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これが高校生とは思えない (一話目) by.西郷

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僕の友達の石花 冬(イシバナ トウ)は天才発明家だ。もはや科学よりは魔法に近いものを発明する。
しかし、発明するものは必ずと言っていいほど、某青いタヌキ型ロボットが出てくるアニメの道具とそっくりである。
あのアニメを元にしているので殆どそっくりなものが出来上がる。しかし、能力も一緒なのであのアニメを知らない人しかすごいとは思わない。そもそもそんな発明が出来ること自体がすごいのだが…
問題点は、いつも途中で壊れてしまうということである。設計図なしのその場での思いつきで作るらしい。

そのトウが今回作ってきたものは、セットした絵を実際に写せるというカメラ。本当にどういう原理で成り立っているのかは分からないが、別に服や建物の見た目を変えるだけなんて冴えないと思う。

僕たちはトウが新たに作ったと聞いて、僕の家でお披露目会することになった。毎度のことで僕の家だ。親もとを離れて一人暮らししているからだろうか?

その僕が高校で入った部活は軽音部。ギターをしてみたいと思っていたので入部した。今いる部の先輩たちの人数は4人で、去年は僕ともう一人、高橋 開(タカハシ カイ)が入部した。カイはイタリアと日本のハーフで僕と同じく親もとを離れて友達がまだ作れていなかったらしい。童顔で金髪だったから、僕から見て、友達なんてすぐに出来ると思っていた。
顔と同じで優しい性格の持ち主である。僕とカイは友達になった。

そのカイが仲良くなったのは僕の他に青野 美香(アオノ ミカ)という女子生徒である。彼女は科学部で、その部長がトウである。現在の科学部は部員二人。部活は新しく作ることができないらしく、そしてなくなることもない学校で、科学部は去年まで誰もいなかったらしいが二人は入った。ミカの入った理由は、自由に使えるから。トウの入った理由は研究する場所として最適だから。

ミカとカイが企画して、部活の一年同士で集まることになって僕たちは知り合った。それが去年のことである。
今ミカとカイは付き合っている。だからといって僕たちは友達のままである。いつも遊ぶときは4人。

話は戻るが、トウのカメラはまだ試作途中で、回数制限があるらしい。珍しいことに今回は完璧な作品を作るつもりのようだ。
道具の説明のときにだけ、ミカは話を聞いていた。
最初だけはまじめに聞いている。
カメラは制限回数を超えると元のものには戻せなくなるらしい。つまり、家を煌びやかにしてしまうと、その状態から戻せず恥ずかしい思いをしてしまうということだ。
しかし、回数制限が残っているときにパソコンに繋いでデータをリセットすると直るらしいが、ミカはめんどくさがりでこの話のときには聞いてなく、一人はしゃいでいた。
正直なところ、トウもめんどくさがりで設計図は頭の中にあると言って、今までで同じ制作をしたことがない。そのトウが一つの作品に固執し始めたということは、何処かに公表するのかもしれない。
今まで何回も出した後、その返ってきたものを僕らに見せてきた。それで落ちたんだなということは理解出来ていたが、今回先に僕たちに試させるということは、本気ということだ。

ひとまずトウの説明が終わると、ミカは早速トウからカメラを奪い、眺めたあと、黙々と絵を描き始めた。

美香の絵はとても上手い。物を一度見てそれを描かせると、ずっとみていたのではないかという具合に影のつくりまでそっくりなのである。そして早い。
ミカはすぐに一つ描き終えるとそれをカメラにセットして誰もいない方を向く。そしてシャッターを押す。すると一瞬にして僕の部屋の壁が変わっていく。
カメラの能力を試すのはいいけど、僕の部屋なんだからそういうのはやめてくれないか?
そんな祈りはミカには届かず完全に面白がっていた。

そして、あのカメラの能力が本物だということを確認すると、また机に向かい絵を描き始める。
僕のとなりでカイが
「はぁ、このくらいにミカちゃんは勉強熱心だといいんだけどなぁ」
と、呟いているが間違いなくミカには聞こえてない。

30分くらいすると、僕らは完全にミカの作業の存在を忘れていたからミカがやったぁ、と大声で叫んだときはびっくりした。
ポテトチップスを食べていたから、僕は喉に詰まりそうだった。
そしてハイッ、とカメラをカイに渡す。これを撮ってということなんだろう。カイもそう思ったようだ。カイはシャッターをミカに向けて押す。すると、ミカの服装と髪型が変わる。ド派手なドレスに身を包んだ彼女は、子どものようにはしゃいで、それにギャップがありすぎる。
こんな格好がしたかったのか、こいつは。と思ってしまった。

ミカはカイからカメラを取り、今度はカイにカメラを向ける。さっきからずっと思っていたがライトの光が強すぎる。離れて見ている側でも眩しくて目を閉じてしまう。

カイの服がタキシードに変わる。カイは驚いていたが、ミカはカイと腕組みをしてうんうんとうなづいている。
使っていいのは4回。あと二回か。トウもそのことをかんがえているはずだ。

