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(2011/04/22)
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4/25~5/1の順位
1.性転換アンソロジーコミックス2
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(2011/04/26)
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2.にょたいかっ。③
3.チェンジH white (TSコミックス)


―俺が人形のはずがない!―(2)    by.Cマリオ

俺こと雪宮希流はどこにでもいる極めて普通の大学生だった。
どれくらい普通かと言うとSを一番上としたAからDまである5段階評価である講義科目の単位評価が基本的にほぼBで、ちらほらAとCが窺える平凡な評価の通知書が俺の家のポストに当たり前に送られてくるような普通さだ。学力とともに友好関係、財政状況、健康状況、どれをとっても、誰に聞こうが「普通だな」としか言われないほどの普通な学生だ。
唯一、俺が普通ではないとすれば俺にはとてももったいないくらいの美人な彼女の存在があることくらいだ。大学の最初の説明会でたまたま隣の席になったことから話し始めたことで知り合い、話しているうちに意気投合してよく話す相手となった。今では彼女は俺の恋人になり、家族以外で最も親しく、大切な存在となっている。
話が脱線したから話を戻すが、俺は普通の大学生“だった”んだ。

そう“だった。”

過去形なのは話の流れでわかってくると思う。

俺は今、自分の家にいる。まあ、自宅にいることはさして変わったことではない。人として生きるための衣食住のうちの住に当たる家は、当たり前のように一日の中で大半を過ごす場所で、さらに休日の俺にとっては出かける予定がない限りは居て当たり前の場所だからだ。
…まあ、当たり前の話をするためだけのために俺が家にいることを話題に取り出すことはないことはなんとなくわかっていると思う。

今重要なのは俺が自分の家の中の“どこの部屋のどこにいるか”だ。まあ答えの端を言うと俺は自分の部屋にいる。自分の部屋と聞いて「はぁ?」と思われる方もいると思う。まあ、ここまで今居る場所が重要だと言っておきながら自分の部屋にいるなどと言っては確かに拍子抜けだなはずだ。しかし、俺が自分の部屋の中の居る場所に問題があるのだ。
俺の部屋には机がある。まあ、学生なら自分の部屋に机があったところで何の不思議もない…が、机の上に問題があるのだ。

机の上には一体の可愛らしい金髪の人形が立っている。その人形はあまりにも人間らしく、大きさを人間と同じサイズにすれば全く人形だとは気付くことができないのではないかと思うほどの
綺麗で可愛らしい人形だった。そしてその人形は奇妙なことに誰の手も借りず自身で自由に動くのだ。はたから見ると心霊現象でも起こっているのでは?と疑いたくなるほど奇行な状況だが俺はそのことよりももっと重大な問題に面していた。
俺が右手をとにかく動かそうと右手を上にあげる、すると机の上にいる金髪の人形もそれに連動して右手を上げたのだ。…もっと言うと俺の目線にも問題がある。俺は木でできた板の上に立っている。その板は、この部屋の床と50~60cmくらいの高さがあるのだ。カンが良い方はもうわかったかもしれない。そう、俺の視点は人形、机の上にいる金髪のゴシックローリタ系の人形の目から物を見ているのだ。今現在、俺が自分を第三者視点から見えていたのは俺の机に置かれた大きな鏡のおかげだったりする。

「これが今の俺なんだよな~……」

俺は鏡に映る自分の姿を見ながらため息交じりの声で今の自分の姿に対する感想を言う。

「か、かわいい…けど……俺は、こんなこと望んでない…。」

綺麗な金髪の長い髪を揺らしながらてくてくと歩き、鏡の方へ近ずく。これが実際に人間と同じ大きさならば誰もが目を引く美少女だが、綺麗で可愛らしい外見とは裏腹に顔は険しく、暗い表情をしていた。

ふと鏡とは逆の方向を見る。視線の先にはこの部屋の出入り口であるドアがあった。俺はこの部屋唯一の出入り口を見ながらこの部屋から出て行ったある人物を思い出す。
その人物は“元”の俺の顔そっくりの人物で、服装も普段俺が良く着ているのと全く同じ物をしており、あたかも元の俺の身体を誰かに乗っ取られたかのような人物だった。…実際、信じたくはないがそうなんだろう。

俺は小さくて細い自分の手を見る。男の時に感じたゴツゴツとした手ではなく、白っぽく綺麗で細長い指が微かに震えているのが見えた。

「…あ、あはは、…俺、錯乱してるんだ…ま、まあ、しない方が可笑しいよな…」

俺は再び正面にある大きな鏡を見る。見えたのは今にも泣き出しそうで顔色の悪い美少女。先ほどの俺自身との対面時は錯乱しきって逆にこの現状を受け入れられず、逃避しながら奴を見ていたのだろうい。今まで表情に出なかったのが今になって溢れだしていた。

