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【中身紹介】 女体化劇場短編集その二  ~お礼~②

青年「いやその…」
 まるで映画に出てくる絵に描いた様な『深窓の令嬢』『箱入り娘』といった風情だ。
 肌の露出が殆(ほとん)ど無い服である。
 手首まで覆った長袖に、床を掃除できそうなほど長いスカート。
 髪は背中を通り過ぎて腰まで達しそうである。
青年「…急いでるので」
 あの電話を全て信じている訳ではないが、特に長居をする義理も無い。
 綺麗な人だとは思うがここから一気にお付き合いしようなんて図々しくは無い。
青年「どなたか知りませんけど、電話の彼女はすぐに迎えに来るそうですよ」
令嬢「じゃあ、それまでいて!」
 どうもトンだワガママ娘みたいだ。まあ、可愛いもんだが。
 状況からしてお目付け役から逃れて一人っきりで在来線に乗ったはいいが、何が何だか分からず立ちつくし続け、挙句痴漢に出くわして右往左往ってところだろう。
青年「はあ…」
 電話の謎の女は「いいから早く離れろ」とそればかり言っていた。
 まるで人を危険物扱いだ。
 まあ、箱入り娘をどこの馬の骨とも分からんのと二人っきりにするのが不安なのは分かる。
令嬢「とにかく…助けてくださってありがとうございます」
青年「はあ」
 天真爛漫な笑顔だ。
令嬢「心ばかりの贈り物をさせてください!」
青年「いやその…お迎えの方がいらっしゃるみたいですし、今はとにかく無事に帰られることを考えた方がいいと思いますよ」
令嬢「大丈夫大丈夫!すぐに済みます!」
青年「さっきの痴漢男がまだその辺にいるかもしれないし…」
令嬢「ん~そうだなあ。そうそう!この間ウィンドショッピングでとても素敵な下着を見つけたんですよ!」
 余り他人の話を聞かない人みたいだ。
青年「はあ」
令嬢「とっても綺麗で肌触りも良さそうで…でもお金はあったんですけど、発売前のサンプルだったので買えなかったんです」
青年「そうですか」
 何なんだこの話は。
令嬢「あれなら誰でも欲しがると思います!」
青年「それは…良かったですね」
 何が『良かった』のか分からないが、適当に話を合わせておく。
 む~ん、これは想像以上に苦痛だ。
 可愛い女の子と話せるのは楽しいかと思いきや、こうも興味関心のない話を続けざまにされても退屈するばかりだ。
令嬢「だからそれをプレゼントします!」
青年「あ、ありがとうございます」
 適当な相槌のまま言ってしまった後に少し考えた。
 ん?今「下着をプレゼントする」と言ったかこのお嬢さんは。
令嬢「こちらこそ有難うございます。助けて頂いた感謝の気持ちです」
 下腹部…はっきり言えば股間…パンツに違和感を覚えた。
青年「?…???」
 これと言って特徴のないガラパンだ。
 その感覚が何かおかしい。
青年「??」
 ブカブカに余裕があったはずのガラパンが…肌に吸い付いている?
青年「…!?あああっ!?」
 覆っている部分が少なくなり…ナニがはみ出しているじゃないか!間違いなくそういう感触がする!
令嬢「どう?履き心地は?」
青年「え…えええええっ!?」
 ま、まさか…まさかそんなことが…!?
令嬢「あ、そうそう。あれって上下セットだったわ。だから上も無いと」
青年「ちょ…ま…」
 当時に横隔膜の上くらいの位置を「むぎゅっ!」と掴まれた気がした。
青年「ぁあっ!!」
 青年の顔が「かあっ!」と赤くなった。
 肩にひも状のものが掛かっているのが分かる。
 その意味しているところは明らかだった。

 ぶ、ブラジャーをさせられてる!?

 青年は目を見開いて目の前の令嬢を見た。
 何の変哲もない…というには可愛らしいが…この女の子は…まさか…他人の服を変形させることが出来るっていうのか!?
 し、しかも…その「基準」というのが「自分がいいと思った」らしいのだ。
 このお嬢さんは恐らく生粋の「女の子」だろう。
 という事はつまり、「いいと思う」のは「女物」に決まっている。
 それを、相手の性別顧みず誰彼かまわず…それこそ相手が「男」だろうと…プレゼントしようとしたならば…「女装」させられてしまうことになるのだ!

