Latest Entries
TS売れ線速報!(1/24~1/30)
1位 トランスガール―変質系少女―
2位 コミックアンリアル 2011年2月号 Vol.29
3位 チャンピオン RED (レッド) いちご 2011年 01月号
さてさて、今週の1位は!
強い!圧倒的に強い!チェンジH red (TSコミックス)
2位は!通常週なら断トツ1位でもおかしくない!目覚めると従姉妹を護る美少女剣士になっていた (あとみっく文庫)
3位は!女装系雑誌だ!おと★娘 VOL.2 (ミリオンムック)
4位のこれも結構数出てます。あめのちはれ 4 (B's-LOG COMICS)
2位 コミックアンリアル 2011年2月号 Vol.29
3位 チャンピオン RED (レッド) いちご 2011年 01月号
さてさて、今週の1位は!
強い!圧倒的に強い!チェンジH red (TSコミックス)
![]() | チェンジH red (TSコミックス) (2011/01/28) 甘詰 留太、ポン貴花田 他 商品詳細を見る |
2位は!通常週なら断トツ1位でもおかしくない!目覚めると従姉妹を護る美少女剣士になっていた (あとみっく文庫)
![]() | 目覚めると従姉妹を護る美少女剣士になっていた (あとみっく文庫) (2011/01/25) 狩野景 商品詳細を見る |
3位は!女装系雑誌だ!おと★娘 VOL.2 (ミリオンムック)
![]() | おと★娘 VOL.2 (ミリオンムック) (2011/01/25) 不明 商品詳細を見る |
4位のこれも結構数出てます。あめのちはれ 4 (B's-LOG COMICS)
![]() | あめのちはれ 4 (B's-LOG COMICS) (2011/01/31) びっけ 商品詳細を見る |
初心者・未読者はこれを買え!!(1)
端的にTS本のお勧め度合いを表現するには点数表記がもっともシンプルです。
長年、TS本の魅力をどの評価軸で測るべきかを検討していたわたしですが、ついに一応の結論を得ました。主人公の造形(Beauty)、変身前後の格差(Gap)、エロさ(Eroticizm)、本の中のTS作品の占める量(Volume)、ストーリーの個性(Originality)、オレの個人的好み(Special bonus)を各5点満点で評価し、合計を30点満点としました。
これで順番をソートすれば全TSがオレの評価で順番に並びますので、オレの評価を信じる人は上から順番に、買ってないモノを買っていけば手間隙かけたり悩んだりせずに、ランダムでTS本を買うよりは高い効用が得られるのではないかと思います。
合計 B G E V O S
DOLL 30 5 5 5 5 5 5
マヴカレ魔法少女 30 5 5 5 5 5 5
ミカエル計画 Vol.1~2 30 5 5 5 5 5 5
トランス・ヴィーナス 29 5 5 4 5 5 5
電想幻士ミルキューア 29 5 4 5 5 5 5
目が覚めたら潮吹きお姉ちゃんになっちゃった29 5 5 5 5 4 5
CHANGE 1~2 29 5 4 5 5 5 5
アルケミラの雫 29 5 4 5 5 5 5
魂の鎖 29 5 5 5 5 5 4
めちゃLOVE☆ 28 5 5 5 3 5 5
FLORA ComiX 28 5 5 5 3 5 5
魔法少年マジョーリアン 28 5 5 3 5 5 5
淫惑メタモルフォーゼ 27 5 4 4 4 5 5
いもーと・もーど 27 5 5 5 2 5 5
成城紅茶館の事情 27 5 5 2 5 5 5
先輩とぼく 27 5 5 2 5 5 5
レディエキセントリック 27 5 2 5 5 5 5
おねがいフィギュアちゃん 27 4 4 4 5 5 5
俺はオンナだ!? 27 4 3 5 5 5 5
女の子? 初回限定版 27 4 5 5 3 5 5
Blue Berry(女装) 27 4 4 5 5 5 4
白濁の翼 ~アザナエル~ 26 5 5 5 1 5 5
僕と彼女の××× 1~5 26 5 4 2 5 5 5
コピペ! 26 4 3 5 4 5 5
ラブ・モルモット 26 4 4 4 4 5 5
感じさせてBABY 1 26 4 5 5 2 5 5
娘々薬師! 26 4 5 5 2 5 5
みずほアンビバレンツ(女装) 26 5 4 2 5 5 5
電撃エクスチェンジ 26 4 4 4 5 5 4
Baby, I love you. 25 5 5 5 1 4 5
メイドいんジャパン (女装) 25 5 3 2 5 5 5
おんなのこくらぶ 25 5 4 5 1 5 5
少年少女evolution 25 5 5 4 2 4 5
ブロッケンブラッド(女装) 25 5 3 2 5 5 5
桜ish 1―推定魔法少女 25 5 4 1 5 5 5
おキツネさまでChu 1 25 4 3 3 5 5 5
コスチュームパラダイス 25 4 5 4 2 5 5
トラブル・カルテット 25 4 5 4 2 5 5
気まぐれバニーの冒険 25 4 4 4 3 5 5
緋色の犠牲たち 25 4 5 5 2 5 4
絶対☆アイドル 24 5 4 1 5 4 5
あらいめんとゆーゆー 24 5 3 5 1 5 5
Cheer up! 24 5 3 4 2 5 5
あかねちゃん OD 24 4 3 2 5 5 5
けんぷファー〈1〉 24 4 3 2 5 5 5
コンビニん 24 4 3 3 4 5 5
たるとミックス! 24 4 4 1 5 5 5
プリティフェイス 24 4 3 2 5 5 5
ぼくのプリンときみのチョコ 24 4 4 1 5 5 5
ランジェリー・パブリシティ 24 4 4 1 5 5 5
一年生になっちゃったら 24 4 4 1 5 5 5
電脳娼婦 24 4 4 4 2 5 5
BODY / LIFE 24 4 4 4 2 5 5
狂的科学倶楽部 24 3 3 5 3 5 5
ツインテール(女装) 24 3 5 3 5 5 3
インモラル・ラブ 23 5 4 4 1 4 5
かしまし~ガール・ミーツ・ガール 23 5 2 1 5 5 5
不思議の国の少年アリス (1) 23 5 2 1 5 5 5
DESIRE (11) 23 4 5 4 1 4 5
ナイロンの罠 23 4 2 5 2 5 5
ぼくのご主人様!?1~5 23 4 3 1 5 5 5
奥さまは少女 23 5 3 4 1 5 5
失踪 催淫プログラム(女装) 23 4 2 4 4 5 4
もう誰も愛せない 23 2 3 4 5 5 4
墜ちる天使 23 5 4 4 4 3 3
エクスタシー・ボマー 23 4 3 4 5 4 3
二人の秘密(処女 収録) 23 4 5 5 1 5 3
BLUE DROP-天使の僕ら 1 23 3 4 3 5 5 3
長年、TS本の魅力をどの評価軸で測るべきかを検討していたわたしですが、ついに一応の結論を得ました。主人公の造形(Beauty)、変身前後の格差(Gap)、エロさ(Eroticizm)、本の中のTS作品の占める量(Volume)、ストーリーの個性(Originality)、オレの個人的好み(Special bonus)を各5点満点で評価し、合計を30点満点としました。
これで順番をソートすれば全TSがオレの評価で順番に並びますので、オレの評価を信じる人は上から順番に、買ってないモノを買っていけば手間隙かけたり悩んだりせずに、ランダムでTS本を買うよりは高い効用が得られるのではないかと思います。
合計 B G E V O S
DOLL 30 5 5 5 5 5 5
マヴカレ魔法少女 30 5 5 5 5 5 5
ミカエル計画 Vol.1~2 30 5 5 5 5 5 5
トランス・ヴィーナス 29 5 5 4 5 5 5
電想幻士ミルキューア 29 5 4 5 5 5 5
目が覚めたら潮吹きお姉ちゃんになっちゃった29 5 5 5 5 4 5
CHANGE 1~2 29 5 4 5 5 5 5
アルケミラの雫 29 5 4 5 5 5 5
魂の鎖 29 5 5 5 5 5 4
めちゃLOVE☆ 28 5 5 5 3 5 5
FLORA ComiX 28 5 5 5 3 5 5
魔法少年マジョーリアン 28 5 5 3 5 5 5
淫惑メタモルフォーゼ 27 5 4 4 4 5 5
いもーと・もーど 27 5 5 5 2 5 5
成城紅茶館の事情 27 5 5 2 5 5 5
先輩とぼく 27 5 5 2 5 5 5
レディエキセントリック 27 5 2 5 5 5 5
おねがいフィギュアちゃん 27 4 4 4 5 5 5
俺はオンナだ!? 27 4 3 5 5 5 5
女の子? 初回限定版 27 4 5 5 3 5 5
Blue Berry(女装) 27 4 4 5 5 5 4
白濁の翼 ~アザナエル~ 26 5 5 5 1 5 5
僕と彼女の××× 1~5 26 5 4 2 5 5 5
コピペ! 26 4 3 5 4 5 5
ラブ・モルモット 26 4 4 4 4 5 5
感じさせてBABY 1 26 4 5 5 2 5 5
娘々薬師! 26 4 5 5 2 5 5
みずほアンビバレンツ(女装) 26 5 4 2 5 5 5
電撃エクスチェンジ 26 4 4 4 5 5 4
Baby, I love you. 25 5 5 5 1 4 5
メイドいんジャパン (女装) 25 5 3 2 5 5 5
おんなのこくらぶ 25 5 4 5 1 5 5
少年少女evolution 25 5 5 4 2 4 5
ブロッケンブラッド(女装) 25 5 3 2 5 5 5
桜ish 1―推定魔法少女 25 5 4 1 5 5 5
おキツネさまでChu 1 25 4 3 3 5 5 5
コスチュームパラダイス 25 4 5 4 2 5 5
トラブル・カルテット 25 4 5 4 2 5 5
気まぐれバニーの冒険 25 4 4 4 3 5 5
緋色の犠牲たち 25 4 5 5 2 5 4
絶対☆アイドル 24 5 4 1 5 4 5
あらいめんとゆーゆー 24 5 3 5 1 5 5
Cheer up! 24 5 3 4 2 5 5
あかねちゃん OD 24 4 3 2 5 5 5
けんぷファー〈1〉 24 4 3 2 5 5 5
コンビニん 24 4 3 3 4 5 5
たるとミックス! 24 4 4 1 5 5 5
プリティフェイス 24 4 3 2 5 5 5
ぼくのプリンときみのチョコ 24 4 4 1 5 5 5
ランジェリー・パブリシティ 24 4 4 1 5 5 5
一年生になっちゃったら 24 4 4 1 5 5 5
電脳娼婦 24 4 4 4 2 5 5
BODY / LIFE 24 4 4 4 2 5 5
狂的科学倶楽部 24 3 3 5 3 5 5
ツインテール(女装) 24 3 5 3 5 5 3
インモラル・ラブ 23 5 4 4 1 4 5
かしまし~ガール・ミーツ・ガール 23 5 2 1 5 5 5
不思議の国の少年アリス (1) 23 5 2 1 5 5 5
DESIRE (11) 23 4 5 4 1 4 5
ナイロンの罠 23 4 2 5 2 5 5
ぼくのご主人様!?1~5 23 4 3 1 5 5 5
奥さまは少女 23 5 3 4 1 5 5
失踪 催淫プログラム(女装) 23 4 2 4 4 5 4
もう誰も愛せない 23 2 3 4 5 5 4
墜ちる天使 23 5 4 4 4 3 3
エクスタシー・ボマー 23 4 3 4 5 4 3
二人の秘密(処女 収録) 23 4 5 5 1 5 3
BLUE DROP-天使の僕ら 1 23 3 4 3 5 5 3
萌え淫語!生意気少年の性転換ストーリー!?男子トイレで男友達に犯られまぐる゛ぅ゛~!