怖い。

正直に今思うもっとも強い感情だ。実際、俺が奴にどうやってこの姿にされたのかわからなし、何故こういうことをしたのかもわからない。いや実際は何故こういうことをしたのかという大まかな検討は付いている。が、すべて最悪なシナリオばかりが頭に浮かぶばかりだ。

もっとも大きな要素は俺の身体を奪い、俺として生きていくことを目的として身体を入れ替えたことだ。いや、これは大きな要素ではなくて確定要素なのかもしれない。大まかに変容しそうな内容は奴がこれからどうするかだ。もっとも気がかりは俺のことだ。今後奴にどんなことをされるのか考えるだけでもおぞ気と恐怖が身体中を駆け巡るように感じる。こんな小さな体では抵抗したところで意味をなさず、今までにない圧倒的な力の差で踏みにじられるからだ。これから先、どんなことでもえ抵抗できずに従うしかないかもしれない。人形として扱われるのかもしれないし、奴隷のように弄ばれるのかもしれない。

ただただ簡単に殺されるのかもしれない。

これは俺の考えの中のもっとも恐怖する答えだ。しかし、もっとも現実的な答えだ。理由が俺の考えるような物なら俺の存在は不要になる可能性が高いからだ。しかも、もし俺から入れ替わることができるならさらに消される可能性は高くなる。

しかし、俺は外傷を負っていないし、負うようなことはされてい。五体満足で居られている。しかも拘束もされずに。

もしかしたらと思うと希望がわいてくる。
どんな希望かと言うと俺の身体に戻ることができるかもしれないという希望だ。
何故、俺を存在させ続けているのか。そのことを考えると一つ思い当たる節があるのだ。

それは奴がこの身体に戻る気があるのかもしれないというものだ。

実際問題、それはあくまで可能性で、別の理由や、ただの気まぐれ、こんな体では何の抵抗もできないからただ放置したという可能性もるのだ。しかし、希望にすがるしかない俺はそうなることを願いながらただただドアを見ていた。

----

「ただいま~元気にしていたかな~?…かわいいお人形さん。」

ドアが開き、戻ってきた奴は俺が奴を見ていたことに気付くとニヒルな笑みを浮かべながら挨拶をしてきた。確かに挨拶を言う必要のある時間差だ。奴が出て行って約3時間程度経過していた。

「俺の身体に戻しやがれ!!」

俺はこの身体で出る精一杯の声で奴に叫んだ。先ほどは混乱していて言えなかった一言。
しかし、奴はすました顔で聞き流していた。どうでもいいとでも言いたげな雰囲気をかもし出しながら。

「おい!俺の話しを…」
「ちゃんとした言葉を返せよ。お帰りってさ」

俺の言葉を遮るかのように冷やかな声で言い放った。表情は変わらず、すましたような表情で、けれどこちらを見る目はひどく鋭いものだった。

しかし、俺はめげずに奴を見る。俺にとって聞きたいのは奴がこの身体に戻る気があるかどうかというものだ。それは俺にとって最後の希望であり、最も聞きたいことだ。

「そんなことはどうでもいいだろ!俺を元に戻す気はあるのかって聞いてるんだ!」

俺は奴をにらみながら先ほどにも負けない叫び声で言う。しかし、それを聞いた奴は、ドアを開けた時の笑みよりもさらに歪んだ笑みを浮かべながら笑っていた。

「フフフ…」
「なにがおかしい!」

叫び続ける俺を見ながら笑いをこらえ様とするかのように顔をそむける。

「それ、本気で聞いてるの?」
「あたりまえだ!」

笑い声がやみ、奴は俺の方を向く。しかし、先ほど浮かべていた歪んだ笑みは消えずにいた。奴は俺の口を使い、諭すような声で話し始めた。

「戻す気があるかって?そんなことするくらいなら初めから姿変えるわけないでしょ。君って馬鹿だったんだね。大体、今の状況で良くそんな口きけるね。あとで調教ならぬ教育をしないといけないのかな?」

俺は奴の言葉に絶句する。最後の希望的な何かが消滅したからだ。こんな非現実を受け入れられるような度量もない俺は、奴の口から戻る言葉を発せられることだけが頼りで、精神を保っていられなかった俺は視界が暗転した。きっと倒れたのであろう。

しかし、倒れる瞬間、微かに残る視界の中で奴の顔が焦っている顔をしたのを見たような気がした。

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