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あのコがスーツを脱いだ時
女装&女体化アンソロと言う言葉にうっかり買ってみましたが、家庭教師ヒットマンREBORN!の、女装&女体化アンソロでしたw原作分からない……ああっ、オレってばもうジャンプでこんなに長期連載している漫画も把握できてないのですねorz
女装するのは主人公の綱吉くんである確率が高く、女体化の割合は少ない。
『偶然にも最悪な少年』は正統な魔法による(綱吉の)性転換モノで楽しめますね。
『YとGの悲劇』は獄寺が性転換します。
『n.』では恭弥が性転換します。
とそれなりの量もあるのですがオレ基準の評価では『割高』となりました。
女装するのは主人公の綱吉くんである確率が高く、女体化の割合は少ない。
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![]() | あのコがスーツを脱いだ時 (光彩コミックス 48) (2008/10/28) 不明 商品詳細を見る |
![]() | あのコがスーツを脱いだ時 2 (光彩コミックス) (2009/02/27) 桜瀬 なな華 商品詳細を見る |
けんぷファー 5
コミックス最新刊ナリ。
⇒読みました。白い人たちが現れたあたり。今回のナツルの見どころはお風呂ですね、お風呂。
『値段分の価値がある』でレーティング。
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トライピース 8
読みました!女装だとばらしたら偽物扱い♪
少年マンガのウエイトが更に高くなってきていますので、『割高』に仮レーティング。
少年マンガのウエイトが更に高くなってきていますので、『割高』に仮レーティング。
![]() | トライピース 8 (ガンガンコミックス) (2010/12/22) 丸 智之 商品詳細を見る |
はやぶさ Ⅰ by.isako
キャライラスト.七月ふう

Ⅰ
(1)
「伊達くん、台本が届いたわ。ミーティングまでに目を通しておいてね」
マネージャーの中山エミは年上のためか『くん』づけで呼ぶことが多い。気に入っているわけではないものの、なんとなく逆らえずそのままになっていた。
それにしても……
伊達正和は台本に手を伸ばしたまま相手から目を離せない。いつもはにこやかなエミの顔には奇妙な困惑があった。
「私の顔になにか付いてて?」
「台本に何か問題でもあるのですか」
「まあ読んでみて」
台本は伊達のデビュー作となるはずの『仮面ライダー 隼』のものだ。主人公の座こそ射止められなかったが、レギュラーとして出演予定である。
ということは、あまり良い役ではないということか。
それも仕方が無いかもしれない。仮面ライダーシリーズは若手の登竜門のようになったことがあり、今でも無名の役者にとっては魅力のある作品なのだ。伊達としては演技力があることを世に示せれば充分なので敵役でもかまわないと考えていた。
隼のあらすじは次のようなものだ。
互いに争う人類をあざ笑うように宇宙の暗黒『ダークネス』が襲来する。卓越した科学力と超人的な能力を持つ敵の尖兵の前に地球も風前の灯かと思えたとき、光の勢力アフラが太古の地球に送り込んでいたパワーブレイドが反応し、正義の心を持つ青年一色和也と合体し仮面ライダー隼1号となる。
中盤のクライマックスはダークネスが地球に落とそうとした小惑星の軌道を逸らすため1号がエネルギーを使い果たし、大気圏で燃え尽きる場面だ。
台本を開くと風間薫という登場人物に印があり、これを伊達が演じるようだ。
それにしてもどうしてこんな回りくどい……
「これって女性じゃないですか!」
睨むとエミは視線を天井にむけたまま答える。
「そういうことなの」
「まさか経歴を話したんじゃ」
伊達は実際には新人ではない。10年ほど前まで子役として有名だった。ただし女の子としてだ。『you、your、ユウ! 優ちゃんのなんでもお手伝いします』の羽津優はまだ生まれていなかった世代以外には広く知られている。
「契約にもとる行為は一切なしよ。第一会長が許すはずないじゃない」
会長の立花は子役時代に世話になった人物で伊達は信頼している。
「そりゃまあ」
「面接をした監督があなたを見てひらめいて台本を書きなおさせたそうだから、肝いりなのよ」
「この作品に出たいという女優はこの事務所にも多いでしょう?」
「台本を書き直したって言わなかったかしら。女装しているってことが後半で重要なファクターになるの」
「しかし僕の子役時代のことはお聞きでしょう」
「最初は秘密にするんだけど、ちゃんと劇中でも男であることは明かすんだから、考えようによってはあなたのトラウマを吹き飛ばせるんじゃないかしら」
「そうかなあ」
「気に入られすぎたようだから、これを断ると後がやり難いわよ。あなたも、多分会長もね」
「う~ん」
(2)
結局伊達は女装での出演に同意した。幸い秘密を守るという点では視聴者も騙したいというプロデューサーと監督の意向もあり専任のメイクさんがついたので共演者にも知られていない。だから今のところからかわれたりするトラブルはない。だたし言い寄ってくる男は結構いて伊達を辟易させた。
スタジオでの撮影、ドラマ部分とクロマキー合成のシーンは順調に進んでいたので、天候が回復した週の初めから伊達はロケ現場に来ていた。場所は長野県の山中で、今日は隼の秘密を追っている風間薫(伊達)がパワーブレイドが納められていた古代遺跡のある洞窟を訪ねるシーンだ。この時点で風間が身分を隠した政府か軍の人間らしいことは示されていた。
伊達以外はキグルミの中の人と手下を演じるスタッフだけで、風間に関わるべからずという監督の命令が行き渡っているので気楽だ。隼1号一色和也を演じる島村ジョーたち男優陣は、お構いなしに*食事や飲み会に誘うので困ってしまう。
男とバレるのではと言う不安がなくなった今は、なんだか自分の男に自身がなくなってしまう伊達であった。
楽屋がわりのキャンピングカーでロケ弁を広げようとしているとドアがノックされた。スタッフがバーベキューをするので参加しないかという誘いだ。マネージャーのエミとメイク兼スタイリストの秋月杏子は伊達にも行こうと言う。
「結構です。胡座でもかいてゆっくり食べたいですから」
「衣装に変なシワがつくから駄目です!」
「大部屋の人や撮影スッタフに好かれるのはとても大事なことだと思うわよ」
「それに皆が誘ってるのは薫ちゃんなんだから」
面倒なので伊達は女性としての芸名を役と同じ風間薫にしている。
「杏子さんこそ、人気じゃないですか」
「私のは少し種類が違うでしょ」
秋月は伊達にジャケットを羽織らせながら話す。
「薫は今はスタッフの間でもアイドルなんだから」
「からかってるようにしか聞こえませんけど」
「いえいえ、女として嫉妬してるんですよ」
「え~!」
「ねえ、エミさん」
「そうねえ、悔しくないって言えば嘘になるかもね」
「でも風間薫が役の上だけでなく、本当に男だと種明かしされる回はもうすぐ撮影でしょう」
「それ止めたら。ねえ?」
「その手もあるかしら」
「エミさん!」
そのときエミがドアを開け、杏子に背中を押され体が外に出る。そして男達の視線に気づいた伊達は自然に笑を浮かべた。
(3)
仮面ライダー隼は放送開始直後から大人気になった。主人公一色和也、隼1号を演じる島村ジョーは当然として、それ以上に注目されたのは謎の女、風間薫である。
週刊誌もスポーツ新聞もウェブの情報サイトも必死に風間の情報を求めたが、インタビューはもちろん、日常の姿を撮影することさえかなわない。そしてその秘匿性がさらに人気を高めた。
伊達としては面映いところもある。しかし正体を明かすことによるインパクトは監督の期待以上になると思いその回が来るのを心待ちにしていた。
そんなある日、伊達は監督に呼び出され、エミと共に撮影所近くのホテル最上階のラウンジに来ている。この監督が役者を呼び出すのは珍しいことではない。脚本の大幅な変更などは必ず事前に説明するのが彼のスタイルで、伊達以外のレギュラーはたいてい一度は呼ばれていた。
