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【300DL突破】オーダーメイド~牝妻カリーナの事情~ サンプル①

kagami0235さんとさきくまきょうたさんの人気シリーズ最新作です!

オーダー

オーダーメイド~牝妻カリーナの事情~ FANZA版
オーダーメイド~牝妻カリーナの事情~ DLsitecom版

――第一章――


 如月カリーナの人生は、お先真っ暗であった。
 比喩でも何でもなく、彼女の水晶玉のように透き通る青い瞳に……今光は映っていないのだ。
 目隠しである。
 SMプレイで使われるような、金具の付いたブラインド。さらには彼女の細やかな美体に張り付いている物は、艶めいたボンデージ衣装。
 赤い首輪まで装着されて、犬みたいに歩かされる。
「……ンっ」
 ほとんど露出している柔肌。素足。
 冷たい寒気が体内に染み込む。
 けれども、如月カリーナは僅かに呻いただけであった。
 従順に。大人しく。
 手綱を握る相手に引っ張られるがまま。
 氷のように冷たい脚を動かし続ける。
 肉体ではなかった……。
 彼女の心は、既に深く冷たい闇に囚われいたのだ。
(……はああ。 あたし……何のために生きていたんだろう?)
 生きながらに地獄の最下層に堕とされた者に、救いなどない。
 希望など、夢のまた夢である。
 両足から生肌を晒している全身から、熱という熱が奪われる。
 地下の冷たい空気と床下に、カリーナの細身は芯まで凍る。
(……親に捨てられて。 施設で、イジメられて。 好きになった男には騙されちゃって……。 最後は、どっかの金持ちに売られる奴隷。 ほんと、最悪。 ―ーあたしの人生っ!)
 如月カリーナは――孤児であり、そして、奴隷であった。
 日本人とロシア人のハーフとして生まれたものの、父親は祖国へと逃げ、母親も別の男を作り育児放棄。
 施設に保護されたものの、外国人の血を色濃く受け継いだカリーナは、そこでも孤独を味わった。
 ひとり、ふたりは味方になってくれたが……それがどうだと言うのか
 幼少期の孤独と疎外感は、容易く少女の心を狂わせ、判断を誤らせた。
 結果、母と同じようにカリーナは馬鹿な男に引っ掛かり、借金を負わされてしまったのだ。
 後はもう笑ってしまうほど、お約束である。
 カリーナは、体を売るしかなかった。
 北欧人種を思わせる彫刻のように引き締まった体型の美女であった彼女の稼ぎは、決して悪くはなかった 。……が。
 今度は膨大な利息を請求されて、『これ』である。
 日本のどこか。
 人里離れた山奥の、さらには地の底。
 悪辣な犯罪組織によって、彼女は奴隷として調教され、売られると言う。
(……もういい。 疲れた。 ……もう、人生を諦める)
 小説のような。漫画のような。映画のような。
 されども現実で行われている人身売買。
 表の世界で幸せに生きている連中には、それこそ空想の出来事だと思っている。腹立たしいことに。
 だが、カリーナのような裏の世界で泥水を啜るしかない人間には――女には、それが平然と行われていることだと知っていた。
 故に彼女は諦める。
 無駄な希望こそ、最大の苦痛だから。
(でも――来世は、幸せにしてください。 カミさま……せめて。 お、男に……今度は、男に生まれ変わらせて下さいっ!!)
 もっとも――それでも、祈ってしまうのは彼女の心が弱いからか。
 それとも、人間だからか。
 もし生まれ変わることが出来るならば……絶対に『男』がいい!!
 そう思わずにはいられなかった、哀れな娘カリーナ。……すると。
「……んぁっ!」
 視界を遮っていた目隠しが外される。
 瞼を閉じていたが、久しぶりの光は予想以上に眼球を刺激する。
 堪らず、うぅー、と呻いていると、両腕を束縛していた革帯の金具が緩められた。
「…………」
「いいですよ、手を使っても」
 迷っていると、声がした。女性だ。
 反射的に首を振るが、やはり青い瞳はチカチカと点滅。誰かは分からない声に従い、彼女は両目を擦る。
 少しは回復した視界。涙で霞む世界。その先で――。
「初めまして。 カリーナさん――あなたを担当する調教師のミキです」
 美しいが、不思議と男のようにも見える中性的な出で立ちの黒髪の女――調教師ミキは、軽くお辞儀をした。
 色素が薄く、白銀の艶めきを帯びる青い長髪と、水晶のような青い瞳の
カリーナ。
 対して女調教師は、鴉の濡れ羽を思わせる妖しい黒で染まっていた。
 髪も。瞳も。そのスーツも。黒一色だった。
 そして、ふたりの美女が――服装を抜きにして――並べば、さながら美しい外国人形と、日本人形のコラボレーションである。
(……なに、ここ……っ?)
 けれど、カリーナの意識は調教師ミキではなく……その背後の装置に向かった。
 いや、正確には部屋全体の異様さに戸惑いを隠せない。
 ごくりっ、と喉が鳴る。たらりっ、と脂汗が滲んだ。
 露出度の高いボンデージ衣装のせいで、熱と言う熱を奪われた筈の細やかな美体に、ぞくり、ぞくり、ぞわぞわ、と怖気が走る。
(…………すごく、嫌な感じ。 ここであたし……何をされるのっ?)
 調教師ミキを無視し、きょろきょろと辺りを見渡すカリーナ。
