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ペナルティ (2) by.F
「何?それ。ひょっとして俺の事を誘ってる?」
奴の声にハッとして上着とスカートを整える。
「馬鹿なことを言うな!お前っ!いつの間に俺にこんな格好をさせたっ!」
「そりゃぁ、今日朝学校に行く前に着替えた時に自分で着たんじゃないのかな」
「ふざけんな!今日俺は学校なんかに行っていないし、
今までの人生で一度たりともブラジャーなんかつけたこともない!」
「そうか、アケミちゃんはそんなに立派なおっぱいなのに、
ブラの付け方も覚えてないのか。なら、一から思い出しておいで」
奴のその一言とともに俺の視界はまた暗転した。
意識が戻ると俺はベッドの上で布団にくるまれていた。
どうやら、また昔の夢の様だ。
相変わらず体は自由に動かない上、
今度は軽い頭痛とお腹が痛い。
しばらくうずくまっていると、
ママが俺を起こしに来た。
「おはよう、アケミ。そろそろ起きなさい」
「うーん、お腹が痛いし、頭もずきずきするぅ」
一体なんだろう。
俺は今まで滅多に風邪なんか引いた事もなかったはず。
「つら〜い。学校休むぅ」
「これから毎月おこることなんだから、慣れなさい!
といっても、つらそうだから、待っててね」
そう言ってしばらくするとママは、
台所からくんで来た水と錠剤を俺に手渡した。
錠剤はどうやら痛み止めだった様で、
しばらくすると痛みがおさまってきた。
今度は、△学……四年生か?
机の横の真っ赤なランドセルと机の上の教科書を見ながらそう判断した。
あれ?俺のランドセルの色って赤色だったっけ?
そんな事を考えていると背中をなでてくれていたママが話しかけて来た。
「最初のうちはつらかったけど、しばらくすると慣れてくるから」
「ほんとに〜?」
「あたしの場合はそうだったから、アケミもきっとそう」
確かに、最初のうちは重かったけど、
最近は、そんなにつらくないかな。
って、あれ?何の話だっけ?
「ショーツは今日もあっちの方をはきなさいよ、
あと、アレをはりつけるのを忘れないように」
「うん……」
『あっち』とか『アレ』ってなんだっけ?
重たい体をひきずるように起き上がりながら、
俺の体は着替えを始めた。
ハロー○ティーがプリントされた
かわいらしいピンクのパジャマを着た幼い自分の姿が鏡に映る。
あれ?何かおかしくないか?
「そっか。ママが髪をアップにしてくれていたのね」
この頃から伸ばしていた髪が
寝起きだというのに奇麗にまとめられている。
どうやら、いつのまにかママがリボンでまとめてくれていた様だ。
というか、それだけではない。
何かが、おかしい。
何がおかしいのだろうか。
鏡に映る自分の姿を見れば見るほど良くわからなくなってきた。
身長は15センチほど低いが、
顔も体つきも今とさほど変わらない。
パジャマはよく似合っていると思うし……
そう言えばこのパジャマはママと一緒に買いにいって
自分で選んだんだっけ。
上着のボタンをつたない手でゆっくりとはずしていく。
あれ?
パジャマの間から少しやせ気味の体とぷっくりと膨らんだ胸が見えた。
上着を脱いだ後、俺の体は鏡に向き合う。
ぷっくりと膨らんだ胸。
そしてつんと上を向いた乳首。
「やだぁ、また膨らんでるぅ」
そっか。
俺の胸が成長し始めたのってこの頃か。
違和感の原因がやっと分かった。
当たり前と言えば当たり前なんだけど。
胸が、小さい。
ブラをしていないのに、体を動かしてもゆれない。
うん。胸が小さいっていうのも、
やっぱり楽でいいな。
タンスの中からジュニアブラを取り出す。
慣れない手つきで被るようにブラをつけ肩ひもを整える。
「うう……ちょっと、きついよぉ」
ワイヤーも入っていないから締め付けは、それほどきつくない。
でも、急成長中の胸にはワンサイズ大きいブラが必要なようね。
さて……次は……
ピンクのパンツを下ろすと、
黒と白の縞柄のショーツで覆われた股間が見える。
やっぱり何かが変なのよね。なんだろう。
「やっぱり、ごわごわするぅ」
脱いだショーツには赤いシミがついたナプキンがはりついていた。
違和感の原因が分かった。
ああ、そうか。やっぱり生理中なのね。
ショーツも当然サニタリーショーツだし。
タンスからブラの色と合わせた別のショーツをとりだし、
ナプキンをとりつけ足を通す。
「うぅ。やっぱりはきごこちがわるいよぉ。
でも……先月みたいにはなりたくないから仕方ないかぁ」
そっか。これ2回目の生理の時ね。
初潮の時は大変だったなぁ。
授業中にいきなり生理が始まって。
先生が女の先生で助かったけど、
4年生だから当然性教育とかしてもらっていなかったし。
お祝いのお赤飯と一緒にママから色々教えてもらったんだっけ。
そんな事を考えていると
すでに、赤いTシャツとデニムのスカートに着替え終わっていた。
「うん。ばっちり」
「……んっ」
唐突に夢が終わり、俺は元の部屋に戻っていた。
また何か妙な事が起きていたりして……
はっとして、俺はまず自分の体を確かめる。
4年前には小さかった胸もいつものサイズに戻っている。
姿見に自分を映してみると、
朝自分で整えた髪。そして、いつもの制服。
とりあえず、何もおかしな事は起きていないみたい。
にやにやと俺の事を見ているトシヒコを無視して、
次に部屋の中を確かめてみる。
タンスの中は……
色とりどりのショーツにブラ。
きちんと折り畳まれたブラウスにキャミソールにスカート。
うん。問題なさそうね。
机の上とベッドの傍にぬいぐるみさんが数人。
何もおかしな事はないはずなんだけど……
何かが変な気がする。
ふとトシヒコの方を見ると、
トシヒコが昨日まで俺の着ていた制服を着ていた。
あれ?そうよ!
俺が女の体にされたのは、今日のはず。
それなのに違和感が全くなくなってしまっている。
それに、なんでトシヒコがあの制服を?
<つづく>
奴の声にハッとして上着とスカートを整える。
「馬鹿なことを言うな!お前っ!いつの間に俺にこんな格好をさせたっ!」
「そりゃぁ、今日朝学校に行く前に着替えた時に自分で着たんじゃないのかな」
「ふざけんな!今日俺は学校なんかに行っていないし、
今までの人生で一度たりともブラジャーなんかつけたこともない!」
「そうか、アケミちゃんはそんなに立派なおっぱいなのに、
ブラの付け方も覚えてないのか。なら、一から思い出しておいで」
奴のその一言とともに俺の視界はまた暗転した。
意識が戻ると俺はベッドの上で布団にくるまれていた。
どうやら、また昔の夢の様だ。
相変わらず体は自由に動かない上、
今度は軽い頭痛とお腹が痛い。
しばらくうずくまっていると、
ママが俺を起こしに来た。
「おはよう、アケミ。そろそろ起きなさい」
「うーん、お腹が痛いし、頭もずきずきするぅ」
一体なんだろう。
俺は今まで滅多に風邪なんか引いた事もなかったはず。
「つら〜い。学校休むぅ」
「これから毎月おこることなんだから、慣れなさい!
といっても、つらそうだから、待っててね」
そう言ってしばらくするとママは、
台所からくんで来た水と錠剤を俺に手渡した。
錠剤はどうやら痛み止めだった様で、
しばらくすると痛みがおさまってきた。
今度は、△学……四年生か?
机の横の真っ赤なランドセルと机の上の教科書を見ながらそう判断した。
あれ?俺のランドセルの色って赤色だったっけ?
そんな事を考えていると背中をなでてくれていたママが話しかけて来た。
「最初のうちはつらかったけど、しばらくすると慣れてくるから」
「ほんとに〜?」
「あたしの場合はそうだったから、アケミもきっとそう」
確かに、最初のうちは重かったけど、
最近は、そんなにつらくないかな。
って、あれ?何の話だっけ?
「ショーツは今日もあっちの方をはきなさいよ、
あと、アレをはりつけるのを忘れないように」
「うん……」
『あっち』とか『アレ』ってなんだっけ?
重たい体をひきずるように起き上がりながら、
俺の体は着替えを始めた。
ハロー○ティーがプリントされた
かわいらしいピンクのパジャマを着た幼い自分の姿が鏡に映る。
あれ?何かおかしくないか?
「そっか。ママが髪をアップにしてくれていたのね」
この頃から伸ばしていた髪が
寝起きだというのに奇麗にまとめられている。
どうやら、いつのまにかママがリボンでまとめてくれていた様だ。
というか、それだけではない。
何かが、おかしい。
何がおかしいのだろうか。
鏡に映る自分の姿を見れば見るほど良くわからなくなってきた。
身長は15センチほど低いが、
顔も体つきも今とさほど変わらない。
パジャマはよく似合っていると思うし……
そう言えばこのパジャマはママと一緒に買いにいって
自分で選んだんだっけ。
上着のボタンをつたない手でゆっくりとはずしていく。
あれ?
パジャマの間から少しやせ気味の体とぷっくりと膨らんだ胸が見えた。
上着を脱いだ後、俺の体は鏡に向き合う。
ぷっくりと膨らんだ胸。
そしてつんと上を向いた乳首。
「やだぁ、また膨らんでるぅ」
そっか。
俺の胸が成長し始めたのってこの頃か。
違和感の原因がやっと分かった。
当たり前と言えば当たり前なんだけど。
胸が、小さい。
ブラをしていないのに、体を動かしてもゆれない。
うん。胸が小さいっていうのも、
やっぱり楽でいいな。
タンスの中からジュニアブラを取り出す。
慣れない手つきで被るようにブラをつけ肩ひもを整える。
「うう……ちょっと、きついよぉ」
ワイヤーも入っていないから締め付けは、それほどきつくない。
でも、急成長中の胸にはワンサイズ大きいブラが必要なようね。
さて……次は……
ピンクのパンツを下ろすと、
黒と白の縞柄のショーツで覆われた股間が見える。
やっぱり何かが変なのよね。なんだろう。
「やっぱり、ごわごわするぅ」
脱いだショーツには赤いシミがついたナプキンがはりついていた。
違和感の原因が分かった。
ああ、そうか。やっぱり生理中なのね。
ショーツも当然サニタリーショーツだし。
タンスからブラの色と合わせた別のショーツをとりだし、
ナプキンをとりつけ足を通す。
「うぅ。やっぱりはきごこちがわるいよぉ。
でも……先月みたいにはなりたくないから仕方ないかぁ」
そっか。これ2回目の生理の時ね。
初潮の時は大変だったなぁ。
授業中にいきなり生理が始まって。
先生が女の先生で助かったけど、
4年生だから当然性教育とかしてもらっていなかったし。
お祝いのお赤飯と一緒にママから色々教えてもらったんだっけ。
そんな事を考えていると
すでに、赤いTシャツとデニムのスカートに着替え終わっていた。
「うん。ばっちり」
「……んっ」
唐突に夢が終わり、俺は元の部屋に戻っていた。
また何か妙な事が起きていたりして……
はっとして、俺はまず自分の体を確かめる。
4年前には小さかった胸もいつものサイズに戻っている。
姿見に自分を映してみると、
朝自分で整えた髪。そして、いつもの制服。
とりあえず、何もおかしな事は起きていないみたい。
にやにやと俺の事を見ているトシヒコを無視して、
次に部屋の中を確かめてみる。
タンスの中は……
色とりどりのショーツにブラ。
きちんと折り畳まれたブラウスにキャミソールにスカート。
うん。問題なさそうね。
机の上とベッドの傍にぬいぐるみさんが数人。
何もおかしな事はないはずなんだけど……
何かが変な気がする。
ふとトシヒコの方を見ると、
トシヒコが昨日まで俺の着ていた制服を着ていた。
あれ?そうよ!
俺が女の体にされたのは、今日のはず。
それなのに違和感が全くなくなってしまっている。
それに、なんでトシヒコがあの制服を?
<つづく>
女体アンドロイドと女体化シリーズ・そるでいあベストセレクションII
女体アンドロイドと女体化シリーズ・そるでいあベストセレクションII DMM版
女体アンドロイドと女体化シリーズ・そるでいあベストセレクションII DLsitecom版
「女体化少年勇者・女賢者・女僧侶」(RJ076958)
「アンドロイド少年に犯される女博士と女体アンドロイド」(RJ079480)
「女体化少年アンドロイドVS女アンドロイド」(RJ082354)
3作品を収録!
女体アンドロイドと女体化シリーズ・そるでいあベストセレクションII DLsitecom版
「女体化少年勇者・女賢者・女僧侶」(RJ076958)
「アンドロイド少年に犯される女博士と女体アンドロイド」(RJ079480)
「女体化少年アンドロイドVS女アンドロイド」(RJ082354)
3作品を収録!

