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「おれのみがわり」  第2話 by.おもちばこ

前回までのあらすじ

1.まず服を脱ぎます。
2.届けられた皮を着ます。
3.金髪の女性に殺されかけます。

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キャライラスト:シガハナコ http://l-wing.amaretto.jp/

おしまい

桃川「雑っ」


第2話

金髪でショートで碧眼で真っ黒のトレンチコートを着たままの女性はターゲットが現れず非常にいらだっている。
「しかし桃川とやらはいったいどこへ行ったのだろうな」
俺と彼女はお茶を飲んでターゲットを待ち伏せしているのであった。
もっとも、銀髪で赤い目の女の正体である俺自身がターゲットである為、俺の場合はふりであるが。欲を言えば一刻も早く帰ってもらいたいものだが。
「いまどきスマホを持たないで出かけるなんてことあるか?」
「いや~不思議ですよね」
「まあ逃がした者通し、情報共有等してゆこうではないか」
俺は狙われている命を守るため、あくまでもシラをきることに徹する。正体がばれては俺は彼女に殺されてしまうのだ。
「きみ……いや、あなた、そういえば名前聞いてもいい」
「ラジオネームだったらいいぞ」
何この子ラジオのリスナーやってんの!いや、いいんだけれど。
「ラジオネームはみょりんっていうんだ」
「本名にしません?」
さすがにその名前で呼び続けるのは抵抗がある。
「べ、別にいいだろう、識別にも発音にも問題ないはずだ」
「じゃ……みょりん」
「それでいい。そういえばお前の名前を聞いていなかったな」
「俺は喜助ってんだ」
みょりんは急に眉をしかめた。
「それはターゲットの名前だ、まさか」
「いや冗談冗談」
みょりんは顔がほころんだ。
「うむ……、まさか自分の名前を間違えるやつがいるとはな」
あっぶねええええええ。
「本当は……私は、あかねっていうの」
めっちゃテキトー
「かわいい名だ」
あれ?意外と受けてる。
「私のラジオネームには敵わないがな」
「…………」
このノリは独特なのか、一般的なものなのかは残念ながら俺の経験上判断はできないのであった。とりあえず、この皮を着て、雑談に興じれば俺の命は無事ということになるのか。



しばらく他愛もない話をしていると、俺のスマホが振動して電話での着信を知らせる。知らない番号からだ。
「で、出てみる?」
「一応出てみるか」
彼女が俺のスマホをとる。音量を上げて俺にも聞こえるようにしてくれた。彼女は右手で電話に出る。
「はい」
『おっ、かわいい声してるじゃん、そうか、早速使ってくれたんだな。いやはや、どうだい、うまく行っているじゃないの?』
男性の高い、若い声である。
「どういうことだ、何を言っているんだ?」
『いや、送ったでしょ、多分今日届いているはずなんだけどな』
みょりん(自称)はテーブルの下においてあるダンボール箱をチラッと見た。
「ああ、今日届いた、送り主はお前だったか」
『あぁ、届いていたの。よかった~、君命狙われているからそれを欺くために用意したんだけどさ、よかった~』
「使うとどうなるの」
『う~ん、少なくとも桃川喜助としての気配は完全に消せると思うよ』
「そうか、すごい技術だな」
『そうだよ~、研究に研究を重ねたんだから。あ、もし初期不良とかあったら言ってね、新しいの送るから』
「他にはどんな機能があるんだ」
『あまり言いたくはないが、見た目どおりの機能はあるよ、まあ気休めにでも使ってくれ』
おそらく女性としての機能はあるということなのだろうが、ひょっとしたら子供も埋めてしまうのか……?みょりんは首をかしげているようだが。当たり前か。
『しかし、うまく言って何よりだよ、よかった~』
「ということは彼は生きてるのか、情報提供感謝する」
『あっ』
彼女は電話を切ったあとこうつぶやいた。
「どうやら届いた荷物を使って気配を消しているらしい、ひょっとすれば家の中にいるかもしれないが」
俺は肝を冷やした。もし電話の主が荷物を皮だといっていれば真っ先にばれていたかもしれなかったのだ。皮一枚つながった感じだ。
「しかし気配を完全に消しているとなると、手持ちの装備では足りないな、私は拠点へ帰るとする」
「あ、そうなの」
対策できるものなの!?
「おまえはどうするんだ?」
「うーん、ターゲットにすぐ戻ってこられても癪だしここにいることにするわ」
彼女を納得させることと、自分の家を守るとしてはこれが最も良い選択であろう。
「そうか、私は賞金稼ぎではないんで、別にお前がやってくれてもかまわないが」
「お、おr……いや、彼って懸賞金がかけられてるの?」
「まさか、個人の依頼だ」
がっかりしたようなほっとしたような。
「じゃあな、またあおう」
そういい残して、みょりんは帰っていった。自分が殺さなくてもいいって、依頼主の狙いっていったい何なんだ。



