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水曜イラスト企画 絵師:シガハナコさん(14) 仮名:桃川喜助

桃川喜助
謎の宅配便の美女の皮で遊んでいたら元に戻れなくなる。段々と、性格まで女っぽくなる。

絵師:シガハナコ

桃川喜助

水曜イラスト企画の説明はこちら。毎週1枚キャライラストをUPします。

本キャラを主人公/脇役にしたSSを募集しています。コメント欄に書き込んでください。(事故を防ぐため別途ローカル保存推奨)追加イラストを希望する場合は希望シーンに<イラスト希望>と書き込んでください。私が了承し、絵師さんも乗った場合はイラストの作成を開始します。

コメント

こそーり

前回までのあらすじ
「キスケに彼女ができました」
「それだいぶ前の話だよねそれ」
「この話など覚えておるやつなど」
「やめろー!」

おれのみがわり 8話


ごくごく一般人の俺は目を覚ました。白い天井だ。俺のアパートではないようだ。病院の一室みたいな部屋だ。高校の保健室で眠っていたときを思い出す。
「ん?お、起きたか、アカネ」
「ん……?」
どこかで聞いた声がする。少なくとも高校時代に出会った人物ではないな。夢ではないとするとここはどこだ。話しかけている人物は誰だ。アカネって……ああ、俺が皮を着ていたときの偽名か。
そばにいた金髪碧眼で部屋の中にも関わらずコート姿の女性が電気ケトルに水を入れながら俺に話しかける。
「まさか1年もぐっすりとは思わなかったぞ」
「1年……へ!?今何月」



俺の複雑な感情がこもった叫び声が部屋いっぱいに響き渡った。



「まったく、喜助はこの私、みょりんに命をなぜかもわからぬまま狙われていたのだ、そこでグミョウジとやらが送りつけてきた完全に別人の女性を着ることによって私の目をごまかしていたわけだ、だがとうとう私にばれてしまったわけだ、なぜかな」
「何を今更なことを言っているんだ……」
「まあ忘れている事があるだろうからな、誰かとは言わんが」
それはともかく、とみょりんは続ける。
「まあ無理に決まっているがな…あれ?、分量を間違えたかな、ええとこの量を1day(日)だろ……あ、1week(週)だったということをやってしまっていてな、けっこう喜助は長い間眠っていたのだよ」
リアクションを気力も体力もなく、まっすぐな目の状態なので。俺はきっとみょりんを無視しているかのような状態なのだろうがみょりんは続ける。
「で……さすがに私も落ち度があったもんでな」
みょりんの話によると、俺の皮をコピーして代わりに俺として生活をしていたというのだ。それは何を隠そう俺はみょりんに生活パターンや行動パターンまで筒抜けであったということだ。
「授業やレポートも代わりにやっといた」
「あ、どうも、はああああああ!そんなことよりあおいちゃんはどうしたんだよ!」
「ああ、それについてもちゃんとやることはやっといたから」
サムズアップをするな。サムズアップを。しかも両手で。
「一応あおいルートは残しておいたから安心しろ」
(何勝手にやってくれちゃってんの!うまくいかないかもしれないけれど俺に段階を踏ませろよ!)
「改めて思うけれどなんか結構長い期間キスケのまねにしていたせいでしゃべり方が一緒になってしまったな」


俺はいくつか疑問を解決することにした。
「みょりんって皮の先輩ってことでいいの?変な言い方になったけれど」
「違うよ、だってさ、人格をのっとられたら自分に不利になるようなこと絶対にいわないと思うんだ」
「あー」
「だからキスケに見せたファスナーは偽者、はがすとき痛かったぞ」
「……そういえばグミョウジっていうジジイどうしてんの」
「生きてはいるが、君が知らないほうがいい」
みょりんはその言葉からずーっと表情を崩さない。死んでいるとかではないらしいが結構事態をややこしくしたということで相当絞られているようだ。誰からかは俺の知る由もないが。
「いっそのことぶっちゃけるが別にお前の命を狙っていたわけではない」
「へっ?」
「狙っていたのは前の住人だ、かつてここを根城として使っていたみたいだ」
「あー」
「グミョウジはその前の住人とつながっていてな、お前をその住人と勘違いしていたみたいなんだ、だからかくまった、電話番号は調べたらしいが本人である確信は最後まで持てなかったみたいだ、本人でないのだから当たり前だ」
お茶でも入れるかとみょりんは誘ったので俺はお願いすることにした。
「皮を着ていなければすでにターゲットは転居済みということで片付いていたのだがな」
「そうか」
俺が生身の状態であれば助かっていたのか、納得。
「じゃあいくぞ、ちょっほおはがふるうなってあふぁf(ちょっとお茶がぬるくなってるかな)」
「えっ、ちょっ、口移し!」
俺はおもいっきりむせた。








「ふふふ……よくも俺を振り回しやがって、だがそれも今日で終わりだ」



つづく

問題ありませんので明後日掲載しましょう!

7話です

お久しぶりです。ささささんの話が終わるまで待ってた……というわけではありませんごめんなさい。
掲載の可否の検討を宜しくお願いいたします。



前回までのあらすじ
グミョウジ「喜助が俺から皮送られてきて金髪少女から身を隠す話」
喜助「端的に言うとそんなかんじだな」
グミョウジ「皮をずっと着ていたら皮に着られちゃうので金髪少女にばれない程度に脱ぐようにする喜助」
喜助「うんうん」
グミョウジ「あおいという女はもうあきらめたほうがいいな命が大事」
喜助「なんでだよ、まだ続いているって!」
グミョウジ「いえー」
喜助「何がいぇーだ、というか前回の投稿からだいぶ開いたけど何があった」
グミョウジ「……」
喜助「おい!」

おれのみがわり 7話

俺はアカネと呼んでいるグミョウジに金髪少女のみょりんから身を守るために借りている皮を着て、素っ裸の状態でメンテナンスを受けていた。決していやらしい行為ではない。
「返してほしいってどういうことだよ」
「いったまんまさ、返してほしいってね」
彼はいったんお茶を飲んだ。
「そもそもなんで皮を着ているんだ」
「そりゃあみょりんに命を狙われてるからだろ」
「本当にそうなのか?」
グミョウジは首をかしげた。
「ある程度様子を見てのことだ。当初は殺されるという可能性を払拭できなかったからな、だが今までの流れを見てどうだ、こんなに隙だらけなのにいっこうに彼女にばれる気配がないではないか」
言われてみれば、いくらでもばれていいシチュエーションはあったはずだ。自宅しかり、デパートしかり……。
「だがみょりん最初に言った鉛弾を2発打ち込むのがポリシーとかなんとか言ってたような気がするが」
「私の推測に過ぎないが彼女は銃の腕がど下手だ」
「は?」
笑わせないでくれ。
「銃を持ってるだけでいいなら誰だって名人だ。もし殺すだけだったらあんな銃口を密着させて打つようなマネするわけないし相手に抵抗される可能性だってある」
「……」
なぜかは知らないが俺はグミョウジの言っていることに違和感を感じていた。藁にもすがる思いでこの人を頼り、ここまで来たけれど、ある程度落ち着いたことだし、次のステップに行かなければならないような気がしてきた。