伊達も覚悟はしていた。あまりの人気で風間薫の出番が増え、予定のストーリーに歪が出てきている。隼1号が燃え尽きた後は出番が減る予定のキャラクターなので、このままでは無理がありすぎた。
コーヒーを前になにか考え込んでいる監督に伊達は声をかけた。
「お待たせしました」
小太りでヒゲを生やした監督は某ゲームのキャラクターに似ており、影でマリオと呼ばれている。
「うん?」
「なにか構想中ならお待ちしますが」
「ああ中山さん。失礼、いつもと姿が違うので」
マリオは男の姿のままの伊達をジロジロ見る。
「あまり風間薫の姿を見せるなって僕におっしゃったのは監督さんですよ」
「たしかにそうなんだが、まるで初対面のような気がする」
「僕はしょっちゅうお会いしてます」
「まあそう言うなって、君の演技がそれだけ完璧なのさ」
誉められて嬉しくないはずがない。
「ありがとうございます」
「特に君の……」
しばらく褒め言葉が続いた。ひょっとしてあまり良くない話なのだろうかと伊達は不安になる。人気から考えて切られることはないにしても、もう少し濃い目のラブシーンくらいはありえそうだ。島村は悪い男ではないが、抱き合いたいとは思わない。
「監督さん、ご用件は?」
と思い切って聞いてみた。
「それなんだが」
腕組みをして首をかしげられるとますます不安になる。
「ズバッと言っていただいたほうが」
「ズバッと解決するか……実は来週に予定されている撮影の台本に変更がある」
来週の撮影予定はライダーの正体を突き止めた風間薫が男だと視聴者に知らせる回だ。風間を愛してしまった一色和也、隼1号はそれを知らぬまま2回ほど後の話で燃え尽きる。そしてその後一色和也の双子の弟達也(島村の二役)が隼2号になる。風間はパワーブレイドとライダーの正体を突き止めるが、秘密を守ったまま姿を消し陰から応援する。
「出番が減るということでしたら、今までずいぶん予定より出していただいたし」
「そうじゃない。一番人気があるのは知っているだろう」
「では……」
「君に2号を演じてもらおうと思う」
さすがに冗談だと伊達は思った。ライダーを演じたい気持ちに変りはないけど、185cmを超える島村に比べると10cm以上低い。それに……
「人気が出たのは嬉しいですけど、男と明かした時点でファンの反感も買うことになるでしょうし、島村さんも納得しないでしょう」
「いや、男と明かすのは延期しようと思う」
「女性ライダーの主役は過去に例がないですよね。これまで登場しなかったのはスポンサーである玩具メイカーの要望と聞きましたが」
「当然許可はとってある」
「それに確か設定ではパワーブレイドは男性しか融合できないとお聞きしています」
「パワーブレイドは精神と感応する。愛する人を亡くした風間薫は敵を討とうと女の心を捨てるんだ」
「演じているのが男ということは発表していただけるのですか」
「それは無理」
「しかし」
「正直言って人気が出すぎたんだ。男でございます。びっくりした? といえる状況じゃない。ファンだけでなくスポンサーも含めてな」
そこまで言われれば強くは言えなかった。それに世間に公表できなくとも監督が別の作品の主役に推薦してくれるという。
「できるんでしょうか。オーディションを受けておいてなんですが、島村さんに比べれば身長もですが、かなり華奢ですよ、僕は」
「男装の麗人と言う感じになる。女性のスタントパーソンを用意した」
「それじゃまるで」
「宝塚のようだわ」
「エミさん?」
「私も見てみたいわ」
「子供たちだけでなく女性の心もとらえるぞ。人気爆発まちがいなしだな」
「やれやれ」
<つづく>
(注)
* 隼1号の最期は、はやぶさ(第20号科学衛星MUSES-C)の地球帰還と仮面ライダーの原作者石ノ森章太郎先生の作品サイボーグ009『地下帝国ヨミ編』のラストシーンから。
* パワーブレイドは、仮面ライダー剣(ブレイド)とウィッチブレイドから。

Ⅰ
(1)
「伊達くん、台本が届いたわ。ミーティングまでに目を通しておいてね」
マネージャーの中山エミは年上のためか『くん』づけで呼ぶことが多い。気に入っているわけではないものの、なんとなく逆らえずそのままになっていた。
それにしても……
伊達正和は台本に手を伸ばしたまま相手から目を離せない。いつもはにこやかなエミの顔には奇妙な困惑があった。
「私の顔になにか付いてて?」
「台本に何か問題でもあるのですか」
「まあ読んでみて」
台本は伊達のデビュー作となるはずの『仮面ライダー 隼』のものだ。主人公の座こそ射止められなかったが、レギュラーとして出演予定である。
ということは、あまり良い役ではないということか。
それも仕方が無いかもしれない。仮面ライダーシリーズは若手の登竜門のようになったことがあり、今でも無名の役者にとっては魅力のある作品なのだ。伊達としては演技力があることを世に示せれば充分なので敵役でもかまわないと考えていた。
隼のあらすじは次のようなものだ。
互いに争う人類をあざ笑うように宇宙の暗黒『ダークネス』が襲来する。卓越した科学力と超人的な能力を持つ敵の尖兵の前に地球も風前の灯かと思えたとき、光の勢力アフラが太古の地球に送り込んでいたパワーブレイドが反応し、正義の心を持つ青年一色和也と合体し仮面ライダー隼1号となる。
中盤のクライマックスはダークネスが地球に落とそうとした小惑星の軌道を逸らすため1号がエネルギーを使い果たし、大気圏で燃え尽きる場面だ。
台本を開くと風間薫という登場人物に印があり、これを伊達が演じるようだ。
それにしてもどうしてこんな回りくどい……
「これって女性じゃないですか!」
睨むとエミは視線を天井にむけたまま答える。
「そういうことなの」
「まさか経歴を話したんじゃ」
伊達は実際には新人ではない。10年ほど前まで子役として有名だった。ただし女の子としてだ。『you、your、ユウ! 優ちゃんのなんでもお手伝いします』の羽津優はまだ生まれていなかった世代以外には広く知られている。
「契約にもとる行為は一切なしよ。第一会長が許すはずないじゃない」
会長の立花は子役時代に世話になった人物で伊達は信頼している。
「そりゃまあ」
「面接をした監督があなたを見てひらめいて台本を書きなおさせたそうだから、肝いりなのよ」
「この作品に出たいという女優はこの事務所にも多いでしょう?」
「台本を書き直したって言わなかったかしら。女装しているってことが後半で重要なファクターになるの」
「しかし僕の子役時代のことはお聞きでしょう」
「最初は秘密にするんだけど、ちゃんと劇中でも男であることは明かすんだから、考えようによってはあなたのトラウマを吹き飛ばせるんじゃないかしら」
「そうかなあ」
「気に入られすぎたようだから、これを断ると後がやり難いわよ。あなたも、多分会長もね」
「う~ん」
(2)
結局伊達は女装での出演に同意した。幸い秘密を守るという点では視聴者も騙したいというプロデューサーと監督の意向もあり専任のメイクさんがついたので共演者にも知られていない。だから今のところからかわれたりするトラブルはない。だたし言い寄ってくる男は結構いて伊達を辟易させた。
スタジオでの撮影、ドラマ部分とクロマキー合成のシーンは順調に進んでいたので、天候が回復した週の初めから伊達はロケ現場に来ていた。場所は長野県の山中で、今日は隼の秘密を追っている風間薫(伊達)がパワーブレイドが納められていた古代遺跡のある洞窟を訪ねるシーンだ。この時点で風間が身分を隠した政府か軍の人間らしいことは示されていた。
伊達以外はキグルミの中の人と手下を演じるスタッフだけで、風間に関わるべからずという監督の命令が行き渡っているので気楽だ。隼1号一色和也を演じる島村ジョーたち男優陣は、お構いなしに*食事や飲み会に誘うので困ってしまう。
男とバレるのではと言う不安がなくなった今は、なんだか自分の男に自身がなくなってしまう伊達であった。
