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この魔法少女の主成分は勇気ではありません 1-2 by.inQβ

第1話 『少年、少女になる』-2

──こんな非現実的な話があっていいのだろうか。
 意識を取り戻した病床の上で、悠生はいきなりとんでもないことを聞かされてしまった。「女の子になった」と。頭が混乱した。ありえないだろう。それこそ、変身魔法でもかけられない限り。
 しかし、その魔法こそがまず非現実なものだ。最近身近に感じた魔法など、日曜朝の女児向けアニメか、あるいはゲームや漫画の中の話。つまり、今までの出来事は非現実の夢であって、そう、今は悪い夢を見ているに違いない。
 「おい貴様! いつまでそのように呆けている気だ? とっとと正気に戻らんか!」
 悠生と悠美の2人しかいないはずの病室に、突然第三者の声が聞こえた。男女のどちらとも分からない、中性的な声音をしている。
 「誰!?」
 悠生は自分の頭の中の整理をやめ、その声に思わず聞き返す。
 「余か? 口の利き方がなっておらんが、まあよい。我が寛大な心で、この場では不問と処す。余はベアード! 貴様ら人間で言うところの【魔界】の……って、そんなことはどうでもよいのだ。っ……ええい、そこの小娘のせいで、余の計画が早くも頓挫したのだぞ! どうしてくれる!?」
 その声は、悠生が横たわっていたベッドのすぐ脇に置いてある棚の上の……赤いスカーフを首に巻いた、古傷の跡があしらわれていて、顔つきの悪い、あまり可愛くないクマのぬいぐるみから発せられている気がした。ぬいぐるみとしては若干大きめで、勉強机の上に飾っておくようなものではなく、少女が腕に抱くのにちょうどよいぐらいの物だ。
 声からは、やりきれなさがひしひしと伝わってくるが、それがなぜ悠生に向けられているのかは分からなかった。悠生は理不尽を感じた。
 (【魔界】……?)
 王道のRPGゲームは大好きだが、あいにく、今はその手の話題にノってやれるほど悠生の気分は良くなかった。
 それに、ぬいぐるみが喋るはずがない。となると、声の主の姿が見あたらない。
 話し方は上から目線で横暴だ。声音は幼くも老いてもいないような、男女のどちらかよく分からないものだった。
 悠生はどうも腑に落ちなかった。このぬいぐるみは確か悠美のお気に入りの物のはず。それはただのぬいぐるみなのであって、当然生き物でなければ、ちっとも可愛くない趣味の悪いクマ型のスピーカーでもなかった。いま聞こえてくる声は、一体なんなのだろうか。
 「なにこれ、どうなってるの? なんで声が聞こえてくるの?」
 「ええい、また説明するなど面倒なことこの上ない……が、まあ致し方ない。我が寛大な心で──」
 「も~、そのくだりはもういいよ、ベア吉」
 悠美がクマのぬいぐるみの話を切る。「また説明する」という言葉からして、すでに悠美にはある程度話をつけているのかもしれない。
 「べ、ベア吉ッ!? ごほん。余が、この体から貴様に語りかけているのだ」
 なんともまあ、ありきたりな話だ。経緯はどうであれ、魔法少女モノによくいるマスコットキャラ的な存在であると、これからそのように言うつもりなのだろう。悠生は先の話が読めたので、それをばっさりと切り返してみた。
 「悠美、悪いけどひっかからないよ。ぬいぐるみに取り付けた小型スピーカーから声を出して、僕を驚かせようっていうサプライズ企画みたいなヤツでしょ、これ?」
 「あ、いやー……そうじゃなくてね……」
 なぜか悠美は苦笑してクマのぬいぐるみの方を見る。
 「き、きききっ貴様……余の話をまるで信じておらぬな!? まあ、貴様のような愚鈍な小童には理解できぬのも無理はないがな!!」
 目の前で、あまり可愛くないクマのぬいぐるみが、顔を真っ赤にしてバタバタと暴れていた。まさかぬいぐるみが動くとは思っていなかった悠生は、驚きを隠せない。
 「ベア吉に話させるといちいち長いし意味わかんないから、私が簡単に教えてあげる。こいつ、私の体を乗っ取って、世界征服するつもりだったんだって!」
 意気揚々と語りだそうと腰に手を当て、大仰に構えていたクマのぬいぐるみを、見かねたと言わんばかりに押しのけて元通りに座らせて、悠美が説明した。実に分かりやすく。
 「え?」
 あまりにお約束なことを言うので、悠生は反応に困った。元はどのような説明を受けたのか分からないが、かなり内容を端折っていることだけは分かった。
 「ふぅ……重要な部分がこぞって抜け落ちておるが、まあ、貴様らが理解するにはそれぐらいのほうがよいのだろうな」
 悠美に座らされたぬいぐるみは、懲りずに再び腰に手を当て、大仰に構えて、再び悠美に捕まる前にこう言った。
 「だが、現実にはそうなっていない。それはなぜか……ここからは、まだ小娘も聞いてはいまい?」
 悠美の手がぬいぐるみに触れる手前、そのぬいぐるみが意地の悪い笑みを可愛くない顔に浮かべる。もともと可愛くない顔が、ことさら可愛くなくなっていた。
 「失敗したのだ、余の野望は。貴様ら兄妹のもつ潜在能力が“等しく強力”であったため、《転移》魔法の目標を誤認知してしまった。本来は小娘にかかるはずだったものが、小童へとな。そして、余の悲願を達成するためには、それに適した身体が必要。《改竄》の魔法にて小娘の身体を最適化してやるつもりだったのだが……」
 「本来、悠美に《転移》してくるはずだったのに僕に《転移》してしまったから、その後の《改竄》も、僕にかかってしまって、僕がこの姿になってしまった?」
 「左様。分かりやすく言ってやったとはいえ、これだけで理解できたか。愚鈍な奴と思うておったが、考え直してやってもよいぞ。つまりはそういうことだ」
 魔法の潜在能力などという、勇者じみた能力の類をいつ備えたのか分からない悠生であったが、現に悠生は少女の姿になってしまっている。嘘か本当かに関わらずだ。
 夢オチということがないように、念のため悠生は自身の頬をつねってみるが、痛い。そして、その痛みによって目が醒める気配はなかった。
 「“等しく強力”……って、まさか! 今からでも悠美に何かしようっていうんじゃ! そんなこと、絶対させないよ!!」
 悠生はとっさにベッドから起き上がり、脇に立って難しい顔をしていた悠美の前で大の字に構えて庇う。悠生の長くなった結われていない髪は、最初に悠生が予想した通り、腰までの長さがあった。
 「ユウ君……」
 もっとも、悠美より小柄になってしまった悠生が悠美の前に出て庇ったところで、身長差によって、正直なところどっちが庇っているのか分からないぐらいだ。しかし、必死の悠生は気づくよしもない。