現状としてまとめると、みょりんは俺を狙っているのは依頼によるものだと俺がアカネの皮を着た状態で言っている。みょりんは俺を殺せるかどうかわからないしいくらでも殺すチャンスはあった。そもそもみょりんは俺を殺そうとしているのかわからない。そうなってくると、現状みょりんが近づいたときに皮を着てやり過ごす方法はかなり回りくどいやり方である。
警察に相談するなり、SPを雇うなり、やられる前に……はやめておこう。
そういえば、みょりんに直接聞いてみるってことをしてないな。だが。いや。あああ、それは危険だけどおおおお。
あああああ。
「あああ、いっちゃったよ。しかも皮着っぱなしで」



みょりんは案外にも俺の家の前にいた。
「おお、キスケ。元気にしておったか」
「うるさい」
「ん?」
「お前、俺をどうする気だ」
「ははは、そんなことか」
「うるさい、どんだけ迷惑したと思っている。どれだけ神経すり減らしたと思っている。こんなこともうたくさんだ」
「まあ、もう終わったことだから言うが、お主はグミョウジを釣るためのおとりに過ぎなかったのだ」
「は?」
「実は私もお前と同じ境遇なのだ」
「え、え?」
みょりんは上着をまくり、おなかを出した。そこには透き通る肌の上に金色のファスナーが肌に密着するように縦に取り付けられていた。が、引っ張るための金具は取れているようだった。
「だが、私はもう脱げなくなってしまったのだがな、市販の金具を取り付けてみたが、ダメだった、だから依頼を妨害してくるグミョウジを懲らしめる必要があったのだ。」
俺の反応にかまわずみょりんは続ける。
「そろそろ効いてくるころかな」
俺は皮を着たままその場に倒れこんでしまった。そうだ、俺皮を着たままだった……。
「よほど興奮していたな、アカネの皮を着込んだままでここまでくるとは。そしてすぐさま麻酔針をうったことにすら気が付かないとは」
「一週間も動けなければお前はあっという間に皮に精神を侵食され。男、桃川喜助としては死ぬことになるかもしれんな、現に私が実証している」
「早いとこ目覚めるが良いぞ。まあ無理に決まっているがな」


つづく

投稿有難うございます!
問題ありませんので明日掲載しましょう♪

6話目です

だいぶ間が開きました、申し訳ありません。
掲載の可否宜しくお願いします。
ちなみに全10回の予定でいます。


おれのみがわり 第6話

前回までのあらすじ

昔々あるところにキスケという若者がおったそうじゃ、気になっていたあおいという娘を誘うことに成功し、たいそう喜んでおったそうじゃ。
そんな時、荷物が届きおった。いったいなにかとキスケは開けたらおなごの皮が入っていたそうな。
恐る恐るその皮を着てみるとあら不思議、鏡のような髪のおなごになってしまったではないか。
また訪ね人が現れたのでその皮を着たまま玄関に行くと、なんと金髪のおなごが鉄砲をキスケに打ち付けておるではないか。
彼女はどうやらキスケを狙っていたようで、キスケは皮のおかげで命拾いしたそうな。
めでたしめでたし。
「終わってねぇよ、前回のあらすじっゆうとるだろうが」
「ばれたか」

俺が皮に出合ってから7日目。俺は怪しい男に声をかけられた。グミョウジではない。
あかね(in俺)は露骨にいやな顔をして声をかけた主をにらみつける。
せめてお話だけでもと声の主は言うが、無視して去るに限る。明るいほうへ。といっても時刻は真昼間なのだが。
声が聞こえなくなったところでふっと息をつく。また面倒くさいことになった。


俺は今機嫌が悪い。グミョウジと込み入った話をするために、俺は軽を走らせ、グミョウジの指定した場所へと向かうことにした。
まああおいちゃんとのドライブデートの練習だと思えばと少しは気が軽くなった。
丸太を重ねて作った赤い屋根の喫茶店……。あ、ここだ。
ここは学生にとってはちょっと単価が高めだがデートとか特別な日にはもってこいかもしれない。そういって俺は山小屋、いや喫茶店に入る。
「おお、なんだキスケではないか!」
「はぁああああああ!?」
何でいるんだよお前、しかもエプロン着て。俺の一日……いやこれからも含めて丸二日返せ!
「何って、見れば分かるだろうが」
え、これってもしや最低最悪の状況では。唯一のいいこととしては早めに捜索願を出してくれそうなグミョウジが後から来てくれると思うところだが。
「緊張してるのか」
そりゃ緊張するわ、俺を殺そうとしているのだからな。緊張しないほうがおかしい。頼んだアイスコーヒーもみょりんが気になって味が良くわからない。なんせ今回話し合う対象が今目の前にいるのだから。
みょりんは銃を突きつけたのは女そっくりに変身できる皮を被った呼称あかね(in俺)なので殺す対象である俺には企みがばれていないと思っているだろう。
最初に口火を切ったのはみょりんであった。
「おおそうだキスケ。今週末のライブの招待券が取れたのだが、まさか当たるとも思わなかったんでスケジュールを入れてしまっておってな、あおい氏と一緒にどうだ」
斜め上の行動が来たー。なに普通の女の子やっちゃってるの!?みょりんって本当に殺し屋なの?ターゲットにそんなに長い期間打ち解けていいものなの!?
「だめかー?」
語尾を上げるな。
「どうせあおいとはあまり付き合えてないんだろ」
付き合い始めてから5日ほどですが。
「どうせあおい氏に約束すっぽかされてもカマンベールチーズあげるから許してで許してるんだろ」
何で知ってんだよ。
「ああ、そうだ、これ女性限定のやつだったのだ……あかねならいいだろ、な」
「あ、うん、そういっておくよ」
「キスケはその日○×ゲームでもしておるが良い」
「もっといい暇のつぶし方しっとるわ!」
「あまり私語をすると起こられるのでな、またな」
結局俺はその場に長居は出来ずにグミョウジに断りの連絡を入れて帰ってしまった。



