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悪魔を呼んでみよう (21)

私の父は気狂いとも言うべき人だった。
父は外交上は真面目で誠実な人のふりをしていたが、家庭内では最悪な人間と言えた。外でのフラストレーションを発散する為に、母と私を物理的にも精神的にも甚ぶり(いたぶり)、その行為を楽しんでいた。

母は忍耐強い人だった。否、致命的なほど忍耐強すぎた人だった。
母は父の暴力を耐え忍んでいた。私がまだ幼い子供だった為に。私がこの家庭から出て行ける年齢になるまで必死に耐えていた。

私の父は卑怯で卑劣な人間だった。
母が父の暴力に耐えている理由を理解した上で、更なる過酷な暴力を与えるようになっていた。

私はそんな2人の間で育った。母からは愛情と、父からは虐待を受けながら。



ある日、父は仕事の関係の事柄でトラブルを起こし、ある取引を破談させてしまった。
その事を怒り、母に対して今までにした事がない程の暴力を母にふるった。
しばらく殴り続けていた父であったが、暫らくすると驚いた表情を浮かべて床に倒れている母から離れた。
母は目を開いた状態でまばたき1つせず、身動き1つせずに倒れていた。

・・・・後で気がついたの事なのだが、母はこの時点で死んでしまっていた。

父は狂気を宿した目でドアの側に隠れてその様子を見ていた私を見つけると、襲いかかると表現していいと思える勢いで私に近づいてきた。
恐怖を覚えた私は逃げ惑ったが、遂に台所で追い詰めれた。
父は何かをうなりながら私の首に手をかけると、強い力で締め上げ始めた。
苦しむ私は必死になって腕を動かした。その手に何かが当たるのを感じると、何も考えずにそれを掴んで父の手を目掛けて振り下ろした。
父は悲鳴をあげながら私から離れた。私に手には、一本の包丁が握られていた。

父はうめき声を挙げながら私を恐怖で濁った目で見つめた。
その表情を見た私の内に、鎌首を上げながら何かが持ち上げてきたのを感じた。
私は素早く父に近づくと、今度は切りつけたとは別の父の手を切りつけた。
父は再び悲鳴を挙げた。その声に私は心地よさを感じていた。

今度は父が私から逃げ惑い始めた。私は父に追いすがると手に持った包丁で切りつけ続けた。
大量の出血の為に少しづつ動きが緩慢になった父は、とうとう洗面所で倒れ伏した。
「許してくれ」「助けてくれ」と自分の子供に命乞いをしながら恐怖に彩られた顔で私を見る父に、私は上に跨り。腕を振り上げて。

切った。
手を腕を脚を足を胸を腹を顔を頭を。

父の身体を。
胸を切った。腹を刺した。指を刻んだ。耳を削いだ。口を裂いた。目を抉った。

口から何かが漏れ出るのを抑えようとせず。

内から湧き上がる衝動に赴くままに。

徐々に悲鳴すら挙げれなくなってきた父と言う名だった「物体」を。

手に持った包丁が真っ赤に染め上げられても。

目の前の物体から噴出す赤い血液をその身に浴びながら。

私は手に持っている包丁を。

振り下ろして振り下ろして振り下ろして振り下ろして振り下ろして振り下ろして。

口から湧き出る声を更に張り上げ、高まる胸の内の衝動の赴くままに。

振り下ろし続けた。


一体「行為」を何回繰り返したのだろうか。
次第に原型を留めなくなってきた「物体」から一際激しく赤い液体が迸り、目の中に入った。
私は反射的に顔を上に上げて、そこで。見た。
視線の先には鏡が置いてあり、鏡には私の顔が映しだされていた。
顔一面に赤い液体、父の血にまみれて真っ赤に染まった自分の顔が。
そして「満面の何か」を顔に浮かべている自分の顔を。


私は戦慄した。自分が何をしていたのか、そして数瞬前まで口から漏れ出ていたのが一体何だったのかにようやく気がついた。
まるで毒物を食べたかの様に、胃から液体がこみ上げてきるのを感じる。
それを吐き出す為に下を向く私の視線に、今までまたがい切り刻み、とっくに息を引き取っている「物体」が飛び込んできた。

その物体は中年の男性ではなく。


その物体は中年の男性ではなく。
緑色がかった髪の少女だと気がつく。

その事が分かった直後に、私は絶叫した。

<つづく>

フフ、下手っぴだなあ。カイジくんは

欲望を解放するのが実に下手。
本当は性転換手術を受けたいんだろ?
そうしてできた膣に思いっきりバイブを突っ込みたい。そうだろ。
だけど、それはあまりに値が張るから、こんなしょぼい女装してオナニーで誤魔化そうっていうんだ。
ダメなんだよ、そういうのが実にダメ!

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