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「『男子禁制』なのだから、何されても文句言えないよね?」(TSFレビュー企画 投稿景品173)
あひるカモさんのリクエストで倉塚りこさんに描いて頂きました!

このイラストを表紙に使ったイラストはこちら
「男子禁制なのだから、何されても文句言えないよね?」ってミルクサーバー扱いを受けるTSF
オーダー内容はこんな感じでした!
「「『男子禁制』なのだから、何されても文句言えないよね?」
◆シチュエーションの概要
「男子禁制」と書かれたお店がどうしても気になって、女装して入ったのだけどお店の人には当然バレていて……(でも、泳がされて知らない間に女体化させられる)。
◆シーン
・カフェでメイドさんからウェルカムドリンクによる接待を受ける主人公(女装姿)。
※ウェルカムドリンクは乳製品で、男性が飲むと女体化するという想定。
・(飲んだ様子を見て、)怪しい笑みを浮かべているメイドさんの口元をアップで
↓
TS後
ミルクサーバーとしてメイドさんに絞られて母乳を出しながら甘イキしている様子
(場所はカフェの地下を想定)
TS後を大きめ、口元は小コマでお願いします。
◆登場人物
主人公:19歳。中性的な顔つきで、姉の服を借りてたまに女装する程度には慣れている。
TS後:髪が伸びてより女性的な顔つき、ミルクサーバーとして十分すぎるおっぱい、下半身はサテンの黒パンティのみ着用
メイドさん:20代後半で店長。身長は主人公と同じぐらい
◆補足
ウェルカムドリンクを飲む(1.2コマ目)
→メニューを注文して料理を食べる(違和感あるけど食べ進める(身体に変化が起きている))→店員さんに呼び出されて眠らされる→目覚めたらTSしている
→3コマ目のミルクサーバー扱いに続く…
という一連の流れでTSしていくことを想定しています。」こんな内容ですが如何でしょうか

このイラストを表紙に使ったイラストはこちら
「男子禁制なのだから、何されても文句言えないよね?」ってミルクサーバー扱いを受けるTSF
オーダー内容はこんな感じでした!
「「『男子禁制』なのだから、何されても文句言えないよね?」
◆シチュエーションの概要
「男子禁制」と書かれたお店がどうしても気になって、女装して入ったのだけどお店の人には当然バレていて……(でも、泳がされて知らない間に女体化させられる)。
◆シーン
・カフェでメイドさんからウェルカムドリンクによる接待を受ける主人公(女装姿)。
※ウェルカムドリンクは乳製品で、男性が飲むと女体化するという想定。
・(飲んだ様子を見て、)怪しい笑みを浮かべているメイドさんの口元をアップで
↓
TS後
ミルクサーバーとしてメイドさんに絞られて母乳を出しながら甘イキしている様子
(場所はカフェの地下を想定)
TS後を大きめ、口元は小コマでお願いします。
◆登場人物
主人公:19歳。中性的な顔つきで、姉の服を借りてたまに女装する程度には慣れている。
TS後:髪が伸びてより女性的な顔つき、ミルクサーバーとして十分すぎるおっぱい、下半身はサテンの黒パンティのみ着用
メイドさん:20代後半で店長。身長は主人公と同じぐらい
◆補足
ウェルカムドリンクを飲む(1.2コマ目)
→メニューを注文して料理を食べる(違和感あるけど食べ進める(身体に変化が起きている))→店員さんに呼び出されて眠らされる→目覚めたらTSしている
→3コマ目のミルクサーバー扱いに続く…
という一連の流れでTSしていくことを想定しています。」こんな内容ですが如何でしょうか
【販売1周年】女装男子ドゥーチン 三戦士と六つの金玉
女装男子ドゥーチン 三戦士と六つの金玉
タイトルで女装を明記されているが、性転換タグ持ちなので、性転換ルートやエンドがあるのかも?
→タレコミありました。主人公は女体化せず、「生える」系の性転換があるとのこと。
タイトルで女装を明記されているが、性転換タグ持ちなので、性転換ルートやエンドがあるのかも?
→タレコミありました。主人公は女体化せず、「生える」系の性転換があるとのこと。

【投稿小説】第二次性徴異常発育症候群 性転換症 第四十二話 秋の足跡は遠くに響く
作 kyosuke
日下部道場の夏の終わりは小学生らの苦悶の声が響く……夏休みの課題と言う名の強敵である。玲もリーナ、隆士は其々の両親の躾の良さと当初からこの様な光景を目の当たりにしたので夏休みの宿題である計算や漢字の副教材は期日まで終わらせていた。
「玲は高校はどうするんだ?」
「兄が通っていた北高に」
三沢市立北高の事だ、共学で商業科と工業科があり、達也は通称南高と呼ばれている三沢市立南高に通学、これは三沢自動車本社工場に関連企業の支社や工場の増加に伴い創立された高校の一つでこちらも工業科がある。
「女子高とか考えてないのか?碧丘女とか」
「無理、学力高い」
戦前まだ炭鉱で栄えていたこの市に創設された碧丘女学校が前身で戦後の教育制度改正により高等学校として改名したのが碧丘女子高であり、日菜子の母校でもある。玲の言う通り三沢市にある高校では学力の高さはトップ3を維持している。最も玲の場合は女性だらけの所では精神面では不安定になるので今の段階では考えては無い……とは言えリーナなら進学する可能性はある。
「浩太、生きている?」
佐枝 真奈美は縁日から声をかける……午前中は就職時に有利になる資格取得の勉強で高校に登校して帰宅、途中で母親からのファミリーLトークで玲に自身のお下がりを渡す事を知ったので何となくだがここに来た訳だ。転校生の橘姉妹が兄と同じ道場に所属している事は知っている。
「真奈姉……浩太ならあの通りです」
綾美の言葉通りに視線の先には座卓に凭れ掛かる浩太、この時期は死屍累々の小学生が多く浩太もその一人だ。
「橘さんらの来ていたんですか?」
「はい」
「こー言うのもボランティア活動になるからって……」
礼も汀は前の高校で経験しているので理解を得ている。
「浩太、中学でも大丈夫かな」
「集中力が無いって言うか……ずっと綾美ちゃんの方見ているんだよね」
汀の表情で真奈美は悟る、自分もよくする表情だ。
「もしかして……意識しているかな?男女の事で」