楽屋がわりのキャンピングカーでロケ弁を広げようとしているとドアがノックされた。スタッフがバーベキューをするので参加しないかという誘いだ。マネージャーのエミとメイク兼スタイリストの秋月杏子は伊達にも行こうと言う。
「結構です。胡座でもかいてゆっくり食べたいですから」
「衣装に変なシワがつくから駄目です!」
「大部屋の人や撮影スッタフに好かれるのはとても大事なことだと思うわよ」
「それに皆が誘ってるのは薫ちゃんなんだから」
面倒なので伊達は女性としての芸名を役と同じ風間薫にしている。
「杏子さんこそ、人気じゃないですか」
「私のは少し種類が違うでしょ」
秋月は伊達にジャケットを羽織らせながら話す。
「薫は今はスタッフの間でもアイドルなんだから」
「からかってるようにしか聞こえませんけど」
「いえいえ、女として嫉妬してるんですよ」
「え~!」
「ねえ、エミさん」
「そうねえ、悔しくないって言えば嘘になるかもね」
「でも風間薫が役の上だけでなく、本当に男だと種明かしされる回はもうすぐ撮影でしょう」
「それ止めたら。ねえ?」
「その手もあるかしら」
「エミさん!」
そのときエミがドアを開け、杏子に背中を押され体が外に出る。そして男達の視線に気づいた伊達は自然に笑を浮かべた。
(3)
仮面ライダー隼は放送開始直後から大人気になった。主人公一色和也、隼1号を演じる島村ジョーは当然として、それ以上に注目されたのは謎の女、風間薫である。
週刊誌もスポーツ新聞もウェブの情報サイトも必死に風間の情報を求めたが、インタビューはもちろん、日常の姿を撮影することさえかなわない。そしてその秘匿性がさらに人気を高めた。
伊達としては面映いところもある。しかし正体を明かすことによるインパクトは監督の期待以上になると思いその回が来るのを心待ちにしていた。
そんなある日、伊達は監督に呼び出され、エミと共に撮影所近くのホテル最上階のラウンジに来ている。この監督が役者を呼び出すのは珍しいことではない。脚本の大幅な変更などは必ず事前に説明するのが彼のスタイルで、伊達以外のレギュラーはたいてい一度は呼ばれていた。
伊達も覚悟はしていた。あまりの人気で風間薫の出番が増え、予定のストーリーに歪が出てきている。隼1号が燃え尽きた後は出番が減る予定のキャラクターなので、このままでは無理がありすぎた。
コーヒーを前になにか考え込んでいる監督に伊達は声をかけた。
「お待たせしました」
小太りでヒゲを生やした監督は某ゲームのキャラクターに似ており、影でマリオと呼ばれている。
「うん?」
「なにか構想中ならお待ちしますが」
「ああ中山さん。失礼、いつもと姿が違うので」
マリオは男の姿のままの伊達をジロジロ見る。
「あまり風間薫の姿を見せるなって僕におっしゃったのは監督さんですよ」
「たしかにそうなんだが、まるで初対面のような気がする」
「僕はしょっちゅうお会いしてます」
「まあそう言うなって、君の演技がそれだけ完璧なのさ」
誉められて嬉しくないはずがない。
「ありがとうございます」
「特に君の……」
しばらく褒め言葉が続いた。ひょっとしてあまり良くない話なのだろうかと伊達は不安になる。人気から考えて切られることはないにしても、もう少し濃い目のラブシーンくらいはありえそうだ。島村は悪い男ではないが、抱き合いたいとは思わない。
「監督さん、ご用件は?」
と思い切って聞いてみた。
「それなんだが」
腕組みをして首をかしげられるとますます不安になる。
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来週の撮影予定はライダーの正体を突き止めた風間薫が男だと視聴者に知らせる回だ。風間を愛してしまった一色和也、隼1号はそれを知らぬまま2回ほど後の話で燃え尽きる。そしてその後一色和也の双子の弟達也(島村の二役)が隼2号になる。風間はパワーブレイドとライダーの正体を突き止めるが、秘密を守ったまま姿を消し陰から応援する。
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「演じているのが男ということは発表していただけるのですか」
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そこまで言われれば強くは言えなかった。それに世間に公表できなくとも監督が別の作品の主役に推薦してくれるという。
「できるんでしょうか。オーディションを受けておいてなんですが、島村さんに比べれば身長もですが、かなり華奢ですよ、僕は」
「男装の麗人と言う感じになる。女性のスタントパーソンを用意した」
「それじゃまるで」
「宝塚のようだわ」
「エミさん?」
「私も見てみたいわ」
「子供たちだけでなく女性の心もとらえるぞ。人気爆発まちがいなしだな」
「やれやれ」
<つづく>
(注)
* 隼1号の最期は、はやぶさ(第20号科学衛星MUSES-C)の地球帰還と仮面ライダーの原作者石ノ森章太郎先生の作品サイボーグ009『地下帝国ヨミ編』のラストシーンから。
* パワーブレイドは、仮面ライダー剣(ブレイド)とウィッチブレイドから。
2010年11月度 総括と反省
2004年11月7日のサイト開設より 11月30日までのカウント数
(カウンター付の全サイト合計)18 079 631
2010 年
11月度解析可能データ Page View : 316,769 Visit : 143,596
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8月Page View : 364,615 Visit : 158,917
7月Page View : 369,771 Visit : 168,752 ★若干不振。夏休みなんだけどなぁ。
6月Page View : 417,447 Visit : 177,813
5月Page View : 500,234 Visit : 187,806 ★両方新記録。
4月 Page View : 395,683 Visit : 155,033
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2009 年
12月 Page View : 340,024 Visit : 140,264 年末は少なめでした。
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2 美性体のアンテナ 8.9% 11,333
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おと★娘 VOL.2
![]() | おと★娘 VOL.2 (ミリオンムック) (2011/01/25) 不明 商品詳細を見る |
バカとテストと召喚獣 木下秀吉
![]() | バカとテストと召喚獣 木下秀吉 (1/8 PVC 塗装済み完成品) (2010/12/11) アルター 商品詳細を見る |
ベージュ Lサイズ by.isako
届いたAmajonの箱を見て、過剰包装には慣れていると思っていた僕もさすがに驚いた。頼んだのは文庫本の『とある使い魔の憂鬱』とネトゲ『マスターオブ萌え』のビギナーズパッケージの二品で、A4のドキュメントボックスに軽々入る。ところが目の前にあるのは一抱えほどもあ る、引越しの役に立ちそうなダンボール箱だった。違和感ありまくりなので、受取のサインをする前に思わず宛先を確かめてしまった。まあ結局のところ僕宛だったので受け取り、箱は目の前にある。
開けると伝票には頼んだ二品以外にキャンペーン当選品と言う項目がある。ポイントがたまると、おすすめの商品や最近チェックした商品などが当たるというものだ。もちろんたいていは粗品で、例えばゲーム用のPCをチェックしていても、届くのはUSBメモリーというのがほとんどだった。
そして今回も期待できそうにない。取り出した箱は相当かさばるものの、軽くてスカスカである。とにかく開けてみることにした。
なんだこれは?
え~、なになに?
