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アスランとナタリー ~策謀の秩序~ by.黒い枕&松園 〈5-4〉
結局、アスランとナナミが宿泊先に返って来たのは、三時間以上も後のことだった。
犬耳や尻尾を元に戻して貰い、後は風呂で体を綺麗にし、そのままベッドで休みたかった。
――深い眠りの中に、逃げ込みたかった。
けれども、そんなことは彼を溺愛する仲間たちが許しはしない。
「へえ……ご主人様と牝犬プレイか。それも悪くないなぁ」
「そうだろ?まあ今度試してみればいいよ」
「まあナタリーなら犬でも猫でも……兎に角、なんでも似合うから。今から楽しみだ」
ごくごくっ。がつがつっ。
用意した食事と酒を、とても豪快に食べながらナナミとナタリーが会話を弾ませていた。
「でも……やっぱり、一番は皆で犯す……じゃなくて、抱くのがいいよな!」
「分かる、分かる。あの綺麗な顔を精液塗れにして、恥ずかしさと快感に歪ませる高揚感は他では味わえないよ。その上、どっちのちんこに向かえばいいのか一瞬迷う表情が……くぅー最高じゃねぇ!?」
はっきり言うが、とてもじゃないが女同士が交わす内容ではなかった。
食事の仕方といい、普段の態度といい、そして今盛り上がっている会話といい。
もはやどっちが『男』で『女』か、まるで分からない。
「なあ、ナターシャも今度はこっち側で参加しろよ」
「そうそう、ナタリーを犯すの気持ちいいだろ?」
もはや公然と犯すといいながら――しかも、本人が居るにも関わらず――ナタリーが、目の前の席にいるナターシャに語りかける。
アスランは、もう恥かしくて、情けなくて堪らない。
「……」
プルプルと肩を震わせ、涙目でナターシャを睨んだ。
お酒の影響で、少し頬を染めながら、彼女は言う。
「あたしは……保留かな?……男のセックスも気持ちいいけど……もう少しは自重するつもりよ」
「ちぇ……面白くないなぁ」
「集団で回すから楽しいのにィ!」
赤毛の魔術師の、素っ気ない返答に二人はあからさまに不機嫌になった。
(な、なんでこうなったんだよぉ!アスランもエリオットも――い、いやいや!違う!名前が違う!え、えっと……ナタリーも、ナナミも……お願いだから元の性格に戻ってくれッ!!)
その中身が礼儀正しい少女であったことや、この国の王女であったことが、遠く昔のような感覚に陥った。
「……ぐすっ、私の安心と平和は……どこにあるのよぉ」
すっかりと口調が定着――無理やり男言葉に直せないほど――したアスランが、思わず涙を流す。
すると、そんな彼を行き成りナナミとナタリーが囲んだ。
「うわ!や、やめてよぉ!はなし……て!」
ほぼ同時に二人のゴツゴツした指が、胸元を包み込む。
ぬぎゅ、ぬぎゅ。
甘く切ない疼きを齎しながら、ゆっくりと肉房が揉まれた。
「や、やめ……い、いや!」
「ナタリーが悪いんだぞ?俺たちがこんなに愛しているのに、そんな愚痴をこぼすから」
「そうだ。俺たちの行為はお前への愛情が原因なんだからな!」
『ただその思いが強すぎて、辱めたくなちゃうんだけどな!あはは――』と仲良く笑う二人。
「そ、そんな……あっ、やん!ご、ごめんなさい!!」
堅固な、鍛え抜かれた男の体がふたつ。
しかも、お酒の勢いで、普段以上に責める気満々の二人に、アスランは謝るしかなかった。
悔しさと恥ずかしさで震える唇を必死に動かして、ナタリーとナナミのご機嫌を取る。
「も、勿論……私も……皆が大切よ!だ、大好きなんだから!」
それは偽りのない本音である。
ただ――。
「そうか、そうか!なら……今日もよろしく頼む」
「今日はどんな服装なのかな?どんなプレイなのかな?俺たち期待して待っているぜ!」
少しでもアスランの本音を漏らすと、この二人は調子の乗るのであった。
恐る恐る目線を下に向ける。
