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【販売3周年】我ら魔王軍~モン娘たちの反撃!!~ 序章1-1
2018Q4おかし製作所DMM販売数29位
我ら魔王軍~モン娘たちの反撃!!~ FANZA版
我ら魔王軍~モン娘たちの反撃!! DLsitecom版
未知の大陸や島々が、まだ多く存在した時代――。
大陸オーリオで起こった魔族と人間の戦争は、魔族側の勝利で終結しつつあった。
魔王討伐を命じられた勇者一行が……消息不明になったからである。
ひとりで1000人以上の活躍をする勇者たちを失った人間の国、大国ホルストは、それまで拮抗していた戦況を僅か三か月で覆されていた。
そして――。
「……ふう。 まだ見つからないのぉ?」
人間側の古い砦を占領した――魔王軍幹部のひとり。
極上の美貌を誇る淫魔娘〈サキュバス〉が、溜め息と愚痴をこぼしていた。
掌ほどの大きさもない極小の胸当てと股当てだけを身に着けた、破廉恥な恰好。
褐色掛かった美肌を惜しみもなく晒し、豊満に実り過ぎた爆乳房を、たぷんっ、
たぷんっ、と揺らし弾ませる。
明らかに最上級淫魔の風格と魔力。そして、艶やかな魅力を宿していた。
自称パーフェクト淫魔を名乗る魔族娘――グレタ・オルル・リリアーンであった。
「もう……役立たずねぇ。 早く探しに行きなさい!」
キィー、キィー、と蝙蝠型の魔物たちが窓から飛び立つ。
(……まずいわねぇ。 早く見つけて……ワタシの物にしないといけないのにっ! ……勇者ちゃん――いえ、アデラに掛けた忘却の術がバレるのは時間の問題だし……。 約束した日の前までには捕らえておかないと!! ああ! もう――なんで、何時も、何時も……思うようにいかないのよぉ、ぉおお!! イライラするっ!!)
お目当ての人物を見つけられない苛立ちと、部下の不甲斐なさに美し過ぎる淫魔娘は腕と足を組み直す。
「……くぅ、ぁあっ……」
そんな彼女のお尻から、可憐な音色の嗚咽が漏れた。
同時に、女王の風格を醸し出す淫魔娘の身体は、ゆらゆらと揺らめいた。
たぷんっ、ぷるんっ、と爆乳房がさらに強く波打つ。
「……誰が休んでいいって言ったのかしらぁ? 満足にワタシの椅子にもなれないなら――その不細工で、色気のない体を木や石にでも変えてあげましょうか?」
冷たい眼差し。
唯でさえ切れ長の瞳が憎悪と狂気を孕み……吊り上がった。
「ああ! 待ってぇ! やります! やりますから……許してェ!」
淫魔娘の言葉は絶大だった。
不安定な土台が、必死に四つ足を踏ん張る。
「あっ、ああ! いぎぃ! ぐふっ……はぁ、ぁああ!!」
けれども、相当疲労が溜まっているのか。
普通の椅子――木や、石――とは違い、あまりにも嫋やかで弱弱しい手足は、痛々しく痙攣していく。
「ほら! ほら!! 頑張りなさいよぉおお!! 昨日の生意気な態度は……どこに行ったのかしらぁ!? おーほほ!!」
「んぎぃぃ! ひいぃ-! いたっ……死ぬぅ! ああ……や、やめてぇー!!」
苦しそうに顔を歪ませるその椅子を……グレタは大きく立派な尻尾で叩く。
叩く。叩く。
何度も……叩く!!
