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開運アイドル? ~第2話~

開運アイドル? ~第2話~

とことん運がない少年、強くんとアイドルを目指すアゲマン美少女、橘ちゃん。
ひょんな偶然から出会った2人は何故か美少女アイドルユニットとして
デビューを目指すべく特訓することになったのだが…!?
女装し、ダンスの訓練を受けるも周りのエロすぎる光景にチ○ポビンビン!
それを隠すため、橘ちゃんは自分のマ○コに入れるように指示するのだけれども…?

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いつだって僕らは 2-20  by 猫野 丸太丸

20.
「え? なんでいま?」
「前のときが十一月だっただろうが。もう半年以上経った、会ってみるべきだろう」
「べつに必ず半年と決まっているわけじゃないし、期末試験とかあるし」
「半年も会わないなんてことが許されるか」
 僕は皆の前で、いちおう父さんの提案を嫌がったと思う。最悪のタイミングで命令が来たのは本当である。僕は学校の試験が近いからとか、なんとか理由をつけて断ろうとした。しかし父さんは撤回しなかった。
「大事なことだと分かっているはずだ」
 電話が切れたあと、僕はカラオケボックスのなかを見回した。もともと自宅では、こことは違う空気を区別して吸ってきた僕である。父さんが気になることのトップに侵入してきたことで、僕にはほかの三人がますます遠い世界の存在に感じられた。
「ごめん、来週水曜日に急用が入ったんだ。TSするかどうかもう一週間待ってほしい」
 皆は信じられないという顔をした。それでも山下は
「急用じゃしかたがないよね!」
 と言ってくれたけれど、僕が三人を失望させたのはたしかだった。
 今日のうちにやるべき用事ができたわけではないから、電話の後も僕はカラオケボックスにいた。いなければよかったと思う。僕はほとんどしゃべらず、ただ和久と山下だけがふたりで女の子の生活について語りあうのを聞いていた。
 山下も博学だったがそれは耳学問であり、和久が先輩めかして話すのを「なるほど! すごいね!」と聞いている様子だった。和久だって女の子体験は一週間だけなのだが、和久は話す度に「女の子って大変で」「女の子って大変なんだから」と繰り返した。
 十回繰り返したところで僕はつぶやいた。
「男だって大変だよ」
 和久はアメリカのドラマ女優のように目をぐるぐるさせる表情で呆れた。
「分かってないなぁ、新井は。……女になったら分かるよ」
 僕は激怒しても良かった。じゃあTSについてあれほど語っていた男時代の和久は全くの馬鹿だったのか? 「分かっていない」やつだったのか?
 でも言ってもしかたのないことだ。僕は話に夢中のふたりを置いて去ることにした。篠塚が僕になにか言いたげだったが、とくに会話はならなかった。
 個室を出たときには、僕の心は来週の水曜日のことでいっぱいになっていたのだ。受付前で美濃さんに呼び止められた。
「どうしたのよ、ひどい顔をしているじゃない」
 美濃さんが言うのだから実際そうだったのだろう。僕は簡単に答えた。
「山下とかは関係なくて……。うちの家族って、おたがい仲が悪いんですよ! それだけです」

 なるべく思い出さないようにしていたけれど、半年ごとに思い出すことがある。僕には別居している姉がいる。
 別居するようになったのは、僕が中学三年生、姉が高校二年生のときだ。姉は、正直言ってレスビアンだった。高校でガールフレンドを持っていて、後輩の女子にも慕われていたらしい。あるとき僕は自宅で、姉が女の子といちゃついているのを目撃してしまった。夏の夕方、親が出張で帰ってこない日。自室にいた僕は階下の物音に気づき、足を忍ばせて階段を下りた。廊下には脱ぎ捨てられた制服があった。だらしない姉の仕業かと思ったところで、スカートが二着あるのに気づいた。
 スカートを拾い、おそるおそる進む。リビングをのぞきこめば、そこでピンク色のふたりがくっついていた。べつに全裸だったわけではない。ポルノのようにどちらかが泣き叫ぶわけでもなく、静かで優しい触れあいだった。けれど僕は光景を見てなめくじを連想した。中学男子には十分刺激的な光景だったのだ。
 当時の僕には知識がなかった。ただ自分が見たものに衝撃を受けて、家を飛び出し、公園のベンチでうつむいて息を整えていた。そして、偶然通りがかった友達に話しかけられた。僕はなんの気なしに、自分が見たものを話してしまった。
 噂が広がるのは早かった。中学生たちは、高校にいるというレズの女王様が下級生を取っかえ引っかえしているという噂でもちきりになった。姉弟のいる家庭を通して、噂は姉の高校にまで伝播した。姉は心ない噂に気丈に耐えていたが、ついには相手の子が耐えられず学校に来なくなってしまう。姉は相手の子のことを想って泣いた。そして噂の出所が僕だと知ったとき、そして僕が動揺のあまり姉のスカートを握りしめたまま道路を走り回ったと知ったとき、僕の家もまた壊れてしまった。