玲は言うと真奈美は頷く、綾美ちゃんも小学五年生にしては胸が大きい方で一学期の時にこれが発端で浩太がクラスメイトと喧嘩になり相手の保護者と少々揉めた、真奈美も把握しているのは浩太の担任が小学校時代の恩師でもある。この時は偶然別件で来校していた隆士の父親である日下部先生が対処してくれた。以前からからかいが度を過ぎている事を知った途端にその男児の保護者に釘を刺したのである。中学や高校で警察沙汰になる子は大抵小学校から問題がある事が多い、これ以上問題がある児童が増えない事を祈るばかりだ。
「と、なると玲にも意識していると……」
「はい?」
玲はキョトンした声と表情になるが直ぐに達也の言葉を理解した。
「浩太の奴は玲の事は慕っていたしな……」
身近な兄貴の一人って言う感じで浩太にとってみれば憧れの人に近い。彼も性転換症の事は特別授業で把握はしたが玲の事を聞くとやはり大変らしい……特に人との付き合いに変化が生じる。浩太も異性を意識する様になり綾美を初めとする幼馴染らと接していると玲に再会しても大丈夫なのか迷っていた。
「真奈美もバスタオル一枚でうろつくと意識はするさ」
「そうなの?」
真奈美は素っ気なく言うとリーナはジト眼になる。本当にこのスタイルの良さを自覚してないのか……。
「それよりもお腹すいたなぁ」
「カレーライスならあるよ……」
「なんで?」
「自由研究で焚き火で調理してみるって言う子が数人でね……それなら日菜子さんが居るし、ここで出来るからね……」
カレーライスの材料も機材も持ち込みである、流石に直火では危ないと言う判断もあったのか焚き火台があり、万が一に備えて消火器も置いてある。
「味は保証するよ」
阿賀野商店倉庫内部にて保管されていた曰く付きのコーンスターチが入った袋を積み終えた。出発は明日の夕方、八郎がワンオペ運行出来る距離であるが事故遭遇状況次第では粉塵爆発する量だ……しかも遺伝子組み換えトウモロコシを原材料にしたコーンスターチは阿賀野商店の倉庫に保管されていた量は少ない方でトレーラー一台で済んだ、他所は10t車数台……可也の量が持ち込まれていたのは知ってはいたが。
「映像データ複製完了」
「無料じゃ悪いからな」
阿賀野社長は手には箱入り地元銘酒を手に持っており真央に手渡す。運送会社とあって丁寧に保護梱包されている。
「何時もありがとうございます」
「納品を早めてしまった侘びで……」
阿賀野商店のカーテンサイダートレーラーの切り上げ納品になったが電飾で真央の祖父と父親は色々と資料を揃えて検討している最中で煮詰まっていたので丁度良いタイミングだ。
「旦那さんはもう直ぐ来るのか……」
「はい、引き取りの新製品もあるので……」
真央は数年前に結婚している……夫の 瀬河 進一は真央の過去を知った上で妻として迎え入れた。進一の両親は当初は困惑したが過去の交際相手は何れも結婚に踏み切れずに別れた経緯がある。職業がネックになっているが真一は高卒枠で就職した会社にて派閥争いに巻き込まれ婚約寸前の交際相手にも危険が及び別れた……進一も逃げる様に退職し今の会社に就職、それが雅屋である。普通免許のみだったが職場環境を見て自身も準中型/中型解除、同時期に真央も大型貨物の解除を目指していたので同じ自動車教習所に通学していた事で接近……自然と交際して結婚に至るのは当たり前で彼の両親も承諾した。
「まぁ、進一さんもすっかり慣れたなぁ」
「あの人はオフィスワークよりも運転が好きなんですよ……」
一昨年には大型と牽引免許を解除しておりカーテンサイダートレーラーの納車も彼の仕事によるモノだ。
「で……要望とかあります?」
マーカーのカタログを数冊出す辺りは流石と言うべきだろう。敢えて冊子形態にしているのは顧客の多くが電子端末を苦手な方が多いのだ。それ故に真央が持つ鞄は常に大きいサイズだ。
「おっ、来たぞ旦那が」
真央は一礼して倉庫の外へと出ると一台の大型トレーラートラックが停車していた。新品のセミローローダーだ。確かドイツ製の建機搭載用である。
「買ったのか……」
「はい、大型ダンプなら積載出来るって言いました」
自走不可と言う状態になっても珍しくない。阿賀野社長も年に数回は同業者から聞く話だ。真央を見送る三人は思う……彼女には幸せになって欲しいのだ。
翌日、今日も夏休みの課題追い込みをかけたい小学生とその保護者らの姿を日下部道場で見られた。今日も浩太は追い込みの最中、これでも一年生の時には全くされてなかったと言う事を思えば今日中に終わるのは進歩とも言える。
「……すごく、ギャルっぽいって言うか」
「うん、友人と付き合いで買っていくうちにね」
露出度が凄いと言うのが玲にも分かる。これはコーディネイトが難しい……父も兄も少々堅苦しいからなぁ。段ボール満載された衣類を抱えて来た真奈美も中学生だった時の自分の派手さは今では恥ずかしい。確か中学二年生の春辺りから胸が目立ち始めており友人の一人と共に強姦未遂になった時にはここの道場の門下生らが駆け付けて大乱闘……警察官が来た時には不届き者は全員戦意損失、この後は加害者側の雇用先や学校やら保護者や真奈美が通う中学校側やらの後処理がウンザリする程長引いた。それ以来シックな服装に心がける様になった。
「玲ちゃんなら空手もしているから着ても平気かな~って思ったけど」
「コーディネイト次第ならイケるわね」
リーナは一着を手にして言う……あんまり子供ぽい服装じゃ宗介も苦労する場面もありそうだ。かと言って堅苦しいのも、また困る事もある。
「日菜子さんがお嬢様だったからこの手の服装には無縁だったし」
リーナの言う通りで大学時代の写真を見ると大人びた感じでよもや学生結婚するとは思いもしなかった。
「そうね……」
この場に居た日菜子も納得する、玲はこの前までは息子だったのだ。
数時間後、越智運送の先代社長であり越智 雷蔵が一ノ瀬家に来た。玲の事は会社経営を譲った次男坊の忠弘から聞いた通りであり苦笑するしかない。玲も彼の事はイベントで毎回逢うので顔見知りである。今回もイベントの打ち合わせで一ノ瀬運輸を訪れた序にあの一件の報告の為に来たのである。引退こそしたが趣味車のデコトラを乗り回すダンディな御方である。
「雷蔵さん、御無沙汰してます」
「忠弘から聞いた時には驚いたのぉ……玲に絡んで来た連中は全員警察が補導若しくは逮捕……ただ一人が逃走中に大事故起こした」