「ソウルイーター」17巻
ROCKMANさんからの紹介です。
特にこっち目当てで見てたわけではないマンガでそういうエピソードが出るとお得感が有りますね。
我々が世界を征服する日も。そう遠くはないかもしれませんね。
もう一作だけ紹介させてください。ガンガンコミックの「ソウルイーター」17巻で主要キャラが全員性転換します(非エロ)。公式でかつ人気作でTSが書かれたのはあむぁい様の全人類女体化計画が広まってきた印ではないでしょうか(笑)。
特にこっち目当てで見てたわけではないマンガでそういうエピソードが出るとお得感が有りますね。
我々が世界を征服する日も。そう遠くはないかもしれませんね。
![]() | ソウルイーター 17 (ガンガンコミックス) (2010/07/22) 大久保 篤 商品詳細を見る |
のばらセックス
ROCKMANからのご推薦です。
との事なので、最近小説をしっかり読めていないので積読になりそうではありますが、取り敢えず買ってみます!
おすすめを一冊させてください。日日日先生の「のばらセックス」という作品がTSとはいいがたいものの「性の揺らぎ」を考える上で名作です。ぜひ一読を!
との事なので、最近小説をしっかり読めていないので積読になりそうではありますが、取り敢えず買ってみます!
![]() | のばらセックス (講談社BOX) (2011/11/02) 日日日 商品詳細を見る |
水曜イラスト企画 絵師 眠り猫四郎さん(5) 仮名:柏崎 一颯(かずさ)
一行キャラ設定 柏崎 一颯(かずさ)【入れ替わり】
ツンデレ風な少年。魔法のランプに彼女を作って貰うのだが、その彼女(褐色の肌、悩ましい露出狂的な踊り子衣装、グラマラスで爆乳)の身体を抱くと体が入れ替わっていた。
絵師:眠り猫四郎

水曜イラスト企画の説明はこちら。毎週1枚キャライラストをUPします。
本キャラを主人公/脇役にしたSSを募集しています。コメント欄に書き込んでください。(事故を防ぐため別途ローカル保存推奨)追加イラストを希望する場合は希望シーンに<イラスト希望>と書き込んでください。私が了承し、絵師さんも乗った場合はイラストの作成を開始します。
ソフトエロOKです。
ツンデレ風な少年。魔法のランプに彼女を作って貰うのだが、その彼女(褐色の肌、悩ましい露出狂的な踊り子衣装、グラマラスで爆乳)の身体を抱くと体が入れ替わっていた。
絵師:眠り猫四郎

水曜イラスト企画の説明はこちら。毎週1枚キャライラストをUPします。
本キャラを主人公/脇役にしたSSを募集しています。コメント欄に書き込んでください。(事故を防ぐため別途ローカル保存推奨)追加イラストを希望する場合は希望シーンに<イラスト希望>と書き込んでください。私が了承し、絵師さんも乗った場合はイラストの作成を開始します。
ソフトエロOKです。
魔法少女アンジュ - Aftereffect -
2012Q1おかし製作所DMM販売数17位
結構売れた性転換魔法少女モノの続編です♪
魔法少女アンジュ - Aftereffect - DMM版
魔法少女アンジュ - Aftereffect - DLsite.com版

結構売れた性転換魔法少女モノの続編です♪
魔法少女アンジュ - Aftereffect - DMM版
魔法少女アンジュ - Aftereffect - DLsite.com版

ブラックジャック創作秘話
読了。
手塚先生の創作への取り組みが熱い!!
ビバ!昭和!
手塚先生の創作への取り組みが熱い!!
ビバ!昭和!
![]() | ブラック・ジャック創作秘話~手塚治虫の仕事場から~ (少年チャンピオン・コミックス・エクストラ) (2011/07/08) 不明 商品詳細を見る |
![]() | ブラック・ジャック創作(秘)話~手塚治虫の仕事場から~ 2 (少年チャンピオン・コミックスエクストラ) (2013/01/08) 吉本 浩二 商品詳細を見る |
代理出産!? (5)
(5)-------------------------------------------------------
「まったく、高明の馬鹿者が。こんな可愛いお嬢さんを、二度も孕ませるとは……」
年かさの男性が言う。たぶんこの人が高明氏の父親なのだろう。
厳父というのを絵にしたような人物で、口ひげまで生やしている。
ということは、隣に立っている若い男性が、高明氏の本来の姿か……。
「高……いや、ソフィがどうしても二人目が欲しいというものだから……ははは」
「お、お恥ずかしいですわ、オトウサマ」
鈴の音のような声を、ちょっと引きつらせて高明氏が言う。
「いいか、高明。ただでさえ、ソフィア嬢に負担をかけているんだ。十分に労わってやらないと、ハンガリーのご両親に申し訳が立たない。判っているな?」
「ワ、ワタシは十分にしていただいておりますわ、オトウサマ。それよりも、ここにはほら、
他の“妊夫”の方もいらっしゃるのですから、そんなに大声を出されては、ご迷惑になりますわ」
ハイトーンの可愛らしい声で、高明氏が親父殿を諌めた。
「おお、そうであったな。これは失礼」
と、口調の割には終始笑顔のままの、親父殿がおれたちに会釈した。
「あ、いいえ、どうそお構いなく……」
と、曖昧な答えを返す。
一条氏は……というと、毛布をかぶって寝たふりをしている。
微妙に背中が震えているところを見ると、どうやら、一条氏はこの状況の裏事情をご存知らしい。知っていて、笑いをこらえているに違いない。
「では、これで失礼するよ。では、みなさん、お騒がせして申し訳ない。お大事に」
と、二人はおれ達に向かって会釈をした。
「ありがとうございます。道中お気をつけて」
と、当たり障りのなさそうな挨拶を返した。
二人が行ってしまうと、高明氏はベッドの上に手足を投げ出しながら言った。
「あー、びっくりした! 親父のヤツ、急に来やがるんだもんなぁ! 心臓止まるかと思った!」
声音も口調も、すっかり元通りの高明氏に戻っていた。
「ええと、さっきのは……?」
「ああ、俺の親父と妻のソフィアだ」
「な、なかなかに凛々しい方ですね……」
「あ? ああ、俺の体のことか。そうだろう、ソフィの奴、早く元に戻して……おい! 一条! いつまで笑ってんだ!」
振り返ると、一条氏が顔を真赤にして、声を殺して笑っていた。
「だって、だって……うぷぷ、もうダメ! あっはははははは!」
「全く、俺だってソフィのフリするの嫌なんだよ……」
高明氏は少し頬を染め、膨れ面をしながら言う。
妖精の拗ねた顔のようで、見ているとおかしな気分になってくる。
だがベッドの上で腕を組み、あぐらをかいて居るのはいただけないな。
おれは、疑問に思っていた事を口にした。
「ところで、さっきハンガリーのご両親がどうとか……」
「ああ、ソフィの生まれた国だ。俺はもともと商社づとめでな。商用でブダペストに行った時、あいつに出会ったんだ。プラタナスの街路樹にもたれかかって、文庫本を読んでいてよ。つい話しかけたくなって近づいた俺に気がついて、ニコッと笑ってさ。それこそ天使のようだったんだ。いわゆる一目惚れってやつだな。俺はコイツを絶対妻にしてやるって思ったんだ」
はいはいごちそうさま。しかし、話している内容と姿がチグハグすぎますよ、高明氏。
で、俺は出会ってから、ずっと聞きたいことがあった。
「で、おいくつなんですか?」
「あ? 今年で30だが……」
そんなわけないだろう。
「いや、ソフィアさんのほうで……」
「……16。今年な」
な、なんだとー!
心の声が聞こえたのか、高明氏は慌てて弁明するように言った。
「いや、俺だって最初に会った時は、もう少し歳をとっていると思ったんだ。そう、20歳ぐらいに……。
いやいやいや、今のあなたはとてもそんな歳には見えませんよ。
本当の歳が16歳というのはまだ頷ける。
「あれ? そういえば、ソ……じゃなかった、高明さん、確か二人目だと……」
「うむ……出会った時は、まだ14歳だった……って、そんな顔するなよ! 外人の年齢って、ホント見た目じゃわからないよな? ははは……」
ジト目にもなりますよ、このロリコン野郎め!
「や、本当に出会った時はもっとずっと大人びて見えたんだぞ? 今は2度めの妊娠して、少し太ったから、ちょっと幼く見えるだけだ」
説得力がすごくないんですけど……。
ま、そういうおれの妻も、歳には見えない幼い顔つきをしてはいるが……。
「まったく、犯罪ですよね」
それまで、笑いを押し殺していた一条氏が口を開いた。
「ちゃんと、向こうの両親の許可は貰ってる。もちろん結婚のだぞ」
「ハンガリーのご両親に、模造刀で切腹の真似までしたんですよね?」
「ん? そんなことまで話していたか。まぁ、そういうことだ、ははは……」
高明氏が頭を掻きながら、ごまかしていると、コンコンと開け放しの扉をノックして、赤ん坊を抱えた紳士が現れた。
「失礼します。剛毅さん、お加減はいかがですか?」
「瞳……あ、小鳥遊さん。こちら、妻です」
「はじめまして。小鳥遊さん。剛毅の妻の瞳です。いつも夫がお世話になっております」
“妻”と名乗った紳士は、赤ん坊を抱えたまま、丁寧に頭を下げた。
背が高く、格闘家のようながっしりとした体格の紳士だった。
それに低くよく通る声。男としては理想とも言える体の持ち主。
これが一条さんの本当の体なんだと、感心すると同時に、少し嫉妬のようなものを感じた。
「あ、いえ、奥……いえ、ご主人とは今日お会いしたばかりなので……」
「おや、そうでしたか。ソフィアさんも、こんにちは。何時も剛毅がお世話になっております」
「俺のことは“高明”って呼べと言ったろう?」
「でも、こないだお会いした時は……」
「あん時は親父がいたからだ!」
おお、ニンフがヘラクレスに絡んでる。実に興味深い光景だ(笑)。
「まだ入れ替わっていること、おっしゃっていないんですか?」
「言えるわけ無いだろ? 恥ずかしくてこんなこと言えるか!」
「2年近くも騙し続けていられるなんて、驚きですね」
あ、なるほど。それでさっきの高明氏の豹変ぶりも、理解できた。
「金髪ロリツインテールにツンデレなんて、マニアのツボ突きまくりですね」
「好きでやってるんじゃないっ!」
と、両手を振りかざし、顔を真っ赤にして怒る、高明氏。
そうか、妊娠中期の妊婦って幼児体型なんだ。と、また新たな発見。
でも茶化すのは、この辺にしておいたほうがよさそうだ。
(つづく)
「まったく、高明の馬鹿者が。こんな可愛いお嬢さんを、二度も孕ませるとは……」
年かさの男性が言う。たぶんこの人が高明氏の父親なのだろう。
厳父というのを絵にしたような人物で、口ひげまで生やしている。
ということは、隣に立っている若い男性が、高明氏の本来の姿か……。
「高……いや、ソフィがどうしても二人目が欲しいというものだから……ははは」
「お、お恥ずかしいですわ、オトウサマ」
鈴の音のような声を、ちょっと引きつらせて高明氏が言う。
「いいか、高明。ただでさえ、ソフィア嬢に負担をかけているんだ。十分に労わってやらないと、ハンガリーのご両親に申し訳が立たない。判っているな?」
「ワ、ワタシは十分にしていただいておりますわ、オトウサマ。それよりも、ここにはほら、
他の“妊夫”の方もいらっしゃるのですから、そんなに大声を出されては、ご迷惑になりますわ」
ハイトーンの可愛らしい声で、高明氏が親父殿を諌めた。
「おお、そうであったな。これは失礼」
と、口調の割には終始笑顔のままの、親父殿がおれたちに会釈した。
「あ、いいえ、どうそお構いなく……」
と、曖昧な答えを返す。
一条氏は……というと、毛布をかぶって寝たふりをしている。
微妙に背中が震えているところを見ると、どうやら、一条氏はこの状況の裏事情をご存知らしい。知っていて、笑いをこらえているに違いない。
「では、これで失礼するよ。では、みなさん、お騒がせして申し訳ない。お大事に」
と、二人はおれ達に向かって会釈をした。
「ありがとうございます。道中お気をつけて」
と、当たり障りのなさそうな挨拶を返した。
二人が行ってしまうと、高明氏はベッドの上に手足を投げ出しながら言った。
「あー、びっくりした! 親父のヤツ、急に来やがるんだもんなぁ! 心臓止まるかと思った!」
声音も口調も、すっかり元通りの高明氏に戻っていた。
「ええと、さっきのは……?」
「ああ、俺の親父と妻のソフィアだ」
「な、なかなかに凛々しい方ですね……」
「あ? ああ、俺の体のことか。そうだろう、ソフィの奴、早く元に戻して……おい! 一条! いつまで笑ってんだ!」
振り返ると、一条氏が顔を真赤にして、声を殺して笑っていた。
「だって、だって……うぷぷ、もうダメ! あっはははははは!」
「全く、俺だってソフィのフリするの嫌なんだよ……」
高明氏は少し頬を染め、膨れ面をしながら言う。
妖精の拗ねた顔のようで、見ているとおかしな気分になってくる。
だがベッドの上で腕を組み、あぐらをかいて居るのはいただけないな。
おれは、疑問に思っていた事を口にした。
「ところで、さっきハンガリーのご両親がどうとか……」
「ああ、ソフィの生まれた国だ。俺はもともと商社づとめでな。商用でブダペストに行った時、あいつに出会ったんだ。プラタナスの街路樹にもたれかかって、文庫本を読んでいてよ。つい話しかけたくなって近づいた俺に気がついて、ニコッと笑ってさ。それこそ天使のようだったんだ。いわゆる一目惚れってやつだな。俺はコイツを絶対妻にしてやるって思ったんだ」
はいはいごちそうさま。しかし、話している内容と姿がチグハグすぎますよ、高明氏。
で、俺は出会ってから、ずっと聞きたいことがあった。
「で、おいくつなんですか?」
「あ? 今年で30だが……」
そんなわけないだろう。
「いや、ソフィアさんのほうで……」
「……16。今年な」
な、なんだとー!
