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これはJASRACさんの勝ちですよ。

イメージシティ VS JASRAC事件の続報です。

前の記事はこちら
ネット上にデータを保存するサービスはすべて著作権侵害で違法です

判決文出てますやん。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=
dspDetail&hanreiSrchKbn=07&hanreiNo=34696&hanreiKbn=06


前回はGIGAZINEさんの記事その他の記事を参考に軽めにエントリーしたのですが、判決文をプリントアウトして読んだ結果、GIGAZINEさんの記事には大きな勘違いが含まれている事に気がつきました。

オンラインストレージサービス、わかりやすく言うと、Yahoo!の運営する「Yahoo!ブリーフケース」とかジャストシステムが運営する「インターネットディスク」とかKDDIが運営する「セキュアシェア」とか、そのほかにも「ファイルバンク」とかNTT東日本の「フレッツ・ドット・ネット」もアップルの「.Mac」もみーんなまとめて「著作権侵害で違法」だそうです。不特定多数で共有できなくても、たった一人の特定ユーザーしか利用できなくても違法です。



そんな事、裁判所は言ってねぇw

判決文を読んだ方は割かしまともな事を言ってます。
例えばゆず屋さんとか。http://yuzuya.style.coocan.jp/blog/archives/
2007/05/29191315.php
アマゾンアフィリにびびるけどw

残念な事ですが、JASRACさんのロジックとイメージシティさんのロジックを比較したところ、JASRACさんのロジックの方が勝ってますね。(オレ判断)
よって、裁判所がJASRACさんを勝たせたのも妥当かと思います。
(公衆送信権侵害に微妙な感じを持ってますが、複製権侵害の方はひっくり返すのは非常に困難かと思います)
JASRACさんの弁護士は著作権専門だけあってさすがに強えなぁ。イメージシティさん頑張れ負けるな、でもこりゃ無理だね、てのが感想。

イメージシティさんのサービスを評して、イメージシティさん自体は「貸し金庫のようなもの」JASRACさんの方は「ダビング屋のようなもの」としています。
どうでも良いですけど、「のようなもの」と言うと私は「人間なんて昆虫のようなものだ」と言ったクール星人を思い出しますな。

……ここに関してはJASRACさんの方が妥当です。

著作権の基本ルールは「著作権者以外は複製(とか)しちゃダメ」です。
ただ、例外として「私的複製」ならOK。
本件はイメージシティさんのサービスが「私的複製」にあたるのかどうか、が主たる争点です。
著作権法を作ったときも、私的複製を定めたときも、「インターネット」も「携帯」も無い時代です。なので、違法と合法の境界線がどこかはよくわかんない。
完全に個人が複製を一人でやったのであれば私的複製でOKとなるでしょう。
本件サービスの場合は、(詳しくは判決文見てね)イメージシティさんが手取り足取り教えて。ソフトもインストールさせて個人に複製させてるんですね。まさにダビング屋。しかも、金を取る気なんですよね。
だから、「これは私的複製にあたらない」と言うJASRACさんの主張、および裁判所の判断は「説得力がある」と私は判断します。

私の考えをまとめるとこんな感じです。

①ストレージサービスを認めるべきか  認めるべき。メリットのほうがデメリットをはるかに上回るから。
なお、今回の判決はストレージサービス全体を違法と認定したものではありません。オレのフィーリングだとYAHOOブリーフケースとかは少なくともグレーゾーンだし、白認定の可能性が高いです
GIGAZINEさんは憶測と思い込みと不正確な事実認識によって日本の司法制度の信頼を揺るがすようなことはやめていただきたいです。

②ストレージサービスが著作権法違反になるか 一般論ではなんともいえない。今回のケースではなる。特に複製権侵害の方。これは、現行法の下で、JASRACさんの主張とイメージシティさんの主張を比べればJASRACさんの主張の方が強いと言うこと。

③裁判所の判断に問題があったか ない。現行法下で、JASRACさんの主張の方が強い以上は当然。

④じゃあどうすれば良いの? イメージシティさんの主張を強化再生してJASRACさんの主張に勝つ、のが第一案。著作権法を改正して力技でOKにする、のが第二案。
でも、第一案は無理っぽいです。今回のJASRACさんのロジックはまっとうですし、弁理士の能力も高いですもの。


③のとこ中心に補足しますね。
裁判所で難しい案件の民事裁判を行った場合の勝敗に重要なファクターは以下の4点。
1)法律や判例はどうなってるか 2)原告の主張は?(この時弁護士の能力が重要)3)被告の主張は?(やっぱり弁護士の能力は重要) 4)裁判官の判断能力は?


