プライバシー保護とかなんとかで不思議なゆらめきのある、色彩が時事変化するものだった。
じっと見ていると引き込まれそうな、ずっと見ていても飽きないような不思議なCGアニメ。これには実は仕掛けがあるのだが、あゆむが気づくのはしばらく後のことだ。
心理学、に興味があるそうだ。
あゆむも興味がある気がした。
受験生の心理状態に興味があるそうだ。
なるほど、と思った。
彼女は心理学のレポートを書かねばならず、協力して欲しいとの事だった。
もちろん、協力することにした。
で、冒頭のセリフとなる。
あゆむはこれからの彼女の質問にすべて「はい」と答える。そういう約束をした。
さて、では冒頭からの続きを始めよう。おっと、その前に少しだけ種明かし。
このお話、タイトルはSAY YESと言う。
奇抜な設定で大変申し訳無いが、このお話、主人公のセリフは実は「はい」しかない。
で、物は相談だが、キミに主人公のセリフをやってもらおうと思う。
良いじゃないか。物語と言うのは作者と読者が共同で作り出していくものなんだ。
良いだろ。簡単さ。
これから、主人公のセリフがあるたびに
「 」
とだけ書いておく。そこは、「はい」と言う意味だから、キミはそれを「はい」と読んでくれ。今、誰かまわりにいるかな。いないなら、好都合。そこだけ、声を出して読んでくれ。まわりにいるキミは、ちょっと残念だね。そういう場合は、心の中で「はい」と読むんだ。
大丈夫。「 」と見ただけで、「はい」と見えるようになっちゃうからね。
じゃあ、お待たせしたけど、お話を進めよう。
箱館妖人無頼帖ヒメガミ
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投稿TS小説第141番 Blood Line (63)(21禁)
(はぁっやっ、くっうぅぅ)
一端離れたと思った途端、一気に肉柱がリサの身体に埋まっていった。久しぶりのその感触に、快楽を司る神経はリサに歓喜を伝えてしまう。
「おっおおっ。こいつは、イイ。柔らかく締め付ける割りには……具合が抜群だな」
リサの腰を持ちながら、垣内は自らの股間をピッタリと押しつけていた。ねじ込んだまま腰を上下左右に揺さぶると、膣壁の色々な部位に当たり亀頭への刺激がまた違ったものとなった。我慢しきれなくなったのかリサが腰を引こうとすると、垣内はピストン運動へと腰の動きを変えた。(あぉっひぃ、や、はぁ)
「――そ、そんなにいいんすか?」
年若い渡辺が結合部へと視線を移しながら声を上げた。ショーツは穿かせたままの為に、そこからぬらぬらと光る肉筒が出入りする様は異様に見えた。しかし、それが新たな獣欲を男達に呼び覚ましていく。
「あ、とで、味わえ」
次第に息が荒く、腰の動きを速くしていく垣内。抜けそうな程引き抜き、勢いよく肉杭をリサの襞穴へたたき込んでいく。ぶるぶると揺れる乳房を西岡と渡辺が握っていた。リサは何も抗う事が出来ず、ただ為すがままに鹿島に開発された身体を提供していた。
「うひっ早くヤリテー」
「うっおっイクッ」
渡辺がズボンの上から怒張を握りしめた時、垣内が軽く呻き、身体を痙攣させていた。
(うっああン……中で……)
能力を封じられ、女の身体に閉じ込められた男の心は、陵辱され、汚された女のように泣いていた。
「向こうは始めちまいましたよ」
佐久間が物欲しそうに呟くが、井原は無言で真理の亀裂に指を沈めていた。指先で包皮を剥き上げクリトリスの周りに薬剤を塗り込むと、じりじりとソコが熱くなっていく。浅く早い吐息は熱を帯び、徐々に身体全体が紅潮し始めていた。
(んんん、あ、つい……見ないで、ああ、いやぁ、?! はうぅ!)