ミカは今度、床に向けてシャッターを押した。しかし、床には何も起こらない。カイがミカに何をしたかったのか耳元で聞いている。
ミカは小声で話していたから聞こえなかった。だが、カイが苦笑いをするということは、どうでもいいことを思いついたんだろう。
つまり、何も床に起きなかったということは、物の質量は変えられないということだ。模様にしたのでなければ。

今度は僕に向けシャッターを押す。やはりカメラで目を開けているのは無理か、瞬きしてしまった。

一瞬にして視界で捉えている景色が変わった。

足とドレスが見えていた。顔を上に持ち上げてみると、その顔はミカとカイだった。瞬時に自分に起こったことを理解した。
ミカの顔には喜びが満ちている。
今度は自分の手を見る。服が変わっている。しかも女ものだ。そして、とても手がきれいになって男のものとは思えない。今度は下を見る。ワイシャツを着ていて、ズボンを履いている姿はもうない。
スカートを履いて、細い足に白いニーソを着けていた。これだけで、もう男ではない方の確信が強くなっている。しかし、胸はない。ということは女装させられているだけかもしれないという可能性もあった。すでにその可能性は捨てていたが…
スカートを自分でめくり、確かめる。少しカイたちの視線が気になったのだが、自分の方が気になる。
どうやらないようだ… 叫んだりはしない。マンガとかではそういうお約束が見られるが、僕はそういう感覚よりも、落ち込んだ気分の方が勝っていた。

しかし、回数は4回。次さえ使わなければ僕は戻れるということになる。少しは希望が見えてきた。
だが、ミカのことだ、絶対に使うだろう。その前に止めなければ。
僕が動く前にトウが止めに入っていた。
「おいミカ、そろそろ俺に返せ。早く完成させて来たいんだ。それにな海如ももど」
いいじゃないあと少しくらい。それにもう完成してるんじゃない?これ」
「ダメなんだ、まだ完全な設計図を立ててないから壊れたときに作り直すことができなくなる」
「それこそいいじゃない、こんな夢のような道具は公表しちゃだめよ」

そこに
「ちょっと待ったぁーー」
と、カイが止めに入る。彼は争いごとが嫌いな性分だった。
「ミカちゃんもトウくんもケンカを止めないと僕、絶好するよ?」
その言葉が効いたようで、二人は黙ってしまう。
「じゃあミカちゃん、トウくんに返すよね?」
「……はい…」

不満そうにミカはトウにカメラを渡す。しかし、トウがカメラを持ったところが悪くカメラを床に落としてしまう。


「本当にすまなかった、ミゴト」

紹介が遅れたが、僕の名前は今野 海如(コンノ ミゴト)という珍しい名前だと自分では思っている。
そんなことは今は必要ないと思っているが。

今野 海如
キャラクターイラスト.壱河 剣 http://pinknekolovedoll.blog106.fc2.com/

「大丈夫。ミスなんてあるよ。気にしないでいいよ」

全然大丈夫ではないのだが、トウを心配させるわけにもいかないため、言ってはおいた。

「そうか… ありがたい。少なくとも詫びとして何かあとでする
それにしても、俺が持ってこなければ良かったんだな」

今は冬休みが始まったばかりで、それで発表のために僕の家に集まったのだった。

「じゃあトウくんは、ミゴトくんを戻せる道具を作ってね」
「あぁ、努力する」

そこにミカも帰ってきた。
「はぁ、はぁ、疲れたぁ。親に言ったらさぁ、お前友達いたの?とか言われちゃったよ」

「じゃあそろそろ帰ろっか。ミカちゃん、ミゴトくんのことよろしく」
「うん、分かったぁ。じゃあねー」

そう言ってミカはカイとトウに手を振り見送った。
ミカは罰として女になってしまった僕の手伝いを一日することになったのだ。
今帰ってきたのは、買い物で子供用の下着や服を買い揃えてきたからだった。

見送りが終わったあと、ミカの表情がいきなり変わる。

…なんか、いやらしい……

「じゃあミゴトくん、いや、ミゴトちゃん、お風呂に入りましょうねぇ」
と、園児に接する保育士みたいな態度をとってこっちに向かってきた。
もうだめだ、こいつ。ただの変態にしか見えん。

「いや、だってまだ時間的に早いし」

抵抗するが相手はどんどん近づいてくる。こんなやつでもこっちが小さくなるだけですごく大きい存在に見える。

僕は逃げるという選択肢にした。というか逃げないと僕の身の危険を感じるからだ。

しょうがない、あれを使うか…
という選択肢まで現れたので僕はリビングに逃げた。
僕はソファの下に隠しておいたスタンガンをミカに浴びせる。
ビリビリと音を立ててミカを襲い、倒れた。

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