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アスランとナタリー ~策謀の秩序~ by.黒い枕&松園 〈4-2〉



「……っで、ナナミは結局どうしたんだ?なんで部屋から出ないんだ?」
「……どうしますナターシャ?伝えますか、あのこと?」
アスランからの問いに、ナタリーは気不味そうに目線を逸らすと、ナターシャへと言葉を投げかける。
まるで『後は任せました』と言わんばかりに。
「ナタリー?何か隠してないか?」
「――えっ!そ、そんなこと……あり、ません!?」
途端、今まで格好いい顔をしていた彼女の表情が、トマト顔負けに赤くなる。
「おい――絶対に何か隠しているだろ!?」
「いや!本当に……なんにもないですよぉ!」
「伝えるも何もないじゃない!何時までも部屋に引き篭ってはいられないんだし――ほら、ナナミ!アスランが心配しているんだから、顔を出しなさいよ!!」
ナタリーを問い詰める横で、ナターシャが妹を呼び付ける。
しかし、返事はない。
「もう……しょうがない娘ねぇ」
『あれー?……そう言えば、私もナナミって娘と暫く合っていないわね?ここに泊まって直ぐだっけ?あの娘が部屋に篭ったのは?』
「おい!本当にナナミの奴は大丈夫なのか――!?」
「ほら見なさい!アスランをこれ以上、心配させるつもりなの!?いい加減にしないと――あのことも包み隠さず話しちゃうぞ!」
「――ね、姉さん!卑怯者!?秘密って言ったのに!!」
最後に付け足した言葉の効果は絶大だった。
ナナミが沈黙を打ち破る。
『――ねえ、お嬢ちゃん?ちょっと聞いてもいい?』
「お嬢ちゃん言うな!……で、なんだよ?」
『いやーあの娘とは数回しか言葉を交わしていなかったけどさぁ……声が違うわよね?今の声……どう聞いても男の人のモノじゃない?』
「……え?」
指摘されて初めて気が付いた。
今までの彼女の声とは、まるで違う。
次元が――と言うか、”性別”が違う声である。
(いや、待てよ?今の声は前に聞いたことが――お、おい、おいおい!ちょっと待て!!)
まるで男のような響きの声に、アスランの頭脳が予想を打ち立てる。
最悪の予想を。
「うっ……ううぅ……お、驚かないで下さい……アスランさんっ!」
その考えを肯定するかのようにナナミが、その姿を現した。
黒子が残る瞳には面影が残るものの、涙で濡れている顔はどう見ても『女の子』ではなかった。
「あっ、ああ……ナナミ!その……姿!?」
実に男前な顔立ちと、泣き虫のような表情が恐ろしく似合っていない。
けれども、アスランの元の肉体よりも頭ひとつ分大きな巨体は、まさに筋肉隆々といった有様で。
浅黒い褐色色の筋肉の鎧を見ていると、思わず息が詰まりそうになる。
例えば元の体だとしても、こんな『彼』と出会ってしまえば間違いなく道を譲ってしまうだろう。
(ああ!間違いない……これナナミの男姿!あ、あの時の……かっこいい!ナナミの姿!)
男から見ても惚れ惚れしてしまうほどの――雄々しい青年。
そして、それこそが今のナナミなのだ。
「あううぅ……アスランさん……申し訳ありません。……この姿を二度と見せたくなかったのですが……実は姉さんの魔法石が……ペンダントが故障したらしくて」
「恐らくルートのあの剣と、ペンダントの魔法がお互いに干渉したのが原因ね。直ぐには直せない……と言うか、一から作り直さないといけないから、暫くはこのままよ」
「そ、そんなぁ――!」
見た目が格好良すぎるためだろう。
本人には悪いが、涙を浮かべれば浮かべるほどナナミが滑稽に見えてくる。
もっとも、そんなシュールな光景が、以前に起きてしまった『事故』の記憶を、否応が無しに呼び起こしてしまう。
(そんな……なんで今のタイミングで!その姿を……ああっ!ダメだ!体に……変なスイッチが入るぅぅ!)
どくん、どくん。
忘れる訳が無い。
女として初めて犯され、辱められた『男』のことを。
(子宮が……お腹の奥が……熱い。ひ、ひぃいンン――や、やだぁ!)
とくん、とくん。
忘れる筈も無い。
女としての喜び、高揚感を教えてくれた『牡』のことを。
甘く切ない気持ちが胸いっぱいに広がって、お腹の奥が悩ましく蠢いた。
「……うっ、あ……ん!」
体が火照り、頬も炎のように熱かった。
「はぁ、はあ……あんっ……」
ナナミの顔から、何故か目を逸らせない。
そして、引き寄せられるようにして体が、腕が動いた。
(はぁ、はぁ……すごく胸がうるさい――って、何だか本当に勝手に動いていないか!?俺の体!?お、おい!待て……!!)