『スリムシェイパー ベージュ Lサイズ』
『わずか30秒であなたの見た目を変え、着続けることで憧れのスリムボディに仕立て上げる事ができます』
品物はともかく、サイズは明らかにミスだろう。男性であることは登録してあるし、以前バス ケット関係の品を買ったから、靴のサイズとおよその体格はわかるはずだ。
女性物が送られてきたことを不思議に思わないのはとあるサイト――性転換(TS)関係――のamajonアフィリエイトをクリックしたからだ。おかげでおすすめの品はしばらく女ものの下着だった時期がある。単なる興味本位がここに来て仇をなしたのかもしれない。
配送ミスが珍しくないAmajonは、ネット上で『あ魔女ん』とか、『このじゃま』(amajon okを逆に読むとkonojama)と揶揄されている。しかしその反面、神対応でも有名だ。つい最近も、ウォータークーラー(water cooler)を購入した客にWCとプリントしたスリッパを送り、お詫びにYOYOの最新式ウォシュレットを進呈ことがネットの話題になった。
もっともクールな友人斑目(まだらめ)によれば相手は大口の顧客で、納入したウォータークーラーは多く、ウォシュレットは一台なので十分採算がとれたらしい。
調べると値段は五千円ほどの品である。Amajonポイントになれば使いではあった。
さてと、サイズが合わぬことを連絡しておこう。いや一応商品をビニールから出して確認していたほうがよさそうだ。いまどき女装用のサイズがあっても不思議ではない。それに矯正用の下着らしいから適応サイズより小さく見えても当然かも知れない。
ここまで言えば僕が結局これを身につけたことはお察しのことだと思う。だから女装の趣味はないといまさら言っても説得力に欠けるに違いない。しかし一人きりのアパートでちょっと試しにと思うのは男として当然のような気もするが、皆さんはいかがだろうか。
ともかくいつも使う姿見に背を向けてスリムシェイパーなるものを身につけた。背を向けたのはおぞましい姿を見たくなかったから。高校時代バスケに打ち込んでいた僕の身長は185あるし、大学に入り同好会でチンタラ遊ぶだけになった今、体重は80kgを超えていた。
スリムシェイパーの素材は伸縮性に富み、女性用らしく肌ざわりも優しい。どうやらサイズで文句をつけるのは難しいと思いかけたとき急にめまいがした。正確には回ったのではなく視界が歪んだと言うのが近い。
手首のミサンガが抜け落ち、見ると手首が異様に細くなっていた。あわてて振り向くと姿見の中から素晴らしいスタイルの女性が僕を見つめ返している。
その時の僕の頭の中は白紙状態だった。これが僕とか、女性の肉体を試そうなんて考えることなどできはしない。どれほどそのまま硬直していたのかよく分からない。はっと気がついたのはドアホンが鳴ってからだった。
「おい、伊海部(いあま)」
友人の斑目の声である。
どうしようかしら。
(おしまい)
開けると伝票には頼んだ二品以外にキャンペーン当選品と言う項目がある。ポイントがたまると、おすすめの商品や最近チェックした商品などが当たるというものだ。もちろんたいていは粗品で、例えばゲーム用のPCをチェックしていても、届くのはUSBメモリーというのがほとんどだった。
そして今回も期待できそうにない。取り出した箱は相当かさばるものの、軽くてスカスカである。とにかく開けてみることにした。
なんだこれは?
え~、なになに?
『スリムシェイパー ベージュ Lサイズ』
『わずか30秒であなたの見た目を変え、着続けることで憧れのスリムボディに仕立て上げる事ができます』
品物はともかく、サイズは明らかにミスだろう。男性であることは登録してあるし、以前バス ケット関係の品を買ったから、靴のサイズとおよその体格はわかるはずだ。
女性物が送られてきたことを不思議に思わないのはとあるサイト――性転換(TS)関係――のamajonアフィリエイトをクリックしたからだ。おかげでおすすめの品はしばらく女ものの下着だった時期がある。単なる興味本位がここに来て仇をなしたのかもしれない。
配送ミスが珍しくないAmajonは、ネット上で『あ魔女ん』とか、『このじゃま』(amajon okを逆に読むとkonojama)と揶揄されている。しかしその反面、神対応でも有名だ。つい最近も、ウォータークーラー(water cooler)を購入した客にWCとプリントしたスリッパを送り、お詫びにYOYOの最新式ウォシュレットを進呈ことがネットの話題になった。
もっともクールな友人斑目(まだらめ)によれば相手は大口の顧客で、納入したウォータークーラーは多く、ウォシュレットは一台なので十分採算がとれたらしい。
調べると値段は五千円ほどの品である。Amajonポイントになれば使いではあった。
![]() | プライム 補正下着 スリムシェイパー(ベージュ・Lサイズ) () プライム(Prime) 商品詳細を見る |
さてと、サイズが合わぬことを連絡しておこう。いや一応商品をビニールから出して確認していたほうがよさそうだ。いまどき女装用のサイズがあっても不思議ではない。それに矯正用の下着らしいから適応サイズより小さく見えても当然かも知れない。
ここまで言えば僕が結局これを身につけたことはお察しのことだと思う。だから女装の趣味はないといまさら言っても説得力に欠けるに違いない。しかし一人きりのアパートでちょっと試しにと思うのは男として当然のような気もするが、皆さんはいかがだろうか。
ともかくいつも使う姿見に背を向けてスリムシェイパーなるものを身につけた。背を向けたのはおぞましい姿を見たくなかったから。高校時代バスケに打ち込んでいた僕の身長は185あるし、大学に入り同好会でチンタラ遊ぶだけになった今、体重は80kgを超えていた。
スリムシェイパーの素材は伸縮性に富み、女性用らしく肌ざわりも優しい。どうやらサイズで文句をつけるのは難しいと思いかけたとき急にめまいがした。正確には回ったのではなく視界が歪んだと言うのが近い。
手首のミサンガが抜け落ち、見ると手首が異様に細くなっていた。あわてて振り向くと姿見の中から素晴らしいスタイルの女性が僕を見つめ返している。
その時の僕の頭の中は白紙状態だった。これが僕とか、女性の肉体を試そうなんて考えることなどできはしない。どれほどそのまま硬直していたのかよく分からない。はっと気がついたのはドアホンが鳴ってからだった。
「おい、伊海部(いあま)」
友人の斑目の声である。
どうしようかしら。
(おしまい)
水曜イラスト企画 絵師 涼規じゅんさん(3) 仮名:森 慶介
一行キャラ設定 森 慶介 ロト6で一等を当てたところ怪しい美人が近づいてきて言う事を聞いているうちに女性化。
絵師:涼規じゅん http://rinrin.saiin.net/~h-apple/

水曜イラスト企画の説明はこちら。毎週1枚キャライラストをUPします。
本キャラを主人公/脇役にしたSSを募集しています。コメント欄に書き込んでください。(事故を防ぐため別途ローカル保存推奨)追加イラストを希望する場合は希望シーンに<イラスト希望>と書き込んでください。私が了承し、絵師さんも乗った場合はイラストの作成を開始します。
絵師:涼規じゅん http://rinrin.saiin.net/~h-apple/

水曜イラスト企画の説明はこちら。毎週1枚キャライラストをUPします。
本キャラを主人公/脇役にしたSSを募集しています。コメント欄に書き込んでください。(事故を防ぐため別途ローカル保存推奨)追加イラストを希望する場合は希望シーンに<イラスト希望>と書き込んでください。私が了承し、絵師さんも乗った場合はイラストの作成を開始します。
女装少年アンソロジーコミック 蒼組
![]() | 女装少年アンソロジーコミック 蒼組 (IDコミックス REXコミックス) (2010/12/27) アンソロジー 商品詳細を見る |
あなたも初音ミクになれる
http://www.nicovideo.jp/watch/sm13083588
拍手コメントより、ななしんさんんからのタレ込です。
科学に栄えあれ。
我々がアニメな女の子になれる日も、そう遠くはないようですね。
拍手コメントより、ななしんさんんからのタレ込です。
科学に栄えあれ。
我々がアニメな女の子になれる日も、そう遠くはないようですね。
![]() | Xbox 360 Kinect センサー (2010/11/20) Xbox 360 商品詳細を見る |
お嬢様のメイドくん
「雪風、あなた、女の子になりなさい」主人である咲夜お嬢様の命令で、全寮制の名門女子校・鳳翔女学院に通うことになった従者の少年・雪風。
![]() | お嬢様のメイドくん (一迅社文庫) (2010/12/18) 大樹 連司 商品詳細を見る |
ゆらぎシリーズ
少年は牝になったについて
読みました。
いやいや、これは中々の逸品。おススメのものに格上げ。
謎の少女ゆらぎに魅入られた少年はその心の奥底の願望を暴かれメスへと仕立てあげられる。
良いですねぇ。
幻想的でありながら、手術?で女体化、そして調教。
うんうん、美味しいですよ。
なかなか個性的な作品な上にエロいし、主人公かなりひどいめにあっちゃいますし、『是非、買うべし』で。あっと、玉潰しもあるよ♪肉マネキンの方も買ってみましょう。
インモラルなゆらぎさんについて
読みました。マネキンとして女装させられたり美味しい場面もあるのですが、結構ハードなのでオレの『心地よい攻められ具合』からはちょっと痛い側に外れた次第。
こちらは『マニアであれば』でレーティング。
-ゆらぎ-少年は牝になった

-インモラルなゆらぎさん-ボクは肉マネキン

20101204 少年は牝になったをレビュー
20101222 インモラルなゆらぎさんをレビュー
「君も服を脱いで、この首輪を着けなさい。望みが叶うわよ」
読みました。
いやいや、これは中々の逸品。おススメのものに格上げ。
謎の少女ゆらぎに魅入られた少年はその心の奥底の願望を暴かれメスへと仕立てあげられる。
良いですねぇ。
幻想的でありながら、手術?で女体化、そして調教。
うんうん、美味しいですよ。
自分がオナニーの為に思い浮かべた体と、同じ体を今、ボクは持っていると思うと、倒錯的な感じさえしました。
なかなか個性的な作品な上にエロいし、主人公かなりひどいめにあっちゃいますし、『是非、買うべし』で。あっと、玉潰しもあるよ♪肉マネキンの方も買ってみましょう。
インモラルなゆらぎさんについて
読みました。マネキンとして女装させられたり美味しい場面もあるのですが、結構ハードなのでオレの『心地よい攻められ具合』からはちょっと痛い側に外れた次第。
こちらは『マニアであれば』でレーティング。
-ゆらぎ-少年は牝になった

-インモラルなゆらぎさん-ボクは肉マネキン

20101204 少年は牝になったをレビュー
20101222 インモラルなゆらぎさんをレビュー
某有名RPG風
どくしゃはおんなのこになりたそうにこちらをみている
おんなのこにしますか?
