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【投稿小説】不思議な村 作 黒糖鈴カステラ 絵 螺子-K ②

初めから読むときはこちら

<2>
やがてオレは、この町が一人の少年に支配されていることに気付く。少年は村人たちすべてを美少女に変えて支配していたのだ。
向かった者が誰一人帰ってこない村。少年はそこを訪ねた旅人をその力で変化させ、目の前の男性が女性へと変えられてゆく過程を楽しんでいた。そしてその彼に変えられてしまった美少女たちが住まう村。それがこの村、美少女だけが住む理想郷の正体だった。

拍手の音が大広間の中でこだまし、響いていた。もちろんそれはただ一人の観客にして支配人である少年によるものだった。彼の手にかかった青年は元の姿とはかけ離れた、見目麗しい美少女へと生まれ変わっていた。身長も肩幅も縮み、かつてピッタリだった衣服は代わりに膨れあがった胸と臀部にかろうじて引っかかっていた。
「さ~て、」
拍手をやめ、少年は椅子から立ち上がった。オレは身構えた。特に身構えたところで何ができるわけでもないのだが。
「ヒャハハ♪そう焦らないの。あとでもっとじっくりと料理してあげるからさ。それより先に、彼女の"締め"をしてあげなきゃ。」
そう言って少年は元青年の方へと向き直る。これ以上何かされてしまうのか。自分に彼女と同じ結末が待っていると思うと、もう見ていられなかった。しかし、少年の謎の力、超能力によって体を硬直させられる。彼女から視線をそらすことができない。まるで今から起きることを目に焼き付けろと言わんばかりに。少年はしたり顔をこちらに向けた後、右手を彼女の方へ向け、瞑想を始めた。しばらくすると、彼女の衣服がピンク色に光りだした。そして胸元の部分からしゅるしゅるとリボンのような形状に姿を変え、周りをぐるぐると彼女を包み込むように回り始めた。衣服が全てその形状へと変化すると、一糸まとわぬ美少女の裸体をリボンがところどころ隠すという扇情的な光景が目の前に広がった。以前の自分ならば、この光景に興奮していたに違いない。しかし、今はとてもそんな気分にはなれなかった。しばらくするとリボンがその軌道を変え、再び彼女を包み始めた。それはやさしく、柔らかく、それでいて包帯のように隙間なく彼女の体を包み込んでゆく。
「へ~んしん♪」
少年の声を合図にリボンがまばゆく光輝いた。目を開けると、そこには深窓の令嬢がすまし顔で浮かんでいた。彼女を包んでいたリボンは落ち着いた色合いの翠のワンピースとなり、彼女に清楚でおしとやかな印象を与えた。肩は控えめに膨らんだパフスリーブに包まれ、そこから長い袖が末広がりに伸びていた。袖口にはフリルがあしらわれ、そこから白魚のような指を覗かせていた。胸元は大胆にカットされていたがその下に着せられた肌着が首筋まで覆い、繊細に生まれ変わった肌を守っていた。胸の膨らみはきつめに絞められたコルセットによって強調され、開け広げになっていたときよりも扇情的に見えた。スカート部分はコルセットの下からくるぶしにかけて装飾をまとい、その下に履かされたパニエによって柔らかく広げられている。その中から現れたしなやかな足には純白のパンプスが履かされていた。かき乱されていた金髪はしなやかに解きほぐされた後、再び優雅な螺旋を形作っていた。ほんのりと化粧を施された顔に、もう彼の面影はない。女性的な衣装に包まれ、彼女は真に女性として生まれ変わってしまったのだった。
「へぇ~、またずいぶんとかわいらしく変身しちゃったねぇ。ヒャハ♪こういうのが好みだったんだ~」
少年は自ら空中に浮きあがり、彼女の周りを回りつつ全身を嘗めまわすように観察した。それはまるで芸術家が作品を鑑賞するような、美術的興味と充実感に満ちあふれた顔だった。
「好み…だと…?」
「うん。そうさぁ~」
少年はオレのところまで飛んできてスタッと着地した。そして自分に視線を向けさせるためにオレの首から上だけ拘束を解除する。
「ボクはねぇ、別に兄ちゃんたちをボク好みの姿に変えてるんじゃないんだ。」
人差し指をたてて、オレの周りをうろうろしながら語り始めた。
「ボクは兄ちゃんたちの頭の中から自分の理想とする女性像を引き出し、その姿へと変えてあげてるのさ。」
「理想とする…女性像…!?」
「そう!この兄ちゃんの体つきや服を決めたのはボクじゃない。兄ちゃん自身さ。兄ちゃんが一目惚れして、結婚して、人生投げ打ってでも守りたいって思える理想の女性像。それがこの"姉ちゃん"なのさ!」
鼻息を荒げ、褒めろとでも言いたげだ。なるほど、村の住民が皆美しい理由がわかった。彼女たちは全員、自らが想う理想の女性へと変身させられていたのだ。くそ…何てことを…!自らがその女性像へとなってしまったら、もしその女性と出会っても添い遂げることもできないじゃないか!オレの中で沸々と怒りがこみ上げてくる。
「どうだい兄ちゃん。この村のこと、これからされることがわかったわけだけど、どう?」
許せなかった。私利私欲で人生を、理想の女性と出会える機会を奪う目の前の存在が許せなかった。
「…へぇ、珍しい。大体は見逃してくれって命乞いしてくるのに。あ、むしろ早くやってくれって頼んできたのもいたっけなぁ。ヒャッハハハハハ!!」
下衆め。
「オレはお前に姿を変えられても、絶対屈しないからな!!」
宣戦布告。それはしばし部屋に響き、やがて静寂をもたらした。恐怖はとうに消え去っていた。
「…ヒヒ、ヒヒヒ、ヒヒヒヒヒ…」
なんだ?
「ヒャハハハハハハ!!ヒャハ!!ヒャハハハハハハ!!!」
「何が可笑しい!!」
「ヒャハ!ヒャハハ!いいねいいね!ヒャハ♪最高だよ兄ちゃん!ヒャハハハハハ!!!」
嬉しくない。全然嬉しくない。というかうるさい。黙れ。
「ボクはねぇ、男性が女性に変えられていく姿が好きなんだ。そのなかでも、

