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リレーTS小説第140番 鶉谷くん、インデンジャー (18禁) その3

鶉谷くん、IN DANGER! 最初 その2 その3  その4

(18) 担当:あむぁい

先輩のマンションは甘井先生に場所が割れている。
だから移動する必要がある。
でも、あずみちゃんを連れてはそうそう動けない。
僕が有栖川先輩のところにたどり着いた事で移動の条件が揃った。
必要な荷物とあずみちゃんを連れてバンに乗り込む。
逃避行だ。
先生の手の届かないところへ。
でも、逃げてどうなる?
甘井先生を放って置いていいの?
新たな犠牲者が出るだけじゃないのか?
僕の疑問に先輩は押し黙る。
ひょっとして僕は先輩を追い詰めてるのか?
先輩だって、先生を裏切った事で動揺してるように見えた。

「甘井先生と直談判する。そして、男に戻してもらう」
有栖川先輩がそう言ったのは、新たに確保したウイークリーマンションに落ち着いて、あずみちゃんを寝かしつけてからだった。
ずいぶん、彼女も良くなってきた。このまま根気よく面倒を見れば元に戻せるかもしれない。
あのクスリさえ無ければ。エルや先生に接触しなければ。
だから、僕は彼女を守らなければならない。
ネットの一部ではアイドル安東あずみの失踪が噂されていた。ほんとにアイドルだったんだ。目立つ彼女を隠すには僕がカバーするしかない。
「でも、そんな事できるの?できるんだったら、とっくになんとかなってたはずじゃないの」
僕の言葉に先輩は顔を曇らす。そう、僕らには決め手が無い。
マスコミや警察に告発することも考えた。そうすれば、少なくともこれ以上の被害者は出なくなるかもしれない。
でも、そうなったらあずみちゃんはどうなる?
アイドルのあずみちゃんが実は元男だなんてばれたらマスコミのかっこうの餌食だ。
一体どうすれば……


―――――――――――――――――――――――――




「ああ、むざむざ奴隷の子を逃がしてしまうなんてなんと言う失態……嘆かわしい。万が一にもテレイシアスの遺産のヒミツが漏れるような事があれば取り返しがつかないのだよ。
せっかく可愛い女の子にしてあげたと言うのに可愛げの無い」
「何言ってるんですか。ご主人様があそこで転んだりしなければ……」
「そこはご主人様も気にしているところだよ。ありすは兎も角、まぁさぁか、鶉谷くんにあんな瞬発力があるとは。それはそうとご主人様を責めるなんて悪い口だね。代わりにこっちの口にお仕置きだよ」
「ふぁああっ。ご主人さまぁ」
「そう。それでいい。キミ達が女の子でぼくの奴隷である以上。そう簡単に逃げることなんてできないのだから。さあ、たっぷりと可愛がってあげるよ、エル」
…………





―――――――――――――――――――――――――
ドンドンドンっ。
ドアを叩く音。
なんで?僕らは顔を見合わせる。
偽名を使って借りたウィークリーマンションに一体誰が?
「あ、開けて。お願い、開けて……」


(19) 担当:b"l"ack

有栖川先輩が恐る恐る覗くと、一瞬の躊躇が顔に表れた。

「先輩? いったい……」

僕は不安一杯の表情だったんだろう、有栖川先輩が努めて笑顔を寄越した。

「エル姉さま……」

「ええっ? どうしてここがっ?」

「解らないけど……仕方ないわね」

それだけ言うと僕の制止も聞かず、有栖川先輩はロックを外しドアを開けた。

「……ありがと、ありすちゃん」

二度と会うのもイヤだと思ったエルがそこに顔を出した。しかし、以前の凛とした美しさはなく、ウェーブのかかった髪はブラッシングしていないのか絡みぼさぼさ。有栖川先輩と対をなすような白のスーツは少し汚れ、顔には痣が……。疲れきった表情を見せるエルは、僕をみとめると何も言わずずかずかと室内に入ってソファーに腰を下ろしていた。