萌え淫語!生意気少年の性転換ストーリー!?男子トイレで男友達に犯られまぐる゛ぅ゛~!
女体化した俺を“そんな目”で見てたなんて……
オモチャにされる『怖さ』と、快楽を貪り合う『悦び』を描いた性倒錯トランスボイスドラマです!
女体化した俺を“そんな目”で見てたなんて……
オモチャにされる『怖さ』と、快楽を貪り合う『悦び』を描いた性倒錯トランスボイスドラマです!

経済とお金儲けの真実
ミクロとマクロの気鋭の論客2人の知的刺激が詰まった対談。
堪能しましたし、得るところも大きかったです。おススメ。
そういえばオレも昔は商売とは利益を上げる事と考えていて、「お客様の役に立つこと」とか綺麗ごとが理解できなかったのですが、今になって理解、いや実感できるようになってきました。
自分のミームを残すのだ。
堪能しましたし、得るところも大きかったです。おススメ。
そういえばオレも昔は商売とは利益を上げる事と考えていて、「お客様の役に立つこと」とか綺麗ごとが理解できなかったのですが、今になって理解、いや実感できるようになってきました。
自分のミームを残すのだ。
![]() | 経済とお金儲けの真実 (2011/01/25) 飯田泰之、坂口孝則 他 商品詳細を見る |
マコちゃん誕生 (4a) by.isako
帰宅すると母がリビングで暇そうにしていたので向かいの椅子に座った。
「あら、めずらしい」
「なにが?」
「いつもなら、すぅ~っと自分の部屋にいくでしょう。お小遣い?」
「テニスの分は別にもらうから困ってないよ。それより聞きたいことがあるんだけど」
「なにかしら、好きな娘でもできてデートのしかたとか?」
「どうしてそうなるのさ。高村って友達覚えている?」
「覚えているわよ。中学の時は何度か泊まったでしょう」
「それで……」
「何を今更。あなたのことも高村くんのことも信用してたから」
「今なんて。高村くん?」
「あなたの紹介では高村マコトくんだったわよね」
どういう事だ。
「まあ中学生男子にしては可愛らしすぎたし、名簿を見てもマコトくんは見当たらなかったけど」
「え~!」
「騙せたと思っていたのかしら。あの時は向こうのご両親とも相談して結構迷ったのよ」
「あちらの親はなんて」
「こっちが恐縮するくらいあなたのことを信用してくださってたし、小学生レベルの付き合いだからって」
「そんなことあり得るのかな」
「マコトくん、いえマコちゃんの中ではあなたはとても大きな存在なんだって言ってらしたわ」
「それほどとは思えなかったけど」
「ご両親の言う方が確かじゃないかしら」
「そりゃそうだけど」
「ところでクラスが変わってからどうなの? 高校に入ってから男女を意識してるようだけど」
「時間がなかったから最近まで話もろくにしなかった。今度週末に自宅を訪ねるつもりなんだ」
「そうしてあげなさい」
翌日は早朝から調理部でデザートをつくる。俺とユカリは、もちろんプリンアラモード担当だ。プラスティックケースに盛りつけるので豪華とは言えないが、調理部の活動は利益を押さえてあるのでいつも飛ぶように売れる。それでも売り切れれば部費が二割程度は増えるので部活的にはある意味美味しい。今季は大型の専用冷凍庫が目標だ。
効率や見栄えを言うなら僕の参加はない。しかし部活なので見学するわけにもいかず姫の指導でなんとか歪なのを五個作った。ユカリたちはその間に売り物になるレベルのものを三〇個以上つくっているのを見れば、僕の実力の程が知れる。
「結構上手にできたじゃない」
とユカリ。
「情けや同情はいらない。安くすれば売れるさ」
「ちょっと声が大きいって」
昼休みの混雑を避けるため朝から引換券を売っている。現場で安売りすると噂が広がって買い控えられてはこまるし、安いのは僕の五個だけなので、さぎと言われかねなかった。
「わるい」
「あら木下君のは指名で全部売れたわよ」
窓口で引換券の販売を手伝っていた姫が言う。三年生と一年生が後お願いしますと言って出て行った。姫は、
「私にまかせて」
とお気軽に言うが、僕は嫌な予感に襲われていた。
案の定ユカリはご機嫌斜めである。でも、なぜ?
