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美少女になる代わりにウソが付けなくなってしまう小説 後編

作 TAMAこんにゃく https://skima.jp/profile/?id=32953
キャラデザイン かもり https://twitter.com/aloeblues

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 こうして土曜日、近場のリゾート施設に優佳里さんとともに宿泊することとなった。
 彼女のお父さんは、その施設を経営している会社の大株主らしく、特別に二人とも格安の料金で宿泊できるのが何ともありがたい。
 まあ、何よりもありがたいのは、屋内プールにおける優佳里さんの水着姿で……。
「どう? 似合うかな友紀ちゃん?」
 パレオ付きビキニに身を包んだ彼女を見て、
「うんっ……とっても似合うよ」
 紛れもない本心を漏らす俺。実際今の優佳里さんは、下手な女優が霞むぐらい、魅力的であった。俺以上にすらりとした体つきに、ボリューミーかつ均整が取れた双丘。
 健康的かつたまらないエロスを発散している。男性は元より女性でさえ、惹かれてしまうのではないだろうか。
 対する俺は、白とピンクの横縞模様という、ごくごく一般的なデザインのビキニを着ていた。
 それでも一般的に見て、魅力がないわけではないというのは、身体に突き刺さってくる男性たちの視線によってわかる。
 何はともあれ、優佳里さんとプールを堪能することにした。
「きゃっははははっ!」
 水遊びに興じる優佳里さんは、まるで無邪気な子供のような笑顔を浮かべる。
(可愛いっ……どきどきする……)
 こんな娘と仲良くなれるんだったら、女体化したことも悪くないかもと思ったそのとき、
「やあっ! 楽しんでいるみたいじゃん!」
 いきなり若い男に、声を掛けられる俺と優佳里さん。
 見てみると日焼けした肌に金髪。さらに耳元にはピアスまでしている。そのような出で立ちの男が、彼だけでなく4人ほどいた。
「………………!?」
 身構える俺。外見で人を判断するのはよくないが、こうした連中は十中八九、下心を持っていると見て間違いはない。
「ええっ! あなたたちも楽しんでる?」
 まともに返す優佳里さんを見て、俺はずっこける。そうか、お嬢様育ちの彼女は、こうした連中に対する警戒心がまったくないのか。
「そうだよ! もしよかったら俺たちと一緒に楽しもう!」
 案の定、奴らはのってくる。
(くそっ……逃げ出したいけど、優佳里さんを見殺しにするわけにいかないしな……)
 そのまま強引に、金髪のチャラ男たちと行動をともにする事態に陥ってしまった。

「ねえっ、君名前なんていうの?」
「友紀です……」
 先ほどからしつこく訊かれているので、ついつい返答してしまう。
「友紀ちゃんっていうんだ! 可愛い名前だね~」
「どうも……」
 無愛想に呟く。こんな連中からでも、"可愛い名前"と言われて悪い気はしない。
 あれから俺と優佳里さんは、水着でも入店できるのが売りの、施設内の飲み屋に連れられていた。
 入店して小1時間、4人のチャラ男のうち1名に、俺はしつこくつきまとわれている。よっぽど俺が気に入ったみたいだ。
 同じテーブルの少し離れたところで、他の3人は優佳里さんを取り囲んでいる。
(優佳里さん……そんなに仲良くしちゃまずいって……)
 お酒が入ってますます和気あいあいとする様子を見て、俺の中で危機感が膨れ上がっていく。
 間が悪いことに店内には、他に客の姿が見えなかった。
「ね~ね~、恥ずかしがってないで、俺と一緒に飲もうぜぇ!」
 優佳里さんとは対照的に、俺は基本的には押し黙って酒にも口を付けていない。理由は単純で、口を開いた途端にどうなるかわかったもんじゃないからだ。酒を飲んでしまうのも、この場においてはもちろん避けたい。
(どうする……?)
 逡巡する俺は、
「ごめんっ、トイレ行ってくるね」
 断って席を立つ。ひとまずそこで、一人になって打開策を練ることにした。