悲痛な喘ぎは増え、最上級淫魔の艶やかな身体はぐら付いた。
「んぐぅぅー!」
……椅子も必死である。
小さな鼻孔を豚みたいに広げ、倒れそうな身体を懸命に支えていく。
そんな哀れで、醜い姿に淫魔娘グレタの溜飲は少し下がった。
(ふん! 本当に……ワタシって不幸だわ!! 淫魔族の王家の血を受け継ぎ、仲間どころか他種族にも負けない強力な魔力を持っていても――"オトコ"になれない。 男性器を生やせない。 そんな欠点を抱えて生まれてきたために、格下の淫魔にも馬鹿にされるし。 はぁああ……まったく世の中、思うようにはならないわよねぇー)
グレタが椅子にしていた『モノ』……それは彼女の同族だった。
同じ淫魔の娘。
しかし、その容姿はまだあどけない。
子供染みたキュートな顔付き。慎ましく育っている少女の身体。
十分に愛らしいが、淫魔としてはあまりにもお粗末な美貌であった。
即ち……最上や上級淫魔には奴隷や眷属として扱われる下級淫魔。それこそが、今グレタが腰を下ろしている椅子の正体であったのだ。
「……"彼"を探している魔物たちも使えないし――今日中に見つけられなかったら、見せしめで、あんたを公開処刑しようかしらぁ。 ねぇ、どんな死に方がいい? 火炙り? 絞首? 串刺しもいいわねぇ……」
「…………っ!? ひぃ、ぁぁっ……たひぃ、ぃ……んっ、くぅぅっ……!! 」
本来ならば同族には魔王様と同格に扱われても不思議ではない魔力と美貌を持ちながらも、下級淫魔に馬鹿にされた淫魔娘グレタの怒りは! 憎しみは!!
……留まる所を知らない。
声を枯らし、崩れそうな身体を必死に保ちながら、イヤイヤと頭を振るう淫魔少女。
命乞いする下級淫魔。
プライドも意地もない醜悪なその姿に、グレタの憎悪は増すばかりだ。
(…………なんで……なのよ!? ……なんで、こんな無能な娘でも男になれるのに
――ワタシは、ワタシは…………ッ!!)
彼女に出来て、自分には出来ない――持ちえない、淫魔としては当然の能力。
男にも、女にも変身できる"両性"の素質・資質だけがなかった。
王家の血を受け継ぎ、強大な魔力を宿し、魔族一の美しさと言ってもいい蠱惑の美貌を誇っているからこそ……淫魔娘グレタは、激昂するのであった。
「カー、カー」
その時だった。
一羽のカラスが、砦の窓から侵入する。普通のカラスに擬態させたグレタの使い魔であった。
「――ほんとう!? 遂に見つけたのね!!」
「ひゃぁ、ああっ!? んぐっ、ぁああ~~っ!!」
使い魔からの朗報だ。グレタは勢いよく飛び上がった。
途端に体の負担がなくなった下級淫魔は、手足を滑らせる。
――ぐちゃぁ!!
涙と汗と鼻水で不細工に濡れ崩れた顔が、地面にぶつかった。
「はあはあ……ごめっ……おゆるしぃ……くださいぃ。 グレタ……さまぁ」
もう指いっぽんも……動かせない。
ハァハァと息を乱しながら、下級淫魔は謝罪を繰り返した。
「あぐぅッ!! ぎゃぁあ! いぎぃ、ぃ……っ!」
けれども――そのキュートな顔は、鋭いヒールに潰された。
彼女の醜い悲鳴が、部屋に轟く。
「急がないと!! ――他の連中に横取りされたら、大変だわ! 特に琴姫とカミラに狙われたら……ワタシの野望が、また遠ざかるじゃないのよぉおお!!」
勿論――淫魔の少女を踏みつけているのは、グレタであった。
そして、この最上級淫魔は自分が何を踏んでいるのかを気付いていなかった。
「ワタシが行くまで――無事でいなさいよぉッ!!」
艶やかで、いい香りのするブラウンのロングヘア―。
豊満過ぎて、極小の乳当てから零れ落ちそうな爆乳房。
そのふたつの魅惑を淫靡に揺らし弾ませて、淫魔娘グレタは窓より飛び立った。
強大な魔力に物言わせ、音速に迫りそうな速度で空中を飛行していく。
淫魔一とも称賛される蠱惑の美貌は――あっという間に点となり、やがて完全に見えなくなった。
「はあっ……はぁっ、……はぁはぁ…………もしかして。 私、たす……助かった?」
九死に一生を得た。
そう思い、下級淫魔は地面にぐったりと倒れる。
……だが。
「カー! カー! カァァアア!!」
「――ッ!!」
グレタの使い魔が鳴いた。
創造主と同じ色の眼が――赤みの帯びた琥珀の瞳が、血のように濃い真紅へと
燃え上がる。
(ま、魔眼!? ――うそっ!! 使い魔に、こんな能力を与えることが出来るなんてっ! そんな淫魔……きっ、聞いたこともないよぉお~~!?)