「木下君をご指名って誰なんですか?」
「生徒会長の高村さん」
「どういう事なのよ、木下君」
怒ったユカリの顔が目の前にあった。
「どういう事って、僕も今知ったわけで」
「もう知らない」
ユカリは飛び出していき後には姫と僕だけが残った。
「僕が悪いんでしょうか」
「一般には罪な人っていうかな。ところで木下君、あなたトーナメントにもっと出場できるかもしれないわよ」
「どういうことです?」
「もちろん成績が下がったりしたら困るけど、あなたのテニスが校外活動と申請して認められばね」
「残念ですが、先生。僕は部活をするつもりはありません」
「ちがうの。個人で申請するのよ」
「通りますか?」
「校長の許可があれば大丈夫」
「やっぱり無理では」
「校長の弱――え~こう見えても私、校長先生のお気に入りなのよ」
ここで僕は根本的なことにやっと気づいた。
「僕のテニスをどうしてご存知なんですか?」
「ずっと以前から高村さんに。それになんとか出場する方法がないかもね」
ずっと以前ということは女性化する前、疎遠な頃の話だろう。
「あいつが……」
「それより、予鈴の前に制服のクリームを取らないと。ちょっと脱いで」
ユカリが詰め寄ってきた時ついたらしい。
「はい。お願いします」
姫は手際よくクリームを取ったあと裏地を見た。
「これってお守り?」
「ええ、まあ。本当はブードゥーの神様らしいです」
と言って近くによった。
「あれ、おかしいなあ」
「どうしたの」
「指輪、三つついてたはずなんですけど」
いまは二個しかない。
「一つはとれたんでしょう、擦れて。ちょっと持って」
「いいですけど……何してるんですか先生」
姫は拍手をうつと祈り始めた。姫には似あうが人形には似合わない。
「あなた達三人がうまくいきますようにって」
Epilogue 《The 1st ending》
トーナメントの最終日、有明のテニスコートは快晴だった。相手は一〇年ぶりに復帰したとは言えベテランで国内に敵なしである。
入場後、ラケットケースのお守りを握ってからコートに入った。擦り切れて指輪が一つもないが今の自分には大事なお守りなのだ。
練習を始めても体が軽い。ただやはりライジングには注意しなければ。練習でさえこちらのリズムが狂わされそうだ。
サーブは? 大丈夫。リターンも完璧だ。
時間になりネットごしに握手をする。
「お互いがんばりましょうね」
真っ黒な顔と笑ったときの白い歯が印象的だ。
「はい」
トスでサーブを取り、ベースラインに戻る。
余裕があることを示すべく、最前列のマコと林くんに軽く手を上げた。
ボールを青い空に上げたとき心地よい風が私のスコートをひらめかせる。
「フィフティーン・ラブ」
(一分岐のおしまい)
「あら、めずらしい」
「なにが?」
「いつもなら、すぅ~っと自分の部屋にいくでしょう。お小遣い?」
「テニスの分は別にもらうから困ってないよ。それより聞きたいことがあるんだけど」
「なにかしら、好きな娘でもできてデートのしかたとか?」
「どうしてそうなるのさ。高村って友達覚えている?」
「覚えているわよ。中学の時は何度か泊まったでしょう」
「それで……」
「何を今更。あなたのことも高村くんのことも信用してたから」
「今なんて。高村くん?」
「あなたの紹介では高村マコトくんだったわよね」
どういう事だ。
「まあ中学生男子にしては可愛らしすぎたし、名簿を見てもマコトくんは見当たらなかったけど」
「え~!」
「騙せたと思っていたのかしら。あの時は向こうのご両親とも相談して結構迷ったのよ」
「あちらの親はなんて」
「こっちが恐縮するくらいあなたのことを信用してくださってたし、小学生レベルの付き合いだからって」
「そんなことあり得るのかな」
「マコトくん、いえマコちゃんの中ではあなたはとても大きな存在なんだって言ってらしたわ」
「それほどとは思えなかったけど」
「ご両親の言う方が確かじゃないかしら」
「そりゃそうだけど」
「ところでクラスが変わってからどうなの? 高校に入ってから男女を意識してるようだけど」
「時間がなかったから最近まで話もろくにしなかった。今度週末に自宅を訪ねるつもりなんだ」
「そうしてあげなさい」
翌日は早朝から調理部でデザートをつくる。俺とユカリは、もちろんプリンアラモード担当だ。プラスティックケースに盛りつけるので豪華とは言えないが、調理部の活動は利益を押さえてあるのでいつも飛ぶように売れる。それでも売り切れれば部費が二割程度は増えるので部活的にはある意味美味しい。今季は大型の専用冷凍庫が目標だ。
効率や見栄えを言うなら僕の参加はない。しかし部活なので見学するわけにもいかず姫の指導でなんとか歪なのを五個作った。ユカリたちはその間に売り物になるレベルのものを三〇個以上つくっているのを見れば、僕の実力の程が知れる。
「結構上手にできたじゃない」
とユカリ。
「情けや同情はいらない。安くすれば売れるさ」
「ちょっと声が大きいって」
昼休みの混雑を避けるため朝から引換券を売っている。現場で安売りすると噂が広がって買い控えられてはこまるし、安いのは僕の五個だけなので、さぎと言われかねなかった。
「わるい」
「あら木下君のは指名で全部売れたわよ」
窓口で引換券の販売を手伝っていた姫が言う。三年生と一年生が後お願いしますと言って出て行った。姫は、
「私にまかせて」
とお気軽に言うが、僕は嫌な予感に襲われていた。
案の定ユカリはご機嫌斜めである。でも、なぜ?
「木下君をご指名って誰なんですか?」
「生徒会長の高村さん」
「どういう事なのよ、木下君」
怒ったユカリの顔が目の前にあった。
「どういう事って、僕も今知ったわけで」
「もう知らない」
ユカリは飛び出していき後には姫と僕だけが残った。
「僕が悪いんでしょうか」
「一般には罪な人っていうかな。ところで木下君、あなたトーナメントにもっと出場できるかもしれないわよ」
「どういうことです?」
「もちろん成績が下がったりしたら困るけど、あなたのテニスが校外活動と申請して認められばね」
「残念ですが、先生。僕は部活をするつもりはありません」
「ちがうの。個人で申請するのよ」
「通りますか?」
「校長の許可があれば大丈夫」
「やっぱり無理では」
「校長の弱――え~こう見えても私、校長先生のお気に入りなのよ」
ここで僕は根本的なことにやっと気づいた。
「僕のテニスをどうしてご存知なんですか?」
「ずっと以前から高村さんに。それになんとか出場する方法がないかもね」
ずっと以前ということは女性化する前、疎遠な頃の話だろう。
「あいつが……」
「それより、予鈴の前に制服のクリームを取らないと。ちょっと脱いで」
ユカリが詰め寄ってきた時ついたらしい。
「はい。お願いします」
姫は手際よくクリームを取ったあと裏地を見た。
「これってお守り?」
「ええ、まあ。本当はブードゥーの神様らしいです」
と言って近くによった。
「あれ、おかしいなあ」
「どうしたの」
「指輪、三つついてたはずなんですけど」
いまは二個しかない。
「一つはとれたんでしょう、擦れて。ちょっと持って」
「いいですけど……何してるんですか先生」
姫は拍手をうつと祈り始めた。姫には似あうが人形には似合わない。
「あなた達三人がうまくいきますようにって」
Epilogue 《The 1st ending》
トーナメントの最終日、有明のテニスコートは快晴だった。相手は一〇年ぶりに復帰したとは言えベテランで国内に敵なしである。
入場後、ラケットケースのお守りを握ってからコートに入った。擦り切れて指輪が一つもないが今の自分には大事なお守りなのだ。
練習を始めても体が軽い。ただやはりライジングには注意しなければ。練習でさえこちらのリズムが狂わされそうだ。
サーブは? 大丈夫。リターンも完璧だ。
時間になりネットごしに握手をする。
「お互いがんばりましょうね」
真っ黒な顔と笑ったときの白い歯が印象的だ。
「はい」
トスでサーブを取り、ベースラインに戻る。
余裕があることを示すべく、最前列のマコと林くんに軽く手を上げた。
ボールを青い空に上げたとき心地よい風が私のスコートをひらめかせる。
「フィフティーン・ラブ」
(一分岐のおしまい)
2月コミック チェックリスト
2/4
講談社 賭博堕天録カイジ 和也編 5 福本 伸行
2/5
海王社 (成)奴隷少女 ぺるそな
2/7
朝日新聞出版 絶対領域プリンセンススイートホーリー 2 永野 あかね
ジャイブ みみミミック 1 刻田 門大
2/9
講談社 論理少女 5 つじ 要
2/10
海王社 リバーシヴル 深瀬 紅音
講談社 みみっく 4 深見 じゅん
2/12
双葉社 うららちゃんのナカの人 1 真田 鈴
芳文社 魔法少女まどか☆マギカ 1 ハノカゲ
2/14
エンターブレイン発行/角川グループパブリッシング発売 バカとテストと召喚獣 SPINOUT! それが僕らの日常。 3 namo
2/17
エンジェル出版 (成)淫靡テンプテーション inkey
2/18
秋田書店 増殖少女プラナちゃん! 晴瀬 ひろき
朝日新聞出版 炎の言霊 島本和彦名言集 島本 和彦
小学館 絶対可憐チルドレン 25 椎名 高志
小学館 M・S DOLLS 4 菅原 健二
ヒット出版社 (成)ちょいえむっ 秋元 カルマ
2/23
メディアファクトリー えむえむっ! 5 氷樹 一世
2/24
角川書店発行/角川グループパブリッシング発売 人工憑依蠱猫 1 倭 日向
ふゅーじょんぷろだくと 女体化彼氏 アンソロジー
