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【投稿小説】僕の幼なじみたち(文 ととやす 絵 蜂蜜柑) ※イラスト枚数3枚

1
とある夏の日のこと。森の中にある古びた祠の前にたむろする小〇生男子たち。彼らは何やら祠にイタズラをしているようで・・・。
勇利「よっしゃ、もう少しで取れるぜ」
博「おい! ちゃんと僕にも見せるんだぞ!」
勇利「あぁん? うるせーぞ、チビ博! えらそーなこと言うやつには見せてやんねぇ!」
博「うぐぐ〜ちょっとデカイからってチビチビ言いやがって! 元はと言えば僕が文献を見つけたんだぞ! この祠の中にお宝があるって」
拓巳「まぁまぁ、2人とも落ち着いて〜。ケンカしちゃダメだよ〜。お菓子でも食べて、仲直りして、ね?」
勇利「いやいや、とか言いつつお前が全部食べてんじゃねぇか、タク」
拓巳「ありゃ、これは失敬!」
勇利「相変わらず食いしん坊だよな〜デブるぞ。おっ、もうちょい…おーい、周りに大人いねぇだろうな!?」
拓巳「なんだかワクワクするね!」
博「あぁ、塾をサボって来た甲斐があると言うものだよ」
勇利「ガッコー1のガリ勉がサボりかよw おっし!取れた!! おぉー、スッゲェ! キレーな珠だ!」
博「!? 本当か!? み、見せてくれ! 古い祠に隠された宝物、非常に興味深い!」
勇利「わっ、待て! チビ博! この珠意外とツルツルで・・・ってうわぁ!(パリーン!!)」
拓巳「た、宝物の珠が・・・」
博「わ、割れた・・・。おい! どうするんだよ! な、直せ! 直せよ勇利! このままじゃママに叱られるだろ!」
勇利「う、うっせーぞ、チビ博! お前がガーッて突っ込んできたからだろうが! 元はと言えばお前がこんな話持って来なけりゃこんなことならなかったじゃねぇかよ! クソチビ! ガリ勉! マザコン博!」
博「はぁ!? 勇利が乱暴に扱うからだろ!? バカ! バカ!」
拓巳「あわわ・・・おおおお落ち着いて」
その時だった。
カッ!
拓巳「な、なにっ!?」
勇利「た、珠が」
博「急に光って・・・うわぁ!?」
眩い光が辺り一面を照らし、彼らを包み込んだ。

2
勇利?「ビックリしたぁ〜。何だったんだ、あの光? ってあれ? 声がなんか変な感じが・・・俺、声変わりはじまってたのに?」
博?「何だこれ? 黒い糸? 上から落ちて来たのか? ・・・痛い? か、髪の毛ぇ!?」
拓巳?「足元がスースーする? って何これ!? スカートじゃん!? なんで僕がこんなの履いてんだよ!?」
大きな声で存在に気づき、彼ら(?)は互いに顔を見合わせる。
三人「「「君、誰?」」」
そこには変わり果てた小〇生たちがいた。

博?「き、君はひょっとして勇利なのか・・・?」
勇利?「あ、あぁ。なんか、身体も変だ。胸がチクチクする」
いかにもガキ大将然した短パンタンクトップのやんちゃ少年の勇利。彼は今や、ハートマーク入りの可愛いタンクトップ、カラフルな縞ニーソ、デニムショートパンツの少女に変貌していた。
生意気そうな雰囲気だが、可愛らしいゴム紐で髪がツインテールに結ばれており、女児らしい可愛らしさが(客観的には)あった。
元々の彼は年齢の割に大柄だったが、女の子になって体格背丈は幾分と縮んだようで、他の子たちとほぼ変わらないくらいにまでなってしまった。反射的に片手をシャツの裾に突っ込んで膨らみ始めの柔らかな胸に触れ、驚きを隠せない。
勇利は思わずもう片方の手を股にやり、弄る。
勇利?「な、ない!? 俺のち◯ち◯がない!?」
そこをまさぐっても、もう何もない。股間をなぞったが、縦に割れた溝を感じるだけだった。
興奮してガニ股気味になって叫ぶ勇利。その姿はいかにも可愛らしいお転婆な小〇生女児にしか見えない。