はい いいえ
おんなのこにしますか?
はい いいえ
しゃーまんずさんくちゅあり
ごりぽんさんからのタレコミです。
「主人公が女装して男子禁制の巫女学園に」という、まあ、ある意味お約束な設定です。付け加えると、主人公の世話役がやっぱり女装男子(バラしても女性にすら信じてもらえないレベル)だったりします。
との事。
⇒追加情報あり。コメント参照の事♪
「主人公が女装して男子禁制の巫女学園に」という、まあ、ある意味お約束な設定です。付け加えると、主人公の世話役がやっぱり女装男子(バラしても女性にすら信じてもらえないレベル)だったりします。
との事。
⇒追加情報あり。コメント参照の事♪
![]() | しゃーまんず・さんくちゅあり ~巫女の聖域~ (2010/11/26) Windows 商品詳細を見る |
TS売れ線速報!(12/13~12/19)
先週の順位
1位 女体化保健室~Hな触診~+ぷらす!!
2位 オンナノコになりたい! もっともっと、オンナノコ編~
3位 俺の妹がこんなに可愛いわけがない(3) フィギュア「にいてんごあやせ」付
DOGスタイル (チャンピオンREDコミックス)
V6ピンクローター
さてさて、今週の1位は!確かに、女装のような感じのキャラがいない訳でもない。魔法少女プリティ☆ベル(3)
同じく1位!かなり売れています。女体化保健室~Hな触診~+ぷらす!!(同人誌)
3位は!頑張った少年マンガと女装本最新刊がおさえました!
ドリーズパーティー 2巻 オンナノコになりたい! もっともっと、オンナノコ編
1位 女体化保健室~Hな触診~+ぷらす!!
2位 オンナノコになりたい! もっともっと、オンナノコ編~
3位 俺の妹がこんなに可愛いわけがない(3) フィギュア「にいてんごあやせ」付
DOGスタイル (チャンピオンREDコミックス)
V6ピンクローター
さてさて、今週の1位は!確かに、女装のような感じのキャラがいない訳でもない。魔法少女プリティ☆ベル(3)
![]() | 魔法少女プリティ☆ベル(3) (ブレイドコミックス) (2010/12/10) KAKERU 商品詳細を見る |
同じく1位!かなり売れています。女体化保健室~Hな触診~+ぷらす!!(同人誌)
![]() | 女体化保健室~Hな触診~+ぷらす!!(同人誌) (2010/10/31) 藤井 あや 商品詳細を見る |
3位は!頑張った少年マンガと女装本最新刊がおさえました!
ドリーズパーティー 2巻 オンナノコになりたい! もっともっと、オンナノコ編
![]() | ドリーズパーティー 2巻 (ヤングキングコミックス) (2010/12/20) 山本 和生 商品詳細を見る |
![]() | オンナノコになりたい! もっともっと、オンナノコ編~ (2010/12/14) 三葉 商品詳細を見る |
1円家電のカラクリ0円・iPhoneの正体―デフレ社会究極のサバイバル学 (幻冬舎新書)
果てしない安売りの行くすえは労働者の賃金下落。
これは本当にデフレなのか、それとも新しい何かなのか。
そして生き残る為に必要なのは?
……P.161で語られる新たな商品に必要なモノ。
それは『変身、権利、承認』
あら、それってウチが読者さんたちに提供しているものではないかしら。
自分の趣味と、世の中のニーズ。うまく同期させて盛り上げていきたいですね。
これは本当にデフレなのか、それとも新しい何かなのか。
そして生き残る為に必要なのは?
……P.161で語られる新たな商品に必要なモノ。
それは『変身、権利、承認』
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自分の趣味と、世の中のニーズ。うまく同期させて盛り上げていきたいですね。
![]() | 1円家電のカラクリ0円・iPhoneの正体―デフレ社会究極のサバイバル学 (幻冬舎新書) (2010/11) 坂口 孝則 商品詳細を見る |
悪魔を呼んでみよう (30) 最終回
作.DEKOI
イラスト.神山 響
俺・・・いや、私が先日まで在学していた高校から遠く離れた場所に彷徨うようになってから、8日が経とうとしていた。
私は今はビジネスホテルを借りて生活している。2日と同じホテルに泊まっていない、流浪人の様な生活をしていた。ある理由により、私は手持ちにそれなりの額の金を得た為、この様な生活をする事を可能としていた。
そして私が流浪人の様な生活をしているのは、「彼女」に自分の居場所を見つからない様にする為である。恐らく「彼女」居場所を探ろうとするだろうが、見つかる訳にはいかないのだ。彼女自身の為に。
・・・・違うな、私が「彼女」に顔見世が出来ないと思い込んでいる為だ。
つい先日、私は「彼女」の前で本性を剥き出しにした。最後から2人目の人物を壊そうした時、「彼女」の叫びを聞いて我に返った。そして自分がしようとした事に愕然とした。
あの時の私は、『周りに居る人間全てを害そう』と考えていたのだから。暴力に酔いしれ「彼女」をも、自分よりも大切な人物を手にかけようとしていたのだから。
やはり、私は「壊レタ人間」なのだ。そんな私が「彼女」の・・・紗枝の側に居る訳にはいかない。居る資格すらない。
それ以上に、私は紗枝に拒絶される事を恐れている。だからこそ、私は紗枝の前から姿を消したのだ。
私は手荷物をまとめると、部屋を出た。エレベーターに乗りロビーがある場所まで降りている間、私はここ数日の事を思い出していた。
飯塚重治。紗枝を拉致し恥かめようとした為に、私の暴力の餌食となり、結果として精神崩壊をして廃人となった男。いま思い返してみれば、彼も哀れな存在だった。
あの傷害事件の後、私は個人的に飯塚の父親に出会った。そこで飯塚の父親は私には想像も出来ない事を口にした。
「君には感謝しているよ、あのバカを処分してくれて。」
飯塚は父や祖父のすねをかじっていた。そして学校で問題を起こす度に彼の父親はその権力を使ってもみ消していた。これは実は飯塚の事が可愛いからやっているのではなく、父親の名前に傷が付かないようにする為だけの配慮だったのだ。
飯塚はその事を理解せず、愚行を繰り返していた。父親にとって飯塚は邪魔かつ迷惑な存在にしか過ぎず、「事故でも起きていなくなって欲しい」と常々から考えていたらしい。
そしてつい先日、飯塚は私が起こした惨劇を目の当たりにして発狂してしまった。そのお蔭でもう息子の為に気苦労をしなくて助かったよ、と私の前で飯塚の父親は語っていた。嬉々とした表情で。
恐らく飯塚は父親から愛情を受けてもらってないのに気がついていたのだろう。それ故に父の虎の皮を借りて我侭な行為を繰り返していたのではないか。それが父親を困らせる為か、それとも父親が自分の事を気にかけてくれる様にする為なのかは、もう分からないが。
飯塚も私と同じく、父親の愛情を受けていなかったのだ。言わば私と飯塚は同じ立場の人間だったのだ。もしも、私と飯塚が少し前から出会い、話合ってたら友情が築かれていたかもしれない。
もっとも、これはもう想像とか妄想とかいった内容であるが。
私は飯塚の父親に退学届を提出すると、彼は私が少年院に入らなくて済む手続きと、かなりの額のお金を渡してくれた。
お金はこれからの私の生活費ではなく「謝礼金」である事、そして少年院に入らなくて済む手続きもまた彼からの「お礼」であった。
実に腐り果てた性根である。言外には出さないが、「実の息子を廃人にしてくれてありがとう」と言っているも同然の行為をしたのだ、飯塚の父親は。親としては、私の父以上に失格な存在であろう。
お金を受け取らない事も考えていたが、直ぐにでもいま住んでいる市街から出て行くことを考えていた私は、内心かなり苛つきながらもお金を受け取ってその場を後にした。
そしてアパートを引き払うと私は流浪の、いや紗枝から逃げる為の生活をする事になったのだ。
その様な事を考えている内に、エレベーターは止まりロビーのある広間に出た。私は手早くチェックアウトの申請を終えると、外に向かって歩き出した。
私はふと、紗枝は今どうしていのかなと考えた。あの惨劇を目にして心が沈んでいるだろうが、立ち直ってくれているだろうか?私という恐怖の対象が居なくなって清々としているだろうか?それとも私が居なくなって寂しい思いをしているのだろうか?