反抗的なのが無理矢理、イヤイヤ変えられていくのが、だ~い好きなんだ♪」

…下衆め。
「ヒャハ♪そうそう。先にこっちの姉ちゃんを別室で寝せてあげないと。これから兄ちゃんの声で起こしちゃかわいそうだからねぇ。」
こちらをイヤミったらしくチラリと見た後、かわいらしい寝息を立てていた元青年に向かって右手を突き上げた。彼女の周りが光り、一層輝きを増したところで彼女ごと忽然と消えてしまった。オレたちがここに来たときのような現象。これが彼の移動、運搬方法なのだろう。…少年の行動についてはもうすでに感覚が麻痺していた。
「待たせたね。じゃ~あ、始めよっか♪」
ムカデのように指を一本ずつ動かしながらこちらを向いた。相変わらず気色悪いガ…「っ!!」
不意に少年の手によって体が宙に浮かび上がった。始まる…!
(ヒヒヒ…)
頭の中に少年の声が響いた。自分の意思や脳の発する警報を押しのけ、不愉快なほど明瞭に生意気な声が広がる。
(聞こえるかな、兄ちゃん。)
少年はオレを観察しやすいようにオレと同じ目の高さまで飛んできた。
(どうだい?これなら兄ちゃんがどれだけ声をあげてもボクの声が聞こえるでしょ?)
下衆が…
(ヒャハ♪じゃあいくよ。あっちの兄ちゃんには自動でいったけど、兄ちゃんには特別に手動でいったげるね。その方がボクも楽しいんだよなぁ…♪)
手動…?何をする気…っ!
自分の周りにピンク色のもやが立ち込めた。まるでぬるま湯のようにポカポカと温かく、そのまま身を任せたくなる。ダメだ。気を確かに持たなければ。これはあの青年を変貌させてしまった毒ガスだ!
(ヒヒヒッ…)
少年の両手が同じピンク色のもやをまとった。そして両手の手のひらを広げて突き出し、ゆっくりと握った。
「ひゃあっ!!」
突然両胸に甘美な稲妻が走った。まるで性器を触ったようなまろやかな快感、それが両胸から脳へと突き抜けた。少年はニヤリと笑い、あたかもそこに胸があるように虚空を揉みしだく。
「んっ!くぅっ!ああぁぁぁっ!!」
両胸をこねくり回される感触と快感が、少年の手の動きと連動して襲いかかる。それは自慰よりも甘くて、強烈で、意思とは別に勝手に声が出てしまう。胸を隠し、抱え込んでもその感触は全く収まらない。性的な快感に股間が反応し、独りでに起き上がってしまっていた。
(ヒャハ♪兄ちゃん、ちょっとその手、どかしてごらんよ♪)
少年はふと攻める手を止めた。胸を揉まれる感触と快感がスゥ…と引いていく。すると本来の肌の感覚が戻り…押さえこんだ胸に柔らかな違和感が広がった。
「ハァ…ハァ………なっ!!!」
下を向くと、オレの胸がふっくらと膨らんでいた。がっちりとした肩幅に広げられたシャツの前面に二つ。胸板ではない、柔らくて豊満な丘がシャツを押し上げて形成されていた。それは男性には絶対できない大きさの乳房、おっぱい。
「な、ななな…なな…」
(兄ちゃんを包んでるもや。これに包まれると全身が性感帯になっちゃうんだ。体中どこだろうと触られるだけでもう、快感が止まらないのさ。しかもそれは、おチ○○ンをこすったときよりず~っと気持ちいい♪)
「うああっ!!」
少年が中空をさすると左腕に快感が走った。
(でね、それを気持ちいい~って感じちゃうと、そこから、