「はぁ、疲れた。ありすちゃんたら、色んなところをうろうろするから捕捉するのに時間かかっちゃったわ」

「……エル姉さま、どうやって?」

様々な疑問が僕の脳裏に浮かんできた。それは有栖川先輩も同じだったんだろう。でれっと座るエルの前に腕組みをし、眉間に皺を寄せて言葉を投げかけた。

「わたしには超能力があって、ってそんなに睨まないでよ、冗談でしょ。ありすちゃんは知らないと思うけど、ご主人さま、じゃないわ甘井は行動心理学も学んでて、奴隷各々の動きを大体掴んでるの。嫌らしいわよね」

ハンドバッグからタバコを取り出し、火を点ける仕草をしながらエルがとんでもないことを言い出した。それで僕たちの居場所が解ったってこと? そんな馬鹿な。

「そのぐらいはやりそうだけど……でも、なんでエル姉さまがここに? それにその痣は?」

ベッドで安らかな寝息をたてるあずみちゃんの横に腰掛けた。あずみちゃんを守る、そんな感じで。そして有栖川先輩が尚も追求した。このタイミングでエルが現れること事態が怪しいのは、ここにいるエル以外の誰もが考えるところだった。

エルはソファから身を乗り出し、唐突にしゃべりだした。

「聞いてよ、ありすちゃん。酷いのよ。わたし、洗脳されてたの。今までずっといけないことだって解ってたのに、甘井の声を聞くと従わざるを得なかったの。わたし、がんばったのよ、反抗しようって。がんばって、それでもうこんな人を陥れる事はイヤです、彼女達はそっとしておきましょうって言ったの。そしたら、殴られて、今までずっと監禁されて、い、色んな屈辱的なことっ……」

「……あ、あの……」

碧眼から涙が溢れ出し泣き崩れるエルに、僕は思わず声をかけようとした。それを有栖川先輩が目配せをして制した。

「それを信じろっていうの? エル姉さま。仮にそうだったとしても、逃げられたのが不思議でならないわ」

有栖川先輩の言う通りだった。僕は仏心から間違いを犯すところだった。あの「エル」が洗脳されてたなんて思えない。それにその洗脳が解けたなんて。甘井先生に忠実な奴隷のエルが、裏切るとは思えなかった。

「し、信じて、もらえなくても、ほんとだもの。わたしだって、辛かったのよ……。ありすちゃんとは、比べものにならない、位、『オンナ』でいる、時間が長かった、わたしの苦悩なんて、解らないでしょ」

エルの声だけが室内で響く。その声を聞きながら僕は考えを巡らせていた。有栖川先輩によれば、エルは一番初めに奴隷にされたらしかった。どういった経緯で女にされたのかは知らないけれど、確かに苦悩は多かったろうなと思ってしまった。

「……う、う~ん……ここ、は? 有栖川先輩? アタシ……エ、エルお姉ちゃん?! ア、ア、アタシっ」

エルに対する恐怖と愉悦が蘇ったのか、あずみちゃんは有栖川先輩にしがみつきながらがたがたと震えだした。その姿はもしかしたら僕だったのかも知れないと思うと、自然とあずみちゃんの側へ移動していた。

「あずみちゃん、ごめんね。わたしが悪かったの。甘井に洗脳されちゃって、わたしも辛かったのよ。赦して」

「そんなの信用できるわけないじゃないか。巧いこと言って、僕たちを捕まえようっていうんでしょ」

二人のすすり泣く声に逆らって敢えて僕は言ってやった。有栖川先輩だって同感の筈。

「そ、そりゃ信じてって言っても無理があるかも知れないけど、ほんとなのよ? わたしだってこれから甘井の魔の手から逃れなくちゃーー」

「絶対嘘だわっ。アタシが知ってるエルお姉ちゃんが、そんなに簡単に裏切り行為をするなんてあり得ないもん!」

有栖川先輩の陰に隠れながら、あずみちゃんは震える声で反論していた。この中で一番エルの被害を受けていたのはあずみちゃんなんだ。エルを今後どうするか、あずみちゃんに決めて貰ってもいいのかも。

「なっ?! わ、わたしが謝ってるのに。……もう、いいわよっ。折角元に戻る秘密も教えてあげようと思ってたのにっ!」

タバコを灰皿が割れそうな程強く叩き付け火を消したエルは、逆切れした興奮そのままでソファから腰を上げた。早足で扉まで行きノブに手を掛けた。その瞬間。

「ちょ、ちょっと待って、エル姉さま。それって口紅……?」

あずみちゃんがくっついた有栖川先輩が立ち上がった。

「……そうよ。でも、わたしはあなたたちにとって必要ないそうだから、自分でなんとかして頂戴。わたしはわたしでするから」

「お願いだから短気にならないで。一人ではできないでしょう?」

僕たちに背中を向けるエルの元に、有栖川先輩がゆっくり近づいていく。ああ、この二人ってやっぱりどことなく似てる。黒と白、まるで一対のように。でも、性格は正反対の色みたいだけど。

