FC2ブログ

Latest Entries

この魔法少女の主成分は勇気ではありません 2-3 by.inQβ

第2話 『強襲』-3

 気がついたときには、周りの全てが変わっていた。
 目に入ったものは、上下感覚が無くなりそうなほどに何もない底の見えない暗闇。耳に届くのは、聞き覚えのある声。肌に感じるのは、暖かく柔らかい温もり。鼻で嗅げるのは、いつも身近に感じていたシャンプーのにおい。
 覚醒していく意識の中で、ここは我が家で、今自分は暗い部屋でベッドに横たわっているのだろう、と思った。また、悠美が傍についてくれているのだろう、とも思った。
 「あ、ユウ君やっと起きたの? おはよ! これからとってもイイコトしようってときに急に動かなくなっちゃうんだもん。つまんなかったよ~。まあ、私のせいだけどね」
 「!?」
 意識がはっきりしてくると、たった今想像したものとは違う現実が広がっていることに気づかされる。意識を失う前、自分は何をしていて、どうなったのか。それをだんだん思い出すにつれて、置かれた状況がいかに異常であるかが分かってくる。
 まず、悠生は学園にいて、悠美が普段学んでいる教室にいたはずだった。だが、今は明らかにそれとは違う場所にいる。まるで巨大な何かにすっぽりと覆われているかのような暗黒が広がっているのだ。しかし、自分が横たわっているあたりだけ、不気味な淡い光に包まれているので、手元が見えないといったことはない。
 そして横たわっているのはベッドの上などではなかった。冷たくも暖かくもない、温度を持っていないかのように無機質な黒い何かが、自分の手足を拘束し、大の字に貼り付けていた。黒い何かは、柔らかいが、ゼラチンでもなければウールでもない、悠生の知識の範囲では理解が及ばない質感をしていた。
 そうして拘束されている悠生のすぐ横で、添い寝をするようにして悠生を見つめながら、悠美が横たわっている。
「悠美……ここはどこ!? こんな風に僕を動けなくして、どうするつもり!」
 動かせる首を悠美の方へ振り向かせて問い詰める。
 すると悠美は、まるでその問いが来るのを待ってましたと言わんばかりのしたり顔で、悠生の頬を撫でながら言う。
 「ここはね、悠美が作り出した隔離空間って感じ? 自分でもよく分かんないんだ。ユウ君を独り占めしたいって強く願ったら、こんな感じになったの」
 黒い何かに拘束された悠生の上に悠美が跨る。そのまま覆いかぶさって軽く悠生に口付けし、相変わらず動揺する悠生の顔を見て、面白そうに笑う。
 「あと……どうするかって、さっき私、『イイコト』って言ったでしょ? 私がしたいこと、全部するの。さっきユウ君とキスしたら、もうそれだけじゃ足りなくなってきちゃって……。我慢できないの」
 悠生に覆いかぶさったままの悠美の手が、悠生の下腹部へと伸び、ゆっくりと焦らすようにそこを撫で回した後、太ももの柔肌へと移っていく。股間部には触れず、わざとその周辺を生まれたての赤子を撫でるかのように、優しく指を這わせる。
 そこまでされて、悠生はようやく気づいたことがあった。身につけているものが何もないのだ。和人に着ていた制服を引き裂かれた後、魔法で戦闘様式に変化──つまりはバトルフォームに変身──したはずなのに、今はそれすら跡形もない。意識を失ったことで、変身が解けてしまったか、あるいは悠美にそれを脱がされてしまったのか。
 尋ねたところで相手に不都合であることがないと考えた悠生は、問いへの回答が得られると踏んで、じわじわと攻めあがってくる快感に耐え忍びつつ、あえて尋ねてみる。
 「うくっ……あっ……。な、なんで、裸になってるの……」
 すると、やはり悠美は得意げになって教えてくれた。
 「あー、ユウ君がさっき気絶しちゃったから、そのとき魔法が解けちゃったみたいだね。変身してると、あの服ってかなり頑丈だから、魔法的にも物理的にもなかなか脱がせられなくってさー、手間が省けて助かったよ」
 どうやら、前者の考えが正解だったらしい。しかも、バトルフォームは本当に丈夫なのだそうだ。ベアードを全く信じていなかったわけではないが、なまじ、制服にしか見えなかったため、あの格好になると耐久性があがると言われても、半信半疑だったのだ。
 「んで、あの服が消えたらさー、今度はボロボロになった私の予備の制服姿になってるんだもん。悲しかったな~。あ、いや、嬉しかったかも? ユウ君のお友達、ちゃんとユウ君を襲えたみたいだしね。邪魔だったから脱がしちゃったけど」
 そして、変身が解けると、変身する直前の姿に戻るようだ。ここまではベアードから聞かされる時間がなかったので、思わぬ収穫といえる。
 「ね、ねえ悠美、もうやめよう、こんなこと。元気で優しい悠美が、ホントにこんなことしたがってたなんて、僕は思えないよ? 誰かに変に洗脳されちゃってるだけだよ、悠美。お願いだから、正気に戻ってよ……」
 裸になっている謎が解けたところで、状況は何も変わらない。手足を拘束されて身動きが取れず、ベアードに補助してもらわねば魔法すら使えない今の悠生では、こうして説得する以外手がなかった。
 あまり“らしい”ものではなかったとはいえ、魔法少女っぽいコスチュームすら失われてしまい、本当に自分は何をしに悠美の学ぶ教室まで行ったのだ、と、本気で情けなくなってくる。
 「やめてよ……やめてよユウ君……。私と『イイコト』するの、そんなに嫌なの? 私は……私は! ホントにユウ君の事が大好きで!! ユウ君に嫌われるかもって思っても、こんなことしてるのに!! 一か八かでこんなことしてるのに!! 私の気持ち、伝えたかっただけなのに……!!」
 そんな風に悠生が感傷に浸っていると、悠生に跨ってずっと撫でさすっていた悠美の表情がみるみる強張り、ダムが決壊したかのように感情が溢れ出した。涙が溢れ、目尻に留まることなく流れ出している。
 「悠美!?」
 「なんでよ、なんでなの! 私が一番ユウ君の傍にいて、一番長く一緒にいて、一番ユウ君のこと知ってるのに! それで私、ユウ君のこと、好きだって言ってるんだよ!? ユウ君、今好きなコとかいないんでしょ!? じゃあ私を好きになってよ!! なんで『もうやめよう』とか言うの!! ……やだよぉ」
 悠美の様子の急変に戸惑う。悠美の心からの告白としか思えないような言葉に驚く。
 歯を食いしばり、悠生を下敷きにして涙を悠生の顔に零す悠美の姿は、思いの丈をぶちまける恋する乙女そのものだった。そして悠生は、身体が幼い少女の姿でなければ、傍から見ると、女の子を振り回したニブチン野郎に見えるに違いない。
 「悠美……」
 今までの悠美の言葉は、襲撃者の傀儡(くぐつ)として、脚色を加えたセリフを言わされているのかと思っていた。しかし、今見る悠美の表情は、昔自分に泣きついてきた妹のそれにしか見えないのだ。今までの淫猥な雰囲気が微塵も感じられないのだ。
 通常、本気で兄に恋をする妹などそうそういるものではない。快活で優しい性格の妹の悠美も、当然その例外ではないと悠生は考えていた。だから、兄の悠生のことを疎ましく思っている素振りもなく、屈託のない笑顔を向けてくれる悠美のことは悠生自身も大好きだった。
 とはいえ、近親間の恋愛沙汰などが許される社会ではない。悠生の想いもまた、「兄妹だから」という覆しようのない事実の前には、「妹として好き」と変換されなければならなかったのだ。悠生もまた、気持ちを殺してきた。
 しかし、今、こうして妹から「大好き」と言われている。どう考えても「兄として」ではない。この言葉が襲撃者によって言わされた台詞だとは、悠生はとても思えなかった。