どちらにしても、私は紗枝にもう二度と会うつもりは無い。今は日本にいるが、2週間以内には海外に出る事ができるパスポートが発行される筈だ。そうしたら私は日本を離れるつもりでいる。そして二度と日本の土を踏む事なく人生を終えるつもりだ。彼女に永遠に会うことは無くなるだろう。
・・・・。本音を言えば、紗枝に会いたいという気持ちは今も強く胸に抱いている。もう一度彼女を抱きしめて、彼女の感触を、匂い味わいたい。彼女の笑みを見つめていたい。
しかし紗枝の幸せを考えれば、私という存在はもう彼女に関わる様な事はするべきではないのだ。
それでいい、と私は思っている。いや思い込もうとしている。全ては紗枝の為なのだ。そう思い込まないと、私は自分の心に押し潰される。彼女に会えなく、寂しいという思いに。
暗澹たる思いを抱きつつ私はホテルの勝手口から外に出た。いつの間にかうつむいてた顔を上げた。
上がった視線の先には一本の細い街路樹が生えていた。その前に、1人の人物が私の方を向いて立っている。その人物は、
「馬鹿な・・・。」
思わず私は独白した。何故だ、どうして何だ。
会いたいと思っていた。それでも会ってはならないとその思いを封じ込めていた。二度と会わないと決意していた。
なのに、何故お前がここに居る。何故、君が私の前に立っている。
どこか私を咎める目で。なのに笑みを浮かべながら。私を見つめているその人物。
石塚 紗枝。
私にとって誰よりも大切な人。自らの命よりも大切な人。だからこそ私は君の前から立ち去ったのに。
「何故・・・君が、ここに居る?」
呆然としながら、愕然としながら私は彼女に声をかけた。
「いいでしょ。そんな事。」
対して彼女は笑みを浮かべながら私の方を歩いてくる。反射的に私は後ずさりをしていた。
「逃げないで。」
紗枝が私の行動を察してか、釘を刺すように声を出した。その言葉に私の身体は膠着する。
彼女は、紗枝はそんな私のすぐ前に立った。久しぶりに見るまじかに居る彼女。その顔は少し怒っている様に見えた。
「10日・・・ううん11日振りね。久しぶりでない筈だけど、何か久しぶりな感じがするね。」
「そうだ・・・ね。」
紗枝の言葉に私は口を濁す。
「わたしね、貴方が武術を習っていた先生に会ったの。そして貴方の事を聞いてきた。」
「そうか・・・。なら、分かっているのだろう?」
「貴方が、人を傷つけるのに喜びを感じる人だって事を、ね。」
「そうだ。私は・・・俺は、人として間違っている人間だ。だから・・・」
「だから何よ!」
突然怒鳴り声をあげる紗枝。俺は萎縮した様に身を震わせた。
彼女は怒っているようで、泣いているような複雑な表情で俺を睨む。両目の端に涙が浮かんでいるのが分かる位、俺と紗枝は接近していた。
「貴方が居なくなって、わたしがどんなに辛いと思ったと思うの?一枚の便箋しか用意しないで勝手にわたしの前から居なくなって!」
「しかし、俺は!君を・・・紗枝を傷つけたくない!君には幸せになって欲しい、しかし俺では君を不幸にする事しかできないんだ!」
「そんな事ないよ!貴方が居なくなることが、わたしには一番不幸だって事に何で分からないの?貴方が居ないのがわたしには一番、一番辛いって事に!」
紗枝の言葉に俺は衝撃を受けた。
俺は自分が紗枝の側に居る事が不幸にすると思っていた。しかし紗枝は俺が居ない事がもっとも不幸だと言ってきた。
そんな馬鹿な。人間として破綻した俺が、君の側に居ていい筈がない。君を幸せに出来るはずがない。
「だけど俺はあの時、君を壊そうとも考えていたんだ。俺が君の側に居ては・・・何れ俺は君を傷つけ、『壊そう』とする。だからこそ俺は・・・」
「でもあの時、飯塚先輩がわたしを辱めようとした時、貴方は真っ先に駆けつけてくれた。その時、貴方は怒っている様に見えた。それは何故?」
「それは・・・」
そうだ、あの時俺は怒っていた。自分よりも大事な人を辱めようとした奴等に対して怒りを感じていた。あれは自分以外が紗枝を壊そうとしているのに怒っていたのか?
違う、決して違う。紗枝を傷つけようとする奴等に対して、紗枝を守りたいと思っていたからこそ感じた怒りだった。
あの後、暴力を振るう事に対する愉悦が俺を支配したが、羽交い絞めにされている紗枝を見た瞬間は、間違いなく彼女を守りたいが故の怒りを感じていた―――!
「誰だって暴力をふるえば、自分よりも弱い人を甚振るのを楽しいと思う感情は誰にでもある。貴方だけじゃない、わたしにだってそれはある。」
「紗枝・・・。」
「貴方は、その感情を恥じている。それは貴方が誰よりも優しいから。本当に誰一人として他人を傷つけたくないと思っているからこそ、その感情を強く封じ込めている。だから一度その蓋が剥がれてしまうと、人を傷つける事に喜びを見出す感情が強く表れてしまう。ただ、それだけなの。」
「・・・。」
「だから自分をそんなに追い込まないで。貴方は、貴方は自分で思っている以上に普通の、他の人と同じ人なの。」
「俺は・・・。」
「それでも貴方がその事を恐れているなら、わたしが止める。貴方を止めてみせる。だから、お願い。わたしの前から居なくならないで!」
紗枝はそう言うと、俺に抱きついてきた。俺の耳に嗚咽が流れ込み、胸元を彼女の涙が濡らしていくのを感じていた。
俺が普通だと・・・?そんな事がある筈ない、そう思っていた。
だが紗枝は、そんな俺を認めてくれた。俺は普通なんだと。そして俺が暴走したら止めてくれると。
「はは・・・」
俺を認めてくれる。自分が狂っていると、壊れていると思っている自分を、誰よりも大切と思っている人が認めてくれた。
目から熱い物がこみ上げてくる。これが一体何なのか自分でも分からない。生まれて始めて認識する思い。
「はは・・ははは・・・」
ああそうか。これが涙なのか。あの男に虐げられていた時も流した事がなかったのに。何故に今、流れようとしているんだ。
「はははははは・・・・」
口から笑い声が流れる。そうか、そうなのか。人間ってのは不思議な生物なのだな。
心から嬉しい、心から喜びを感じる時でも、涙とは流れるものなのか――――――――!!!
