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【投稿小説】第2型ライフ ⑤

①はこちら ②はこちら ③はこちら ④はこちら サブエピソード ~プリモアモーレ・ディ・キノット 1~はこちら  サブエピソード ~プリモアモーレ・ディ・キノット 2~はこちら
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作:旅わんこ https://twitter.com/Bul_let
イメージキャラデザイン:ささみ https://skima.jp/profile?id=16473

《エピソード5》

 翌日。
 歌の月中学校3年C組。
 キノットとは違うクラスだが、柚木とは同じクラスだ。
 通学カバンを机に放り投げるなり、中身を机に詰めず俺は柚木の机に向かった。柚木は席に座ってスマホをいじっている。
「よう、柚木」
 俺が声をかけると、柚木はスマホの電源を切って俺を見上げた。
「ああ。おはよう、ミカン」
「おはよう。早速だけど柚木。昨日は八重山とお楽しみだったな」
 俺がそう言うと、柚木は戦慄してスマホを机に落とした。奴のスマホは机の上でバウンドし、そのまま床に落ちた。仕方がないから拾ってやった。
「お、おま……! おい蜜柑! お前どこまで知ってんだ!?」
 できるだけ声を押し殺したようだけれど、近くにいるクラスメイトたちの視線を多少集めてしまったようだ。まあホームルームが始まる前の友人同士の雑談ととらえたようで、クラスメイト達はすぐにまた元の様子に戻る。
「体育館の柱の陰でイチャイチャしてるのを見て、あとは見ていられなくってそこから逃げた。おかげで俺の方がキノットの前で大恥かいたんだからな」
「そこで何でキノットが出てくるんだよ! まさか一緒に見たのかよ!? ……まぁ何でもいいや。お前らにあのシーンを見られてたなんて最悪だな。言っとくけどな、俺は悪くないぞ!」
「悪いか悪くないかを言うつもりはねぇよ。俺はただお前に八つ当たりしたいだけだ」
「いい迷惑だ!」
「そりゃお互い様だ」
 ふぅとため息をつくと、たわわな胸がふるんと揺れる。
 柚木の視線に気づいた。その胸に一度視線が向くと、今度は右にそれて焦点が合わない感じになる。俺も男だったし覚えはある。元から女子だった女子はどう思うか分からないが、俺はものすごく恥ずかしい。そして前までは俺も同じだったのかと思うと情けなくなってくる。
 俺の席は柚木の席の左隣。俺は教科書などを机の中にしまうと、机を気持ち柚木の方に寄せた。
「おい柚木。いつから八重山のことが好きだったんだ?」
「は? そんなことねぇよ。昨日は八重山さんの方からオレに言ってきたんだ」
「ふーん? じゃあ逆に八重山の方がお前のこと好きだったと。あの水泳バカの堅物部長がなぁ」
「あ、水泳バカって点についてはお前も人のこと言えねぇから」
 そうか?
 そうでもないと思ってたんだけど。
「確かに柚木、背は高いしそこそこ几帳面だし細マッチョだし、女子からモテる要素あるよな。顔は地味だけど」
「うっせ!」
「じゃあさ、お前には好きな人いるのかよ。水泳部の部員だと、そうだな。樋本伊与(ひのもと いよ)とか江戸川(えどがわ)はるみとか?」
「どっちでもねぇよ。そう言うお前はどうなんだよ、蜜柑?」
「こっちが質問してんだ、お前が先に答えろ」
「マジかい…… オレが好きなやつ? 言わなきゃなんないの?」
「なんない」
「あーそうかい」
 柚木はそれまでもてあそんでいたスマホを制服のポケットにしまい、椅子を俺の席の側に傾け、そして神妙な面持ちで言った。
「そいつのことが好きなのかどうなのかは分からない。だけどずっと気になってるやつがいるんだ。ずっと友達でいるもんだと思ってたのに、やっぱりそいつも女なんだなーって思って」
「…………」
「好きかどうかは別として、蜜柑。オレはお前のことをもう男友達として見られそうもない」
 まさかの言葉だった。
 俺としても、柚木は男友達だと思っていた。
 柚木は俺のことをもうそうとは思っていないらしい。
 それなのに、俺は不思議と落ち着いていた。
 たぶんその原因は、昨日のこと。
 キノットの告白のおかげだ。
「そんなオレはホモなんだろうか。色々考えていたところを八重山さんの方から声をかけてきて、そんで蜜柑のことで悩んでいるって言ったら、八重山さんは言ったんだ。湯河原みたいな男女よりもわたしの方を見なさいよって。それで、だからオレ……」
「……ふーん。八重山がねぇ。で、お前はどうなんだよ。八重山とはこのまま付き合っちゃうのか?」
「八重山さんには悪いけど、八重山さんはオレの好みじゃない。どっちかって言うと、八重山さんみたいにぐいぐい人を引っ張っていくタイプよりも蜜柑のようにとなりを一緒に歩いてくれるような人が…… って、これじゃあホモ発言してるようなもんじゃん!」
「どこが。女性のタイプを言っただけだろ? 俺が好きだとか言ったらそれはそれで考えもんだけど」
「うぅぅ~~~」
 俺がそうフォローするも、柚木は頭を抱えてうなっている。
 クラスメイト達は相変わらず自分たちのグループで戯れているか、ぼっちなやつは分厚い本を読んだりスマホをいじったりそれぞれの世界にいる。俺たちがどんな会話をしていようと全くのお構いなし。それはそれで助かる。
 隣の席では自分の性癖について悩んでいるバカがいる。そんなに思いつめなくたっていいのに。お前がホモじゃないことくらい俺がよく分かっている。
 すると、柚木はやっとうめくのをやめて俺に言った。
「じゃあさ、蜜柑」
「ん?」
「付き合ってくれって言ったら、お前はどう答える?」
「は!?」
 いきなり過ぎる。
 だが柚木の目は真剣だった。
「今時TS病で性転換してしまった元同性同士のカップルだって珍しくないじゃん、生物学的には男と女なんだし。だからオレが今は女の子の蜜柑と付き合ったって何の問題もないわけじゃん?」
「まっ、まぁ、そういうケースもよくテレビで見るけど」
「だから、どうだろ? 蜜柑、ちょっくらオレと付き合ってみないか?」
「………… ……何だろ、すげぇアプローチの仕方」
 今度は俺が頭を抱えた。
 たぶん柚木にしてみれば、いろんな意味で『お試し』のつもりなんだろう。
 自分の恋愛観が正常であるかを確かめ、また男女の付き合いとはどういう者かを自分なりに模索するための。
 でも、俺は柚木の思いには応えられない。
「悪い、売約済みなんだな」
「……そうか。ごめんよ」
「相手、聞かねぇのかよ?」
「大体わかるさ。それに聞いたところで何になるよ」
「相変わらず妙にクールなやつ」
 そう言って、柚木は机に突っ伏した。そしてそのまま、クラスの担任の先生が出欠確認を取ってホームルームを終えて1時間目の数学を担当する『鬼の長谷川』こと長谷川甘平(はせがわ かんぺい)先生に竹刀で頭を叩かれるまで組んだ両腕の中に頭をうずめて寝こけていた。

