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【投稿小説】全てを俺にください<4> 作 Haseyan 挿絵 名取そじ ※挿絵あり

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 すっかり十分も一人で涙を流していただろうか。ようやく落ち着きを取り戻してきた璃奈は、今後の方針について考えていた。
 とにかく元に、孝一に戻りたい。そのためには元凶である孝一に、元の璃奈に連絡を取る必要がある。だが、問題は多い。まず連絡先がわからない。機械に全てを任せていた現代人の璃奈は、自分自身の電話番号を暗記していなかった。
 メールだって、今はアプリを使う。何かの登録の時にしか引っ張り出さないアドレスなど、覚えているわけがない。
 
 なら、直接会うか。それも難しかった。あのショッピングモールから璃奈の家まで、数時間も車で移動していたのだ。つまり孝一の家までかなりの距離がある。あの母親がそれほどの長時間、自由を与えてくれるのか。恐らく期待できない。
 仮に電車やバスで移動するにしても、資金の準備とこっそり抜け出す隙が必要だろう。
 しかし、だ。それで元に戻れたにせよ、戻れないにせよ、その時の璃奈はどうなる。烈火のごとく怒り狂った母親に、何をされるか予想がつかない。それほどまでに、彼女は狂っている。

「鳴宮さんの気持ちはわかる……何か、考えないと……」

 諸悪の根源ではあっても、璃奈は璃奈の人生に同情してしまっていた。だから彼女に不利益が降り注ぐような真似はしたくない。ならばこちらも却下だ。他の手段を模索しなくてはならなかった。
 それに、全ての条件を満たして、孝一と出会うことができても、彼に元に戻る意思がなければ意味がない。そもそもどういった原理で、璃奈は璃奈になってしまったのか、把握できていないが、原因が孝一にあることは間違いないのだから。

 考えても答えは出ない。こうなってしまった以上、しばらくは璃奈として暮らしていくことは受け入れざるを得ないだろう。だったら、今日はもう休みたかった。色々とありすぎて疲労困憊だった。
 さっさと風呂を済ませて、寝てしまいたく──

「え、風呂って……」

 脱衣所の鏡を覗く。そこには、天才美少女の姿があって。璃奈の顔が耳まで真っ赤に染まっていく。璃奈は元、孝一は健全な男子高校生で、ついでに恋愛経験が皆無だ。あっても小×生の頃の恋愛とさえ呼べないお遊びな関係ぐらい。
 同年代の少女の裸体など、見たことがなかった。脱がないと風呂には入れない。それこそ小×生でも知っている常識だ。だが、脱ぐのか。この少女の身体で。

 心臓が短い間隔で鼓動するのを自覚した。口の中が乾き、固唾を呑む。正直、汗が気持ち悪いし、母親に命じられた以上、風呂に入らない選択肢はない。だからこれは気持ちの問題だ。
 自分自身を納得させる言い訳を用意するための、無駄な葛藤に過ぎない。

「そ、そもそも……鳴宮さんも、自由にしろって……女の子の身体でたの……っ!?」

 その葛藤が余計な記憶を引っ張り出す。孝一になった元、璃奈は確かに言っていた。身体は自由にしていいし、何なら女の子の身体を楽しめと。言葉の意味ができないほど、無知ではない。
 見下ろした先にあるのは、ニットとロングスカートでまとめられた女性の衣類。その下にはきっと。下着に加えて、細くて柔らかい少女の肉体が隠されている。
 
 男のように無駄なものなど付いていない、穢れなき少女の裸体。けれど、なだらかな凹凸のある身体には、男にはないものが存在する。

「だ、ダメだっ。さっさと洗って終わりにしよう……っ」

 これ以上の思考は危険だと判断。璃奈は意を決して服に手をかけた。ニットは想像以上に身体にぴったりで、普段通り脱ぐことはできず、片袖ずつ腕を抜いていく。スカートは簡単に取り払うことができた。
 そこまでいけば残ったのは下着だけだ。
 
「────っ……!」

 恥ずかしくて、顔面から火を噴きそうだった。鏡にちらちらと映る下着姿の少女を見ることも、男だったはずの自分が女性の下着を身に着けていることも、その両方が原因で。だが、羞恥心の一方で、璃奈だって元々は健全な男子高校生だ。
 鍵を閉め、誰もいないはずの部屋でキョロキョロと周囲を確認する。そんな悪いことをしているような気分で、璃奈は己の身体を観察した。
 
 発展途上でありながら、璃奈の身体は綺麗だった。ある意味で素人とも言える璃奈でも、しっかりと手入れをしているのが良くわかる。
 瑞々しい肌には染み一つなく、程よい筋肉によって引き締まっている。ムダ毛は一切なく、そちらも常日頃から処理していたのだろう。
 元々の持ち主の言葉通り、スタイルだって悪くない。太ももから腰に掛けて広がっていく骨盤だが、くびれに差し掛かると一気に細くなる。今は布によって隠されている胸は、大きい部類ではなくとも、確かに存在を主張していた。

