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クジラの人魚姫 10-12 by.黒い枕



八月の中旬頃。
ここ等辺では、大きな花火大会が行われる。
海辺に出店が出店すると共に、花火が綺麗に見ることが出来るところにも所狭し、とお店が立ち並ぶ、ちょっとした地元の一大イベントが本日行われる。
白方セラスは、その祭りに恋人たちと一緒に参加することを決めていた。
「ウウっ……少し……きつくない?」
「これぐらいがいいの!でも――まさかセラスちゃんに浴衣を着せてあげる日が来るなんて!」
「……よく言うわよ。クジラと一緒に……私のことを女の子にした癖に」
仲良く並ぶ少女たちが、白方クジラの家に備え付けられている巨大な姿見の前で、自分たちの容姿をチェックしていた。
黒地と控えめな花の模様が、お淑やかな雰囲気を醸し出していた。
長い蒼髪は、二つのお団子にまとめられている。
豊満すぎる身体のラインも相まって、浴衣美人と呼ぶに相応しい姿だろう。
「えへへ。私も浴衣なんて久しぶりぃ!どう似合う?」
朝倉沙希が、ただでさえ元気いっぱいの顔で笑っていた。
明るい色の生地に加えて、派手やかな花の模様が布地いっぱいに咲いている。
控えめなスリム体型であるものの、日本人美人と言うには十分な色香を持っていた。
絵に描いたような元気娘に、セラスは包み隠さぬ本音を言う。
「可愛いわよ。沙希」
「ありがとう……セラスちゃん!セラスちゃんもすごく素敵!綺麗だよ!」
さながら二人は、姉と妹のようだった。
「ありがとう……」
「あああっ!これでノーブラ、ノーショーツなら良かったのに!」
「沙希……それは嫌ってきっぱりと断ったでしょ?……もし本当にさせようとするなら絶交だからね!」
「や……やあねぇ!冗談!冗談よぉ!おほっ!おほほほっ!!」
「なによ?……その気持ち悪い笑い方は」
相も変らぬセクハラ思考に、セラスは呆れ果てた。
(まったく沙希ったら!……でも……ほんとは、少し……怖いなぁ……まだ。だってこんな姿で外に出るなんて……ッ!ふうっ)
自分の魅力溢れる豊満な肉体に、セラスは外に出るのが少し怖くなっていた。
男にエッチな目で見られるのは当たり前だろうし、同性からも嫉妬と羨望の眼差しで見つめられてしまうに決まっていた。
彼女としては物静かに、三人で過ごしたいと言うのに。
「あっ、そろそろ時間だから早くクジラさんを呼ばなきゃ!」
「うん――」
しかし、それでも時間はやってくる。
花火が打ち上げられるまで時間はあるものの、それまで屋台を回って置く予定を立てた三人は少し早目に現地に向かおうとしていたのだ。
沙希が色々片付けている間に、セラスがリビングに待っているクジラを呼ぶことになる。
「……クジラ?」
以前は自分の名前だった名称を他人に使うのにも慣れてきた。
彼女に呼びかけられて、少年が振り向く。
こちらも、浴衣だった。
一瞬、女性が振り向いたと思い、セラスの心臓がドキンと跳ね上がった。
「準備は出来たのか?」
「あっ、うん。ごめんね……待たせて」
「いいよ。女の着替えを待つのも男の甲斐性だし」
「……あなた本当に……女の子だったの?」
「元ね。今は身も心も男の子だよ――それはキミが一番知っているだろ?」
「ううぅっ……っ」
やはり中身が違うと、何もかもが違って見える。
それとも体が女の子だからなのだろうか。
妖しい色香を纏ったクジラは男らしくあり、どこか美しかった。
(ううっ……顔が赤くなるよぉ!)
白方セラスは、沙希とクジラの二名と――奇妙な三角関係ではあるが――付き合っている。
だから、恋人を前にして胸を弾ませることはイケない訳ではない。
しかし、元は少年だった彼女にとって彼にときめいてしまうことは恥ずかしいことでもあったので、なかなか頬の火照りを拭えない。
「お待たせっ!」
玄関で出発の準備をしていると、沙希が元気よく駆けてきた。
「じゃあ行こうか!」
「おしっ!」
男前に返事をする彼の姿に、ますます顔が火照ってしまう。
「……はぅッ」
かあ、と赤らんだ頬をセラスは伏せた。
「もう……ドキドキさせないでよぉ」
その囁きが聞こえたのか、聞こえないのか――。
「あっ!クジラ……?」
「なにノロノロしているんだよ、ほら!こいっ!」
「あっ、ああッ!」
彼の手に掴まれて、強引に歩かされた。
カラン、コロンッ!
履き替えた下駄とアスファルトの道路がぶつかり合い、軽快な音が響き渡る。
(うあぁ!やめてよぉ!も、もう……恥ずかしいなぁ!)
そう思いつつ、彼から離れない。
本心では、彼女自身もクジラの傍にいたいから――。
「良かったね、セラスちゃんっ!」
「――沙希のイジワル。ばかッ!」
「あははっ……」
「はぅううッ!」
沙希ににんまりと微笑まれ、クジラに笑われる。
恥ずかしい気持ちに涙が滲む。
――が、しかし。
(はずっ、かしい!ひどいよぉ……でも!でもっ……沙希も、クジラも!……すきっ!)
二人の恋人たちに挟まれる幸せに、密かに赤く染まる頬をセラスは緩めていた。