「伯父さんから聞いてます、腕を切断したって」
「電柱を支えるワイヤーにな……病院に担ぎ込まれて接合手術はしてリハビリ。その間に逮捕されたがね……」
「……」
「警察の追跡も問題はなく、玲ちゃんと同行者の方も正当防衛が認めれらた……」
それでも玲の顔は不安げになる。雷蔵の長女は夫が警察病院勤務の医者であるので情報がある程度得られている。更にこの事故は雷蔵が住む地元のワルらにとっても相当デカい話題であるので話題に事欠かせないようだ……。
「それにアイツラの背後には半グレも見え隠れしていて、違法AV撮影もしていた……被害者が加害者になっていた事もあり、その一人が別の半グレに所属する友人を巻き込ん事で抗争になりかけていた」
リビングにて雷蔵は出された麦茶を飲み玲に説明した、宗介と玲に絡んで来た暴走族連中の中には半グレも含まれていたので警察にとってみれば渡りに船、しかも抗争寸前と言う緊迫感が漂っていた所でガサ入れする口実が出来たのだ。雷蔵は隣に座る女性に視線を送り言う。同行してきた方でずっと無口、髪は染め目付きは鋭い。
「彼女は杉家 八代(すぎいえ やちよ)で越智運輸の社員、同時に弟が加害者の一人で腕の切断事故を起こした奴の友人でもある」
「あっ……」
玲はハッとするが彼女は言う。表情も口調もキツいが誠意はある。
「謝る事は無いわ……あのバカは昔から他人様に迷惑かけて来たし。今回の一件で矯正施設送りになるわね、弟も一緒に」
彼女も口調から弟が性犯罪を幾度も重ねた一人と分かる。未成年者性犯罪の場合は初犯でも罪状が酷ければ送致、しかし施設内にて中学と高校に該当するカリキュラムがあり運が良ければ18歳の春にはシャバに帰還出来るが引き続き刑務所に収監される場合も珍しくない。これには他の刑罰の懲役や更生の進捗が進んでないと言う判断からだ。
「……刑期が終れば身元を引き取れるかは本人次第って言う事ですか?」
「そう簡単に縁が切れる訳でもないからのぉ……例え本人は嫌がっても寄って来る、受け入れ先が見つからないか、自身で立ち直れないか……」
雷蔵も更生しきれずに再犯した知人を幾人か知っているのだ。その多くが更生支援が不十分で経済的困窮の末の犯行に及んだと言う。この辺りは性転換症発症者でも不遇世代は学歴から就職出来るのが限られ終いには犯罪に手に染めた者と同じ事だ。支援するにも社会に理解して貰えない現状もあるのだ。
「報復とかは出ない様にしている訳ね」
「一ノ瀬社長と会長の武勇伝は知れ渡っているからな……玲さんは大人しい方よね……確か番長らを叩きのめしたって聞いたけど」
「発症前に……」
玲は細かく説明すると二人とも納得した表情になる。祖父も伯父も父親も兄と同じ血筋だ。
程なくして雷蔵と八代は一ノ瀬家を後にした、玲のスマホには雷蔵の連絡先が登録されている。宗介と玲に絡んで来た面々が出所後に報復する可能性もあるのだ……玲のスマホに表示された写真を日菜子が見た。
「現役の子が井川 保って言う子?」
「そう、越知社長が通っていた高校が同じ言う事もあってね……橘さんが言うには……」
説明する、玲。これは宗介が名刺交換したので彼経由の情報、越知社長も自動車好きでミサワハイライダーRLが愛車であるのも知った。
「ふぅん、なるほど……今は大人しくなりつつあるわけね」
日菜子は納得した表情になる。玲と宗介に絡んで来た暴走族と半グレらは全員警察のお縄になり芋蔓式の様に他の容疑での逮捕や補導でその日居なかった面々も検挙されたと言う。可也の大捕り物で騒然となった様だ。
「……そうか、玲も気にしていたから直に話した方がな」
「将さんにそういって貰えると気が楽になるよ、本当にあの時色々と考えが頭巡ったぞ、よくあんな連中をK.Oで済ませたな」
「空手がメインだが少々柔道もな、門下生に警察や軍で飯食っている面々も居てな……」
将の言葉に越知 忠人は苦笑するしかない……そして顔付が変わる。
「連中の背後には別の半グレが居る、どうも玲の姿を写真で送ったらしくな」
「ほお」
将の顔が険しくなる、この辺りは兄と変わらない。
「最もこいつも指名手配をうけている……」
「警察のか?」
「裏の業界からもな……よくある話さ、コルク帽狩して獲物の一人に対立していた奴がいてな……他にも女と金でトラブル起こしていたから手配されている」
将も呆れるが余程恨みを買っているのだろう。裏の業界での手配書なら将も閲覧した事がある。あれは裏切者を探す際にも活用されているからなぁ……。
「それにしても……中々進みませんね」
「……手順が悪過ぎるのだろ」
二人とも敷地内にある新築された隣県某市公共施設にある駐車場にて待機している、将はラフテレーンクレーンの陸送依頼であるがそのラフテレーンクレーンが来ない、忠弘も荷物を運んできたがその荷物受け取りの方が多忙であり職場同僚の方が来る事になり目途は立った。別にこの二人だけじゃない……他に四台程中型トラックが駐車しており荷下ろしの順番待ちなのだ。
「おっ、連絡が来たぞ。下せるな」
忠弘はスマホを通話モードにしつつ愛車に乗り込む……如何にか運んできた荷物は下せそうだ。将はスマホを手に取ると通話モードに……因みにハンズフリーにしている。
「-今からそちらに向かいます!ー」
「そうか、どうなんだ?」
「ー相手が納得してないです、先程公務執行妨害で手錠されましたー」
将が話しているのはラフテレーンクレーンのオペレーターであり性転換症発症者だ……年齢を知れば分かるが不遇世代であり彼女も夜間中学高校卒と苦労人、最も性別変更を裁判長が認めなかったら夜の蝶かアンダーグランドの世界の住民に……。将は今のご時世の時に玲が発症してくれただけでもマシと思っている。
「損傷は?」
「-本社には送信してますが、後部アウトリガーユニット総取り換えと……課長ー」