 放課後。
 この日は午後から雨が降ったため、水泳部は休みだ。
 使われることのなかった水泳セットを肩に引っかけて、俺とキノットはハンバーガーショップ『ワイルドビリー』にいた。俺はてりやきバーガーとコーヒーを、キノットはフライドフィッシュバーガーとチョコスティックが添えられたアイスメロンソーダを頼んだ。
 適当な席に座り、俺はキノットに今朝の話をした。
「……ふーん、ユズキがねぇ」
「まぁ確かに、TS病で性転換した男が男と付き合ってそのまま結婚、またその逆の例も珍しくないらしいからな」
 そう言って俺は、シロップとミルクをコーヒーに溶かした。
 その様子を見ながら、キノットは言う。
「話は変わるけど、ミカンって甘党になったよねー」
「そうだな。前はブラックで飲んでたんだけど、最近と言うかここ1年の間にブラックが苦く感じ始めてさ」
「ふーん……」
 そこで言葉を切るキノット。
 しかもその目つきはジトーッとしていた。
 何だかものすごく居心地が悪い。
「何だよその目ぇ」
「いーや、なーんにも?」
「何にもなくねぇだろ。あ、分かった。味覚が意外とお子様ねって笑ってんだろ」
「うん、今別の理由で笑いたい」
 何だそりゃ。