女の子になっちゃうのさ。)

左腕が細くなっていた。
「やめろぉぉぉぉ!!!」
変化を恐れ、少年を威嚇した。が、少年の手は止まらない。
「うあああああああ!!」
肩、二の腕、指先まで油を塗りこむようにねっとりとした感触が快感と共に走る。必死に振り払おうとするが、ピンク色のもやが一瞬切れるばかり。それもそのはず。少年本体は少し離れたところで何もない虚空を撫でまわしている。それが謎の力によってあたかも直に触られてるように感じ、快感を爆発させるのだ。されるがまま。少年の手を止める術はひとつもない。
(目の前で見せたから、もう何をされるかはわかってるよね。で~も、そうとわかっていても、兄ちゃんはな~んにもできない。)
「やめっ…あああああ!!!」
(ただ、ボクの手によってゆっくり、じっくりと女の子に変えられていくんだ。)
一往復、また一往復と、こすられるたび細く、柔らかく、しなやかに変えられていく。長旅で鍛えられた剛腕はかわいらしい娘の腕へと変貌した。
(ヒャハ♪安心しなよ。兄ちゃんの理想までいったらそれ以上変わんないからさ♪)
手の感触は腹へ、横腹へ、そして背中へ伸びる。六つに分かれていた腹筋も、全ての荷物を支えてきた背筋も皆快楽に溶けていく。我慢したくても射精直前、それ以上の性的感触に成す術もない。ただ、ろくろで回されているように撫でられ、こねられ、形を変えられてゆく。変化に伴う快楽の波に、無力感さえも押し流される。変わりたくない。変わりたくないのに、気持ちよくてたまらない。
(ほらほら、さっきの威勢はどうしたのさ。)
「ムグゥッ!!」
不意に口を抑えられた。
(もっと抵抗してみせてよ~♪)
軟膏を浸透させるように喉仏をゆっくりと円状に撫でられる。
「ゥゥゥゥゥゥゥ!!!」
やめろやめろやめろぉぉぉ!!!固く膨らんだ凹凸が撫でられるたびに固さと大きさを失ってゆく。
「ムゥゥ!!ゥゥゥ!!!」
やめろって言ってるだろぉぉぉ!!かろうじて漏れ出る声もどんどん高音になってゆく。苦しいはずなのに気持ちよさが頭を支配する。
「プハッ!………えっ………」
見えない猿轡から解放された。溢れ出たのは、可憐で透き通っていて、それでいて芯のある女性の声。オレが潜在的に持っていた理想を見事に再現した美声。ときめいた。それはただ一音で暴力的な快楽を吹き飛ばし、脳を甘酸っぱいいとおしさで満たした。オレはその声に恋をした。
(へぇ~、かわいい声だね。ボクもいろんなのを聞いてきたけどグッときたよ。)
不意に甘美な世界へ雑音が割り込んできた。くそ、何ていまいましい。
「ムブッ!!」
(じゃ、そのまま顔と髪もいっちゃおうか~♪)
感傷に浸るのも束の間、両頬を中心にパンの生地のようにこねられる。ほったらかしだった顎ひげも鼻の上のニキビもその姿を消してゆく。
「~~~~~!!」
自分に合わせて少女の声も悶える。
(よ~しよし、よ~しよし、ヒャハハハ♪)
そして、犬のように頭を撫でまわされると、短く整えていた髪が急激に成長を始めた。それは伸びるだけではなく、その質感も全く別物に変わってゆく。針金のようにバリバリと硬かった毛が指通り滑らかな絹糸へと変わり、生え際から毛先までを滞りなく滑らせた。その流れはちょうど肩にかかるくらいで止まり、首筋をふわふわとくすぐった。
「ぁぁぁ………」
今まで感じたことのないその感触に、自分に起きている変化を改めて思い知らされる。

