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芦村君の体の事情~その3~
作.藤原埼玉
キャラ造形.こじか

その1はこちら
その2はこちら
(翌日の昼休み)
(……結局、全然寝れなかった……)
「芦村!どうしたそのクマ!?」
「昨日全然寝れなくてさ……」
「なんだ?エロ画像サーフィンでもしてたら寝付けなかった??」
「お前と一緒にするな!!」
話しかけてきたクラスメイトの関村は芦村の男友達の一人。芦村が女子になっても変わらず能天気にバカ話をしてくるので、芦村は話しやすいと感じているのだった。
「そうそう!そんな芦村にピッタリのものがあってな……これなにか分かるか?」
関村がカバンから取り出したのは見るからに妖し気な栄養ドリンクだった。
「なにそれ??『絶汁』??……」
「精力剤。アカマムシ的なあれだよ。」
「学校になに持ってきてるんだよ……」
芦村はあきれ顔で言った。
「駅前で配ってたんだよ。そんで何本かもらってきたんだけどお前にもやるよ。」
そういって芦村に手渡すと、関村は一口にドリンク一本を飲みほした。
「うわっ!大丈夫??」
「不味っ!?でも力付きそうだわ。」
「なんか変な感じとかしないの??」
「ん、全然。」
「じゃあ、僕も飲もうかな。昨日から体が怠(だる)くて……」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「はあ…はあっ…」
(なんか……お腹の奥の方があっつい……)
今は授業中。しかし、芦村は体が疼くように熱くなって授業の内容が全く頭に入らなかった。
(これ絶対……あのドリンクのせいだ……くそう……関村の奴は平気そうなのに……)
ちらりと見ると関村は相も変わらず授業中なのに能天気に鼻歌を歌っている。
(どうしよう……水たくさん飲めば治るかな……保健室行って…………)
芦村は時計を見る。あと三十分もすれば休み時間だった。
(でも、あと二限だから……がまんしよう)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「はっ……はあ……」
「お、おい芦村大丈夫か??」
「すごい顔赤いよ?大丈夫?」
一限の間に芦村は、汗だくになっていた。顔は赤く紅潮していて太ももは痙攣するように震えていた。<追加イラスト希望>
「らい……じょぶ……あと、一限……だ……し……」
「おい、芦村どうした?」
聞きなれた声が頭上で聞こえた。神野の声だった。
芦村は緩慢な動作で、神野の方を見上げた。
「か……んの……?」
芦村は震える吐息を吐き出した。
欲しい。
欲しい?
え、ぼくは何が欲しいんだろう?
「お、おい大丈夫か?」
芦村の潤んだ瞳と吐息に神野は少し動揺したようだった。明らかに様子がおかしい。
「あ、芦村……大丈夫か?今のお前なんか……え、エロぶふう!」
関村の顔に神野の鉄拳が飛んだ。
「か、神野くん!落ち着いて!!」
「おい、どうした?もう授業始めるぞ?なんだ?芦村調子悪いのか?」
「……先生。なんか、芦村の様子がおかしいんです。」
神野は、教卓に向かって歩いていき何かを先生と話してるみたいだった。
「か……んの」
芦村は気が付いたら手を神野の手に向けて伸ばしていた。
どうしよう。あつい。からだがあつい。
へんなことばっかりあたまのなかでもやもやぐるぐるする。
どうしようもなくほしい。ほしい。ほしい。
さわってほしい。
かんのに。
……
神野に?
