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おっ、 おんなの子あつかいするな~っ!!(1)

by.isako

「おんなの子あつかいするな~っ!」
俺の叫びに姉の楓はけらけらと笑う。
「俺は真剣なんだぜ」
「だってぇ、もみじって可愛いすぎるんだもん。ねえママ」
「そうねえ……黄色いリボンでどうかしら」
ああ、母さんは天然すぎる。
「さすがママ」
「母さん、ちょっと待ってよ」
「ウイッグつけますから動かないでね」
小さいころからの習慣で強くいわれると逆らい難い。
「え? あ、うん」
入れ替わって手のあいた姉が憎まれ口をたたく。
「だいたいさあ。今回はもみじが女装したいって言ったんじゃない」
それを言われるとぐうの音も出ない。
「あらあら、まあまあ、姉妹喧嘩は止めましょうね」
突っ込みたいところだけど姉には効果があったらしいので黙っていた。

 俺は正真正銘の男子で昔なら元服も終っている15才だ。名前の紅葉は『もみじ』じゃなくて『こうよう』ってんだ。世間では美少女でとおっている姉と顔が似ているし体毛も薄いので女装すればちょっと見間違えるかもしれないけどね。昔の恥をさらせば小学校の低学年まで母さんが俺に女の服を着せていたので自分でも女の子だと勘違いしていたくらいだ。男だと知ったときのショックは大きかったぜ。考えられないって? 事実なんだからしょうがないだろう。姉もぐるだったのですっかり騙されていたのさ。その後は男らしいスポーツに打ち込んだし中学は俺の過去が知られていない所を選んだ。
 そんな俺がここにいたって女装を希望したのは一つ年上のある女性に一目ぼれしたためなのさ。姉と同じ高校に通うその女性一瀬玲子さんが今日体験入学の女生徒の案内役を務めるんだ。

「これでどう?」
母さんの声に視線を上げると鏡の中に久しぶりに見る女の自分がいた。裏卒業写真を撮ると姉に脅迫されて女装したのが最後だから3年ぶりのご対面である。
「なんだか、もみじのほうが私より可愛くない?」
「きっと性格が素直なせいだぜ」
「なんですと!」
そう言いざま繰り出された姉の足払いを俺はなんなくかわす。有段者の姉に鍛えられ体さばきだけは上達した。
「やめなさい」
俺たちは素直に謝った。我が家では母の言葉は絶対である。そのお人が俺に女装させたがるので問題なのだが……。それにしても女すぎないかな。
「もっと簡単な変装でもばれないんじゃないかな」
「そうねえ」
と母さんは思案顔。これは脈ありかも。
「だめだめ」
「なんでだよ、姉さん」
「小学生のころと違って骨格、特に骨盤に差ができているから歩き方なんかでばれ易いのよ。だから全く疑いをもたれないくらい変装しないとね」
「楓の言う通りね」
姉の一言で俺はとてつもなく目立つ外見で体験入学に参加することになった。

 当日、体験入学に付き合うという姉の申し出を丁寧に断って俺は1人で家を出た。母は説明会からの参加なので少し後になる。
 視線を集めている気がした。きっと久しぶりの女装なので緊張しているからだろう。まあ多少は服装の影響もある。フリル一杯の青いドレスは一歩間違えばゴスロリと間違われそうだ。
 そうそう男しか経験したことのない諸君には俺の行動が理解できないかもしれない。ああ、もちろん意中の人と会える機会を早く作りたいのは確かだ。けれど理由はそれだけじゃない。男として会うのと女として会うのではずいぶん違うのも確かなのさ。憧れの人の本質を知りたいんだ。
 女と思い込んで女性の中で育ち、その後も姉の腕力に抵抗できるようになるまで数限りなく女装して女と接したきたために女性不審なのだろう。天使のごとき少女も一皮むけば悪魔……そんな例は枚挙にいとまがない。

 最後の角を曲がり校門まで300mほどのところで俺の足は止まった。軽薄そうな男が視線を彷徨わせている。嫌だと思っていると話しかけられるのは世の常なのだろうか。
「そこの可愛らしいお嬢さん。甘井学園ってこの辺りかな」
俺は黙って校門を指差した。
「あちゃー、俺の目は節穴かっての。ところで君も体験入学? 可愛い娘がいたらこの学校に決めようと」
黙って通り過ぎようとした。それほど時間に余裕があるわけでもない。
「冷たいなー。名前は? 俺はアズマジン。雷でアズマ、神さまでジンさ」