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「…………」

 それが璃奈。今の自分だ。あまりに綺麗な姿に、劣情が感嘆に押し流される。
 ──或いは、自覚がないだけで璃奈は精神的にも男ではなくなりかけているのか。
 嫌な予想を振り払いつつ、下着に手を付けた。想像していたものと違って、上の下着には肩にかける紐のようなものが存在しない。思えば、彼女はステージの上でドレスのような服を身にまとっていた。
 もしかしたら、それ用の下着なのかもしれない。慣れない手つきでどうにか取り外す。
 反して、下は脱ぐだけだ。容易に最後の砦が取り払われ、璃奈は生まれたままの姿となった。

「ごめん、ごめん! 何も見てないからっ……!」

 一度は落ち着き始めていた恥ずかしさが、再び頂点に達する。見てない、見てないと言い訳をしながら──実際にはちらちらと下を向きながら──璃奈は風呂場へと駆け込んでいった。
 浴室は広い。小さめな温泉旅館のようだ。シャワーの位置を素早く確認すると、慌てて椅子に腰を下ろした。だが、シャワーがあれば同時にあるものも存在する。

「……これ、は。仕方ないって」

 大きな鏡だ。それも全身を映せるほどに大きな鏡。当然ながら璃奈の美しい裸体が余すことなく晒されている。煩悩を払うように璃奈はシャンプーへと手を伸ばした。
 目をつむり、無心で洗う。長い髪は量も多く、不安になるほどシャンプーを出さなくてはろくに泡立たない。一日の汚れをしっかり落とすころには、璃奈の細腕は疲労困憊だった。
 
 シャワーで洗い流し、ついでに顔も洗う。ともすれば、残った場所は──首から下しか存在しない。

「大丈夫、別に自分の身体を洗うだけだし……」

 石鹸を手でこすり、泡立てる。小さい手だなと、現実逃避のように考えながら、腕から順に身を清めていく。
 実際に触れてみると、見た目以上に滑らかな肌で。何よりこれは、璃奈の気の持ちようなのか。それとも女性の肌だからなのか。妙にこそばゆい。ただ肌を擦っているだけで、変に意識してしまう。
 考えないようにしないといけないのに、余計に劣情が膨れ上がっていった。

「……んっ。は、っ……ぁ」

 自分の口から洩れる吐息が、何故か色っぽく耳に届く。
 腕を洗えば次は脇、そして胸だ。何気なしに顔を上げる。眼前の鏡には、泡に塗れた少女が映っている。彼女は無意識のうちに足を内股に閉ざし、瞳を潤ませていた。

「これが、俺……?」

 今の璃奈が男子高校生だと訴えて、誰が信じるのだろうか。璃奈自身ですら信じられない。ここにいるのは、自分の身体に興奮している少し変わった少女が一人だけだ。

「……洗う、だけだからっ」

 ダメだ。このままではまずい。そう悟りはしても、璃奈は我慢できずに胸元にほっそりとした指を運んでいく。そのまま置かれた手が、柔らかな脂肪の塊に沈んだ。
 洗う。その母性の象徴を確かめるように。ただ身を清めるだけなら明らかに不要なほど、もみ込んでいく。

「これが、女の人の……」

 初めて揉んだ女性の胸は、心地よい感触だった。指が止まらない。少女の身体を自由に弄っている興奮。男だったはずなのに、少女として胸を揉まれている背徳感。頭の中がぐちゃぐちゃになって、おかしくなる。

「あ……ぁあ、ふぁっ。も、もう、やめなくちゃ……でも、はぁ……っ」

 悩ましい吐息がより理性を奪っていく。剥き出しにされた欲望が、好き勝手に璃奈の身体を弄ぶ。璃奈自身の反応がスパイスとなり、璃奈の行為がエスカレートしていく。そうなってしまえば、際限はなかった。

「なんか、かた……っ。あぁんっ……! あっ、こ、れやばっ……い、よぉ……」

 手のひらに触れる胸の先端が可愛らしく尖り、それを摘まんだ途端、強い快楽が背筋を流れる。もう歯止めの利かない璃奈は、それを求めて指の間で乳首を転がした。
 断続的に襲い掛かる女の子の快楽に酔い痴れて、口から声が漏れそうになる。身体を固くして必死に耐える。