「今まで一人でやってきたんだから何とかなるわ。でも、もし、あなたたちがわたしと一緒に逃げたいなら、協力してあげなくもないけど」

エルはプライドが高すぎる。さっきまで泣いて謝っていたのはなんだったんだろう。そして有栖川先輩もあずみちゃんもなんで何も言わないんだ?

「少なくともワタシは二人を元に戻したい。これまでの罪を償うことができるなら、毒でも飲みましょう」

「何よ……わたしが毒だって言いたいの?」

エルは振り返り、むっとした表情で有栖川先輩を睨みつけた。

「いいえ、エル姉さま。ワタシは利用できるものはすべて利用したいだけですわ」

その視線を巧みにかわし、有栖川先輩はいきなり本音をぶつけていた。あずみちゃんも僕も固唾を飲んで見守るしかできない。妙な緊張感が二人の間に漂っていた。

「いいわ。協力してあげる。と、その前にシャワー使わせて頂戴。ほら見て、いやになるくらい汚れちゃってる」

服をその場で脱ぎ捨てて、さっさと浴室へと行ってしまった。こんなに簡単に決めていいのだろうか。

「有栖川先輩。エルは本当に洗脳されてるって思ったんですか?」

「アタシも。エルおね、エルは怪しいと思います」

おずおずと切り出した僕に、あずみちゃんがフォローを入れてくれた。まだ完全に抜けきっていないんだろう、少し顔色が悪い。

「正直に言うと、多分、嘘だと思うの。危険な賭だと思う。けど、敢えて火中の栗を拾いに行かないといけない事だってあるでしょう。戻るか戻らないか、それは二人に任せるけど、少なくともその手段と方法は手に入れておかないと、ね」

そんな風に言われてしまったら、反対する理由は僕には無かった。多分あずみちゃんにもないんだろう、何も言わなかった。



シャワーから出てきたエルは、バスタオル一枚を身体に巻き付けただけだった。不覚にも僕はどこに視線をやっていいか解らず、慌ててしまっていた。

エルの話では、女にする口紅と元に戻す口紅があるらしい。有栖川先輩も口紅で女になる事は知っていたようだったけど、元に戻すものがあるとは知らなかったようで、エルに成分についてしつこく聞いていたけれど、「わたしが知る訳ないじゃない」としか言わなかった。

結局エルが知っていたのは、口紅がもう一種類あること、甘井先生の邸宅に保管されていること、その保管庫をあけるパスワードだった。 (20) 担当:ありす

「んふうぅぅん……」

突然の甘ったるいような声。僕はそれがなんなのか、すぐに判らなかったけど、有栖川先輩はすばやく反応していた。

「あずみちゃん! 大丈夫?」

見るとあずみちゃんが、熱っぽい顔でうずくまっている。これは、薬の禁断症状?!

「せっかく落ち着いていたと思っていたのに。大丈夫? あずみ!」
「ううぅ、あ、りす、おねーちゃん……」

先輩はいつもそうしているように、あずみちゃんのほっぺたを軽くたたいて正気を取り戻させようとしたけど、気だるそうな表情には変化がなかった。先輩はあずみちゃんを抱き上げて、ベッドに寝かせた。あずみちゃんのただならない様子には、エルも気がついたようだった。

「あらぁ、あずみちゃん。まだ薬の影響が残ってるのぉ?」
「エル姉さま! 誰のせいであずみがこんなになってしまったと思っているの?」
「え? ありすちゃんが作った薬のせいでしょ?」

先輩は厳しい目つきでエルを睨んだ。確かにそのとおりだけど、先輩に黙ってあずみちゃんに薬を飲ませたのは、エルじゃないか!

