fc2ブログ

Latest Entries

呪いはわが身に (1) by.isako

(1)
 

 報告書を提出した長尾崇は中央合同庁舎を出て日比谷公園に入る。心と裏腹に空は晴れ、心地よい風が吹いていた。
 気が晴れぬ一つ目の理由は、調査でつかんだ情報でハム(公安庁)内部にスパイがいると分かったことである。
 二つ目は、その事実をこれから相談する親友東鉄也のこと。昨年殉職し、ほぼ100%機械化された東は法律上人ではない。おまけに……

 公園を出て日比谷通りを渡り、Tホテルに入る。メインロビーは相変わらず団体客や年配の御婦人で溢れていた。しかしその騒々しさも東との待ち合わせを目立たなくしてくれると思えば気にならない。

「長尾」
 声をかけられ慌てて視線をむける。電話の印象より高い声だった。
「あ、東?」
 さりげなく腕を取られてしまい、戸惑いはさらに増す。
「今は加賀美……やはりショックかい?」
「聞くと見るとはってやつだな」
「一番ぶったまげたのは俺本人だぜ」
 前にいた中年の婦人が非難がましくこちらを見る。
 それに気づいた東は、
「驚かせてすみません。これは友人のまねなの」
と言って女性らしく手を添えて微笑んだ。婦人は気にするなというように手を振る。
 今度は長尾が驚く番だ。
「すごいものだな」
「お葬式からもう1年。復帰から10ヶ月ですわ」
 声も口調も東の今の外見にふさわしいものだった。
 そのまま会話はなくなり、2人は腕を組んだままホテルを出る。自然に以前良く飲んだ山手線高架下の居酒屋に向かった。
 列車通過で騒音がひどくなった所で長尾は口を開いた。
「呼び出して悪かった」
「久しぶりの親友との再開はうれしいものさ。この姿の俺じゃ、お前の方は、初対面も同じだろうが」
 長尾は向き直って深々と頭を下げた。
「本当にすまん。支えるべき時にいなかった俺には友人と呼ばれる資格はない」
「あの時撃たれて俺は死んだ。公的にも私的にもな。おまえは職務権限でつい最近偶然に真実を知ったにすぎないよ。それより相談というのは」
「飲みながら話そう」
 もう居酒屋の前だった。
「極秘じゃないの?」
 長尾は改めて東を見た。
「あまり驚かないでよ。あなたの前じゃ恥ずかしんだから」
「あ、ああ。携帯端末は?」
「内蔵してる。コードはご存知のはず」

 二人は店に入った。
「おや、珍しいね、長尾ちゃん。しかも彼女づれとは」
 カウンターに並んで座る。客は二人だった。
「中ジョッキ2つ。後は適当にたのむ。飯は」
「まだです」
「俺もだ」
「あいよ」
 勤務中に良いご身分だねと軽口をたたきながら親父はジョッキと付出しをカウンターに置いた。

「暗号が特殊ね」
 長尾のデータをロードした東が呟いた。
「例のやつさ」
 これは学生時代に二人で作ったものを指す。
「そういうことか」
 東は宙を眺めている。長尾はジョッキに口をつけ待った。

 長尾が調査していた通称『軍団』は女性型アンドロイドを手足のように使い日本の政財界の中枢に潜入しようとしていた。
 調べていくうちにそれが巨大な組織で、バックに多国籍企業、あるいはもっと有りそうなことだが、敵性国家の存在が疑われている。これだけでも排除には困難が予想された。
 しかもすでに内部にスパイがいるとなれば、この国は乗っ取られてしまうかもしれない。
 公安にはびこる敵の根を排除するには、内部の誰にも知られず行動を起こす必要があった。

 電池切れかと長尾が失礼なことを考え始めた時、やっと東が口を開いた。親父は食材を取りに奥に入っている。
「私は構わない。協力する」
「誘った俺が言うのは変だが、危険だぞ。いろんな意味で」
「今の私は法的には単なる備品だもの。書類一枚で自由に使いこなせる」
「そんな扱いは受けていないはずだ」
「まあね。でも通常の指揮系統で指示が来るわけじゃない。あなたのを優先するわ」
「助かるよ」
「でも二人だけで?」
「増やせば敵に漏れる可能性が高くなる」
「味方は一人きり……まるで昔のヒーロー物みたいね」
「そうかもな」
「それで?」
「東は正面から攻めてくれ」
「わかった」
「俺は潜入を試みる」
「潜入って――可能?」
「考えがあるんだ」
「じゃあ、とにかく乾杯」
「ああ」

20090901230448db9_20111218232011.jpg
東 鉄也 絵師:雪風 

<つづく>

女捜査官催眠調教 痴女に変えられた私

女捜査官催眠調教 痴女に変えられた私

どうも木下秀○がAVデビューするらしいがお前らどう思うよ。

どうも木下秀○がAVデビューするらしいがお前らどう思うよ。

女の子同士が本当の意味で結ばれる方法を、TS的に考えてみた

女の子同士が本当の意味で結ばれる方法を、TS的に考えてみた

女の子同士が本当の意味で結ばれる方法を、TS的に考えてみた

«  | HOME |  »

FANZAさんの宣伝

 

初めての人はこちら

ts_novel.jpg

 

性の揺らぎに関する作品でお勧めのもの

ts_syouhin_20090318225626.jpg

 

性の揺らぎに関する作品(一般)

ts_syouhinもと

 

FANZA専売品コーナー

ブログ内検索

 

最近のコメント

プロフィール

あむぁい

  • Author:あむぁい
  • 男の子が女の子に変身してひどい目にあっちゃうような小説を作ってます。イラストはパートナーの巴ちゃん画のオレの変身前後の姿。リンクフリーです。本ブログに掲載されている文章・画像のうち著作物であるものに関しては、無断転載禁止です。わたし自身が著作者または著作権者である部分については、4000文字あたり10000円で掲載を許可しますが、著作者表記などはきちんと行ってください。もちろん、法的に正しい引用や私的複製に関しては無許可かつ無料でOKです。適当におだてれば無料掲載も可能です。
    二次著作は禁止しません。改変やアレンジ、パロディもご自由に。連絡欲しいですし、投稿希望ですけど。

 

全記事表示リンク

月別アーカイブ

 

最近の記事

 

カテゴリー

新メールフォーム

イラスト企画ご案内

20080810semini.jpg

 

リンク

RSSフィード

2011-12