で、俺は皮を着て、あおいちゃんを連れてその遊園地に行った時に声をかけられちまったわけだ。とどのつまり何かのスカウトだろう。別に何かそういうことをしたわけじゃない。ただ歩いていただけだ。
あいつをまくのに手間取ってしまって結局そのライブには行けず。畜生。
「ごめんね、あおいちゃん。せっかくの機会なのに」
「いや、よくよく考えてみればあかねちゃん、これってすごいチャンスだよ」
「いや、そんなつもりは、第一あいつが本物なのかどうかも怪しいし」
「そりゃあ……そうだけどね。何にかは分からないけれど飛びつく勢いだったから多分あれはマジでブレイクしそうな人を見つけたときの顔だよ」
「えぇ~」
まためんどくさいのが増えたということか。



その晩俺は事の顛末を話した。グミョウジはあろうことかそれに乗り気だった。芸能界デビューでもなんでもメディアに露出すれば多少なりとも警護が付く、有名になればすぐに警察の捜査が入り迂闊には手を出せないとのことだ。
で、今は何をしているかというと、窓のない研究室みたいな部屋で、あかね皮を着た俺とグミョウジが。俺は裸で、グミョウジが白衣を着ている。変な気を起こすことはなさそうだ。
グミョウジがあかね(in俺)の尻やふとももなどをしきりに乾燥した手で撫で回しているが、決してやらしい行為ではない。メンテナンスだ。どこかに損傷があればそこから匂いがもれ、みょりんに見つかって得しまう可能性があるからだ。
目隠しをしているのは抵抗する気を起こさないためであり、もし暴れでもしたらきちんと傷を把握できないそうだ。
やり方を教えてくれれば俺が自分でやるといったのだがグミョウジがそれを断った。なんでだよ。
「そうそう、桃川喜助君」
「断る」
「早いよ」
「フルネームで呼ぶ時はなんかしらお願いしたいときだ」
「はっはっは、鋭いね、実はね私に皮を返してほしいんだよ」
「は?」
何言ってるんですかこの人。

つづく

5話目です

5話目です、掲載の検討等よろしくお願いいたします。

グミョウジ「さてさて、前回までのあらすじといきましょうか」
キスケ  「長いから三行で頼みます」
グミョウジ「デートにて 殺し屋?入って 皮被る?」
キスケ  「だれが川柳にしろ言った」

おれのみがわり 第5話

自称皮の製作者、グミョウジはおれに提案をしてきた。
俺、桃川喜助はわらにもすがる感じでそれを聞き入っていた。
「まあこういっても事態が良くなるわけじゃあるまい、それにお前さんは起こるかどうかもわからないことに縛られすぎてないか」
「冷静になんかなれるかい、もとはといえばお前が」
「いやいや、落ち着けって」
「落ち着いていられるか」
グミョウジははやる俺の両肩を腕で押さえつけて着席を促す。
「じゃあ質問してみるが、みょりんがお前さんをなんで殺すんだ?」
おれは少し考えた後こう答えた。
「そりゃあ、依頼の通りに殺すといったからな、あ、個人の依頼とも言っていた」
「どうして」
「は?」
「桃川君は平々凡々な大学一年生だろ、大学にいけるほどの経済状況の中で、ごく全うなことをしているはずの君が殺される理由がない、だからこそそれが君の不安に拍車をかけている」
「いや、それは何も彼女が行ったことだし」
「君は人から恨まれるようなことをした覚えは」
「いいや」
「彼女との面識は」
「名前聞いたぐらいだからないよ」
「銃を見せてしまったために部屋の住人である君が殺しの対象だと言ってしまったという可能性は考えたか」
「いいや」
「じゃあ本人に聞いてみるしかないか」
「どうやって」
「どうやってって、皮があるだろ」
そうだ、俺には皮がある。これを着てみょりんから依頼内容を聞き出すんだ。難しいことだがやるしかないみたいだ。



「おっ、扉が開いたな、戻るか」
「ずいぶん長かったね」
「お前は見た目によらず食欲旺盛だな」
「いや~まさかのめぐり合わせだったよ」
二人がそんな会話をしているところで颯爽と、銀髪で赤目で恐らく美女の俺が現れた。
「お、お前はキスケの部屋に居候をしているであろうアカネではないか」
「あかね……もしかして喜助君と兄弟なの?ご両親って国際派なのかな?じゃあ喜助君残念なほうだったのね……」
かわいい顔して言うこと言うことにとげがあるなあおいちゃんは。
「ま、あそんな感じ、そういえばみょりんさんは?」
おれはみょりんに用がある。そう、いろいろと。そう、いろいろと。
「喜助がいないぞ」
どうやらみょりんはトイレに俺がいないことを確認したようだ。
「ああ、俺、いや喜助なら体調が戻らないから先に帰るって言ってだって」
いのちをだいじに、このさい嫌われてもかまわない。今がダメでも次があるさとはグミョウジの弁。
「そっかー。こんなに美人でやさしいお姉ちゃんがいるんだから私も頑張らなきゃなぁ」
何を!?
「そういえばさ、あかねちゃん」
「なに?」
「なんでボトムはいていないの」
「そ、その……便器に落とした……」
はい、うっかり個室の中で着替えるときに落としました。
「ちょうどお前に買ってきたのがあるからそれを履け、もう一回落とすんじゃないぞ」
「え、あ、ありがとう」
「それと、下着も」
「あ、うん」
「みょりんって変なところで準備がいいねぇ」
「まあな」
ありがとうともう一度行って俺は急いで案内された最寄の試着室で履き替えた。ひょっとしてズボンを落としたことを何かの方法で感知したのか。ってこれスカート。
グレーのポロシャツ、皮を着たことにより身体が縮みいまはぶかぶかになっているが、それに赤形のタータンチェックのスカートである。いきなり長髪を短髪にしたような風通しである。
「あんまり意識はしてないが……でかいなぁ」
何がとは言わないが同類の皆は分かっていただけると信じている。よければこの状況をなんとかしてもらいたい。



「おぉ、アカネか、似合っているぞ」
「わー、サイズぴったりだね、私も買えばよかったなぁ」
お前らは店の差し金かなんかか。
「あ、みょりん、いろいろありがとうな」
「一向に構わん、お前と私との仲だ」
どんな仲だよ。
「そういえば、喜助とは会えたか?」
「さっき会えたよ」
「そっか、それは良かった」
どうやら俺はさっきまで存在を忘れられていたらしい。よし、聞き出すなら今がチャンス、そういって質問をしようとして右手を差し伸べると、距離が近かったのかみょりんの身体にタッチをしてしまった。引き締まっていた。
「おいおい、大胆だな」
「ど、どうしたのあかねちゃん?」
「え、いやー、コートの上じゃわからなかったけれどいいスタイルしてるなーって」
「そうか、そういうあかねもいい身体してるぞ、前にじかに見たからな」
「え、そんな関係なの!?」
「いや、初対面でいきなり襲ったときのことだがな」
「うわー、うわー、うわー」
あおいちゃんにいろいろと勘違いされるー。
「どれ、お前も私と見た感じ似たようなものだがな」
やべぇええええ!背中のチャックが見えたら一発でばれる!
「そんなに拒否しなくても、そっちからやってきたのだろうが……」
うっ、気まずい。命がかかっているばかりにあせってしまった。
「まあまあふたりとも、おっきいのはわかったから多少は気を使ってね」
胸が大きくて背中に目が行かないのが助かったのか……?



