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『性転換ペンダント』(18禁)第2話

文:さささ キャラ・イラスト:シガハナコ

葵と茜

「すいません!」
 着いて早々、僕は深々と頭を下げた。先生は教卓の前で腕を組んで、厳しい顔を浮かべていた。みんなはこちらを、食い入るように見つめている。そんなに僕の遅刻が珍しいのだろうか。正直、それだけではない気がしてきた。
 ペンダントをしているせいかな。僕だって外せたら、外しているさ。大汗をかいて、息を切らしているからも。それは無我夢中で走ってきたからね。うーん、でもそうではなくて、もっと重要な「何か」を忘れている感じがする。
 ほどなくして僕は気がついた。とんでもないことに気がついた。下を向くと、セーラー服のスカートが目に入る。そよ風に吹かれて、ヒラヒラとゆれていた。それを意識すると急に脚がひんやりしてきて、汗がすーっと引いていった。
 そうだ。全く気づいていなかった。慌てて家を出たから、そのままこんな格好で来てしまったのか。どど、どうしよう。
 今更「服を間違えました」と言っても、誰も信じてくれないよね。
 だからと言って、「みんなも一度セーラー服を着てみたら?」なんて、開き直ることはできないし。あぁ、僕はどうすればいいんだろう。

 僕に一度目配せをしてから、先生が切り出した。
「おはようございます。今日は新しい生徒さんが来てくれました」
 教室がにわかにざわめき出す。首を伸ばしてよく見ると、僕の席の隣にあどけない笑顔の女の子が座っていた。にっこりとこちらを見つめている。
「あそこにいる子が転入生かぁ」
 初対面のはずなのに、さっき会っていたかのような既視感が沸いてくる。既にクラスにも溶け込んでいて、周りの子と楽しそうに話しているようだ。見ているだけで、うきうきと心がおどる。そんな不思議な少女が、こちらに向かって手を振っていた。僕も小さくほほ笑み返す。

 クラスが静まったところで、先生はこちらへ歩を進めた。
「紹介します。久月葵さんです」
 えっ? 今何と? 先生はなぜか、僕の名前を口にした。当然ここには毎日通っているし、みんなとはいつも仲良く話しているのに、どういうことだろう。何かの聞き間違えだよね。
「久月さん、どうされましたか? こちらにいらっしゃい」
 先生は手招きして、僕に自己紹介を促す。一体全体、どういうことか分からないよ。と言っても仕方がないので、形だけ茶番に付き合うことにした。
「どうも、久月です」
 ぎこちない挨拶をしながら頭を下げる。顔をそろり上げてから、右から左をゆっくり見渡す。
「すっげー、かわいい」
「お人形さんみたいだ」
 男子たちは、異様に興奮しているようだ。何か背筋がゾッとするものを感じて、僕は小さく縮こまった。口の渇きが治まらない。
「えっと、これ何かの罰ゲームですか? 先生そろそろ冗談はやめ……」
「久月葵さんは帰国されて間もないので、日本の生活にはまだ慣れていないそうです。皆さんいろいろ教えてあげてくださいね」
 クラス全体が立ち上がると、パチパチと両手を鳴らした。予想外の展開に、僕は乾いたつばを飲んだ。

「何か久月さんに聞きたいことはありますか?」
 先生の声に、生徒の一人が手を上げる。
「久月さん、何でさっき頬をつねってたんですか?」
 いきなり変なところを突いてきた。もうこうなったらお望みどおり、どこかの帰国子女を演じてやる。えーい、もう知ったことか。
「つねるって……あ、あれはアメリカでの挨拶だよ」
「挨拶?」
「向こうの高校生で流行ってたんだ。親しい相手とのコミュニケーションって言うのかな」
 それを聞いた同級生は我先にと、頬をつねる仕草をみせる。よく分からないが、みんな許してくれたのだろうか。所々で笑いが起こり、教室はいつものなごやかな雰囲気に包まれた。
 そうそう。そうなんだ。あいつらは決して悪いやつらじゃないんだよ。「〽人形の久月」ってからかってくるけど、普段は愉快な友達なんだ。だから今回の女装だって、きっと最後は笑ってすませてくれるはず。陰湿ないじめとは、無縁のクラスでよかったと思う。