心の声が聞こえたのか、高明氏は慌てて弁明するように言った。
「いや、俺だって最初に会った時は、もう少し歳をとっていると思ったんだ。そう、20歳ぐらいに……。
いやいやいや、今のあなたはとてもそんな歳には見えませんよ。
本当の歳が16歳というのはまだ頷ける。
「あれ? そういえば、ソ……じゃなかった、高明さん、確か二人目だと……」
「うむ……出会った時は、まだ14歳だった……って、そんな顔するなよ! 外人の年齢って、ホント見た目じゃわからないよな? ははは……」
ジト目にもなりますよ、このロリコン野郎め!
「や、本当に出会った時はもっとずっと大人びて見えたんだぞ? 今は2度めの妊娠して、少し太ったから、ちょっと幼く見えるだけだ」
説得力がすごくないんですけど……。
ま、そういうおれの妻も、歳には見えない幼い顔つきをしてはいるが……。
「まったく、犯罪ですよね」
それまで、笑いを押し殺していた一条氏が口を開いた。
「ちゃんと、向こうの両親の許可は貰ってる。もちろん結婚のだぞ」
「ハンガリーのご両親に、模造刀で切腹の真似までしたんですよね?」
「ん? そんなことまで話していたか。まぁ、そういうことだ、ははは……」
高明氏が頭を掻きながら、ごまかしていると、コンコンと開け放しの扉をノックして、赤ん坊を抱えた紳士が現れた。
「失礼します。剛毅さん、お加減はいかがですか?」
「瞳……あ、小鳥遊さん。こちら、妻です」
「はじめまして。小鳥遊さん。剛毅の妻の瞳です。いつも夫がお世話になっております」
“妻”と名乗った紳士は、赤ん坊を抱えたまま、丁寧に頭を下げた。
背が高く、格闘家のようながっしりとした体格の紳士だった。
それに低くよく通る声。男としては理想とも言える体の持ち主。
これが一条さんの本当の体なんだと、感心すると同時に、少し嫉妬のようなものを感じた。
「あ、いえ、奥……いえ、ご主人とは今日お会いしたばかりなので……」
「おや、そうでしたか。ソフィアさんも、こんにちは。何時も剛毅がお世話になっております」
「俺のことは“高明”って呼べと言ったろう?」
「でも、こないだお会いした時は……」
「あん時は親父がいたからだ!」
おお、ニンフがヘラクレスに絡んでる。実に興味深い光景だ(笑)。
「まだ入れ替わっていること、おっしゃっていないんですか?」
「言えるわけ無いだろ? 恥ずかしくてこんなこと言えるか!」
「2年近くも騙し続けていられるなんて、驚きですね」
あ、なるほど。それでさっきの高明氏の豹変ぶりも、理解できた。
「金髪ロリツインテールにツンデレなんて、マニアのツボ突きまくりですね」
「好きでやってるんじゃないっ!」
と、両手を振りかざし、顔を真っ赤にして怒る、高明氏。
そうか、妊娠中期の妊婦って幼児体型なんだ。と、また新たな発見。
でも茶化すのは、この辺にしておいたほうがよさそうだ。
(つづく)
ペナルティ (1) by.F
「痛っ……」
朝、目を覚ますと全身がずきずきと痛んだ。
「トレーニングのしすぎか?」
○学3年のときに野球部のエースでキャプテンをつとめ、県大会でベスト8まで行った。
その成果が認められて、この春からめでたくスポーツ推薦で、県内有数の強豪校に入学。
日夜ベンチ入りを目指し、体を鍛えている。
どうやら、昨晩自主的に行った筋トレがきつかったのか。
寝ている時もミチミチと全身がきしむような音がしていた。
「なんだ……これは?」
痛む体をいたわりつつ、
姿見の前にたった俺は思わず声をあげた。
鍛え上げた筋肉は消え失せ全身がやせ細り、
あり得ない事に身長も30cmほど低くなっていた。
「一体、何が……」
学校に休む旨を告げ、俺はがたがたとベッドにうずくまっていた。
そんな俺の体を更なる変化が襲う。
胸の辺りがむずがゆい。
こらえきれず指でかきむしろうとすると……
「痛っ!」
思わず叫んでしまうほど触れると痛い。
寝間着代わりのTシャツをぬぐと、
胸が……はれて、いや、膨らんでいた。
「な、なんだ、これは……」
そう呟いた自分の声の違和感を覚える。
いつもより、少し甲高いか?
だが、声の事なんて気にする余裕は無かった。
「うぐっ……」
今度は下腹部を鈍痛が襲う。
普通の腹痛ではない。臓器をかき回されているような、そんな痛みだ。
「っ……」
胸と下腹部の痛みに、
頭皮と顔に激しい痛みが加わる。
激しい痛みにもう声もでない。
「……はぁっ……はぁっ」
何時消えるとも分からない激痛がようやく収まってきた。
霞む視界で時計を確認すると、もう午後2時。
6時間ほど激痛に教われていた事になる。
体を動かそうとすると節々が痛むが、
先ほどまでに比べると対した事は無い。
『とりあえず休もう』
そう考え、俺は意識を手放した。
1時間ほど寝たのだろうか。
先ほどまでの痛みが嘘のように消えていた。
目を覚ました俺は、
真っ先に姿見へ自分の姿を映した。
「嘘……だろっ!?」
鏡に映ったその姿は、
俺とは、いや、元の俺とは、と言った方が正しいか、
かけ離れていた。
150cm足らずの身長。
華奢な手足。
大きく膨らんだ胸。
そしてその胸を覆い隠すほどまで伸びた赤茶色の髪。
そして、かわいらしい少女の顔。
どれ一つ、元の俺と同じ箇所は無かった。
「そんな……どうなって……」
そう呟いた声もとても可愛らしい。
「まさか、下も……」
覚悟を決めて、ずり落ちかけているズボンとトランクスを一気に下ろす。
「ははははは……」
そこには、あるべきはずのものがなく、
少女の体にふさわしい割れ目があるだけだった。
これからどうしようか。
とりあえず、病院か?いや、行ったところでどうやって説明する?
ベッドに腰掛け、必死に考えていると、
「ピンポーン」
とチャイムの音が鳴った。
当然、無視をした。
宅配便か、押し売りか。何にしてもしばらくすると諦めるだろう。
ところが、4、5分経っても帰る様子が無い。
一体誰が……そう思い窓からこっそり玄関の方を見ると、
○学の同級生だったトシヒコがチャイムのボタンを押している。
○学時代、奴も投手で、チームは俺と奴のツートップだった。
残念ながら奴は、不幸な事故に巻き込まれて、腕を負傷。
野球の道を諦めて、近場の普通の高校に行ったはず。
そんな奴が何故。
不可解に思っていると、不意にケータイにメールが着信する。
見るとそこには、
『送信者:トシヒコ 新しい体の具合はどうだい?僕にも見せてくれないか?』
と書かれていた。
脱ぎ捨てていたTシャツをかぶりなおし、
ズボンの腰ひもをきつくしばる。
そして、俺は玄関にドタバタと駆け込み鍵を開けた。
「やあ、アキラ、まさか君が犯人だったなんてね」
「俺が犯人?何をおかしな事を言ってるんだ!
俺の体がこんな風にした犯人はお前なんだろ!?」
「まぁまぁ、ここで立ち話をするのもなんだし、部屋に入れてくれないかな」
「俺の体をどうやってこんな風にした!俺になんの恨みがあるんだ!
そんなこともどうでもいい!とっとと俺の体を元に戻せ!」
奴を自分の部屋にあげた後、俺はまくしたてた。
「どうやって、というと、大体想像通りじゃないかな?
現代科学で、男の体を一日で女にするなんて出来ないのは分かるよね?
だから、魔法とか呪いとかそんなのだよ。対価に寿命を10年ほど支払ってね。
呪いをかけた理由はもちろん復讐だよ。君なら言っている事は分かるよね?」
「な、何の事だ!」
「とぼけても無駄だよ。
だって、僕をあんな目に遭わした犯人に、
呪いが行くようになってるんだから」
「……」
「最後に、僕は君の体を元に戻す気はないよ」
「……なんだと!?」
「その体にエッチなことをさせてくれるんだったら考えなくもないけど」
「……てめぇ!」
俺は大きな声をあげて奴のむなぐらをつかみ、
のど元に隠し持っていたカッターナイフを押し当てた。
「どうしたんだよ。アキラ、いや、アケミちゃんもエッチなことに興味はあるんだろ?」
「ざけんなっ!誰がアケミだっ!」
「そうか。アケミちゃん。自分の名前を忘れちゃったんだ。
じゃあ、しっかり思い出してくるといいよ」
奴がそう言った途端、俺の視界は一旦闇へと消えた。
『んっ……』
しばらくして意識を取り戻したが、
体の自由が利かない。これは、夢の中?
ぼんやりとしていた視界が徐々にはっきりとしていく。
どうやら俺は家の居間にいるらしい。
しかも、居間が飾り付けをされている。
どうやら何かのお祝いの様だ。
相変わらず体の自由は利かないが、
勝手に体がトタトタと動き回る。
視界に入った自分の体、そして、両親の姿、家の様子
それらから判断すると、どうやら、俺が4、5歳の頃の夢らしい。
「アケミちゃん、4歳のお誕生日おめでとう!」
そういって母親から大きな箱に入ったプレゼントを渡される。
中身は、そう。グローブとボールだったはずだ。
俺が随分とおねだりをしてようやく買ってくれたはず。
懐かしいなあ。そう思って子供の頃の自分の手が
勝手に箱の包みを開けるのを見ていると、
出てきたものは予想とはずれていた。
「わーい、ママありがとう!」
箱の中から出てきたのは、グローブとボールではなく、
子供の体にとっては大きな熊のぬいぐるみだった。
『お、おい、どうなってるんだ!?』
子供の頃の俺は俺の意思とは関係なく、
うれしそうに熊のぬいぐるみを抱きしめる。
「きょうからきみのおなまえは、まーくんだよ。よろしくね、まーくん!」
違う!俺は4歳の誕生日にパパからグローブとボールを貰って、
日曜日がくるたびに、パパとキャッチボールをしていたはずだ!
