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アスランとナタリー ~策謀の秩序~ by.黒い枕&松園 〈3-6〉


『なんで!なんで!?この私で――扉を叩くのよ!』
「うるさい!斧は持ち上げられなかったんだよ!?」
『じゃあ!他の物にしてよ!兎に角、私を使うはやめてぇええ!』
「うるさいうるさい!バカ!お前が丁度持ちやすいし、硬そうなんだよ!後、いい八つ当たりになるしな!この役立たずの古本め!!」
『ひどいわ、ひどいわ!この悪魔娘ぇ――って!わぁああ!待った!ストップ!ストップよぉおおお!私に考えあるから!!ストップしてちょうだーい!!』
無機質の、本の苦痛など知ったことではないとばかり腕を大きく掲げ、後は叩き下ろすだけの瞬間。
ベアトリスが、悲鳴混じりの提案を投げかけてくる。
『方法ならある!扉を打ち破る程度なら!私に考えがあるわあああ!』
「本当か、それは――!」
『う、うん。だから、その……腕をゆっくり下ろしてぇ!お願いっ!』
「……」
彼は無言のまま、腕を下ろしてゆく。
そして……鋭くつり上がった瞳で、ベアトリスを睨む。
『顔が……怖いわよぉ』
「いいから、言え!早く!どんな方法だ!!」
『もうせっかちねぇ。簡単よ……ただ私をあなたの体に入らせてくれればいいのよ』
「……は?」
口を間抜けに開き、困惑するアスラン。
その一方で、ベアトリスは猫撫での口調で話を続けた。
『私、実は元は本じゃないのよ。訳あって魂を、この本に封じられているの。だからこの本じゃなくて別の器――つまり、あなたの体に入らせてくれたら、私の力を貸して扉を破ってあげるわ。どう?悪くない提案よ?』
「元はって……じゃあお前は元々いったい何なんだ?」
『それが……実は覚えていないのよ』
「……はい?」
『それがひどい話なのよ!深い眠りに落ちていた私をここの研究者たちが無闇に弄ってくれたものだから、記憶が飛んじゃっているのよ!だから、私が覚えているのは自分の能力と名前だけなの!はぁあああ……もう最低よぉ!』
嘘か、誠か。
長いため息を吐きつつ、ベアトリスは自分の記憶が失われた経緯を言う。
「そ、それを信じろと?俺の体に移って、まさか体を乗っ取るつもりじゃないのか?」
『信じる、信じないはあなたの自由よ。お嬢ちゃん……けど、いいの?扉を破らなくても?一刻も早く出たいんじゃないの?』
「そ、それは――しかし」
アスランは悩む。
本当に、この本を――否、ベアトリスと言う存在を信じていいものなのか。
間近にいても邪悪な気配はしない。
だが、相手は魔王の遺産である。
(そ、そもそも……俺の体って言っても――本当はナタリーの体なんだし……俺ひとりで決める訳には……!)
おまけに、この体はあくまでも借り物である。
今は確かにアスランが使い、感じている肉体ではあるものの、その全ての決定権は本物のナタリーにしかないのだ。
『私に、その体を乗っ取るつもりはないわ。そうね、その体に私の魂が同居するって考えれば、少しは気が軽くなるかしら』
「べ、ベアトリス!他の方法は――何か、ないのか?た、頼む……何か、あるだろう?」
やはり、安易に受け入れられる提案ではなかった。
切実な思いを胸に抱き、アスランは弱々しく問い直した。――が。
「きゃう!ぐうッ!!きゃああ!?」
「なっ――ナナミ!?ナナミなのか!?」
扉の向こう側、アスランが視認できない戦場で、仲間の悲鳴が聞こえて来た。
「――く、くそぉ!おい!ベアトリス!はっ、早くしろ!今、直ぐにでも……力を貸してくれ!!」
尋常ではない悲鳴に、アスランの覚悟が決まる。
『いいの?私を……信用して?』
「ああ……信用する。ど、どうすればいいんだ、俺は――」
『うふふ……あなたって面白い娘ねぇ。いいわ、簡単よ……私をおでこに付けて、瞼を瞑るの。そしたら、見えてくるはずよ。瞼の裏側に私の魂が、このベアトリスの魂の輝きが!それをただ受け入れるだけ……』
「……分かった」
相手の正体も、ハッキリとしない。
訳のわからない第三者を、この大切な体に受け入れる行為。
明らかに愚行だ。浅い考えだ。
けれども――。
(ナナミを!仲間を助けるためなら――すまない、ナタリー!キミの体なのに……けど、わかってくれ!!)
仲間が傷つき、もしかしたら死んでしまうかもしれない場面に、ひとり安全で居られるわけがない。
この命を投げ打ってでも助けたい人たちがいるのだ。
心の中で思い描いたナタリーへと謝罪を済ませると、アスランは言われた通り、額にベアトリスをくっ付ける。
(これが……ベアトリスの、魂……すごい、ピンク色……をしている!)
やはりと言うべきか。
退廃的な、妙に色っぽい女の声をしているベアトリスの魂の輝きは、濃厚なピンクを宿していた。
そのピンクの輝きに、彼の意識が包まれてゆく。
擽ったいような、ゾクゾクと背筋が震えるような、表現しがたい感覚だ。
(くあああ……すごい!これは……力が!これなら――いける!!)
胸の奥より、力が沸いている。
まるで光の鎧を纏ったような、心強さを覚えた。
いや、実際にアスランの――正確には、ナタリーの――体は、真っ白な輝きに覆われていた。
それまで着ていた艶かしい真紅のドレスが、泡のように消えてゆく。
代わりに現れたのは、全身を守る白銀の鎧。
手には、先ほどの斧よりも長く、鋭い剣が握り締められている。
「う、うぉおおお――!」
しかし、ナタリーの体では明らかに扱いきれないだろう長剣を、アスランは優雅な体捌きで、振りかぶった。
今の彼は、既に守られるだけの、無力な姫ではない。
例えるなら――。
「ハァ――!!やあああ!!」
戦場を一刀両断する――戦乙女(バルキリー)であった。
あれほど強固に道を阻んでいた扉を一刀両断の元、粉砕すると、流れ落ちる星のような速さで、アスランは仲間たちの前に躍り出るのだった。