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【投稿小説】不思議な村 作 黒糖鈴カステラ 絵 螺子-K ①

作 黒糖鈴カステラ https://twitter.com/ring_cas_teller
絵 螺子-K https://twitter.com/_Neji_K

超能力で 記名付き

<1>
そこは不思議な村だった。美少女ばかり目につくのだ。
男性はおろか、お年を召した老婆も、母と同年代となる中高年の女性も、常にそこらじゅうを走り回るような幼 女も見当たらない。住民はみな第二次性徴期を迎えた10代、もしくは妖艶な雰囲気にあどけなさが混じる20代前半の女性のみ。しかもその全員が皆一目惚れしてしまいそうな絶世の容姿と雰囲気を持っていた。

オレがその村の噂を聞いたのは3日前。立ち寄った酒場での噂話。この先の山奥にある村へ向かった者、そして彼らを捜索しに行った者がもう何ヵ月も戻らないと言う。それ以上の情報がないため、危険な野生動物の仕業だとか、村への道のりが遠く険しいからだとか、未だその原因すらわかっていない状態だった。よし、だったらオレが行って確かめてやろう。そして謎を明らかにしてみせる。好奇心をかきたてられ、オレは翌日から一人その村へと旅立った。身構えていたものの道中に目立った障害もなく、丸2日かけて森の奥深くや山々を歩き回った末に、噂の村へと辿りついた。そこは周りが全て山と森に囲まれた隠れ里。一見、何の変哲もない村。だが、話は冒頭の下りまで戻る。美少女しかいない。しかもその全員が今まで見たこともないほどの見目麗しい美人揃い。男ならば誰もが夢見るハーレム状態。自分1人と美少女だけで作られた夢の理想郷。なるほど、確かにこれは帰りたくなくなるような…。
「あの…」
ふと、後ろから鈴の音のような可憐な声がした。10代後半だろうか。クセ毛のない、まっすぐで長い茶髪を三つ編みにした美少女。なんとも魅力的な彼女がオレの袖をちょいちょいと引っ張りながら、上目遣いでこちらを見ていた。その整った顔立ち、つぶらな瞳、かわいらしい仕草に胸が高鳴ってくる。
「あの…旅のお方でしょうか。」
「えっ、あっ、そうなんだ。えっと、それで…」
何でもない会話のはずなのにしどろもどろになってしまう。何とか場をもたせようと必死に話題を探す。頭の中をひっかき回していたそのとき、
「悪いことは言いません。早くこの村から出て行ってください。」
少し背伸びしての耳打ち。ときめくような出来事だったが、その台詞はなんともほろ苦い。だが実を言うと、この村でこの台詞を聞くのは初めてではなかった。
美少女たちは、オレにすぐにこの村から出ていくように警告する。
オレを見た村の子たちは皆そうしてきた。しかしそれは男であるオレを異物として追い出そうとするものではなかった。オレの身を案じての警告。この村で起こる何かから逃げてほしいという願い、懇願。彼女たちの真剣な眼差しや声のトーンからその意味合いと深刻さが伝わってきた。
「なぁ、キミ以外にも言われたけど…なんで出ていかなくちゃいけないんだ?も、もしかして、男は見つかり次第殺されるとか…」
「殺されはしないです!ですが……………。」
彼女はオレの問いに言い淀んだ後、視線を落とした。そしてしばらくしてから、何かを決心したような顔で話し始めた。
「………ですが、大変なことになるんです。男の人が見つかったら、おん「ヒャハ♪み~っけ♪」
「っ!!」
不意に彼女の言葉を遮り、オレの後ろから声変わりのしていない少年の声が聞こえた。彼女の顔からみるみる血の気が引いていく。まるで殺人鬼と目が合ったようなおびえ切った表情。その異常さが何も知らないオレまでも緊張させる。意を決して振り返ろうとしたそのとき、突然辺りが眩い光に包まれた。オレはとっさに目を瞑ったが、そこで意識が途切れてしまった。