すると、元は男である彼でさえ引くほど二人の股間が、男性器の勃起に盛り上がっている。
「もうヤル気まんまなのね……仕方ないわ、ナタリー」
「あっ……うん。そ……そうみたい…………ぐすん」
「じゃあ、あたしたちは準備して、部屋に行くから大人しく待っていなさい。ほら、真っ赤な顔で涙目になっても無駄なんだから……立ちなさいナタリー」
「わっ、分かってるわよ!あっ……ナターシャ待って!」
もう止まらない空気を察し、アスランは渋々ながらナターシャの背中を追った。
◆
ほぼ毎夜行われていることとは言え、やはり恥ずかしいものは恥ずかしい。
アスランは、メイド服に身を包み、鏡の中の自分を見て、そう思った。
「はあぁ……」
「また溜め息?少しは慣れないと駄目よ、ナタリー」
「た、溜め息ぐらい出るわよ!本当は私が男でナタリーなのに!なんでこんなことを毎日しないといけないのよぉ!――あっ、間違えた!?わ、私は……い、いやお、おお!俺がアス……アスランなのに……なんでこんな……あの二人に肉体奉仕してあげないといけないのよ……い、いけないんだっ!?」
女として抱かれる度に、自身がナタリーと言うひとりの『女』になってゆく事実。
不安だし、恐ろしい。
泣きたくなるのも、叫びたくなるのも、当然だ。
「うふふ。仕草や口調だって女の子そのものなのに――変なところで強情なのね、ナタリーは」
だが、同じくメイド服に着替えたナターシャはクスクスと笑ってくる。
可愛い妹か、娘をからかっているような雰囲気で。
『それに関しては同感ね!』
「う、うるさい!そこには触れないでよ!だ、誰のせいだと思っているのよ!み、みんなのせいじゃないの!」
ベアトリスにまで指摘される。
アスランは咄嗟に仲間たちに責任を押し付けた。
「あ、あんなに犯されたら……女の子として滅茶苦茶にされたら……じ、自分が男だったことなんて忘れちゃうわよ!こ、こんなことならお、お城にいた方が良かったわよ!!」
そして、つい言い過ぎてしまう。
目尻に涙を溜めて、ギンと拗ねたように睨むアスラン。
けれども、ナターシャは優しく彼の癇癪を抑え込む。
「本当にそう思うナタリー……いいえ、アスラン」
「え?だ、だって……」
「薬や魔法で自我を奪われた状態で、ただ犯し孕ませるだけしか考えていないナタリーと一緒になる方が幸せだった。違うでしょ?」
「そ、それは……違う、と思う」
「ナタリーやナナミに抱かれて……少しでも絶望した?幸せを少しも感じなかった?」
「で、でも……気持ちいいけど……私、男だもん。ほ、本当はナタリーじゃなくて……あ、あす……アスランだもんっ」
ナターシャの子供をあやすような口調で――その実、叩き付けるように――事実を確認されると、眉を曇らせて黙り込むしかない。
愛らしい頬が、恥じらいと戸惑いに赤らんだ。
「何時かは元に戻るにしても今は間違いなく、その体はナタリー……つまり女の子。その事実は変わらないじゃない。だからアスランも女の子の体を楽しみなさい!」
「……ち、ちが……か、からだはナタリー……でも、こ、こころは――」
「ほら……あの鏡を見て」
「あっ……うう、ああっ……」
優しい口調ながら、拒むことを許されない力強さがあった。
戸惑いながらも、アスランは鏡を見やった。
そこには絶世の美女が、メイド服を身に纏い、恥じらいの表情を浮かべていた。
綺麗な『ナタリー』の姿。
これが自分だと思った途端――胸がドキドキと高鳴った。
「……可愛いわね。そう思わない」
「そう思う……けど……」
「ベアトリスも、そう思うでしょ?」
『うん、思うわ!』
「あっ……ああ……それは事実だけど――う、うう……っ」
確かに目の前に映る人物を、美女と呼ばない神経の方が狂っているだろう。
(これが……今のわたし。わたしは……女。ナタリー……その事実は変わらない……い、今は女の子だから……お、男になったエリオットとアスランの性欲を受け入れないと……ダメなんだっ!)
