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投稿TS小説第132番 そんな、おままごとみたいな……(4)

作.ありす
挿絵.霞彩ゆきは http://www.geocities.co.jp/shiro_shocora/

<4:変身>

次の日の朝、いつもどおりの時刻にコンラートは目を覚ましました。

「ふぁぁ……良く寝た。何だか体が軽く感じるなぁ。栄養剤の効果があったかな?」

ベッドから起き上がり、顔を洗おうと洗面台へ行こうとしましたが、いつもと違って何か違和感を感じます。着ていたパジャマがだぶだぶになっていて、歩きにくいのです。それになんだか、周りのものがいつもよりも大きく感じます。

「んぁ? 何でこんなに歩きにくいんだ? パジャマが伸びちまったのかぁ?」

そして勝手口の外にある洗面台の前にまで来て、違和感はさらに大きくなります。いつもなら難なく捻れるはずの蛇口が、やけに遠く感じます。おまけに洗面台が高くて、少し背伸びをしないとなりません。

「あれ? おっかしいなぁ?」

ふと正面を見ると、鏡にどこかで見たことがあるような、そうでないような少女が映っています。

「? 誰だ、鏡に映ってるのはって? えええっ?! お、オレ??  て、こ、声が??」

自分の声のはずなのに、いつもよりも高く、自分の声でないようです。
顔に手をやると鏡の中の少女も、同じように顔に手を当てます。にっこりと笑うと鏡の中の少女も微笑み返してきます。

「え? え? えええっ~っっ!!!????」

と、そこへ隣の教会に住んでいる、クララがやってきました。
「どうしたのよ? 朝っぱらから……って、あなた誰? クノ(コンラートの愛称)の知り合い?」
「ク、クララか? お、オレだよ」
「オレって、女の子なのに乱暴な言葉遣いねぇ。あなた、クノの親戚か何か? いつ来たの?」
「だから、オレがコンラートだよ! 信じられないかもしれないけど」
「クノ……いえ、コンラートはね。あなたみたいな女の子じゃなくて、さえないおじさんよ。大人をからかうものじゃないわ」
「さえないは余計だ! じゃなくて、ほんとにオレがコンラートだって! 今朝起きたらこうなっちまっていたんだよ!!」
「はぁ? 何を言ってるの?」

さっぱり要領を得ない様子のクララに、コンラートは一所懸命説明しますが、ぜんぜん納得する様子がありません。ま、無理もないのですけれど。

「……だから昨日の夕方、クララが差し入れた栄養剤を飲んで寝て、朝起きたらこうなっていたんだよ!」
「私はそんなもの知らないわ。何かの間違いというか、飲んだら女の子になる薬なんてあるわけ無いでしょう? 大人をからかうのはおやめなさい。コンラートはどこへ行ったの?」
「だったら付いて来てくれよ。確かメモが残っていた筈……」

コンラートはクララの手を引いて台所へ行き、テーブルを見ると、メモと昨日は無かった瓶がおいてありました。
「こ、これだよこれ。昨日は瓶は無かったけど……」

クララはメモを見ながら、瓶を手に取りました。

「若返りの薬? これ、私の字じゃないわ。似てるけど……誰の字かしら?」
「とにかく、その瓶の中の薬を飲んだらこうなっちまったんだよ!」
「そんな都合のいい薬があるわけ無いじゃないの。ただの栄養剤かなにかでしょ? 飲んでみればはっきりするわよ」

そういって、クララは瓶のふたを開け、中に入っていた薬を2、3錠取り出すと、口に入れてばりぼりと噛み砕きました。

「変な味のくすりねぇ? 甘いような、すっぱいような……?」

と、いいながら、ラベルを見て、クララは噴出しました。

「ぷへっ! こ、これっ!」
「何?」
「悪魔の……、森の悪魔の……。ううっ ! か、体が……」
「どうしたんだクララ、しっかりしろ! 悪魔って何のことだ?」
「ら、ラベル……」

コンラートが薬の瓶を受け取りラベルを見ると、なにやら怪しげな文字とマークが書かれていました」

「こ、これって、森に住んでる魔法使いの……?」
「……か、からだが、熱い……」
「おい、しっかりしろ! クララ!!」

コンラートが床にうずくまった苦しげなクララの背中をさすりながら心配そうに見ていると、だんだんとクララが若返っていきます。

「こ、これは……?」

コンラートは、さっき自分の姿を確かめた外の洗面台の鏡を外して台所に戻り、クララに見せました。

「見てみろクララ! 若返ってる!」
「ぐ……、ほ、本当だわ、じゃぁラベルに書いてあったことは?」
「これで信じてくれたかい? オレがコンラートだって」
「それは、なんとなく……でも、何で女の子になっているの?」
「そんな事聞かれても……。オレの場合は変化に一晩かかったのに……、齧ったからか?」
「か、体が熱い……」
「しっかりしろ、クララ!」

と、そこへもう少し離れた隣家、ローレンツ家の主婦であるドロテアがやってきました。

「おはようコンラート。 お願いがあってきたんだけどさぁ、じゃがいもがあったら少し……。あなた誰?」
「あ、ドーラ(ドロテアの愛称)。助けてくれ! クララがたいへんなんだ!」
「クララが? あなた誰? コンラートかクララの知り合いか何か?」
「あー、その件は置いておいて、とにかく水を!」

ドーラの持ってきた水を飲ませて、何とかクララを落ち着かせる間、コンラートは事の経緯をドーラに話しました。

「ふーん、若返りのクスリねぇ? そんな都合のいいものがあったら、アタシが飲みたいぐらいだけど、あの魔法使いが作ったものじゃねぇ……」
「とにかく、この責任は取ってもらわなくっちゃ。これから森へ行ってくる」
「ああ、それなら止めときな」
「なんで?!」
「あの魔法使いに、狙ったとおりのまともなものなんて、作れるはずないだろう。かえって問題がこじれるのが関の山だよ」
「しかし、そうは言っても……」
「いいじゃないか、さえないおっさんよりも、その姿のほうがかわいいよ。儲けモンだと思って、そのままでいるしかないね」
「そんなぁ、第一クララはどうするんだよ?」
「……わ、私なら別に、クノがその姿でいるなら、このままでも……」

クララは先ほどまで、コンラートのベッドで苦しんでいましたが、ようやく落ち着いたのか、這い出してきて言いました。

「クララ、アンタのほうはどうなんだい? まぁ程よく若返ったみたいだけど……?」

見た目20歳ぐらいの、やや凛々しさを増したクララが、顔を赤くし、頭をかきながら言いました。

「うーん、私も変わっちゃったみたい、男に……」
「「えええっ~っ!!????」」

おままごと1


挿絵.霞彩ゆきは http://www.geocities.co.jp/shiro_shocora/

<つづく>





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