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アリス・ドール (18禁)

2005.6.18に掲載しました。カテゴリ作成記念あげ

作者 ありす さん


「元気でね。どんなに辛くても、我慢して。きっといつかはいい事、あると思うからさ」
「はいオリジナル。いつかまた、どこかで会えるといいですね」
「そうだね。でもその時は、ボクはまた違う姿になっていると思うから、ボクとはわからないかもしれないよ……」

 数日前までの自分に別れを告げるなんて、実に奇妙な感覚だ……。


――”アリス・ドール”それがボクらに課せられた、プロジェクトの名前だった。
 ボクと親友のカズヤは、学校を出たものの就職口もなく、何とか日雇いバイトで食いつなぐ、”かつかつ”の生活をしていた。
そんなある日、ボクたちはとある求人広告に、若干の興味を感じて面接を受けた。
 表向きはアンドロイド・ドールの開発ということだったが、所長が意気込んでボクらに説明した内容は、驚くべきものだった。
 感情を持たないドールに擬似人格を与えることで、人間性を高めるというのだ。その方法は簡単に言えば、ドールへ生身の人間をリンクさせた状態で、さまざまな体験をする。
 そしてそれをドールの人工脳に記憶させながら、思考ネットワークを構築する。その結果、ドールの人工脳にはオリジナルの人間の人格に良く似た、しかし一個の独立した擬似人格が構築されることになるのだそうだ。ここでは常に改良を加えられたドールを開発しているために、その補助スタッフとして人員を募集しているということだった。
 だが、採用試験として課せられたプログラムは僕たちをもっと驚かせた。
 開発中の女性型ドールをシミュレートするVR環境にリンクして、先に相手をイカせた方を調律師として雇うというのだ。
「つまり、女の体になって、さらにレズれと……?」
 とカズヤが不審そうに尋ねる。
「男性型ドールの需要は少ないからね。君らだって、どんなサービスを受けるにしろ、若い女性のほうがいいだろう?」
 所長は笑いながら答えるが、目は真剣そのものだった。
「それと、その……性 行為 とどういう関係があるんですか?」
 女性経験皆無のボクがつっかえながら質問する。
「過去の実験データから、それが一番ドールの調律には効果的なんだよ。もちろんセクサロイドとしての需要もね。いやどちらかというと、そっち方面の方が遥かに多いのも事実なんだろうがね、ははは」
「国立の研究所で、そんなものを開発してるなんて、初耳だなぁ」
「国立だからこそ、ここではさまざまな最新技術を駆使して、このプロジェクトを進めることができる。予算もこの手の施設としては潤沢だ。が、あまりおおっぴらにできる内容でもでもない。”アリス・ドール”に人権問題や社会倫理の問題が絡むようになれば、計画自体が技術的な面とはまったく異なる理由で頓挫しかねない。が、一方でこの計画は大変に重要なものでもあるんだ」
「「重要とは?」」
「それはまだ君たちに話すわけにはいかない。いや、正確には所長である私自身も良くは知らないんだ。計画の骨子は別の機関で作成され、我々はその計画に従って必要な技術を研究開発するだけなんだ。それと調律された”アリス・ドール”たちがどこでどんな作業に従事しているのかも、よくは知らされない。どういったドールが必要なのかは概略だけ送られてくるから、それに従って大まかな性格付けが決められるが、細かな部分は”調律師”に一任されている」
「でも、女性型ドールを”調律”……でしたっけ?それは女性のほうが向いているんじゃないですか?」
「まぁ、こういう仕事は女性は嫌がってね。男女同権問題にかかわるとかプライドの問題だとか何とか……」
 そりゃそうかもしれない、自分に良く似た人格を持ったドールが不特定の相手と性的なサービスまでしてるなんて、男のボクだってあんまりいい気分ではない。
「それともうひとつ理由がある。女性が“調律”するよりも、男性がするほうが、理想の女性に近い擬似人格になるんだよ」
「ああ、そりゃなんとなくわかる気がするね」
 ボクよりも人生経験豊富な(?)カズヤが応じる。
 でも、そんなもんなのかなぁ……?
「どうかね?とりあえず受けてみてくれんか? 実は先日、調律師が辞めてしまってね。困っているんだよ。テストはリンクシステムとの相性を確認するためのものだから、問題がなければすぐにでも採用したい」
「「はぁ……」」
 ボクとカズヤはお互いの顔を見合わせた。


