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投稿TS小説 陽だまりの世界

作.うずら

認めたくなかった。
TS病でゆっくりと、確実に女になっていく絶望。
女に成った体に、ココロが引きずられる恐怖。
俺を支えてくれたのは、家族でも、医者でもなかった。
聡志。
まるで兄弟のように育った、幼馴染。
学年のリーダー格でもあった聡志のおかげで、直接的なイジメはなかった。
影でコソコソ言われたり、ねとつくような目で見られるのは、仕方ないと割り切らなければいけなかったけど。
聡志がいたから、耐えられた。
ホモ呼ばわりされたことだって、何度もあったのに。
折れそうになる俺の心を、いつだって救い上げてくれた。
でも、認められなかった。
認めたくなかった。
俺が聡志のことを、男として好きだなんて。
認められるわけがない。
聡志は友達として俺を救ってくれてるのに。
俺だけが変わるなんて、ありえちゃいけなかった。







「要って、聡志君のこと好きなんじゃないの?」
うるさい、外野。
分かってるよ。
言わないでよ。
私はそんなこと認めちゃいけないんだから。
「あ、あはは、そんなことないよ」
「ふーん、じゃあ、私が聡志君、もらっちゃおうかな」
「え……?」
何、それ?
ワケわかんない。
「彼、フリーなんでしょ?あんたの世話、焼いてるからさ」
「う……うん」
私の世話を焼いてるからっていう言い草は気に入らない。
聡志は聡志の意思で、彼女を作らないんだ。
そう主張しても、どうせ聞く耳は持ってくれない。
そんな女だ、この外野は。


放課後。
「何よ、聡志のヤツ、放課後の美術室なんて呼び出して」
いつもなら、メールや電話で用事を済ませるのに。
こんな手の込んだことをして、どういうつもりなのかな。
ドアノブを掴む。
誰か……いる?
男と女が言い争ってる声が聞こえる。
男は聡志。
私が間違うはずがない。
女は……さっきの外野、朱音。ただのクラスメイト。たぶん。
誰が居ようと、関係ない。
ここには聡志がいるんだから。
ドアノブをひねる。開く。
キス。
キス。
キス。
ナンデ?
ナンデナンデナンデ?
「ダメええええええええええっ!!」
「か、要!?」
「ふんっ、何?今更出てきて。私が聡志君もらうって言ったとき、あんた何も言わなかったじゃない」
「やめてよっ!……私の大事なヒトを取らないでっ!」
「おい、落ち着けって!どういうことだよ、朱音!」
朱音に掴みかかった私を、聡志が引き離す。
何?
この外野の肩を持つ気なの?
「待てよ、二人とも何なんだ!?」
「私が聞きたいわよ!聡志が呼び出したくせに!
 キ、キスしてたところなんて見せ付けて!ワケわかんない!」
「あの手紙?アレは私が出したのよ。アンタ、聡志君に守られてばっかりの癖に、別に好きでもなんでもないんでしょ?だったら、私がもらったっていいじゃない。それに、身の程ってものを、わきまえて欲しかったし」
「ッ!?」
パァンッ!
「そうやって、思い通りにならなかったら暴力を振るうのが、アンタの本性ってワケ?あはは、何よ、泣きそうな顔して」
「ふざ、けないでよ……ッ!外野のくせに!私と聡志の世界に入ってこないで!」
「か、かな、め?」
「あ……」
認めちゃ、ダメなのに……。
離れないと。
聡志から、離れないと。
逃げる。
どこでもいいから。
誰も居ないところへ。
誰も来ないところへ。
誰も……見つけられないところへ。


