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呼び声(仮) 前編 by.名無しの権兵衛

 ――許せない。
 私が、どれだけ怖かったか。私が、どれだけ助けを求めたか。私が、どれだけ必死だったか。そんなこと、考えもしないのか、私たちを馬鹿にしている。
 絶対に許してやるものか。
 泣いて懇願しても、絶対に許さない。何が、あのくらい怖くないだ。何が、あのくらいでパニックになるなだ。
 同じ恐怖を味わらせてやる。同じ気持ちにしてやる。
 絶対に、絶対に、絶対にだ!
 私は、その男の姿が見えなくなるまで、ずっと睨みつけるのだ。周りの皆も、同じ思いなのかじーっと男を見ている。
 一人じゃ無理だ。だけど、みんなが同じ思いなら……

 絶対に、うまくいくはずだ。

1日目

 ――おかしい。

 朝起きると、寝巻きがぶかぶかになっていた。中の手足を見てみると、太さは変わらないが、確かに短くなっている。
 ストレスが原因で背が縮むなんて話は聞いたことがあるが、ここまで縮むことはないはずだ。これではMサイズ――いや、Sサイズすらブカブカかもしれない。
 ベッドから出て他の服を確認してみるが、やはりサイズが合わない。下着すら合わないのだから、かなりた変な状況である。

 ――こんな状態では大学へ行けない。

 もっと言えば、人前にも出たくない。だがここまでサイズが合わないとなると買いに行かなければいけない。
 人前に出れなければ通販を使えばいい。俺はさっそくパソコンを起動すると適当なサイトへ行って服を買った。もちろん速達便だ。明日には届くだろう。
 幸い食材はたっぷりある。万が一明日届かなくても、しばらくはどうにかなる。

 ――課題でもしよう。

 自主休校にしたのだ。課題のレポートくらい手をつけておかないと、後々大変だ。
 俺は気合を入れて専門書を開くと、ノートに必要な知識をまとめるのだった。

2日目

「おもっ!」

 課題は昨日終わらせてしまったので、今日は片付けをすることにした。手始めに漫画本をダンボールに入れたが、持ち上げられなかった。
 普段ならこれくらい楽勝だ。俺は嫌な予感を覚えながら力瘤と作ってみた。

 ――ものすごく、柔らかかった。

 試しに腕立てをしてみたが一回もできず、腹筋をしてみても一度もできない。かなりの重症だ。物心ついてからこれまで、ここまで筋力がなかったことなどない。

 ――これじゃ、あいつを笑えないな。

 先日一緒に映画を見に行った彼女を思い出す。重いからと言っていつも荷物を押しつけて来たが、俺はこれを心の中では嘘だと思っていた。だがもしもこれくらいしか筋肉がなかったら、あの程度の荷物でも重いと思うかもしれない。

 ――予定変更だ。

 今日は筋トレをしよう。ゆっくりと、無茶なく、休憩をはさみながらやれば、できるはずだ。
 結局、休憩をはさみながら夕方まで体を動かし、疲れた俺はそのまま眠ってしまった。

3日目

「いてぇ……」

 翌朝、体中が痛くてベッドからなかなか起き上がれなかった。これを毎日繰り返すのかと思うとそれだけで気が滅入る。
 気合いで起き上った俺は、昨夜届いた服に着替えた。さすがにそろそろ大学に行かなければ、単位がやばい。最悪一週間くらいなら休んでも取り返す自信があるが、そろそろ行かないと周りが心配するだろう。
 実際、彼女はメールをよくよこすのだ。今のこの体たらくを見せたくないから来ないよう言ってあるが、いつまでも黙っているわけにはいかない。
 通販で勝ったからか布質が悪くざらざらするが仕方がない。俺は財布を持って数日ぶりに外へ出るのだった。