使い魔が能力を発動させる。
下級淫魔では抗えない強制力が身体を包み込み、激痛が走る身体を無理やり操っていく。
「ぃ、ぎぃっ……はぐ、ぅ……あっ、あがっ――!」
悲鳴を絞り出せない。誰かに助けも呼べない。
そして、その代わりに……馬車に潰されたカエルのような醜い嗚咽ばかりが、小さな唇から溢れ出た。
「んぐぅ! ぐぅぅっ……! んごぉ、ぉ! おっ、おっ、おほっ、ぉお~~っ!」
「カア――!」
カラスが鳴く。両翼を大きく広げた。
すると、淫魔の少女は、さらに別の魔力に包まれていく。
「――ッ!?」
先ほどと同じポーズ……。
犬のような屈辱の姿勢で、下級淫魔の身体は凍った。
いやや――違う。
ピシッ、ピシッ……ピシピシッ、と。
不気味な音を立てて、四肢の先から肌が石に変わっていった。
(うそ! うそ! やだ! やっ、やだぁあああ!! な、なんで……なんでよぉぉ!? ――私は……ただ……男になれないし、男性器も生やせない癖に、最上級淫魔を名乗るなんておかしい! ……そう言っただけ……。 そう囁いただけっ! 本当にそれだけなの……。 ああっ! ああぁぁっ!! ……こんなの……あんまりよぉおお!!)
風格、魔力――そして、蠱惑の美貌。
全てにおいて勝てないと思いながらも、唯一の欠点を見つければ馬鹿にして、見下さずにはいられない。
それは魔族も、人間も同じであった。
醜い心の動き。
醜い生物の性。
そして、だからこそ、この下級淫魔は惨めな最期を迎えようとしていた。
ピキ、ピキピキピキッ!
「――ッ!!」
石化の浸食が……進む。
両肩や下半身から、既に感触が失われていた。柔らかな肌は完全に硬化し、汚い灰色へと変色している。
ぷしゅっ、しゅわぁああああ――プシュゥウウッ!!
(……いやぁ、ぁ! こんなの――い、いやぁああ!!)
恐怖のあまりに失禁する。
しかし、尿道を通る黄金水の熱さえも、既に彼女は感じていない……。
無機質な石となった恥部から、黄色い尿液が噴き出す。
自分がお漏らししてしまった事実を、鼻孔に押し寄せたアンモニア臭だけが教えてくれた。
「んひぃぃ! ひぃ、ぁ……んっ、ぐぅぅ――!!」
気力を。体力を。魔力を。
己の全ての力を使い、注ぎ、消費して、石化に抗う下級淫魔――。
だが、まったく意味をなさない。
『下級淫魔ごときが、ワタシの魔力に勝てるわけがないでしょぉ?』と、 グレタが笑っているようであった。
「カアッ! カア! カアア――!!」
グレタのカラスが、鳴く。
鳴く。鳴く。
石化の魔眼の力が高まって、下級淫魔の全身は石へと生まれ変わっていく。
(あっ、あっ……ごめ、んなさいぃ。 グレタ……様。 も、もう二度と……あなた様をっ、……馬鹿に……しなっ、いぃ――か、からぁ…………っ!!)
その祈りは……誰にも届かなかった。
ピキピキッ、ピキーン!!
