fc2ブログ

Latest Entries

「都市伝説の小島」 ~ ♂殖栗 玉造シリーズ♀ ~       by   ありす

 都内某所にある、駅近くの公園の大きな池の中ほどには、小島があった。
 しかし、そこに祀られている神様は、大変に嫉妬深く、しかも気まぐれで、もしカップルでボートに乗り、その小島に上陸しようものなら、二人は破局するという噂があった。

 その小島に、深夜ひっそりと上陸した影があった。

 「ここなら不用意に、近づく人はいないでしょう。まったく、妙なものが手に入ったものです」

 そういいながらメタボ体形の男は、島の中央にあった小さな社の中に、小包を納めた。

「これで安心です。私のようなものはともかく普通の人間が近づこうものなら、何が起こるかまったく予測がつきません。ま、せいぜい入れ替わりとか姿かたちが変わるとか、命に別状は無いでしょうが、いずれにしろ私の商品とするには、ちょっと手に負えませんからね」

 メタボ男は社の扉を閉じ、周囲を用心深く警戒してから、島を去った。

-------------------------------------------------------
Phase 1.

 休日の昼下がり、貧乏な二人はどこへ行くでもなく、テレビを見ていた。
 テレビでは、タウン情報番組をやっていて、アパートの近くにある公園を紹介していた。

「なぁハルカ、行ってみようぜ?」
「どこへ?」
「ほら、あの公園には大きな池があるだろ? 丁度今映ってる、池の真ん中にある島さ」

 と、男がテレビを指差して言った。

「いやよ。カップルであの島に近づくと、“祟り”があるって話よ?」
「そんなもん、ウソに決まってんだろ。都市伝説だよ」
「そうかしら? やめておいたほうがいいと思うけど……」

 しかし、男は彼女の言うことを聞かず、半ば強引に彼女を連れてボートに乗り、いわれのあるその小島に上陸した。
 しかし所詮は街中の公園にある池の小島、木に隠れて小さな社があるだけで、他には何も無かった。

「ん、消えかかっていて読めないな。なんて書いてあるんだ? この社」
「……『殖栗堂』ね」
「お前、よく読めるな。でも、フグリドウ? って、どういう意味だ?」
「ええと……つまり子宝の神様ってことかしら。たぶん中にはご神体があるはずよ」
「ああ、そういう意味か! お前、扉を開けて触ってみろよ」
「嫌よ。第一あなたと私は、正式には夫婦じゃないでしょ! それより早く行きましょ。きっと祟りがあるわ」
「そんなの、ただの都市伝説だって……」

 もちろん、直ぐに何が起こるはずもなく、『やっぱり、ただの噂だったろ?』と、男は言い、その日は何事も無く楽しくデートの時間を過ごし、帰宅した。
 だが、その翌朝。

「な、なんだ!? ここはどこだ?」

 男は眠っていたはずの自分の部屋ではなく、恋人の部屋で目覚めたのだった。
 だが、もっと驚く事態になっていた。
 
「これって、あ、あいつの体じゃ……?」

 女物のパジャマに包まれた自らの身体をまさぐると、膨らんだ胸、滑らかにお尻へと続く股間……そしてベッドの傍らの鏡を覗きこむと、まごうかたなき恋人のそれであった。

「どうなってんだ? 俺、あいつの体になって……。これが、“祟り”ってやつか??」

 体のあちこちを触って確かめているうちに、敏感なところに指が伸びた。

「あんっ! ……って、今の俺の……というか、あいつの声か? それにしても……」

 軽く触れただけなのに、敏感に反応する体。その異質な快感に、男は好奇心を抑えることが出来なかった。

「んんん……。お、女ってこんなに感じるのか? ズルイな、あいついつもこんな気持ちよく……はぁ、やべー……うくっ! ……と、止まらなくなっちゃう……」

 女体の神秘に耽ろうとしたその時、

「何やってんのよ!!」

 野太い声で、それを中断する者がいた。

「うわっ! だ、誰っ?! ってお、俺……??」
「もしやと思って、来て見れば!やっぱり!!」

 恋人の体でオナニーをしているところを、当の入れ代わった自分の姿をした恋人に見咎められ、元男は散々に犯されてしまう。
 ヤリ尽くして満足したのか、二人は再び例の小島に上陸して、元に戻してくださいと願をかけることにした。

 が、翌日になっても元に戻るどころか、元男はまだ出会ったばかりの彼女の姿へと若返ってしまっていた。

 「どうして? 私は今のあなたの体のままなのに、あなたはどうして昔の私になっているの?」
「この少女の姿は、昔のお前か?」
「どうするのよ? もう一度あの島へ行く?」
「いや、なんとなく、もっとひどいことになりそうな気がする……」

 これではもう家に帰るわけに行かないと、彼女は一人暮らしだった元男の家に、兄として住むことにした。
 しかし元男と同居してみると、彼は男の頃の生活の癖がなかなか直らず、ミニスカートのまま膝を立てて座ったり、ノーブラのままランニングシャツでだらけたり、果ては風呂上りに平気で裸でいるなど、何かと無防備な姿を晒していた。

「何時も言ってるだろ? バスタオル一枚のまま風呂から出てくるなって!」
「良いじゃないか、他に誰がいるでもなし」
「俺がいるじゃないか」
「自分の姿に欲情するのかよ? 変態だな」
「そういう事を言うやつは、犯してやるぞ!」
「へぇ? 仮にも妹に手を出すんだ。このド変態!」
「なんだと? ようしわかった! 思い知らせてやるからな」

 若かりし自分の姿にムラムラした元彼女は、少女化した元男を犯そうと手を伸ばした。

 無理矢理の暴挙に抵抗した元男が突き飛ばすと、彼女はタンスに頭をぶつけ、記憶喪失となってしまった。

「もう! 酷いことしようとするから、バチが当たったんだから!」

 と言いつつも、放っておくわけにも行かず、記憶を失った彼を兄として、甲斐甲斐しく世話を見るしかなかったのだった。

-------------------------------------------------------
Phase 2.