そこで芦村は考えるのを止めて素直に一番の欲求に従うことにした。
(なんかもう…なんでもいいや……)
芦村は汗だくになりながらがた、と席を立ちあがった。クラスの全員が芦村の方を振り向く。
「せ、先生……ちょっと保健室いってきます……」
「だ、大丈夫か??芦村??顔赤いぞ??」
「は、はい……っちょ、ちょっと歩けないので神野についてきてもらっていいですか??」
神野は少し驚いたような顔をしたが、直ぐに席を立つと芦村の脇を抱えて歩き出した。
「ああ、気を付けてな」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ふう……はあ……」
「……」
神野は終始無言だった。少し不機嫌そうに見える。実際そうなのかもしれない。親友が苦しそうなのに一言も声かけしないなんて、神野にしてはあり得ない。
(…なんだろ……怒ってんのかな神野…)
「……」
(……っていうか一言声ぐらいかけてくれたっていいのに……)
「……」
(……こいつは昔っからいい恰好しいで、相手の気持ちなんか関係なくて……)
「……」
(なんで……僕はこんなに大変なのに……今もこんな大変な思いをしてんのにこいつは涼しい顔しやがって……)
「……」
(…僕は…こいつの……狼狽えた顔がみたいだけなんだ……これはきっとそうなんだ……)
神野は、いつもの優しい手つきでゆっくりとベッドに芦村を横たえ、毛布をかけた。
神野は、椅子を引っ張ってきてそこに無造作に腰かけた。
「熱……風邪か?……」
神野は芦村のおでこに手を触れた。そのひんやりとした人肌の感触にお腹がうずうずした。
「……わかんにゃい……」
「……じゃあ……オレ授業戻るからな」
神野は芦村のぼんやりとした瞳を少しだけ覗き込むと、そう言って椅子を立った。
「ま、待って……神野……」
芦村は、神野のシャツの端をぎゅっと掴んで上目づかいで言った。
「……はあ」
「え……あ」
神野はこれみよがしにため息をついた。そのことで不思議なくらい胸が詰まった。
「お前……これ以上近づいたらどうするって言った?忘れたか?」
神野は振り向かずに言った。吐き捨てる、という表現がしっくりくるような言い方だった。
「……いい…よ…」
「は?」
芦村は、上半身をなんとか起き上がらせると、おぼつかない手でシャツのボタンを外し始めた。
「……あ、あの……」
「……お前……」
神野が無言で佇んでる間にボタンはすべて外せてしまった。芦村はシャツの袖からゆっくりと腕を抜く。
「……こ、この前の……っつ、つづき……」
<つづく>
キャラ造形.こじか

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(翌日の昼休み)
(……結局、全然寝れなかった……)
「芦村!どうしたそのクマ!?」
「昨日全然寝れなくてさ……」
「なんだ?エロ画像サーフィンでもしてたら寝付けなかった??」
「お前と一緒にするな!!」
話しかけてきたクラスメイトの関村は芦村の男友達の一人。芦村が女子になっても変わらず能天気にバカ話をしてくるので、芦村は話しやすいと感じているのだった。
「そうそう!そんな芦村にピッタリのものがあってな……これなにか分かるか?」
関村がカバンから取り出したのは見るからに妖し気な栄養ドリンクだった。
「なにそれ??『絶汁』??……」
「精力剤。アカマムシ的なあれだよ。」
「学校になに持ってきてるんだよ……」
芦村はあきれ顔で言った。
「駅前で配ってたんだよ。そんで何本かもらってきたんだけどお前にもやるよ。」
そういって芦村に手渡すと、関村は一口にドリンク一本を飲みほした。
「うわっ!大丈夫??」
「不味っ!?でも力付きそうだわ。」
「なんか変な感じとかしないの??」
「ん、全然。」
「じゃあ、僕も飲もうかな。昨日から体が怠(だる)くて……」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「はあ…はあっ…」
(なんか……お腹の奥の方があっつい……)
今は授業中。しかし、芦村は体が疼くように熱くなって授業の内容が全く頭に入らなかった。
(これ絶対……あのドリンクのせいだ……くそう……関村の奴は平気そうなのに……)
ちらりと見ると関村は相も変わらず授業中なのに能天気に鼻歌を歌っている。
(どうしよう……水たくさん飲めば治るかな……保健室行って…………)
芦村は時計を見る。あと三十分もすれば休み時間だった。
(でも、あと二限だから……がまんしよう)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「はっ……はあ……」
「お、おい芦村大丈夫か??」
「すごい顔赤いよ?大丈夫?」
一限の間に芦村は、汗だくになっていた。顔は赤く紅潮していて太ももは痙攣するように震えていた。<追加イラスト希望>
「らい……じょぶ……あと、一限……だ……し……」
「おい、芦村どうした?」
聞きなれた声が頭上で聞こえた。神野の声だった。
芦村は緩慢な動作で、神野の方を見上げた。
「か……んの……?」
芦村は震える吐息を吐き出した。
欲しい。
欲しい?