『…………』
後に残されたのは、石像の癖に本物の乳当てと股当てを付けた――奇妙で、滑稽な淫魔少女の石オブジェ。
「カァー……カァアア!!」
獣の如き四つ足の姿勢。
子豚のように鼻孔を膨らませた、不細工な泣き顔。
今にも動き出しそうな石像を旋回し、仕事が終わったことを確認すると……グレタの使い魔は、遠く離れていった主へと追い掛けていった。
『……………………』
もの言わぬ石像となった下級淫魔の娘。
彼女が元に戻ることは二度となく――壊れ、崩れ、塵となる日まで、悪趣味な収集家の手を回り続けたと言う。
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大陸オーリオで起こった魔族と人間の戦争は、魔族側の勝利で終結しつつあった。
魔王討伐を命じられた勇者一行が……消息不明になったからである。
ひとりで1000人以上の活躍をする勇者たちを失った人間の国、大国ホルストは、それまで拮抗していた戦況を僅か三か月で覆されていた。
そして――。
「……ふう。 まだ見つからないのぉ?」
人間側の古い砦を占領した――魔王軍幹部のひとり。
極上の美貌を誇る淫魔娘〈サキュバス〉が、溜め息と愚痴をこぼしていた。
掌ほどの大きさもない極小の胸当てと股当てだけを身に着けた、破廉恥な恰好。
褐色掛かった美肌を惜しみもなく晒し、豊満に実り過ぎた爆乳房を、たぷんっ、
たぷんっ、と揺らし弾ませる。
明らかに最上級淫魔の風格と魔力。そして、艶やかな魅力を宿していた。
自称パーフェクト淫魔を名乗る魔族娘――グレタ・オルル・リリアーンであった。
「もう……役立たずねぇ。 早く探しに行きなさい!」
キィー、キィー、と蝙蝠型の魔物たちが窓から飛び立つ。
(……まずいわねぇ。 早く見つけて……ワタシの物にしないといけないのにっ! ……勇者ちゃん――いえ、アデラに掛けた忘却の術がバレるのは時間の問題だし……。 約束した日の前までには捕らえておかないと!! ああ! もう――なんで、何時も、何時も……思うようにいかないのよぉ、ぉおお!! イライラするっ!!)
お目当ての人物を見つけられない苛立ちと、部下の不甲斐なさに美し過ぎる淫魔娘は腕と足を組み直す。
「……くぅ、ぁあっ……」
そんな彼女のお尻から、可憐な音色の嗚咽が漏れた。
同時に、女王の風格を醸し出す淫魔娘の身体は、ゆらゆらと揺らめいた。
たぷんっ、ぷるんっ、と爆乳房がさらに強く波打つ。
「……誰が休んでいいって言ったのかしらぁ? 満足にワタシの椅子にもなれないなら――その不細工で、色気のない体を木や石にでも変えてあげましょうか?」
冷たい眼差し。
唯でさえ切れ長の瞳が憎悪と狂気を孕み……吊り上がった。
「ああ! 待ってぇ! やります! やりますから……許してェ!」
淫魔娘の言葉は絶大だった。
不安定な土台が、必死に四つ足を踏ん張る。
「あっ、ああ! いぎぃ! ぐふっ……はぁ、ぁああ!!」
けれども、相当疲労が溜まっているのか。
普通の椅子――木や、石――とは違い、あまりにも嫋やかで弱弱しい手足は、痛々しく痙攣していく。
「ほら! ほら!! 頑張りなさいよぉおお!! 昨日の生意気な態度は……どこに行ったのかしらぁ!? おーほほ!!」
「んぎぃぃ! ひいぃ-! いたっ……死ぬぅ! ああ……や、やめてぇー!!」
苦しそうに顔を歪ませるその椅子を……グレタは大きく立派な尻尾で叩く。
叩く。叩く。
何度も……叩く!!