熱く感じた肉芽が充血しだし、その体積を増してくるのを認めた井原は、薬剤を膣口に塗り込んでいく。ほんの少し、身体の奥から沁みだした粘液が、淫欲の口に出かかっていた。それを見透かされたように男の指は薬剤と粘液のカクテルを膣奥深くに浸透させてるべく、抜き差しされた。
(あ? あ、あぁ、やだっ溢れる、いやっそんなにしないで! 感じ、過ぎっひぁん)
薬剤の効果は急激に現れた。抜き差しされる中指は今や大量の粘液を真理の身体から掻き出した。指が往復し襞の一枚一枚を擦る度に峻烈な陶酔感に見舞われてしまう。たらたらと流れる愛液が尻まで達したけれど、普段なら気持ち悪い筈のそれも気にならなくなっていた。男の指がクリトリスまで嬲り始めるに至り、真理の性感は極限まで持ち上げられた。
(うっぐう! いやっいやっ、これ以上しないでっ! ひっいっくっイッちゃうっイッちゃうっ、ふぁああああ!)
見られているとか無理矢理だとか、そんな事は薬剤でトンでしまった真理の頭には残っていなかった。ただ、その愉悦にしがみついてしまっていた。押さえつけられた拘束された腕を力一杯引き、股間をいたぶる井原の身体を腿で締め付けていた。絶頂に達した瞬間、びくびくと腹を中心に身体を震わせ、井原の指をリズミカルに締め付けた。
「――おい、こっちは一回イかせたぞ」
ゆっくりと力が抜けていく真理の身体と恥口。井原はそこから指を抜くと、愛液が滴る指をしゃぶりながら、誇らしげに垣内達の方を向いていた。
「井原さん、早くやって下さいよ。こっちも辛抱たまらんです」
目一杯固くなった一物を扱きながら時田が催促する。井原はそれを敢えて無視し、真理の両足を自分の肩に担ぎ、涎を垂らした秘口に分身を当てた。
(……ん、あ? ! イヤっ放してっ)
くぐもった叫びを上げる真理が死力を尽くして暴れまくる。けれど、屈曲させられた身体では殆ど何も出来ない。
「おら、先生、入ってくぞ――お、結構いい壺してるじゃないか」
(あああっ、いやあぁ……)
少しづつ入っていく剛直が真理の間隙を突いていく。レイプを防げなかった絶望感と、クスリによる喜悦が真理の思考をぐちゃぐちゃにさせていた。少しでも気を緩めると自分の肉欲に心が支配されてしまいそうだった。
「全部入ったなあ。犯されてるってのにきゅうきゅう締め付けて。医者はスケベだって言うが女医もそうなんだな」
(う、違うっ。あたしは、そんなんじゃ、ひぃっ、きゃう!)
井原は体重を真理の足に預け、膝が肩口に着くまで上げさせた。それまで以上にぐっと挿入され内蔵まで押しだされてしまいそうに感じてしまう。しかしその苦しさも甘美な快楽へと変換され、真理は目を瞑ってそれを否定するように首を振った。
ぬちゃぬちゃと室内に音が響く度に、真理の身体は新たな高みへと持ち上げられてしまう。いつの間にか押さえつけられていた腕が自由になって、無意識の内に手首で拘束された腕の中に井原の首を抱え込んでいた。
(んーっ、もっだめっイヤっまたっ)
「いいねぇ先生。いい道具持ってるよ。あんた、イキそうだろ。俺ももう限界だ――」
愛液が泡になって滴り落ちる真理の穴に突き込んでいく井原。その言葉は生で中出しされるという事だと反応した真理だったが、身体を離す事も叶わなかった。
「くッおぉぉ」
(ふあっ! いクゥううう!)