しかし、ママから貰った熊のぬいぐるみを見ていると、
だんだん記憶がおぼろげになってきた。
そう言えば、4歳の誕生日は、
前からねだっていた、まーくんを貰ったんだっけ。
「ぬいぐるみは、そこに置いて、おいでアケミ」
パパのその言葉に、
「ぬいぐるみじゃなくて、まーくん!」
パパに抗議の声を上げながら、
まーくんを床において、俺の体は椅子によじのぼった。
テーブルの上には、豪華な料理と
4本のローソクがたった誕生日ケーキが準備されていた。
ケーキのチョコレートには、
「おたんじょうびおめでとう!あけみちゃん」
と書かれている。
軽い違和感を覚えたが、何が原因か良くわからなかった。
ローソクに火を灯し、部屋中の電気を消す。
パパとママのバースデーソングが終わるとともに、
俺は全力でローソクの火を消し、
部屋が暗闇につつまれる。
それと同時に俺はまた、意識を失った。
目を開けると、俺は元の部屋に居た。
「おはよう、アケミちゃん」
「だから、俺はアケミじゃ……」
あれ?アケミであってるか。
しかし、今の夢はなんだったんだ。
何とはなしに部屋を見回すと、ベッドの上で、いつも通りにまーくんが座っている。
それは問題ないのだが、
「何で俺がセーラー服をきてるんだよ!」
俺が意識を飛ばしている間に奴が勝手に服を着替えさせたんだろうか。
しかし、時計を見ると、奴がこの部屋に入ってから、
まだ数分しかたっていない。
どうやら、また例の『呪い』の力だとでも言うのだろうか。
他にも変わっている所は無いか。
確かめに姿見に映った自分の姿を見て、愕然とした。
バサバサだった髪の毛は奇麗にリボンでまとめられていて、
顔も化粧というほどではないが、眉がきれいに整えられている。
先ほど以上にかわいくなってしまった自分の姿がそこにはあった。
だが、問題は、そんな事だけではない。
「どういう事だよ!?この制服……」
そう。いつの間にか俺が着ていたセーラー服は、
去年まで俺が通っていた○学の女子用の制服だった。
「それに……」
さきほどまで、体を動かすたびに、
ごわごわしていたトランクスの感触がしていた股間。
そして、Tシャツとこすれるたびに、痛みが走った乳首。
それらの不快感の代わりに、
ピチッと締め付けられるようなそんな感覚が股間と胸に漂う。
ガバッと自分のスカートをめくると、
股間が、トランクスの代わりにパステルブルーの女物のショーツにつつまれていた。
そして、おっきな胸の抵抗にあいながらも上着をめくると、
予想通り、ショーツとおそろいのパステルブルーのブラジャーにおっぱいが包まれていた。
<つづく>
朝、目を覚ますと全身がずきずきと痛んだ。
「トレーニングのしすぎか?」
○学3年のときに野球部のエースでキャプテンをつとめ、県大会でベスト8まで行った。
その成果が認められて、この春からめでたくスポーツ推薦で、県内有数の強豪校に入学。
日夜ベンチ入りを目指し、体を鍛えている。
どうやら、昨晩自主的に行った筋トレがきつかったのか。
寝ている時もミチミチと全身がきしむような音がしていた。
「なんだ……これは?」
痛む体をいたわりつつ、
姿見の前にたった俺は思わず声をあげた。
鍛え上げた筋肉は消え失せ全身がやせ細り、
あり得ない事に身長も30cmほど低くなっていた。
「一体、何が……」
学校に休む旨を告げ、俺はがたがたとベッドにうずくまっていた。
そんな俺の体を更なる変化が襲う。
胸の辺りがむずがゆい。
こらえきれず指でかきむしろうとすると……
「痛っ!」
思わず叫んでしまうほど触れると痛い。
寝間着代わりのTシャツをぬぐと、
胸が……はれて、いや、膨らんでいた。
「な、なんだ、これは……」
そう呟いた自分の声の違和感を覚える。
いつもより、少し甲高いか?
だが、声の事なんて気にする余裕は無かった。
「うぐっ……」
今度は下腹部を鈍痛が襲う。
普通の腹痛ではない。臓器をかき回されているような、そんな痛みだ。
「っ……」
胸と下腹部の痛みに、
頭皮と顔に激しい痛みが加わる。
激しい痛みにもう声もでない。
「……はぁっ……はぁっ」
何時消えるとも分からない激痛がようやく収まってきた。
霞む視界で時計を確認すると、もう午後2時。
6時間ほど激痛に教われていた事になる。
体を動かそうとすると節々が痛むが、
先ほどまでに比べると対した事は無い。
『とりあえず休もう』
そう考え、俺は意識を手放した。
1時間ほど寝たのだろうか。
先ほどまでの痛みが嘘のように消えていた。
目を覚ました俺は、
真っ先に姿見へ自分の姿を映した。
「嘘……だろっ!?」
鏡に映ったその姿は、
俺とは、いや、元の俺とは、と言った方が正しいか、
かけ離れていた。
150cm足らずの身長。
華奢な手足。
大きく膨らんだ胸。
そしてその胸を覆い隠すほどまで伸びた赤茶色の髪。
そして、かわいらしい少女の顔。
どれ一つ、元の俺と同じ箇所は無かった。
「そんな……どうなって……」
そう呟いた声もとても可愛らしい。
「まさか、下も……」
覚悟を決めて、ずり落ちかけているズボンとトランクスを一気に下ろす。
「ははははは……」
そこには、あるべきはずのものがなく、
少女の体にふさわしい割れ目があるだけだった。
これからどうしようか。
とりあえず、病院か?いや、行ったところでどうやって説明する?
ベッドに腰掛け、必死に考えていると、
「ピンポーン」
とチャイムの音が鳴った。
当然、無視をした。
宅配便か、押し売りか。何にしてもしばらくすると諦めるだろう。
ところが、4、5分経っても帰る様子が無い。
一体誰が……そう思い窓からこっそり玄関の方を見ると、
○学の同級生だったトシヒコがチャイムのボタンを押している。
○学時代、奴も投手で、チームは俺と奴のツートップだった。
残念ながら奴は、不幸な事故に巻き込まれて、腕を負傷。
野球の道を諦めて、近場の普通の高校に行ったはず。
そんな奴が何故。
不可解に思っていると、不意にケータイにメールが着信する。
見るとそこには、
『送信者:トシヒコ 新しい体の具合はどうだい?僕にも見せてくれないか?』
と書かれていた。
脱ぎ捨てていたTシャツをかぶりなおし、
ズボンの腰ひもをきつくしばる。
そして、俺は玄関にドタバタと駆け込み鍵を開けた。
「やあ、アキラ、まさか君が犯人だったなんてね」
「俺が犯人?何をおかしな事を言ってるんだ!
俺の体がこんな風にした犯人はお前なんだろ!?」
「まぁまぁ、ここで立ち話をするのもなんだし、部屋に入れてくれないかな」
「俺の体をどうやってこんな風にした!俺になんの恨みがあるんだ!
そんなこともどうでもいい!とっとと俺の体を元に戻せ!」
奴を自分の部屋にあげた後、俺はまくしたてた。
「どうやって、というと、大体想像通りじゃないかな?
現代科学で、男の体を一日で女にするなんて出来ないのは分かるよね?
だから、魔法とか呪いとかそんなのだよ。対価に寿命を10年ほど支払ってね。
呪いをかけた理由はもちろん復讐だよ。君なら言っている事は分かるよね?」
「な、何の事だ!」
「とぼけても無駄だよ。
だって、僕をあんな目に遭わした犯人に、
呪いが行くようになってるんだから」
「……」
「最後に、僕は君の体を元に戻す気はないよ」
「……なんだと!?」
「その体にエッチなことをさせてくれるんだったら考えなくもないけど」
「……てめぇ!」
俺は大きな声をあげて奴のむなぐらをつかみ、
のど元に隠し持っていたカッターナイフを押し当てた。
「どうしたんだよ。アキラ、いや、アケミちゃんもエッチなことに興味はあるんだろ?」
「ざけんなっ!誰がアケミだっ!」
「そうか。アケミちゃん。自分の名前を忘れちゃったんだ。
じゃあ、しっかり思い出してくるといいよ」
奴がそう言った途端、俺の視界は一旦闇へと消えた。
『んっ……』
しばらくして意識を取り戻したが、
体の自由が利かない。これは、夢の中?
ぼんやりとしていた視界が徐々にはっきりとしていく。
どうやら俺は家の居間にいるらしい。
しかも、居間が飾り付けをされている。
どうやら何かのお祝いの様だ。
相変わらず体の自由は利かないが、
勝手に体がトタトタと動き回る。
視界に入った自分の体、そして、両親の姿、家の様子
それらから判断すると、どうやら、俺が4、5歳の頃の夢らしい。
「アケミちゃん、4歳のお誕生日おめでとう!」
そういって母親から大きな箱に入ったプレゼントを渡される。
中身は、そう。グローブとボールだったはずだ。
俺が随分とおねだりをしてようやく買ってくれたはず。
懐かしいなあ。そう思って子供の頃の自分の手が
勝手に箱の包みを開けるのを見ていると、
出てきたものは予想とはずれていた。
「わーい、ママありがとう!」
箱の中から出てきたのは、グローブとボールではなく、
子供の体にとっては大きな熊のぬいぐるみだった。
『お、おい、どうなってるんだ!?』
子供の頃の俺は俺の意思とは関係なく、
うれしそうに熊のぬいぐるみを抱きしめる。
「きょうからきみのおなまえは、まーくんだよ。よろしくね、まーくん!」
違う!俺は4歳の誕生日にパパからグローブとボールを貰って、
日曜日がくるたびに、パパとキャッチボールをしていたはずだ!
しかし、ママから貰った熊のぬいぐるみを見ていると、
だんだん記憶がおぼろげになってきた。
そう言えば、4歳の誕生日は、
前からねだっていた、まーくんを貰ったんだっけ。
「ぬいぐるみは、そこに置いて、おいでアケミ」
パパのその言葉に、
「ぬいぐるみじゃなくて、まーくん!」
パパに抗議の声を上げながら、
まーくんを床において、俺の体は椅子によじのぼった。
テーブルの上には、豪華な料理と
4本のローソクがたった誕生日ケーキが準備されていた。
ケーキのチョコレートには、
「おたんじょうびおめでとう!あけみちゃん」
と書かれている。
軽い違和感を覚えたが、何が原因か良くわからなかった。
ローソクに火を灯し、部屋中の電気を消す。
パパとママのバースデーソングが終わるとともに、
俺は全力でローソクの火を消し、
部屋が暗闇につつまれる。
それと同時に俺はまた、意識を失った。
目を開けると、俺は元の部屋に居た。
「おはよう、アケミちゃん」
「だから、俺はアケミじゃ……」
あれ?アケミであってるか。
しかし、今の夢はなんだったんだ。
何とはなしに部屋を見回すと、ベッドの上で、いつも通りにまーくんが座っている。
それは問題ないのだが、
「何で俺がセーラー服をきてるんだよ!」
俺が意識を飛ばしている間に奴が勝手に服を着替えさせたんだろうか。
しかし、時計を見ると、奴がこの部屋に入ってから、
まだ数分しかたっていない。
どうやら、また例の『呪い』の力だとでも言うのだろうか。
他にも変わっている所は無いか。
確かめに姿見に映った自分の姿を見て、愕然とした。
バサバサだった髪の毛は奇麗にリボンでまとめられていて、
顔も化粧というほどではないが、眉がきれいに整えられている。
先ほど以上にかわいくなってしまった自分の姿がそこにはあった。
だが、問題は、そんな事だけではない。
「どういう事だよ!?この制服……」
そう。いつの間にか俺が着ていたセーラー服は、
去年まで俺が通っていた○学の女子用の制服だった。
「それに……」
さきほどまで、体を動かすたびに、
ごわごわしていたトランクスの感触がしていた股間。
そして、Tシャツとこすれるたびに、痛みが走った乳首。
それらの不快感の代わりに、
ピチッと締め付けられるようなそんな感覚が股間と胸に漂う。
ガバッと自分のスカートをめくると、
股間が、トランクスの代わりにパステルブルーの女物のショーツにつつまれていた。
そして、おっきな胸の抵抗にあいながらも上着をめくると、
予想通り、ショーツとおそろいのパステルブルーのブラジャーにおっぱいが包まれていた。
<つづく>
名探偵マーニー 2
冒頭のお話が性転換ネタ。
前作でもお好きでしたからねぇ。
評価はコレクターなら、なんですが変身っぷりは結構良い感じ。
前作でもお好きでしたからねぇ。
評価はコレクターなら、なんですが変身っぷりは結構良い感じ。
![]() | 名探偵マーニー 2 (少年チャンピオン・コミックス) (2013/03/08) 木々津 克久 商品詳細を見る |
とある勇者の告白
作.真城 悠(Mashiro Yuh)
「真城の城」http://kayochan.com
「真城の居間」blog(http://white.ap.teacup.com/mashiroyuh/)
挿絵:松園
オレは勇者だ。
正確に言うと、勇者と一緒にパーティを組んで冒険の旅に出ている「魔法戦士」だ。
何やらアニメにカブれた中学生辺りがノートに書き付けた妄想みたいだが、事実だ。
と言うあたりで気が付いたかも知れないが、オレは現代人だ。
実は「中学生」だったのは随分前の話で、今はもう三十代のおっさんである。
都内に一人暮らしをしている平々凡々たるサラリーマン。三流大学を出て三流会社に勤め、大した給料も取れずにどうにか暮らしている。
当然、人間一人がやっと食える程度の給料なので結婚どころか付き合っている彼女にも縁はなし。
ただ、「副業」によってそれなりに稼いでいる。
というかそっちの稼ぎが馬鹿にならないので、それこそ税務署に目をつけられたらどうしようかと戦々恐々としているところだ。
…どの辺から話し始めればいいのか分からんが、結論から言うと、オレは二重生活をしている。
ある日別世界に召還されたんだ。
…あー、病院への通報はしなくて大丈夫だぞ。いたって普通だから。
そこは和製RPGで至極ありがちな中世ヨーロッパ風のファンタジー世界だった。
オレはある朝目が覚めるとそこの馬小屋の中に伸びていた。
当然パニックになったんだが、一日掛けてうろついている間にまた気が付くと自宅のベッドの中にいた。