「馬鹿だな、紗枝は。こんな俺を認めるだなんて。」
「当たり前でしょ。わたしは貴方の事が、『好き』なんだから。」
「俺の事が?」
「ずっと前から。わたしが男の時からずっと貴方を意識していた。でも同性だからわたしはそんな事を感じている事すら理解していなかった。」
「男の時から・・・か?」
「だからわたしは女になったの。男では絶対に叶えられない、だけど女であれば叶えられる願いを持っていたから。」
「そんなまさか・・・。」
「だから、今のわたしは幸せなの。本当の願いが叶ったから。貴方に、義一君に自分の思いを告げられるという願いが―――――」
俺は紗枝を、心から『愛しい』と感じる人を抱きしめた。1年前以来に味わう彼女の身体の感触を、匂いを味わう。
そうだとも、俺も紗枝を愛している。少女の姿として俺の前に現れたその時からずっと、ずっと。
何と俺は愚かだったのだろうか。自分がまず幸せを感じなくては、他人に幸せを与える事など出来る筈がない。そんな当たり前の事を理解していなかったのだ。
目の前の少女が俺を強く抱きしめてくる。俺も彼女を抱きしめる。俺達はただ、そうしているだけで幸せを共感していた。
*****************************************************************
やれやれ。人間とは面倒なものである。
私が潜んでいる木のすぐ下で、私との契約者とその思い人が抱き合っているのを見つつ、私はそう思った。
どうせなら勢いに任せて接吻くらいしろとか思うが、まあ朝早いとはいえ人通りもあるしな。そこまでは至らんだろうか。
さてここまでが私が最初に語った「一味変わった内容」のお話だ。如何だったかな?
荒唐無稽な話だって?そらまあ悪魔なんつう者が関われば、どこかおかしい話になるわなぁ。
あ?ここに基本的に掲載されているエロいR-18ネタはないの、かだと?五月蝿いな、無かったんだからしょうがねぇべや。未遂はあったけど起こらんかったし。
さて皆の衆、悪魔の願い事には「3つの願い」が基本なのを知ってるかね?え?それはランプの話だろ??気にするな、そんな事。似たようなもんだ。
我は契約者、石塚さとる改め石塚紗枝に既に2つ願い事を叶えた。
1つ目は「刺激的な人生を与える事」。まあそれは女性化して人生観が一変した事で叶えたと言えるだろう。
2つ目は「笹田義一の今の居場所を教える事」。まあそれの結果は私の下に居る2人の状況という訳で。
さて、ここで我は勝手に3つ目の願いを叶えてやろうと思う。恐らく今後、石塚紗枝が私を呼び出す事はないだろうから、まあ勝手に叶えさせてもらおう。いらぬお世話かもしれんがね。
どんな願いだって?それはこんなのさ。
『2人の今後に、幸があらん事を。』
・・・ん、なんだい?「悪魔」が何を叶えているのさ、だって?何を言っているんだい。
悪魔が他人の幸せを願うのが悪いなんて、誰が言ったんだい?

<おしまい>
イラスト.神山 響
俺・・・いや、私が先日まで在学していた高校から遠く離れた場所に彷徨うようになってから、8日が経とうとしていた。
私は今はビジネスホテルを借りて生活している。2日と同じホテルに泊まっていない、流浪人の様な生活をしていた。ある理由により、私は手持ちにそれなりの額の金を得た為、この様な生活をする事を可能としていた。
そして私が流浪人の様な生活をしているのは、「彼女」に自分の居場所を見つからない様にする為である。恐らく「彼女」居場所を探ろうとするだろうが、見つかる訳にはいかないのだ。彼女自身の為に。
・・・・違うな、私が「彼女」に顔見世が出来ないと思い込んでいる為だ。
つい先日、私は「彼女」の前で本性を剥き出しにした。最後から2人目の人物を壊そうした時、「彼女」の叫びを聞いて我に返った。そして自分がしようとした事に愕然とした。
あの時の私は、『周りに居る人間全てを害そう』と考えていたのだから。暴力に酔いしれ「彼女」をも、自分よりも大切な人物を手にかけようとしていたのだから。
やはり、私は「壊レタ人間」なのだ。そんな私が「彼女」の・・・紗枝の側に居る訳にはいかない。居る資格すらない。
それ以上に、私は紗枝に拒絶される事を恐れている。だからこそ、私は紗枝の前から姿を消したのだ。
私は手荷物をまとめると、部屋を出た。エレベーターに乗りロビーがある場所まで降りている間、私はここ数日の事を思い出していた。
飯塚重治。紗枝を拉致し恥かめようとした為に、私の暴力の餌食となり、結果として精神崩壊をして廃人となった男。いま思い返してみれば、彼も哀れな存在だった。
あの傷害事件の後、私は個人的に飯塚の父親に出会った。そこで飯塚の父親は私には想像も出来ない事を口にした。
「君には感謝しているよ、あのバカを処分してくれて。」
飯塚は父や祖父のすねをかじっていた。そして学校で問題を起こす度に彼の父親はその権力を使ってもみ消していた。これは実は飯塚の事が可愛いからやっているのではなく、父親の名前に傷が付かないようにする為だけの配慮だったのだ。
飯塚はその事を理解せず、愚行を繰り返していた。父親にとって飯塚は邪魔かつ迷惑な存在にしか過ぎず、「事故でも起きていなくなって欲しい」と常々から考えていたらしい。
そしてつい先日、飯塚は私が起こした惨劇を目の当たりにして発狂してしまった。そのお蔭でもう息子の為に気苦労をしなくて助かったよ、と私の前で飯塚の父親は語っていた。嬉々とした表情で。
恐らく飯塚は父親から愛情を受けてもらってないのに気がついていたのだろう。それ故に父の虎の皮を借りて我侭な行為を繰り返していたのではないか。それが父親を困らせる為か、それとも父親が自分の事を気にかけてくれる様にする為なのかは、もう分からないが。
飯塚も私と同じく、父親の愛情を受けていなかったのだ。言わば私と飯塚は同じ立場の人間だったのだ。もしも、私と飯塚が少し前から出会い、話合ってたら友情が築かれていたかもしれない。
もっとも、これはもう想像とか妄想とかいった内容であるが。
私は飯塚の父親に退学届を提出すると、彼は私が少年院に入らなくて済む手続きと、かなりの額のお金を渡してくれた。
お金はこれからの私の生活費ではなく「謝礼金」である事、そして少年院に入らなくて済む手続きもまた彼からの「お礼」であった。
実に腐り果てた性根である。言外には出さないが、「実の息子を廃人にしてくれてありがとう」と言っているも同然の行為をしたのだ、飯塚の父親は。親としては、私の父以上に失格な存在であろう。
お金を受け取らない事も考えていたが、直ぐにでもいま住んでいる市街から出て行くことを考えていた私は、内心かなり苛つきながらもお金を受け取ってその場を後にした。
そしてアパートを引き払うと私は流浪の、いや紗枝から逃げる為の生活をする事になったのだ。
その様な事を考えている内に、エレベーターは止まりロビーのある広間に出た。私は手早くチェックアウトの申請を終えると、外に向かって歩き出した。
私はふと、紗枝は今どうしていのかなと考えた。あの惨劇を目にして心が沈んでいるだろうが、立ち直ってくれているだろうか?私という恐怖の対象が居なくなって清々としているだろうか?それとも私が居なくなって寂しい思いをしているのだろうか?