2/25
エンターブレイン発行/角川グループパブリッシング発売 まんが極道 5 唐沢 なをき
メディアックス (成)SUGAR MILK BOYS アンソロジー
2/26
一迅社 女装少年アンソロジーコミック 紅組 アンソロジー
一迅社 アイドルマスター Neue Green 2 黒瀬 浩介
アスキー・メディアワークス発行/角川グループパブリッシング発売 世界の果てで愛ましょう 4 武田 すん
角川書店発行/角川グループパブリッシング発売 バカとテストと召喚獣 コミックアンソロジー 井上 堅二
角川書店発行/角川グループパブリッシング発売 愛蔵版 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 7 安彦 良和
小学館 鉄腕バーディー EVOLUTION 7 ゆうき まさみ
2/28
宙出版 コスプレ・エロティック 桜屋敷 道子
宙出版 ご主人様のしつけ方 花李 くる実
エンターブレイン発行/角川グループパブリッシング発売 少年メイド 4 乙 橘
少年画報社 僕がナースになった理由 ムサシマル
2/上
久保書店 (成)精霊特捜フェアリーセイバーW アンデッド・レイプ 上藤 政樹
2/中
キルタイムコミュニケーション (成)双龍単行本 双龍
2/下
キルタイムコミュニケーション (成)女スパイアンソロジーコミックス ぱふぇ
新書館 魔法使いの娘ニ非ズ 1 那州 雪絵
ワニマガジン社 (成)堀博昭作品集(仮) 堀 博昭
講談社 賭博堕天録カイジ 和也編 5 福本 伸行
2/5
海王社 (成)奴隷少女 ぺるそな
2/7
朝日新聞出版 絶対領域プリンセンススイートホーリー 2 永野 あかね
ジャイブ みみミミック 1 刻田 門大
2/9
講談社 論理少女 5 つじ 要
2/10
海王社 リバーシヴル 深瀬 紅音
講談社 みみっく 4 深見 じゅん
2/12
双葉社 うららちゃんのナカの人 1 真田 鈴
芳文社 魔法少女まどか☆マギカ 1 ハノカゲ
2/14
エンターブレイン発行/角川グループパブリッシング発売 バカとテストと召喚獣 SPINOUT! それが僕らの日常。 3 namo
2/17
エンジェル出版 (成)淫靡テンプテーション inkey
2/18
秋田書店 増殖少女プラナちゃん! 晴瀬 ひろき
朝日新聞出版 炎の言霊 島本和彦名言集 島本 和彦
小学館 絶対可憐チルドレン 25 椎名 高志
小学館 M・S DOLLS 4 菅原 健二
ヒット出版社 (成)ちょいえむっ 秋元 カルマ
2/23
メディアファクトリー えむえむっ! 5 氷樹 一世
2/24
角川書店発行/角川グループパブリッシング発売 人工憑依蠱猫 1 倭 日向
ふゅーじょんぷろだくと 女体化彼氏 アンソロジー
2/25
エンターブレイン発行/角川グループパブリッシング発売 まんが極道 5 唐沢 なをき
メディアックス (成)SUGAR MILK BOYS アンソロジー
2/26
一迅社 女装少年アンソロジーコミック 紅組 アンソロジー
一迅社 アイドルマスター Neue Green 2 黒瀬 浩介
アスキー・メディアワークス発行/角川グループパブリッシング発売 世界の果てで愛ましょう 4 武田 すん
角川書店発行/角川グループパブリッシング発売 バカとテストと召喚獣 コミックアンソロジー 井上 堅二
角川書店発行/角川グループパブリッシング発売 愛蔵版 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 7 安彦 良和
小学館 鉄腕バーディー EVOLUTION 7 ゆうき まさみ
2/28
宙出版 コスプレ・エロティック 桜屋敷 道子
宙出版 ご主人様のしつけ方 花李 くる実
エンターブレイン発行/角川グループパブリッシング発売 少年メイド 4 乙 橘
少年画報社 僕がナースになった理由 ムサシマル
2/上
久保書店 (成)精霊特捜フェアリーセイバーW アンデッド・レイプ 上藤 政樹
2/中
キルタイムコミュニケーション (成)双龍単行本 双龍
2/下
キルタイムコミュニケーション (成)女スパイアンソロジーコミックス ぱふぇ
新書館 魔法使いの娘ニ非ズ 1 那州 雪絵
ワニマガジン社 (成)堀博昭作品集(仮) 堀 博昭
性転姦2 ~女になった俺がクラスメイト達の性奴隷になってしまう~
性転姦2 ~女になった俺がクラスメイト達の性奴隷になってしまう~
ある日突然女の子になってしまった主人公が、クラスメイト達に犯され、犯され、何度も犯され、みんなの性奴隷にされてしまう――陵辱系TS(性転換)ストーリー。
ある日突然女の子になってしまった主人公が、クラスメイト達に犯され、犯され、何度も犯され、みんなの性奴隷にされてしまう――陵辱系TS(性転換)ストーリー。

マコちゃん誕生 (3) by.isako
(3)
その週はそのまま何事も無く過ぎた。まあ、そうそう奇跡が起こるはずもない。
高村とは廊下ですれ違うくらいで、挨拶は交わす。ペアでの下校はあの時だけである。女高村といるとどうも調子が狂うし、あの日以来ユカリの機嫌が悪い。もともと高村とユカリはそりの合わないところがあったから、女どうしでもそのままなのだろう。
日曜の朝、待ち合わせの駅前に僕は立っていた。デートの待ち合わせらしい男も数人いる。
こっちは買出しの荷物持ちなので、まあ……
「朝から冴えないわね」
時間ちょうどに現れたユカリの先制攻撃である。
「お言葉ながら、荷物を持ちやすい身軽な服装のつもりなのですが、こっちとしては」
「部活なのは確かだけど、知らない人が見たらデートに見えるかもしれないもの。作業服のようなのはちょっとね。服装にはもう少し気を使ってよ」
「それはないだろう」
と僕は彼女の後ろに視線を向けた。
「あらあら、私はお邪魔だったかしら。遅れてごめんなさいね」
最後に登場したのは顧問の島津亜津子先生、姫である。二月に一度のこの買出しはかなりの金額になるのでいつも参加してくれる。生徒だけでは部費の使用限度額が定められていた。
「あ、先生、ありがとうございます。私たちもたった今来たところなんです」
お前はな。
「なんか言った?」
「なんでもない」
「さあ、行きましょうか。今日は冷蔵が必要な品も多いから急がないと」
「はい、先生」
女たちはそのままおしゃべりをしながら歩き始めたので、あとに続く。この買出しになると生徒と教師の垣根が外れるらしく、まるで親子――じゃあ姫が怒るな――姉妹のようだ。
僕? さしずめ出来の悪い弟かペットのようなものだろう。これ持って! ワン! てな具合なんだからな。
買出しは最後に重いフルーツを買って終わった。キャリーカートも買ってもらったので重さはいいのだが、まるで海外旅行からの帰国者である。おまけに、
「ごめん、今日は一人で運んでくれない?」
とユカリはのたまい、姫は笑っていらっしゃる。
「え~っと?」
「ほら、さっき婦人服の店じまいバーゲンしてたでしょう」
あの店は先月もしていた気がすると言っても無駄なんだろうなあ。
「ああ」
「先生と行くの」
「悪いわね、木下君」
「了解しました」
キャッキャッと走り去る二人を見送り僕はとぼとぼと学校へ向かう。姫から鍵はあずかっていた。
毎回の荷物持ちにも楽しみはあった。姫は目立つ美人だし、ユカリもその妹に見えなくもない少女だ。きれいな女性といて浮き浮きしないといえば嘘になるし、これまではたいてい買い終わった後に喫茶店などで……いや言うまい。バーゲンにつきあうよりはずっとましというものである。
校内に入るとグラウンドは結構にぎやかだ。おそらく体育館も。休日とは言え、どの部も夏の大会に向けての練習で力が入る時期である。声をかけられたくないのでテニスコートを避けたため、遠回りをして部室のある旧校舎に向かう。
卒業後なるべく早く少しでも上位のATP(男子プロテニス協会)トーナメントに参加したいので、ポイント稼ぎのため国内の試合には可能なかぎり参加し、それなりに勝っている。すでに昨年から国内では二桁の順位に入っていた。肘の故障と言ってバスケを止めたが、春休みの大会で目立ってしまい最近またテニス部の勧誘を受けている。もう高校生の大会に興味はない(ポイントが低い)し、僕など入れたらクラブの雰囲気が悪くなるのは分かりきっているのに、顧問はどうしても団体戦で上位に行きたいらしい。
中庭を通り渡り廊下から部室棟に入ろうとしたら、マコちゃんこと高村がいた。
「はい、上靴」
「サンキュー、でもどうして」
「生徒会室で書類の整理をしていたら、重そうなカートを引いた木下君が見えて……今日は買出しだったんでしょう」
「よく知ってるなあ」
「金曜日に島津先生が言ってたから」
「姫は生徒会も担当だったな」
「ええ、良い先生よね」
脳裏にユカリと嬉しそうにバーゲンに向かう母親のような姫が浮かぶ。
「そうだな、親しめる感じっていうか」
「お姉さん?」
「そんなところだな」
やはりその辺が無難な落とし所だろう。
「荷物の整理手伝うわ」
「生徒会の仕事は?」
「もう終わったから」
そう言いながら高村は、僕の汚い靴を玄関の隅に置くためにしゃがんでいる。とても小さなその背中は思わず守ってやりたくなるほど儚げだった。
本人でさえつまむのをためらっている悪臭漂う上靴と靴に触った手が腐りそうだ。
「手ぇ洗えよ」
「うん。食品さわるんだものね」