 「は~、もううんざり。ったく、潜在魔力値が高くていいモノ見つけたと思って苦労して手懐けたってのに、いつまでも日和(ひよ)ってやがって……」

 突然、どこからか悠美のものではない女の声が聞こえた。
 悠生と悠美を覆う巨大な暗黒が歪み、先刻、悠生が突入した教室の入り口の光景になる。相変わらず生徒の姿はなく、不気味なほど静かな教室に。
 巨大な暗黒の消滅と同時に、悠生を拘束していた黒い何かも消え、手足が自由になる。
 それと同時に、今まで泣きじゃくっていた悠美は、男子トイレで和人がそうなったように、ふと力が抜けたように崩れ落ちた。崩れ落ちた悠美の下敷きになりつつ、悠生は声の主を探す。
 それは、教室の中央に、どこからともなく突然現れた。
 「はぁ~い悠生ちゃん。まったく、こんなに可愛い妹を泣かせる酷い兄貴はどんなのかと思って来てみれば、これまたこーんなに可愛い子だったとはねー? その娘の感情を覗いた感じ、てっきり兄貴だと思っちゃってたけど、妹だったとはね。これは傑作! 禁断の兄妹愛どころか、禁断の姉妹愛とはねぇ!! これはレアだねえ! あっはは!!」
 酔狂な笑い方をしながら、そいつは現れた。