拓巳?「ぼ、僕もないよ!? ひ、博くんもなんか・・・違うね?」
博?「なんでこんなパンツに!?」
育ちよさそうな服を着た、色白で瘦せぎすなメガネの少年、博。背丈こそこの場にいた中で一番小さかったものの、元々美形と呼べる容姿だった。
それが今やどうだろう。白い清楚なワンピースを着た、艶やかな黒髪のロングヘアメガネっ娘になってしまっていた。すらっとした手足、雪のような白い肌は、小〇生離れした美貌と言って良いだろう。・・・胸元はまだまだ平たいが。
そんな清楚な美少女も、どうして良いかわからず、困った顔でワンピースのスカートを捲り上げてしまっていた。内股気味の白い脚の根元には、小〇生女子が履くには少し背伸び気味なデザインの下着-股間に密着し、前開きがない-がチラリと見えている。近い年代の男子(元々の彼らのような!)であれば、およそ勃起は避けれないだろう!
博?「ぼ、僕のもない!? どこいったんだよ〜!?」

勇利?「博ィ、拓巳ィ、どうしよう?」
涙目の勇利。
拓巳?「落ち着いて、お菓子でも。あっ、落としちゃってるじゃん!?」
おやつを食べながらこれまで様子を見てきた一番の食いしん坊のぽっちゃり少年の拓巳。
地味目なブラウスにTシャツ姿の彼は、女児向けフリルブラウスにミニスカートを着用したちょっぴり太ましい女の子に。髪も女の子らしいボブカットへ。一方で、優しそうなタレ目は変わらず、元が拓巳であったことを伺わせる。
お気に入りのおやつは地面に散乱し、さしもの彼も動揺を隠せない。思わず頬を両手で覆う。
(ぷに)
拓巳?「きゃあ!」
柔らかな頬の感触に、悲鳴を上げる。女の子らしい、鈴のなるような声だ。

博?「げ、現実・・・なんだよな、これって」
重い空気が彼女たち?を包む。
ほんの数分までまでから長くなった髪とまつ毛、狭くなった肩幅を実感し、彼らは自然と内股になっていく。
勇利?「し、信じらんねぇ・・・」
声変わりから逆行し、高くなった声。 括れたウエストに、丸い腰と柔らかく大きなお尻。あるはずが無かった胸の膨らみ。
拓巳?「ぼ、僕たち、まさか」
そして、今まであったはずの少年たちの象徴。鎮座するはずの股間からはそれは失われ、残るはうっすらとした茂みの奥にある一筋の溝。
皆、面影こそは残ってはいるが、何も知らない者からすれば、きっと誰も彼らが男の子であるとは分からないだろう。
三人「「「女の子に〜!?」」」
嬌声が森の中をこだました。