甘酸っぱい当惑が胸いっぱいに広がって、今までの葛藤が嘘のように弱まってくる。
そして、そんな心情を、この赤毛の魔術師は見逃さなかった。
「あの二人のことは――ナナミも、ナタリーも好きでしょ?なら、彼女たちの性欲も受け止めなきゃダメ。絶対に……それが今は女であるあなたの役目なのよ!」
「う、うん……そ、そうよね……そうなのよね」
「元に戻れば今までの分、たっぷりと男の快感を教えてもらえばいいのよ。それに妊娠は絶対にしないんだから。ねっ、ベアトリス!」
『本当はダーリンの子は孕みたいけど……私が子宮を守っているかぎり、妊娠は絶対しないわよ。安心しなさい!』
「もう……しょうがないわね――分かったわよ。今は……私がナタリー。お、女なんだから……それに……あっ、あぁ……!」
二人の言葉は、単なる切っ掛けに過ぎない。
ドクン、ドクン。
心臓が官能的な喜びに脈打ちを強め、アスランは自身の本音を認め始める。
(私も……やっぱりエリオットやアスランに……抱かれたい!おちんちんが生えたナターシャにも抱かれたい!ああどうしよう思考が……もう完全に発情したメスだよ、これ――け、けど恥ずかしいと思いながらも、体の疼きが止まらないっ!)
仲間たちの勃起ペニスの全て――硬さや、太さは無論の事、その脈動や精液の香り――を思い返して、生唾を飲み込む。
うずうずと全身が疼き、お腹の中では狂おしい熱が生じていた。
「はやく……行きましょう。あの二人の部屋に――」
「うふふ、了解。……あたしも付き合うから……今日も一緒に楽しみましょう!」
「え、ええ……」
眉尻を可憐に曇らせながら、彼はこくんと頷き返す。
ジュン。
「……んっ!」
股間より漏れた、熱い湿り気によってショーツを濡らしながら。
(あっ、ああ……拒めない!わ、わたしも……あの二人が……この仲間たちで過ごす!あのエッチな時間が好きすぎるから!お、男なのに!お、女の子の気持ちに――なちゃうぅう!)
ナナミやナタリー、ナターシャ――そして、アスランもまたこの夜の時間を楽しみにしている。
それは否定しようもない事実であった。
10/20のツイートまとめ
amulai
RT @amulai: TSFレビューを書いて、イラストを貰おう♪(おかし製作所 秋の投稿企画) ※11/8まで! https://t.co/LxGTNRLXai
10-20 23:44RT @susumanai8: そういえばさっき「ようちえんじ」が「ようちぇんじ」に見えたんですけど、「幼チェンジ」って書いたら何かに使えそうやない?それともこれくらいの発想ならもうあるかなぁ…………?
10-20 21:19RT @DVDFantasium: #シンゴジラ 米国での上映は一週間の限定公開のはずだったが、大好評を受けて延長決定!Shin Godzilla's North American Theatrical Run Extended! https://t.co/Af5A4yQE…
10-20 20:41RT @muhedoruri: 合点がいった。「そういうことを考えるな」と言っていたんだ。表現するな、ではない。その表現を受け取るな。である。つまり彼らが求めているのは表現の自由に対する制限ではなく、内心の自由に対する制限だ。
10-20 20:29RT @kenkouoyaji: ピンチをチャンスにかえる発想が出来ない人は多いなあと、今回の希望退職制度で理解できました。面接も回を追う毎に厳しいものになっているようです。出向確実まで言い渡されてても残留しようとする、全く理解できないですね。退職金+加算金貰ってとんずらするの…
10-20 08:15RT @hugo_Z80: パワハラで鬱になって希望退職するまでの間の葛藤の日々を思い出すわ。泣きながら会社辞めたいと親に電話した事もあった。その時に両親とも、折角いい会社に入ったのに、やめるのはもったいない位しか言えないんだなってのは新鮮な体験だったよ。結局、決断するのは…
10-20 08:14RT @seijimatsuyama: 自分の漫画の宣伝してると『必死だな』ってdisる人を時折見かけますが、必死に決まってんじゃん。だってそれで飯食っているんだしね(^^)そりゃ必死になるよ。飢えたくないし
10-20 00:29