将は事故状況を聞いてやはりと確信した。作業現場では積み込みが出来ないのでラフテレーンクレーンをこの駐車場で積めるように手配したのだが公道に出た途端に自動車に追突、無論工事現場なので誘導員も居たのだが相手方はスマホを見ており気が付いた時には衝突した後である。誘導員も笛を吹きつつも誘導灯を振ったが気が付かずだ、これはラフテレーンクレーン搭載の後方確認カメラや誘導員が装着していたカメラでも確認出来た。追突した弾みで発火するも最寄りに消火器が多数ある状況で迅速な消火に成功……しかしながらもドライバーと同乗者がラフテレーンクレーンオペレーターに詰め寄り押し問答、そこに将とは同期の男性社員の怒りに触れ警察が割って入り、同期男性社員は直ぐに引き下がったが相手側のドライバーは暴れ遂には公務執行妨害現行犯逮捕劇に。とりあえずはドライバーの御両親が対応する事になるからよいが……。
「おっ、きたきた……」
応急処置して自走してきたラフテレーンクレーンが見えた……作業時に転倒防止の為の後部アウトリガーは凹み誘導車の四t車に載せられておりこれは丸ごと取り換えだろう。建機を陸送する仕事をしていると自然と分かる。将は歩み板を操作してスロープを形成、クローラータイプでもブルドーザーやバックホウ系はタイヤでも噛ませば載せられるがホイール型建機も多く扱うので歩み板は必須だ。積み込みをする為に一端降りて来たオペレーターの表情は冴えない。
「一ノ瀬さん、本当に申し訳ないです」
「気にするな……ながら運転する方は悪い、アウトリガー丸ごと取り換えで済んだだけでも有難く思うさ」
確かに全焼になれば保険があるとは言え痛い、しかもこちらは誘導員に従って公道に出た所で諸突されたのだ。変にハンドルを切ればどんな事になっていたか。
「はい……」
「ラフテレーンクレーンは視界が限られるからな……」
これも陸送が生じる要因の一つだ。構造上クレーンのメインブーム横に運転席があるので市内を移動するだけでも大変な事になるのも多々ある。更に長距離移動になると高速道路が通行できないので県外になると陸送を使う。
「相手側の両親が交渉するって言うから、手回しがよいな」
「現場に居合わせた方が連絡して駆け付けた時には息子さんは連行されてましたけどね」
何よりも事故現場になった箇所には多数の工事関係者車両が停車状態でドラレコ搭載された車両も多く事故の全容が直ぐに明らかになり、駆け付けた保険会社も過失割合は息子の方が八割ある事は両親も納得した様だ。しかも“スマホ操作ながら運転”の映像もあれば弁護士も介錯せざる得ない、刑事事件になるからだ。
「アウトリガー新品にするんですか?」
「恐らくな……塗装代は除外するさ。社長ならそうするしな」
将は固定する為のチェーンブロックを用意しつつ言う、このラフテレーンクレーンは今回の現場が済めばお色直しをする予定で勤め先の創業時から付き合いがある建機メーカーの営業所に付随されている工場に運ぶ手筈に……当然事故の事は既に連絡済みでアウトリガーユニットも手配済みだ。
「のせちゃいますよ」
彼女はヘルメットを被り直して乗り込む……将も他の社員らと共に誘導する。腕前は本当によい、真っ直ぐ低床トレーラに載せた。直ぐに下りて固定作業を手伝う。
数時間後、将はラフテレーンクレーンの届け先に到着していた。外された後部アウトリガーは誘導車をしていた4t車に載せていたのだ。それを見た建機メーカー社員らは思う。
「おーこれは、これは……災難だったな」
「これも全焼でもしていたら、今頃ここにはいないさ……渕上、少々手が掛かるが車検が切れる前に更新したい。塗装だけでもカツカツになるのは分かっている」
渕上 工はニコっとする、将とは父親の付き合いを介しての腐れ縁の一人であり学生時代に建機の免許を取得した事がきっかけでこの職についた。
「そう言って貰えると嬉しいなぁ、で……玲の様子は?」
「色々とトラブルがあるから少々へこんでいる……」
無論、工もその事は耳に入っており勢い任せて出来てしまった双子の娘と息子を持つ身としては同情したくなる……。
「手を出してきたのは相手側と分かってはいるけどな……彼氏が居なかったら引き籠っていたかもしれん」
「……将も父親なんだな」
「正弘並に空手の腕があると認めざる得ないさ……」
この分だと玲ちゃんの結婚披露宴の際の出し物一つは予想がついた、将の表情は武闘家なのだ。
「塗装の際にある程度は部品を分解するから見て置こうか?」
「助かります」
女性社員オペレーターも心配しているのは稼働年数がある車両なのだ。作業服の上着を脱ぎ劣化した塗装が目立つラフテレーンクレーンを見て言う。
「もうだいぶ経過しているか」
「ええ……私が仕事に復帰した時に新車で来たから。無事故は通したかったけど」
「……事故の状況は把握したが脇見運転で追突って誘導員が巻き込まれていたらゾッとするな」
女性社員オペレーターの背後から抱きしめる男性に彼女はムスッとなる。夫であるがここでは視線が気になるが、事故に逢ったと聞けば……当然だ。
「恥ずかしい」
「事故を聞いて慌てたからな、本当に大丈夫なのか?」
「うん……まだ仕事の最中でしょ?」
「終わらせてきた、病院に行こう……」
「でも、現場に来た救急車の人は大丈夫って言っていたし」
将の方を見ると彼も状況把握したのか言う。
「報告書は転送しているのだろ?もう退勤扱いしているぞ……」
「「仕事速いですね」」
将は家庭を持ったのが急で色々と先輩方に支えられた、出来る事はしたい。
日下部道場の夏の終わりは小学生らの苦悶の声が響く……夏休みの課題と言う名の強敵である。玲もリーナ、隆士は其々の両親の躾の良さと当初からこの様な光景を目の当たりにしたので夏休みの宿題である計算や漢字の副教材は期日まで終わらせていた。
「玲は高校はどうするんだ?」
「兄が通っていた北高に」
三沢市立北高の事だ、共学で商業科と工業科があり、達也は通称南高と呼ばれている三沢市立南高に通学、これは三沢自動車本社工場に関連企業の支社や工場の増加に伴い創立された高校の一つでこちらも工業科がある。
「女子高とか考えてないのか?碧丘女とか」
「無理、学力高い」
戦前まだ炭鉱で栄えていたこの市に創設された碧丘女学校が前身で戦後の教育制度改正により高等学校として改名したのが碧丘女子高であり、日菜子の母校でもある。玲の言う通り三沢市にある高校では学力の高さはトップ3を維持している。最も玲の場合は女性だらけの所では精神面では不安定になるので今の段階では考えては無い……とは言えリーナなら進学する可能性はある。
「浩太、生きている?」