性質(たち)の悪い夢だと思ったんだが、一日おきにこれが繰り返されるんで嫌になってきた。
どうやら寝ている間に異世界に飛ばされ、「夢」と同じタイミングで体験しているらしいのだ。
あちらの世界に「鏡」が無いので、自分のツラというか見た目がどういうことになっているのか全く分からんのだけど、まあ今のオレとそれほどは変わらないだろう。
余りにも真に迫った夢なので最初は戸惑ったが、暫(しばら)くすると少しは楽しめる余裕が出てきた。
いつもの馬小屋から足を伸ばして宿場町の酒場に入り浸る様になる。
自分のバックパックの中に通貨らしいものが入っていたのでそれで飲めることが分かって来たのだ。
それを繰り返す内に、「いかにも」な勇者、魔法使い、格闘家、僧侶などが集まってきて「一緒に冒険しよう」ということになった。
余りにもベタなシチュエーションに笑ってしまったのだが、折角ならそれも悪くない。
そんなこんなでオレは彼らと一緒に旅をすることにした。
毎日決まった時間にいなくなるオレに最初はパーティのみんなも戸惑っていたが、徐々に慣れてもらった。
毎日ひたすら書類を書き、役所に届けたりする退屈極まりない上にミスが許されないストレスの貯まる職場の格好の息抜きになっていた。
オレの役どころは「魔法戦士」だった。
魔法と戦闘の両方をこなすオールラウンドプレイヤー…というと聞こえはいいんだが、要するに「力任せにぶん殴る」ことと「攻撃魔法を使う」ことしか出来ない。
あと「自分の武器に攻撃属性を付ける」とかな。
専属の魔法使いは何か魔術っぽいことが沢山出来て羨ましい。
僧侶は戦闘時には足手まといになることが多いのだが、何しろ体力回復が出来るので物凄く重宝される。
戦士…勇者は言わずもがなの問答無用の戦闘の強さでパーティの中心を飾る花形だ。
つまり、オレの「魔法戦士」というのは非常に中途半端で「いくらでも替えが効く」存在だった。魔法が使える割には呪いを解除したり夜を照らしたりといった小技が使えず、体力回復は無理。
かといって本職の戦士ほどは強くない。
何度目かの冒険を追え、雇い主から給金を貰った段階でオレの方からパーティの脱退を申し入れた。
戦力として中途半端なのはともかく、「現実世界」に帰らなくてはならないので度々いなくなり、パーティの危機をすっぽかすこともしょっちゅう。この願いは受け入れられた。
となるとこの世界でどう食っていくかなんだが、色々探しているうちに「傭兵募集」の広告に引っ掛かった。
余りにも特殊な戦い方しか出来ないので、こんなのを雇ってくれるかどうか分からなかったのだが、半ば強引に引っ張り込まれた。
この傭兵団には魔法使いがいなかったらしく、隣国との戦争の際、軍隊そのものが鉢合わせをする前にオレが散々にぶっ放した攻撃魔法が相手の陣形をかなり崩すのが非常に珍しがられた。
無論、実際の戦闘においては主力が激突する前に弓矢や投石器でダメージを与えることを狙いはするんだが、こればっかりは攻撃魔法の方が上回ったらしい。
とある戦闘において、百人隊長を直撃しそうになった投石器の大岩を攻撃魔法で粉砕することで救ったことからえらい恩賞を賜った。
戦いは数なので、戦争に勝てるかどうかはどれだけ兵を動員出来るかに寄って決まる。
幸い、オレの所属する軍隊は連戦連勝だった。
徐々にオレの地位は上がっていった。
だが、所詮は雇われ兵なので、仕官・佐官クラスに昇格して部下を持つことなんて適わなかった。
まあ、元々この世界に住んでいたんならばそれも不満の種だったんだろうが、こちらの世界での出世なんてどうでも良かったから別に不満は無かった。
それもまた雇う側からすると好都合だったらしい。
オレは益々重宝され、あちこちの前線で戦わされた。
これでも「魔法“戦士”」なんで実際の腕っ節もそれなりなんだけど、とにかく遠距離攻撃魔法が強力なのでそればっかりやらされた。
それどころか、オレが撃たれると大幅な戦力ダウンになるので専属の守備兵まで付けてくれている。
正直、地位は大した事ないんだけど待遇がいいのでオレは結構いい気分だった。
それにオレのそばにいると結果として安全性が高いため、多くの傭兵が寄ってくることになる。
オレはこちらの世界のお金とか本当にどうでもいいので、折角ならと大きな戦闘が終わる度に周囲の守備兵たちに酒をおごるために大盤振る舞いした。
特に直接守ってくれる守備兵たちには手厚くし、彼らの労をねぎらうことを忘れなかった。
お陰で人望は益々厚くなり、結束も固くなった。
誰言うと無く「魔法戦士軍団」ということになり、まとまった単位で雇われることとなる。
とある夜、オレたちは夜襲を受けた。
オレはこちらの世界で寝ることは余り無いし、寝たら現実世界に戻れるものなんだが、この夜は違っていた。
夜襲だったため、見張りは皆殺しとなり、かなりの犠牲を出した。
オレが寝ているもっとも警戒厳重なテントも襲撃され、暗殺者が目の前にまでやってきた。
この日がターニングポイントだった。
オレは「ああ、オレはここで死ぬな」と思った瞬間に間抜けなことを考えていた。
「こいつが屈強な暗殺者じゃなくて、か弱い女の子だったらなあ…」というものだ。
ところが次の瞬間、信じられないことが起こった。
実際その通りになったんだ。いやホントに。
細かい鎖を編んだみたいなチェーンメールに乳首が挟まれそうになって痛がる美少女がそこにはいた。
この夜、夜襲を掛けてきた敵軍の暗殺部隊は哀れ全員が小娘へと変身させられていた。
仲間を殺された恨みは深く、「彼女」たちは全員ウチの部隊の慰み物となった。かなりの人数がそのまま殺されたらしい。
戦場でのことだから仕方が無い。しかも「彼女」たちは紛れも無い戦闘員だ。
ともあれ、この戦闘で露(あらわ)になったことの一つは、オレには他人を性転換させる能力があるということだ。
この日から戦闘の意味も変わってきた。
ウチの名前は鳴り響いていたので、名前を聞いただけで敵方に仕える傭兵部隊は逃げ出してしまうと噂されたほどなのだが、地元の兵隊は逃げる訳にはいかない。
オレが雇われている国が一体どんなことをやってるのかよく分からんけど、中世においては「自国の領土を拡大する」のは絶対の正義とされていたことだ。つまり侵略戦争だな。
ただ、どうやら随分前に取られた土地を取り返すための戦いではあるらしいことまでは分かった。
新参の傭兵にはそれくらいが精一杯。
しかし、相手も取り返そうとするからそれを防衛するのもオレたちの任務だった。
傭兵部隊の強みは「兵農分離」していることだ。
つまり、農繁期・農閑期関係なく戦闘が行える。というかそれこそが最大の強みである。
敵国が刈り取り時期に掛かっている間や雪に閉ざされて兵が動かせない時に動く。
この日の防衛戦は凄まじかった。
単なる「圧勝」ではない。
敵方の軍隊を本当に「全滅」させてしまったのだ。
といっても殺したのではない。
オレの能力によって、激突前に全員を小娘へと性転換させたことによって「崩壊」させたのだ。
具足…まあ、鎧兜みたいな鉄製の防具とか、槍とか剣みたいな武器だな…があると厄介だし、武器は危ないので全て消失させた。
考えるのも面倒くさいので、全員をセーラー服姿の女子高生に変えてやった。
相手は変わり果てた自らの姿に驚き、慌てる。
そりゃあそうだろう。女になっただけでも大混乱なのに、見たことも無い可愛い服装をしているのだから。
この時代の女すら経験が無いであろう柔らかな女物の下着は勿論、スカートに長い髪である。
別にオレがセーラー服属性があるわけじゃなくて、とにかく兵隊の格好だと武器や防具が危ないので物騒でない格好に変えただけだ。
折角女になってるんだから、女の制服が良かろうというわけ。単純な理屈だ。
哀れ女子高生たちは散り散りになって四散したが、全員が捕らえられた。
その後の運命は言うまでも無い。
ただ、今回は人数がかなり多かったため、オレの手引きで本国の奴隷商人及び女衒に売り飛ばした。
これが結構な金になったのだ。
え?残酷だって?
何を言ってるんだ。こりゃ戦(いくさ)だよ?
マトモにぶつかれば全員が死んでたかも知れない。つーかオレの戦闘力を持ってすればかなりの人数が死んでただろう。
それを基本的には誰も殺さずに戦闘に勝ったんだ。平和的じゃないかね。
え?男が女にされて売り飛ばされるのは死ぬよりも辛い屈辱じゃないかって?
…ま、そうかもしれん。ただ、その世界の平均寿命はせいぜい四十歳というところ。中世なんてそんなもんだ。
とりあえず死んじゃうのに比べれば生きてるだけマシだと思って貰わんとね。
こういう噂ってのは駆け巡るのは早いからねえ。
オレたちの通り名は単なる魔法戦士軍団から「死神軍団」だの「恐怖の女衒戦闘部隊」だのえらいことになっていた。
「激突した敵軍を全員娼婦にして売り飛ばす」という訳の分からん噂は何よりの強みだった。
ガラガラ蛇はそのけたたましい音で相手を威嚇し、逃げ出すのを待つという。
実際に戦っても強いが、「オレは強いぞ」という脅しで相手を屈服させ、無駄な戦闘を避けるのだ。
戦闘なんぞせずに勝つのが一番だ。
しかし、噂を信じない…という訳でも無いのだろうが、敵方は相変わらず攻め込んでくることを止めなかった。
そんなに兵隊が死んじゃったら国が持たないんじゃないの?と思うかも知れないが、オレの世界でのローマ対カルタゴの「ポエニ戦争」では紀元前の古代にも拘らず一回の戦闘で数万人が死ぬ様な戦闘がしょっちゅうおこなわれている。
この辺でやっと分かって来たんだが、どうやらオレが偶然味方することになった国はこの世界では結構な弱小国で、隣の大国がしょっちゅう侵攻を繰り返す位置にあったらしい。
オスマン・トルコ帝国やらペルシアがしょっちゅう攻めてきていた古代ギリシャとかローマ、或いは中東の国みたいなイメージだね。
だから国境線近くに配備されたオレたちは、気の毒な事に次々に投入される侵略軍を撃退し続けることになる。
正直、余りにも女だらけになったので本国では娼婦が余り始める事態になったらしい。これは異例のことだ。
オレによって性転換された兵隊はこの時点で恐らく万単位に近づいていたはずだ。
オレは本国には行ったことが無いので噂でしか知らないけど、オレによって女に変えられた兵隊たちは「変身女」とか「魔法女」とか呼ばれているらしい。
それでも、人数が多く、オレの趣味で結構造形を良くしていることもあって、単なる奴隷や娼婦だけではなくて、「玉の輿」にのって、貴族は無理でも豪商の愛人に納まるようなのも出てきたという。
まるきり人身売買であるが、オレは余り罪悪感は感じていなかった。
元々「彼女」らは戦場で死んでいたはずなのだ。それが女にされてはいるが曲がりなりにも生きてはいるのだ。
その後辛い事もあるだろうが、生きるチャンスを活かせるかどうかは本人次第。
中世ヨーロッパみたいな環境で、根無し草の若い女にどれくらい自活のチャンスがあるかなんて考えたくも無いが、まあ死ぬよりはいいだろう。
余り変な格好をさせてこの世界の文化に影響を与えるのも何なので、努めて無難な格好を選んできたんだけど、どうしても現代日本にある格好をさせてしまうので、この世界ではオーパーツであろうパンティだのワイヤー入りブラジャーだの、スリップだのを量産することになってしまう。
この世界の文化程度がよく分からんのだけど、多分鉄の加工技術だけでもまだまだのはずだ。
セーラー服の胸のボタンやフック、スカートのファスナー部分一つとっても未知のテクノロジーだろう。
これまでは戦場で採取された衣類がそのまま無事に本国に移送されることは余り無かった。
戦場で強姦される際に破り取られてしまうからだ。
だが、女体は勿論のこと、彼女たちが身に付けている衣類こそがお宝であるということに気が付き始めた目ざとい商人たちが、戦場に待機し相手の軍隊が女子高生の集団みたいになっちゃうと同時にウチの傭兵部隊よりも早くかっ飛んで行って服を破かない様に脱がせに掛かるという奇妙なことになってしまった。
荒くれ者揃いのウチの傭兵部隊にとっては犠牲者が着ている服なんぞどうでもいいので、せっせと脱がせてくれるのはお互いのニーズが合致していた。
すっぽんぽんになったところをウチの兵が襲い、裸のままでは何なので商人たちによって提供された粗末な服を着せられて売り飛ばされることになる。
噂ではとある貴族の令嬢がスリップを入手し、余りの肌触りのよさに感激して高値を付けたため、貴族世界の間でその価値が暴騰しているという。
当然「衣装狩り」をしている豪商にとってみればいちいち高値で売れる現代日本の女物の下着軍団はまるで宝石が噴出して来ているみたいなものだ。
この頃では衣装を剥ぎ取るためだけに傭兵部隊を雇って強奪して行く連中までいるらしい。
まあ、戦場で首尾よく全裸に出来たならいいが、衣装を引っ張り合って破いてしまっては元も子もないので、噂ではこの頃はカルテルを結成してローテーションで狩りあっているんだとか。
む~ん、多分その気になればオレが量産出来るから一代で大富豪だなあ…などと思い始めた。
その隣国の「大国」も兵隊が一人も帰ってこない惨状にそろそろ気が付き始めても良さそうなもんだけど、実は隣接しているのは元々別の国で、占領した国をこき使っているに過ぎないのだ。
だから、極論すれば一人もいなくなってしまっても構わないくらいの気持ちである。
ただ、生存率ゼロパーセントのみならず、娼婦として売り飛ばされるという意味不明の戦場伝説が伝播するに従って、死刑を覚悟の兵役拒否と反乱の機運まで聞こえてきた。
正確に数えた訳では無いが、戦場から見たことも無い扮装で逃げ帰ってくる女…要するに無事に逃げ延びた兵隊…は何人かはいるみたいなので、そいつらからの噂も伝わっていると思われる。
その逃げ延びた「女子高生」はどうしてるんだろうね?