蜂蜜柑1
3
それから、数年の月日が流れた。
勇利改め優梨「いや〜あのころは大変だったよなぁ!」
博改め博子「大変だったですむか! ボクは未だに許してないからな!」
拓巳改め拓美「まぁまぁ、2人とも、あれはどっちもどっちってことでいいじゃない?」
優梨「そうそう! オレ達、あの頃の思い出を共有する数少ない幼なじみジャン? いやー、まさかオレ達が男だったことを他にだ〜れも覚えてなかったとはねぇ!」
博子「あぁ、体の変化のことも悩んだが、何より周りとのコミュニケーションが。なにしろ、ボクらは小〇生男子の世界は分かっていたけど、女子のそれは完全に別世界だった・・・。言葉も着る物も、そして友人も女子式のやり方だ。」
拓美「色々あったけど、こうして今や華のJKできてるんだし!」
優梨「ガッコは違うけどなw こうして今だに集まってダベれるのは嬉しい限りだぜ! うちの学校ギャルばっかでさ〜たまにノリ合わせるのしんどいんだよねw」
博子「ふん! そう言ってるものの、なかなか様になったギャル姿じゃないか、優梨"ちゃん"?」
拓美「背もちっちゃくてかわいいよね〜」
優梨「んなぁ!?」
年月を経て、3人は女の子としてそれぞれ大きく成長した。
着崩した夏服ブレザー姿の優梨。スカート丈も短く、メイクもバッチリで、どこをどう見てもギャルJKにしか見えないだろう。先日行きつけの美容院であてたパーマを、サイドテールにまとめている。少年時代(?)、元気いっぱいで色黒だった肌も今や随分と白くなった。そして・・・
優梨「ぐぬ〜、まさかチビの博にすら背を抜かれちまうなんてぇ!」
少年時代は幼なじみ達で一番体格の良かった優梨。しかしある時を境に背丈の成長が止まり、現在の身長はなんと、拓美はおろかいびってた博子よりも低くなってしまっていた。いかにも悪ガキ然した子供時代から、まるで小動物めいたかわいらしさが今の彼女には備わっている。
博子「ふん、当然! ボクは何でもパーフェクトなのさ!」
パサッと綺麗な黒髪をなびかせて博子が誇らしげに笑う。身長については博子も博子でやや特殊だ。
県内有数のお嬢様学校の夏制服を着た彼女は、今や「高嶺の華の博子様」として他校にまで知れ渡った存在だ。長く伸ばした美しい艶やかな黒髪は、すれ違えば男も女も振り返る。特徴的だったメガネをコンタクトレンズに換装し、目元も涼やかなクールビューティ。すらっとした長身に、触れれば折れてしまいそうなほっそりとした手足はファッションモデル級。それもあってか、表情は常に自信で満ちあふれており、それがまた異性同性問わず周囲の人間を魅了する。と、ここまでは完璧美少女なのだが・・・
優梨「うぷぷ、まぁ胸以外はなw」
博子「んなぁ!?」
女の子になってしまった当初からペタンコだった胸は、残念ながら(!?)他の2人と異なり現在に至るまでほとんど成長していない。
優梨「いやぁ〜、確かに身長こそオレの負けだけどよ。まさかこんなでっかく育つとはねw こっちの方はヒロ様に圧勝ですわw」
イタズラっぽく笑いながら、博子に対し胸を見せつける優梨。左手で持ち上げた胸は、同年代と比較してもかなり大きい方だ。その乳房が重力に反し持ち上がったことで、ムニっと柔らかく歪む。勝ち誇った表情で、空いた右手の指で博子の胸元をチョンと突く。
博子「うぐぐ・・・む、胸が全てではあるまい!? チビ優梨!」
優梨「あぁん、言ったなこのまな板博子!」
この口喧嘩も定番のやりとりになりつつある。
と、そこに。
拓美「ちょっとちょっと2人とも、大胆過ぎ! 男子の目線気にしてよ〜」
派手なビジュアルの優梨、嫌でも人目を引く博子と比べてると些か地味なルックスだが、可愛らしい雰囲気のおさげ髪の美少女。地元高のセーラー服姿も相まって、どこか親しみやすいほんわかとした少女。それが今の拓美だ。小〇生時代から変わらず、相変わらず肉付きよくムチッとしているが、思春期を経て大人の女性へ向け成長する中で、辛うじて(!?)おデブちゃんからは脱却できつつあるようだ。
拓巳「なんかごめんね? いつもこんな感じでさ?」
手を合わせてウインクして「ごめんね」と舌をぺろりと出す拓美。・・・まぁ、そんな拓美もスクールバッグを斜めにかけて豊満な乳房をπスラッシュしてしまってあるのだが。