佐枝 真奈美は縁日から声をかける……午前中は就職時に有利になる資格取得の勉強で高校に登校して帰宅、途中で母親からのファミリーLトークで玲に自身のお下がりを渡す事を知ったので何となくだがここに来た訳だ。転校生の橘姉妹が兄と同じ道場に所属している事は知っている。
「真奈姉……浩太ならあの通りです」
綾美の言葉通りに視線の先には座卓に凭れ掛かる浩太、この時期は死屍累々の小学生が多く浩太もその一人だ。
「橘さんらの来ていたんですか?」
「はい」
「こー言うのもボランティア活動になるからって……」
礼も汀は前の高校で経験しているので理解を得ている。
「浩太、中学でも大丈夫かな」
「集中力が無いって言うか……ずっと綾美ちゃんの方見ているんだよね」
汀の表情で真奈美は悟る、自分もよくする表情だ。
「もしかして……意識しているかな?男女の事で」
玲は言うと真奈美は頷く、綾美ちゃんも小学五年生にしては胸が大きい方で一学期の時にこれが発端で浩太がクラスメイトと喧嘩になり相手の保護者と少々揉めた、真奈美も把握しているのは浩太の担任が小学校時代の恩師でもある。この時は偶然別件で来校していた隆士の父親である日下部先生が対処してくれた。以前からからかいが度を過ぎている事を知った途端にその男児の保護者に釘を刺したのである。中学や高校で警察沙汰になる子は大抵小学校から問題がある事が多い、これ以上問題がある児童が増えない事を祈るばかりだ。
「と、なると玲にも意識していると……」
「はい?」
玲はキョトンした声と表情になるが直ぐに達也の言葉を理解した。
「浩太の奴は玲の事は慕っていたしな……」
身近な兄貴の一人って言う感じで浩太にとってみれば憧れの人に近い。彼も性転換症の事は特別授業で把握はしたが玲の事を聞くとやはり大変らしい……特に人との付き合いに変化が生じる。浩太も異性を意識する様になり綾美を初めとする幼馴染らと接していると玲に再会しても大丈夫なのか迷っていた。
「真奈美もバスタオル一枚でうろつくと意識はするさ」
「そうなの?」
真奈美は素っ気なく言うとリーナはジト眼になる。本当にこのスタイルの良さを自覚してないのか……。
「それよりもお腹すいたなぁ」
「カレーライスならあるよ……」
「なんで?」
「自由研究で焚き火で調理してみるって言う子が数人でね……それなら日菜子さんが居るし、ここで出来るからね……」
カレーライスの材料も機材も持ち込みである、流石に直火では危ないと言う判断もあったのか焚き火台があり、万が一に備えて消火器も置いてある。
「味は保証するよ」
阿賀野商店倉庫内部にて保管されていた曰く付きのコーンスターチが入った袋を積み終えた。出発は明日の夕方、八郎がワンオペ運行出来る距離であるが事故遭遇状況次第では粉塵爆発する量だ……しかも遺伝子組み換えトウモロコシを原材料にしたコーンスターチは阿賀野商店の倉庫に保管されていた量は少ない方でトレーラー一台で済んだ、他所は10t車数台……可也の量が持ち込まれていたのは知ってはいたが。
「映像データ複製完了」
「無料じゃ悪いからな」
阿賀野社長は手には箱入り地元銘酒を手に持っており真央に手渡す。運送会社とあって丁寧に保護梱包されている。
「何時もありがとうございます」
「納品を早めてしまった侘びで……」
阿賀野商店のカーテンサイダートレーラーの切り上げ納品になったが電飾で真央の祖父と父親は色々と資料を揃えて検討している最中で煮詰まっていたので丁度良いタイミングだ。
「旦那さんはもう直ぐ来るのか……」
「はい、引き取りの新製品もあるので……」
真央は数年前に結婚している……夫の 瀬河 進一は真央の過去を知った上で妻として迎え入れた。進一の両親は当初は困惑したが過去の交際相手は何れも結婚に踏み切れずに別れた経緯がある。職業がネックになっているが真一は高卒枠で就職した会社にて派閥争いに巻き込まれ婚約寸前の交際相手にも危険が及び別れた……進一も逃げる様に退職し今の会社に就職、それが雅屋である。普通免許のみだったが職場環境を見て自身も準中型/中型解除、同時期に真央も大型貨物の解除を目指していたので同じ自動車教習所に通学していた事で接近……自然と交際して結婚に至るのは当たり前で彼の両親も承諾した。
「まぁ、進一さんもすっかり慣れたなぁ」
「あの人はオフィスワークよりも運転が好きなんですよ……」
一昨年には大型と牽引免許を解除しておりカーテンサイダートレーラーの納車も彼の仕事によるモノだ。
「で……要望とかあります?」
マーカーのカタログを数冊出す辺りは流石と言うべきだろう。敢えて冊子形態にしているのは顧客の多くが電子端末を苦手な方が多いのだ。それ故に真央が持つ鞄は常に大きいサイズだ。
「おっ、来たぞ旦那が」
真央は一礼して倉庫の外へと出ると一台の大型トレーラートラックが停車していた。新品のセミローローダーだ。確かドイツ製の建機搭載用である。
「買ったのか……」
「はい、大型ダンプなら積載出来るって言いました」
自走不可と言う状態になっても珍しくない。阿賀野社長も年に数回は同業者から聞く話だ。真央を見送る三人は思う……彼女には幸せになって欲しいのだ。
翌日、今日も夏休みの課題追い込みをかけたい小学生とその保護者らの姿を日下部道場で見られた。今日も浩太は追い込みの最中、これでも一年生の時には全くされてなかったと言う事を思えば今日中に終わるのは進歩とも言える。
「……すごく、ギャルっぽいって言うか」
「うん、友人と付き合いで買っていくうちにね」
露出度が凄いと言うのが玲にも分かる。これはコーディネイトが難しい……父も兄も少々堅苦しいからなぁ。段ボール満載された衣類を抱えて来た真奈美も中学生だった時の自分の派手さは今では恥ずかしい。確か中学二年生の春辺りから胸が目立ち始めており友人の一人と共に強姦未遂になった時にはここの道場の門下生らが駆け付けて大乱闘……警察官が来た時には不届き者は全員戦意損失、この後は加害者側の雇用先や学校やら保護者や真奈美が通う中学校側やらの後処理がウンザリする程長引いた。それ以来シックな服装に心がける様になった。
「玲ちゃんなら空手もしているから着ても平気かな~って思ったけど」
「コーディネイト次第ならイケるわね」
リーナは一着を手にして言う……あんまり子供ぽい服装じゃ宗介も苦労する場面もありそうだ。かと言って堅苦しいのも、また困る事もある。