2話(3)
挿絵:もりや あこ

 「お前が……悠美を……和人を……」
 「ピンポーン♪ どう、なかなかの演出だったでしょう? 悠生ちゃんに特に近しい人間をサーチして、遅効性の洗脳魔法と魔力吸収魔法をかけたの! 洗脳と言っても? まあ、本人達の心の奥底にある秘められた部分──黒い部分を、ちょーっと表に出す手伝いをしてあげただけなんだけど? でもまあ、思ってた以上にうまくいっちゃってさー、もう、笑いが止まんないっての! あっはは!!」
 その女の背中には蝙蝠のような翼が生えていた。血に塗れたように真っ赤な長髪がなびく頭部には角がある。体つきは大人びている……のを通り越して、必要以上に出ているところが出ていた。身につけている服らしい服もなく、一見すると革製の黒いモノで、必要最低限の箇所を、見えるか見えないかのギリギリの範囲で隠している程度だった。
 扇情的な格好とそれを助長する体型に見合う、妙齢の美女と表すのが最もしっくりくるだろうか。妹以外の女に詳しくない悠生としては、程度を定めることができないのだが、少なくとも“少女”という体(てい)ではない。
 精巧なコスプレの可能性も否定できないが、その翼は血が通っているように生々しい。蝙蝠のような形とはいえ、蝙蝠のそれほど薄くないためか、薄っすらと血管が見えたりはせずに真っ黒だ。その角は安っぽいプラスチックがテカっているわけではなく、触ればザラっとした感触がするであろう硬質さを窺わせる黒さだ。
 「うっくっ……こんのっ……」
 重なるようにして悠生の上で気を失っている悠美を慎重に横に転がすようにして寝かせ、拘束が無くなったところで、ふらつく身体に精一杯の力をこめて踏ん張り、悠生はなんとか立ち上がる。
 「おお~、まだそんな元気あったんだ? ちっちゃいボディでがんばるねぇ悠生ちゃ~ん。でも、無理しないほうがいいんじゃなーい? 魔力もそれなりに吸われて、散々身体もいじられて、体力的にもうやっとでしょ~? 大人しくお姉さんにヤられて、楽になっちゃったほうがいいよー? あっはは!!」
 言葉のひとつひとつが癪に障る。確かに悠生の身体は、ボコボコに痛めつけられたわけでもないのにフラフラで、立っているのがやっとだ。こんな状態で何ができるのだろう。
 しかし、そうであっても、いちいち笑いたてる変態女に、何かしら一発かましてやらなければ気がすまない。悠生の腸(はらわた)は煮えくり返っていた。
 「あっはー、こわ~い! 悠生ちゃん、女の子がそんな風に睨み付けちゃダメよ? もっと可愛く笑いかけないと! お姉さんみたいに笑って笑って! あっはは!!」
 「……ふざ……けるな……」
 悠生は女の方に人差し指を向けた。
 すると、特に何か動作をするでもなく、念じるでもなく、ただ指差しただけの動作であったというのに、指先から、圧倒的な力のこもった“何か”が放たれた。
 しかし、フラつく身体では狙いが定まらず、“何か”は女の顔面スレスレの真横を突き抜けるようにして外れる。外れた先にあった教室の壁は、ぽっかりと大きな穴が開いていた。穴の先には何もなかった。コンクリートがむき出しになっているのでも、校舎の外の景色が見えるわけでもなく、何もない。漆黒が支配していた。
 「あ……あはは……。ホントにこわーい……。何今の……当たったら即死だったんじゃなーい……?」
 いちいち癪に障る笑い方をしていた女の顔が、笑いかけた表情のまま引きつる。
 即死、という言葉の意味が悠生には分からなかった。別に殺そうとしたのではない。怒りに任せ、意識せず“何か”を放っただけだった。
 「ふふ……そう、ふふふ……! 悠生ちゃんも本気になっちゃったのね!? そうなのね!? いいわ、いいわぁ! だったら私も、“ヤ”ってる場合じゃないわねぇ。“殺”りに行かなくちゃねぇ!!」
 女の表情が変わった。怒気のこもった一声の後、その血に濡れたように赤い長髪をなびかせ、タンっと床を蹴ったかと思うと、その簡単な動作からは考えられないほどの瞬発力で、悠生の懐目掛けてまっすぐ飛び込んでくる。女の手には鋭利に尖った爪が長く伸びていた。
 「……」
 しかし悠生はそれに動じることなく、それどころか、身一つ動かす様子がなかった。
 女は悠生が勝負を捨てたと見て、勝機を確信して悠生の身体を鋭利な長爪で掻っ割いた……はずだった。
 しかし、掻っ割かれていたのは女の方だった。悠生をズタズタにするはずだった爪は粉々に砕け、掻っ割いたはずのその斬撃が、まるでそのまま跳ね返ったように女の腹から肩にかけてまで、深い傷を与えていた。
 「あぐっ……あああああああああああああああああああああああ!!」
 あまりの出来事に、女がわめく。先程までの余裕など欠片も感じられない。苦痛に顔を歪ませ、信じられないものを見るような目で、悠生を見た。
 悠生は身包みひとつ身につけていないというのに、まったくの無傷だった。よく見ると、悠生の周りを守るように、うっすらと輝く球体の光が張られていた。
 「あああぁぁぁ……ふざけやがって、ふざけやがってえええええ!! この屈辱、絶対に忘れない!! 悠生ちゃん……次はその可愛い顔を……苦痛でぐちゃぐちゃにしてあげる!! お姉さんに素直にヤられなかったこと、地面に這いつくばって懇願して謝るほど後悔させてあげるわぁ!!!」
 深い傷を負っているというのに、女は一切血を滴らせていない。代わりに、その身を焼いたかのように、禍々しい黒煙のようなものを身体から立ち上らせながら、捨て台詞のような言葉を吐いて、現れたときと同様に突然消えうせた。
 再び空間が歪む。
 次はどんな光景になるのだろう。
 悠生は薄れる意識の中そのように思い、そして力尽きたようにその場にうつ伏せに倒れこみ、考えるのをやめた。