(かといって……どうしたもんやら)
 早々と用を済ませた後、色々と考えるものの、まるで有効な手段が思い浮かばない。
(そろそろ戻らないとな。優佳里さんが心配だし……)
 10分ほどは時間が経っていると思ったので、さすがに戻ることにする。
「やあ、長かったじゃん……」
 女子トイレから出た瞬間、目の前に立っていたのは、先ほどつきまとっていた男であった。
 腕組みをして廊下の壁に寄り掛かっている。そのにやけた表情には先ほどまでの、取り繕った温和さがない。
「どうしてここに……」
「へへ……決まってるじゃねえかっ」
 そう呟いた途端、彼はがばっと身を乗り出し、俺の身体を押しやるようにし反対側の壁際に片手を付けた。
「そろそろ、素直になってもらおうと思ってね……!」
 そして、いきなり俺の胸元めがけ手を伸ばしてきた。
 ぱしぃん……!
 反射的に勢いよく払いのけ、響き渡る乾いた音。
「このっ――」
 彼より早く、頭に血が上った俺は口を開く。
「何するんだこの野郎っ!」
「なっ……」
 それまでとはうって変わった様子に、チャラ男はたじろくこととなった。
「女の子二人こんな飲み屋に連れ込んで、好きなコトしようったってそうはいかねえぞっ! さっさと失せやがれっ!」
(ああっ……正直に怒りをぶち撒けてしまった……これでトラブルは避けられんっ……)
 強気な口調とは裏腹に、内心やっちまったという気持ちが急に湧き上がってきた。
「ふふっ……舐めた口利きやがって……」
 そのうちチャラ男は、不敵な笑みを浮かべ、
「そうだよ……おめえら二人にイイことしようと思って、こちとら近づいてきたのさ……今ごろもう一人は、お楽しみの真っ最中だろう」
「…………何だとっ!」
 俺の脳裏に、最悪の光景が浮かぶ。それと同時に、ぐつぐつと怒りが湧き上がってきた。
「安心しなっ……おめえも仲間に入れてやるぜっ!」
 両手を伸ばしてきたチャラ男であったが、
「させるかっ!!」
 懐に入り込んだ俺は、そいつの右肩をぐぃと掴むと身体を沈め込ませ、
 ドスンッ……!
 そのまま一本背負いを、勢いよく決め込んだ。
「いけねっ……やっちまった……」
 途端に心配になってチャラ男を見る。したたかに背中を打ちつけることになったそいつは、伸びて気を失っているものの、どうやら命に別状はないようだった。
 言い忘れたが、俺は柔道五段の、黒帯の保有者である。
 かといって素人相手に技をみだりに使うわけにはいかなかったので、力づくで解決することは選択肢から除外していたのだ。
(でももう、そんなこと言ってられっか!)
 俺は急いで、ダイニング席に戻る。
「いっやぁぁぁっ……止めてぇ……」
「おらおら……別にいいじゃねえかっ!」
 優佳里さんはまさに、3人の男に手篭めにされようとしている最中(さなか)であった。
「止めろっ! 優佳里さんを離せっ!」
 駆けつけた俺が叫ぶと、3人は振り返る。
「何だぁ、てめえっ!」
「一緒に可愛がってやらあっ!」
 向かってくるそいつらを、俺は次々と投げ飛ばす。
 後には、気絶したチャラ男が3人。まあ加減はしておいた。
「大丈夫? 優佳里さん……」
 縮こまって震える彼女に、俺はそっと近づいて優しく声を掛ける。
「うんっ……怖かったよっ!」
 やおら立ち上がると、抱きついてくる優佳里さん。
「本当、無事でよかった……」
 震えたままの身体を、俺は優しく抱いた。

 その後、カウンターにうずくまってガクガク震えていたバーテンダーに、警備員を呼んでもらってこの件は終了となった。ちなみに彼は連中に脅されていたため、その場で呼ぶことはできなかったらしい。
 時刻はすっかり午後9時近くになっていたので、俺と優佳里さんはホテルに戻ることとなった。
 その相部屋での出来事。

「………………」
 俺をまじまじと見つめてくる優佳里さん。部屋の照明は適度に落とされ、なんとなくそういう雰囲気が漂っていた。
 ちなみに二人とも、Tシャツとショートパンツというラフな部屋着姿である。
「友紀ちゃんって、あんなに勇気があって強かったんだね……まるで男の人みたい」
「こほんっ……」
 口を開けば、"男だったこともある"とついぶっちゃけてしまいそうだった。
「あの……聞いてくれるかな……私、友紀ちゃんのことが好きになったみたい」
「えっ…………!」
 一瞬、自分の耳が信じられなかった。
「私、勇気があって強い人に憧れてたの……でも……女の子同士なんて、変、かな……」
 彼女の手を取り、俺は真実を話す。
「何も変じゃないよ。私だって、優佳里さんのこと好きだから……」
「友紀ちゃん……」
「キス、しよ……」
 こうして俺と優佳里さんは、唇を重ね合わせることとなった。
(ああっ……優佳里さんの唇、ぷにっとして柔らかい……)
 もっとも、相手もそう思っているかもしれない。俺も女の子だからな。
 唇を離した後、優佳里さんは小さな手を俺の胸元に差し伸べ、
 もっにゅっ……むにむにもにっ……。
「んっふっっ……」
「ふふっ……友紀ちゃんのおっぱい柔らか~い♪」
 得意げになる優佳里さん。俺は仕返しとばかりに、
 もっにゅっ……むっにもにむにぃぃっ……!
「ふぁっあっ……ちょっと友紀ちゃん強いって……!」
 たわわなおっぱいの感触がTシャツの生地越しに伝わってきて、揉みしだく俺を夢中にさせる。
 もちろん優佳里さんは、それに伴って艷やかな吐息を漏らすのだった。
(あの優佳里さんとおっぱいの揉み合いができるなんて……俺は日本、いや世界一の幸せ者だっ……!)
 ――その後、どうなったかはお察しの通り。
 全て終わった後、すやすやと眠る優佳里さんの隣で、
「おかげで美少女としての人生を満喫できそうです。後悔なんかしていません……」
胸元に手を当て、悪魔に対して感謝の言葉を述べる俺であった。

コメント

ハッピーエンドでよかったです
全体を通しても、気持ちよく読める
佳作でした

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