高村は嬉しそうに蛇口のある方に走っていった。いったい何がうれしいのだろう。
幸い調理部は一階なのでそのままコロコロとカートを引いていく。ドアの鍵を開けたときには手を洗い終えた高村も戻ってきた。
一緒に中に入る。高村は物珍しげに部室を見回す。
「初めてだったっけ」
「ええ、だって」
「ん?」
「林さんが怖い顔するもの」
「お前たちって相性悪そうだものなあ」
「そう思ってるんだ、木下君は」
「とにかく雑談より冷蔵庫にしまうのが先だな」
「うん」
沈黙は少し気まずいが、僕は考える時間が欲しかった。いくら僕が鈍くても女高村がどうやら男木下を好きらしいことは気づいている。しかし小中学校時代の思い出を高村を女として思い返してみれば、やむを得ない状態と言えるだろう。こいつの記憶では僕は男で、これはまあ当たり前か、自分は女なのだ。それに中学時代には家族が留守の時互いの家に泊まったことまである。家に二人きりでだ。高村の頭の中では、いったい……
「どうしたの、木下君」
手がすっかり止まってしまっていたらしい。しかし、どちらにしても、
「あ、ああ。これじゃ全部は入らないなと思ってさ」
業務用なので家庭用よりは一回りでかいのだが、三年生がいれたソース類が場所をかなり占有していた。
「フルーツは室温でもいいんじゃないかしら。だって果物屋さんは冷蔵庫に入れていないもの」
「そりゃそうだ」
ユカリにメールで確認しようかとも思ったが、嬉しそうな高村の前では、ためらわれた。
果物の入ったダンボールを日の当たらない場所においてからコーヒーをいれる。
「ありがとう――おいしいわ」
「インスタントだぜ」
「木下君に入れてもらうの久しぶりだもの」
「そうか?」
「中3の冬休み以来」
「そうだったかな」
不思議なことにその後の沈黙で居心地が悪くなることはなかった。
そうだ。あの日は互いの夢を話したりしたんだっけ。僕はテニス、奴は考古学という。たしかに高村と僕は対照的なくせに仲が良かった。静と動、秀才とテニス馬鹿、ちびとのっぽ。
「ねえ木下君」
「コーヒーのお代わりか」
「違うの。変なコト聞いていいかな」
「なんだろう。どうぞ」
「私がさあ、もしも……笑わないでよ」
「誓って笑いません」
「私がもしも男子だったら今でも仲良くしてくれた?」
「え?」
「私はね。前のままでいいんだよ、木下君さえよければ」
「急に何を」
「変じゃないわ。だってさっき話した冬休みの日も、これは男同士の友情だって木下君が言ったのを覚えてるもの」
会話の記憶はそのままらしい。
まてよ、それより男高村は逆に女なら僕とまた親しくなれると考えたりしたのだろうか。高村の願いを何かの力がかなえたってことなのか。
「ねえ木下君」
そんな目で見るなって。
「別に女だから避けたりしたわけじゃねえ」
「でも」
「クラスも違うし、おまえは生徒会で忙しく、僕は空いた時間を全てテニスにつぎ込んでいる。それだけのことさ」
「だから会えないのね」
「来週」
「え?」
「次の週末遊びに行く」
「あのー」
「お前のうちへ」
「えっ」
「ご家族が許してくれたらだが」
「絶対大丈夫、母も姉も木下君と喧嘩したのかってずっと心配してたんだもの」
なんだかややこしそうだが、もう少し真相を探って解決の糸口を見つけたかった。これじゃあ、高村が不憫すぎる。
高村が帰宅してから一時間後、大きな紙袋を下げた親子、ああ、いや姉妹がご帰還された。
明日の準備はユカリとこれから合流する一年生の担当になる。料理のしかもお菓子になると僕の出番は殆ど無い。
予約を入れておいたコートで汗を流してから帰宅した。調子は良い。学業優先を受け入れた時から覚悟していたとは言え夏休みまでトーナメントに出場できないのは痛い。テニスだけを考えれば退学したいくらいだ。
<つづく>
その週はそのまま何事も無く過ぎた。まあ、そうそう奇跡が起こるはずもない。
高村とは廊下ですれ違うくらいで、挨拶は交わす。ペアでの下校はあの時だけである。女高村といるとどうも調子が狂うし、あの日以来ユカリの機嫌が悪い。もともと高村とユカリはそりの合わないところがあったから、女どうしでもそのままなのだろう。
日曜の朝、待ち合わせの駅前に僕は立っていた。デートの待ち合わせらしい男も数人いる。
こっちは買出しの荷物持ちなので、まあ……
「朝から冴えないわね」
時間ちょうどに現れたユカリの先制攻撃である。
「お言葉ながら、荷物を持ちやすい身軽な服装のつもりなのですが、こっちとしては」
「部活なのは確かだけど、知らない人が見たらデートに見えるかもしれないもの。作業服のようなのはちょっとね。服装にはもう少し気を使ってよ」
「それはないだろう」
と僕は彼女の後ろに視線を向けた。
「あらあら、私はお邪魔だったかしら。遅れてごめんなさいね」
最後に登場したのは顧問の島津亜津子先生、姫である。二月に一度のこの買出しはかなりの金額になるのでいつも参加してくれる。生徒だけでは部費の使用限度額が定められていた。
「あ、先生、ありがとうございます。私たちもたった今来たところなんです」
お前はな。
「なんか言った?」
「なんでもない」
「さあ、行きましょうか。今日は冷蔵が必要な品も多いから急がないと」
「はい、先生」
女たちはそのままおしゃべりをしながら歩き始めたので、あとに続く。この買出しになると生徒と教師の垣根が外れるらしく、まるで親子――じゃあ姫が怒るな――姉妹のようだ。
僕? さしずめ出来の悪い弟かペットのようなものだろう。これ持って! ワン! てな具合なんだからな。
買出しは最後に重いフルーツを買って終わった。キャリーカートも買ってもらったので重さはいいのだが、まるで海外旅行からの帰国者である。おまけに、
「ごめん、今日は一人で運んでくれない?」
とユカリはのたまい、姫は笑っていらっしゃる。
「え~っと?」
「ほら、さっき婦人服の店じまいバーゲンしてたでしょう」
あの店は先月もしていた気がすると言っても無駄なんだろうなあ。
「ああ」
「先生と行くの」
「悪いわね、木下君」
「了解しました」
キャッキャッと走り去る二人を見送り僕はとぼとぼと学校へ向かう。姫から鍵はあずかっていた。
毎回の荷物持ちにも楽しみはあった。姫は目立つ美人だし、ユカリもその妹に見えなくもない少女だ。きれいな女性といて浮き浮きしないといえば嘘になるし、これまではたいてい買い終わった後に喫茶店などで……いや言うまい。バーゲンにつきあうよりはずっとましというものである。
校内に入るとグラウンドは結構にぎやかだ。おそらく体育館も。休日とは言え、どの部も夏の大会に向けての練習で力が入る時期である。声をかけられたくないのでテニスコートを避けたため、遠回りをして部室のある旧校舎に向かう。
卒業後なるべく早く少しでも上位のATP(男子プロテニス協会)トーナメントに参加したいので、ポイント稼ぎのため国内の試合には可能なかぎり参加し、それなりに勝っている。すでに昨年から国内では二桁の順位に入っていた。肘の故障と言ってバスケを止めたが、春休みの大会で目立ってしまい最近またテニス部の勧誘を受けている。もう高校生の大会に興味はない(ポイントが低い)し、僕など入れたらクラブの雰囲気が悪くなるのは分かりきっているのに、顧問はどうしても団体戦で上位に行きたいらしい。
中庭を通り渡り廊下から部室棟に入ろうとしたら、マコちゃんこと高村がいた。
「はい、上靴」
「サンキュー、でもどうして」
「生徒会室で書類の整理をしていたら、重そうなカートを引いた木下君が見えて……今日は買出しだったんでしょう」
「よく知ってるなあ」
「金曜日に島津先生が言ってたから」
「姫は生徒会も担当だったな」
「ええ、良い先生よね」
脳裏にユカリと嬉しそうにバーゲンに向かう母親のような姫が浮かぶ。
「そうだな、親しめる感じっていうか」
「お姉さん?」
「そんなところだな」
やはりその辺が無難な落とし所だろう。
「荷物の整理手伝うわ」
「生徒会の仕事は?」
「もう終わったから」
そう言いながら高村は、僕の汚い靴を玄関の隅に置くためにしゃがんでいる。とても小さなその背中は思わず守ってやりたくなるほど儚げだった。
本人でさえつまむのをためらっている悪臭漂う上靴と靴に触った手が腐りそうだ。
「手ぇ洗えよ」
「うん。食品さわるんだものね」
高村は嬉しそうに蛇口のある方に走っていった。いったい何がうれしいのだろう。
幸い調理部は一階なのでそのままコロコロとカートを引いていく。ドアの鍵を開けたときには手を洗い終えた高村も戻ってきた。
一緒に中に入る。高村は物珍しげに部室を見回す。
「初めてだったっけ」
「ええ、だって」
「ん?」
「林さんが怖い顔するもの」
「お前たちって相性悪そうだものなあ」
「そう思ってるんだ、木下君は」
「とにかく雑談より冷蔵庫にしまうのが先だな」
「うん」
沈黙は少し気まずいが、僕は考える時間が欲しかった。いくら僕が鈍くても女高村がどうやら男木下を好きらしいことは気づいている。しかし小中学校時代の思い出を高村を女として思い返してみれば、やむを得ない状態と言えるだろう。こいつの記憶では僕は男で、これはまあ当たり前か、自分は女なのだ。それに中学時代には家族が留守の時互いの家に泊まったことまである。家に二人きりでだ。高村の頭の中では、いったい……
「どうしたの、木下君」
手がすっかり止まってしまっていたらしい。しかし、どちらにしても、
「あ、ああ。これじゃ全部は入らないなと思ってさ」
業務用なので家庭用よりは一回りでかいのだが、三年生がいれたソース類が場所をかなり占有していた。
