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投稿TS小説第141番 Blood Line (60)(21禁)

『たか、?!!』
 乾いた破裂音と共に貴子の頭が膨れたように見え、次の瞬間、貴子の左頭部が無くなっていた。真っ赤な血が噴き出し、それまで貴子だったモノがリサに向かって倒れ込んできた。
言葉が頭に浮かばないリサは、声にならない叫びを上げていた。
(……あ、う、ああ、わあああああああああっ)
 リサの手を真紅に染める物体を押し返し、尻餅をついていた。その拍子に下半身が生暖かく濡れてしまった。四つん這いになってそこから離れようとした。けれど、手足が上手く動かない。
(なにが? なんで? どうして? 貴子ちゃんが、頭が?!)
 真理がいる家は貴子の家からごく僅かの筈なのに、なかなか近づいてこない。それが四つん這いのせいで長くかかっているのか、それとも精神的なものなのか。途中、なんでハイハイなんてしてるんだろう、と変な事を考えながら這々の体でリサは帰り着いた。
『真理さんっ真理さんっ真理さんっ! 大変っ貴子ちゃんっみんなっ! 真理さん!』
「なにっ? 一体どうしたの? ――リサちゃん、大丈夫?!」
 スリッパの音を響かせながら、開業準備をしていた真理が診察室から姿を現した。銀髪が返り血を浴びて所々赤く染まり脳漿の一部が付着している。身体のそこかしこに残る血を、真理はリサの血だと勘違いしていた。
「これは……どうなってるの? 何があったの?」
 駆け寄り頭や腕をチェックしながら、目まぐるしく頭を働かせる真理。
『貴子ちゃんがっ目の前で! おじさんもおばさんもおばあちゃんも、みんな倒れてて!』
「リサちゃんっ。落ち着いて。最初から話して。それからもう少し小さな【声】でお願い」
 力をセーブしないで鼓膜を震わせるリサの【声】は、まるでライブ会場でスピーカーの目の前にいるかのように痛みを真理に与えていた。リサに深呼吸させ少しずつ落ち着きを取り戻させる。そして、朝から起こった事を一つづつ注意深く聞いた。
 真理は無言で携帯電話を取り出し、メモリから父親の番号へと通知しようとした。けれど、携帯電話の画面には「圏外」の文字が見えた。いつもならアンテナレベルは最高だと言うのに。
(電話が通じない?! そう言えばいつも聞こえてくる人の声がしない……まさか……あの人が……)
 不通となった電話。喧騒の無いいつもと違う朝。真理の頭の中でパズルのピースが組み上がっていく。いくつかは「仮説」というピースだったが。
『真理さん?』
 眉根を寄せ考え込む真理に、リサが不安な表情で尋ねていた。
「リサちゃん、わたしが用意する間に顔洗ってらっしゃい。用意出来たら移動するから」
 リサがどこへと問う間も無く、真理は自室に戻っていった。部屋にはガラス張りの縦長キャビネットがある。そこからのぞくいている物が、真理が「用意」する物だった。
(ああっもうっ。まどろっこしい!)
 鍵束を出した手が震えて、うまく鍵が刺さらない。一度大きく息を吐き出してから鍵を入れ、捻る。キャビネットをあけると鉄と油の匂いが漂ってきた。頑丈そうなチェーンを外し、「それ」真理の愛用の猟銃、ブレイザーF3を取り出した。
 ブレイザーF3はドイツ製のショットガンで縦に銃身が二つあり、各々の口径は十二ゲージ。真理のF3は銃身を一番短いものに交換しているが、それでも重量は3・6キロある。この銃の特徴はトリガーを移動させる事ができる事だった。比較的手の小さい真理は、一番手前にセットしている。一時期はよく父親と狩りに出る事もあった。
 ずっしり重たい銃を取り出し、薬室を開けショットシェルが入っていないことを確認した。ショットシェルが入っている箱を開け、無造作にシェルを掴み出し白衣のポケットに詰め込んでいく。ぱんぱんに膨らんで入らなくなると、薬室に二個詰め閉じた。
 用意が済み玄関に行くと、濡れた髪を後ろで纏めたリサが待ちかまえていた。
『真理さん、用意でき……それ、どうするんですか?』
「後で説明するから。今は早くここを出て生存者を捜さないと」
 銃に驚くリサの手を引き、玄関から、そして出入口まで頭を低くしていった。

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