 もう僕なんかといっしょには住みたくない。姉の申し出が強かったため、姉は僕や父さんとは別の家に住むことになった。ようやく大変なことになったと気づいた僕は、噂を広めた友人に抗議した。
 友人はこう言っただけだった。
「僕は新井から聞いたんじゃないか。うそを広めたわけじゃないし、だいたい噂にしたくないんだったら新井が言わなければ良かっただろう。自業自得なのになにを責任転嫁しているんだ」
 そう、皆は僕から聞いたことを口にしただけだから、悪じゃない。
 結局僕に残ったのは、自分が諸悪の根源だという有罪判決と、なんで僕だけが責められるのかといういじけた反発心だった。僕は口に出しこそしないけれど、内心では人間の集団を一切信用しなくなった。せめて集団から危害を受けている人を見かけたら理屈なく助けよう、そうすることが罪滅ぼしになるとか思っていた。
 山下を助けたのはそういう理由だ。
 助ける相手にとっては逆効果だったかもしれないけれど。

 水曜日の夕方、学校が終わると僕は制服のまま駅前に向かった。そこで父さんと待ち合わせて、電車に乗って目的地に移動した。行き先はいつか和久たちと服を買いに行った繁華街で、そこのデパート上階にある西洋レストランが姉と会食する場所だった。
 僕たちが店員さんに案内されたとき、四人がけのテーブルには既に姉が座っていた。姉は頬杖をついて窓の外を眺めていた。黒いドレスにきらきら光る装飾が、夕日に映えて美しい。
 姉は僕たちに気づくと、僕を無視して父に話しかけた。
「この店、冷房が効きすぎだっちゅう。待ってて芯から寒くなった」
 すまん、とつぶやいて父が姉の対面に座った。僕は父の隣りだ。
 姉が家を出ていって以降、僕らは父の発案でときどき夕食をいっしょにするのだ。最初は顔を見るのも嫌だと渋っていた姉が出てきたとき、父は事態が改善に向かっていると喜んだ。しかしそこからは一進一退、いや、姉が僕を嫌う程度は顔を合わすたびに増えているかもしれなかった。
「今年は空梅雨だったな」
 父は気候の話をして、つぎに最近の姉の様子を尋ねた。姉は言った。
「大学のサークルでね、わりと素敵な娘がいるの。いっしょに旅行で遊んだりね」
 明るい話題に、父はそうかと喜んでいる。僕は窓のほうを向いた。姉はまだ女の子と遊んでいるのか。旅行先では、夜にはなにをやっているのだろう。
 そしてなぜか次の話題が、僕の近況になった。
「あいかわらず友達とかいないんでしょ」
「そうでもないけど。家に遊びに来たりしているし」
 本当に? と疑ってかかる姉に対して、父さんは自信たっぷりに僕の肩をたたいた。
「うそじゃない。そのうえ最近は好きな娘だっているらしいぞ」
 余計なことを言われた。運ばれてきたスープを黙って飲んでいると、姉が
「ちゃんと会話できているの?」
 とか
「相手の子に好きって言われている? ただの片思いを思いこみでこじらせてない?」
 とか言ってくる。きっと僕の顔には図星をつかれた焦りが浮かびあがっていて、姉は目ざとく表情の変化を読みとっているだろう。食事中の家族の会話には、本当にうんざりする。
「ちょっとはしゃべりなさいよ。あたしはエスパーじゃないんだから、あんたが意見を言わないと会話にならないでしょ」
「……意見を言ったって、どうせ楽しくならないし」
 姉と僕は、同時に「それみたことか」という顔をするのに成功した。
「あんたって子は、どうしてそう自信がないの」
「自信がない、自信がないって言ってくるやつがいるからじゃない?」
「また他人のせいにするのね、サイテー。ほんっとにサイテーな男だわ」
 タイミング良く次の料理が出てきたので、会話は中断された。
 なんとかいつも通りの会話に落ちついている。僕はサラダをほおばって落ちつこうとした。相手が言うほど最低にはなっていない。まだましなほうだ。
 父も僕のほうを向いて、落ち着け、と手振りをしている。そうだ、落ちつく義務があるのはいつも僕のほうだ。僕は落ちつかなくてはいけない、落ちつかなくてはいけない、みんなの幸せ、家族の幸せのために落ちつかなければいけないんだ。
 サラダを早く食べ終わってしまったので間が持たなかった。僕は目の前の塩の瓶を手に取る。ふたをくるくる回したり、外れる一歩手前で締め直したり。さすがはおしゃれな店、よくできた瓶だ。そんな動作を姉に見とがめられた。
「つまらない顔して食事してさ、本当にネガティブな性格。お店の人に感謝の気持ちが足りないんじゃない? せっかく良いお店に来たんだから、楽しい会話ってものがあるでしょうが。国語が得意なのが自慢なんでしょ? なにか前向きなことを言いなさいよ!」
 僕は塩の瓶で楽しんでいたんだ。おまえがしゃべらなければ、いくらでも楽しい気分でいたさ。なんだったら楽しい思い出の話をしてやろうか。
「餃子、おいしいよね。このあいだ作ったんだけど」
「餃子ぁ? なんで餃子なのよ」
 あのころは楽しかった気がする。なのに先週は気まずくなってしまった。どうしてだろう。僕に友達ができない原因があるからか。ネガティブで自信がないからなのか。姉が乳繰り合っているのを目撃しても笑ってすませる胆があれば、事件は起こらなかっただろうか。そしたら高校生活はもっと楽しいものになっていて、山下ともっと早く友達になり、四人いっしょにいろいろな体験をして、たくさん素敵な思い出を重ねることができたのだろうか……。
「こんどはなんで泣いているのよ」
「昔を思い出しただけ」
「昔って、あんたの昔にどんな悲しいできごとがあるのよ。家に住んで、父さんに甘やかされて。幸せいっぱいの生活を送っているじゃない。ポジティブにありがとうって言いなさい」
 それもいいかもしれない。仮に姉がおかしくなっているとしても、原因は僕が起こした事件にあるのだ。昔はもっと穏やかに暮らすことができたのだ。まわりは幸せでいっぱいだ。つらいことがあるとすれば、それは全て僕の中から出てきたのだ。
「あたしはね、加害者のくせに被害者面するやつがいちっばんむかつくのよ!」
 僕は泣き続けた。姉はため息をついた。
「中学の頃からぜんぜん直っていないじゃない……。泣きたいのはこっちだわ」
 フランス料理はだらだら皿が出てくるので、食べ終わるのに時間がかかった。なんとか胃袋に詰め込んだら、父さんがやっと帰ろうと言ってくれた。