「もう本当にいろんなことがあって楽しかったよ」
仕方のなかったこととはいえ俺が途中でリタイアしたことになったし、デートとしては大失敗、台無しに終わってしまったわけだが。おまけにみょりんが何で俺を殺そうとしていると言ったのかも有耶無耶になってしまった。
「ごめんね、喜助が迷惑かけちゃって」
「いやーあかねちゃんも似たようなもんかと、やっぱり桃川君のお姉ちゃんなんだなって」
何も言い返せない。
「ひょっとしてあかね、喜助のことを心配しているのか」
「みょりん、え?」
予想外のことが起きた、まさかみょりんから切り出してくれるとは。これで俺のもやもやが一気に解決する。
「まあキスケは見た感じたいしたことはないと思うが、念のために医者にかかったほうが良いと思うぞ」
そっちも心配してくれてありがとうだけれど、そっちじゃねぇええ。
「はは……」
そうして、俺の命の心配はまったく解消されることはなかったが、なんだか良くわからない距離感が自称アカネと二人の間に出来たのであった。というか俺とあおいちゃんの仲は大丈夫なのかこれ!?というかみょりんの意図が見えない。早く真相を突き止めたければ。


つづく

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掲載しました。
女性キャラ2人はビジュアル出せていないので、そろそろ挿絵のタイミングではないでしょうか。

4話目です

お世話になっております。
掲載検討のほど、宜しくお願いいたします。


前回までのあらすじ
デパートのトイレにこもることになってしまった俺は、いかに俺を殺そうとしているみょりんという金髪碧眼の女をやり過ごす方法を考えていた。最悪にも今日のデート相手であるあおいちゃんと3人しかいない状況になって、だ。
桃川「何でいちいち前回までのあらすじを入れるんだ?」
グミョウジ「いや、正直みんな覚えてないだろ」
桃川「ぶっちゃけちゃったよ」


おれのみがわり 4話


百貨店のトイレの個室でおれが用を足す以外のことで悶絶することになるとは夢にも思わなかった。外には黒髪スクエア赤めがねのあおいちゃんと金髪碧眼のみょりんがいる。
「桃川くんどうしたのかなぁ、たいしたことないといいけど」
お、いいぞ、俺の体調が戻るまであおいちゃんが時間稼ぎしてってか声が近すぎね?ここ男性用トイレだよな?
「女性用トイレに入るとはよほどあせっていたらしいな」
「ここの化粧室、配色が水色だから間違えちゃったんだよきっと。桃川君よっぽどあわてていたんだね」
ハプニングさん、いっぺんに来ないで、せめて順番に来て!
「い、今出ても大丈夫かな?」
「あ、団体さん着た」
エェェェェェェェェエ!
閑散としていたものがあっという間ににぎやかになってしまったのが個室にいる俺でも良くわかる、っていうかそうなると俺なかなかでない人で邪魔じゃね。
「……出るに出られなくなっちゃったねぇ」
「災難が続くな」
誰のせいだちきしょう!あ、まてよ、今だったら着替えられるんじゃねぇ?ただ俺が行方不明になってしうが……。
急に俺は視界が開け、真っ白い空間にいた。強面のおっちゃんがなんかごっつい機械を持ってそこにたっていた。
「だ、誰」
「グミョウジだ」
グミョウジとはこの皮を作ったある意味俺の命の恩人である。
「君の脳内と直接通信を取っているんだ、五感をちょっと拝借する装置でな」
「なんでそんなことを」
「どうしてって、スマホ待ち合わせ場所に落としているぞ」
「まじでぇええええ」
「よほど余裕がないんだな……はは」
今は理屈などどうでもいい、この状況から助かる方法を一刻も早く見つけ出し、無事に彼女とのデートを終わらせるのだ。何が何でも助かってやる。
「まあ、ちょっとおちついてさ。順を追って俺に説明してくれよ、言いたいことから言われたんじゃわかんねぇよ」
「あ、う、うん」
俺はグミョウジに今までのことを話した。
「そうか、まず、私が君に皮を送ることになった経緯について説明しなければならないな」
「ああ」
「まあ私もなんていうか発明好きでな、その皮を作ったのもそうだし、盗聴器なんかも子供のころ作った。それが今回の暗殺依頼の話を拾ったんだ」
「そういうことでしたか」
「まあ俺の人のよさに感謝してくれよな」
「そういうのは自分で言わないほうが」
「そっか、あはは……まあやり過ごすには自我の揺らぎ等々多少リスクはあるにしろ、この皮を着てやり過ごすのが最適かつ最善で最速だと思ったんだ、逃げたって無駄かもしれないからな。だから君の住所を調べて送ることにしたんだが何しろ俺の自宅から遠く離れているもんで届けるのがすれすれになってしまった、すまない」
「いえ、現に多少無事ではないにしろ助かっているわけですし、さっき言いかけましたが女っぽくなる以外にこの皮の着用について何か注意点みたいなものがあるんですか」
「この皮の着用効果は見てのとおり、実際に存在しているものを隠す効果がある。君が三日間みょりんをやり過ごしているのが何よりの証明だ、だがしかーし、効果があるぶんリスクがある、皮に被られないように適宜脱いでおくんだぞ」
「はい」
グミョウジはごっつい機械を下に置いたあと肩をまわした。どうやら会話の中ではいらないものだったらしい。どっからかタブレットを取り出し、胸から上が映っている裸の写真を見せた。そのまんまみょりんだ。
「それで、君が話しかけてきた彼女はもしかしてこういう姿をしていない」
「そ、う、それですそれです、まさにみょりんです」
「あー」
グミョウジはため息をついた
「この皮俺が作ったんだよ……知人に譲ってから行方知れずなんだがな」
「エェェェェェエエエエエエエ」
どうりでなんか人間離れしているような雰囲気があるなと思ったら。
「ひょっとしたら皮を被ってること気づいちゃってるかもしれない……」
「じゃあみょりんの中の人って誰なんだよ!」
「しらねーよ!国籍がどうとかも、男か女かも」
「そもそもお前がこんな皮作んなかったらこんなことになってなかったんだぞ!」
「すげー発明した俺にお前呼ばわりすんなよ」
「だから自分で行っちゃダメだろそこは」
「まあまて、誰が悪いかは置いといて、みょりんというやつをやり過ごす方法を考えようではないか、中の人の正体がわからない以上、情報収集が必要だ」
「はあ」
「ということで表に出なさい」
「やだよ、ここ数日のストレスですげー体調悪いんだもん」
「あ……」
「もうやだ、いっそのこと」
「……」