「……さてミカン。今ひとつ確認しておきたいんだけど、いい?」
 キノットな急に神妙な表情になった。
「なっ、何だよ、改まって?」
「ミカンはTS病で体は女の子になったし、女子の制服や水着を着ることも女子更衣室で着替えることも抵抗はなくなってきたよね?」
「いっ、いや、んなこたねぇぞ? 特に女子更衣室がまだ苦手だぞ?」
「1年前に比べたらマシになったって意味。でも心はどうなの? メンタルの方は、まだミカンは男のままなの?」
「……そこ、どうなんだろうな」
 体は女の子だけど、心はどうなのだろう。
 改めて尋ねられると、確かに答えに迷う。
 だから俺は、男か女かよりも素直に感じていることを言葉にした。
「俺は去年の春まで男として生きてきたし、言葉遣いや態度も男や女に対する考え方もそんなに変わってないと思う。キノットに好きだって言われてすごくうれしかったし、俺もキノットが好きだ。そう考えると、俺はまだ男なのかな……?」
「照れること言ってくれるなぁもう。でも、そっか。人はいきなりは変われないもんね。それに変わってしまうものもあるし、変わらなくていいものもある。ミカンは今のミカンのままでいいと思うよ。いやでもこれから、少しずつ変わっていくと思うし」
 そう言ってキノットはストローに口をつけてメロンソーダを吸い上げた。水面と一緒に、乗っていたバニラのアイスクリームも沈む。
「ミカン。これからも好きでいてくれる? 友達じゃなくて、恋人として」
「ああ。俺もそうあってくれると嬉しいな」
「ありがと。じゃあ」
 そう言ってキノットはチョコスティックの端を口にくわえ、テーブルに両腕の肘を突き立てて前のめりになった。
 成る程。俺は心の中でひとつつぶやくと、水平になったチョコスティックのもう片方の端を口にした。ザクザクとチョコスティックを噛み砕く音が響くごとにチョコスティックはふたつの唇に吸い込まれ、そしてとうとう。
「はむ……」
 唇同士が触れ合った。
 チョコレートとは別の、甘い味がしたような気がした。
 触れあうのと同じに見つめ合うのも一瞬。
 そして唇が離れた時、俺は少し情けない悲鳴を小さく上げた。
「ひっ……」
「ミカン? どったの?」
 どこかの3代目大泥棒みたいな尋ね方をしたキノット。
 そんな彼女に、俺は答えた。

「……ごめん。かなりいろいろ落ち着かなくなった」
「あ~あ」

 悪いな、いろいろ。

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デリヘルの男の娘に色々絞り取られる話

デリヘルの男の娘に色々絞り取られる話 DMM版
デリヘルの男の娘に色々絞り取られる話 DLsitecom版

デリヘル

朝起きたらブスだった(お肉おいしい)

https://ddnavi.com/serial/400557/a/

わんわんおさんから情報いただきました!
我々の活動がすそ野を広げた成果のひとつかと思います。
生暖かく見守っていきましょう。

09/30のツイートまとめ

amulai

@milda007 軸はずらさずに行くべきだと思います。
09-30 22:54

マンネリにならないのが才能ではなく、マンネリでも売れるのが才能なのだ。
09-30 22:36

マンネリと言われるほど作品数が増えるのは良いことですし、そう言われたら悦に入って良いと思うのです。
09-30 22:20

ウチは2年ぐらい待つ感じで、あとは気分で調整。 https://t.co/EMjscqnEvW
09-30 22:15

@ko_second メールしました!
09-30 20:39

RT @tetuya_hayashi: 『君の名は』ハリウッド版の制作が決定もしましたところで。更にTSジャンルを盛り上げるべく、本日よりTSモノに良くあるシュチュなどをカルタにした“TSカルタ”を毎日一枚投稿していこうと思います!最初は勿論このシュチュです!!! #TS #女…
09-30 20:37

RT @ko_second: 実際母乳ドリンクバー読んでくれた人に聞きたいんですけどマジで+αするならどれが需要あるんですか?(詳細は母乳ドリンクバー本編参照で割愛)
09-30 20:29

本筋ではないですけど、コントロール力もすごい。 https://t.co/eXr45vIprt
09-30 19:24

RT @yoshimizu629: 正直貯金の残高ってSAN値に影響あると思う
09-30 19:04

RT @twinrail: ソウルに住む高校生の瀧(ロン)は、平壌に住む労働党高官の娘・三葉(サミョプ)と入れ替わりを繰り返すようになる。しかし、ある日米軍の攻撃が開始され、平壌は壊滅してしまう…三葉と朝鮮半島を救うため、再び入れ替わった瀧は第二次朝鮮戦争阻止のために奔走する…
09-30 19:03

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