 案内された席に座り、隣の少女に挨拶する。
 少女は、じーっと僕の胸元を見つめていた。なぜか嬉しそうな顔をしている。
「大分色が抜けてきたね」
 宝石は、薄い水色で光っていた。言われてみると、朝見たときよりも淡くなっている気もする。
「起きたら、勝手に着けられてて」
「いいよ。それはもう葵ちゃんのものだから」
「えっ。君、何を言っているの?」
 僕はこれまでの出来事を考えて、一つの答えを導き出す。
「ひょっとして、君がドッキリの仕掛け人だったとか?」
 彼女は何も言わずに、ポケットから水色の人形を取り出すと、どこかで聞いたようなセリフを口にした。
「お人形さんはこれから、本当の女の子になるんだよ」


休み時間、隣の少女はとても親しげに話しかけてくる。僕も彼女といるだけで楽しくなってきた。
「そうだ葵ちゃんに、この写真を見せてあげる」
「どれどれ? うわぁ、美人さんだね」
「私の最高傑作なんだ」
「君が撮たんだよね?」
「うん、そうだよ。うまく写っているでしょ」
 写真の中の少女はぼやけていた。顔もはっきりは分からないし、お世辞にもよく撮れているとは言い難いが、かわいらしい雰囲気は十二分に伝わってくる。うちの学校のセーラー服を着ているけど、こんな子、別のクラスにいたのかな。
 蒼太のやつも、ちゃっかり後ろに写っている。昔はよく遊んだけど、もう長らく会ってないな。今は通っている学校も違うからしょうがないけど、元気でやっているかな。喧嘩をすることもあったけど、何でも話せて気が合うやつだった。二人で秘密基地を作ったり、宝探しだって言って深い穴を掘ってみたり。結局何も見つからなかったんだけどね。
 あの頃はすごく楽しかった。あいつは悔しいほど気が利くし、ぶっきらぼうな態度を取ることもあったけど、随分モテモテだったよなぁ。この美少女と一緒に写っているってことは、もしかしてもう既に付き合っているとか……。いや、きっと僕にだってまだチャンスはあるはずさ。
 写真に見入っていると、少女が僕の肩をポンポンと叩いた。
「うふふ、そんなに写真の子を気に入っちゃった? 放課後手伝ってくれたら、会わせてあげてもいいよ」
 少女はもったいぶって聞いてくる。急な提案に僕は少し動揺した。
「えっ、いや、こんなきれいな子と知り合いになれるなら、何でもするよ。でも、僕はそもそも君のことさえよく知らないし」
「茜」
「えっ」
「茜って呼んでいいよ。本当は名前なんてないんだけど、葵と茜でちょうどいいから」
「うーん。よく分からないけど、君は茜ちゃんなんだね」
 彼女はにっこりとうなずいた。
「それで、手伝ってくれる?」
 こんな美人さんと出会えるなら、二つ返事でやるよ。
「何で茜ちゃんが、そうまでしてくれるのか分からないけど、もちろんいいよ」
「やったー! やっぱり本人がいると全然効果が違うの。嬉しいなぁ」
「本人? ごめん、何のことだかさっぱりだけど、茜ちゃんがうまくセッティングしてくれるんだったら、何でもやってあげる」
「うふふ。今の言葉、忘れないでね」
 茜ちゃんは嬉しそうに、僕を見ながら小首を傾けた。


 ドッキリのネタばらしは、一向に始まらない。
 ファッション雑誌の話や、好きな男子のタイプなど、どう取り繕っていいのか分からない質問が続く。ハーレムなのを喜ぶべきかもしれないけど、ずっと女子たちに囲まれていると、気が疲れて仕方がない。
「葵ちゃん、こんなにかわいいんだから、自分のこと『僕』なんて言っちゃダメだよ」
「髪さらさらだね。もっと伸ばしたらいいのに」
「スキンケアどうやってるの? 色白でうらやましいなぁ」
 彼女たちは、どうでもいいことを口々に言ってくる。その都度、あやふやな笑みを浮かべてやり過ごした。いたずらにしても、やりすぎじゃないのかな。

 放課後、茜ちゃんとの約束どおり屋上に行く。写真の美少女に会えることへの期待で胸が膨らむが、今日は来ないらしい。いつ連れてきてくれるんだろうか。蒼太があの子と仲良くなる前に、早くしないと間に合わないよ。

================
前回(1話)までのあらすじ
目が覚めると、ペンダントが首に掛けられていた。その不思議な力で、主人公は催眠状態になる。そこに登場した少女に、「身も心も女の子にする」と宣言される。気がつくとなぜか主人公は女子生徒の服を着ていた。

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