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投稿TS小説第141番 Blood Line (15)(21禁)

 鏡の向こうに、紅い瞳の女性が映っている。幾分、いつもより顔色が白く、呼吸も速いように見えた。記憶にあるその女性とは髪型が違っていて、長かった髪は肩口までしかない。前髪も同じくらいあった筈なのに今は眉毛の上で切りそろえられていた。それが若干年齢を低く見せているようだった。
 つっと、鏡に映った首筋に指を滑らせる。声帯を取り除かれた時出来た傷は、よく見ないと縫合の痕が解らない程だった。
(今日、だ。今日しかないんだ。もう、こんなとこから出て行くんだ)
 璃紗の顔を見つめながら、幹彦は自分に言い聞かせていた。
 既に移植手術からは半年以上が経っている。その間、ほぼ毎日陵辱されている。もう、精神的にも限界に来ていた。 気が狂う、と言うより、既に狂っているんじゃないかとさえ思ってしまう。夢であって欲しいと何度思った事か。
 しかし、毎回の陵辱がそれを許さなかった。鹿島は何かにつけ、男の幹彦の事を嬲るのだ。男の時の幹彦の事を思い起こさせ、けして夢の世界の出来事にさせてくれない。殻に閉じこもろうとしても、引きずり出されてしまう。そして、必ず璃紗を引き合いに出すのだ。
 もうたくさんだった。これ以上、自分の精神を、そして璃紗の肉体を陵辱されたくなかった。
 そして今日、幹彦はチャンスが巡ってきたと思った。
 最もやっかいだろうと幹彦が思っている高野が不在なのだ。回りにいる人間が少ない程、成功の確率は高くなると思っていた。果たして本当にそうなのかは疑問だけれど。
(璃紗さん、一緒に出ていこうね。絶対、絶対!)
 白い肌に瞳と唇だけが紅く映えていた。

 重そうな扉が開かれる。いざという時には扉は隔壁にさえなりそうなものに付け替えられている。幹彦の能力抑止の為だろう。そこから巨体が顔を覗かせた。
「よう、0087号。今日もたっぷりイかせてやるよ」
 不揃いな歯を見せ、下卑た笑みを浮かべた鹿島が手招きする。ベッドに腰掛けていた幹彦は振り向きながら立ち上がっていた。
 どんなに時間が経ったとは言え、幹彦はいつもこの時間、この瞬間が来ると身震いしていた。犯される恐怖に。そして性の悦びをインプットされてしまった身体は、鹿島を見ると条件反射的に濡れてしまうように変わり始めていた。言葉を換えれば、鹿島を見ればいつでも最大値近くで能力が発揮出来る、とも言えるのだけれど。

『ま、まだ、じかんにハ、ハやいです』
 多少違和感のあるイントネーションと発音の声が鹿島の耳に聞こえていた。
「早くてもいいだろうが。それだけ楽しめんだろ。なぁ」
(! くぅっ)
 大きな手で幹彦の細い顎を掴み強引に上を向かせる。と、大きな顔がぐっと近づいてきた。
(いやだぁ! キスはいやだ)
 女性の肉体を蹂躙される嫌悪感は勿論ある。身体が熱くなって何も考えられなくなってしまう自分がいるのも知っている。しかし、どこかでこの身体が自分のものではない、自分の肉体は犯されていないとの思いもあった。だから今まで保っていたとも言える。
 けれど、キスは違った。男にキスされる、そのおぞましさは「慣れ」もしなければ「諦め」の心境にもなれなかった。他人の、しかも男の舌が入ってくる事が、幹彦自身の精神を汚していく、そんな気になってしまう。
(気持ち悪いっ。放せ放せっはなせぇ~!)
 口内を這い回るタバコ臭い舌を必死で押し戻そうとする。その動きは鹿島の舌に反応しているかのようだった。鹿島の分厚い胸板を細い腕で叩き、身体を引き剥がそうと腰を引く。そんな幹彦の抵抗が楽しいのか、鹿島は幹彦のするがままにしながらも、口内を犯していく。
『やめて、いやです』
 鹿島の鼓膜に直接懇願する。今、幹彦は大きな抵抗をしたくなかった。なるべく鹿島の警戒心を小さくして、できれば隙を作って、計画を成功させたいのだ。
「ちっ、全くその声だけは慣れねぇなぁ。興が削がれるわ」
 吸い付いていた口を放し、吐き捨てるように言うと自分の股間を幹彦の下腹部に押しつけた。
(あ?!)
「直ぐに溜まっちまうからなぁ。早いとこヌイて貰わねーと溢れちまう」
 品性を疑いたい物言いに、幹彦はぞっとしながらも下腹部が熱くなってくるのを感じていた。

 いつもの部屋に連れてこられる最中、幹彦はふと考えていた。
(いつも僕が来る時には誰にも会ったことがないけど。もしかして僕だけが、璃紗さんだけがこんな事されてるんだろうか)

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