再び目を開けたとき、そこは元いた道端ではなかった。50人ほどは収容できそうな大広間。劇場のような作りのその部屋は天井が高く、音や声が反響しやすくなっていた。
「うおぁ!!あっ!アンタ!」
振り向くと、そこには一人の青年が立っていた。この村では全く見かけなかった、男性。中肉中背のサファリハット。その顔は隣町にある、村の噂を聞いた酒場で見たことがあった。おそらく彼も怖いもの見たさに導かれ、この村へと来たのだろう。
「アンタ今どっから来たんだ!?さっきまでいなかったよな!?」
「あ、あぁ…ついさっきまで外にいたんだが、なんか少年の声がして…」
「アンタもか!?俺もなんだよ!!あの村ですっげぇかわいい女の子と話してて、なんか光ったと思ったらこの部屋にいたんだ!」
オレの体験した現象と全く同じだった。どうやらこの青年もオレと同じようにしてこの部屋に来たらしい。
「ヒャハハハハハ!!」
不意に響く、声変わりのしていない少年の高笑い。耳障りなその笑いは部屋中に反響し、輪唱のように響き渡った。声の主は部屋の中央に置かれた豪華な椅子で満足げにニヤついていた。
「ようこそボクの理想郷へ。歓迎するよ~、お二人さんっ♪」
マントを羽織り、どこか貴族を思わせる整った身なりに丸い眼鏡。まるで自らを天才と自称しつつ他人を卑下しているような、そんな可愛げのないガキだった。
「やい!オメェだな、こんなとこ連れてきたの!とっととあの村に帰しやがれ!」
「そ~んなに慌てないで。ちょっとしたらまた戻したげるからさ~」
少年はまぁまぁ、というジェスチャーで青年を宥める。その顔には絶対的な自信と余裕があった。
「ここに向かった旅人たちがみんな行方不明になってるんだ。何か知らないか?」
「うん。もちろん知ってるよ。だってみ~んなこの村で暮らしてるからねぇ♪」
「何?」
辻褄が合わない。とくに道が整備されていない上に野盗や野生動物の被害も後を絶たないこの時代、旅に出るのは決まって皆屈強な男たち。今まで女の旅人なんて見たこともなかった。
「男なんて一人もいなかったじゃねぇか。」
「そうだよ。ここは美少女たちとボクだけで構成されたボクの理想郷だもの。い・ま、この村にいる男はボクと兄ちゃんたちだけだよ。」
少年はわざとらしく強調した。何かの謎かけだろうか。
「…なぁ、あんまり大人をからかうもんじゃねぇぜぇ、ボク?」
しびれを切らした青年がコキコキと指を鳴らしながら少年に近づく。だが少年は顔色ひとつ変えない。
「別にからかってなんかないけど?ヒヒッ♪兄ちゃんあったま固いなぁ~♪」
「んだとこのガキぃ!!」
青年の鉄拳が少年の顔に直撃…する寸前で止まった。少年がニタニタとにやける。
「おい!どうした!」
「体が…動かねえ…!」
青年が力を込めるもその体は微動だにしない。殴りに行った姿勢のまま、まるでその空間に糸で縫いつけられたように動かない。
「この村はねぇ、僕の理想郷であり、兄ちゃんたち旅人を捕える罠なのさ。兄ちゃんたちはもう罠にかかったウサギちゃんなんだよ。」
「罠だと…!」
「そ。誰一人帰ってこない謎の村。普通そんな危ないとこ誰も行かない。兄ちゃんたちみたいに若気の至りを拗らせちゃったおバカさんたち以外はね♪」
ぐうの音も出ない。
「ボクはそんな人たちがもう無茶できないようにしてあげてるのさ。いい子でしょ~♪」
「何がいい子だ!!とっととこれ解きやがれ!!」
「ヒヒッ♪じゃ~そろそろ種明かしといこうか~♪」
「人の話を聞けぇ!!」
「ボクの楽しみは3つあるんだ。ボクの楽しみその1~、見目麗しい美少女だけで作られたこの理想郷を堪能すること~。」
悔しいが少しうらやましい。
「ボクの楽しみその2~、」
「ぐっ!!!」
青年が突然苦悶の表情を浮かべる。そしてなんと体が浮かび上がり、宙吊りになった。彼を釣り上げる糸も紐もない。得体の知れない謎の力、超能力で空中に持ち上げられる。
「く…あ………あぁぁぁぁ!!」
硬直が解かれた手で胸部を押さえ、苦しみ出す。痛みを紛らわそうと足もジタバタさせるが、どれだけ暴れても足は地面につかない。被っていたサファリハットがふわりと落ちた。まさか遅効性の毒でも盛られた!?