「すみません」

 服屋に入り、店員に今の自分に合う服の売り場を聞く。店員さんは笑顔で俺を案内してくれたが、売り場を見て俺は反射的に店員さんにつっこんだ。

「ここ、女性向けのところですよ?」
「はい。お客様にはこちらの服などがお似合いだと思います」

 そう言って店員が差し出したのは可愛らしいワンピースやシャツだった。どう見ても女の物だ。信じられないことだが、店員は俺を女だと思っているらしい。

「俺、男ですよ」
「え!?」

 なぜそんなに驚くのだ。そんなの、見ればわかるだろ。
 そう思ってふと顔を横に向けると、紫水晶のような瞳の美少女がこちらを見ていた。少女は俺が今身につけている物と同じ男物の服を着ているが、お世辞にも似合っているとは言い難い。それこそ、今店員が俺に差し出したような可憐な服が似合いそうだ。
 そんなことを思いながら、見ていた。だが、あることに気がついて、俺は店員さんに一声かけてトイレへ駆け込んだ。

 ――あれは、鏡だ!

 俺はトイレに駆け込むと、洗面所の前に立った。目の前には、先ほどの少女が息を乱しながらこちらを見ていた。

senakara-_2014031123380080c.jpg
挿絵:佐藤黒音

 ついでにトイレに立ってみたが、あそこはちゃんとあった。俺はほっと息をつくと、そのまま服屋を出た。
 帰ったら病院を探そう。何科がいいのかわからないが、ひとまず調べよう。
 俺はついでに買った食材を両手で持ちながら、家路につくのだった。

<後編につづく>

03/10のツイートまとめ

amulai

RT @yuzutz: 運用試験の手を逃れた社畜を待っていたのは、また地獄だった。バグの後に住み着いた大人の理由。炎上プロジェクトが生み出したソドムの職場。手戻りと凡ミス、仕様バグと要件抜けとをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここは雑魚寝の社屋。来週もデグレと地…
03-10 23:33

人間も栄養状態が危機的になったらおちんちんが小さくなって消えちゃえば良いのではないか。
03-10 23:30

RT @aramotokei: 兎は栄養状態が危機になると「妊娠中断」というすごいことができる。未熟児出産ではなくて、胎児が小さくなっていって消える。
03-10 23:29

RT @Ilove_pepsinex: 仮面浪人授業でながら大学受かってすげぇっておもったけど、現役の人って普通に高校通いながら大学に受かってるじゃんw
03-10 23:05

@atter0123  KOの強みは就職が圧倒的に強いところにあるのでKO入って起業ってのがそもそも勿体ないんですよね。ましてや、特別の才能が無いのであれば起業なんて無理ゲーより就職が鉄板でおススメ。
03-10 23:04

@atter0123  KOの人がキミを知ってるだけでキミの事業は成功するの?一般的にはヒト、モノ、カネ、情報、心理的サポートなんかを市場価格に比べて格安、あるいは出世払いで得られるのが人脈じゃないの?
03-10 23:02

RT @Poisoner_Batta: "若い絵師さんに多いのだけど、作品を簡単に削除する人の気持ちがわからない…"というあれに対して「ポートフォリオを最適な状態に保つのは当然」と返した若いイラストレーターさんの一撃が未だ重く俺の肩にのしかかる
03-10 22:58

RT @akuochisukii: 本来その気がないやんちゃ少年に強制的に女装させて女装マゾ性癖に目覚めさせるのが好きです。堕落感ある。
03-10 22:58

RT @_j6k1: 競合他社がほぼいないTSFをテーマにしたノベルゲーを他社に先んじてコンテンツ化ってなんかイケそうな気もするしうちの会社普通に話し聞いてくれそうだけど自分からTSFのなんたるかを熱弁して会社に企画提案するような度胸は俺にはありません
03-10 22:55

RT @F_TSF: いやね。ハラさんと話してると「なんで君、そんなの知ってるんだよ!すげーな!」となるのだが、痛信くんには「何で、こんなのも知らないで語ってるんだよ!」となるわけだ。
03-10 22:48

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