「フルーツは室温でもいいんじゃないかしら。だって果物屋さんは冷蔵庫に入れていないもの」
「そりゃそうだ」
ユカリにメールで確認しようかとも思ったが、嬉しそうな高村の前では、ためらわれた。
果物の入ったダンボールを日の当たらない場所においてからコーヒーをいれる。
「ありがとう――おいしいわ」
「インスタントだぜ」
「木下君に入れてもらうの久しぶりだもの」
「そうか?」
「中3の冬休み以来」
「そうだったかな」
不思議なことにその後の沈黙で居心地が悪くなることはなかった。
そうだ。あの日は互いの夢を話したりしたんだっけ。僕はテニス、奴は考古学という。たしかに高村と僕は対照的なくせに仲が良かった。静と動、秀才とテニス馬鹿、ちびとのっぽ。
「ねえ木下君」
「コーヒーのお代わりか」
「違うの。変なコト聞いていいかな」
「なんだろう。どうぞ」
「私がさあ、もしも……笑わないでよ」
「誓って笑いません」
「私がもしも男子だったら今でも仲良くしてくれた?」
「え?」
「私はね。前のままでいいんだよ、木下君さえよければ」
「急に何を」
「変じゃないわ。だってさっき話した冬休みの日も、これは男同士の友情だって木下君が言ったのを覚えてるもの」
会話の記憶はそのままらしい。
まてよ、それより男高村は逆に女なら僕とまた親しくなれると考えたりしたのだろうか。高村の願いを何かの力がかなえたってことなのか。
「ねえ木下君」
そんな目で見るなって。
「別に女だから避けたりしたわけじゃねえ」
「でも」
「クラスも違うし、おまえは生徒会で忙しく、僕は空いた時間を全てテニスにつぎ込んでいる。それだけのことさ」
「だから会えないのね」
「来週」
「え?」
「次の週末遊びに行く」
「あのー」
「お前のうちへ」
「えっ」
「ご家族が許してくれたらだが」
「絶対大丈夫、母も姉も木下君と喧嘩したのかってずっと心配してたんだもの」
なんだかややこしそうだが、もう少し真相を探って解決の糸口を見つけたかった。これじゃあ、高村が不憫すぎる。
高村が帰宅してから一時間後、大きな紙袋を下げた親子、ああ、いや姉妹がご帰還された。
明日の準備はユカリとこれから合流する一年生の担当になる。料理のしかもお菓子になると僕の出番は殆ど無い。
予約を入れておいたコートで汗を流してから帰宅した。調子は良い。学業優先を受け入れた時から覚悟していたとは言え夏休みまでトーナメントに出場できないのは痛い。テニスだけを考えれば退学したいくらいだ。
<つづく>
マコちゃん誕生 (2) by.isako
(2)
廊下に出るとユカリに出くわした。
「あら、どうしたの」
「別に。それより授業始まるぜ」
「うん」
と応えたユカリは、こう聞いてきた。
「マコちゃんどうかしたの?」
「え?」
「生徒会長さんとあなた、親しいんでしょう?」
「マコって高村のことか」
「変な人ねえ。可愛い顔した事業仕分けの女王といえば高村マコでしょう。それがどうしたの?」
女王――と言う事はあいつが女であることは、ユカリの頭の中では規定の事実なんだ。とにかく話をあわせてみよう。
「ちょっとね」
「それで着替えを持ってきたわけ?」
「見てたのか」
「赤い鞄を持ったあなたによく似た人物が入るところはね」
「服を汚したって。廊下を歩いていたら部屋の中から呼び止められてね」
「ほぉーう」
「ほんとだって」
「誰でも良かったのかしらね、会長様は」
ありがたいことに予鈴がなったので話はそこで終わった。
特に用もないので昇降口に急ぐ。
「木下君」
後ろから呼びかけた声は聞きなれたものではないが、誰だか分かる。
「どうした」
そう言って振り向くとやはり居たのは体操服姿の生徒会長高村マコだった。
「良かったら一緒に帰ってくれない? 中学のときのように」
「え?」
その言葉に嘘はない。確かに帰宅方向が同じなので週に何度か一緒に帰った記憶がある。もっとも僕の記憶では高村は男なのだ。
「嫌ならいいけど……」
悲しそうな顔をするなって――えい、くそ!
「別に嫌じゃないさ」
「本当?」
「二人の時に嘘はつかない。ついたことないだろう?」
ただし男の高村にだが。
「うん」
微笑んだ顔は可愛い。じゃなくってだな。
「でも、どうして急に?」
ぞんざいに靴をつっかけて振り向くと高村はしゃがんで運動靴を履いていた。
「これのこと相談しようと思って」
女高村は紙袋に入れてあった男物の靴をちらっと見せた。
「他の人は信じてくれそうにないもの。制服や靴が突然男物になったなんて」
実際には制服と靴以外が女性化したわけだが。
「まあ僕だって見てなければ」
並んで校門に向かう。通学カバン以外にスポーツバッグと紙袋を持った高村は歩きにくそうだった。男物を持って帰って家族に怪しまれないのだろうか。
とにかくこれでは遅すぎる。
「僕が持とう」
「あ、ありがとう」
なぜだかちょっと他人の視線が気になる。
2年生ともなればいくつかカップルはできていて珍しい訳ではない。それにユカリとは何度もこうやって校門をくぐっているはずなのに。
高村は嬉しそうに側を歩くだけなので、僕の方から聞くことにした。
「あれが起こったとき何してたんだ。廊下で聞いたのは、何かが倒れる音、たぶんお前が倒れる音で」
「おまえ?」
「ごめん。高村、高村さんが倒れた音だったと思う」
「あの時は、高村って呼んでくれたわ」
なんだこのラブコメ的転回は。おまけに話題がそれていく気がする
「あの時はほら、びっくりして慌ててたから。会長の方がいいか?」
「リクエストできるの?」
「なにが」
「私の呼び方」
僕はこの異常事態の理由を早く知りたい。
「どうぞ」
「林さんをなんて呼んでるの?」
「ユカリのことか」
「じゃあ、私もマコで」
さすがに高村をマコと呼ぶのは恥ずかしすぎる。反論しようと横を向くと女高村と目があった。知性的で鋭い男高村の目なら睨み返してやるんだが、つぶらで忠実な犬のような女高村の目には逆らえない。
「分かったよ。それより原因の話をしようぜ、マコ」
「う、うん」
おいおい、頬を赤らめるなって、お前は男なんだぞ、高村。
いや待て。本当にそうなのか。本人だけでなくユカリの記憶でも高村は女だったし、午後も授業を受けたはずなのに高村が平然としているってことは、クラスメイトも教師もおそらく高村を高村マコとして記憶していたことになる。もしも魔法的力でこの現象が起こったとしても、服と僕の記憶をいじるほうがずっと簡単そうだ。
「どうしたの木下君」
「別に。それより」
「ええ、確かあの時は……」
なぜ顔が真っ赤? 触れたら火傷しそうだぞ。
「どうした」
「言わなきゃだめ?」
「そもそも相談したいって言ったのは、そっちだぜ」
「笑わない?」
「この不思議な現象をか。まさか」
「木下君のことを考えていたの」
「え゛」
うつむいたまま話す高村は首すじまで真っ赤だ。
「またこうやって下校したいなっとかね」
こっちまで顔に血が上る。
待てよ。高村が男なら恋愛とかは絡まないだろう。昨日の廊下での会話、無理にうち切ってしまって後で少し後悔した会話で、高村は何か伝えたそうだった、たぶん。
「それからどうしたの」
「ぼうっとしていたの。思い出してみれば足音が聞こえた気がする」
「それは僕のだ。あの時廊下には一人だけだった」
「今思い出したわ。足音が近づいてきたと思ったら急に体が燃えるように熱くなって――そこから先は覚えていない。気がついたら目をおさえた木下君がいたの」
「僕が部屋に飛び込んだ時」
あれ? あの時は高村は男だったぞ、確かに。
「私は?」
「えーっと、君は倒れていたけど、服は変わっていなかった」
「まあ!」
「かがんで抱き起こしたところで」
「私を?」
女高村は、ますます紅潮していく。それ以上赤くなったら色が落ちなくなるぞ。
「ああ、煙が出たかと思うと閃光がはしって何も見えなくなった」
「わかったわ!」
「原因がか?」
「ええ」
「それで?」
「木下君は魔法使いだったんだ」
呆れ返ったが、可愛い笑を浮かべたマコちゃんに何も言えるはずはなかった。
<つづく>
廊下に出るとユカリに出くわした。
「あら、どうしたの」
「別に。それより授業始まるぜ」
「うん」
と応えたユカリは、こう聞いてきた。
「マコちゃんどうかしたの?」
「え?」
「生徒会長さんとあなた、親しいんでしょう?」
「マコって高村のことか」
「変な人ねえ。可愛い顔した事業仕分けの女王といえば高村マコでしょう。それがどうしたの?」
女王――と言う事はあいつが女であることは、ユカリの頭の中では規定の事実なんだ。とにかく話をあわせてみよう。
「ちょっとね」
「それで着替えを持ってきたわけ?」
「見てたのか」
「赤い鞄を持ったあなたによく似た人物が入るところはね」
「服を汚したって。廊下を歩いていたら部屋の中から呼び止められてね」
「ほぉーう」
「ほんとだって」
「誰でも良かったのかしらね、会長様は」
ありがたいことに予鈴がなったので話はそこで終わった。
特に用もないので昇降口に急ぐ。
「木下君」
後ろから呼びかけた声は聞きなれたものではないが、誰だか分かる。
「どうした」
そう言って振り向くとやはり居たのは体操服姿の生徒会長高村マコだった。
「良かったら一緒に帰ってくれない? 中学のときのように」
「え?」
その言葉に嘘はない。確かに帰宅方向が同じなので週に何度か一緒に帰った記憶がある。もっとも僕の記憶では高村は男なのだ。
「嫌ならいいけど……」
悲しそうな顔をするなって――えい、くそ!