校舎の裏、使われなくなった焼却炉の影で、私は泣いた。
声を殺して。
ここなら誰も来ない。
今まで泣かなかった、泣けなかった反動か、泣き続けた。
ザッ
足音……。
誰か、来た?
「要……」
聡志……。
何で分かったんだろう。
こんなところ、誰も来ないのに。
TS病で変化が始まってから、ずっと私はここに逃げていた。
誰も、来たことなんてないのに。
「聞いてくれ。弁解に聞こえるかもしれないけどな」
返事は、しない。
私にその資格はない。
聡志の思いを踏みにじった私に、聡志と言葉を交わす資格なんてない。
「さっきの朱音とのキスは、アイツが勝手にやってきたことだ」
たとえそうでも。
聡志には朱音みたいに、本物の女の子の方がふさわしい。
私は所詮、ニセモノでしかない。
「朱音が何をしたかったか、説明してやるよ。アイツな、あのキスはお前に見せるためにやったものだって言ってた」
見せ付けるため、でしょ。
分かってる。
学校の人気者と私はつり合わない。
「アイツさぁ、お前のこと心配してたんだってよ。他のクラスの子たちも、同じだって。でも、お前があまりにも取っ付き難いから、どうしようもなかったって」
何、それ。
聡志もそんなこと信じてるの?
嘘だよね?
「それに、お前の態度で、お前が俺のこと好きだって分かったとも言ってた。でも、要。お前が分かりやすい態度のくせに、行動を起こさないから、刺激を与えようと思ったんだってよ」
そんなの、信じれない。
信じれるわけない。
なんでそんなに、聡志は甘いの?
「要……どうせまた、信じられない、とか思ってるだろ。だったら、何でアイツが俺にそんなこと言うよ?そのまま俺を拘束してりゃ、お前は人間不信、孤立への道一直線だ。朱音はな、謝ってたよ。酷いやり方だったって。俺の心も、お前の心も踏みにじったって。泣きながら、謝ってた。それから探しに行ってくれって、俺を送り出したんだ」
嘘。
本当なわけがない。
「はぁ……要、俺は卑怯だ。言っておくけどな、お前が俺を好いてくれてること、知ってた。そりゃあ、お前は元男かも知れないけど、今は体も心も女の子じゃないか。しかも美人だ。俺だって、お前に惹かれてたんだぜ?」
え……?
「でも、甘えちまってたよ、俺。いつかお前から、言ってくれると期待してた。その結果がこれだ。朱音が俺とお前の心を踏みにじったなら、俺はお前と朱音の心を傷つけた。すまなかった」
なに、よ。
何なの。
何で、そんなこと言うの。
「だから、言うよ。俺は、お前のことが大好きだ。付き合ってくれ」
「ふぇ……っ、く……さと、し……」
「なあ、泣くなよ、要」
だって、だって、だって。
「お前が思ってるほど、世界は暗くも汚くもないんだぞ。だから、戻って来いよ。そんなジメジメした隅っこなんかじゃなくて、こっち来いよ。暖かいぜ、こっちは」
「聡志ッ!」
どんっ
体ごと、聡志にぶつかる。
聡志、聡志、聡志、聡志。
切ないよ、聡志。
「聡志……好きになっても、いいの?」
「もう好きになってるくせに、何言ってんだよ、要」
「うん……聡志、聡志」
「何だ、要?」
「私も聡志のことが、大好きです」
頬が自然と緩む。
そういえば、最近は笑ったことがなかった。
「……要、お前、反則だ」
「え?」
「自分がどういう顔してるか、わかってないだろ」
「え?え?」
「なあ、抱いていいか?」
「……ええええええええ!?」
「だって、お前が胸とか押し付けるから、さっきから痛くて……」
痛い……?
一人でテント設営したんだ。
がんばったね、聡志。
「あの、本気?」
「当然だろ。好きだから、抱きたいんだ」
そんなこと言われたら、断れるわけがない。
「う、うん、分かった……いいよ、抱いて……」
そう言うなり、聡志がのしかかってきた。
は、初体験が青姦……。
でも、聡志と一緒なら、なんだっていい。