 ふらふらしながらいすを立った。そのまま帰ろうとしたところで、■■■の声が聞こえた気がした。
「ちゃ ん と 食 べ て る? 顔 色 が 悪 い わ よ。夜 更 か し し て い な い ?」
 これ以上なくダメージを受けた現場で僕がふらふらしていたら、日ごろの生活習慣が悪いからだと言ってくるやつが現れた。あいかわらず楽しい幻聴だ。
「考 え こ み す ぎ る の は 良 く な い わ よ。き っ と、い い こ と が あ る か ら」
 ■■■に触られた気がしたから避けた。おまえの身に悪いことが起こるのは全部おまえ自身が考えるからだと、呪いを受けた気がした。じゃあ誰か僕の頭を斬り落としてください。もう見たくも聞きたくも、話したくもない。
 とにかく現場を離れたかった。僕は出口に向かって歩く。父さんの声が
「おい、■■■が心配してくれているんだぞ」
 理屈では分かる。きっとそうなのだろう。でもさぁ、■■■は心配するだけなんだよね。自分に責任がちょっとでもあるとは思っていない。後ろであれが大変だ、これが良くないって言うだけで、言われた相手が自助努力で解決してくれるのを待っている。
 だから僕は、言われれば言われるほど重荷になる、自分が悪いから心配をかけるんだと、苦しくなる。
 父さんだって気づいていないのだろうか。■■■はずっと、父さんのやり方が悪かったから家族が割れたと思っているんだよ?

 父さんは帰り道をタクシーにしてくれた。後部座席でふたり、気持ち悪さが落ちつくのを待った。バターや肉のしつこさが取れたところで、僕は窓から夜景を眺めた。
 テールランプの群れが街道を渡っていく。こんなことを繰り返して、父さんはどう思っているのだろう。
「ねぇ……。もう会うの止めないかな。どうにもならないじゃない」
 父さんは僕の手を、しっかり握ってくれた。
「どうにもならなくない。家族なんだぞ」

<つづく>

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