1話(2)
挿絵:もりや あこ

 「ふん……勘違いするでない小童。今更、その小娘をどうこうしたりはせぬ。余がつこうた魔法は代償も大きい上、融通も利かぬのでな。《転移》と《改竄》の魔法を使うにあたって余の身体は触媒として“消費”されて消え、目標を乗っ取るための《定着》魔法の際は、一切の魔法的干渉を受けてはならなかった。しかし、あのとき貴様の元に小娘が駆けつけ、手持ちのこの愛らしい物に強く念じおったからに……」
 腰に手を当て、大仰に構えていたベアードは、ふとなにか思い出したように部屋の窓へとふわふわと浮きながら移動した。腰に手をやっていた姿勢から、腰の後ろで手を組むような姿勢になって、外を眺めながら言った。今までの高圧的な態度からうってかわって、感傷に浸っているような、哀愁が漂ってくるような姿だった。
 このぬいぐるみの感性では、この姿は“愛らしい”ようだ。悠生は感覚のズレを感じざるをえなかった。
 しかし、このぬいぐるみ……いや、ベアードは、かなりのリスクを負ってこちらの世界に来たのではないだろうか。世界征服をしようとしていたのだから、考えてみれば当然のことなのだが、そんな漫画やアニメ、ゲームの世界だけの話だと思っていたことを言われて、今までピンと来なかったのだ。

 「難しい話は終わった?」

 悠生の後ろでほとんど喋らず、ずっと静かに話しを聴いていた悠美から、急に明るい声がした。
 「私にも魔法を使える力が一応ある……ってことは、それっぽい呪文を唱えたら、魔法が使えたりしてもいいよね?」
 悠生は驚いて後ろの悠美の方へ振り返る。悠美の表情は、まるでお宝を手にしたお姫様のようだった。
 「そのようなうまい話があると思うか? げに簡単にいくならば、余のような卓越した魔法の使い手が、日夜、鍛錬と研究に勤しむ必要など──」
 対照的に、ベアードは小馬鹿にするような、諭すような口調で返す。
 「……《ファイア》」
──ボワッ!
 あった。そのようなうまい話が。
 ベアードを指差しながらテキトーに唱えた呪文(にもなっていないようなただの単語)であったが、その言葉通り、ベアードの体に火がついた。
 「うわちち! ば、馬鹿な……!? ロクに鍛錬もせず、いきなり魔法を使えるなど!!」
 「ゆ、悠美! 病院内で火の気はまずい! すぐに消して!!」
 「あ、そうだったね……。《火よ、消えなさい》」
 悠美がベアードを指差しながらそう唱えると、指先からこぶし大の雫が弾のように飛び、ベアードにぶつかる。
 (《ファイア》の次は《火よ、消えなさい》って……。なんて統一感のない)
 発火したベアードの体は今度はずぶ濡れになり、火災報知機に煙が探知される前に鎮火した。

<つづく>

頭はオス・体はメス

ノコギリクワガタ:頭はオス・体はメス「大変珍しい」 千葉で展示へ

こちらはありすさんからの情報提供。
興味深い題材ですね。

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マミック!マミーでミミックな男の娘入院記録

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バカが秀吉を男として扱ってみる

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10月の文庫チェック

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10/02  フランス書院  フランス書院文庫  催眠三姉妹(仮)  河里一伸  
10/05  小学館  小学館文庫  転生回遊女  小池昌代  \650  
10/17  竹書房  竹書房ラブロマン文庫  堕とされた女捜査官(仮)  甲斐冬馬  \680  
10/20  富士見書房  富士見ファンタジア文庫  これはゾンビですか?(11) はい、メレンゲです  木村心一  \609  
10/中  キルタイムコミュニケーション  あとみっく文庫  どうやら俺は四天王の中で最弱みたいです  倉田シンジ  \690  
10/中  キルタイムコミュニケーション  二次元ドリーム文庫  さいみん☆武家娘(仮)  上田ながの  \662  
10/29  エンターブレイン発行/角川グループパブリッシング発売  KCG文庫  バイト先は「悪の組織」!?(2)  ケルビム  \662

 

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