「おいお前!彼に何をした!!」
「まぁそこで見てなよ。」
少年の目は爛々と輝いていた。ふと、もがき続ける青年の体をピンク色のもやが包み出した。
「あああああ!!」
叫びが一層大きくなる。そして、目の前であり得ないことが起こり始めた。青年の胸を押さえている手が、腕が次第に細く、華奢になり始めたのだ。肩幅もそれに伴って狭くなり、服に弛みが生まれる。そして、押さえていた胸部が腕の下から風船のように膨らみ出した。
「うっ!あっ!あぁあぁあぁ!!」
痛む箇所が変わったのか、彼が頭を抱えて大きく仰け反った。その光景にオレは目を疑った。拘束を解かれた彼の胸が大きな膨らみを作り、服の下で魅惑的に震えた。それは決して男性には実りえないたわわな果実。その果実が肩幅の収縮によって生まれた服の弛みを集め、ふっくらとその存在を強調した。変化は尚も続く。短く切り揃えられていた髪が根元から金色に染まり、指の間から溢れだした。その流れは腰まで続き、ある程度の本数毎に螺旋状の形で結わえられた後、一斉に解放された。螺旋の形状をかすかに残した金糸は、柔らかな印象を漂わせつつふわりと降り立った。精悍な顔立ちも無精ひげとともに消え去り、きめ細かく、繊細で艶やかなものに置き換わった。叫び声も野太い野郎のものから、男性の心をときめかせる、つややかで張りのある高音へと変わっていった。
「ヒャハ♪もうわかったよね。この兄ちゃんに何が起きてるか♪」
彼に何が起きているのか。途中で気づきはしたが、あまりにも超常的すぎてそうでないと信じていたかった。だが、もはや事は明確である。
「ボクの楽しみその2~♪」
彼は女体化させられている。少年の手によって、強制的に!
「あああああああああああああ!!!」
高音になって、より響きやすくなった彼の、彼女の音色は部屋中を反響して中央へ届けられる。ただ一つ用意された特等席で、少年はその変化と旋律に酔いしれていた。
「あぁ…いぃ…いぃねぇこの響き。成す術なく変えられてく悲鳴と、変身という未知の快楽に悶える喘ぎ!ヒャハ♪何度聞いてもたまらないねぇ~… 」
普通じゃない。こいつは普通じゃない。もっとも、こんな力を持っている時点で既に普通じゃないが…。だが、この超能力への恐怖と同じくらい、さっきの少年の言葉が引っかかった。
「何度、聞いても…!?」
頭によぎった推測が可能性と恐怖を引き連れて迫ってくる。
「何度もって、おい…まさか…そんな……この村って…!」
「ヒャハ♪そうさ。元々ここに住んでた奴も訪ねてきた奴もみ~んなボクが女の子に変えたげたのさ。こんなふうにねぇ♪」
「やぁあぁあぁあぁあぁ!!」
高らかに彼女の美声が響き渡る。ウソだ…なんということだ。
やがてオレは、この町が一人の少年に支配されていることに気付く。少年は村人たちすべてを美少女に変えて支配していたのだ。
たった今、目の前で行われている悪魔の所業。これこそがあの美少女たち、もといこの少年の犠牲者たちが危惧していた事態だった。だが今更気づいてももう遅い。彼女の変化は止まらない。数多の道なき道を踏破してきた逞しい下半身はしなやかに姿を変えてゆき、ブーツは転げ、ズボンは腰からすべり落ちた。そのズボンは今、代わりにふっくら膨らんだ尻と、最後の最後に残された彼のものによって支えられていた。
「ヒャハ♪じゃあそろそろフィナーレ、行ってみようかぁ!!」
「っ!! いやぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁ!!!」
少年の合図とともに、彼女は股間を押さえこんだ。その叫びは悲鳴というよりも悦びの入り混じった喘ぎ声だった。程なくして絶頂を迎えた彼女は股間に大きな染みを作り出していく。その下ではもうすでに彼のものは彼女のものへと変貌し、そびえ立っていた山は綺麗さっぱりなくなっていた。喘ぎとともに、乱れた吐息と猫なで声が漏れる。全ての体力を使い切った彼女は、息が整うとそのままぐったりとこうべを垂れ、クゥ…クゥ…と寝息を立て始めた。彼女の変化はそこで止まった。
「ヒャハハハハハッ!!ブラボーーー!!!」
オレは、恐怖した。

