fc2ブログ

Latest Entries

呪いはわが身に (3) by.isako

(3)

 東と別れた長尾は一度職場に戻った。
 給湯室でコーヒーを淹れていると同僚の春日咲が入ってきた。咲のほうが一年先輩になる。
「あら、いたんだ。私にもお願い」
「ブラック?」
「ええ。電脳化の具合はどう?」
 咲は自分の耳の後ろの膨らみを指さしながら言った。そこには電脳化処置を受けていない生身の人間がネットに接続するためのインターフェイスが埋められている。
「快調ですよ」
「どんな感じなの」
「特に他の人と違う感想じゃないと思いますが」
「直接聞きたいんだってば」
「速度は変りませんね、当たり前ですが。でも全てがリアルになります」
「バーチャル世界に引きこもらないでよ」
「もちろん。でも休暇がこう取れないと少し試したい気もしますね」
「休暇と言えば課長が探していたわよ。昼前だけど」
「連絡は入りませんでしたが」
「急ぎじゃないんでしょう。コーヒーごちそうさま」
「はい。じゃあ課長のところへ」
「ええ」

 上杉課長は四七才、出世街道からは少し取り残されているが、無能のせいではない。噂では上から煙たがられているからだと言われていた。
 長尾が部屋に入ると灰色の頭を書類から上げる。
「悪いな。忙しいところを呼び立てて」
「いえ。なんの御用でしょう」
「有休を取るそうだが」
「不都合なら日を変えますが」
「そうじゃない」
 上杉は口をつぐみ、長尾はそのまま待った。
「報告書は読んだ。全て順調なようだな」
「はい」
 敵の正体や内部のスパイには触れていない以外は正確に書いてある。。
「ところで君の休暇は死んだ友人の墓参りが目的とのことだが」
 休暇届に理由を書いたわけではない。上杉が調べさせたのだ。
「はい。一年ほど前殉職した警視庁所属の」
「知っている」
「はあ」
「率直に言おう。報告書にはない危険を予見しているのではないかね、君は」
 さすがに鋭い。ほとんど図星である。しかし認めるわけにはいかなかった。理解ある上司だからと全てを話せば迷惑をかける事になる。
「彼とは大学で親しかったのですが、今回の調査で一周忌に出席できませんでした。墓参りと遺族への挨拶をしたいと思いまして。遺族、奥さんも大学の知り合いなので」
「なるほど」
「これから先、忙しくなれば不義理を続けてしまうので、一度切りをつけようと思います」
「そうか。よくわかった」
 上杉に嘘を言う心苦しさを抱いたまま、長尾は部屋を辞した。

<つづく>

催眠コスプレ広場

催眠コスプレ広場

目覚めると従姉妹を護る美少女剣士になっていた2

目覚めると従姉妹を護る美少女剣士になっていた2 DLsitecom版 半額期間

素早い電子化が有難いです。

«  | HOME |  »

FANZAさんの宣伝

 

初めての人はこちら

ts_novel.jpg

 

性の揺らぎに関する作品でお勧めのもの

ts_syouhin_20090318225626.jpg

 

性の揺らぎに関する作品(一般)

ts_syouhinもと

 

FANZA専売品コーナー

ブログ内検索

 

最近のコメント

プロフィール

あむぁい

  • Author:あむぁい
  • 男の子が女の子に変身してひどい目にあっちゃうような小説を作ってます。イラストはパートナーの巴ちゃん画のオレの変身前後の姿。リンクフリーです。本ブログに掲載されている文章・画像のうち著作物であるものに関しては、無断転載禁止です。わたし自身が著作者または著作権者である部分については、4000文字あたり10000円で掲載を許可しますが、著作者表記などはきちんと行ってください。もちろん、法的に正しい引用や私的複製に関しては無許可かつ無料でOKです。適当におだてれば無料掲載も可能です。
    二次著作は禁止しません。改変やアレンジ、パロディもご自由に。連絡欲しいですし、投稿希望ですけど。

 

全記事表示リンク

月別アーカイブ

 

最近の記事

 

カテゴリー

新メールフォーム

イラスト企画ご案内

20080810semini.jpg

 

リンク

RSSフィード

2011-12