「桃川君大丈夫なのかな」
「個室の扉には修理中の張り紙をしておいたから大丈夫と思われる。たとえ男性の声がしたとしても他の客に不快な思いはされまい」
みょりんはふっと息を付いた後続き
「扉の開閉に感知する装置もつけておいたからもし隙を見て出て来たら分かるだろ」
「みょりんすごいね、あなたがいてくれてよかった」
「まあ、こういったことには慣れているんで」
「何をやってる人なの」
「内緒だが人の役に立つ仕事だ」
「仕事が人の役に立たないことってあるの?」
「それもそうだな、緑青さん」
「出てくるまでちょっと時間つぶしてる?」
「そうか、ちょうど用事があるものでな」
「なあに」
「ちょっとしたプレゼントだ、困っている人がいるんでな」




つづく

と、いう事で掲載しました!

3話目です

あむぁいさん。
お世話になっております。 続きです。
追加イラスト希望今のところありません。
宜しくお願いいたします。

以下本文

前回までのあらすじ
桃川喜助という何の変哲もない青年は彼女とのデートに向かうも先日殺されかけた金髪ショートで碧眼の女性、みょりんと一緒にいるところを発見しまったのであった。
普段は届けられた銀髪で赤目の女の子になれる皮をかぶればみょりんをやり過ごしているのだが。
果たして彼は無事でいられるのか。そしてデートの行方は。


グミョウジ「こんなんでいい?」
桃川「まあ、いいか」



おれのみがわり 3話 

寒空の下、ぼんやりと待ち合わせをするのもなんなので、デート相手のことについて説明をしていなかったのでここですることにするか。
彼女は緑青 葵(ろくしょう あおい)。俺と同じ大学に通っている同い年で同じサークルのコだ。インドア派なのか結構な色白で赤いふちのスクエアのメガネをかけており、色白で黒髪のポニーテールをしている。サークルで見ている感じ俺と違って遊んだ経験なんてほとんどないような結構なお堅い印象だったのでこのデートに誘うのも正直だめもとであった。
「あの、緑青さん?」
「あ、桃川くん?どうしました?」
「デートとか興味あるかな」
「桃川くんとですか?いいですよ、日時どうします」
即答であった。だがみょりんという金髪碧眼の同年代っぽい女性に殺されかけたおかげで皮をぎりぎりまで来た日々が続き、準備という準備がまったく出来なかったのだ。



そして当日になって待ち合わせ場所に到着した俺は、前と見た同じトレンチコートを着たみょりんと一緒にいる緑色のダウンに7分袖のデニムのあおいちゃんを目撃したのであった。できれば一緒にはいほしくなかった。
「あ、桃川くーん」
彼女は俺を見るなりものすごい勢いで俺に駆け寄ってくる。それをみょりんが引き離されないようについていく。
いや、いっそ殺されるなら早めにとは思ったことはあるが、今かよ。
そして俺の前に来て、あおいちゃんはこう言う。
「よかった、無事だったのね!」
「え?どういうこと」
「実はね、かくかくしかじかでね」
「いや、それ俺にしかわかんないから」
「あ、そう?実はね」
彼女は状況を説明しだした。



待ち合わせ10分前のことだそうだ。
「余裕で桃川君とのデートに間に合うね」
「お、お前、桃川を知っているのか」
(え、誰?この金髪の外国人、結構美人だけれど)
「え、知っているも何も、これからデートの予定なんだけれど」
「その桃川とは、下の名前は喜助というやつか」
「そ、そうだけれど、どうしたの」
(金髪に青い目、ってずいぶん私とはかけ離れているようだけれど、桃川君のタイプが分からなくなってきたなぁ。)
「で、桃川君とはどんなご関係で」
「関係はない、さらに言うと桃川は特に私に用はない、用があるのは私だ、彼が行方不明となったら私がちょっと困るのだな」
「日本語お上手ですね」
「それはどうも、私はみょりんと申す」
(少なくとも、日本人ではないみたいだし、桃川君ってけっこういろんな方面からもてるのかな。)
「実はな、3日ほど前から桃川の行方がわからなくなっているのだ」
「え、そ、そうなの。それは大変」
(それって私が連絡したっきり、姿を消しているっていうことなの?それは大変。)
「その待ち合わせ場所とやらに一緒に行っても良いか」
「いいよ。早く行こう!」



「ということなの」
「そっか、偶然だったのか。いや、俺のことを心配してくれたのか、ありがとう」
「もし行方不明になった場合、真っ先に私が疑われちゃうじゃない」
「そっち!?」
なんということだ、もしみょりんが言ったことが本当なら、皮を適度に着ていた成果があったということなのだ。
もしみょりんが先に来てしまったときのために、あおいちゃんには申し訳ないがドタキャンをして、皮を着て彼女をまく為に皮を背負っているリュックに入れていたのだが、同時にくるとは予想外であった。
「お前が桃川か、写真で見るよりかっこいいな」
俺の写真を持ち歩いているのか……てそりゃそうか。俺ターゲットだもんな。
「それはよく言われるね、君はなんていうの?」
あくまでも初対面を装うことにする。
「私はみょりんという」
「へー、よろしくみょりん」
俺はみょりんと握手をした。
「うむ」
「そういえばみょりんさん、桃川君に用事ってなあに?」
「うむ、私の用事は終わった。とりあえず行方不明ということではなくて良かった」
「そっかー」
そりゃそうだ、人の目の前で殺しなど出来るわけがない。だが直接俺が問いただせるわけでもない。どっかのタイミングで皮を着込めればいいのだが。
「そうだ、せっかくの縁なんだし、一緒にデートする?」
「はぁ!?」
2対1デートなんて俺は知らないぞ。
「キスケ、いいのか?」
みょりんもちょっとうれしそうな顔してんじゃねーよ!普通は気使って断るだろそこは!しかも呼び捨てかよ!
「うん、桃川君も悪い人じゃなさそうだしいいでしょ」
悪い人というか、僕を殺そうとしている人なのだがそれは大丈夫なのか。でも俺は命を狙われていることを知らない体裁なんだよなぁ。ぼろが出ないか心配だ。
「じゃあショッピングいこうよ」
「お、そうだな」
「俺を置いていくな、そもそもこれはデートなのか?」
「まあ何事も予定通りには行かないものでしょ」
予定通りにする努力をしてくださいよとはとてもいえなかった。
こうして俺は肝がカチカチに凍った状態で謎な計らいでみょりんとあおいちゃんとのデートを迎えてしまうこととなった。
しかしあおいちゃん、見た目によらず性格は普通なんだな。