「別に嫌じゃないさ」
「本当?」
「二人の時に嘘はつかない。ついたことないだろう?」
ただし男の高村にだが。
「うん」
微笑んだ顔は可愛い。じゃなくってだな。
「でも、どうして急に?」
ぞんざいに靴をつっかけて振り向くと高村はしゃがんで運動靴を履いていた。
「これのこと相談しようと思って」
女高村は紙袋に入れてあった男物の靴をちらっと見せた。
「他の人は信じてくれそうにないもの。制服や靴が突然男物になったなんて」
実際には制服と靴以外が女性化したわけだが。
「まあ僕だって見てなければ」
並んで校門に向かう。通学カバン以外にスポーツバッグと紙袋を持った高村は歩きにくそうだった。男物を持って帰って家族に怪しまれないのだろうか。
とにかくこれでは遅すぎる。
「僕が持とう」
「あ、ありがとう」
なぜだかちょっと他人の視線が気になる。
2年生ともなればいくつかカップルはできていて珍しい訳ではない。それにユカリとは何度もこうやって校門をくぐっているはずなのに。
高村は嬉しそうに側を歩くだけなので、僕の方から聞くことにした。
「あれが起こったとき何してたんだ。廊下で聞いたのは、何かが倒れる音、たぶんお前が倒れる音で」
「おまえ?」
「ごめん。高村、高村さんが倒れた音だったと思う」
「あの時は、高村って呼んでくれたわ」
なんだこのラブコメ的転回は。おまけに話題がそれていく気がする
「あの時はほら、びっくりして慌ててたから。会長の方がいいか?」
「リクエストできるの?」
「なにが」
「私の呼び方」
僕はこの異常事態の理由を早く知りたい。
「どうぞ」
「林さんをなんて呼んでるの?」
「ユカリのことか」
「じゃあ、私もマコで」
さすがに高村をマコと呼ぶのは恥ずかしすぎる。反論しようと横を向くと女高村と目があった。知性的で鋭い男高村の目なら睨み返してやるんだが、つぶらで忠実な犬のような女高村の目には逆らえない。
「分かったよ。それより原因の話をしようぜ、マコ」
「う、うん」
おいおい、頬を赤らめるなって、お前は男なんだぞ、高村。
いや待て。本当にそうなのか。本人だけでなくユカリの記憶でも高村は女だったし、午後も授業を受けたはずなのに高村が平然としているってことは、クラスメイトも教師もおそらく高村を高村マコとして記憶していたことになる。もしも魔法的力でこの現象が起こったとしても、服と僕の記憶をいじるほうがずっと簡単そうだ。
「どうしたの木下君」
「別に。それより」
「ええ、確かあの時は……」
なぜ顔が真っ赤? 触れたら火傷しそうだぞ。
「どうした」
「言わなきゃだめ?」
「そもそも相談したいって言ったのは、そっちだぜ」
「笑わない?」
「この不思議な現象をか。まさか」
「木下君のことを考えていたの」
「え゛」
うつむいたまま話す高村は首すじまで真っ赤だ。
「またこうやって下校したいなっとかね」
こっちまで顔に血が上る。
待てよ。高村が男なら恋愛とかは絡まないだろう。昨日の廊下での会話、無理にうち切ってしまって後で少し後悔した会話で、高村は何か伝えたそうだった、たぶん。
「それからどうしたの」
「ぼうっとしていたの。思い出してみれば足音が聞こえた気がする」
「それは僕のだ。あの時廊下には一人だけだった」
「今思い出したわ。足音が近づいてきたと思ったら急に体が燃えるように熱くなって――そこから先は覚えていない。気がついたら目をおさえた木下君がいたの」
「僕が部屋に飛び込んだ時」
あれ? あの時は高村は男だったぞ、確かに。
「私は?」
「えーっと、君は倒れていたけど、服は変わっていなかった」
「まあ!」
「かがんで抱き起こしたところで」
「私を?」
女高村は、ますます紅潮していく。それ以上赤くなったら色が落ちなくなるぞ。
「ああ、煙が出たかと思うと閃光がはしって何も見えなくなった」
「わかったわ!」
「原因がか?」
「ええ」
「それで?」
「木下君は魔法使いだったんだ」
呆れ返ったが、可愛い笑を浮かべたマコちゃんに何も言えるはずはなかった。
<つづく>
水曜イラスト企画 絵師 まさきねむさん(9) 仮名:宮村 守
一行キャラ設定 宮村 守 少年板前だが、なぜか女体盛りにされてしまう。
絵師:まさきねむ みうみう

水曜イラスト企画の説明はこちら。毎週1枚キャライラストをUPします。
本キャラを主人公/脇役にしたSSを募集しています。コメント欄に書き込んでください。(事故を防ぐため別途ローカル保存推奨)追加イラストを希望する場合は希望シーンに<イラスト希望>と書き込んでください。私が了承し、絵師さんも乗った場合はイラストの作成を開始します。
絵師:まさきねむ みうみう

水曜イラスト企画の説明はこちら。毎週1枚キャライラストをUPします。
本キャラを主人公/脇役にしたSSを募集しています。コメント欄に書き込んでください。(事故を防ぐため別途ローカル保存推奨)追加イラストを希望する場合は希望シーンに<イラスト希望>と書き込んでください。私が了承し、絵師さんも乗った場合はイラストの作成を開始します。
これからの性別の話をしよう
今ここに、悪魔が現れて、キミを女の子にしてくれるとしよう。
しかし、悪魔はキミをかわいい女の子にしてくれる代償に、5人のかわいい女の子を男にしてしまうとしたらどうだろう?
キミが女の子になって、代わりにかわいい女の子が男になるのは正義と言えるだろうか?
良いだろう。
では、5人のかわいい女の子に彼氏がいたとしたらどうだろう?
それでも、キミが女の子になるべきなのか?
良いだろう。
それでは、キミが5人のかわいい女の子のかわりに、5人の彼氏の性欲処理を引き受けなければならないとしたらどうだろう?
それでも、キミが女の子になるべきなのか?
しかし、悪魔はキミをかわいい女の子にしてくれる代償に、5人のかわいい女の子を男にしてしまうとしたらどうだろう?
キミが女の子になって、代わりにかわいい女の子が男になるのは正義と言えるだろうか?
良いだろう。
では、5人のかわいい女の子に彼氏がいたとしたらどうだろう?
それでも、キミが女の子になるべきなのか?
良いだろう。
それでは、キミが5人のかわいい女の子のかわりに、5人の彼氏の性欲処理を引き受けなければならないとしたらどうだろう?
それでも、キミが女の子になるべきなのか?
![]() | これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学 (2010/05/22) マイケル・サンデル 商品詳細を見る |
鋼炎のソレイユ-ChaosRegion-
鋼炎のソレイユ-ChaosRegion-
「あはは、何度イッたら気が済むんだい?さっきから絶頂しっぱなしじゃないか。
ねぇ、男の心のまま、女の快楽を貪るのそんなにいいのかい?
でも、死ぬんじゃないよ……仲間の戦乙女が孕むよりさき死んだら、あいつらも命はないからねっ!」

「あはは、何度イッたら気が済むんだい?さっきから絶頂しっぱなしじゃないか。
ねぇ、男の心のまま、女の快楽を貪るのそんなにいいのかい?