悲痛な喘ぎは増え、最上級淫魔の艶やかな身体はぐら付いた。
「んぐぅぅー!」
……椅子も必死である。
小さな鼻孔を豚みたいに広げ、倒れそうな身体を懸命に支えていく。
そんな哀れで、醜い姿に淫魔娘グレタの溜飲は少し下がった。
(ふん! 本当に……ワタシって不幸だわ!! 淫魔族の王家の血を受け継ぎ、仲間どころか他種族にも負けない強力な魔力を持っていても――"オトコ"になれない。 男性器を生やせない。 そんな欠点を抱えて生まれてきたために、格下の淫魔にも馬鹿にされるし。 はぁああ……まったく世の中、思うようにはならないわよねぇー)
グレタが椅子にしていた『モノ』……それは彼女の同族だった。
同じ淫魔の娘。
しかし、その容姿はまだあどけない。
子供染みたキュートな顔付き。慎ましく育っている少女の身体。
十分に愛らしいが、淫魔としてはあまりにもお粗末な美貌であった。
即ち……最上や上級淫魔には奴隷や眷属として扱われる下級淫魔。それこそが、今グレタが腰を下ろしている椅子の正体であったのだ。
「……"彼"を探している魔物たちも使えないし――今日中に見つけられなかったら、見せしめで、あんたを公開処刑しようかしらぁ。 ねぇ、どんな死に方がいい? 火炙り? 絞首? 串刺しもいいわねぇ……」
「…………っ!? ひぃ、ぁぁっ……たひぃ、ぃ……んっ、くぅぅっ……!! 」
本来ならば同族には魔王様と同格に扱われても不思議ではない魔力と美貌を持ちながらも、下級淫魔に馬鹿にされた淫魔娘グレタの怒りは! 憎しみは!!
……留まる所を知らない。
声を枯らし、崩れそうな身体を必死に保ちながら、イヤイヤと頭を振るう淫魔少女。
命乞いする下級淫魔。
プライドも意地もない醜悪なその姿に、グレタの憎悪は増すばかりだ。
(…………なんで……なのよ!? ……なんで、こんな無能な娘でも男になれるのに
――ワタシは、ワタシは…………ッ!!)
彼女に出来て、自分には出来ない――持ちえない、淫魔としては当然の能力。
男にも、女にも変身できる"両性"の素質・資質だけがなかった。
王家の血を受け継ぎ、強大な魔力を宿し、魔族一の美しさと言ってもいい蠱惑の美貌を誇っているからこそ……淫魔娘グレタは、激昂するのであった。
「カー、カー」
その時だった。
一羽のカラスが、砦の窓から侵入する。普通のカラスに擬態させたグレタの使い魔であった。
「――ほんとう!? 遂に見つけたのね!!」
「ひゃぁ、ああっ!? んぐっ、ぁああ~~っ!!」
使い魔からの朗報だ。グレタは勢いよく飛び上がった。
途端に体の負担がなくなった下級淫魔は、手足を滑らせる。
――ぐちゃぁ!!
涙と汗と鼻水で不細工に濡れ崩れた顔が、地面にぶつかった。
「はあはあ……ごめっ……おゆるしぃ……くださいぃ。 グレタ……さまぁ」
もう指いっぽんも……動かせない。
ハァハァと息を乱しながら、下級淫魔は謝罪を繰り返した。
「あぐぅッ!! ぎゃぁあ! いぎぃ、ぃ……っ!」
けれども――そのキュートな顔は、鋭いヒールに潰された。
彼女の醜い悲鳴が、部屋に轟く。
「急がないと!! ――他の連中に横取りされたら、大変だわ! 特に琴姫とカミラに狙われたら……ワタシの野望が、また遠ざかるじゃないのよぉおお!!」
勿論――淫魔の少女を踏みつけているのは、グレタであった。
そして、この最上級淫魔は自分が何を踏んでいるのかを気付いていなかった。
「ワタシが行くまで――無事でいなさいよぉッ!!」
艶やかで、いい香りのするブラウンのロングヘア―。
豊満過ぎて、極小の乳当てから零れ落ちそうな爆乳房。
そのふたつの魅惑を淫靡に揺らし弾ませて、淫魔娘グレタは窓より飛び立った。
強大な魔力に物言わせ、音速に迫りそうな速度で空中を飛行していく。
淫魔一とも称賛される蠱惑の美貌は――あっという間に点となり、やがて完全に見えなくなった。
「はあっ……はぁっ、……はぁはぁ…………もしかして。 私、たす……助かった?」
九死に一生を得た。
そう思い、下級淫魔は地面にぐったりと倒れる。
……だが。
「カー! カー! カァァアア!!」
「――ッ!!」
グレタの使い魔が鳴いた。
創造主と同じ色の眼が――赤みの帯びた琥珀の瞳が、血のように濃い真紅へと
燃え上がる。
(ま、魔眼!? ――うそっ!! 使い魔に、こんな能力を与えることが出来るなんてっ! そんな淫魔……きっ、聞いたこともないよぉお~~!?)
