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投稿TS小説第141番 Blood Line (58)(21禁)

* * * 不可視 * * * * *

 二機の大型の輸送ヘリが、島を遠巻きにしてぐるりと一周した。島から目視できるか出来ないかの距離で、注意深く。一機は島の北側へ、そしてもう一機は西側でホバリングした。
「用意はいいか?」
 西側にホバリングしているヘリに同乗している高野がベルトを握りしめながら、黒いウェットスーツに身を包んだ隊員達に問うた。前回、自分の乗ったヘリが撃墜された事で若干ナーバスになりながらも、威厳を保とうという所か。普段の高野を知る人々が見れば失笑を買うような態度だったが、ここにはそんな者はいない。
 ゴーグルとレギュレータを加えた隊員達の表情は見えなかったが、緊張した面もちである事は確かだった。これが初の実戦だ。と言っても、相手は攻撃能力を持たないか、殆どないのだから楽にこなせる筈だった。
「二番機、用意できているか?」
『――準備完了。いつでも構いません。所長、皆疼いてますよ』
 僚友機からの声がインカムから聞こえて来た。この作戦が終われば、高野の計画を阻止できる能力者は皆無となる。
「よし、作戦開始。降下」
 号令と同時に降下用ロープが海面すれすれまで下がり、それを伝わって六名の隊員が降下していった。いずれも男にしては小柄でエアタンクやフィン位しか装備していない。それに比べて北側のヘリから降り行く隊員は、重そうな大きなバッグを持ち海中へと沈んでいく。
「お前の出番はまだだ。0087号の処理を任せてやる」
 ショートカットで艶やかな髪の奥で、怪しく目が光る0124号。その身体が、「0087号」と言われた時、黒い革製のスーツで包まれた身体がピクっと動いたことに、高野は気づかなかった。

 島の北側には小さな湾を利用した漁港があった。漁港を取り囲むように防波堤がコンクリートの地肌を晒し、テトラポッドが沖からの大きな波を打ち崩していた。その漁港を避けるように、小さな泡が海岸を目指し南下していく。
 漁港の東西側は小さな崖のようになり、その上を舗装された道路が走っている。島の中心へ移動するならこの道路を使うのが一番利便性が良かった。
 海中から姿をゆっくり現した隊員達は、辺りを見回し安全を確認すると音もなく海中からその身を出し、次々と低い崖を登り草原に一端身を潜めた。フィンやタンクは草原に隠し、一人が大型のバッグを開いて装備を取り出した。
 バッグの中には火器と予備マガジンがある。拳銃より大きいけれどライフルより小さい銃、サブマシンガンを手に取り、八人の隊員に次々と手渡していく。予め取り付けられたサプレッサーが小さなドイツ製のサブマシンガンを少しだけ長くしていた。
 西側へ降下していった隊員よりも大きな体躯の彼らは、路上に人影が無い事を確かめると、闇に溶けるように島に点在している森の中へ入っていった。

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