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星の海で(8) 「Natal」 (5)内偵
監察官に執務室を追い出されたフランチェスカは、提督執務室でリッカルドの代わりに事務処理をしていたところ、部屋の主から艦橋に呼び出された。
「おお副官、来たか。早速で悪いが、後を頼む」
出頭したフランチェスカを見るなり、リッカルドは言った。
「どうしたんですか? 提督」
「ちょっと頭を整理したいことがあってな。それに監察官殿の相手もしなくてはならん。指揮をするものがいないのだ」
「フェラーリオ参謀は?」
「ああ、副官には言っていなかったが、今朝早く、出張に出した」
「出張?」
「とにかく頼む。なに、艦隊は現在位置を維持。周囲への警戒を怠らなければ良い」
「了解しました」
フランチェスカは少し疑問に思いながらも、リッカルドの指示に従った。
「では頼んだぞ、副官。指揮を戦闘副官が引き継ぐ」
「指揮を引き継ぎます」
交代の挨拶を済ませると、リッカルドは小声でフランチェスカに耳打ちした。
「端末はログインしたままだが、俺が戻るまで、そのままにしておいてくれよ」
「え? どういう……」
フランチェスカが聞き返そうとすると、リッカルドは片目をつぶって軽く敬礼し、艦橋を退出した。
リッカルドの意図を理解できないまま、フランチェスカは司令席に座り、指示を下した。
「哨戒艦の現在位置と、哨戒プランの情報を」
「アイアイ、マァム」
フランチェスカが手元のディスプレィでデータを確認しようと端末に触れると、スクリーンセーバーが解除され、宇宙艦隊中央司令部のデーターベースウィンドウが開きっぱなしになっていた。
フランチェスカはリッカルドの意図を理解し、サブウィンドウに送られてきた哨戒プランを確認しながら、データベースへ、思いつく単語を入力してみた。
「何かわかったか?」
「いや、全然。でも監察官のP通信ログのキーワードの中に、“コードN”って言う単語が頻繁に出てくるんだ」
「お前、私信までチェックしたのか?」
「アドミラルコード(提督特権)って、何でもアリなんだね」
「……」
「“コードN”ってなんなんだろ……」
「お前が思っていることとは、無関係かもしれないぞ」
「うーん、そうだけど、カン……みたいなものかな?」
「カン、ねぇ……」
「リッカルドは、なんか感じないの?」
「こんな時期に、しかも新編したばかりの半個艦隊に監察があること事態がおかしい」
「それは最初からそういっていたじゃない。でもヒースレー監察官は、本当の監察ではなくて、実地テストみたいなものだって」
「お前は、あの監察官の言葉を信じているんだな」
「どういうこと?」
「疑うのなら、徹底的に全てを疑うんだな」
「全て……? 私が知りたかったのは、エルザとアリシアの関係だったんだけど」
「お前が疑問を持った、歓迎会の晩のことを良く思い出してみろ」
「どういうこと?」
「あのガキがデカパイの事務官を“まま”と呼んだとき、一人だけ全く動じなかった人物がいたな」
「うーん……。ヒースレー、監察官……?」
「お前の感じていた違和感はそれだ」
「でも……、そうなのかな? そういうことに関心が無い人なのかもしれないし」
「もちろんそうだ。だがな、監察局というところは、部下の個人的な問題に敏感な部署だ。もし部下に隠し子がいたなんてことがあれば、それは十分考慮に値する事柄だな。無関心ということはありえない」
リッカルドは、まるで士官学校で新兵に教えを施す指導官の様に、フランチェスカに言った。
その表情に違和感を感じたフランチェスカは、リッカルドに言った。
「……ねぇリッカルド。本当は何か知っているんじゃないの?」
首をかしげるフランチェスカに、リッカルドはもったいぶるように言った。
「ひとつヒントをやろう」
「何?」
「セキュリティーカードを見せてもらえ」
「セキュリティーカード?」
「監察官ならば、中央データベースにアクセスできるように、個人識別情報を記録した特別なカードを持っている筈だ」
「それで?」
「その情報を元に、とあるデータベースにアクセスすれば、監察官の正体が判る」
「そんなの、見せてもらえるわけないじゃない」
「必ずしも実物を見る必要は無い」
「どういう意味?」
「監察官用、というか、お前が使っていた端末にはカードリーダーがついていただろう?」
「ついていたっけ? 使ったこと無いから覚えていない」