寒空にさらされていた俺たちは百貨店に入店した。外とは違って空調も完備されていて、殺されそうという状況でなければ非常に快適である。
「どうしたの?具合でも悪いの?」
「あ、そう。大丈夫だと思うのだが」
そりゃあ数日間、いつ殺されるか分からない状況にさらされていれば、体調のひとつやふたつ崩してもおかしくはないだろう。
「ご、ごめん」
せめてみょりんがいない状況なら少し楽になりそうなのだが。むしろ海外にでも用がああって出て行ってもらいたいのだが。というか依頼したやつ誰だよ。むかつくな。
「うむ、キスケ、ちょっとそこのベンチで休んでおけ」
なぜかみょりんにベンチへとエスコートされる俺。俺はお前のターゲットのはずだぞ。
「いや、ちょっとトイレに言ってくる」
「そうか、もし本当に体調が悪いようだったらいうのだぞ」
「そうよ、緊張しなくていいんだからね」
あおいちゃんはともかく何でみょりんはちょっとやさしいんだよおい。油断させといて最後にやるってやつか、俺で遊んでるのかちくしょぉおおおお。



「大丈夫かなぁ桃川君」
「ふっ、3日の間に何があったというのだろうな」
「ちょっと様子を見に行ってみようか、放っておくわけにも行かないし」
「そうだな、後を付いていくか」



俺は大きく息を吐いた。他の客はどうやらこのトイレにはいないようだ。
「ふぅー」
俺はおしゃれなトイレの個室の便座に座り、一息つくことにした。だが男性用トイレといってもみょりんが入ってこないとも限らないので安心はこれっぽっちも出来ないのだが。
「よし、ここはあらかじめ用意した皮を着る時が来たようだな」
彼女には悪いが俺の命を守るためだ。だが俺は肝心なものを持ってきていなかった。
「服持ってくるの忘れた……」
「桃川くーん。まだー」
「キスケー」
彼女たちもすぐそこまで来たみたいだ。やばい、これは。
今トイレには誰もいない。電話で助けを求めようにも絶対に気づかれる。
もしかして、みょりんは下手したらあおいちゃんもろとも……。いや、策を考えろ。何のために19年生きてきた俺は!



つづく



了解です!

2話目です

お世話になっております。
続きです。続きはコメントに随時追加していくという形でよろしいのでしょうか。
追加イラスト希望は今のところございません。
宜しくお願いいたします。

おれのみがわり

前回までのあらすじ

1.まず服を脱ぎます。
2.届けられた皮を着ます。
3.金髪の女性に殺されかけます。

おしまい

桃川「雑っ」


第2話

金髪でショートで碧眼で真っ黒のトレンチコートを着たままの女性はターゲットが現れず非常にいらだっている。
「しかし桃川とやらはいったいどこへ行ったのだろうな」
俺と彼女はお茶を飲んでターゲットを待ち伏せしているのであった。
もっとも、銀髪で赤い目の正体である僕自身がターゲットである為、俺の場合はふりであるが。欲を言えば一刻も早く帰ってもらいたいものだが。
「いまどきスマホを持たないで出かけるなんてことあるか?」
「いや~不思議ですよね」
「まあ逃がした者通し、情報共有等してゆこうではないか」
俺は狙われている命を守るため、あくまでもシラをきることに徹する。正体がばれては俺は彼女に殺されてしまうのだ。
「きみ……いや、あなた、そういえば名前聞いてもいい」
「ラジオネームだったらいいぞ」
何この子ラジオのリスナーやってんの!いや、いいんだけれど。
「ラジオネームはみょりんっていうんだ」
「本名にしません?」
さすがにその名前で呼び続けるのは抵抗がある。
「べ、別にいいだろう、識別にも発音にも問題ないはずだ」
「じゃ……みょりん」
「それでいい。そういえばお前の名前を聞いていなかったな」
「俺は喜助ってんだ」
みょりんは急に眉をしかめた。
「それはターゲットの名前だ、まさか」
「いや冗談冗談」
みょりんは顔がほころんだ。
「うむ……、まさか自分の名前を間違えるやつがいるとはな」
あっぶねええええええ。
「本当は……私は、あかねっていうの」
めっちゃテキトー
「かわいい名だ」
あれ?意外と受けてる。
「私のラジオネームには敵わないがな」
「…………」
このノリは独特なのか、一般的なもの何のかは残念ながら俺の経験上判断はできないのであった。とりあえず、この皮を着て、雑談に興じれば俺の命は無事ということになるのか。



しばらく他愛もない話をしていると、俺のスマホが振動して電話での着信を知らせる。知らない番号からだ。
「で、出てみる?」
「一応出てみるか」
彼女が俺のスマホをとる。音量を上げて俺にも聞こえるようにしてくれた。彼女は右手で電話に出る。
「はい」
『おっ、かわいい声してるじゃん、そうか、早速使ってくれたんだな。いやはや、どうだい、うまく行っているじゃないの?』
男性の高い、若い声である。
「どういうことだ、何を言っているんだ?」
『いや、送ったでしょ、多分今日届いているはずなんだけどな』
みょりん(自称)はテーブルの下においてあるダンボール箱をチラッと見た。
「ああ、今日届いた、送り主はお前だったか」
『あぁ、届いていたの。よかった~、君命狙われているからそれを欺くために用意したんだけどさ、よかった~』
「使うとどうなるの」
『う~ん、少なくとも桃川喜助としての気配は完全に消せると思うよ』
「そうか、すごい技術だな」
『そうだよ~、研究に研究を重ねたんだから。あ、もし初期不良とかあったら言ってね、新しいの送るから』
「他にはどんな機能があるんだ」
『あまり言いたくはないが、見た目どおりの機能はあるよ、まあ気休めにでも使ってくれ』
おそらく女性としての機能はあるということなのだろうが、ひょっとしたら子供も埋めてしまうのか……?みょりんは首をかしげているようだが。当たり前か。
『しかし、うまく言って何よりだよ、よかった~』
「ということは彼は生きてるのか、情報提供感謝する」
『あっ』
彼女は電話を切ったあとこうつぶやいた。
「どうやら届いた荷物を使って気配を消しているらしい、ひょっとすれば家の中にいるかもしれないが」
俺は肝を冷やした。もし電話の主が荷物を皮だといっていれば真っ先にばれていたかもしれなかったのだ。皮一枚つながった感じだ。
「しかし気配を完全に消しているとなると、手持ちの装備では足りないな、私は拠点へ帰るとする」
「あ、そうなの」
対策できるものなの!?
「おまえはどうするんだ?」
「うーん、ターゲットにすぐ戻ってこられても癪だしここにいることにするわ」
彼女を納得させることと、自分の家を守るとしてはこれが最も良い選択であろう。
「そうか、私は賞金稼ぎではないんで、別にお前がやってくれてもかまわないが」
「お、おr……いや、彼って懸賞金がかけられてるの?」
「まさか、個人の依頼だ」
がっかりしたようなほっとしたような。
「じゃあな、またあおう」
そういい残して、みょりんは帰っていった。自分が殺さなくてもいいって、依頼主の狙いっていったい何なんだ。



