FC2ブログ

Latest Entries

アスランとナタリー ~策謀の秩序~ by.黒い枕&針子 〈2-9〉

〈9〉

(う、ぁあ……私……アスラン様と!男の人と初めて……ひっ、ひと!ひとつになるのね!!)
人が五人乗っても余裕のある、豪華絢爛な作りのベッドの前で、『ナタリー』は頬を上気させながら、狼狽えていた。
(でも……初めての筈なのに……初めてじゃない気がする?)
不思議な感覚だった。
生まれたままの肉体を、愛しい人に差し出す行為。
当然、初めての筈なのに――。
(私……処女……よね?)
乙女の秘密の入り口を、鮮血で濡らした覚えが有った。
記憶――ではない。
顔も、肉体的な特徴も、霞掛かったように思い出せないが――逞しい男のモノに、情け容赦なく秘部を貫かれた痛みは覚えていた。
その後の、甘い当惑と、魂が蕩けてしまう様な快楽も、頭の中に残っている。
(……ち、ちがう。だって私……男の人は初めてのはずよ!アスラン様が初めての人の筈よ!お、おかしな私……)
ぶん、ぶん、と頭を振り回す。
淫らな妄想に囚われている己を恥じて。
(きっとアスラン様と一緒になれると思って、舞い上がっているのよね!一人で!うんうん!)
今度は、自分に言い聞かせるように、内心で頷く。
だが、『彼女』は気づいてはいなかった。
王女と言う立場であると言うのに、処女であると言うのに――。
(アスランのは……きっともっと太くて、大きくて……か、硬いのよ!!)
鮮明に男性器を想像できる事実を。
「ナタリー……緊張しているのかい?」
「ふあぁ!?あ、アスラン!さっ、さま!?」
様々な感情が頭を巡り、少し対応が遅れてしまった。
ひっそりと背後から近付いてきた『アスラン』が、両肩を撫で回す。
「アスラン様……ちょっと!あっ……あぁ」
体に許可なく触られて、微かに抱いた嫌悪感。
しかし、そんな気持ちとは裏腹に、強張っていた身体は無駄な力を解き放ち、汗ばみながら、体温を跳ね上げていく。
「んっ、ふぁ……」
ドキドキが加速する。甘い吐息を少しも抑えきれなかった。
「ああ!姫……もう我慢できません!俺はあなたが!」
『ナタリー』が興奮しているように、いきり立った『アスラン』の顔が迫ってくる。
身動きする暇もない。
二人の唇が、ぬちゅるっ、と重なった。
「はむっ。んんっ……!」
三秒後に、漸く自身が口付けされていることに気が付いた『ナタリー』。
(ひぃいいい!やめっ、アスラン様!はやい、はやいですわ!やっぱりっ!)
何故かは分からない。
けれども、急激に湧き上がった焦燥感と嫌悪感に腕を振り回す。
「あむっ!んむっ、ちゅ……ひめぇ!だめ……ですよ?暴れては……あむっ、んん!んちゅっ、っ――!」
「ひゃぁ!待って……キスはやい!はやい!い、いやぁ……!!」
ぬちゅる、ぬちゅ、ぬちゃっ!
「ひぃ、ぁああ!」
口腔の粘膜が、『彼』の舌先に掻き混ぜられていく。
甘い痺れが歯茎に染み渡り、胸ときめかす喜びがベロを包み込む。
(ああ!ああっ……いやぁ!なんでぇ!そんな……わっ、私……こわい。い、いやぁ!!)
しかし、次第に湧き始めた歓喜を上回る恐怖が体を襲った。
怖い、否――おぞましい、と『ナタリー』は涙を浮かべながら、必死に暴れた。
「――!ナタリー!何をじらしているんだいっ!いいから俺に従いなさい!いや――従うんだ!!」
すると、『アスラン』の様子も変わる。
優しかった口調が、打って変わったように高圧的で。
「さあ!俺と――このアスランと一緒になるんだよ!」
「うああ!きゃああ!」
どしんっ!
嫌がる体を、無理やりベッドに抑え付けられる。
「う、ううっ!ああ!」
悲しくて、怖くて、呻くことしかできない『ナタリー』。
ぷるん、たぷるん、と豊満なおっぱいが弾けるように弾んでいる。
「ごくっ……ハァ、ハァ。大きなおっぱい、ですねぇ。俺のために育ててくれたんですよね?」
「ちが……私におっぱいなどありません!」
「じゃあ、これはなんなんですか?」
被虐的な笑みを浮かべ、『アスラン』の手がぷにぷにと胸元を歪ませた。
「きゃあ!い、いい加減に……して!ひ、人のおっぱいで遊ばないで!!」
おっぱいを弄ばれる悔しさに、歯を噛み締めながら見上げる。
(これは私のじゃないのに!守らないといけない大切な体なのに!よりにもよっておっぱいに触るなんて!ゆ、ゆるせない!――っ、あれ?大切な体……私の、じゃない?)
何かが変だ。
頭の中で考えていることと、肉体が感じることに差異が発生しているのだ。
「あはは。ほんとうにナタリーのおっぱいは、柔らかいね。大きくて、ぷにぷにしていて!なんてイヤらしい形をしているんだ!」
「ひゃっ!」
手のひらの形に押し潰されて、綺麗な球体が醜く歪んでいる。