え、ぼくは何が欲しいんだろう?
「お、おい大丈夫か?」
芦村の潤んだ瞳と吐息に神野は少し動揺したようだった。明らかに様子がおかしい。
「あ、芦村……大丈夫か?今のお前なんか……え、エロぶふう!」
関村の顔に神野の鉄拳が飛んだ。
「か、神野くん!落ち着いて!!」
「おい、どうした?もう授業始めるぞ?なんだ?芦村調子悪いのか?」
「……先生。なんか、芦村の様子がおかしいんです。」
神野は、教卓に向かって歩いていき何かを先生と話してるみたいだった。
「か……んの」
芦村は気が付いたら手を神野の手に向けて伸ばしていた。
どうしよう。あつい。からだがあつい。
へんなことばっかりあたまのなかでもやもやぐるぐるする。
どうしようもなくほしい。ほしい。ほしい。
さわってほしい。
かんのに。
……
神野に?
そこで芦村は考えるのを止めて素直に一番の欲求に従うことにした。
(なんかもう…なんでもいいや……)
芦村は汗だくになりながらがた、と席を立ちあがった。クラスの全員が芦村の方を振り向く。
「せ、先生……ちょっと保健室いってきます……」
「だ、大丈夫か??芦村??顔赤いぞ??」
「は、はい……っちょ、ちょっと歩けないので神野についてきてもらっていいですか??」
神野は少し驚いたような顔をしたが、直ぐに席を立つと芦村の脇を抱えて歩き出した。
「ああ、気を付けてな」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ふう……はあ……」
「……」
神野は終始無言だった。少し不機嫌そうに見える。実際そうなのかもしれない。親友が苦しそうなのに一言も声かけしないなんて、神野にしてはあり得ない。
(…なんだろ……怒ってんのかな神野…)
「……」
(……っていうか一言声ぐらいかけてくれたっていいのに……)
「……」
(……こいつは昔っからいい恰好しいで、相手の気持ちなんか関係なくて……)
「……」
(なんで……僕はこんなに大変なのに……今もこんな大変な思いをしてんのにこいつは涼しい顔しやがって……)
「……」
(…僕は…こいつの……狼狽えた顔がみたいだけなんだ……これはきっとそうなんだ……)
神野は、いつもの優しい手つきでゆっくりとベッドに芦村を横たえ、毛布をかけた。
神野は、椅子を引っ張ってきてそこに無造作に腰かけた。
「熱……風邪か?……」
神野は芦村のおでこに手を触れた。そのひんやりとした人肌の感触にお腹がうずうずした。
「……わかんにゃい……」
「……じゃあ……オレ授業戻るからな」
神野は芦村のぼんやりとした瞳を少しだけ覗き込むと、そう言って椅子を立った。
「ま、待って……神野……」
芦村は、神野のシャツの端をぎゅっと掴んで上目づかいで言った。
「……はあ」
「え……あ」
神野はこれみよがしにため息をついた。そのことで不思議なくらい胸が詰まった。
「お前……これ以上近づいたらどうするって言った?忘れたか?」
神野は振り向かずに言った。吐き捨てる、という表現がしっくりくるような言い方だった。
「……いい…よ…」
「は?」
芦村は、上半身をなんとか起き上がらせると、おぼつかない手でシャツのボタンを外し始めた。
「……あ、あの……」
「……お前……」
神野が無言で佇んでる間にボタンはすべて外せてしまった。芦村はシャツの袖からゆっくりと腕を抜く。
「……こ、この前の……っつ、つづき……」
<つづく>
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