別人になっているようにしか見えないから受け入れてもらえないだろうし、頭のおかしい女という扱いになるんだろうか。まあ、知った事じゃないが。
なんというか、たった一人で国政情勢のパワーバランスを左右していることに責任を感じないでもない。
現実の世界では今日も上司に嫌味を言われるだけの平凡なサラリーマンなんだが。
ここで最初の話に繋がる。
オレは思い切って「彼女」たちを現実世界にワープさせることって出来ないかな?と思った。
結論から言うとそれは出来たのだ。
でも言葉はどうするのかって?
…どうするんだろうね。まあ、知った事じゃない。オレがイメージしているのは日本の女子高生だから、こっちの世界に引っ張ってくれば日本語話せるんじゃないかな。適当で悪いんだけど。
つーか元々オレだって日本語しか話せないけど、こちらの世界では普通に会話してるから、多分その辺りは何とかなるんだろう。
ということで、試しに十人の「女子高生」たちを伴って現実世界に帰って来て見た。
変わり果てた自らの肉体と服装に戸惑いまくる屈強な男たちだった女子高生たち。
痴漢で通報されるのも面白くないので人の気配に注意しながらも挨拶代わりにスカートをめくってみる。
ちゃんと「きゃーっ!」といったリアクションも出来るみたいだ。精神的には男のままだけど、仕草や言葉遣いなどは女のものに変わっているのでその点問題なかろう。
本人たちにとってはたまらんだろうけどね。
で、まあ黒いルートを使って彼女たちを売り飛ばさせてもらった。
どうやら今は売春宿を兼ねる違法カジノでバニーガールをさせられているらしい。
というかオレは実際その様子を確かめに行った。
そこで「売ってくれた御礼に」と一人をあてがわれた。
これまでも何度と無く戦場で「成果」を頂いてはいたが、こんな妖艶な格好の「獲物」と対峙するのは初めてだった。
なんと皮肉なことだろうか、その「彼女」はかつて一緒に冒険をした「勇者」のなれの果てだったことが分かった。
結局「冒険」では食えず、いい加減年も取ってきたところで駐留していた国ごと侵略され、自ら侵略軍として片棒を担がされていたのだという。残りのパーティは四散していて行方も分からないらしい。
オレは自分でやらかしたこととはいえ、「彼女」のふるいつきたくなるような見事なプロポーションに圧倒されていた。
仕草も二十年は女をやっているかのように滑らかで、化粧のりもバッチリ。
正に「頭のてっぺんからつま先まで」100パーセントバニーガールだった。
「同じ冒険をしていたよしみで元に戻してくれ」と懇願された。無論女言葉で。

え?で、どうしたかって?
悪いんだけど、かつての勇者の姿を思い浮かべながらおいしく頂いたよ。どうやらまだ処女だったらしく、この日が初めての男を知る日になったらしい。
きっと全身をまさぐられ、女体の快感に打ち震えながら脳内ではかつての冒険の日々やら、救出したお姫様との「男として」のラブロマンスやらを思い出してたかも知れないねえ。
あと、仲間との楽しい酒場での馬鹿話とか。
結婚したのかどうか余り聞いてなかったが、定宿の看板娘とは「できて」たみたいだった。
折角なんでそのことを聞いてみると、イヤイヤながら事実を認めた。どうも一家を構えて子供までいたらしい。
それが今じゃ水商売で身体を売る女に転落…、自ら女房の乳首を吸ってた者が今じゃ女にされて恥ずかしいコスチュームを着せられた上に見ず知らずの男の客に乳首を吸われてるんだからたまったもんじゃない。
ふと視線を落とせばそこには自らの乳房やらバニースーツやら網タイツやらハイヒールなんかがあるわけだ。
まあ、…悪夢だわな。どう考えても。
けどさ、そういうのを考えながら犯すのが男ってもんじゃないかい?違うか。
多分、「魔法女」が人気なのは、そういう男の征服欲を満足させてくれるからじゃないか…とこの頃は勝手に思っている。
つーかいい年こいた勇者崩れなんぞあの世界でももう役には立つまいよ。
平和な日本でバニーガールとして生きて行くほうがナンボかマシな人生だって。
その後「彼女」には会っていない。
元に戻してくれないと分かっても「身請けしてくれるかも」なんて希望だけは持ってたみたいだけど、悪いが元・男でしかも魔法で女に変えられた奴なんてまっぴらゴメンだね。
それこそ男の時代のことを思い出して対等に振舞おうとされた日にゃ手を出さない自信が無いもん。
なんだか鬼畜みたいだが、要するに男同士の意識で結婚なんて無理だってこと。同性愛カップルって少なくとも意識の上では男と女だろ?でもあのバニーって完全に意識男だもん。
まあ、性機能やプロポーションは勿論、仕草から何から完全に女にしてるけど多分意識は男のまんまだから抵抗あると思うぜ?
ま、いいや細かいことは。
と言うわけでオレの副業はこれ。
そう「人身売買」だよ。
これがまた結構カネになるんだわ。
中世世界と違って余りに一度に大量に持ってくると怪しまれるんで少しずつにしてる。
それに流石にこの頃は「大国」も懲りたのか、かつてほど頻繁な侵略は起こしてこない。
ところがどうもウチの方の国王がスケベ心を出してむしろ逆に隣の「大国」を食ってやるみたいなことをほざいてるらしい。
なんでも、一応国交があった頃に屈辱的な土下座外交をさせられたことを根に持っていて、相手方の大王を小娘にして自分の愛人にしてやるとのたまっているとかいないとか。
つーか勝手に話を進めないで欲しいなあ。それはオレがいないと出来ないことなんじゃないの?
そんなこんなでこれから一旦引き上げて国王に会ってくる。
隣国への侵略計画が愈々始まるんだってさ。だから呼び出されたんだ。
まるで貴族みたいなあの送迎の隊列みてみろって。まあ、この国始まって以来の戦功をあげた防衛部隊の隊長だからね。
え?そんなに多くの人間の人生を狂わせておいて罪悪感は感じないのかって?
…感じないね。
何度も言うけど、彼らは本来なら戦場で死んでるんだ。
それが…まあ悲惨ではあるが曲がりなりにも生きてる。
人間、死んじゃあ終わりだけど、生きてれば何とかなることもあるじゃん?
ハンニバルやアレクサンダー大王、乾隆帝やチンギス・ハーンみたいな侵略者ならともかく、スキピオやカエサルだって戦争で何万人殺したと思ってんの?
しかもベビーフェイス(善玉)イメージの強いカエサルだって兵隊のための略奪・虐殺もしょっちゅうやってるんだよ?
それに比べたら兵隊を全員娼婦にして売り飛ばすなんて良心的もいいところだっての。
そんなこんなでこれからもオレの活躍は続きそうなんで楽しみにしてるところ。
■
「真城の城」http://kayochan.com
「真城の居間」blog(http://white.ap.teacup.com/mashiroyuh/)
挿絵:松園
オレは勇者だ。
正確に言うと、勇者と一緒にパーティを組んで冒険の旅に出ている「魔法戦士」だ。
何やらアニメにカブれた中学生辺りがノートに書き付けた妄想みたいだが、事実だ。
と言うあたりで気が付いたかも知れないが、オレは現代人だ。
実は「中学生」だったのは随分前の話で、今はもう三十代のおっさんである。
都内に一人暮らしをしている平々凡々たるサラリーマン。三流大学を出て三流会社に勤め、大した給料も取れずにどうにか暮らしている。
当然、人間一人がやっと食える程度の給料なので結婚どころか付き合っている彼女にも縁はなし。
ただ、「副業」によってそれなりに稼いでいる。
というかそっちの稼ぎが馬鹿にならないので、それこそ税務署に目をつけられたらどうしようかと戦々恐々としているところだ。
…どの辺から話し始めればいいのか分からんが、結論から言うと、オレは二重生活をしている。
ある日別世界に召還されたんだ。
…あー、病院への通報はしなくて大丈夫だぞ。いたって普通だから。
そこは和製RPGで至極ありがちな中世ヨーロッパ風のファンタジー世界だった。
オレはある朝目が覚めるとそこの馬小屋の中に伸びていた。
当然パニックになったんだが、一日掛けてうろついている間にまた気が付くと自宅のベッドの中にいた。
性質(たち)の悪い夢だと思ったんだが、一日おきにこれが繰り返されるんで嫌になってきた。
どうやら寝ている間に異世界に飛ばされ、「夢」と同じタイミングで体験しているらしいのだ。
あちらの世界に「鏡」が無いので、自分のツラというか見た目がどういうことになっているのか全く分からんのだけど、まあ今のオレとそれほどは変わらないだろう。
余りにも真に迫った夢なので最初は戸惑ったが、暫(しばら)くすると少しは楽しめる余裕が出てきた。
いつもの馬小屋から足を伸ばして宿場町の酒場に入り浸る様になる。
自分のバックパックの中に通貨らしいものが入っていたのでそれで飲めることが分かって来たのだ。
それを繰り返す内に、「いかにも」な勇者、魔法使い、格闘家、僧侶などが集まってきて「一緒に冒険しよう」ということになった。
余りにもベタなシチュエーションに笑ってしまったのだが、折角ならそれも悪くない。
そんなこんなでオレは彼らと一緒に旅をすることにした。
毎日決まった時間にいなくなるオレに最初はパーティのみんなも戸惑っていたが、徐々に慣れてもらった。
毎日ひたすら書類を書き、役所に届けたりする退屈極まりない上にミスが許されないストレスの貯まる職場の格好の息抜きになっていた。
オレの役どころは「魔法戦士」だった。
魔法と戦闘の両方をこなすオールラウンドプレイヤー…というと聞こえはいいんだが、要するに「力任せにぶん殴る」ことと「攻撃魔法を使う」ことしか出来ない。
あと「自分の武器に攻撃属性を付ける」とかな。
専属の魔法使いは何か魔術っぽいことが沢山出来て羨ましい。
僧侶は戦闘時には足手まといになることが多いのだが、何しろ体力回復が出来るので物凄く重宝される。
戦士…勇者は言わずもがなの問答無用の戦闘の強さでパーティの中心を飾る花形だ。
つまり、オレの「魔法戦士」というのは非常に中途半端で「いくらでも替えが効く」存在だった。魔法が使える割には呪いを解除したり夜を照らしたりといった小技が使えず、体力回復は無理。
かといって本職の戦士ほどは強くない。
何度目かの冒険を追え、雇い主から給金を貰った段階でオレの方からパーティの脱退を申し入れた。
戦力として中途半端なのはともかく、「現実世界」に帰らなくてはならないので度々いなくなり、パーティの危機をすっぽかすこともしょっちゅう。この願いは受け入れられた。
となるとこの世界でどう食っていくかなんだが、色々探しているうちに「傭兵募集」の広告に引っ掛かった。
余りにも特殊な戦い方しか出来ないので、こんなのを雇ってくれるかどうか分からなかったのだが、半ば強引に引っ張り込まれた。
この傭兵団には魔法使いがいなかったらしく、隣国との戦争の際、軍隊そのものが鉢合わせをする前にオレが散々にぶっ放した攻撃魔法が相手の陣形をかなり崩すのが非常に珍しがられた。
無論、実際の戦闘においては主力が激突する前に弓矢や投石器でダメージを与えることを狙いはするんだが、こればっかりは攻撃魔法の方が上回ったらしい。
とある戦闘において、百人隊長を直撃しそうになった投石器の大岩を攻撃魔法で粉砕することで救ったことからえらい恩賞を賜った。
戦いは数なので、戦争に勝てるかどうかはどれだけ兵を動員出来るかに寄って決まる。
幸い、オレの所属する軍隊は連戦連勝だった。
徐々にオレの地位は上がっていった。
だが、所詮は雇われ兵なので、仕官・佐官クラスに昇格して部下を持つことなんて適わなかった。
まあ、元々この世界に住んでいたんならばそれも不満の種だったんだろうが、こちらの世界での出世なんてどうでも良かったから別に不満は無かった。
それもまた雇う側からすると好都合だったらしい。
オレは益々重宝され、あちこちの前線で戦わされた。
これでも「魔法“戦士”」なんで実際の腕っ節もそれなりなんだけど、とにかく遠距離攻撃魔法が強力なのでそればっかりやらされた。
それどころか、オレが撃たれると大幅な戦力ダウンになるので専属の守備兵まで付けてくれている。
正直、地位は大した事ないんだけど待遇がいいのでオレは結構いい気分だった。
それにオレのそばにいると結果として安全性が高いため、多くの傭兵が寄ってくることになる。