『じゃ、モニタリングは映像と音声を切っておくから、心置きなくやってくれたまえ。こちらではリンクシステムとのシンクロ率や、神経回路構築シミュレータ側に流れてくるデータで適性がチェックできるから、実際に君たちが何をしているのかはわからない。覗きをするような奴はここにはいないから、安心してくれ』
 壁のスピーカーを通して、所長の声が言った。

「……安心しろってさ」
 ドール体になったカズヤが、もの珍しそうに自分の胸の感触を確かめながら言う。
「カズヤ、ホントにするの?こんなテスト。なんだか嫌だなぁ……」
 半裸にシーツを体に巻いたボクが尋ねる。
「実際になにやっているのかわからんそうだから……。そうだなぁ、お互いオナニーだけして終わらせるって言う方法もあるぜ」
「オナ……、そんな事いったって、その、この体で、どうしていいか、わからないし」
「ま、潔癖症で大まじめで、女が大の苦手な引っ込み思案のオマエに、務まる仕事とは思えんけどなぁ……」
「そこまで言わなくたっていいだろ。彼女がいないのは、カズヤだって同じじゃないか!」
「あんなつまらないものに貴重な時間を割くなんて、人生の無駄だと思わんかね?チェリーボーイ」
「へーえ?じゃ、カズヤは経験があるんだ」
「もちろん!」
 そういって、カズヤはボクのシーツを剥ぎ取った。
「や、何すんだよ!」

「何すんだよって、どっちかがイかなきゃテストは終わらない。さっきしてくれっていったじゃないか。」
「そんなこといってない! やりかたがわからないって、言ったんだよ」
「だから教えてやるよ」
「そんな理屈……あっ!」
 カズヤがボクの胸を触った。思わず体を引いて間合いを取り、胸をかばう。
「おお、初めてなのに感度がいいね」
「そんなの……、カズヤだって一緒だろ!」
 負けずにボクもカズヤの胸に手を伸ばして揉んだ。
「ふふふ、ちっとも感じないね」
「それならこれでどうだ!」
 ボクは無防備なカズヤの股間に手を伸ばす。だけどそのために間合いをつめたのが仇となって、逆にカズヤに伸ばした腕をとられて後ろにひねられてしまう。
「格闘技でオレにかなうわけないだろが」
 VR接続された体は、ほぼ同じもののはず。だけど日ごろの体裁きの差がものを言うのだろうか。ボクはなす術もなくカズヤに組み伏せられてしまう。

「わかった、降参! 降参するからもうやめて」
「ほぉ、安易に降参していいのかな?」
 カズヤは僕の股間に手を伸ばし、指でなぞりあげた。背筋を電気が走り抜ける。
「ひぃっ!、や、やめてって言ってるのに」
「そういう設定になっているのかな?ほら、もう濡れているぜ」
 そういって、濡れた指先をボクに見せ付ける。
「やめて!やっぱりボクこんな仕事しない!カズヤだけやればいいよ!」
「それならおとなしくしてな。すぐ終わらせてやるから」
「そんなこと……」
「採用条件見たろ? あれだけ給料もらえれば、アパートの家賃も払って、無職のオマエぐらい、何とかなるぐらいの稼ぎにはなるさ。オマエはゆっくり、オマエにできる仕事を探せばいい」
「だけど……。やだよぉ、こんなの。男のボクに、ネコになれなんて」
「そういう言葉だけは知っているんだな……」
 ボクの抗議の間にも、カズヤの手は容赦なくボクの体をまさぐり、愛撫をくわえていく。せめてもの反撃をしようと、背中をカズヤの胸に押し付けて動かすが、そんな刺激を意に介さないように、カズヤの手は止まらない。その逆に、ボクにあたえられる快感は凄まじく、次第に抵抗する気力が奪われていく。
「はぁ、はぁ……もう、だめ……」
「イキそうか?」
 ボクの限界を見切ったのか、カズヤの愛撫がさらに激しいものに変わった。ボクを抑えておく必要がなくなったために、自由なった両手を使って乳房を捻るように強くもみ上げたかと思うと、愛液でぬるぬるに濡れている穴の奥深くにまで指を挿しいれる。違うパターンの責めを加えられる度に、ボクは嬌声をあげさせられてしまう。
「あっ、はぁ、……うぅ、んっ、いやぁっ!」
 突然の強い刺激に体がのけぞる。見るとカズヤがボクの股間に顔をうずめていた。
 それがクリトリスへの甘噛みによるものなんだな、とぼんやりと思いながら、ボクは気を失った。