「日菜子さんがお嬢様だったからこの手の服装には無縁だったし」
リーナの言う通りで大学時代の写真を見ると大人びた感じでよもや学生結婚するとは思いもしなかった。
「そうね……」
この場に居た日菜子も納得する、玲はこの前までは息子だったのだ。
数時間後、越智運送の先代社長であり越智 雷蔵が一ノ瀬家に来た。玲の事は会社経営を譲った次男坊の忠弘から聞いた通りであり苦笑するしかない。玲も彼の事はイベントで毎回逢うので顔見知りである。今回もイベントの打ち合わせで一ノ瀬運輸を訪れた序にあの一件の報告の為に来たのである。引退こそしたが趣味車のデコトラを乗り回すダンディな御方である。
「雷蔵さん、御無沙汰してます」
「忠弘から聞いた時には驚いたのぉ……玲に絡んで来た連中は全員警察が補導若しくは逮捕……ただ一人が逃走中に大事故起こした」
「伯父さんから聞いてます、腕を切断したって」
「電柱を支えるワイヤーにな……病院に担ぎ込まれて接合手術はしてリハビリ。その間に逮捕されたがね……」
「……」
「警察の追跡も問題はなく、玲ちゃんと同行者の方も正当防衛が認めれらた……」
それでも玲の顔は不安げになる。雷蔵の長女は夫が警察病院勤務の医者であるので情報がある程度得られている。更にこの事故は雷蔵が住む地元のワルらにとっても相当デカい話題であるので話題に事欠かせないようだ……。
「それにアイツラの背後には半グレも見え隠れしていて、違法AV撮影もしていた……被害者が加害者になっていた事もあり、その一人が別の半グレに所属する友人を巻き込ん事で抗争になりかけていた」
リビングにて雷蔵は出された麦茶を飲み玲に説明した、宗介と玲に絡んで来た暴走族連中の中には半グレも含まれていたので警察にとってみれば渡りに船、しかも抗争寸前と言う緊迫感が漂っていた所でガサ入れする口実が出来たのだ。雷蔵は隣に座る女性に視線を送り言う。同行してきた方でずっと無口、髪は染め目付きは鋭い。
「彼女は杉家 八代(すぎいえ やちよ)で越智運輸の社員、同時に弟が加害者の一人で腕の切断事故を起こした奴の友人でもある」
「あっ……」
玲はハッとするが彼女は言う。表情も口調もキツいが誠意はある。
「謝る事は無いわ……あのバカは昔から他人様に迷惑かけて来たし。今回の一件で矯正施設送りになるわね、弟も一緒に」
彼女も口調から弟が性犯罪を幾度も重ねた一人と分かる。未成年者性犯罪の場合は初犯でも罪状が酷ければ送致、しかし施設内にて中学と高校に該当するカリキュラムがあり運が良ければ18歳の春にはシャバに帰還出来るが引き続き刑務所に収監される場合も珍しくない。これには他の刑罰の懲役や更生の進捗が進んでないと言う判断からだ。
「……刑期が終れば身元を引き取れるかは本人次第って言う事ですか?」
「そう簡単に縁が切れる訳でもないからのぉ……例え本人は嫌がっても寄って来る、受け入れ先が見つからないか、自身で立ち直れないか……」
雷蔵も更生しきれずに再犯した知人を幾人か知っているのだ。その多くが更生支援が不十分で経済的困窮の末の犯行に及んだと言う。この辺りは性転換症発症者でも不遇世代は学歴から就職出来るのが限られ終いには犯罪に手に染めた者と同じ事だ。支援するにも社会に理解して貰えない現状もあるのだ。
「報復とかは出ない様にしている訳ね」
「一ノ瀬社長と会長の武勇伝は知れ渡っているからな……玲さんは大人しい方よね……確か番長らを叩きのめしたって聞いたけど」
「発症前に……」
玲は細かく説明すると二人とも納得した表情になる。祖父も伯父も父親も兄と同じ血筋だ。
程なくして雷蔵と八代は一ノ瀬家を後にした、玲のスマホには雷蔵の連絡先が登録されている。宗介と玲に絡んで来た面々が出所後に報復する可能性もあるのだ……玲のスマホに表示された写真を日菜子が見た。
「現役の子が井川 保って言う子?」
「そう、越知社長が通っていた高校が同じ言う事もあってね……橘さんが言うには……」
説明する、玲。これは宗介が名刺交換したので彼経由の情報、越知社長も自動車好きでミサワハイライダーRLが愛車であるのも知った。
「ふぅん、なるほど……今は大人しくなりつつあるわけね」
日菜子は納得した表情になる。玲と宗介に絡んで来た暴走族と半グレらは全員警察のお縄になり芋蔓式の様に他の容疑での逮捕や補導でその日居なかった面々も検挙されたと言う。可也の大捕り物で騒然となった様だ。
「……そうか、玲も気にしていたから直に話した方がな」
「将さんにそういって貰えると気が楽になるよ、本当にあの時色々と考えが頭巡ったぞ、よくあんな連中をK.Oで済ませたな」
「空手がメインだが少々柔道もな、門下生に警察や軍で飯食っている面々も居てな……」
将の言葉に越知 忠人は苦笑するしかない……そして顔付が変わる。
「連中の背後には別の半グレが居る、どうも玲の姿を写真で送ったらしくな」
「ほお」
将の顔が険しくなる、この辺りは兄と変わらない。
「最もこいつも指名手配をうけている……」
「警察のか?」
「裏の業界からもな……よくある話さ、コルク帽狩して獲物の一人に対立していた奴がいてな……他にも女と金でトラブル起こしていたから手配されている」
将も呆れるが余程恨みを買っているのだろう。裏の業界での手配書なら将も閲覧した事がある。あれは裏切者を探す際にも活用されているからなぁ……。
「それにしても……中々進みませんね」
「……手順が悪過ぎるのだろ」
二人とも敷地内にある新築された隣県某市公共施設にある駐車場にて待機している、将はラフテレーンクレーンの陸送依頼であるがそのラフテレーンクレーンが来ない、忠弘も荷物を運んできたがその荷物受け取りの方が多忙であり職場同僚の方が来る事になり目途は立った。別にこの二人だけじゃない……他に四台程中型トラックが駐車しており荷下ろしの順番待ちなのだ。
「おっ、連絡が来たぞ。下せるな」
忠弘はスマホを通話モードにしつつ愛車に乗り込む……如何にか運んできた荷物は下せそうだ。将はスマホを手に取ると通話モードに……因みにハンズフリーにしている。
「-今からそちらに向かいます!ー」
「そうか、どうなんだ?」
「ー相手が納得してないです、先程公務執行妨害で手錠されましたー」
