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クジラの人魚姫 10-13(最終回) by.黒い枕



潮の香りがほのかに舞い込む丘の上。
疎らに人が集まるそこは、地元の人しか知らない花火が一望できる場所だった。
だからセラスたちも、ここで花火を見ようと決めたのだ。
(ふぅう!やれやれ……沙希もクジラが止めてくれているし。これでゆっくり花火を楽しめ――っ)
だが、しかし、不意に周りを見渡す――と。
「なあ、いいだろ?」
「ちょっと人がいるのよ?」
「大丈夫だって……いいじゃないか?」
(あ、あわわわぁッッ!?)
他のカップルの口付けを見てしまう。慌てて顔を反対の方向に逸らす。
「あン!馬鹿!手が!胸に!」
「やっぱこう言うところだと興奮するな!」
「馬鹿!――変態!」
しかし、今度は大胆にも浴衣に手を突っ込んで彼女に愛撫をしている男がいた。
(ちょっ、ちょっと!まさか!ここ――ッ!)
どうやらここは、花火を見よう――と言うよりも、好きな人と愛を育もうと地元のカップルたちが集う場所だったようだ。
目に余る行為が、チラホラと嫌でもセラスの瞳に映ってしまう。
「うっ、ううぅ!」
子供の時に来た時は少し離れた場所から花火を見上げていたし、そもそもそんなに頻繁に足を踏み入れてはいなかったため知らなかったが、卑猥で甘い空気が充満していた。
途端、セラスは恥ずかしくなり、頬を紅潮させて身震いする。
たぷにゅるん!
浴衣に抑え付けられている巨大乳房が、軽快に弾んだ。
「どうしたの?セラスちゃん?」
「花火もうすぐ始まるぞ?」
「へ、平気……なの?ふ、ふたりは?」
甘い空気に羞恥心を煽られているのは自分だけのようだ。
彼女にはそれが不思議でならない。
こんなにも気恥ずかしく、嫌な汗を流してしまうと言うのに――。
「……?なんのこと?」
「だから……まわりがぁっ……そのォ、ぉ!」
「――ああ、そういうことか。……馬鹿だな、セラスは」
「ばっ、馬鹿って!……あっ!」
優しく丁寧に、束ねた髪を崩さぬようにクジラが頭を撫でる。
そして、耳元で囁いてくれた。
「だって俺たちはもう恋人だろ?だったら恥ずかしがることなんてないよ。なんなら……あの人たちに見せつけようか?俺たちのラブラブぶりにぃ!」
「――っ、っ!ば、ばか!だから……どうしてそう恥ずかしいこと……言えるのよ!」
あまりのも恥辱に、思わず泣きそうになった。
クジラは『ずるい』――と、セラスは思う。
自然体で囁く言葉のひとつひとつが、身体を熱く焦がしてしまうからだ。
(ううぅ!沙希もそうだけど……なんでわたしってこう――クジラに、弱いの!ど、ドキドキが止まらない!うぅウウ!卑怯……だわ!)
言葉だけで悩ましい疼きを覚えてしまうなんて。
だから、ずるくて、卑怯なのだ。
「事実だろ?俺は……幸せだよ?キミの恋人になれて……」
――彼は。
「あっ!……そういうことか!私も分かった!あはは……ほんとお馬鹿ちゃんなんだからっ!セラスちゃんはっ」
「ほんとになっ」
「……っ!」
「あれ――怒らせちゃった?あはっ……あははははは!」
もう付き合っていられないとばかりに剥れた顔をぷいっ、とクジラから遠ざける。
その直後だった。
ビュゥゥ――――ッ!
と奇妙な音が響き渡って。
「わあぁっ!」
「……綺麗!」
夜の大空に、炸裂音と共に満天の花びらが咲き乱れた。
セラスと沙希の瞳が輝き、それぞれから感嘆の声が思わず漏れる。
「本当に綺麗だよな。……あんまり地上から見たことなかったけど。うん……本当に綺麗なものね」
「……く、クジラ」
少し『セシリウス』の頃だった口調と名残を垣間見せつつ、空に咲く花火に魅入られる彼にセラスは胸熱く、ときめいた。
(やっぱり……私!すき……クジラが好きなんだ!沙希も好き!ふたりが、すきっ!)
もはや否定する気にもなれない。
白方セラスは、朝倉沙希と白方クジラに恋してしまっていた。
本気の思いに、体温が上昇する。
そして、潤った紅い唇が――。
「――あ、あのクジラ……沙希もきいて……くれる?」
甘えるような声を絞り出す。
彼らの瞳が瞬時に、彼女を見つめる。
「……なに?」
「どうした?」
「……アっ、……あッ!そ……その!」
二人の視線に全身がむず痒く戦慄いていく。
しかし、彼女は逃げ出しそうな足を踏み止まらせて、痙攣する唇を動かしていく。
「わたしたち――ずっと!これからも……ずっと一緒だよね!い、いつまでも!」
言ってしまった。
胸が張り裂けそうなほど気恥ずかしく、体がソワソワと蠢いてしまう。
(わたし――言っちゃった!こ、こんなの告白みたいじゃないか!)
それも好意の告白、と言うよりは、プロポーズに近い告白だった。
不安が募り、思わず瞑った眼からそっと二人の様子を伺う。
沙希も、クジラも笑わない。
笑わないまま――。
「当たり前じゃない!私たちはずっと一緒だよ!逃げたいって思っても無駄だから!絶対に逃がさないからね!」
「俺も……セラスが大好きだ!離さないよ!絶対に……死ぬまでね!」
真摯な眼差しと、偽りのない本音で応えてくれた。
「俺にとって!白方クジラにとって……キミは”人魚姫”。人魚姫なんだ。こんな可愛くて、ステキなお姫様を……みすみす俺が手放すわけないだろ?ずっと一緒だよ!!」
胸が弾けそうなほど嬉し過ぎた。
(えへっ。えへへ――そうだよね。私をこんなにも女の子にさせたのは沙希と……クジラのせいなんだもんね。責任を取るぐらい――当然よね。うんっ……やっぱりわたし……この二人と一緒で幸せなんだあ!)
そして、セラスはにっこりと微笑んだ。
少し前までは認められなかった、嘘偽りのない自分自身の心を曝け出して。
「……ありがとう」
ドォオオン――ッ!
今この場にいる全ての恋人たちを祝福するかのように、大きな音が鳴り響き――。
「――わたしも……ふたりと居られて……嬉しいです!幸せです!だから……ずっと一緒にいようね、沙希!クジラ!」

