投稿ＴＳＦ小説第１２４番 繋がれた心（１）＜１８禁＞

うずらさんからの２００万ヒット記念の貢物です。４００万ヒット記念にともぺんさんからイラストを頂きました。

作.うずら　http://plaza.rakuten.co.jp/uzulove/
挿絵．ともぺん　http://red.ribbon.to/~orange139/top/top.html

夜の街を歩いていた。ただそれだけ。
僕は背が低いから、良く補導されかける。
だから、後ろから声をかけられたときも、いつものことだと思っていたんだ。
「ちょっと、キミ。こんな時間に出歩いて……何時だと思ってるんだ？」
１１時。
素直に答えてやろうかとも思ったけど、僕を子供のように決め付ける態度に腹が立ったから、無視無視。
そのまま、速度を落とさずに歩く。
「待ちなさい！」
すごい力で手首が握られた。
強制的に振り向かされたので、その筋肉質な男を睨みつけてやる。
「っ、何するんだよ」
「キミ、こんな時間に街を歩いてたら、ダメだろう。こっちに来なさい！」
「離せよ、僕は大学生だ！」
そう反論した場合、学生証を見せろと言って来るのが普通なのだが、男は違った。
有無を言わさず近くの車に僕は押し込められた。
蹴り飛ばそうとしたとき、一瞬の痛みを感じると、意識が白くはじけて、そのまま僕は……。






ジャラ……。
体が重い。
起きるのが億劫で寝転がったまま、必死に状況を把握しようとする。
どこにでもありそうだけど、絶対にありえない部屋。
短毛のカーペット以外、家具どころか、窓すらもない。
蒸し暑いはずだ。
弱弱しい蛍光灯の明かりが、薄ぼんやりと点いている。
そして、ドアが一つ。
木製の重厚そうなつくりで、僕が体当たりしたところでびくともしないだろう。
重々しい音を立てながら、そのドアが開く。
「やあ、ごめんね、手荒なことをして」
「お前っ！」
殴りかかろうとして、無様に床に倒れこむ。
見ると、両足首が鎖で繋がれていた。
その鎖はそれぞれ壁の金具に取り付けられている。
「っ！？　何だよ、何が目的だ？」
「目的？　うん、キミを可愛い奴隷にしようと思ってね」
「ど、奴隷、だって？　しかも可愛いって、どういうことだよ！」
こいつ、ホモか！？
今からケツを掘られて、一生飼い殺しにされるってことか？
くそ、なんとか逃げないと……。
「数日前、街で見かけたとき、キミのことを一目で好きになったよ。ね、僕のものになってくれるよね？」
「なってたまるかっ！」
「そう、それじゃあ仕方がないね」
男が小瓶を取り出した。
危機を感じて逃げようとして、また鎖に足を引っ張られてこける。
ちょうど身体が近寄ってきていた男の胸に収まって、そのまま抱きしめられる。
うげ、キモチワルイ！
「ああ、僕の胸に飛び込んできてくれるなんて」
「く！　この変態、離せ！　離せよっ！」
「そんな悪いことを言うのは、この口かな？」
「んんっ！？」
口が……男の唇でふさがれた……。
吐き気がして、男を突き放そうとしても、力が入らない。
そこにコロンと錠剤が入ってきた。
無理矢理上を向かされているので、そのまま嚥下してしまう。
「ぐっ！」
「ちゃんと飲んだね？」
「げほっ、ぺっぺっ……な、何飲ませやがった！」
「んふふふ、後で分かるよ。それじゃあ、効果が出るころにまた来るからね。それまでおやすみ。大好きだよ」
そのままツバを吐き捨てる僕に微笑んで、部屋から出て行った。
足音も何も聞こえないから、防音壁でも使ってるんだろう。
ため息をついてへたりこむ。
「これからどうなるんだろ……」
絨毯の上に寝転がると、次第に眠くなって……。

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