パンストとショーツを捲りあげられる。
胸のボタンも外される。
怖い。
怖くて、体が動かないうちに、どんどん聡志は進んでいく。
「きゃ!?」
お尻を持ち上げて……。
も、もしかして!?
男だったから、聡志が何をしようとしてるかもすぐに分かった。
「汚いよ!聡志!」
「大丈夫、キレイだよ」
ペロッ
すごい快感。
この体になってからは一人エッチなんてしなかったから、知らなかった。
「ひゃああ!?」
「お、感じたのか?」
なめられるたびに、壊れちゃいそうなほど強い快感が波のように襲ってくる。
同時に膨らんだ胸をもみしだかれる。
「あっ!んっ!?ふあああ!」
「かわいいよ、要」
「っんん!?あぁ!」
口をマンコに密接したような状態でしゃべるから、そのたびに喘いでしまう。
カラダの奥の方がうずき、蜜があふれるのがわかった。
「濡れてきたな」
「い、いちいち言わないで、聡志っ!」
「初めてなのに、やらしいんだな」
「うう……」
ようやくお尻から手を離してくれた。
やっと楽な姿勢になれると、一息ついていると。
「行くぞ、要」
「え?」
ボーッとして、全身が弛緩していた私の体が一気に緊張に包まれる。
入り口が緩んだ隙に、聡志が貫いたのだ。
「いっ!!」
悲鳴は、あげない。
痛い。けど、我慢。
「き、っつ……」
「っ!……!」
歯を食いしばれ、要。
聡志が動くたびに、激痛が走るけど。
悲鳴は、あげない。
「く……うぁ!?」
「ああ、あああ!?」
聡志がいったん腰を引いた瞬間。
ひだにすれたせいか、私の中に聡志の精液が注ぎ込まれた。
これが、女になるってことなのかな。
「ご、ゴメン……痛かったよな?」
「う……ん」
聡志が引き抜くと、私の股間からは白と赤の液体が流れ出した。
自分で見ると、なんか、すごいとしか言いようがない。
「大丈夫か?今、拭くからな」
そういって、痛みで動けない私をティッシュで拭いていく。
自分のなえたモノを最後にぬぐって、聡志は気まずそうに私の服を直してくれた。
痛いだけだったけど、挿入されることが快感になる日は来るのかな。
「動けるか?」
「ちょっと、腰が痛くて、無理……」
「わかった。ホラ、つかまれ」
え?
おんぶ……?
「う、うん」
力の入らない腕で、なんとか聡志にしがみつく。
聡志のぬくもりが背中を通して伝わってくる。
ああ、聡志って、こんなに背中、大きかったんだ。
「家まで送るから」
「あ、カバン」
「お前を送った後で、また取りに来る」
「……うん」
「要」
「なに?」
「子供の名前、何にしよう」
「……バカ……」


「要……」
ちょっとハスキーな声。
朱音。
「ごめんね、酷いことしたよね?」
「私の方こそ、叩いたりしてごめんなさい」
聡志越しの仲直り。
「さっそく、ヤっちゃったのね」
「う、うん」
「じゃあ、明日はクラスの皆を呼んで、祝賀会がてらカラオケでも行きましょ」
「え……?」
「私たちみんな、本当に要と仲良くしたいと思ってんだからね」
「あ、ありがとう……ありが、と……」
何でだろう。
さっきもだけど、涙が止まらない。
「ついでに、初体験の話、聞かせてもらうから覚悟しといてよ?」
「グスッ……お、お手柔らかに」
聡志の言うとおりだった。
ジメジメした一人きりの世界より、聡志といっしょの明るい世界の方が、断然暖かくて心地よくて。
背中の体温を感じながら、私はそんなことを思っていた。

<おしまい>

うずらさんコメント

俺の横には、に続く練習作品その2。
同じく、短くてスミマセン。
甘々な展開しか書いてなかったので、シリアスをと思ったんですが。
なんだか結局、だだ甘ですね。
しかも、主人公がスッカリ女性になじんじゃって、TS色が薄れてます。
うーん。


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