 青い瞳に映るのは、どれもが不気味な品物……。
 調教師の後ろにある椅子は、マッサージチェアに見えなくもない。
 だが、その膝掛けと足掛け部分には、強固な枷が備わっている。
 今まで彼女を拘束していた物が可愛くなるほど、頑丈な鉄枷。それだけで目の前の椅子らしき物体は、拷問具のように見えてしまう。
 ぴかぴか……ぴかっ!
 台座。背凭れ。ところどころに謎のコードが繋がっている部分を、淡い緑色の発光が照らす。
 椅子の後ろの空間を埋め尽くす形で、大量の機械が置かれていた。
 スーパーコンピューターを思わせる風貌でちかちか、ぴかぴか。
 起動音。ランプの発光。
 まるで生き物のように繰り返し、動き続ける……。
(……う、ううっ……もう、いや! なんであたしばっかり――!!)
 ぎゅうっ、とカリーナは唇を噛み締めた。
 折角、諦めて全ての苦痛・苦悩を受け入れるつもりだったのに。
 不気味な椅子と装置が、彼女の麻痺していた恐怖心を呼び起こす。
「ふふ。 怖いですか?」
「……そ、そんなわけっ……!」
 図星を指されて、思わず言い返してしまう。
(ヤバっ!? つい、怒鳴っちゃった!!)
 自身の立場は奴隷。彼女は調教師。
 『仕返しされる! お仕置きされる!』と咄嗟にカリーナは身構えた。
 だが、この調教師は予想外の言葉を言う。
「……そうですね。 このままだったら、あなたはこの装置を使って、ご主人様に忠実な牝奴隷に変えられてしまいます。 けど――もし助かるチャンスがあると言えば、どうですか?」
「……え?」
 青い瞳が、揺れた。声だって漏れてしまう。
(チャンス……どういうこと? あたしに……今のあたしに利用できるものなんて……何もないじゃない?)
 只ほど安いものはない。善意にこそ悪意が隠されている。
 それを僅か20年と、数年で学んだ娘は……けれども、調教師ミキの意図を掴めず困惑する。
 人が人を騙すのは、利益を得るため。 奪い、搾取するため――。
 しかし、今のカリーナには何もない。この美しい身体しか残っていない。
 奴隷になる以外に、どんな機会〈チャンス〉があると言うのだろうか?
「……どういう……こと、なんですか……?」
 信じるとは違う。
 むしろ、甘い言葉を信じていないからこそ、表情を引き締めた尋ねた。
 ミキは「話が早くて助かります」と言い、つかつかと歩く。
「あなたには、是非協力して欲しいことがあるんです」
 大袈裟な装置と接続されている椅子の正面が――ピカッ、と輝く。
 正対にあった大きな鏡が……映像を生み出す巨大なディスプレイであることを、直後に悟ったカリーナ。
 ふたつの青い瞳に、次々と情報が刻まれる。
 プロジェクトの名前。顧客の希望。予算。
 さらには対象人物の名前・外見が映る。
 性別は男。
 職業は刑事。
 清卓で凛々しい男前の美丈夫。勝ち組の『オトコ』――……。
「…………」
 腹の底から、どろり、どろり、と湧き出たのは……憤怒?
 いいや、長年蓄積してきた妬み嫉みが、蓋から溢れた感触だった。
 調教師ミキの説明は、要所要所を省き、30分にも満たなかった。
 されども、カリーナの意識は、目の前の映像装置へと釘付けだった。
 馬鹿みたい。阿保みたい。
 そして、夢みたいなプロジェクト。
 でも、もし叶うなら……?
「……正気、なのっ?」
 ごくり、と喉が鳴る。
 恐怖からではない。希望を求める思い。
 その強さに、彼女は無意識に唾を呑み込んだのだ。
「こんなの――ありえないっ。 ふ、不可能よ……絶対」
「ふふふ。 そうですか? 確かに表の世界では難しいですけど……ここは裏社会でも有数の闇組織ですよ? ここでしか、このプロジェクトはできませんし……この方法でしか――あなたの望みは叶いませんよ?」
「――っ!?」
 この女、魔性か!?
 自身の心を見透かされたカリーナは、ミキを畏怖の目で見やった。
「実際に、同じような手術・実験は幾つか成功しています」
「……な、何でもありね……」
「さぁ、どうします? あなたが嫌なら別の人に協力を要請するだけですが……?」
「…………」
 男のように見える美貌ながらも、調教師ミキは魔女のようであった。
 あるいは、悪魔か――。
 カリーナの心を見破り、操り、そして、確信していた。
 この不幸な娘が、ミキたちへと……己の魂を売ることに。

(……あたし。 あたしは……もう、こんな人生いや! こんな惨めな思いは……やだっ!! あたしが幸せになるためなら――ッ、ッ!!)

 現世での幸福を諦め、来世に希望を託したカリーナ。
 でも、しかし……。
 やはり、今。この時。 この人生で――彼女は幸せになりたかったのだ。

「……いいわよっ。 あたし……その話に乗る!!」

 カリーナは、その提案を受け入れた。
 悪辣な犯罪組織と。
 その犯罪者たちの中でも、異質な鬼才を発揮する魔性の女ミキに――。
 良心も。
 道理も。
 倫理も。
 道徳も。
 そして、体と魂を譲り渡す約束を結ぶ。

 それは紛れもない――悪魔たちとの契約であった。


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