将が話しているのはラフテレーンクレーンのオペレーターであり性転換症発症者だ……年齢を知れば分かるが不遇世代であり彼女も夜間中学高校卒と苦労人、最も性別変更を裁判長が認めなかったら夜の蝶かアンダーグランドの世界の住民に……。将は今のご時世の時に玲が発症してくれただけでもマシと思っている。
「損傷は?」
「-本社には送信してますが、後部アウトリガーユニット総取り換えと……課長ー」
将は事故状況を聞いてやはりと確信した。作業現場では積み込みが出来ないのでラフテレーンクレーンをこの駐車場で積めるように手配したのだが公道に出た途端に自動車に追突、無論工事現場なので誘導員も居たのだが相手方はスマホを見ており気が付いた時には衝突した後である。誘導員も笛を吹きつつも誘導灯を振ったが気が付かずだ、これはラフテレーンクレーン搭載の後方確認カメラや誘導員が装着していたカメラでも確認出来た。追突した弾みで発火するも最寄りに消火器が多数ある状況で迅速な消火に成功……しかしながらもドライバーと同乗者がラフテレーンクレーンオペレーターに詰め寄り押し問答、そこに将とは同期の男性社員の怒りに触れ警察が割って入り、同期男性社員は直ぐに引き下がったが相手側のドライバーは暴れ遂には公務執行妨害現行犯逮捕劇に。とりあえずはドライバーの御両親が対応する事になるからよいが……。
「おっ、きたきた……」
応急処置して自走してきたラフテレーンクレーンが見えた……作業時に転倒防止の為の後部アウトリガーは凹み誘導車の四t車に載せられておりこれは丸ごと取り換えだろう。建機を陸送する仕事をしていると自然と分かる。将は歩み板を操作してスロープを形成、クローラータイプでもブルドーザーやバックホウ系はタイヤでも噛ませば載せられるがホイール型建機も多く扱うので歩み板は必須だ。積み込みをする為に一端降りて来たオペレーターの表情は冴えない。
「一ノ瀬さん、本当に申し訳ないです」
「気にするな……ながら運転する方は悪い、アウトリガー丸ごと取り換えで済んだだけでも有難く思うさ」
確かに全焼になれば保険があるとは言え痛い、しかもこちらは誘導員に従って公道に出た所で諸突されたのだ。変にハンドルを切ればどんな事になっていたか。
「はい……」
「ラフテレーンクレーンは視界が限られるからな……」
これも陸送が生じる要因の一つだ。構造上クレーンのメインブーム横に運転席があるので市内を移動するだけでも大変な事になるのも多々ある。更に長距離移動になると高速道路が通行できないので県外になると陸送を使う。
「相手側の両親が交渉するって言うから、手回しがよいな」
「現場に居合わせた方が連絡して駆け付けた時には息子さんは連行されてましたけどね」
何よりも事故現場になった箇所には多数の工事関係者車両が停車状態でドラレコ搭載された車両も多く事故の全容が直ぐに明らかになり、駆け付けた保険会社も過失割合は息子の方が八割ある事は両親も納得した様だ。しかも“スマホ操作ながら運転”の映像もあれば弁護士も介錯せざる得ない、刑事事件になるからだ。
「アウトリガー新品にするんですか?」
「恐らくな……塗装代は除外するさ。社長ならそうするしな」
将は固定する為のチェーンブロックを用意しつつ言う、このラフテレーンクレーンは今回の現場が済めばお色直しをする予定で勤め先の創業時から付き合いがある建機メーカーの営業所に付随されている工場に運ぶ手筈に……当然事故の事は既に連絡済みでアウトリガーユニットも手配済みだ。
「のせちゃいますよ」
彼女はヘルメットを被り直して乗り込む……将も他の社員らと共に誘導する。腕前は本当によい、真っ直ぐ低床トレーラに載せた。直ぐに下りて固定作業を手伝う。
数時間後、将はラフテレーンクレーンの届け先に到着していた。外された後部アウトリガーは誘導車をしていた4t車に載せていたのだ。それを見た建機メーカー社員らは思う。
「おーこれは、これは……災難だったな」
「これも全焼でもしていたら、今頃ここにはいないさ……渕上、少々手が掛かるが車検が切れる前に更新したい。塗装だけでもカツカツになるのは分かっている」
渕上 工はニコっとする、将とは父親の付き合いを介しての腐れ縁の一人であり学生時代に建機の免許を取得した事がきっかけでこの職についた。
「そう言って貰えると嬉しいなぁ、で……玲の様子は?」
「色々とトラブルがあるから少々へこんでいる……」
無論、工もその事は耳に入っており勢い任せて出来てしまった双子の娘と息子を持つ身としては同情したくなる……。
「手を出してきたのは相手側と分かってはいるけどな……彼氏が居なかったら引き籠っていたかもしれん」
「……将も父親なんだな」
「正弘並に空手の腕があると認めざる得ないさ……」
この分だと玲ちゃんの結婚披露宴の際の出し物一つは予想がついた、将の表情は武闘家なのだ。
「塗装の際にある程度は部品を分解するから見て置こうか?」
「助かります」
女性社員オペレーターも心配しているのは稼働年数がある車両なのだ。作業服の上着を脱ぎ劣化した塗装が目立つラフテレーンクレーンを見て言う。
「もうだいぶ経過しているか」
「ええ……私が仕事に復帰した時に新車で来たから。無事故は通したかったけど」
「……事故の状況は把握したが脇見運転で追突って誘導員が巻き込まれていたらゾッとするな」
女性社員オペレーターの背後から抱きしめる男性に彼女はムスッとなる。夫であるがここでは視線が気になるが、事故に逢ったと聞けば……当然だ。
「恥ずかしい」
「事故を聞いて慌てたからな、本当に大丈夫なのか?」
「うん……まだ仕事の最中でしょ?」
「終わらせてきた、病院に行こう……」
「でも、現場に来た救急車の人は大丈夫って言っていたし」
将の方を見ると彼も状況把握したのか言う。
「報告書は転送しているのだろ?もう退勤扱いしているぞ……」
「「仕事速いですね」」
将は家庭を持ったのが急で色々と先輩方に支えられた、出来る事はしたい。
TS調教施設 ~調教エロバニースーツで変態女にされちゃいました~ ※レビュー追加
2022Q1おかし製作所FANZA販売数47位
TS調教施設 ~調教エロバニースーツで変態女にされちゃいました~ FANZA版
TS調教施設 ~調教エロバニースーツで変態女にされちゃいました~ DLsite版
あひるカモさんからレビュー頂きました!