朝倉沙希が、自らの体を女の子に留めている理由はひとつだった。
それは――。
『いやぁ!男の勃起ペニスでセラスちゃんいじめるのもいいけど!女の子の体で触れ合うのも気持ちいいモノよね!』
と言うものだった。
相も変らず欲望に素直な、この娘は今のところは女の子でいることを選んでいる。
しかし、近いうちに完全に男になることを選びそうである。
何故なら――
「セラスちゃん!」
「えっ……んぐぅ!?」
行き成り、セラスは恋人の沙希に唇を奪われてしまう。
急いで彼女の顔を引き剥がし、口を押えてきょろきょろと辺りを見渡した。
しかし、幸いにも――辺りが屋台と行き交う人の波で騒がしかったお蔭かもしれないが――気づいた者はいないようである。
「なにをするのよ!いきなり!!」
「だって!だってセラスちゃんが可愛いだもん!綺麗なんだもん!」
「誰かに見られたらどうするつもりよ!?クラスメイトとか!?」
「その時は……クジラお兄様に頼めばいいでしょ?」
「ああ、もう!この娘はっっ!!」
最近の沙希は体が女であろうが、男であろうが――そして、場所も時も考えず、セラスの体を求める時があった。
キスはまだいい方で、この間など危うく胸揉みから性行為へと発展しそうだったのだ。
あの時はクジラが助けてくれたから良かったものの、下手したら公共施設のトイレで交わってしまっていたかもしれない。
「ごめん、ごめん!ほらお詫びにフランクフルト!特別にマヨネーズをたっぷりかけて貰ったのを上げるから!」
そう言って、異様にマヨネーズは注がれているフランクフルトをセラスの口元へと持ってくる。
欲望がストレートすぎる。そして。
「……沙希卑猥すぎっ!」
「いいから、あーん!ほら!あーん!」
「少しは恥じらいを持ちなさいよ!?馬鹿沙希!」
「あいた!?」
もはや外見は美少女で、その中身はエロエロの高校生男子だ。
否――そこら辺の男子高校生よりも悪質な存在だと言えた。
勿論、白方セラス限定での。
「はあはあ……ああもう!はやく戻って来てよ、クジラぁ……っ」
この場にクジラがいれば、少しは沙希も自制してくれると言うのに。
今その頼れる彼は、いなかった。
「ひどい!セラスちゃん!頭を叩くなんて!」
ワザとらしい嘘泣きをしながら、沙希が飛びかかる
だが、買ってあったお好み焼きと焼きそばを零さぬように、セラスがひらりと避けた。
「……なんか、スルーが普通に上手くなっていない?」
「それはそうよ。あなたに散々付き合わされているんだから……あしらい方が上手になるのも、当然よ。……私としてはすごく嫌だけどね!」
「ううっ……でも私は諦めない!」
「諦めなさい!――はふぅううっ、っっ!」
重たい溜め息が、嫌でもこぼれてしまう。
(クジラもどこまでトイレに行っているのよ!)
はやく返ってきて欲しいと痛烈に願う。――と。
「お待たせ!セラス!沙希ちゃん」
「あっ――クジラ!あのね、沙希がねぇ」
「クジラさん!セラスちゃんが酷いんですよ!」
タイミングよくクジラが、現れる。
その登場に、セラスと沙希が彼の身体に飛びついた。
二人とも涙で濡らした瞳で見上げながら。
「あっ、あー……うん」
周りの男からの嫉妬の眼差しに苦笑しつつ、セラスが言う。
「どうせまた沙希ちゃんが、セクハラしたんだろ?」
すると、幼馴染の少女――最近では女の子と言っていいかも妖しい存在――が大げさに嘆いた。
「あっ、あんまりだわ!ひどい、クジラさん!!真っ先に疑うなんて!……まぁ、事実……ですけども……っ」
勿論、先ほどと同じ嘘泣きであった――が。
「ねぇ、沙希ちゃん?」
「――っ!?」
呆れ果てて、モノが言えなくなるセラスを横に動かして、クジラが甘い声で囁いた。
途端、幼馴染はがくがくと震える。
「ぅ……あっ!」
「一か月間は……男性器を生やして貰えないのを覚悟しての行動だよな?」
「あっ、あああ!――あんまりだわぁああ!!」
今度こそは、本当に涙を流して沙希が泣いた。
「当たり前でしょ!?いい加減にしなさいよねっ!……もうっ」
セラスはその豊満な胸を揺れ弾ませつつ、完全に呆れる。
「だったら少しは自重する!まずはちゃんとセラスの了解を得てから行うこと!いいな――ッ!」
「ううっ、ぐすっ、分かりました!だから……その先ほどの発言はぁ!」
「だーめ、許しません!」
「うううっ、ぐすぐすっ!ひーんっ!」
沙希に甘いところがある彼も、今度ばかりはしっかりと叱りつけるのだった。

<つづく>

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03/02のツイートまとめ

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RT @san_you_chu: 20代の皆さんの“懐かしい”なんて断固として認める訳にはいかないんです。皆さんが大人面して“懐かしい”とか言っていると僕ら30代は相対的におっさんになってしまいますからね。皆さんは子供。そして僕らはまだ若者。そういうことなんです。何度も言わせな…
03-02 22:21

オカルトオタク野郎のダッチワイフ化魔法から彼女を守ろうとしたオレはダッチワイフ化魔法をまともに受けてしまい…#TSFの卵
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