優梨「だってよ、ヒロがあたしのこと見下したんだぜ? ってあっ!?」
博子「あたし、ね」
拓美「ふふふ・・・」
優梨「あーもう、お前らの前であたしって言っちまうなんて。もうオレとあたしのどっちが素なのかわかんねぇな〜。」
女の子らしからぬ乱暴な仕草で頭を掻く優梨。
優梨「えっ? 学校ではどうなのかって? 流石にヒロやタクがいないとオレなんて使わねぇよ。試してみるか?」
ニヤリと笑い、幼なじみ2人を見やる。2人も同意を込めてニッと口角を上げる。
優梨「(コホン)たくみ〜ん、ヒロちゃ〜ん、おっつ〜☆」
博子「ご機嫌よう、優梨さん」
拓美「ゆりりん今日もバッチリかわいいね〜」
優梨「照れる〜ところでさぁ、これからどこ行く〜?」
拓美「あんね、駅前のカフェどう? 私のクラスメイトがオススメしてたんだ!」
博子「まぁ、素敵ですね。でも残念です・・・。私、これから塾がありますの」
優梨「えぇ〜マジ〜残念〜! あたし、みんなとカフェ行きたかった〜。行きた・・・(ブフーッ)」
たまらず噴き出す優梨。それに釣られて皆が笑う。
優梨「いやいや、流石に女子をバカにしすぎだろw お前ら絶対普段こんな会話してねぇだろw」
拓美「いやいや、最初アゲアゲだったのそっちじゃんw」
博子「流石にボクの学校もここまでの娘はそうはいないさw」

ひとしきり笑い、人心地着く。誰からともなく歩き始め、優梨がポツリと呟く。
優梨「このまま一生、この身体と付き合ってくしかねぇか」
博子「戻れない以上、そうするしかないだろうね」
拓美「そう、だよね・・・」
沈んだ雰囲気を振り払うよう、努めて明るく拓美が話題を変える。
拓美「そ、そういえばさー、みんな高校出たらどうするの? ボクは専門行ってから地元で就職しようかなと考えてるんだけど!」
優梨「あぁ、それなー。親は短大でも出とけってうるせーんだけどなぁ。オレとしてはイマイチピンとこねぇっていうか〜まだ何もビジョンねぇっていうか〜。ん?どした?ヒロ?」
博子「実はさ、進路で親と喧嘩してて、さ」
優梨「はぁ!? お前子供の頃から医者だの何だの親に言われてたじゃねぇか!?」
博子「うん、そう。今までずっと親の言うことを疑わず医者を目指して勉強を続けてここまで来た。でもさ、なんか最近本当にそれが自分のしたいことなのか分からなくなってきて」
拓美「うん」
博子「小〇生のあの日、ボクたちはある意味、一度生まれ変わった。それからは男の自分なのに、女の子を演じ続けないといけなくなった。・・・それのせいなのかな、正直今はお芝居に興味があるんだよ。医者とは全然違う、不安定な進路なんだけどさ」
拓美「そう、なんだ。うん、それはとっても!」
優梨「いいと思うぜ! クソ真面目なヒロがやっと見つけた自分の道だ! オレは応援するぜ。なぁに、親御さんと何かあったらオレらみんなで助けてやるさ! だからお前も男らしく、腹くくれ!」
優梨の言葉をうっすらと涙を浮かべながら聞く博子。白く、すっと伸びた長い指で眼を擦りながら、
博子「・・・身体は女だよ、チビ優梨」
優梨「・・・違いねぇわ、まな板博子」
どちらともなく笑い出す2人。それを少し離れた位置から微笑みつつ見守る拓美。
身体こそ男の子から、女の子へ変わってしまった。そしてそのまま女の子として成長してしまった彼ら。しかし、その心根は変わらない。どこまでも自由で、深い絆で結ばれた幼なじみたちがそこにいた。