「ストレージサービスが著作権法違反である」と言う結論が違和感のあるものだとしても、ただちに裁判官の判断能力が無いと言うことではありません。
もしも4)を格別に主張したいのであれば、少なくとも判決文全部ぐらいは読んで、具体的にどこの判断をどう間違ったのかを指摘すべきかなと思います。
たとえ違和感があったとしても、法律や判例に基づいて考えたときに、被告の主張と原告の主張を比較して、被告の主張の方に分があるならば。裁判官はJASRACさまを勝たす以外の選択肢は無いのです。
本地裁判決を下した高部裁判官が、一太郎事件(松下VSジャストシステム)の一審の裁判官であった事への突っ込みもあるようです。あの事件は特許侵害の話でムズカシイし、専門外なんで判決文とかチェックしないですけど。
法の下で、松下さんのおそらくは一流のロジックと、ジャストシステムさんの一審時点での急ごしらえのロジックとを比較した場合は、松下さんを勝たせざるを得なかった可能性もあるんじゃないかなって思うのです。
だって、松下さんは一流企業だし、お金もあるし、仕掛けた側じゃないですかー。勝てると思って仕掛けたに決まってます。
結局松下さんのロジックは最終的には負けてしまうのですが、負けた相手はジャストシステムさんの改造強化されたロジックに対してのはずです。
1審時点 松下ロジック>ジャストシステムロジックVER1
2審時点 松下ロジック<ジャストシステムロジックVER2
そうであれば、高部さんの裁判官としての能力をこれだけの理由で疑うのは酷だと思うのです。

再度、念押ししておきますが、イメージシティさんのサービスを著作権侵害としても「法的にそんなにおかしいわけではない」です。

①イメージシティさんは音楽サービスでビジネスをするつもりだけど、自分で音楽を作ったり、供給したりする気は無い。
②ユーザーさんは音楽を著作権者から買う購入者である。しかし、買ったのはあくまで音楽そのものであって、「音楽の複製権や公衆送信権を込みで買った」訳ではない。(買ったからといって勝手にダビングして売ったり、UPロードしたら違法なのはわかりますよね?)
③しかし、ユーザーさんには私的複製する権利はある。
④イメージシティさんは、音楽の著作権者でも購入者でもない。だから勝手に複製したり、公衆送信する権利は無い。
⑤ユーザーさんが、イメージシティさんに「複製しても良いよ」と許可する事はできない。なぜなら複製権は著作権者にあり、ユーザーさんには無いから。ユーザーさんができるのは私的複製だけ。
⑥イメージシティさんは「購入者さんからの指示で」、サーバー内で著作物の複製をやっちゃってる。第三者に複製を許諾する権利はたとえ自分のためであっても購入者さんには無いから、この行為は著作権的にNG。
⑦私的複製というのであれば、「自分で自分のために」が基本。

このぐらい補助線を引けば、あの判決は「確かに結論には違和感があるが、判決までのロジックに著しい間違いは無い」と言うわたしの主張も一理あるような気がしませんかね。

ちなみに本裁判の結論は「イメージシティさんが行う予定のサービスが著作権侵害にあたる」であって、決してGIGAZINEさんが伝えたところの、「ストレージサービス全てが違法である」というものではありませんので念のため。

という訳で前回はイメージシティさんに最高裁まで争え、と煽ってみた次第ですが、この案件はひっくり返す事は無理だと思います。ここで断念するのがよろしいでしょう。

コメント

コメント有難うございます。

yahooでは第三者の著作物をブリーフケースに上げることを禁止してますしね。(yahooのガイドラインより)
>YAHOOは賢いなぁ。でも、てことは著作権侵害不存在確認訴訟はやってくれないわけだ。それはちょっぴり残念。

なんかこの頃、冷静になるべき大手ニュースサイトや新聞が著作権批判に対して暴走している気がします。
>最近はわたしは著作権のマニアなのでこれは気付いたけど、気付かないだけで他の分野でも暴走しているのかもしれませんね。メディアリテラシーが大切ですよねぇ。

何が怖かったかって、GIGAZINEのトラックバックに反対意見があむぁいさんを含め2つしかなかった事。
>境目が微妙だけど、がんばって3つぐらいですかねぇ。少なくとも判決文読まないと反対意見は出ないでしょうし、判決文は面倒と言えば面倒だわな。

このままじゃネットの著作権論議がミスリードされたまま暴走するんじゃないかと心配です。
>ネットの著作権論議って、2行や3行のコメントで応酬しあってもこんなフクザツな案件を論議するのは根本的に無理ではないかとー。論点のピントが合うのがまず奇跡的なわけですし。

yahooでは第三者の著作物をブリーフケースに上げることを禁止してますしね。(yahooのガイドラインより)
なんかこの頃、冷静になるべき大手ニュースサイトや新聞が著作権批判に対して暴走している気がします。
何が怖かったかって、GIGAZINEのトラックバックに反対意見があむぁいさんを含め2つしかなかった事。
このままじゃネットの著作権論議がミスリードされたまま暴走するんじゃないかと心配です。

うああ、ルポのイメージでなんとなく錯覚にーw
東芝さんごめんなさい。
修正しました。ご指摘ありがとうございます。

細かい事ですが東芝ではなくて松下では?

例えにして分かり易くなってないですw

システムを再検討して出直しですかー。でも、もう弁護士見解無しには動けない状況でしょうからね。本気でこの論理で仕掛けて勝てる、と信じていたのなら弁護士の能力に問題があるし、勝てないけどオレが儲かるからいいや、と思っていたなら弁護士の忠誠心や倫理観に問題があったのではないかとー。
ビジネス的には撤退、が吉じゃないの。

判決をひっくり返すのは無理だろうけど

まあ細かいところに異論はありますが、このままサービスをするのは無理かと(自分の意見としては、これは「公衆に使用させるための自動複製装置」だから)。で、

>④じゃあどうすれば良いの?
もう1度システムについて再検討して出直す。もちろんそれにもクレームはつくだろうけどそれを回避できるように詳細に検討して。
例えるならば、現在のシステムは録画ネットだからまねきTVにして出直せということです(例えが悪いかも)。

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