使い魔が能力を発動させる。
下級淫魔では抗えない強制力が身体を包み込み、激痛が走る身体を無理やり操っていく。
「ぃ、ぎぃっ……はぐ、ぅ……あっ、あがっ――!」
悲鳴を絞り出せない。誰かに助けも呼べない。
そして、その代わりに……馬車に潰されたカエルのような醜い嗚咽ばかりが、小さな唇から溢れ出た。
「んぐぅ! ぐぅぅっ……! んごぉ、ぉ! おっ、おっ、おほっ、ぉお~~っ!」
「カア――!」
カラスが鳴く。両翼を大きく広げた。
すると、淫魔の少女は、さらに別の魔力に包まれていく。
「――ッ!?」
先ほどと同じポーズ……。
犬のような屈辱の姿勢で、下級淫魔の身体は凍った。
いやや――違う。
ピシッ、ピシッ……ピシピシッ、と。
不気味な音を立てて、四肢の先から肌が石に変わっていった。
(うそ! うそ! やだ! やっ、やだぁあああ!! な、なんで……なんでよぉぉ!? ――私は……ただ……男になれないし、男性器も生やせない癖に、最上級淫魔を名乗るなんておかしい! ……そう言っただけ……。 そう囁いただけっ! 本当にそれだけなの……。 ああっ! ああぁぁっ!! ……こんなの……あんまりよぉおお!!)
風格、魔力――そして、蠱惑の美貌。
全てにおいて勝てないと思いながらも、唯一の欠点を見つければ馬鹿にして、見下さずにはいられない。
それは魔族も、人間も同じであった。
醜い心の動き。
醜い生物の性。
そして、だからこそ、この下級淫魔は惨めな最期を迎えようとしていた。
ピキ、ピキピキピキッ!
「――ッ!!」
石化の浸食が……進む。
両肩や下半身から、既に感触が失われていた。柔らかな肌は完全に硬化し、汚い灰色へと変色している。
ぷしゅっ、しゅわぁああああ――プシュゥウウッ!!
(……いやぁ、ぁ! こんなの――い、いやぁああ!!)
恐怖のあまりに失禁する。
しかし、尿道を通る黄金水の熱さえも、既に彼女は感じていない……。
無機質な石となった恥部から、黄色い尿液が噴き出す。
自分がお漏らししてしまった事実を、鼻孔に押し寄せたアンモニア臭だけが教えてくれた。
「んひぃぃ! ひぃ、ぁ……んっ、ぐぅぅ――!!」
気力を。体力を。魔力を。
己の全ての力を使い、注ぎ、消費して、石化に抗う下級淫魔――。
だが、まったく意味をなさない。
『下級淫魔ごときが、ワタシの魔力に勝てるわけがないでしょぉ?』と、 グレタが笑っているようであった。
「カアッ! カア! カアア――!!」
グレタのカラスが、鳴く。
鳴く。鳴く。
石化の魔眼の力が高まって、下級淫魔の全身は石へと生まれ変わっていく。
(あっ、あっ……ごめ、んなさいぃ。 グレタ……様。 も、もう二度と……あなた様をっ、……馬鹿に……しなっ、いぃ――か、からぁ…………っ!!)
その祈りは……誰にも届かなかった。
ピキピキッ、ピキーン!!
『…………』
後に残されたのは、石像の癖に本物の乳当てと股当てを付けた――奇妙で、滑稽な淫魔少女の石オブジェ。
「カァー……カァアア!!」
獣の如き四つ足の姿勢。
子豚のように鼻孔を膨らませた、不細工な泣き顔。
今にも動き出しそうな石像を旋回し、仕事が終わったことを確認すると……グレタの使い魔は、遠く離れていった主へと追い掛けていった。
『……………………』
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