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投稿TS小説第114番 アリスミラー(1) (18禁)

150万ヒット記念に最近よくチャットでご一緒して頂いているうずらさんから投稿して頂きました。うずらさんありがとう御座います。


アリスミラー
作 うずら



学校からの帰り道。
何かが夕日を反射して、俺の顔に鋭い光を当てた。
近寄ると、年代物の鏡だ。
「アンティークってヤツか?」
古ぼけているが、鏡面部分に曇りは無い。
自分の部屋にあった姿見は、数日前にむしゃくしゃして割ってしまっていた。
ちょうどいい、粗大ゴミみたいだし、もらってかえろう。
リサイクルは大事だよな、うん。
そんな言い訳じみたことを考えながら、家に鏡を担ぎこんだ。
汗だくになりながらも、何とか部屋に設置する。
枠にコテコテと装飾があって、少々かさばっている。
男の無粋な部屋にはミスマッチもいいとこだ。
かといって、また捨てるのもなんだしなぁ。
「ま、コレはコレでいいか。鏡はないと困るし、そのうち馴染むだろ」

その夜。
お気に入りの写真集で自慰にふけっていると、鏡が一瞬、部屋以外の何かを映し
たように見えた。
だが、意識をそちらに向けたときには、普通に俺の部屋しか映っていなかった。
見間違いか?疲れてるのか……?
いや、3発抜いたから疲れてるのは疲れてるんだが。
風呂は朝入ればいいか。
今日はもう寝よう。


「ん、ここ、は?たしかベッドで寝てたはずなんだが?」
気がつくと、俺は草原に立っていた。
見渡すと小高い丘になっているのがわかる。
踏みしめると、ちゃんと草を踏んでいるような感触が。
夢?それにしてはリアルだ。
そこへ中型犬ほどもありそうな白兎が、俺の脇を駆け抜けていった。
そのウサギを追いかけて来たのか、少女が丘の下から走ってくる。
「はぁ、はぁ……あれ?お兄ちゃん、どちらさま?」
「どちらさまって、言われてもなぁ」
スカイブルーと白のエプロンドレス。
サラサラの金髪に、ヘアバンドがよく映えている。
足には純白のタイツと、リボンがついたローヒールのパンプス。
不思議の国だかなんだか知らないが、まさにアリスと呼ぶべき格好だ。
ルイス・キャロルはロリコンだったというけど、可愛い娘がそんな格好してると、たしかにそそるものがある。
いや、俺は正常な男子学生ですよ?ロリコンじゃないですよ?
「あ、もしかして、鏡を拾わなかった?」
「……何で知ってんだ?」
「ここが鏡の国だからでーす!」
「そーかー、鏡の国かー、良かったナァ、お嬢ちゃん」
不思議の国ではなく、鏡の国らしい。
原作読んだことないから、違いはサッパリだけどな。
「あ?バカにしてるでしょ?」
「してないって」
「むー……」
俺の軽い調子に、疑わしげな少女。
そりゃそうだろう。バカにしてるんだからな。
夢の登場人物をバカにして、何が悪い?
しかし……改めてよく見ると、キレイな顔立ちをしている。
数年経った姿で現れてくれれば、押し倒したのに。
俺が彼女を眺めている間、彼女も俺を物色していたようで。
「う~ん」
「ん?なんだ?」
「冴えない服ね」
ジーンズにプリントTシャツ。
冴えようがないと思うんだが……。
夢の癖に失礼なヤツだ。
本当に襲ってやろうか、こいつ。
「そうだわ!」
「うわ!?」
そんな不埒なことを考えてると、少女が大声を出した。
手を伸ばしかけていた俺はあわてて引っ込める。
いや、何を夢に対してビビってんだ。
少女は何やら、うんうんと勝手に納得して……微笑んだ。


alice6.jpg

挿絵:そうまさん

あ、可愛い。
「これでいいわ!素敵よ、お兄ちゃん!」
「ん?……うわああああ!?」
何やら下半身の風通しがよくなったと思ったら、なんと少女とまったく同じ格好になっていたのだ。
フリルたっぷりのエプロンドレス!
大の男である、この俺が!
タイツからすね毛が飛び出し、みっともないとかそういう次元を超越している。
「おい、なんだよ、これ?お前がやったのか!?」
ピピピピピピピピピピピピピピピピピピッ
「あ、ごめんなさい、もう時間だから、私行くね?」
「ちょっ!待てよ、おい!!」