200902_a2.jpg
イラスト:春乃 月

「失礼します」
「後でお茶しない?」
昭和生まれには見えないけど……俺があきれて視線を向けると敵は脈ありと見たのか一歩前に踏み出してきた。
「男に興味はありません」
男は鳩が豆鉄砲を食らったような顔で叫んだ。
「女ならいいのか? あ、なんだそうか!」
そう言いながら立ちすくんでる男を残し俺はその場を足早に立ち去った。変人にこれ以上付き合う暇はない。

 校門のところで振り向いてみると男はいなかった。口からでまかせだったのだろうか……まあ、そんな感じの奴だった。男同士でも友達になれそうもない。

 校門の向こうにはあの人がいた。敷きつめられたイチョウの葉の上に立つ一瀬玲子さんが、俺にはまるで黄金の雲の上の天女に見える。
 体験入学は在校生による学校案内で始まり、昼食後父母もまじえた説明会そして体験授業と続く。
 学校案内にはいくつかのコースがあり、あの人はマイナーな体育系の課外活動を中心としたコースの担当だった。学園では有名な存在の彼女が選ぶにしては地味なことに俺の依頼で調べた楓が驚いていた。
 受付に母さんから渡された封筒をおいて真直ぐにあの人のもとへ。多少ふらふらしたのは迷ったわけではなく緊張のせいだぞ。
「よ、よろしくお願いします」
「あら。えーっと」
そのとき受付をしていた女生徒が数枚のカードをあの人に渡した。
「もみじちゃんね」
「よ、よろしくお願いします」
まあ、もみじは呼ばれなれた名だからしかたないだろう。
「さてと。もう時間だから案内を始めましょうね」
 周りを見ると男が8名、女は俺を入れて3名だ。希望者が少なかったためもあり男子も合流していた。私立甘井学園の高等部は結構ユニークな存在である。偏差値も高く進学率も高いが、いわゆる一芸入試も採用しておりスポーツなどで秀でた生徒は優先してとっていた。彼らは少なくとも国内ではトップレベルであり、中には国際舞台で活躍するプロまでいる。姉の楓は柔道で入ったのだが、実は学業も優秀であった。
 楓いわく、
『社会とか暗記しなおすの面倒じゃん』
 俺? えーっと今日モチベーションを得られたら猛勉強開始ってところかな。

「もみじちゃん」
「へ?」
「横に来て」
「はい」
 後ろで遅れがちな俺を側に呼んでくれたのを素直に喜べない自分が恨めしい。
 なぜかって? 彼女目当てで集まった男子のうちの幾人かが俺の方にねっとりとした視線を投げかけていたのさ。母いわく、女装した俺は胸のない姉と比べて遜色ない美少女だそうだ。むろん賢明な母は楓のいないところでささやいたのだが。
 認めるのは悔しいけれど、男から見ると姉は一瀬さんとはまた違った魅力がある。もちろんその実体を知らない場合に限るけどね。
 そして女はそのあたりには敏感だ。一瀬さんはライバルを排除するのだろうか。
 それならそれでかまわない。勉強せずに済むってものだ……。
「大丈夫かしら」
一瀬さんの囁きは良い匂いと共にくる。
「なにがですか、先輩」
「玲子って呼んでも良くってよ」
「玲子先輩、なにが大丈夫なんですか?」
「なんだか心ここにあらずって顔だったから」
「そ、そんなぁ。私は真剣です」
「男どもの視線が気になるのかな? 他の10名は私目当てで集まったようだし」
「どうして?」
俺の顔は真赤だったに違いない。何しろ俺も一瀬さんが目当てなのだから。
「あら、他の10名はスポーツの経験なんてなさそうだもの」
そう言いながら一瀬さんが肩の筋肉をつかんだので俺は硬直した。
「たくましいわね」
「そんな」
「あら女の子に失礼なことをいったかな」
ここで一瀬さんは声を大きくした。
「集まったのが奇数なので私がもみじちゃんと組みます。皆さんも男女それぞれ横の人と組んでね。ではまず正式にクラブと認められている所からまわります」

<つづく>

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