4
優梨「なーに黄昏てんだよ」
かんかん照りの海辺。キンキンに冷えた缶コーラを差し出しつつ、優梨が話しかけてきた。
優梨「せっかくの海なんだからよ〜泳がねぇの? ふーん、そっか。んじゃ、よっと」
豊満な身体を揺らして、隣にチョッと腰掛ける優梨。彼女らしい明るい派手なビキニ、動きやすいようアップにまとめた髪。背は高くないのに出るとこは出て、引っ込むところは引っ込んだグラマーな身体つき。ともするとこのビーチの男ども全員の視線を釘付けにし得る。だが、優梨は元々男だ。もはや男だった時間と女になってからの時間とが逆転しつつあるけれど!
優梨「おーい、なーに鼻の下伸ばしてんだよ」
ニヤニヤしながら横目で優梨がこちらを見やる。
優梨「オレだけじゃなくあっちも見てやれよ」
ピッと指差す先には、ビーチボールで戯れる博子と拓美の姿が。
彼女たちもまた視線を引く存在である。
抜群のモデル体系を見せつけるビキニ姿の博子(やはりその胸は平坦だ)。
少し地味目の水着に身を包んだ拓美は、安産型の肢体を外気へ晒している。昔から安心感のあるやつだったが、最近は肉付きも良くなって母性すら感じさせる。
優梨「うっはー、2人ともエロいエロいw オレが男だったらほっとかねぇのにな〜」
若干の気まずい雰囲気。誤魔化すようにコーラに口をつける。
優梨「・・・ヒロのやつさ」
ポツリと優梨が話し始める。
優梨「とりあえず東京で大学に通いながら劇団とかに参加していくみたいだぜ。いや〜まさかあの親が折れてくれるなんてなぁ」
砂浜の砂をいじりながら、優梨が続ける。
優梨「拓美も料理の専門学校決まったし。まさかあんだけ菓子食ってたあいつが作る側の勉強始めるなんてな〜! 将来は料理長か、ステキなお嫁さんってか!? クク、笑えるわ〜」
ひとしきり笑ってから最後に一言。
優梨「これで、ぼんやりとしたままで、何も決まってないのはオレだけか」
しばし沈黙を経て、フッと優梨が呟く。
優梨「2人のこと、ありがとな。・・・ヒロの親に頭下げて頼み込んでくれたんだろ? あと、拓美の進路とか相談乗ったりしてくれてたんだろ? 知ってんだぜ?」

優梨「隠し事しても無駄無駄! だって、オレたちはさ・・・」
「あの思い出を共有した、たった4人の幼なじみなんだからさ!」

そう、あの日。あの夏の日。あの祠にいたのは4人だった。勇利、博、拓巳、そして俺の4人。変わってしまったみんなと、ずっと一緒に過ごしていた仲間だ。

優梨「ほんっと、相変わらずお人好しだよなお前は。昔っからさ」
優しく微笑む優梨。
優梨「女に変わっちまった直後からずーっとフォローしてくれて、オレたち3人みんな感謝してんだぜ?」
優梨「しっかし、あー!!」
コロリと寝転がる。
優梨「いいよなぁ! 男で生きられるってさ! 身体のこととか、人間関係とか単純で羨ましいぜ! ん? 戻りたいのか、って? あー、そだな。戻れるものなら戻ってみてぇ! んで、オレたちが男のままならどんな風になってたかは知りてぇ! 男のままだったらさ、オレもこんなちんちくりんのデカパイギャルなんかじゃなくってもっとこう、デカくてムッキムキの頼れるイケメンだったに違いねぇよなぁ。ヒロや拓美、他のクラスの連中にも背抜かれなかったかも知れねぇ。かー、世の女子にとったら一大損失だな!」
けらけらと笑う。
優梨「ヒロのやつも相変わらずのガリガリのヒョロヒョロでさ、だっせーメガネかけて勉強してたんだろうぜ! 拓美なんか、おやつ食い過ぎでブクブク太って、相撲だのラグビーだの勧誘されてたのかもなぁ。・・・ま、もうどうしようもねー話なんだけどな!」
そう言う優梨はどこか寂しげだ。
そう。あの祠はつい先日になり、老朽化から取り壊しになった。珠も彼らが割ってしまって以降、完全に行方不明状態で、破片すら見つかっていない。もう、手がかりは全て失われたのだ。
だから、きっと優梨も辛くないはずがない、のだと思う。けれどきっと、未来を暗いものにしないために笑うのだ。他の2人もたぶん、きっとそうなのだろう。
優梨「そうは言っても、しんどいことに男も女もねぇか! お前も日々若い身体を持て余して悶々としてんだろw なにせこんな美少女の幼なじみが3人もいるんだからよ!」
・・・決して否定はしまい。男時代を知る幼なじみの気軽さからか、彼女たちは時として無防備な姿をさらけ出す。毎度毎度そんな日の晩は股座を抑えるのに必死だ。