少女の姿が急速に遠ざかり。
瞬きの間に、俺は意識を覚醒させた。
先ほどの草原は消え去り、視界に映るのは見慣れた俺の部屋だ。
さっきからうるさい目覚ましを止め、ふと鏡を見る。
アレが原因であんなワケのわからない夢を見たのか?
と。
「は?」
おい、ちょっと待て!
なんで服が変わってんだ!?
本当の意味で、夢に見た俺がいた。
「おいおい、待てよ!ありえねぇえっ!」
屈辱的な姿だ。
学園祭ならわかる。女装コンテストで笑いは取れるだろう。
今日は何のイベントもない、至って平凡な日のハズ。
「朝よ、起きたのー?」
「か、母さん!待っ!!」

ガチャ
ああ、さようなら好青年の俺。
こんにちは、女装フェチの変態さん。
親不孝な息子ですみません。
「……おはよう、母さん」
「あら、おはよう。もう着替えてたのね。いつもこうだといいのに」
「え?スルーですか?」
「ん、何が?……ああ、少し古いけど、いい鏡じゃないの」
「あ、いや……」
そっちか!?
俺の格好には何もコメントなしか!?
……見放された?
俺が言葉を濁しているうちに、母さんは部屋を出て行った。引き止める間もない。
そろそろ仕事に行かないといけないから、呼び止めるのが悪いのは事実だが。
それにしても、一瞬も動揺してなかったな。
って、もしかして!?
クローゼットを開けて、俺はその場にへたり込んでしまった。
「な、なんだよ、コレ……」
母さんか誰かのイタズラだと信じたい。
男物、つまり本来あるべき俺の服が、一着もなかった。
その代わりに色違いのエプロンドレスやら、なんやら。
フェミニンな服がこれでもかとばかり詰まっている。
あわてて下着類が入ってる棚をあける。
神様、俺は男です……。だから、男物の下着をください!
あ。
俺は鏡の前まで歩いていき、スカートをたくしあげた。
「はは、冗談きついぜ?」
女性物の下着に、俺のモノが包まれている。
滑稽だ。
が、笑ったところで解決にはならない。
さて整理しろ。
ひとつ、どうやら俺はこの格好がデフォルトらしい。
ふたつ、こうなったのはさっきの夢が原因だろう。
みっつ、女装にしか見えないが、他人に違和感は与えないようだ。
「最後のは、母さんでしか確認できないから、保留か。高をくくって外に出たら
笑い者ってんじゃ、目も当てられないしな」
外にも行けない、行きたくない。
幸い単位には余裕があるので、少々授業をさぼっても問題は無い。
となると、どうなるか。
することは一つ。
前々から女性の下着でオナニーをやってみたかったのだ!
さっきからシルクのやわらかい肌触りが、俺の股間を刺激しっぱなしだ。
いつでも発射OKの臨戦態勢の息子。
とりあえず、ショーツの上から一撫で。
「うおおっ」
気持ちいぃ。
男性用の下着がどれだけ粗雑に作られてるか、良く分かるなぁ。
下着の上から何度もなで上げる。
やばい、病み付きになりそう。
ふと気づけば、鏡に向かってM字開脚のような姿勢になっていた。
うわ、変態だ。
そう思った瞬間、達してしまった。
下着の中にどろっとした気持ちの悪い感触が広がる。
と同時に、意識が薄れていくのを実感した。

つづきはこちら








テーマ:女装 - ジャンル:アダルト

コメント

ああ、もうリンクが切れちゃってますね。
昔あった、同好の士が集まるチャットです。

上の方のチャットというのは?

日常の世界から少しづつ不思議の世界へ・・・
と言う訳で続きをご期待くださいませ。

作品拝読

面白い展開ですね。鏡の中の少女、アリスというより、つい「鏡の国の○○ちゃん?」って思ってしましましたが(笑
さて彼の意識が戻った時に何が待っているのか、ちょっと楽しみです。

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