オレはこちらの世界のお金とか本当にどうでもいいので、折角ならと大きな戦闘が終わる度に周囲の守備兵たちに酒をおごるために大盤振る舞いした。
特に直接守ってくれる守備兵たちには手厚くし、彼らの労をねぎらうことを忘れなかった。
お陰で人望は益々厚くなり、結束も固くなった。
誰言うと無く「魔法戦士軍団」ということになり、まとまった単位で雇われることとなる。
とある夜、オレたちは夜襲を受けた。
オレはこちらの世界で寝ることは余り無いし、寝たら現実世界に戻れるものなんだが、この夜は違っていた。
夜襲だったため、見張りは皆殺しとなり、かなりの犠牲を出した。
オレが寝ているもっとも警戒厳重なテントも襲撃され、暗殺者が目の前にまでやってきた。
この日がターニングポイントだった。
オレは「ああ、オレはここで死ぬな」と思った瞬間に間抜けなことを考えていた。
「こいつが屈強な暗殺者じゃなくて、か弱い女の子だったらなあ…」というものだ。
ところが次の瞬間、信じられないことが起こった。
実際その通りになったんだ。いやホントに。
細かい鎖を編んだみたいなチェーンメールに乳首が挟まれそうになって痛がる美少女がそこにはいた。
この夜、夜襲を掛けてきた敵軍の暗殺部隊は哀れ全員が小娘へと変身させられていた。
仲間を殺された恨みは深く、「彼女」たちは全員ウチの部隊の慰み物となった。かなりの人数がそのまま殺されたらしい。
戦場でのことだから仕方が無い。しかも「彼女」たちは紛れも無い戦闘員だ。
ともあれ、この戦闘で露(あらわ)になったことの一つは、オレには他人を性転換させる能力があるということだ。
この日から戦闘の意味も変わってきた。
ウチの名前は鳴り響いていたので、名前を聞いただけで敵方に仕える傭兵部隊は逃げ出してしまうと噂されたほどなのだが、地元の兵隊は逃げる訳にはいかない。
オレが雇われている国が一体どんなことをやってるのかよく分からんけど、中世においては「自国の領土を拡大する」のは絶対の正義とされていたことだ。つまり侵略戦争だな。
ただ、どうやら随分前に取られた土地を取り返すための戦いではあるらしいことまでは分かった。
新参の傭兵にはそれくらいが精一杯。
しかし、相手も取り返そうとするからそれを防衛するのもオレたちの任務だった。
傭兵部隊の強みは「兵農分離」していることだ。
つまり、農繁期・農閑期関係なく戦闘が行える。というかそれこそが最大の強みである。
敵国が刈り取り時期に掛かっている間や雪に閉ざされて兵が動かせない時に動く。
この日の防衛戦は凄まじかった。
単なる「圧勝」ではない。
敵方の軍隊を本当に「全滅」させてしまったのだ。
といっても殺したのではない。
オレの能力によって、激突前に全員を小娘へと性転換させたことによって「崩壊」させたのだ。
具足…まあ、鎧兜みたいな鉄製の防具とか、槍とか剣みたいな武器だな…があると厄介だし、武器は危ないので全て消失させた。
考えるのも面倒くさいので、全員をセーラー服姿の女子高生に変えてやった。
相手は変わり果てた自らの姿に驚き、慌てる。
そりゃあそうだろう。女になっただけでも大混乱なのに、見たことも無い可愛い服装をしているのだから。
この時代の女すら経験が無いであろう柔らかな女物の下着は勿論、スカートに長い髪である。
別にオレがセーラー服属性があるわけじゃなくて、とにかく兵隊の格好だと武器や防具が危ないので物騒でない格好に変えただけだ。
折角女になってるんだから、女の制服が良かろうというわけ。単純な理屈だ。
哀れ女子高生たちは散り散りになって四散したが、全員が捕らえられた。
その後の運命は言うまでも無い。
ただ、今回は人数がかなり多かったため、オレの手引きで本国の奴隷商人及び女衒に売り飛ばした。
これが結構な金になったのだ。
え?残酷だって?
何を言ってるんだ。こりゃ戦(いくさ)だよ?
マトモにぶつかれば全員が死んでたかも知れない。つーかオレの戦闘力を持ってすればかなりの人数が死んでただろう。
それを基本的には誰も殺さずに戦闘に勝ったんだ。平和的じゃないかね。
え?男が女にされて売り飛ばされるのは死ぬよりも辛い屈辱じゃないかって?
…ま、そうかもしれん。ただ、その世界の平均寿命はせいぜい四十歳というところ。中世なんてそんなもんだ。
とりあえず死んじゃうのに比べれば生きてるだけマシだと思って貰わんとね。
こういう噂ってのは駆け巡るのは早いからねえ。
オレたちの通り名は単なる魔法戦士軍団から「死神軍団」だの「恐怖の女衒戦闘部隊」だのえらいことになっていた。
「激突した敵軍を全員娼婦にして売り飛ばす」という訳の分からん噂は何よりの強みだった。
ガラガラ蛇はそのけたたましい音で相手を威嚇し、逃げ出すのを待つという。
実際に戦っても強いが、「オレは強いぞ」という脅しで相手を屈服させ、無駄な戦闘を避けるのだ。
戦闘なんぞせずに勝つのが一番だ。
しかし、噂を信じない…という訳でも無いのだろうが、敵方は相変わらず攻め込んでくることを止めなかった。
そんなに兵隊が死んじゃったら国が持たないんじゃないの?と思うかも知れないが、オレの世界でのローマ対カルタゴの「ポエニ戦争」では紀元前の古代にも拘らず一回の戦闘で数万人が死ぬ様な戦闘がしょっちゅうおこなわれている。
この辺でやっと分かって来たんだが、どうやらオレが偶然味方することになった国はこの世界では結構な弱小国で、隣の大国がしょっちゅう侵攻を繰り返す位置にあったらしい。
オスマン・トルコ帝国やらペルシアがしょっちゅう攻めてきていた古代ギリシャとかローマ、或いは中東の国みたいなイメージだね。
だから国境線近くに配備されたオレたちは、気の毒な事に次々に投入される侵略軍を撃退し続けることになる。
正直、余りにも女だらけになったので本国では娼婦が余り始める事態になったらしい。これは異例のことだ。
オレによって性転換された兵隊はこの時点で恐らく万単位に近づいていたはずだ。
オレは本国には行ったことが無いので噂でしか知らないけど、オレによって女に変えられた兵隊たちは「変身女」とか「魔法女」とか呼ばれているらしい。
それでも、人数が多く、オレの趣味で結構造形を良くしていることもあって、単なる奴隷や娼婦だけではなくて、「玉の輿」にのって、貴族は無理でも豪商の愛人に納まるようなのも出てきたという。
まるきり人身売買であるが、オレは余り罪悪感は感じていなかった。
元々「彼女」らは戦場で死んでいたはずなのだ。それが女にされてはいるが曲がりなりにも生きてはいるのだ。
その後辛い事もあるだろうが、生きるチャンスを活かせるかどうかは本人次第。
中世ヨーロッパみたいな環境で、根無し草の若い女にどれくらい自活のチャンスがあるかなんて考えたくも無いが、まあ死ぬよりはいいだろう。
余り変な格好をさせてこの世界の文化に影響を与えるのも何なので、努めて無難な格好を選んできたんだけど、どうしても現代日本にある格好をさせてしまうので、この世界ではオーパーツであろうパンティだのワイヤー入りブラジャーだの、スリップだのを量産することになってしまう。
この世界の文化程度がよく分からんのだけど、多分鉄の加工技術だけでもまだまだのはずだ。
セーラー服の胸のボタンやフック、スカートのファスナー部分一つとっても未知のテクノロジーだろう。
これまでは戦場で採取された衣類がそのまま無事に本国に移送されることは余り無かった。
戦場で強姦される際に破り取られてしまうからだ。
だが、女体は勿論のこと、彼女たちが身に付けている衣類こそがお宝であるということに気が付き始めた目ざとい商人たちが、戦場に待機し相手の軍隊が女子高生の集団みたいになっちゃうと同時にウチの傭兵部隊よりも早くかっ飛んで行って服を破かない様に脱がせに掛かるという奇妙なことになってしまった。
荒くれ者揃いのウチの傭兵部隊にとっては犠牲者が着ている服なんぞどうでもいいので、せっせと脱がせてくれるのはお互いのニーズが合致していた。
すっぽんぽんになったところをウチの兵が襲い、裸のままでは何なので商人たちによって提供された粗末な服を着せられて売り飛ばされることになる。
噂ではとある貴族の令嬢がスリップを入手し、余りの肌触りのよさに感激して高値を付けたため、貴族世界の間でその価値が暴騰しているという。
当然「衣装狩り」をしている豪商にとってみればいちいち高値で売れる現代日本の女物の下着軍団はまるで宝石が噴出して来ているみたいなものだ。
この頃では衣装を剥ぎ取るためだけに傭兵部隊を雇って強奪して行く連中までいるらしい。
まあ、戦場で首尾よく全裸に出来たならいいが、衣装を引っ張り合って破いてしまっては元も子もないので、噂ではこの頃はカルテルを結成してローテーションで狩りあっているんだとか。
む~ん、多分その気になればオレが量産出来るから一代で大富豪だなあ…などと思い始めた。
その隣国の「大国」も兵隊が一人も帰ってこない惨状にそろそろ気が付き始めても良さそうなもんだけど、実は隣接しているのは元々別の国で、占領した国をこき使っているに過ぎないのだ。
だから、極論すれば一人もいなくなってしまっても構わないくらいの気持ちである。
ただ、生存率ゼロパーセントのみならず、娼婦として売り飛ばされるという意味不明の戦場伝説が伝播するに従って、死刑を覚悟の兵役拒否と反乱の機運まで聞こえてきた。
正確に数えた訳では無いが、戦場から見たことも無い扮装で逃げ帰ってくる女…要するに無事に逃げ延びた兵隊…は何人かはいるみたいなので、そいつらからの噂も伝わっていると思われる。
その逃げ延びた「女子高生」はどうしてるんだろうね?
別人になっているようにしか見えないから受け入れてもらえないだろうし、頭のおかしい女という扱いになるんだろうか。まあ、知った事じゃないが。
なんというか、たった一人で国政情勢のパワーバランスを左右していることに責任を感じないでもない。
現実の世界では今日も上司に嫌味を言われるだけの平凡なサラリーマンなんだが。
ここで最初の話に繋がる。
オレは思い切って「彼女」たちを現実世界にワープさせることって出来ないかな?と思った。
結論から言うとそれは出来たのだ。
でも言葉はどうするのかって?
…どうするんだろうね。まあ、知った事じゃない。オレがイメージしているのは日本の女子高生だから、こっちの世界に引っ張ってくれば日本語話せるんじゃないかな。適当で悪いんだけど。
つーか元々オレだって日本語しか話せないけど、こちらの世界では普通に会話してるから、多分その辺りは何とかなるんだろう。
ということで、試しに十人の「女子高生」たちを伴って現実世界に帰って来て見た。
変わり果てた自らの肉体と服装に戸惑いまくる屈強な男たちだった女子高生たち。
痴漢で通報されるのも面白くないので人の気配に注意しながらも挨拶代わりにスカートをめくってみる。
ちゃんと「きゃーっ!」といったリアクションも出来るみたいだ。精神的には男のままだけど、仕草や言葉遣いなどは女のものに変わっているのでその点問題なかろう。
本人たちにとってはたまらんだろうけどね。
で、まあ黒いルートを使って彼女たちを売り飛ばさせてもらった。
どうやら今は売春宿を兼ねる違法カジノでバニーガールをさせられているらしい。
というかオレは実際その様子を確かめに行った。
そこで「売ってくれた御礼に」と一人をあてがわれた。
これまでも何度と無く戦場で「成果」を頂いてはいたが、こんな妖艶な格好の「獲物」と対峙するのは初めてだった。
なんと皮肉なことだろうか、その「彼女」はかつて一緒に冒険をした「勇者」のなれの果てだったことが分かった。
結局「冒険」では食えず、いい加減年も取ってきたところで駐留していた国ごと侵略され、自ら侵略軍として片棒を担がされていたのだという。残りのパーティは四散していて行方も分からないらしい。
オレは自分でやらかしたこととはいえ、「彼女」のふるいつきたくなるような見事なプロポーションに圧倒されていた。
仕草も二十年は女をやっているかのように滑らかで、化粧のりもバッチリ。
正に「頭のてっぺんからつま先まで」100パーセントバニーガールだった。
「同じ冒険をしていたよしみで元に戻してくれ」と懇願された。無論女言葉で。

え?で、どうしたかって?