「捕虜として捕まった主人公:ルカルの前に現れた女性のハク(前作でTS+快楽調教された、ルカルの部下)の魔の手によって淫乱な女性に調教されていく作品です。TS+レズプレイモノということで2作目から先に買ったのですが、あらすじ等が充実していて問題なく読めました。
主人公は軍人としてのプライドが高く、抗いながらも女性の快楽を強制され、身も心も落ちていく様は見物です。胸の大きさがナノマシンの浸食度合いと比例しているという設定もあり、仕草や口調、心理面の変化に加えて読み進めていく中での変化の楽しみもありました。」

TS調教施設 ~調教エロバニースーツで変態女にされちゃいました~ FANZA版
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【販売2周年】おっぱい星人の異世界転生〜美少女エルフの育乳破滅物語〜 ※レビュー追加
おっぱい星人の異世界転生〜美少女エルフの育乳破滅物語〜
ばいらすさんからレビュー頂きました!
「タイトル通りおっぱい大好きな主人公が事故で死んでしまい異世界でエルフとしてTS転生してしまう内容です。
基本的に突如そんな前世の記憶が戻ったものの基本的には女性として振る舞い、ほんの少し男としての意識が混じってしまう程度なのでTSモノとしては痒い所に手が届かず惜しいと感じました。
しかしながら絶頂を迎えるたびに胸が大きくなっていくという膨乳モノとTS転生を織り交ぜようとする点はなかなか面白く膨乳や奇乳化モノとしては十分すぎるほど良く、作者の胸へのこだわりをひしひしと感じられる作品になっているのでそちらメインで買って多少TS要素がおまけで付いている事の両方を楽しめる方にはとてもおすすめできる一作だと思います。」
ばいらすさんからレビュー頂きました!
「タイトル通りおっぱい大好きな主人公が事故で死んでしまい異世界でエルフとしてTS転生してしまう内容です。
基本的に突如そんな前世の記憶が戻ったものの基本的には女性として振る舞い、ほんの少し男としての意識が混じってしまう程度なのでTSモノとしては痒い所に手が届かず惜しいと感じました。
しかしながら絶頂を迎えるたびに胸が大きくなっていくという膨乳モノとTS転生を織り交ぜようとする点はなかなか面白く膨乳や奇乳化モノとしては十分すぎるほど良く、作者の胸へのこだわりをひしひしと感じられる作品になっているのでそちらメインで買って多少TS要素がおまけで付いている事の両方を楽しめる方にはとてもおすすめできる一作だと思います。」

【販売4周年&五千DL突破】最強の正義のヒーローは鏡の中では最弱の怪人 ※レビュー追加×2
2019Q4おかし製作所DMM販売数2位
なまむぎさんからレビュー頂きました!
「ヒーローTS弱体化悪落ちものです。この手の作品のお約束である、TSしたヒーローたちに向けて放たれる敵の言葉責めがグッド。 また、敵怪人は対象の全てを反転させる能力を持つため、ただTSして弱体化するばかりでなく、性格なども反転しているのもギャップを生む素晴らしい設定です。本来なら勇敢であったり、仲間想いであったりするはずのヒーローたちが、臆病になったり仲間を見捨てようとしたりするようになってしまい、個人的にとてもツボでした。」
ばいらすさんからレビュー頂きました!
「タイトル通りヒーロー三人組がすべて反転してしまう鏡の世界へとおびき出され、性別が反転した上見習い女怪人にされてしまう内容で、それぞれヒーローに変身した姿と女性化した姿しか出てきておらず、元の男だった頃の姿がどんなものかは描写されてはいないのですが、怪人以外はすべてが反転する鏡の世界という事で女性化した姿が全員わかりやすいキャラクターデザインになっているので元の姿がどの様な物だったかを間接的に窺い知ることが出来るようになっているのは巧いなと感じました。 内容も女性化させられた上強制的に恥ずかしいボディースーツを着せられ精神まで悪に反転してしまう様はとても良かったです。」


最強の正義のヒーローは鏡の中では最弱の怪人 FANZA版
最強の正義のヒーローは鏡の中では最弱の怪人 DLsitecom版
なまむぎさんからレビュー頂きました!
「ヒーローTS弱体化悪落ちものです。この手の作品のお約束である、TSしたヒーローたちに向けて放たれる敵の言葉責めがグッド。 また、敵怪人は対象の全てを反転させる能力を持つため、ただTSして弱体化するばかりでなく、性格なども反転しているのもギャップを生む素晴らしい設定です。本来なら勇敢であったり、仲間想いであったりするはずのヒーローたちが、臆病になったり仲間を見捨てようとしたりするようになってしまい、個人的にとてもツボでした。」
ばいらすさんからレビュー頂きました!
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