「気がついたか?」
 元に戻ったカズヤの顔がボクを覗き込んでいた。
「あれ?ボク……」
 体を起こして確かめると、自分の体も元に戻っていることに気がついた。
 さっきまでのことは、夢……?
「所長が、オレたち二人とも採用したいってさ。良かったな、何とか仕事が見つかって」
「仕事……?二人とも?」
「なんだ、まだ呆けているのか?住む場所もこの研究所にしてくれってさ。もちろん家賃もただっていうか、給料に上乗せしてくれるそうだ」
「はぁ、なんだかもう、ドウでもいいって感じ……」
「おいおい、しっかりしろよ……」



――そして、ボクたちは”調律師”となった。ドールに”憑依”して直にドール体を操るのはもっぱらボクの役割で、設定値や動作プログラムなどの技術的な調律は、外部からカズヤが担当することになった。何でもテストでVR体へのシンクロ率は、ボクのほうが遥かに勝っていたからなんだそうだけど、なんか不公平な感じがした。
 念入りな身体チェックの後、ボクの体はよりシンクロ率を高めるための手術を受けた。そしてこの研究所の地下にある巨大なリンクシステムに繋がれた。本当の体は身動きひとつすることは出来ない状態で、リンクシステムを介して”憑依”したドールを通じて、普通の人間のように暮らすことを可能にしている。そしてボクはドールから次のドールへと”意識”を移し変えながら、彼に調律される今の生活を送ることになった。


“古い体”のボクを見送り、”新しい体”になったボクを乗せた車椅子を押しながら、カズヤが言う。
「さて、今度のドール体の具合はどうだい?」
「別に……。いつもと大して変わらない。まだうまく動かせないけど……」
「その体は、まだ赤ん坊みたいな状態だからな。暫くはリハビリみたいなもんだ。散歩にでも行くか?」
「……屋上でいい」
「”明るくて、元気なドジッ子メイド”というのが今回のドールの設定らしいぞ。心理暗示かける前に、いろいろと感性を磨いておいた方がいいと思う」
「どうせ、ガンコで嫌らしい、ヒヒ爺のオモチャになるんだろ?」
「養老ホームのヘルパーかもしれないぜ」
「そんなコスト高のヘルパーなんかいないよ」
「ははは、違いない」
「ねぇ、あのコ……。どこへ行くのかなぁ?」
「さぁてね。知らないほうがいいんじゃないの?」
「冷たいんだなぁ、あんなに可愛がってくれたのに」
「ま、恋人同士という設定で”調律”したとはいえ、今はただのアンドロイドだしなぁ。オマエに良く似ていたとしても、オマエじゃぁ無い」
「それって、中身はボクだから優しくしてくれてたってこと?」
「お、そのセリフはいいね。後で会話バンクに入れておこう」
「ハグラカサレタ……」
「なんか言ったか?」
「何でもないよ。屋上へ連れてって」
「はいはい、お姫様」
「まだ、女の子扱いされたくない」
「体はもう立派な女の癖に……」
「なんかいったか?」
「いや別に。ではしばし、学生時代の気分に戻って、ぱーっといくか!」
「いいねぇそれ! 何する?」
「部屋でゴロ寝」
「何それ……」
 がっくりとうなだれるボクの仕草を、笑いながら見つめるカズヤ。
 親友同士でもなく、恋人関係でもない。奇妙な関係に馴染みつつある、こんな生活も悪くはないなと、ボクは思った。


ありす
2005年05月10日(火) 01時02分47秒 公開←初出

*********************************

あむぁいです。
と言う訳で作者のありすさんと掲載元の支援テキスト投稿コーナー管理人さんのご許可をいただき、ウチのサイトに転載させて頂きました。

快く転載を承諾頂き大変感謝しております。

なんとゆうか、大変ツボに入ってしまい、大人気なく後先考えずに転載を口走ってしまいました。しかしまぁ、結果的に成功しましたので、まぁいいかなと思っております。

私的には素敵なTSの物語が一人でも多くの人に読んでもらうのは正義ですので大変良い事をしたと自己満足しております。

まだお話は続くそうですのですごく期待しております。是非無理の無い範囲でがんばってほしいものです。

コメント

いらっしゃいませぇ

期待しておりますー。私も微力ながら応援しております。

どうも、作者です。
私の拙い小説を紹介してくださってありがとうございます。
このところ仕事がめちゃ忙しくて、更新が止まっておりますが、近いうちに再開しますので、よろしくお願いします。

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