ん? あの日祠にいたのなら、お前も性別逆転したから男になったのかって? あー、なるほど。そこはノーコメントだ。良い男ってのに秘密は付き物なのだ。

優梨「湿っぽい話はやめだやめ! で、お前はどうすんの? 2人から告られてんだろ? また鼻の下、伸びてんぞ」
ブフーッ!
動転してコーラの最後の一口を盛大に噴き出す。この幼なじみたちは、ほんとにもうどこまでツーカーなんだよ!
優梨「おぉ、図星かぁ!? 分かるぜ〜。幼なじみとはいえ、他人の夢のため奔走してくれる姿に、ヒロも拓美もキュンキュンときちゃったんだろ?」
子供時代から変わらない優梨のニヤニヤとした顔。昔からの経験で理解している。この顔に出会えば詰みだ。隠し事はできない。正直に洗いざらい話すこととなってしまう。
優梨「あいつらも大胆だなー。心配すんな! 誰を選んでも文句なしだ。お前がオレら3人のうち、誰と結ばれても潔く身を引くって話し合いは済んでるから・・・ってあぁ!?」
驚いて優梨の方を見やると、これまで見たことのないくらい真っ赤な顔をした彼女の姿が。ほっぺたどころか、首筋や耳まで紅く染まっている。
優梨「ち、ちがっ、あ、あたしは、別にッ! お前のことなんて・・・(ボソボソ)」
次第に俯き、声も途切れ途切れになる。動揺して思わず「あたし」なんて口走ってしまうこんな優梨の姿なんて、男時代から鑑みても初めてだ。
どうした!? どこか体調でも悪いのか!?
優梨「あー、もう! お前どこまでドンカンなんだよぉ!?」
耳元で急に叫ばれ、鼓膜に残響。
優梨「ちょっとは考えろよぉ!? いくら幼なじみだからって、女子3人がなんとも思ってない男と海なんて行くか!? ビキニなんて見せてやると思うか!?」
少し涙目の優梨が一気にまくしたててくる。
優梨「こんなの、こんなの・・・全部、お前へのアピールに、決まってんじゃん!! ・・・ちょっとは気付けよ、バカ」
ドキッ。
目を潤わせながらぷーと頬を膨らませる優梨、いつも見てきた優梨なのにどこか違う。露出の多い派手な水着に包まれた、豊満な女体。背は低いが胸は大きい、いわゆるトランジスタグラマーな彼女が、照りつける日差しの中、汗を滴らせつつ上気した表情でこちらをまっすぐ見つめている。
優梨「ヒロにも、拓美にも負けたくない。あたし、あんたのこと好きだよ」
この時俺は初めて彼女を強く「女」として意識したのだった。

しばらくの間、2人の間には静寂が続いた。聞こえるのは夏の喧騒、塩の音。しかしそれも長くは続かない。

拓美「おぉーい! こっちこっちー!」
博子「せっかくの夏だ! 泳がないと損だろう!?」
博子と拓美、2人がこちらに呼びかけている。
優梨「行こっか」
優梨は、そっと俺の手を引く。視界の先には水着姿の幼なじみたち3人が映り、俺は思わず見惚れてしまっていた。

白い肌に抜群のスタイルのクールビューティ、博子。昔から真面目で理屈っぽい彼女は、つい先日自分の道を見つけた。その後不器用ながらも、はっきりと「君が、好きだ!」と伝えてくれた。彼女とならば、時に冷静に、時に静かな情熱を燃やしつつ、互いを支え合う人生を歩めるだろう。

健康的で、いつもニコニコと優しい拓美。常に周りから一歩引いた位置から、気配りを忘れない保護者気質。料理を食べるだけでなく、作ることにも情熱を注ぎ始めた彼女。優梨や博子のような華やかさはないが、それが却って親しみやすさを感じさせる。「君といっしょに歩きたい。」そう言ってくれた母性的な彼女となら、いつも落ち着いて和気藹々とした日々を過ごせるのではないだろうか。

そして、優梨。元気いっぱいで、誰より幼なじみの絆を大切に思う彼女と共に過ごす日々は、きっと騒がしくも刺激的なのだろう。いつまでも男のノリのままだと思っていたが、さっき見せた姿は、どうしようもなく「女の子」としての彼女を意識させた。