パァァンンンッッ……!!

【完成】白方玖史羅(挿絵18)
挿絵:倉塚りこ

白方セラスたちが微笑む最中、一輪の巨大な花が夜の空を赤く照らしていた。

【-完-】

黒い枕さん、倉塚りこさん。長期連載有難うございました♪
ご感想宜しくお願いします!

痛い信者さんに妹いんすとーるのレビューを頂きました!

妹いんすとーる

一言にTSFといえども、その楽しみ方は千差万別である。しかし、その醍醐味はなんといっても「女の子の体になった男の戸惑い」、ここにあるということに同意する方は多いだろう。男の身体とは違う感覚、違う視点に苦心する美少女、だが「元男」だ!このギャップ萌えこそが、TSFの真髄ではないだろうか。

一般的に、心と身体は不可分だと言われている。自分は男だと言いながらも、男のからだでは体験できない未知の感覚に翻弄され、最終的には自分は女の子であることを受けとめる。もしくは堕ちる。これが、今まで僕が観てきたところの大半のTSモノだし、実際これはこれでとても美味しい。

しかし、この「妹いんすとーる」はそれだけには飽きたらず、更にその先の領域にも果敢に挑戦している。それはすなわち、「TSっ娘とただの女の子の境界線」の探索である。

TSっ娘と、普通の女の子との違いは何処にあるのだろうか?

この妹いんすとーるは、精神面での変化の描写に定評のあるFさんが、谷口さんというこれまたTS描写に定評のある漫画家との夢のコラボレーションの成果である。一言で「精神変化」といえども、単にTSっ娘が自ら同性であったはずの男を好きになったり、女の子の裸を見ても何も感じなくなったりするものではない。むしろ、今回のようにシステマティックに、外部の力によって強制的に自らの意志と関係なく精神女性化が進むだけでなく、男だったという事実さえも記憶から消されてしまうのが主なFさんの作品の特徴だろう。

さらっと述べたが、実はこの「男の頃の記憶」というのが、「TSっ娘とただの女の子の境界線」なのだと僕は考えている。

実はFさんの作品以外にも、TS作品にアイテム等の効果により、自らの意志に関係なく精神女性化(女言葉しか喋れなくなるなど)に陥る作品は多い。また、自らの意志か強制的なものかという因子を外すと、最近のTS作品には多かれ少なかれ、というかもう殆どTSっ娘が普通の女の子並みの感覚を持つようになる(そして男のアイデンティティーとの葛藤に苦しむ)作品ばかりである。しかし、どんなに精神が女性化しようと、例え男と恋愛関係になろうと、童貞のなのに処女を失うはめになろうとも(じつはこの表現大好きだし語ろうと思えばいくらでも語れるが長くなるので省く)、本人が男の感覚を覚えている限りにおいては、TSっ娘は永遠にTSっ娘であって、真の女の子とはなりえないのである。