「ふぅーーーーーーーーー」
俺は電灯のひもがゆれるぐらいの息をついた。18年間生きてきて生きた気がしないというのは初めてだ。少し走馬灯が見えかかったぞ。
しかしいったいなんだ、荷物が届いたと思ったら中身は空……意や皮でしかもそれは銀髪ロングで赤い目で透き通った女性に変身できるものが。そしてそれは話を聞く限り、僕を命から守るためのもぐののであるということ。まだ少しわからないところがあるな。電話の着信履歴から電話でかけてきた相手にかけなおしてみよう。
「もしもし」
『はい、グミョウジです』
先ほどと同じ、少し高い男性の声だ。
「先ほど電話をかけてきた方ですよね」
『そうだよ、さっきとはちょっと違う声だね、親和性高くなったかな?』
「はい、いくつかお聞きしたいことがあるのですが」
『そうそう、さっきはちょっと手が離せなくなっちゃってね、いや、まいったね』
まさかこの人、出た人が殺し屋だということに気づいていない!?いや、ここは単刀直入に言おう。
「グミョウジさんですね、どうして俺のことを助けようとしたんです?」
『皮の持ち主の気配を消すという実験が出来なくてね、実験体を探していたところでこの話を知ったんだ、実験は成功のようだね』
「あ、ありがとうございます」
『そうだよ、1個言い忘れたことがあってね、簡単に言うよ』
「え」
『皮を着続けているとね、脱げなくなっちゃうんだ』
「はいっ!?」


俺は神速で女の皮を脱いだ。
「ぷはぁあああああああ」
「あ、男だ、俺だ!!」
声、輪郭、髪の長さ、足の太さ、両手両足の爪の形、間違いなく俺のものだ。俺はここに生きてるぞ!
中身は汗を一切掻いていなかった、俺と一心同体というのはどうやら本当のようだ。
「何でそんなことになっているんですか」
『皮を着て中身の気配を消すということはそれだけ負担がかかるんだよ』
「はぁ」
『なんかみょうになよなよしてきたな~って思ったら脱ぎ時だから』
「はぁ、でさ、これ。手入れとかどうするの?」
『送った荷物の中に洗濯ネット入ってるからそれ入れて洗濯をすればいいよ』
「そんなんでいいの!?」
『もっとめんどくさくしてほしいのか?』
「いえ、そんなことは」
グミョウジさん、気が利くんだかどうだかわからない。でも命の恩人であることは間違いないみたいだしなぁ。どうなのかなぁ。
まあ普段はみょりんをまくために皮を着て過ごしていて。皮が僕の身体を侵食しかかったり人と会う時は脱げばいいのか。うまく皮と付き合っていけばしばらく俺の身は安泰ということかな。
「あ、あと皮を着て寝ることは可能なの」
『寝てる時は身体も頭も休んでるから浸食の時間は進まないみたいね』
それを聞いて少し安心した。あと言いたかったことを言って彼との電話を終えることにした。
「そういうことは説明書なりつくって荷物に入れといてくださいよ」
『ごめんよ、時間なかったんだ、現に今日殺されかけてるじゃないの。作って送っておくから』
「ありがとうございます」




3日後、彼女との初デートの日、俺は指定した待ち合わせ場所、駅前の噴水へと急いでいた。
「やべぇ、遅れる!」
そう、遅刻しそうなのだ、俺は自分の体力の持つ限り全速力で待ち合わせ場所へ向かっている。時間すれすれで到着した。
「はぁ、はぁ」
なぜなら、あの皮をすれすれまで着ていないとみょりんに気づかれるかもしれないからである。人通りの多いところにいれば。そうやすやすと俺は殺せないはずだ。目撃者が現れてしまうからな。
駅前の噴水にお目当ての彼女はまだいない、どうやらまだきていないようだ。
「ふぅ」
とりあえずは息を整えよう。息を整えたときに待ち合わせ場所にお目当ての彼女は現れた。
なぜかみょりんを連れて。



つづく

いいよいいよー。

イラストも適宜OKです♪

お世話になってます

おもちばこです。
ご無沙汰です。彼女(in彼)を主人公としたSSを投稿させて頂きます。
掲載の検討、宜しくお願いいたします。

「おれのみがわり」

1話

「いょっしぁああああああああああああ!」
部屋の電灯の紐がゆれるほどの声を俺はあげた。
それは少し日がよく乾いた日のことであった、俺は彼女へのデートの誘いのOKをもらって非常に浮かれていた。ようやくカップルらしいことが出来る。そう思っていた。
それに水を指すように、玄関のチャイムが鳴ったのである。
俺は専用の受話器をとる、
「チョウゴ運輸です」
宅配便が来た、何だろうか。
「印鑑お願いいたします」
はいな、やけにでっかいダンボールだな、それを運ぶなんてさすがプロだ。
「ありがとうございました」
宅配のお兄さんに渡されてみたら意外と軽かった、衣料品か何かかな。
宛先には、俺の名前、桃川喜助の名前と住所は入っていたが、送り主の箇所は、雨にでもぬれたのか、読めなくなっていた。



「うげ、気持ち悪い……」
ダンボールの中身を見た感想だ。
中に入っていたのは人間丸ごと皮を剥いたようなものだった。
それ以外には何も入っていなかった。
頭部には髪の毛をかたどったらしき、銀色の糸が幾本も生えている。長さ的に肩まで伸びているだろうか。
人間の……それも女性のものだ。どこで女性だと判断したかは想像に任せる。
「誰かのいたずらかな」
十分ありえることだ、僕に彼女ができたことは誰かしら知っている。彼女を狙っていた誰かが、分かれさせるために誰かがやったとも考えられる。
また、送りつけて高額の料金を請求する詐欺も耳にしたことがある。
「なんだろうなあ」
疑問なことが多すぎでいまいち俺の頭では整理しきれないでいた。