待て待て待て! 俺はこんな魅力的な幼なじみたち、優梨、博子、拓美の3人全員から同時に好意を受けてるってことか!?
こんなのどうしろってーの!?
さっきから胸の狂騒が止まらない。どう決めれば良いかなんて分からない。けれども・・・
「今行くよー!」
決断の時はもう、間近に迫っていた。

蜂蜜柑2

パラレルエンドA 優梨
優梨「えへへ、だんだん夏も近づいてきたなー」
隣を歩く優梨の笑顔に思わずつられて俺も笑う。
今日の優梨は、大胆に肩を出し、胸元のゆるいゆったりした服を着ていて、少し目のやり場に困る。
優梨「おいおーい、鼻の下伸ばすなよ〜どすけべ」
ギュッと俺の腕にしがみつく。あの、豊かな乳房が当たってるんですが。
優梨「・・・当ててんだよ、鈍感!」
腕を組んでイチャつく俺たちは、どう見てもバカップルにしか見えないだろう。
優梨「さーて、今日も忙しいぞー! ショッピング行って、映画観て、カフェ行って、帰ったらご飯作ってやるからな!」
太陽のようにはじける笑顔。
あの海の日からしばらく時間が経ち、俺と優梨は付き合い始めることになった。それからはトントン拍子に話が進み、今では隣町で部屋を借り、一緒に暮らしている。俺は大学生、彼女はフリーターとして忙しい日々を送っている。おそらく、このまま俺たちは結婚することになるのだろう。それはきっと
「楽しみだな」
思わず漏れた呟き。耳聡い優梨が聞き逃すはずもなく。
優梨「あ、あぁ、そう、だね。正面から言われると照れるんだけど」
赤くなり俯く姿も本当に可愛い。
優梨「あー、もう! ペース握るのはこっちだって! ってうわ!」
慌てたのか、バランスを崩した彼女をそっと支える。
ポスッ。
小柄な彼女を受け止めたところで、思ったほどの大きなダメージはない。
しかしなんと、彼女はそのままギュッと俺の身体にハグをする。おいおい、往来だぞ。
優梨「随分と背、抜かれちまったな」
ポツリと呟く優梨。
優梨「オレの方がデカかったのに。・・・でも頼むよ、あたしのこと、ずっと守ってよね!」
そう言って身体を預ける彼女を、引き剥がすことなどできようか。
もちろん、これからも守るさ。
そう答えて、俺たちは街を行くのだった。

パラレルエンドB 博子
博子「ふ、ぁ・・・」
長いキスを終え、本能の赴くままに細身の博子をベッドに押し倒す。一つ、また一つとワンピースのボタンを外し、白い肢体と下着が露わになる。
博子「っ・・・なんで笑うんだよ」
博子の身体を包む黒い布は、男を誘い魅了するいわゆるセクシーランジェリー。しかし、
博子「わ、悪かったな! サイズぶかぶかで! どうせど貧乳だよ!」
気に入ったデザインで合うサイズのものがなかったのか、博子の薄い胸を包むには些か大きすぎたようだ。それでも、恐らくは俺のために元男の博子がこんな下着を選んで身につけてくれた。それがなんともいじらしい。
博子「はぁ、ムード台無しじゃないか。し、下着なんて女になってから他の男に見られたことなんてなかったんだぞ!」
赤面してポカポカ俺の胸を叩く姿は、普段の凛とした彼女からは想像もつかない。
博子「おい、ちゃんと聞いてるのか!? もう! ・・・ありがとう。今こうしていられるのも、キミがあの時親に頭を下げてくれたおかげなんだ。キミのおかげでここまで来れたんだ。こ、今夜の相手もキミで良かったよ。」
あれから上京した彼女は、とある小さな劇団に所属し、女優として活動を始めた。その抜群のビジュアルと、クールな演技から愛らしい演技、時には体当たりの弾ける演技までこなす演技力が評価され、ものの数年でテレビにも出演する若手実力派女優として名をあげている。元々男だっただけあって男性から見た女性像も意識できる分、ウケはいいようだ。演技の幅はあの幼なじみ達が多分に影響しているのは想像に難くない。