「ふぁあぁぁ……っ! んぁっ、んん……っ」

 男のそれとはまるで違った。全身を包むような弱い性感に支配されて、頭がフワフワとしてくる。だが、これはまだまだ序の口だと、璃奈の身体は叫んでいた。
 女の子として感じれば感じるほどに、お腹の奥が切なくなる。決して届かない奥底が寂しくて、太ももをこすり合わせてしまう。邪魔なものが何も少女の股間。しかし、そこには男を受け入れるための場所が存在する。

「はぁ、はぁっ……。洗う、だけ……だから」

 右手が降りていく。指先がお腹を擦っただけで、身体がピクリと反応してしまった。
 右手が迫る。大切な場所に。少なくとも、赤の他人だった男子高校生には決して明かしてはいけない秘部に、璃奈の指が迫る。
 
 そうだ。これ以上は本当にダメだ。元の璃奈へと冒涜だ。
 
 ──本当に?
 
 そもそも、勝手に身体を入れ替えたのは元の璃奈で、今の璃奈は被害者でしかない。何より、彼女自身が言っていたはずだ。

 ──もうその身体は璃奈のものなんだから、璃奈の好きにしていいよ。
 
 一度スイッチの入った欲求を、良心だけで我慢できるはずがなかった。
 
「あぁっ……! ふ、ぁ、んっ、あ……ぁあ、ぁぁっ!」
 
 人差し指が割れ目をなぞる。全身を快楽が貫く。それだけで大きな声が浴室に響いた。
 挿入する勇気なんてなく、恐る恐る、けれど更に求めるように、指を少しずつ動かす。気持ち良い。もっと、もっと感じたい。璃奈を感じたい。璃奈として、気持ち良くなりたい。

「ぅぅっ、んぁ……ひゃぁ、あ、ぁ……あんっ……!」

 鏡に映る自分が視界に飛び込む。左手で胸を揉み、右手を足の間に突っ込んだ少女だ。背中を丸め、太ももを固く閉ざし、必死に拒絶するような態度を取っているくせに、挟まっている右手の先はイヤらしく快楽を求めて、自分自身を慰めている。

「ちがぁ、ぁぁっ! こ、んなの……お、れじゃ……ふあぁっ」

 否定しても意味がない。だって否定する声は、甲高く喘ぐ少女のものだ。
 抑えたくても抑えられない声が、目の前の鏡が、どうあがいても突き付けてくる。璃奈が自慰に没頭する女の子であることを。
 
 恥ずかしい。死にたい。でも、気持ちいい。指が止まらない。声を出すことがこんなに気持ち良いだなんて知らなかった。

「やぁっ……な、んか、いやっ、だめ……っ、あ、ぁん」

 男のなのに、女の子にされて。嫌だ嫌だと言い訳を繰り返しながら、女の子として喘ぐ。切ない。足りない。もっと、もっと気持ち良くなりたい。
 男だったらとっくに終わっている。けれど、璃奈の身体は終わりが見えない。ただ不可解にお腹の奥がきゅっと締まって、寂しいような、切ないような、苦しくて気持ちいい感覚が近づいてきていて。

「ぁあっ! ぁぁ、なんか、きて……っ、いやぁ、やあっ、やだ、やだっ……!」

 口とは裏腹に、ひたすら快楽を求める身体は、未知の終着点へと着実進んでいく。勝手に腰が浮く。呼吸が激しくなる。あまりの大きさに目を固く閉じ、全身が痙攣して、何もわからなくなって。
 怖い。気持ちいい。恥ずかしい。もっと、早く、気持ち良く──

「あっ、ぁあっ、ああぁあぁぁっ────! あ、ぁあ……ぁ、あぁん……んぁっ」

 頭の中が、真っ白になった。下腹部の奥を中心に身体中を経験したことのない快楽が蹂躙していく。気持ち良い何かが爆発して、ただただそれに耐えるしかない。強すぎる。おかしくなってしまう。
 びくびくと痙攣する身体はなかなか落ち着かず、その間、璃奈は何も考えられない頭で快楽を受け入れるしかなかった。

「はぁっ……はぁっ……」

 ようやく呼吸が落ち着いて、しかしいつまで経っても身体の熱は引かない。男だったら急激に冷めているところだろうに。むしろもう一度触っても、再び達することができる予感があって。

「も、もうダメだって……本当にっ」

 流石に煩悩を振り払った。これ以上は本当にダメだ。時間だってかなり経過してしまっている。あまりに長いと母親に何を言われるか、想像しただけでも恐ろしい。

「でも……身体を返す前に、もう一回ぐらい……」

 思わず口に出た言葉に赤面する。そうではない。もう二度とするべきではない。だって璃奈は本来、孝一で男だ。今こそ璃奈になってしまっていても、必ず男に戻る。だから、あんな女の子のように喘ぐなんて真似、やってはいけないのだ。
 もう醜態は晒さない。璃奈は固く誓うと、今度こそ身を清め始めた。

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