 ある日、とある兄妹が二人でテレビをみていると、兄が言った。

「なぁ、駅の近くに公園があって、その池の中ほどに池があるだろう?」
「う、うん。知ってるけど……」
「あの島、行ってみないか?」
「ええ? やめようよ。あの島にカップルで近づくと、悪いことが起きるって話だよ」
「そんなの迷信に決まってんだろ! 第一お前とは恋人同士なんかじゃないだろ?」
「う、それはそうだけど……」

 妹が止めるのも聞かず、島に上陸した二人。
 島には小さな社があるだけで、他には何も無かった。
 もちろん、何が起こるはずもなく、『やっぱり、ただの噂だったろ?』と、兄は言い、その日は何事も無く、夕食の買い物をして家路についた。

 翌朝起きると、あろうことか、兄妹の体は入れ替わっていた。

「お、お兄ちゃん、これって……」

 と、兄の部屋に入った妹は、自分のあられもないオナニー姿を見てしまった。
 妹の体になっていた兄は、あろうことか女体の神秘を探索していたのだった。

「お、お兄ちゃんのバカー!!!」

 と言いながらも結局、元兄を犯すのだった。

 これ以上、家にいてはたまらないと妹の体に入れ替わってしまった元兄は、単独、あの島に上陸し、男に戻してくださいと願をかけた。

 突然のめまいに襲われ、その場で気を失ってしまったが、気がつくと果たせるかな、元兄は男の体には戻っていた。
 だが、元の自分とは、似ても似つかぬ体になってしまっていた。

「困ったなぁ、こんな姿じゃ、家には帰れないよ」
 
 元兄は、これも天罰と思い、何のあてもなく街をさまようしかなかった。
 だが、ふらふらと考え事をしながら歩いているうちに、車にはねられ、記憶を失ってしまった。

-------------------------------------------------------
Phase 3.

「先輩、やめましょうよ。あの島に上陸すると、祟りがありますよ」

 バイト先で知り合ったコイツは、最初は俺の事を警戒していたが、昔亡くした兄にどことなく似ているといって、身寄りもなかった天涯孤独の俺のことを、慕ってくれるようになっていた。
 休日ごとに、二人でよく出かけていた俺達は、身近な連中からホモカップルの噂も立てられていたが、俺はそんなことは気にしちゃいなかった。

「それは男女カップルの話だろ。男同士ならば問題ないって」
「いや、絶対良くないと思うんだけどな」
 
 と、後輩は行くのをためらっていたが、俺は強引にあの島へと連れて行った。
 後輩も『実は僕も確かめたかったことがある』といって、二人で島の隅々まで探索したが、「殖栗堂」と書かれた古びた小さな社がある以外は、何も発見することはできなかった。

 だが翌日の朝、俺の体は何故か見知らぬ女性の姿に変化していた。
 慌てて後輩を呼んだが、一緒に行った筈の彼の姿には、変化が無かった。
 なんとか自分であることを、必死になって後輩に説明して、若干の疑いは残ってしまったもの、理解してはもらえたようだった。

 しかし、またしても公的に身分を証明する術を失ってしまった俺は、今まで住んでいたアパートに住み続けることは出来なかった。
 仕方なく、後輩の彼女として名前を変え、半ば強引に居候させてもらうことにした。
 しかし、同居生活も続けば、男女の関係となるのは半ば必然。
 覚悟していたとはいえ、犯される恐怖に彼を突き飛ばすと、彼はタンスに頭をぶつけ、記憶喪失になってしまった。
 しでかしてしまったことを後悔しても遅かったが、身寄りの無い俺は養ってくれた彼の恩義に報いるためにも、自分を後輩の婚約者と思わせて、一緒の暮らしを続けることにした。


 ある日、二人でテレビを見ていると、彼が言った。

「な、駅近くの公園に大きな池があるだろ? あの池の小島には……聞いているのか? ハルカ」

(繰り返す?)

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://okashi.blog6.fc2.com/tb.php/11871-ce25aa51

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

FANZAさんの宣伝

 

初めての人はこちら

ts_novel.jpg

 

性の揺らぎに関する作品でお勧めのもの

ts_syouhin_20090318225626.jpg

 

性の揺らぎに関する作品(一般)

ts_syouhinもと

 

FANZA専売品コーナー

ブログ内検索

 

最近のコメント

プロフィール

あむぁい

  • Author:あむぁい
  • 男の子が女の子に変身してひどい目にあっちゃうような小説を作ってます。イラストはパートナーの巴ちゃん画のオレの変身前後の姿。リンクフリーです。本ブログに掲載されている文章・画像のうち著作物であるものに関しては、無断転載禁止です。わたし自身が著作者または著作権者である部分については、4000文字あたり10000円で掲載を許可しますが、著作者表記などはきちんと行ってください。もちろん、法的に正しい引用や私的複製に関しては無許可かつ無料でOKです。適当におだてれば無料掲載も可能です。
    二次著作は禁止しません。改変やアレンジ、パロディもご自由に。連絡欲しいですし、投稿希望ですけど。

 

全記事表示リンク

月別アーカイブ

 

最近の記事

 

カテゴリー

新メールフォーム

イラスト企画ご案内

20080810semini.jpg

 

リンク

RSSフィード

2023-09