<つづく>

吸精~kyusei~

吸精~kyusei~

おちん●んをしゃぶり溶かされ女体化し
「淫蟲(いんちゅう)」と呼ばれる双頭ディルドを
新しいお●んこ装着させられ快楽の虜になってしまう型音声作品です

新潟のおせんべい屋さんが東京の女子中学生にヒット商品づくりを頼んだらとんでもないことが起こった!?

新潟のおせんべい屋さんが東京の女子中学生にヒット商品づくりを頼んだらとんでもないことが起こった!?

読んだ。基本的にはマーケティングやものづくり関係の本。由真ちゃんのキャラが良くって、失われてしまった若きエナジーが取り戻せるナリ。良い本だ。

新潟のおせんべい屋さんが東京の女子中学生にヒット商品づくりを頼んだらとんでもないことが起こった!?新潟のおせんべい屋さんが東京の女子中学生にヒット商品づくりを頼んだらとんでもないことが起こった!?
(2012/07/04)
ROCKGIRLS、 他

商品詳細を見る

プロ法律家のビジネス成功術

すごい速さで読んだ。良かった。

”リスクを負う覚悟の無い人間は、他の人がどんなに儲けていても、むやみにうらやましがったり妬んだりしてはなりません。貧乏人でいる事に甘んじて、じっと辛抱してください”
とかゾクゾク来ちゃいますね。
頑張って、お金を燃やしちゃいましょう!!

プロ法律家のビジネス成功術 (PHPビジネス新書)プロ法律家のビジネス成功術 (PHPビジネス新書)
(2012/08/18)
金森 重樹

商品詳細を見る

超人戦隊→石化戦隊

超人戦隊→石化戦隊

こういった極端に絞り込んだターゲットを狙う作戦は嫌いじゃないです。

あなたは私のペットでしょ?~突然ですがあなたは今日からジョンです~

あなたは私のペットでしょ?~突然ですがあなたは今日からジョンです~

興味あるテーマです。

«  | HOME |  »

DMMさんの宣伝

 

初めての人はこちら

ts_novel.jpg

 

性の揺らぎに関する作品でお勧めのもの

ts_syouhin_20090318225626.jpg

 

性の揺らぎに関する作品(一般)

ts_syouhinもと

 

ブログ内検索

 

最近のコメント

プロフィール

あむぁい

  • Author:あむぁい
  • 男の子が女の子に変身してひどい目にあっちゃうような小説を作ってます。イラストはパートナーの巴ちゃん画のオレの変身前後の姿。リンクフリーです。本ブログに掲載されている文章・画像のうち著作物であるものに関しては、無断転載禁止です。わたし自身が著作者または著作権者である部分については、4000文字あたり10000円で掲載を許可しますが、著作者表記などはきちんと行ってください。もちろん、法的に正しい引用や私的複製に関しては無許可かつ無料でOKです。適当におだてれば無料掲載も可能です。
    二次著作は禁止しません。改変やアレンジ、パロディもご自由に。連絡欲しいですし、投稿希望ですけど。

 

全記事表示リンク

ブロとも申請フォーム

月別アーカイブ

 

最近の記事

 

ブロとも一覧


■ ブログ名:M物語(TSF小説)

 

カテゴリー

新メールフォーム

イラスト企画ご案内

20080810semini.jpg

 

リンク

RSSフィード

2012-10