牡の雄叫びが耳元で聞こえた途端、真理は体内に吐き出された白濁液の熱さを感じていた。と、同時に自らも二度目の絶頂へと導かれていた。
「ふぅ……出た出た。これで二回イッタと。おう、交代だ」
井原は満足そうな笑顔で真理の上から離れながら、イッた回数が解るように乳房に「正」の字のうち「T」をマジックで書いた。放心状態の真理は、だらしなく足を開いたまま時折ビクビクと痙攣を起こしていた。その度に襞穴がひくひくと蠢き、中から真理と井原のカクテルがトロッと溢れ床に溜まり始めた。
「待ってました。先生、まだまだへばるのは早いぜ」
佐久間は入れ替わりに真理の上に乗り、そのまま肉棒を突っ込んでいく。真理の肉体はそれを喜ぶようにキュッと侵入者を締め付けたが、心はそれをよしとした訳では無い。レイプなのに何度もイカされ、あまつさえその回数を男達の娯楽のようにされている。快感を感じながらも真理は涙に歪んだ視線を天井の一点に集めていた。
それから丸一日、真理もリサも六人の男達の欲望の捌け口となった。入れ替わり立ち替わり、休む間もなく犯され続ける。真理は井原、佐久間、時田に、リサは垣内、西岡、渡辺に蹂躙された。そこに人権などは無く、ただ男達が射精する為だけの穴としか扱われない。ある意味、リサが「能力開発」と称して陵辱されたよりも悲惨な状況だった。二人の乳房には「正」の字が重なって書かれいくつ書いてあるのか解らなくなっていた。
途中、イッた回数が解らなくなると、その余興にも飽きたのか「肉穴」を取り替えた。それぞれが口々に具合の評価をしあい、卑猥な言葉で二人に告げていく。身体ばかりか心さえも犯すように。
最初リサは媚薬を使われなかったが、三時間もすると粘膜が痛み始めると濡れ具合も悪くなり、結局リサも真理もクスリで狂わされていた。それでも二人とも口での奉仕や尻への挿入は拒否していた。 ただそれも、拳銃を額に押しつけられ今にも引き金を引かれそうになれば従う他無く、口も尻も、使える所は全て使わされてしまっていた。
そして夜が明けた。
「はあ~……流石に疲れましたね」
足を投げ出し手を後ろにつき、煙草を銜えた垣内が、リサを後ろから犯している佐久間と真理を座位で貫く渡辺を見ながら井原に尋ねた。
「そうだな。まぁ、商売女でもここまでできないからな。作戦も楽だったし、ある程度満足だろ、みんな」
時田と西岡は満足そうな顔で仮眠を取っていた。井原がもう一度口を開こうとした時、ドアが開いた。
「――うん? 随分と派手にやってるなぁ」
「あ、所長」
ドアから顔を覗かせたのは紛れもなく高野だった。貫かれ霰もない姿を見せる二人に彼は冷たい視線を送った。
聞き慣れた声に真理の意識が覚醒する。
「まもる、さん? んぐっ」
「やぁ、真理。楽しんでるかい?」
高野は真理の方を見る訳でも無く、井原の座る所へ行き何事か話ながら答えた。
何かを期待していた訳では無かったけれど、真理は高野の生きている姿を見て少しだけ心の澱が澄んだ気がした。ただそれは愛情が残っているという事では無く、知っている人が生きていた事の安堵だと真理は思おうとしていた。
「おっ先生締め方変わった……イクっ」
渡辺が何度目か解らない白濁液を真理の体内へ放出した。それに構わず、真理は渡辺の身体から降りた。疲労困憊の身体に鞭打ち、真理は縛られた手を使って高野の側へと這いずっていく。足腰は乱暴に扱われた事で力が入らない。媚薬で愛液が垂れ流し状態になって、同時に膣内に溜まった精液も床にしみていた。
「守さん、あなた、何をしてるか解ってるの? 人を、能力者を、殺して、一体、どうして? なんで?」
叫ぶ真理の声に、リサは虚ろな顔を上げてその様子を見ていた。
「人を生かす事が医師でしょう? あなたはそれを願っていたんじゃないの? こんな、殺戮行為は許される事じゃないわ」
高野の足元にまで真理が来ると、そのままズボンの裾を掴み、高野を揺すった。しかし反応が無いと見るや、真理はズボンを手がかりに立ち上がろうとしていた。
(真理さん……)
真理の悲痛な心の叫びは、リサを悲しみで包んでしまう。気にしていないようでも、真理の高野への好意は消えていなかったのだから。高野が真理の問いかけに答えないのは、高野もまた真理への気持ちが残っているのだと、リサは考えた。憎むべき高野と仄かな憧れと好意の対象である真理。その二人のやり取りに、リサは目を奪われていた。
「天才なのは知ってる。でも、こんな事にあなたの知力をつぎ込むなんて愚か過ぎる! 事の大きさが解ってないタダのバカな犯罪者に成り下がってるのよ?! 今からでも間に合うわ、お父様に言っ」
乾いた轟音が室内に響いた。そこにいる誰もが二人の結末がこうなるとは思ってもいなかった。高野は振り向き様、ポケットから小型の拳銃を取り出すと真理の眉間に当て無表情に引き金を引いていた。真理の眉間と後頭部から栓を抜いたように鮮血が流れ出た。
「うるさいな。長谷川氏を殺した今、真理、お前は用済みなんだよ」
何事も無かったように銃をポケットへ仕舞う高野。その場の誰にも戦慄が走っていた。
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