でも、死ぬんじゃないよ……仲間の戦乙女が孕むよりさき死んだら、あいつらも命はないからねっ!」

マコちゃん誕生 (1) by.isako

キャライラスト.うずら夕乃
(1)
「木下、もう帰るのか?」
そう呼びかけられたので振り向く。聞きなれたその声は高村まことのものだ。2年になってクラスは異なってしまったが、小学校からの顔見知りだ。
「ああ」
「わが校ではクラブ活動は必須のはずだぞ」
友人にしては偉そうな話し方は彼の性格もあるし、この春から生徒会長様に就任したのも影響しているのだろう。
「今日は調理部は休みだ」
「調理部? バスケはどうした」
「肘の調子が悪くてね」
「そうなのか。それなら良い――」
「今日は急ぐんだ。またな」
「ああ」
軽く手を振って乗降口に向かう。彼は生徒会室の方向に行った。高村は尊大な所はあるものの悪いやつじゃない。きっと良いスポーツ医でも紹介しようとしたのだ。
実のところ僕の肘に問題はない。バスケをやめたのは単に時間がないためだ。調理部は時間の融通がきくし、1年からのクラスメイトのユカリがいるのでやりやすい。
途中でテニススクールに顔を出して3時間ほど汗を流す。
10年以上前親に無理やりスクールに連れて行かれ始めたテニスに今さらながら夢中になっていた。勝手に放り込んだくせにプロになりたいと言うと、高校は出ておけという親の意見に振り回されているかっこうだ。まあいいさ、卒業後自由な時間を4年ももらえれば自分が世界で通用するかどうかわかる。
自宅から近いので練習後そのまま帰ると学校のクラブ活動より帰宅時間は早い。いつもどおり母親と二人の食卓だ。父は今日も遅いらしい。
僕が一言二言話す間に母は喋りまくる。母親は張り合いがないと嘆くが、そんなものだろう男の子は。
食後自室のベッドに寝転んでいると何となく高村のことが気になった。1年の時はよく話をしていた。ちょっと堅物だが、悪いやつではない。ただ生徒会長になってからの評判は悪い。うちの高校は執行部の権限が大きく会長の判断が部活の臨時予算に大きく影響する。高村はそれに大鉈を振るった。
2年になってからはクラスが違うこともありほとんど話をしたことがなかった。なぜ今日話しかけて来たのだろう。世間話程度とはいえあまりにも唐突過ぎた。
まあ考えても結論の出ることではない。少し英語の予習だけして寝た。英語は必要だろうからこれだけは力を入れている。
翌朝、母親から渡された弁当の袋に変な人形がついていた。
「なにこれ?」
「ああ、それはブードゥー人形よ。先日買い物に行った時見つけたの。タイのお土産らしいわ」
「ブードゥーって西インド諸島じゃない?」
西インドと言ってもインド洋じゃないぜ。カリブのハイチ辺りだ。
「そうだけど、タイの人形も有名なんだって。可愛いでしょう?」
嬉しそうに説明する母親の方が可愛いと思う。僕の反抗期はテニスが好きになったことで終了していた。母親にめんじて人形はつけたまま鞄にしまう。何でも強力な魔力を秘めていて、お守り代わりなるそうだ。
英語以外は居眠りをして過ごすのは、ふだん通り。試験前にユカリのノートを読めば赤点を取ることはない。
午前中の授業が終わり弁当を持って部室に行く。今日は会議の日だ。
部室にはユカリしかいなかった。各学年二人ずつの小規模クラブだけど他のメンバーがいないのは珍しい。
「あれ、お前だけなのか?」
「ええ。嫌なの、木下君」
「とんでもない。光栄に思っていますよ」
次期部長当確のお方に逆らう気はない。対立候補は僕しかいないのだから。
「もう!」
弁当を広げながら話を続けた。
「会議は延期なのか?」
「いえ。どうせ買い出し部隊は私たちでしょう?」
普段の雑用をお願いするかわりに材料購入時の荷物持ちを引き受けている。
「そうだな。じゃあ予定通り今度の日曜に?」
「うん。姫も良いって」
姫とは顧問の島津亜津子のことだ。日本史の教師でもあり以前からそう呼ばれていた。まだ若いとはいえ落ち着いているので奥方様の方が似合っているけどね。
「了解」
定期的な週1度の活動以外に調理部は2ヶ月に1度日曜日に大量に作品を作って翌日販売していた。昨年ユカリが企画して始めた。その活動のおかげなのだろう、今年は予算が大幅に増えたのでますます次期部長様は張り切っていらっしゃるのだ。
「今回はフルーツをテーマにしたお菓子なの。二年生はプリンアラモードにするわ」
二年生は当然僕とユカリのことだ。
「鮮度が落ちないか?」
「月曜は朝錬よ」
朝盛り付けさせる気らしい。
「おいおい」
「嫌なの?」
「早朝出勤させていただきます」
「どうしても嫌なら別にいいけど一人でも。予算たくさんもらえただけでも感謝してるから」
「予算と僕にどんな関係がある?」
「木下君、会長の高村君の親友なんでしょう」
「親友かどうかは微妙だし、あいつが私情を挟むとは考えられないな」
「どうかしら。権力に憧れる者はそれを使いたくなるんじゃないかしら」
「さすがにそれは可愛そうだろう」
「あら、そのドールは?」
母親から聞いた説明を繰り返す。
突然の話題変更はよくあることだ。ユカリだけに限ったことなのか、女子の傾向なのかは知らない。他の女子と会話する機会は限られていた。
「でもこれは普通の願かけ人形とは違うようよ。私、父の仕事の関係でハイチにいたことあるから」
「そうだっけ?」
「ええ。指輪を3つしてるでしょう」
「ああ」
「これはエジリ・フレーダだと思うわ」
「なに、それ」
「愛の聖霊よ」
「へー」
「なんだか霊験あらたかな気がする。身につけておきなさいよ」
「ええ!」
「嫌なの?」
「従います」
ユカリは上着の内側に手早く人形を縫い付けた。小さいものなので外からはわからないのが救いだ。
その後は買出しの打ち合わせをして解散になった。ユカリは買い物リストをもう1度チェックすると言うので1人で部屋を出た。
部室棟から教室のある南棟への通路に向かって歩いていくと途中に生徒会室がある。その前を通りかかったとき部屋の中で重いものが落ちるような音がした。あるいは人が倒れたような……。
慌ててドアを開けて部屋に飛び込む。床に人が、高村が倒れていた。なんだか体から煙が出ているような気がする。
「おい、大丈夫か!」
手をかけたとたん閃光で目がくらむ。一時的に視力を失った僕に誰かが話しかけて来た。
「大丈夫、木下君」
少し舌足らずの女子の声だ。廊下には誰もいなかったから元々部屋に居たのだろう。それにしても全く聞き覚えのない声だった。しかし相手は僕を知っている?
徐々に見えてきた。僕の目の前にいるのは見知らぬ少女、とても可愛いのにどういう趣味なのか男物のシャツと学生服をはだけて着ている。
襟に生徒会長の徽章――生徒会長?
「君は?」
「え、私?」
メガネに見覚えがあるぞ。
「おまえ高村か? どうしたんだその恰好」
「突然服が男物になっちゃったの」
そっちかよ!
女性化した高村の発言は冗談ではなく、女として育った記憶を持っていた。しかも僕を友人として認識している。
「何が起こったのかわからないけど、とにかくロッカーから体操服を持ってきてくれない?」
高村は胸元が開いているのに気付き慌てて学生服の前をあわせながら続けた。
「わかった」
周りをよく見ると少し離れたところにズボンが落ちていた。サイズが合わなくて脱げたらしい。その証拠にベルトがそのままだ。
「これキーだから」
「ああ」
「赤いスポーツバッグに入ってるの」
混乱したまま部屋から出た。いったいどういうことなのだ。ともかく女の頼みを引き受けたからにはそれを優先するしかない。幸いわが校のロッカーは広い通路に男女並んで置いてあり、更衣室は体育館に付属していた。
午後の授業時間が近いので人も少ない。高村のロッカー札には高村マコとある。赤いバッグを出して生徒会室へ急ぐ。いったいなんなのだ、これは。ブードゥーの聖霊の魔法とか――まさか。それより僕の記憶が変になったのだろうか。しかしそれではあいつの学生服の説明がつかない。
「おい、入るぞ」
返事を待ってから入る。高村はそのままの姿で待っていた。
「これでいいのか?」
「うん」
なんだか男のときと違って素直で可愛い。
「そのー中身は変化してないか?」
男女では短パンのデザインが異なるし、学生服から見てサイズがかなり違うはずだ。
「え! あっ、大丈夫」
「じゃあな」
「あ、あのー」
これ以上は付き合いきれないと部屋を出た。高村の女性化なんて未だに信じられない。
<つづく>
クロスドレッシングナイト
買って読んでみました♪
強い子が女の子を助けるために女装させられてって、いいですねぇ。
微妙に好みとはずれる展開ではありましたが、これはこれでよろしいんじゃないでしょうか。
「同人としては値段分の価値がある」と評価。
恥辱庵さんも色々展開してくれて嬉しいですねぇ。
クロスドレッシングナイト DMM版
クロスドレッシングナイト DLsite.com版

強い子が女の子を助けるために女装させられてって、いいですねぇ。
微妙に好みとはずれる展開ではありましたが、これはこれでよろしいんじゃないでしょうか。
「同人としては値段分の価値がある」と評価。
恥辱庵さんも色々展開してくれて嬉しいですねぇ。
クロスドレッシングナイト DMM版
クロスドレッシングナイト DLsite.com版

ちんドル☆マスター(1)(2)
これとLatest Entries 男×女×男 ナブラレダンシ(2)を両方買うなら、雑誌形態のCOMIC XO 絶! Vol.09と値段があんまり変わらないのでそっちが良いかもしれません。
ちんドル☆マスター(1)
COMIC XO 絶! Vol.09 DMM版

ちんドル☆マスター(2)

ちんドル☆マスター(1)
COMIC XO 絶! Vol.09 DMM版

ちんドル☆マスター(2)

TS売れ線速報!(1/17~1/23)
先週の順位
1位 コミックアンリアル 2011年2月号 Vol.29
2位 トランスガール―変質系少女―
3位 ぷりんせす・そーど!⑤ 戦うサツキと大団円
さてさて、今週の1位は!?強い!トランスガール―変質系少女― が1位を奪還だ!
そして2位に!抜き返されたコミックアンリアル 2011年2月号 Vol.29
3位は!伏兵だ!チャンピオン RED (レッド) いちご 2011年 01月号 [雑誌]
1位 コミックアンリアル 2011年2月号 Vol.29
2位 トランスガール―変質系少女―
3位 ぷりんせす・そーど!⑤ 戦うサツキと大団円
さてさて、今週の1位は!?強い!トランスガール―変質系少女― が1位を奪還だ!
![]() | トランスガール―変質系少女― (アンリアルコミックス 62) (2010/12/20) 砕骨子 商品詳細を見る |
そして2位に!抜き返されたコミックアンリアル 2011年2月号 Vol.29
![]() | コミックアンリアル 2011年2月号 Vol.29 [雑誌] (2011/01/12) モグダン 商品詳細を見る |
3位は!伏兵だ!チャンピオン RED (レッド) いちご 2011年 01月号 [雑誌]
![]() | チャンピオン RED (レッド) いちご 2011年 01月号 [雑誌] (2010/12/04) 不明 商品詳細を見る |