「“端末にセキュリティ証明書を登録すると、中央の各局と秘匿通信回線が設定できると思う”とか何とか、言いくるめて端末にカード登録させるんだ。そうすると……、あとは判るな?」
一瞬悩んだフランチェスカではあったが、直ぐにリッカルドの言いたいことの意味は理解した。
提督特権の行使には本来厳しい制限があり、リッカルドの立場としては、口にできないことでもある。それゆえに具体的な方法については教えてはもらえなかったものの、糸口を掴むことが可能であることを、示唆してもらえるだけでも、フランチェスカにとっては十分だった。
「何がおかしいんだ?」
「え? なんか言った」
「顔が笑っていたぞ」
「そう?」
「リッカルドはさ、エルザが実はアリシアとヒースレー監察官の間にできた、隠し子じゃないかって思っているでしょ?」
「は? ふん、くだらんな」
「それで、ヒースレー監察官は監察を口実に、この艦隊にわざわざやってきた」
「お前らしい考えだ。もちろんそれならそれで、かまわんが」
「じゃあ、違うの?」
「どうかな。だが、一見無関係に思える事柄も、同時に起きた疑問なら、関連性があることが多い。もちろん全く別の事柄が、同時に発生したと考えることもできる」
「……言いたい事はわかるけど、それじゃさっぱり判らないよ」
「まぁ、ほどほどにしておけよ、俺はお前にそういうことを望んではいない」
「そういうことって?」
「人を疑ったりとか、裏をかいて罠に填めたりとかだ」
「はぁ?」
フランチェスカは思ってもいなかったリッカルドの言葉に、一瞬ぽかんとした。
だが言ってから“しまった”という顔のリッカルドを見て、ピンときた。
「うふふふぅ~。大丈夫、心配しなくても、リッカルドのことを疑ったりとか罠に填めたりとかしないから」
「と、当然だ」
言葉の裏にあるものを見透かされた恥を隠すように、リッカルドは退室していった。
01/21のツイートまとめ
amulai
@poriuretan1 機械の女の子の体をタダでくれる星に銀河鉄道で行けると言う噂です。
01-21 23:06今週のイラスト企画は夏森深笠さん!http://t.co/jfw4EcN6Pt拉致され原型を感じさせないレベルの美少女性奴隷にされた小泉弥太郎。自分の名前や住所などが思い出せないし、友人の顔は思い出せるが名前は出てこない。 http://t.co/vGqGsCafm1
01-21 23:00RT @eroetwit: キスハメ大好き♡ http://t.co/syzK3pe3m5
01-21 22:35RT @mine_o: 岡田斗司夫、非モテうんたらというよりも、性のモンスターがコミュニティに来た時どう対処すべきだったのかという問題だと思った。性のモンスターなのは周知なのに大人なんで自己責任なんでとかやってスルーしてると収集つかなくなってしまうという。パターナリズムが必要と…
01-21 20:58RT @t_shouzou: @nukada 大阪芸術大学の学生(教え子)との肉体関係は、大学関係者としてのコンプライアンスが問われますよ。
01-21 20:51RT @yellows_y: @nukada 性的なカウンセリングを受けにきた方の名前や性交渉の内容を記して来たことに対しても咎める気にはならなかったのですか?
01-21 20:47RT @nukada: 岡田さんの行動が法に反するものでない限り、私は岡田さんにモラルを説く立場ではありませんし説こうとも思いません。岡田さんは独身であり、大人同士の合意の関係であれば、第三者が口を挟むものではないというのが私の考えです。
01-21 20:45RT @Oshima_Kaoru: 前に「女は努力しなくてもかわいいと思ってる男が、突然女になってムダ毛の処理やメイクを一から覚えてく話が読みたい」ってツイートを見かけたけど『おんなのこ当番はじめました』ってエロ漫画は、冴えない男子が、冴えない女の子に変身して、努力で美少女にな…
01-21 20:34阿片戦争を元ネタに外国人が国ぐるみで女体化薬を売る事で国家を侵略する様を重厚に描きてぇ!#TSFの卵
01-21 18:49RT @Oshima_Kaoru: 「男の娘」と呼ぶか「ニューハーフ」と呼ぶのかは、正直自己申告制のような形になっており、明確な定義はない。概ね、生まれたままの形状を保った、女性の格好をした男性を男の娘と呼び、手術やホルモン治療によって女性に近付けた男性をニューハーフと呼ぶこと…
01-21 18:40