青年「ちょ!ちょっと!ちょっと待って!」
 青年は両手を突き出してブンブン振った。
令嬢「いいです!もう!もうプレゼントはいいですから!」
 冗談じゃない。
 こちとら女のきょうだいもいない生粋の男だ。女物に女装させられるなんてまっぴらだ。大体そんな趣味は無い。
令嬢「あら、いいのに遠慮しなくて」
青年「いや、遠慮とかじゃなくて!」
令嬢「折角だから肌着もプレゼントするわ。それっ」
青年「うわわわわっ!」
 青年の胴回りを何とも気色の悪い感触が取り巻いた。
 つるつるすべすべする。
 も、もしかして…もしかしてこれは…。
 思わず身体をひねった。
青年「…ぁ…」
 しゅるっと素肌とシャツに接触する音がして、全身を官能的な肌触りが包み込んだ。
 これは…女物の肌着…下着じゃないか!
令嬢「咄嗟に思いつかなかったから…あたしとお揃いにしちゃったんだけど…これでよかったかしら?」
青年「いやその…良かったとかじゃなくてですね…」
 顔から火が出そうだった。
 下着なので外からは分からないが、今服の中は完全に女物だ。ブラジャーにパンティにスリップ。
 とんだ「ド変態」な状態である。
 そういえば心なしか乳房に当たる部分が「こんもり」と盛り上がっている気がする。
 ぺったんこではあるが、ブラジャーそのものの形状が少し胸を盛り上げてしまっているのだ。
令嬢「え…駄目でしたか?」
 どうしたものか…ここまで常識と想像力が欠如した相手を説得するのは猫にファミコンをやらせる様なものだ。
青年「あのですね…おれは男なんでその…おっぱいも無いわけで…」
 これがまずかった。
 ハッキリ言えば致命的だった。
青年「こんなもの…っていうかその…付けててもしょうがない訳です。はい」
 なるべく否定的な言葉は使わない様に気を遣った。
 何しろ信じられないことだが、この少女には驚天動地の能力があるのだ。機嫌を損ねていいことがある訳が無い。
 下手に機嫌を損ねたり、今以上に勘違いさせてしまったりすれば、今以上の惨劇が襲ってくるのは目に見えている。
令嬢「あっ!ご、ごめんなさい!あたしったら」
青年「はい」
 どうやら分かってもらえたらしい…と思った。
令嬢「今何とかしますね」
 何やら身体に違和感を感じた。
青年「?…ぁ…」
 それは恐ろしい疑惑を指示していたが、必死に顕在意識がそれを否定していた。
 …だが、それは事態が進行するにしたがって疑問の余地が無くなって来た。
青年「ぅぁ…あああっ!」
 ぐぐぐ…もりもりもりっ!と青年の乳房が盛り上がった!
 それは空洞になっていたブラジャーのカップの内側を綺麗に埋め、乳首の先がブラジャーの内側に接した。
青年「あ…」
令嬢「これくらいのおっぱいが無いと駄目よね。ごめんなさい気が付かなくて!」
青年「ち…ちが…そうじゃなくて…」
 ブラジャーを先にして、後からおっぱいが形成されてブラジャーにフィットするなんて馬鹿馬鹿しいことがあってたまるか!と思うんだが事実だけに仕方が無い。
 ぐぐぐ…と肩幅が狭くなって行く。
青年「あ…あ…あああっ!」
 身体全体が細くなって行く。
 身体の幅も厚みも無くなって行き、美しい形の乳房だけが残っていく。
令嬢「あら!あたしったらハミ出してるのに気付かなかったわ!すぐ何とかしますからね!」
青年「ちょっと!そ、それだけは!」
令嬢「大丈夫!窮屈な思いをするのももう少しですからねー(笑顔」
青年「あっ!あっ!あああっ!」
 青年の臀(でん)部…ヒップ…が柔らかく丸みを帯びて膨らんでくる。
 それと同時にまっすぐに伸びていた脚がじわじわと内股になっていき、太もも同士が接する。
青年「うわ…あああっ!!」
 ぴっちりと肌に吸い付いていたパンティの布が伸縮し、尚更密着した。
 そして…青年の男性自身がぐぐぐ…と縮んでいき、体内に収納されて行くかの様に消失してしまった!
青年「あっ!あああっ!!」
 あわてて下腹部を触る青年。
 だが、そこにはなだらかな下腹部があるばかりだ。
 身体の前面に伸ばした手がブラジャーに包まれた豊かな乳房に遮られる。
青年「そん…な…」
 ふと気づくとその手もかつてとは違っている。
 目の前に翳してみると、ぐぐぐ…と緩やかに変形していた。
青年「手まで…」
 その指は細く長く、そして美しく変形していく。
 言葉で表現するのは陳腐だが「女の手」だった。
令嬢「やっぱり手も綺麗じゃないとねー」
 あくまでにっこにこの令嬢。
青年「ああ…」
 まるで生き物の様に髪の毛がざわざわとうごめき、押し出される心太(ところてん)の様に伸びてきた。
令嬢「髪は女の命!気にしないで!プレゼントだから!」
青年「そ、そんな…」
 まるでシャンプーなどの手入れを欠かしていないかの様に光沢を放つ美しい黒髪が流れ落ちた。
青年「これは…っ!こ、声も…」
 いつの間にか自分から鈴の鳴るような可愛らしい声が「自然と」青年…かつての青年…は気づいた。
 ば、バカな…。
 こんなバカな話が…。
 おれ…おれの身体が…せ、性転換して…お、女にぃっ!?
 ゆっくりと見下ろす青年。
 豊かな乳房が存在を主張し、色気のないシャツを押し上げている。
 胸やお尻部分は張りつめているのにウェストがダブダブになったアンバランスな服装は「男装」とも違う独特の出で立ちだった。
 その色気のない服装の下には、見る人が見れば分かる高級な下着があしらわれているのだ…。無論、女物の。
 身体の内側の直接肌に触れるところの多く…胴回りが柔らかくてすべすべする。
 女物の下着の官能的な感触だ。
 スカートを前提とした長いスリップが、ジーンズの脚の分かれ目にせき止められて脚の付け根に溜まり、何とも不格好になっている。
 とにかく女にされてしまった。このお嬢さまの特殊能力で。
 さっきの謎の女が言っていたのはこういうことだったのか…。
 きっとこのお嬢さまは、悪気も悪意も無く男を性転換したり色々してしまうのだ。
 危険すぎるので何らかの形で閉じ込めていたか何かしたのだろう。
 だが、それが野に放たれてしまった。
 全速力で関係者の謎の女が回収に向かってきてはいるものの、お人よしのマヌケがその毒牙に掛かってしまった…という構図なのだ。

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