どちらにしても、私は紗枝にもう二度と会うつもりは無い。今は日本にいるが、2週間以内には海外に出る事ができるパスポートが発行される筈だ。そうしたら私は日本を離れるつもりでいる。そして二度と日本の土を踏む事なく人生を終えるつもりだ。彼女に永遠に会うことは無くなるだろう。
・・・・。本音を言えば、紗枝に会いたいという気持ちは今も強く胸に抱いている。もう一度彼女を抱きしめて、彼女の感触を、匂い味わいたい。彼女の笑みを見つめていたい。
しかし紗枝の幸せを考えれば、私という存在はもう彼女に関わる様な事はするべきではないのだ。
それでいい、と私は思っている。いや思い込もうとしている。全ては紗枝の為なのだ。そう思い込まないと、私は自分の心に押し潰される。彼女に会えなく、寂しいという思いに。
暗澹たる思いを抱きつつ私はホテルの勝手口から外に出た。いつの間にかうつむいてた顔を上げた。
上がった視線の先には一本の細い街路樹が生えていた。その前に、1人の人物が私の方を向いて立っている。その人物は、
「馬鹿な・・・。」
思わず私は独白した。何故だ、どうして何だ。
会いたいと思っていた。それでも会ってはならないとその思いを封じ込めていた。二度と会わないと決意していた。
なのに、何故お前がここに居る。何故、君が私の前に立っている。
どこか私を咎める目で。なのに笑みを浮かべながら。私を見つめているその人物。
石塚 紗枝。
私にとって誰よりも大切な人。自らの命よりも大切な人。だからこそ私は君の前から立ち去ったのに。
「何故・・・君が、ここに居る?」
呆然としながら、愕然としながら私は彼女に声をかけた。
「いいでしょ。そんな事。」
対して彼女は笑みを浮かべながら私の方を歩いてくる。反射的に私は後ずさりをしていた。
「逃げないで。」
紗枝が私の行動を察してか、釘を刺すように声を出した。その言葉に私の身体は膠着する。
彼女は、紗枝はそんな私のすぐ前に立った。久しぶりに見るまじかに居る彼女。その顔は少し怒っている様に見えた。
「10日・・・ううん11日振りね。久しぶりでない筈だけど、何か久しぶりな感じがするね。」
「そうだ・・・ね。」
紗枝の言葉に私は口を濁す。
「わたしね、貴方が武術を習っていた先生に会ったの。そして貴方の事を聞いてきた。」
「そうか・・・。なら、分かっているのだろう?」
「貴方が、人を傷つけるのに喜びを感じる人だって事を、ね。」
「そうだ。私は・・・俺は、人として間違っている人間だ。だから・・・」
「だから何よ!」
突然怒鳴り声をあげる紗枝。俺は萎縮した様に身を震わせた。
彼女は怒っているようで、泣いているような複雑な表情で俺を睨む。両目の端に涙が浮かんでいるのが分かる位、俺と紗枝は接近していた。
「貴方が居なくなって、わたしがどんなに辛いと思ったと思うの?一枚の便箋しか用意しないで勝手にわたしの前から居なくなって!」
「しかし、俺は!君を・・・紗枝を傷つけたくない!君には幸せになって欲しい、しかし俺では君を不幸にする事しかできないんだ!」
「そんな事ないよ!貴方が居なくなることが、わたしには一番不幸だって事に何で分からないの?貴方が居ないのがわたしには一番、一番辛いって事に!」
紗枝の言葉に俺は衝撃を受けた。
俺は自分が紗枝の側に居る事が不幸にすると思っていた。しかし紗枝は俺が居ない事がもっとも不幸だと言ってきた。
そんな馬鹿な。人間として破綻した俺が、君の側に居ていい筈がない。君を幸せに出来るはずがない。
「だけど俺はあの時、君を壊そうとも考えていたんだ。俺が君の側に居ては・・・何れ俺は君を傷つけ、『壊そう』とする。だからこそ俺は・・・」
「でもあの時、飯塚先輩がわたしを辱めようとした時、貴方は真っ先に駆けつけてくれた。その時、貴方は怒っている様に見えた。それは何故?」
「それは・・・」
そうだ、あの時俺は怒っていた。自分よりも大事な人を辱めようとした奴等に対して怒りを感じていた。あれは自分以外が紗枝を壊そうとしているのに怒っていたのか?
違う、決して違う。紗枝を傷つけようとする奴等に対して、紗枝を守りたいと思っていたからこそ感じた怒りだった。
あの後、暴力を振るう事に対する愉悦が俺を支配したが、羽交い絞めにされている紗枝を見た瞬間は、間違いなく彼女を守りたいが故の怒りを感じていた―――!
「誰だって暴力をふるえば、自分よりも弱い人を甚振るのを楽しいと思う感情は誰にでもある。貴方だけじゃない、わたしにだってそれはある。」
「紗枝・・・。」
「貴方は、その感情を恥じている。それは貴方が誰よりも優しいから。本当に誰一人として他人を傷つけたくないと思っているからこそ、その感情を強く封じ込めている。だから一度その蓋が剥がれてしまうと、人を傷つける事に喜びを見出す感情が強く表れてしまう。ただ、それだけなの。」
「・・・。」
「だから自分をそんなに追い込まないで。貴方は、貴方は自分で思っている以上に普通の、他の人と同じ人なの。」
「俺は・・・。」
「それでも貴方がその事を恐れているなら、わたしが止める。貴方を止めてみせる。だから、お願い。わたしの前から居なくならないで!」
紗枝はそう言うと、俺に抱きついてきた。俺の耳に嗚咽が流れ込み、胸元を彼女の涙が濡らしていくのを感じていた。
俺が普通だと・・・?そんな事がある筈ない、そう思っていた。
だが紗枝は、そんな俺を認めてくれた。俺は普通なんだと。そして俺が暴走したら止めてくれると。
「はは・・・」
俺を認めてくれる。自分が狂っていると、壊れていると思っている自分を、誰よりも大切と思っている人が認めてくれた。
目から熱い物がこみ上げてくる。これが一体何なのか自分でも分からない。生まれて始めて認識する思い。
「はは・・ははは・・・」
ああそうか。これが涙なのか。あの男に虐げられていた時も流した事がなかったのに。何故に今、流れようとしているんだ。
「はははははは・・・・」
口から笑い声が流れる。そうか、そうなのか。人間ってのは不思議な生物なのだな。
心から嬉しい、心から喜びを感じる時でも、涙とは流れるものなのか――――――――!!!
「馬鹿だな、紗枝は。こんな俺を認めるだなんて。」
「当たり前でしょ。わたしは貴方の事が、『好き』なんだから。」
「俺の事が?」
「ずっと前から。わたしが男の時からずっと貴方を意識していた。でも同性だからわたしはそんな事を感じている事すら理解していなかった。」
「男の時から・・・か?」
「だからわたしは女になったの。男では絶対に叶えられない、だけど女であれば叶えられる願いを持っていたから。」
「そんなまさか・・・。」
「だから、今のわたしは幸せなの。本当の願いが叶ったから。貴方に、義一君に自分の思いを告げられるという願いが―――――」
俺は紗枝を、心から『愛しい』と感じる人を抱きしめた。1年前以来に味わう彼女の身体の感触を、匂いを味わう。
そうだとも、俺も紗枝を愛している。少女の姿として俺の前に現れたその時からずっと、ずっと。
何と俺は愚かだったのだろうか。自分がまず幸せを感じなくては、他人に幸せを与える事など出来る筈がない。そんな当たり前の事を理解していなかったのだ。
目の前の少女が俺を強く抱きしめてくる。俺も彼女を抱きしめる。俺達はただ、そうしているだけで幸せを共感していた。
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やれやれ。人間とは面倒なものである。
私が潜んでいる木のすぐ下で、私との契約者とその思い人が抱き合っているのを見つつ、私はそう思った。
どうせなら勢いに任せて接吻くらいしろとか思うが、まあ朝早いとはいえ人通りもあるしな。そこまでは至らんだろうか。
さてここまでが私が最初に語った「一味変わった内容」のお話だ。如何だったかな?
荒唐無稽な話だって?そらまあ悪魔なんつう者が関われば、どこかおかしい話になるわなぁ。
あ?ここに基本的に掲載されているエロいR-18ネタはないの、かだと?五月蝿いな、無かったんだからしょうがねぇべや。未遂はあったけど起こらんかったし。
さて皆の衆、悪魔の願い事には「3つの願い」が基本なのを知ってるかね?え?それはランプの話だろ??気にするな、そんな事。似たようなもんだ。
我は契約者、石塚さとる改め石塚紗枝に既に2つ願い事を叶えた。
1つ目は「刺激的な人生を与える事」。まあそれは女性化して人生観が一変した事で叶えたと言えるだろう。
2つ目は「笹田義一の今の居場所を教える事」。まあそれの結果は私の下に居る2人の状況という訳で。
さて、ここで我は勝手に3つ目の願いを叶えてやろうと思う。恐らく今後、石塚紗枝が私を呼び出す事はないだろうから、まあ勝手に叶えさせてもらおう。いらぬお世話かもしれんがね。
どんな願いだって?それはこんなのさ。
『2人の今後に、幸があらん事を。』
・・・ん、なんだい?「悪魔」が何を叶えているのさ、だって?何を言っているんだい。
悪魔が他人の幸せを願うのが悪いなんて、誰が言ったんだい?

<おしまい>