博子「今日は急に誘ってすまない。実は今度、ドラマでベッドシーンがあって・・・」
夕食中、そんな話を打ち明けられた。あの、もしかしてキスとか、抱き合ったりとか、体を触られたりとかするのか?
博子「ない、とは正直なところ言えないな。初めてのベッドシーンでいきなり大物と共演なんて、運が良いんだか悪いんだか」

そんな会話をした帰り道、どちらからなく俺達はホテルに足を運んだのだった。
博子「正直なところ、ベッドシーンの前にキミとこうして触れ合えてすごく幸せなんだ。・・・正直緊張で震えてるがね」
そう言って笑う彼女の姿は相変わらず綺麗だった。
博子「これからも女優としてどんどん昇りつめる。ボクはパーフェクトだからね。でも」
言葉を一度切り、意を決してこちらを正面から見つめる博子。
博子「ずっと隣にいて、ボク・・・ううん、私を見守っていてくれよ?」
答えの代わりに彼女に口づけをする。彼女には大きすぎるブカブカの黒い下着の奥に手を伸ばすと、深く結びついた唇の端から、細くて切ない吐息。甘い嬌声が博子の口からこぼれる。この日、俺達は初めて一つになった。

パラレルエンドC 拓美
トントントン。小気味の良い包丁の音がキッチンから聞こえてくる。妻の拓美が料理をする音だ。ある一定の期間を除くと、結婚してこの方聞かない日はない、俺にとっての日常を象徴する音。このまま静かに時間が流れるかと思ったのだが。その時、隣の部屋から赤ん坊の泣き声が聞こえてきた。
拓美「あら、いけない」
パタパタと隣の子供部屋に通ずるドアを通り、ベビーベッドから赤ん坊を抱き上げる。
拓美「はいはい、おむつ?……じゃないわね。お腹がすいているのかな〜?」
躊躇いなく豊かな乳房をさらし、赤ん坊にふくませる。彼女の顔は、安らかな幸福感と、愛する者への慈愛に満ちていた。女の、女であることの幸福を噛みしめていることが、その表情からうかがえた。
そんな姿に、俺は思わず声をかける。
「まるで聖母像だな」
拓美「もう、あなたったら!」
妻の頬が赤らむ。俺にとってみれば、決してお世辞でも誇張でもない。妻の拓美が俺たちの愛の結晶に授乳する姿は、紛れもなく世界一美しい光景だ。
「いつもありがとう、感謝しているよ」
拓美「私も感謝していますよ〜。男だった時、今みたいに幸せなれるなんて思ってませんでしたから・・・。うふふ、授乳トレーニングも頑張ったし、たっぷり飲んで良いのよ〜」
 我が子に声をかけて乳をやる幸福に浸りながら、今は平凡な主婦である拓美が笑った。
拓美「結婚して、子供も生まれると男に戻りたい、なんて気持ちすっかり消えてしまうものね」
ふいに不穏な言葉をポツリと呟き、俺は多少ばかり動揺する。
拓美「そんな慌てた表情しなくても大丈夫よ。今の生活は本当に幸せだもの! それに、ずっと前から好きだったあなたと結ばれるなんて、夢みたい。・・・あなたと結婚してママになることは望んだけど、そもそも女になること自体は望んでのことじゃなかったけどね」
そう言って最後にいたずらっぽく微笑む。
拓美「この子も生まれたんだから、ちゃ〜んと守ってよね、お父さん!」
太陽のようなはじける笑顔の彼女をみて、俺は自分の選択に間違いがなかったことを確信するのだった。

蜂蜜柑3

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  • 男の子が女の子に変身してひどい目にあっちゃうような小説を作ってます。イラストはパートナーの巴ちゃん画のオレの変身前後の姿。リンクフリーです。本ブログに掲載されている文章・画像のうち著作物であるものに関しては、無断転載禁止です。わたし自身が著作者または著作権者である部分については、4000文字あたり10000円で掲載を許可しますが、著作者表記などはきちんと行ってください。もちろん、法的に正しい引用や私的複製に関しては無許可かつ無料でOKです。適当におだてれば無料掲載も可能です。
    二次著作は禁止しません。改変やアレンジ、パロディもご自由に。連絡欲しいですし、投稿希望ですけど。

 

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