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カウパーニア vol.5(■今日から女、はじめました。~兄と親友に毎日奥まで~(高宮はいり・描き下ろし)収録)

カウパーニア vol.5

【収録作品】
■今日から女、はじめました。~兄と親友に毎日奥まで~(高宮はいり・描き下ろし)
■突然女の子になったので、俺のおっぱい揉んでみませんか?(永田まりあ・再録)
■にくたいスワップ!~幼なじみの成長を確かめてみた~(九波ヒメヒコ・再録)

カウパーニア vol.5

女体化しちゃ♀らめぇ!

1が2013Q2おかし製作所DMM販売数34位

DMM版が遅れて登場!1って付いてるけど期待しちゃっていいのかしらん。
女体化しちゃ♀らめぇ! 1 DMM版
女体化しちゃ♀らめぇ! DLsitecom版

読みました!
や、これ良いですよ。ちょいBL系だが、おススメのものに格上げ!!
プロ野球のルーキーである主人公秋野誠は突然女体化。
同室の松野のサポートでチームにばれないように振る舞うものの、松野には何度もやられてしまい女体の快感に戸惑う。
しかし、松野は変節をはじめる。
みんなに女になった事をばらしたり、みんなの前で犯したり。
松野はいったい何を考えているのか。

誠はまだ、女体化の犯人が松野である事に気づいていない。

イカス展開だ!評価は『是非買うべし』

20120601レビュー

にょたいかしちゃ

ショタ妊娠出産

由依ちゃんからのタレコミです。
DL販売の際には再度紹介しましょうかね。

ショタ妊娠出産
⇒来ました!

ショタ妊娠

買いました!ちょっと女体化とは違うんじゃないかな。妊娠しているけど。
かなり特殊な作品であるとご理解の上で特攻願います。
タイトル的にもショタジャンルですしー。評価としては『枠外』で良いかしら。

03/03のツイートまとめ

amulai

@F_TSF  ですね。企業さんの場合は、手順書を作成してきちんと運用してた旨立証できればなんとかドローに持ち込めそうな感じ。ウチらの発注案件は特殊だからネットから探しづらい……と、言うかほとんど知ってるから即バレの可能性大と言うかw
03-03 23:51

RT>どう考えても詐欺絵師が悪いが、裁判まで進んだりすると企業さんも『落ち度があった』と認定されそうな感じがする。
03-03 23:47

RT @fillies_revue: 他部署なのですが、イラストレーターさんにお金出して頼んで描いてもらったイラストをサイトに起用していたら、他社から「それ、うちで金だして描いてもらった奴だから版権料よこせください」という事案が発生し、調べたら、イラストレーターさんがよそ様の絵…
03-03 23:45

@0x_osyoyu @qnighy  面子!  かな。
03-03 23:43

@marneko しっかり見てますね、DMMさん。私ら素人がエロ方面に手を出すに際しては局部修正のさじ加減がまったく分からないので、DMMさんなりDLsitecomさんなりの内部チェック能力には結構期待しているのです。直売りは怖すぎるぅ。
03-03 23:39

RT @irekawarimaniax: ジャンプ掲載の『i・ショウジョ』が劇中に登場するアプリのアイデアを募集してますね。つまりこれは該当展開は待つものではなくこちらからアプローチしろということですよ! http://t.co/J1lZFBaROB
03-03 20:13

RT @marneko: お知らせ「トランス”B”メイド」をdlsite経由で2月以前に購入された方へ→ http://t.co/Vpec4s7m1P
03-03 12:27

美少女王にオレはなるからお前はすきな方になれ!美少女平民になる→ふぁぼ美少女奴隷になる→RT
03-03 12:24

美少女王にオレはなる!!
03-03 11:02

夫の女装癖発覚でも離婚は不可 #ldnews http://t.co/IlTCsAiXrq @livedoornewsさんからTSFはどうなのか?
03-03 06:46

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  • 男の子が女の子に変身してひどい目にあっちゃうような小説を作ってます。イラストはパートナーの巴ちゃん画のオレの変身前後の姿。リンクフリーです。本ブログに掲載されている文章・画像のうち著作物であるものに関しては、無断転載禁止です。わたし自身が著作者または著作権者である部分については、4000文字あたり10000円で掲載を許可しますが、著作者表記などはきちんと行ってください。もちろん、法的に正しい引用や私的複製に関しては無許可かつ無料でOKです。適当におだてれば無料掲載も可能です。
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