「ふぅーーーーーーーーー」
俺は電灯のひもがゆれるぐらいの息をついた。18年間生きてきて生きた気がしないというのは初めてだ。少し走馬灯が見えかかったぞ。
しかしいったいなんだ、荷物が届いたと思ったら中身は空……意や皮でしかもそれは銀髪ロングで赤い目で透き通った女性に変身できるものが。そしてそれは話を聞く限り、僕の命を敵から守るためのものであるということ。まだ少しわからないところがあるな。電話の着信履歴から電話でかけてきた相手にかけなおしてみよう。
「もしもし」
『はい、グミョウジです』
先ほどと同じ、少し高い男性の声だ。
「先ほど電話をかけてきた方ですよね」
『そうだよ、さっきとはちょっと違う声だね、親和性高くなったかな?』
「はい、いくつかお聞きしたいことがあるのですが」
『そうそう、さっきはちょっと手が離せなくなっちゃってね、いや、まいったね』
まさかこの人、出た人が殺し屋だということに気づいていない!?いや、ここは単刀直入に言おう。
「グミョウジさんですね、どうして俺のことを助けようとしたんです?」
『皮の持ち主の気配を消すという実験が出来なくてね、実験体を探していたところでこの話を知ったんだ、実験は成功のようだね』
「あ、ありがとうございます」
『そうだよ、1個言い忘れたことがあってね、簡単に言うよ』
「え」
『皮を着続けているとね、脱げなくなっちゃうんだ』
「はいっ!?」


俺は神速で女の皮を脱いだ。
「ぷはぁあああああああ」
「あ、男だ、俺だ!!」
声、輪郭、髪の長さ、足の太さ、両手両足の爪の形、間違いなく俺のものだ。俺はここに生きてるぞ!
中身は汗を一切掻いていなかった、俺と一心同体というのはどうやら本当のようだ。
「何でそんなことになっているんですか」
『皮を着て中身の気配を消すということはそれだけ負担がかかるんだよ』
「はぁ」
『なんかみょうになよなよしてきたな~って思ったら脱ぎ時だから』
「はぁ、でさ、これ。手入れとかどうするの?」
『送った荷物の中に洗濯ネット入ってるからそれ入れて洗濯をすればいいよ』
「そんなんでいいの!?」
『もっとめんどくさくしてほしいのか?』
「いえ、そんなことは」
グミョウジさん、気が利くんだかどうだかわからない。でも命の恩人であることは間違いないみたいだしなぁ。どうなのかなぁ。
まあ普段はみょりんをまくために皮を着て過ごしていて。皮が僕の身体を侵食しかかったり人と会う時は脱げばいいのか。うまく皮と付き合っていけばしばらく俺の身は安泰ということかな。
「あ、あと皮を着て寝ることは可能なの」
『寝てる時は身体も頭も休んでるから浸食の時間は進まないみたいね』
それを聞いて少し安心した。あと言いたかったことを言って彼との電話を終えることにした。
「そういうことは説明書なりつくって荷物に入れといてくださいよ」
『ごめんよ、時間なかったんだ、現に今日殺されかけてるじゃないの。作って送っておくから』
「ありがとうございます」




3日後、彼女との初デートの日、俺は指定した待ち合わせ場所、駅前の噴水へと急いでいた。
「やべぇ、遅れる!」
そう、遅刻しそうなのだ、俺は自分の体力の持つ限り全速力で待ち合わせ場所へ向かっている。時間すれすれで到着した。
「はぁ、はぁ」
なぜなら、あの皮をすれすれまで着ていないとみょりんに気づかれるかもしれないからである。人通りの多いところにいれば。そうやすやすと俺は殺せないはずだ。目撃者が現れてしまうからな。
駅前の噴水にお目当ての彼女はまだいない、どうやらまだきていないようだ。
「ふぅ」
とりあえずは息を整えよう。息を整えたときに待ち合わせ場所にお目当ての彼女は現れた。
なぜかみょりんを連れて。



つづく

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