エモーショナルアームズ act.2

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05/14のツイートまとめ

amulai

切ればいいじゃん
05-14 16:33

RT @itohira_com: 女の子の下着姿を描くために、パンティーを買って自分ではいてみたのですが、おちんちんが邪魔です。どうしたらよいでしょうか? — 女性下着履いた男の絵を描けばいいんじゃないですかね・・ https://t.co/JFrS27kkZT
05-14 16:33

RT @hazel_syokusyu: すべての日曜でない日は日曜日である。
05-14 16:20

RT @g2_napier: ライトノベルと純文学の文庫本で厚さの変わらないものを選んで重量を測ったところ双方に差異は認められなかった
05-14 16:17

「お、お前。オレが女体化したらやらせてくれって約束してたじゃないかぁ!」「言ったけど、本当に女体化するとは思わないだろ」#TSFの卵
05-14 15:08

RT @inaban01: この○○本出たら買いますよ、買いに行きますよとかは基本信用しないほうがいい。あくまで参考程度に留めておけば大ダメージ受けずに済む。ちゃんと来てくれる人は来てくれるけど鵜呑みはイクナイ。アンケ結果も然り
05-14 15:07

RT @p_l_a_n_e_t_e_s: 造幣局の博物館を見学していた中学生たちに、館員の方が文化勲章を見せながら「これを受賞すると死ぬまで毎年国から350万円支給されるので皆さんも目指しましょう」と、正しすぎる進路指導をしていた。偉くなれ中学生。
05-14 14:56

RT @dragoner_JP: 「フリーの収入を会社員の月給と同等で安心してはいけない。フリーは会社員の○倍稼がねば同等の生活になれない」というのはまさにそうだと思うけど、自分の場合は社畜時代に社用関連の支出がすんげー多くて(もちろん経費にもならん)、本が経費になる今はそこま…
05-14 14:51

RT @unkotaberuno: 舛添の「会計責任者ガー」ってまったく信じてねぇからな。そんなもん、本人がやるもんよ。或いは指示するもんよ。「事務所経費を減らした分の40%をお前が取っていいぞ。ボーナス欲しいだろぉ~」みたいなインセンティブでもない限り、「会計責任者(笑)」は…
05-14 14:49

漫画やPCにお金を使っているけど、おおむね経費ですし。
05-14 14:48

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悪堕ちした妹を助けるため妹そっくりのスーパーヒロインにされたオレ 漫画:れいとうみかん

悪堕ちした妹を助けるため妹そっくりのスーパーヒロインにされたオレ DMM版
DLsitecom版

表紙大

「悪堕ちした妹を助けるため妹そっくりのスーパーヒロインにされたオレ」フルカラー/36P だけでなく、好評の「オレの調教係」の分岐ストーリー「僕の調教係」(きっともっと欲しくなるフルカラー/11Pをメインとした新作漫画です!

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  • 男の子が女の子に変身してひどい目にあっちゃうような小説を作ってます。イラストはパートナーの巴ちゃん画のオレの変身前後の姿。リンクフリーです。本ブログに掲載されている文章・画像のうち著作物であるものに関しては、無断転載禁止です。わたし自身が著作者または著作権者である部分については、4000文字あたり10000円で掲載を許可しますが、著作者表記などはきちんと行ってください。もちろん、法的に正しい引用や私的複製に関しては無許可かつ無料でOKです。適当におだてれば無料掲載も可能です。
    二次著作は禁止しません。改変やアレンジ、パロディもご自由に。連絡欲しいですし、投稿希望ですけど。

 

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