確かに男となったナナミに、少なからず興奮を覚えたのは――恥ずかしい限りだが――事実だ。
しかし、行き成りその体に触れようとするほど色情に狂っているわけでもない。
なのに――。
「え!?」
「アスラン!?」
「ええ!ちょっと大胆すぎぃ――!」
皆の前でナナミに抱き付いてしまった。
その上――。
『ダーリンっ!!』
何とも低俗な言葉を吐き出してしまった。
「アスランさん!?ダーリンって!?う、うえええ!!私がダーリンで!いいんですかァ――!?」
「ちょっと待って下さい!な、なんでそうなるんですかぁ!?……そんなアスランがナナミを好きだったなんて!しかも、男の姿の方を――そ、そんなのダメですぅうう!!」
「わーお!まさかの超展開!ここはアスランにお義姉さまって呼ばせるべきかしら!!」
「待て!皆ちょっと待ってくれぇえええ――!!」
『ダーリンっ!もう一生離さない!!』
「って犯人はお前か、ベアトリス!!」
一瞬、己の口が放った発言と錯覚したものの、犯人はベアトリスだった。
『なんていい男!こんないい男がいたなんて!私の馬鹿!馬鹿!馬鹿!一緒にベッドまで行きましょう!ダーリンッ!!』
「ええ!そんなアスランさん――わ、私まだ覚悟が……でもアスランさんが望むなら!!私は……お、男でも!この姿でも!!」
「そんな……ず……ずるいです!私の体なのに……アスランと交尾するなんて!!」
「二人共気づけ!俺じゃない!か、体が動いているのも!変なことを言っているのも―― 
っていうか、ナタリー!こ、交尾って!そんな破廉恥な言葉を使うのはダメだろ!?王女なんだから!!」
まだ勘違いしている二人が――中身はともかく、外見は『男』であるわけで――とても恐ろしい。
鍛えられた男の体に挟まれる威圧感に、息苦しさを覚える。
「んはぁはぁっ……お、落ち着いてくれよ。ふたり、ともぉ……!」
潤んだ瞳を向けて、弱々しい声で懇願した。
すると、ナナミとナタリーは同時に顔を赤らめた。
「反則ですよ!その顔……!」
「アスラン……可愛すぎますぅ!!」
アスランにとって彼女らが『男』であるように、彼女らにとってアスランは『女』なのだ。
その事実に気付けない彼は二人の様子に首を傾げるが――何もかもが遅かった。
「……え?あ、あれ?」
「アスランさん!がぁ!わ、悪いんです!そ、そんなに可愛いから!」
「はぁ、はあ……ああ!そうですわ!そんなにい、イヤらしいから私――私たち!う、おお!」
「ひぃいい!?」
上気した顔で、愛らしい瞳に涙を浮かべ見上げられると、もう二人は止められない。
ギラギラと、仲良く瞳を輝かせながら、二人掛かりでアスランの身体を抑え付けて来た。
「た、タンマ――!や、やだぁあ!やめ……あっ、あああ!あんっ……!」
『うふふ。いいわ!ダーリンだけじゃなくて、こんな可愛い男の子ともセックス出来るなんて!中身が女なんて些細な問題よ!お嬢ちゃん、私たち女の力で彼らを楽しませてあげましょうねぇ!あははッ!』
「お、俺は男だ!い、嫌だ!……俺は男なんだ!!」
アスランは必死に言い聞かせる。
自分は男であると。
だから、おいそれと『女』として抱かれるのは御免である、と
『イヤー!我慢出来ない!我慢無理ぃ!お願いよぉお!一目惚れなんだからっ!この人とセックスさせてぇえええ――!』
「い、イヤダァああああ!!」
だが、ベアトリスの方も一切妥協しない。
男になったナナミに心底惚れているらしい。
どうにも困った状況である。
(第一にまたナナミに犯されたら……その上な、ナタリーにも犯されたら!!うううっ!今度こそ女の快感から抜け出せなくなる!い、今だって……見ただけで!)
ベアトリスの影響なのか、散々ナタリーに犯された後遺症なのか。
はたまた秘薬と魔法の力が、まだ体に残っていたのか。
精悍な顔を欲情で歪ませているナナミ。
そして例え元は自分の顔だとしても――興奮し息を荒げているナタリー。
二人の様子を、その雄々しい顔を見ているだけで、胸が熱くなる。
「ああ!まっ、まって……本当に!せ、せめて心の準備を……はうぅ!あううっ!」
「か、かわいい!かわいい!だ、駄目です!私……我慢無理みたいです!ナタリーさんの体を――抱きたい!アスランさんを抱きたい!」
「ひゃうう!まっ、待ってぇ!」
「ナナミ……そうですか。分かりました……男の性欲の強さは私も理解があります。いいです、私の体をどうか好きにして下さい!」
「や、やだぁ!早まるなぁ!お、落ち着いて!二人ともッ!!」
「な、ナタリーさん?い、いいんですか!?」
「あ、あの……ですが!そ、それに……その……私も一緒に参加させて頂きたいのですが……宜しいでしょうか!?」
「はいっ!勿論です!!」
「そんな気持ちのいい返事をするなナナミ!ナタリーも……そ、そんな体をくっ付けて来て……頼むから話を聞けよぉ。そ、そんなお、俺……俺だって――こんなの我慢なんて……あっ、ああぁ!!」
二人は妙な友情を育みながら、今のアスランよりも遥かに高い巨体で近寄ってくる。
ジリジリ、と。
「あっ……あっ!だめぇ……こんなの……おっぱい歪むゥー!お、お尻をさ、摩らないでぇ!」
外見は男な乙女たちが、ますます彼の体を包み込んだ。
(な、なんだよこれぇ!い、幾らなんでも……ナタリーも、ナナミも様子がおかしいぞ!?俺が寝ている間にいったいなにがっ、っ!!)
ナタリーも、ナナミも、異性の欲情に免疫が出来ているように思えてならない。
男の激情を開放したくてウズウズしているのが、文字通り肌で分かった。
(ああ!お、男の逞しい筋肉が……俺の体に擦り付けられて……ああっ!お、俺の方も体がも、もっと柔らくなって――ほ、火照ってる!や、やばいよぉ!こ、これぇ……!)
洒落にならないほど、男の欲望を受け入れているナタリーとナナミ。
二人の無茶苦茶な行動に、しかしアスランの女体は悩ましい疼きを走らせる。

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