人間の生皮なのか、それとも作り物なのか、俺にはわからない。
「どうやって使うんだ」
綿を詰めてカカシとして使うには精巧に出来すぎているなぁ。
どうせ使うんだったらこう華奢な体じゃなくて迫力のあるほうが。
「キグルミとしてつかうのかな」
ぬいぐるみとして使うのなら、わざわざ綿と別個にしておく意味がない。中身はあらかじめ入れておくはずだ。とすると、このすこし特殊な人間の女性の皮はキグルミとして使う線が濃厚である。しかし、サイズとしては俺には小さすぎるような、おや、ファスナーがついている。
どうやらそこから内側に手を入れられるようだ。
「ためしにやってみるか」
俺はこの皮をきぐるみとして使ってみることにした、右手をするするっと入れてみて、この皮の右手をかたどっているところに手袋をはめるように入れてみる。
「いててて」
やはり、この皮は華奢で、俺には小さめのサイズなようだ。次第に痛みがおさまっていく。
「あれ?」
俺はおかしいと思った、こんなに早く痛みが引くなんてありえない。
「まさか、俺の身体そのものになったとでも言うのか」
俺が身体を入れていない部分と比べてはっきりと人間の手だと認識できる。
キメ細やかな白い肌、よく引き締まった腕、細い指先。
俺とは明らかに別の腕だ。
「これは別の人間になれる……やつ?ということなのか」
こんなことが現実にありえるのだろうか、いや、現実に起きているからすぐに痛みが引き、手だけのダイエットに成功している状態である。



「いたたあ」
「ぎぎぎ」
「ぐうう」
「げえぇえ」
俺は好奇心を抑えられず、全身をこの何か、皮のようなものに身を包んでいた。
手と同じように、インフルエンザにかかったかのごとく関節に痛みを伴ったが。
痛みは即座に引き、俺の身体はその皮に収まってしまった。俺は部屋に備え付けてある姿見に映す。
「かわいぃあ!」
声まで変わっていることに気づき、俺は噛んでしまった。
「胸、ある」
女性のものを触ったことはないが触られるとこんな感じなのだろうか。かといって彼女に聞くわけにも行かないが。
「尻、ある」
この男をひきつけるむっちりとしたおしり、1点のシワも黒子もない。彼女もこんな感じだったらいいなぁ。
「股、ない」
この部分を収めるのには激しい激痛を伴ったが、どこかに言ってしまったようだ。これでは彼女を貫けない。
容姿は、彼女には悪いが、彼女以上ではないか。銀髪が肩まで伸びており、虹彩の色は赤く染まっている。どう見ても人間のものではない。俗に言う2次元から嫁が出てくるとこんな感じなのか。
それに化粧や変装で姿は変えられるが感覚を根本から変えることは普通は出来ない。だがこの皮はそれを実現して見せている。
しかし、男である俺にはこの皮によって得られたものが女の感覚というものだという仮説から抜き出せない。それを実証するには女性に…………彼女に着てもらって試してみるほかないのか。
俺は鼻の下を掻きながら考えていた。姿見の彼女も左右対称の行動をとっておりなんだか滑稽である。笑ってしまった、彼女も同時に笑った。



俺は一通り楽しんだところで呼び鈴が鳴った。
名残惜しそうに俺は専用の受話器をとる。
「チョウゴ運輸です」
扉をそろりと開けると黒くて細くて長いものがドアの隙間から勢いよく入ってきた。
その物体がこめかみに当たったところでドアの向こうから声がした。
「……あなた誰?」
そう言うと彼女は黒い塊を胸にしまった。
「え……え?」
まさかこめかみにうちつけられていたのって……拳銃!?
「桃川喜助さん?」
「はい」
あ、やべ、返事しちまった。
「あなたはどう見ても別人ね」
扉を開けたところ、真っ黒のケープコートに身を包み、ショートの金髪碧眼の女性であった。
「中に入りましょうか、あなた凍えそうよ」
俺は自分が裸であることを思い出した。
「ご、ごめんなさい」



俺はそこらへんに落ちていた男物のセーターとジーンズ、つまり俺の服を彼女に背中のファスナーを見せないように着た、当たり前のようだが若干ぶかぶかだ。
「要するに、あなたは桃川さんの命を狙っていると」
「そうだ、今回のターゲットはこの家の住人なのだ」
「な、何でそんな?」
「どうした、お前には関係ないはずだが」
まずい、ごまかさないと……。
「実はわたしも依頼されてて」
違う違う違う、ややこしくなるだろうが!
「そうか、えらく丸腰なんだな、お前は私とは違ったアプローチをするようだ」
ほっ
「スマホも財布も鍵も実印もあるな、やつはそう遠くへは行っていないはずだ、ここで待ち伏せしていれば時機に殺れる」
さ、さすがプロ。
「わ、わたしもいていいかな」
「別に」
何で自分の家にいるのに許可取んなくちゃなんないんだよ。
「とりあえず、落ち着きましょ」
「ほう、無意識で部屋の電気をつけるとはここの住人みたいだ」
ぎくぅううう!
「まあ、たまたまよ」
俺は以後目で見て確認するようになった。不審に思われていなければいいが。
「服とかお茶とかもらっちゃっていいんですかね」
「構わんだろ」
俺の物だし俺の家だぞおおおおお!という心を抑えてくつろぐことにした。



「コートは脱いだほうがいいんじゃない?」
「いつやつが現れるかわからんからな、遠慮しておく」
ははは。
俺を殺そうとしている理由については、不審に思われかねないのでこれ以上詮索するのはやめた。
「今、彼がどこにいるかわかったりするの」
「私は主に視覚と嗅覚でターゲットを判断する。すこしでもその片鱗を見せようものなら脳味噌に2発の鉛弾を撃ち込むと決めているのだ」
金髪の彼女は黒い物体を再び取り出しそう説明してくれた。
彼女の言葉が本当なら、この皮は俺の匂いも隠せているようだ。この皮は思った以上に高性能なようだ。
「1発だと助かってしまう可能性があるからな、2発と決めているのだ」
これは非常にまずい、まずい。
ふと俺が着た謎の皮を脱いだら目の前の彼女に殺される、脱がないと俺の付き合っている彼女との関係、俺の人生が終わる!
どうする!


つづく

追加イラスト希望なし
あとで欲しくなるかもしれません。

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