②はこちら

TSもの~好きになっちゃったんだから仕方ないだろ!~

2017Q4おかし製作所DMM販売数75位

TSもの~好きになっちゃったんだから仕方ないだろ!~ DMM版
TSもの~好きになっちゃったんだから仕方ないだろ!~ DLsitecom版

TSもの~好きになっちゃったんだから仕方ないだろ!~

清楚で美人な憧れの生徒会長と入れ替わってビッチなバカ女デビュー

2017Q4おかし製作所DMM販売数79位

清楚で美人な憧れの生徒会長と入れ替わってビッチなバカ女デビュー DMM版
清楚で美人な憧れの生徒会長と入れ替わってビッチなバカ女デビュー DLsitecom版

清楚で美人な憧れの生徒会長と入れ替わってビッチなバカ女デビュー

12/01のツイートまとめ

amulai

@kagami0235 創るのも、売るのも、とても気持ちイイでしょ?
12-01 23:50

RT @kagami0235: 今回のTSF漫画を作る切っ掛けは、あむぁいおかし製作所さんのお誘いからでした!!
12-01 23:49

RT @mizukisa: 「作家漫画家フリーランス向け税務会計勉強会」in名古屋、満席札止めで御迷惑をおかけしましたが先程終了いたしました! 残る今年度の日程はあと1日、12/08東京finalでございます。既に多数の問い合わせをいただいており残席ほとんどない状態ですが、よろ…
12-01 23:43

RT @omao51061954: わかってるけどなかなか難しいんだよなあ。色々勉強しなきゃいけないなこれは https://t.co/5j2uYYN1Zm
12-01 22:28

RT @miche_r: マンガ原画の恒久的かつ体系的な保存体制を考える上でとても重要な試み。連載当時に読者プレゼントされた扉絵原画を画業50周年記念展のためにお借りしたいので名乗り出てくださいと。ぜひご本人達に届いて欲しい!「トーマの心臓」の扉イラスト(原画原稿)を探してい…
12-01 21:56

RT @p_t_osaka: 軽減税率、書籍とか対象外になったみたいだね。とりあえず安心だが出版業界が率先して生贄捧げようとしたのは忘れねぇぞ
12-01 21:29

RT @kagami0235: なおDLでは現在、新作以外の作品は30%割引キャンペーンを実施しています。他の作品は小説になりますが、濃くて深いTSF小説ばかりなのでご興味ある方は、是非お試しを。 https://t.co/HUzIi10z84
12-01 21:28

1000DL突破です!
12-01 21:16

RT @amulai: 【11/28新発売】「”彼女”のコスプレ」https://t.co/0PuY4Xs5Y4「TSFのほん その5」タイフーンが吹き荒れておりますが、こちらにもご注目を!大人気の孝至@ko_secondさんを漫画家に迎え、これまで挿絵付きTS小説を多数発…
12-01 21:16

RT @konpuudo: 罰ゲームで女装して出会い系サイトに登録した https://t.co/TMUVETERRF
12-01 21:14

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  • 男の子が女の子に変身してひどい目にあっちゃうような小説を作ってます。イラストはパートナーの巴ちゃん画のオレの変身前後の姿。リンクフリーです。本ブログに掲載されている文章・画像のうち著作物であるものに関しては、無断転載禁止です。わたし自身が著作者または著作権者である部分については、4000文字あたり10000円で掲載を許可しますが、著作者表記などはきちんと行ってください。もちろん、法的に正しい引用や私的複製に関しては無許可かつ無料でOKです。適当におだてれば無料掲載も可能です。
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