悪いんだけど、かつての勇者の姿を思い浮かべながらおいしく頂いたよ。どうやらまだ処女だったらしく、この日が初めての男を知る日になったらしい。
きっと全身をまさぐられ、女体の快感に打ち震えながら脳内ではかつての冒険の日々やら、救出したお姫様との「男として」のラブロマンスやらを思い出してたかも知れないねえ。
あと、仲間との楽しい酒場での馬鹿話とか。
結婚したのかどうか余り聞いてなかったが、定宿の看板娘とは「できて」たみたいだった。
折角なんでそのことを聞いてみると、イヤイヤながら事実を認めた。どうも一家を構えて子供までいたらしい。
それが今じゃ水商売で身体を売る女に転落…、自ら女房の乳首を吸ってた者が今じゃ女にされて恥ずかしいコスチュームを着せられた上に見ず知らずの男の客に乳首を吸われてるんだからたまったもんじゃない。
ふと視線を落とせばそこには自らの乳房やらバニースーツやら網タイツやらハイヒールなんかがあるわけだ。
まあ、…悪夢だわな。どう考えても。
けどさ、そういうのを考えながら犯すのが男ってもんじゃないかい?違うか。
多分、「魔法女」が人気なのは、そういう男の征服欲を満足させてくれるからじゃないか…とこの頃は勝手に思っている。
つーかいい年こいた勇者崩れなんぞあの世界でももう役には立つまいよ。
平和な日本でバニーガールとして生きて行くほうがナンボかマシな人生だって。
その後「彼女」には会っていない。
元に戻してくれないと分かっても「身請けしてくれるかも」なんて希望だけは持ってたみたいだけど、悪いが元・男でしかも魔法で女に変えられた奴なんてまっぴらゴメンだね。
それこそ男の時代のことを思い出して対等に振舞おうとされた日にゃ手を出さない自信が無いもん。
なんだか鬼畜みたいだが、要するに男同士の意識で結婚なんて無理だってこと。同性愛カップルって少なくとも意識の上では男と女だろ?でもあのバニーって完全に意識男だもん。
まあ、性機能やプロポーションは勿論、仕草から何から完全に女にしてるけど多分意識は男のまんまだから抵抗あると思うぜ?
ま、いいや細かいことは。
と言うわけでオレの副業はこれ。
そう「人身売買」だよ。
これがまた結構カネになるんだわ。
中世世界と違って余りに一度に大量に持ってくると怪しまれるんで少しずつにしてる。
それに流石にこの頃は「大国」も懲りたのか、かつてほど頻繁な侵略は起こしてこない。
ところがどうもウチの方の国王がスケベ心を出してむしろ逆に隣の「大国」を食ってやるみたいなことをほざいてるらしい。
なんでも、一応国交があった頃に屈辱的な土下座外交をさせられたことを根に持っていて、相手方の大王を小娘にして自分の愛人にしてやるとのたまっているとかいないとか。
つーか勝手に話を進めないで欲しいなあ。それはオレがいないと出来ないことなんじゃないの?
そんなこんなでこれから一旦引き上げて国王に会ってくる。
隣国への侵略計画が愈々始まるんだってさ。だから呼び出されたんだ。
まるで貴族みたいなあの送迎の隊列みてみろって。まあ、この国始まって以来の戦功をあげた防衛部隊の隊長だからね。
え?そんなに多くの人間の人生を狂わせておいて罪悪感は感じないのかって?
…感じないね。
何度も言うけど、彼らは本来なら戦場で死んでるんだ。
それが…まあ悲惨ではあるが曲がりなりにも生きてる。
人間、死んじゃあ終わりだけど、生きてれば何とかなることもあるじゃん?
ハンニバルやアレクサンダー大王、乾隆帝やチンギス・ハーンみたいな侵略者ならともかく、スキピオやカエサルだって戦争で何万人殺したと思ってんの?
しかもベビーフェイス(善玉)イメージの強いカエサルだって兵隊のための略奪・虐殺もしょっちゅうやってるんだよ?
それに比べたら兵隊を全員娼婦にして売り飛ばすなんて良心的もいいところだっての。
そんなこんなでこれからもオレの活躍は続きそうなんで楽しみにしてるところ。
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3月のコミックチェック
03/07 竹書房 アカギ 魔物の闘牌 福本 伸行 600
03/08 秋田書店 名探偵マーニー 2 木々津 克久 440
03/08 小学館 とりかえ・ばや 1 さいとう ちほ 450
03/09 アスキー・メディアワークス発行/角川グループパブリッシング発売 よつばと! 12 あずま きよひこ 630
03/09 日本文芸社 お気の毒ですが、冒険の書は魔王のモノになりました。 1 サイトウ ミチ/KAKERU 600
03/09 リブレ出版 ふたりの秘密 宝井 さき 650
03/上 久保書店 (成)少女菜美 第2部 最終章 性奴達のオルガ 三条 友美 1260 書籍扱
03/上 久保書店 (成)女装 巨乳顔射! ダーティ 松本 1260 書籍扱
03/12 芳文社 私が彼女で彼女が私で 2(完) 橘 あゆん 620
03/13 講談社 海月姫 11 東村 アキコ 450
03/15 アスキー・メディアワークス発行/角川グループパブリッシング発売 大図書館の羊飼い ~Lovely Librarians~ 1 Rico/オーガスト 630 書籍扱
03/15 講談社 賭博覇王伝 零 ギャン鬼編 7 福本 伸行 570
03/18 小学館 國崎出雲の事情 13 ひらかわ あや 440
03/19 秋田書店 TS魔女りえ×ノルン 速野 悠二 580
03/19 秋田書店 ひょうい☆ドン 1 たかやki 580
03/19 秋田書店 エクゾスカル零 4 山口 貴由 580
03/19 リイド社 山口貴由初期作品集 サイバー桃太郎×平成武装正義団(完) 山口 貴由 1050
03/22 アスキー・メディアワークス発行/角川グループパブリッシング発売 ひめごとははなぞの 7 わたなべ あじあ 609 書籍扱
03/22 スクウェア・エニックス オレが悪魔で、アイツが嫁で。 2(完) あるま るみ 600
03/23 幻冬舎コミックス発行/幻冬舎発売 ナムコクラシックアンソロジー アンソロジー 750
03/23 幻冬舎コミックス発行/幻冬舎発売 なめこ文學全集 2 なめこでわかる名作文学 小鳩 まり 650
03/25 オークス (成)私立!ふたなり学園生徒会 命 わずか 1000
03/25 少年画報社 この人類域のゼルフィー 1 塩野 干支郎次 600
03/25 少年画報社 マンガで分かる心療内科 8 ソウ/ゆうき ゆう 680
03/25 スクウェア・エニックス ユーベルブラット 13 塩野 干支郎次 560
03/25 ワニブックス レトロゲーム漫画本(仮) RYU-TMR 945 書籍扱
03/26 一水社 (成)にょたいか!パラダイス 3 アンソロジー 1050
03/26 一水社 (成)ドM家族計画 かかし 朝浩 1050
03/26 角川書店発行/角川グループパブリッシング発売 妻は、くノ一 1 黒百合姫/風野 真知雄 609 書籍扱
03/26 角川書店発行/角川グループパブリッシング発売 あくの秘密結社 まったく モー助 798 書籍扱
03/26 集英社 ボイス坂 1 高遠 るい 書籍扱
03/26 小学館 小林が可愛すぎてツライッ!! 2 池山田 剛 420
03/26 白泉社 ガラスの仮面 50 美内 すずえ 420
03/28 ジーウォーク アリス淫ワンダーランド いちこ 680
03/29 少年画報社 BOY MEETS GIRL GIRL MEETS BOY 甘詰留太チェンジH短編集 甘詰 留太 650
03/29 少年画報社 チェンジH peach アンソロジー 980
03/30 エンターブレイン発行/角川グループパブリッシング発売 ココロコネクト 4 CUTEG/庵田 定夏 683 書籍扱
03/30 角川書店発行/角川グループパブリッシング発売 ココロコネクト ON AIR な!/庵田 定夏 588 書籍扱
03/30 ジュネット 少年縄化粧 小野塚 カホリ 980
03/下 ワニマガジン社 (成)さめだ小判短編集(仮) さめだ 小判 1050 書籍扱
03/08 秋田書店 名探偵マーニー 2 木々津 克久 440
03/08 小学館 とりかえ・ばや 1 さいとう ちほ 450
03/09 アスキー・メディアワークス発行/角川グループパブリッシング発売 よつばと! 12 あずま きよひこ 630
03/09 日本文芸社 お気の毒ですが、冒険の書は魔王のモノになりました。 1 サイトウ ミチ/KAKERU 600
03/09 リブレ出版 ふたりの秘密 宝井 さき 650
03/上 久保書店 (成)少女菜美 第2部 最終章 性奴達のオルガ 三条 友美 1260 書籍扱
03/上 久保書店 (成)女装 巨乳顔射! ダーティ 松本 1260 書籍扱
03/12 芳文社 私が彼女で彼女が私で 2(完) 橘 あゆん 620
03/13 講談社 海月姫 11 東村 アキコ 450
03/15 アスキー・メディアワークス発行/角川グループパブリッシング発売 大図書館の羊飼い ~Lovely Librarians~ 1 Rico/オーガスト 630 書籍扱
03/15 講談社 賭博覇王伝 零 ギャン鬼編 7 福本 伸行 570
03/18 小学館 國崎出雲の事情 13 ひらかわ あや 440
03/19 秋田書店 TS魔女りえ×ノルン 速野 悠二 580
03/19 秋田書店 ひょうい☆ドン 1 たかやki 580
03/19 秋田書店 エクゾスカル零 4 山口 貴由 580
03/19 リイド社 山口貴由初期作品集 サイバー桃太郎×平成武装正義団(完) 山口 貴由 1050
03/22 アスキー・メディアワークス発行/角川グループパブリッシング発売 ひめごとははなぞの 7 わたなべ あじあ 609 書籍扱
03/22 スクウェア・エニックス オレが悪魔で、アイツが嫁で。 2(完) あるま るみ 600
03/23 幻冬舎コミックス発行/幻冬舎発売 ナムコクラシックアンソロジー アンソロジー 750
03/23 幻冬舎コミックス発行/幻冬舎発売 なめこ文學全集 2 なめこでわかる名作文学 小鳩 まり 650
03/25 オークス (成)私立!ふたなり学園生徒会 命 わずか 1000
03/25 少年画報社 この人類域のゼルフィー 1 塩野 干支郎次 600
03/25 少年画報社 マンガで分かる心療内科 8 ソウ/ゆうき ゆう 680
03/25 スクウェア・エニックス ユーベルブラット 13 塩野 干支郎次 560
03/25 ワニブックス レトロゲーム漫画本(仮) RYU-TMR 945 書籍扱
03/26 一水社 (成)にょたいか!パラダイス 3 アンソロジー 1050
03/26 一水社 (成)ドM家族計画 かかし 朝浩 1050
03/26 角川書店発行/角川グループパブリッシング発売 妻は、くノ一 1 黒百合姫/風野 真知雄 609 書籍扱
03/26 角川書店発行/角川グループパブリッシング発売 あくの秘密結社 まったく モー助 798 書籍扱
03/26 集英社 ボイス坂 1 高遠 るい 書籍扱
03/26 小学館 小林が可愛すぎてツライッ!! 2 池山田 剛 420
03/26 白泉社 ガラスの仮面 50 美内 すずえ 420
03/28 ジーウォーク アリス淫ワンダーランド いちこ 680
03/29 少年画報社 BOY MEETS GIRL GIRL MEETS BOY 甘詰留太チェンジH短編集 甘詰 留太 650
03/29 少年画報社 チェンジH peach アンソロジー 980
03/30 エンターブレイン発行/角川グループパブリッシング発売 ココロコネクト 4 CUTEG/庵田 定夏 683 書籍扱
03/30 角川書店発行/角川グループパブリッシング発売 ココロコネクト ON AIR な!/庵田 定夏 588 書籍扱
03/30 ジュネット 少年縄化粧 小野塚 カホリ 980
03/下 ワニマガジン社 (成)さめだ小判短編集(仮) さめだ 小判 1050 書籍扱