「や、やぁあ!」
乳房から走る甘い痺れが、脳裏を満たしていく。しかし、なぜだろう。
目の前で拉げられる乳房も、体から湧き上がる『女』の喜びも、全てが偽りのように思えてならなかった。
「ふぁ、ああっ……」
想像していただけで胸がときめいていた筈なのに、『アスラン』に耳裏を舐められた途端、背筋が戦慄くほどの嫌悪感に襲われる。
(ああ!おっぱい……私の?わたし……でも!あっ、あああ!)
『何』かを思い出しそうで、しかし、その『何』かが分からない。
激しいジレンマに、『ナタリー』はポロポロと泣き崩れた。
「あう!ちがう、のぉ!わたし、わたしは……あっ、ああ!」
「何も違わない!あなたが――お前がナタリーなんだ!俺の……勇者の妃になって、子供を産む!ただそれだけの存在なんだよぉ!!」
「ひ、ぃ、ああ!」
魔物のように襲い掛かる『彼』の肉体に抑え付けられて、『ナタリー』は抗うことなくベッドに沈み込んだ。
ハァ、ハァ、と荒い吐息を吹きかけられながら、又しても唇を奪われる。
(きゃあ!やめてぇ!やだ、やだやだ!私っ、男の人とする趣味はな、ない――だって、私は!)
ぬちゃ、ぬたり、ヌルっ!
首筋にも、キスの雨が襲い掛かり、唇より這い出た舌先が柔肌に唾液を擦り込ませる。
その度に『ナタリー』はぴくっ、ぴくっ、と背筋を震わせて、怯えた。
「あっ、ああ!はぁ……んはぁ!」
心と体が上手くかみ合っていない筈なのに。
怯えも、不安も――そして、恐怖すらも無視して、体温が跳ね上がる。
熱を帯びた吐息を漏らし、ぐったりと弛緩した。
「お前だって……喜んでいるくせに」
嗜虐的に歪んだ『アスラン』の顔。
初めて見るような顔だった。普段とはあまりにもかけ離れているため、まるで”他人”のように思えてしまう。
(って、私はなにを?あ、アスラン様は……他人、でしょ?ふぁ、あっ……ああ!でも、でもでも!!)
後少しで、偽りの檻を打ち砕けそうだった。
しかし、それよりも前に『ナタリー』の前に凶悪な絶望が降り立った。
「きゃああ!ああっ!あぅうう!い、イヤぁ――――っ、っ!!」
思わず、甲高い悲鳴が上がった。
びぐん、びぐん、と力強く脈動し、赤黒く充血した肉槍の先端が、天高く反り上がっている。
それは『アスラン』の一物に間違いなかった。
「いやぁ!やめて……ゆ、ゆるしてぇ……!」
自身の方向に狙いが定まっている亀頭を見せつけられて、流石の『ナタリー』もこれから引き起こされる出来事を想像した。
ふる、ふる、と弱弱しく顔を左右に振って、許しを求めた。が……。
「これがお前の運命だ――ナタリー」
しかし、『アスラン』は止まらない。
まるで物のような扱いだった。
そこに『ナタリー』の意見や、意思などなかった。
子供を孕むのが責務だと言わんばかりに、無理やりに両足を広げられて、下着をずり下ろされていく。
「――っ、っ!ああ、い!いい!いい加減に……!!」
その時、『彼女』の中で途轍もない怒りが遂に爆発した。
「しろぉおおおお――!!」
「ぐはぁあああ!」
渾身の力――自身でも信じられないほど――で腕を振り上げて、『アスラン』の体を吹き飛ばす。
『彼』の体が意図も簡単に壁まで飛んでいく。
「はぁ、はぁ!私は……わたっ、わた――い、いや……俺は!!」
全身を黄金色の光りに包まれながら、『ナタリー』が己の中の真実に気が付いた。
「なだっ、りぃー……うんめい……おうこくの、為……子を、ヤドセっ!!」
よろよろと起き上がり、『彼』が組み掛かってくる。
「子供――孕め!孕め孕め!はら、メェェェ――!!」
殴られた部分から、黒い泥へと変貌させた顔を剥き出しにしながら。
「ガァ、ァ!ハラメェ!運命!オマエ、ナタリー……!!」
「違う!俺は――俺が!この俺が……アスランだぁああああ!!」
ぼとりっ、ぬとっ、 ぬちゃ!
『アスラン』の顔から落ちてくる泥の飛沫にも畏縮されず『ナタリー』は――否、『ナタリー』と言う名の檻を打ち破った本物のアスランは叫ぶと同時に、腕を振るった。
本来なら空を切る筈の拳。
しかし、本来の自分を取り戻したアスランの手の中に、光と共に一本の剣が現れた。
精巧な装飾が施されている、刀身が銀色に輝いている宝剣。
「うああ――ッ!!」
「グ、ォォオオオ……っ!!」
重量と言う物を無視し、アスランの斬撃が天高く舞い、偽物を真っ二つにする。
おまけとばかりに壁も、天井も――否、彼を取り巻いていた世界そのものさえも、銀色の輝きを帯びた斬撃に全て飲みこまれ、そして消えた。
「はぁ、はぁ……そうだ。俺は、アスランだ!」
天も地も分からなくなり、白一色に染まった空間で、アスランは満足げに呟く。
彼の手で眩しい光を放っていた銀剣は、既に影も形も無くなっていた。

