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勇者と魔王の嫁入り修行(その12) by.DEKOI

さて、さくっと流れた第1試合(結果:ルゲイズの反則負け)。
続いての第2試合は裁縫勝負。正確には衣装作りであるのだが、その内容がまたややこしい物であった。


ベッケンハイム城に一室。彼女達専用に割り当てられた部屋にルゲイズとヴァンデルオンはいた。
そんな中、ルゲイズは頭を両手で抱えていた。頭が痛いのではない、先ほど性極ロリ皇女から告げられた裁縫勝負の内容があまりにロクでもなかったからである。

「どうすんだよこれ・・・。」
「いやまさか、あんな事を言ってくるとは思わなかったなぁ。」

頭を抱えてうずくまる友人の姿にヴァンデルオンは苦笑を浮かべるしかなかった。


この試合を取り仕切るロリ皇女様が言った勝負の内容を列挙するとこうなる。


1:作るのは衣装を1品。
2:衣装の内容は『対戦相手が似合う服装』であること。
3:勝敗は城下町にある一番デカイ劇場で一般客3000人の前に服を着ている姿を見せ、投票で決める。


要するに、ルゲイズ側はこれから『宿敵ウィルが作った服を着て人前に出て視姦された挙句に褒められたら負け』という外見は白い生物に「訳が分からないよ」と言われてもおかしくない事をしなければならないのだ。
はっきり言って赤っ恥をかく以外、何ものでもない。幾ら男に戻る為とはいえ、プライドが高い(金銭関係は除く)ルゲイズには耐え難い行為であった。

「いっその事、女王として生きた方がましな気がしてきた・・・」
「そうか、じゃあ早速一発やらないk」
「前言撤回。何としても男に戻らないとな!」

諦めの境地に達しようとしていたルゲイズだが、親友ヴァンデルオンの煩悩たれ流しの発言を聞いて我に返った。そんなルゲイズをヴァンデルオンはニヤニヤとした笑みを浮かべながら見ている。しかし見る者が見れば、その目は笑っていない事に気づいただろう。

「それはともかく。君は1回目の試合に負けている。しかも殆ど自爆と言っていい状態だ。」
「むう、あれは向こうの試合運びに翻弄されただけで・・・。」

憮然とした表情を浮かべるルゲイズに、ヴァンデルオンはため息をついた。その行為には明らかにあきれ返った様な雰囲気が含まれている。

「しかし負けは負けだ。そして次の勝負で君が負けると向こうの勝ちは確定した挙句に、勇者ウィルに君は嫁がなくてはならなくなる。」
「そういやそうだった・・・。それはシャレになってないぞ・・・。」

げんなりとした表情を浮かべるルゲイズ。その直後にある画面が頭の中に勝手に形成されていく。


白を基調とした教会の中央に赤く縦に長い絨毯がひかれている。
その上を白いタキシードを着た男が歩いていく。その横をヴェール被り豪奢なウェディングを着た女性が歩いていく。
神父の前に静かに並び立つ2人。神父の契りの宣言に対し、迷う事なく誓いを立てる。
そして男が女のヴェールを持ち上げる。ヴェールの下から現れた顔は――――ルゲイズ。
2人は強く抱きしめあい、互いの顔が近づけていく。男の顔―――ウィルの顔が近づいてくるにつれ、ルゲイズの鼓動が心地よく高鳴る。
それが起きる直前、ルゲイズは目を閉じると僅かにはにかみながらウィルの唇に自分の唇を重ね――――


「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛ーーーーー!!!!」

自分で勝手に作り出した妄想に、ルゲイズは総毛立たせると反射的に壁にガンガンと頭を打ち付け始めた。
そんなルゲイズの醜態をヴァンデルオンは何をやっているんだか、といった感のある呆れ顔で見るのであった。



「さて、・・・どーしよう。」

ルゲイズの自傷行為からしばらく続いた後、額にバッテン印のバンドエイドを貼ったルゲイズは再び頭を抱え始めた。
3週間の特訓によって貧乏臭い服しか作れないという致命的な弱点は克服できたが、だからといって豪奢な服は作れるようになったかというとそんな事はなく、ごくごく一般的な服が何とか作れるのがやっとである。
そして勝負の内容も「自分が着る」事を想定していた為、自分が似合いそうなよく言えばシックな、一般的には地味な色彩の服を作る特訓をしていたのだが。

「ウィルのを作れってのか・・・全く想定していなかったぞ・・・。」

よりにもよって、対戦相手の服を作る事になるとは。予想の斜め上の展開に、段々物理的に頭が痛くなってきているルゲイズであった。


一方その頃、ルゲイズ以上に女性化が馴染んできているウィルの方も悩んでいた。

「まいった。ルゲイズの服を作れって言われてもなあ。」

こちらも対戦相手の服を作る事に困惑しているようだ。

「体型よく分からないから作りようが無いんだよねぇ。」

そうでもなかったようだ。

「ルーちゃんの事だから、地味系の服が似合う気がするけどさ。」

ルーちゃんって誰だ。ルーちゃんって。

「人前に出るんだからここはやっぱり、派手な方がいいと思うんだよね。」

あ。底意地の悪そうな笑みを満面に浮かべてる。

「ここは一発ド派手で露出もばっちりな衣装を作って、着てもらおう!」

そう言うとウィルはあっさりと衣装作りに取り掛かるのであった。ウィルは「考えるより先に行動」タイプな人間であるため、悩みという言葉とは基本的に無縁なのである。

「胸は結構大きいから南半球は見せないとね。太ももも綺麗そうだし、腰までスリットを切り込んで。あと背中は7割以上見せるようにして。袖もなくしてワキも見せて。えーっとそれから・・・・」

とまあそんな感じで、ルゲイズが聞いていたら「これ以上は止めて」と泣きながら懇願しそうな言葉を連発しながら服の設計図を描きだすウィル。
そう、ウィルが書いているのは言い間違いではなく設計図である。
何故ならば服は基本的に肌の露出を隠す物。故に露出率が98%超えてそうな物を「服」とは言わない。普通そう言うのを布切れと言うのだ。


だがしかし、ウィルも一応勇者と言われた存在。一般的な良識は持ち合わせているのである、不可思議な事であるが。
ノリノリで設計図を描いていたがふと我に返り、設計図を真面目な顔で見直し始める。

「これはないな。」

そう低く呟くと設計図を丸めてゴミ捨てに捨て、今度こそデザイン画を書き始めるのであった。

ちなみに描かれていたのは「何かもー全裸の方がマシでね?」といった感じの、えらく作るのが簡単そうなV字で構成された布の切れ端を着たルゲイズの姿だったのだが、詳しい描画は彼女の人権の為に伏せておくとする。「どの位隠れていた」のかは各自の想像に任せるとしよう。


一方その頃、世間一般から痴女呼ばわりされる危機を知らぬうちに避けたルゲイズは。

「うーん、真面目にどうしようか。」

と言いつつ過去に異世界から流れてきたという服のデザイン集を読んでいた。
ちなみにその本の題名は「全国お嬢様系セーラ服大全」。

・・・どうもこちらもロクでもない服が作り上げる気がしてならないのであった。

<つづく>

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DEKOIさんをネトゲの世界から救い出すために応援コメントヨロシクです。

再開していたなんて感激です!

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