コメント

アスランは、そんなに頑張らなくてもよかったのに。孕め、孕め。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://okashi.blog6.fc2.com/tb.php/15733-d6f21f7e

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

DMMさんの宣伝

 

初めての人はこちら

ts_novel.jpg

 

性の揺らぎに関する作品でお勧めのもの

ts_syouhin_20090318225626.jpg

 

性の揺らぎに関する作品(一般)

ts_syouhinもと

 

ブログ内検索

 

最近のコメント

プロフィール

あむぁい

  • Author:あむぁい
  • 男の子が女の子に変身してひどい目にあっちゃうような小説を作ってます。イラストはパートナーの巴ちゃん画のオレの変身前後の姿。リンクフリーです。本ブログに掲載されている文章・画像のうち著作物であるものに関しては、無断転載禁止です。わたし自身が著作者または著作権者である部分については、4000文字あたり10000円で掲載を許可しますが、著作者表記などはきちんと行ってください。もちろん、法的に正しい引用や私的複製に関しては無許可かつ無料でOKです。適当におだてれば無料掲載も可能です。
    二次著作は禁止しません。改変やアレンジ、パロディもご自由に。連絡欲しいですし、投稿希望ですけど。

 

全記事表示リンク

ブロとも申請フォーム

月別アーカイブ

 

最近の記事

 

ブロとも一覧


■ ブログ名:M物語(TSF小説)

 

カテゴリー

新メールフォーム

イラスト企画ご案内

20080810semini.jpg

 

リンク

RSSフィード

2020-08