「ふぅっ、はぁ、はぁん?」
「しっかりして、あずみ。我慢できそう?」

あずみちゃんは熱っぽく頬を赤く染めて、とろけるような目つきで辛そうに先輩を見つめたけど、首を振って半身を起こし、先輩にぎゅっと抱きついた。
先輩は困ったような表情で、壊れ物を扱うようにあずみちゃんにそっと腕を回して抱きしめた。あずみちゃんが何かを待ちきれないように体を擦り付けていたけれど、先輩は身動き一つしなかった。

「んんんぅ…、おねがい、おねぇちゃぁん……」

暫く先輩に抱きついて身を捩っていたあずみちゃんだったが、やがて我慢できなくなったのか、駄々をこねる子供のように泣きべそをかいたような声で、先輩に何かをして欲しがった。でも何度あずみちゃんが同じようにねだっても、先輩は困ったようにあずみちゃんの頭を撫でるだけで、僕にはそれがあずみちゃんのして欲しがっていることのようには思えなかった。
僕はどうすれば? いつもは発作が起きたとき、先輩が寝室へあずみちゃんを運んで、一人で介抱してくれていたけど。

「先輩! 僕どうすればいいですか?」
「どうって、どうしよう……?」

先輩は何かを迷っているようだった。いつもだったら、すぐにあずみちゃんを介抱してくれているのに、どうしたんだろう?

「何でも言って下さい。僕だって、何か手伝えますよ」
「手伝うって……」
「はぁんっ! あ、ありす、おねぇちゃん……」
「しっかりして! あずみ。我慢して頂戴」
「はぁ、あ、あたしぃ、だめぇっ! おねえちゃん! おねえちゃん!」

あずみちゃんは辛そうに顔をゆがめ、先輩にしがみつくようにして体を擦り付けていた。ついさっきまで普通にしていたのに、いつもの発作よりも辛そうだった。あずみちゃんは大丈夫なんだろうか? 

「仕方ないわ。……鶉谷君、ちょっとだけあずみをお願い。強く抱きしめてあげているだけでいいから」
「は、はぃ!」

僕は一瞬迷ったけど、先輩の言うとおりにした。あずみちゃんは名残惜しそうに先輩に引き剥がされたけど、僕が戸惑いつつも肩に軽く手を回すと、逆にもっと強い力でしがみつかれた。

「うずらちゃん、ごめんね……」

あずみちゃんは小さな声でそう言った。熱っぽい潤んだ瞳でそう言われ、僕よりも小さな女の子に抱きつかれると、なんとなく戸惑ってしまう。確かに今は、僕の体もあずみちゃんと同じ女の子ではあるのだけど、意識は男のままだと自分では思っているから、腕の中の小さなアイドル美少女に抱きつかれると、はっきり言ってドキドキしてしまう。それに切なげな甘い声でうめきながら体を摺り寄せてくるのだから、いっそう変な気持ちになってくる。これ以上変な気持ちにならないようにと、僕はポケットから例の飴を出して口に含んだ。あずみちゃんにも舐めさせてあげようと、口に入れようとしたところで、先輩に制止された。

「鶉谷くん。今はその飴はあずみにはあげないで。今あずみに必要なのは、薬に頼らないことなの」
「は、はい……」

先輩はいつの間にか、鎖のついた革の手枷を手にしていた。あずみちゃんを拘束するのだろうか? と思ったけど、先輩はすばやい動きでバスタオル一枚で髪の手入れをしていたエルの手をとり、後ろ手に手枷をはめてしまった。

「な、何するのよ! ありすちゃん!」
「あずみがああなってしまったのは、お姉さまにも責任のあることです。しばらくそのままおとなしくしていてください。鶉谷くん!」
「は、はい!」

先輩は手枷の鎖を確かめると、僕たちのそばに来て服を脱ぎ始めた。黒いミニワンピの下は、やはり黒い下着だった。

「せ、先輩! 何を!」
「鶉谷君。これは、あずみの治療なの。薬を使わずに、あずみの発作を抑えてあげるにはこれしかないのよ。だから……」

視線を伏せていた先輩が、僕の目を見つめた。

「だから、私を軽蔑しないで。あずみをいやらしい目で、見ないであげて……」

先輩は曇った表情でそういうと、あずみちゃんを抱き寄せた。
あずみちゃんは、下着姿の先輩にむしゃぶりつくようにして抱きついた。その勢いで、先輩はベッドに押し倒された。先輩もあずみちゃんの背中に手を回して、シンプルなデザインのワンピースを脱がせると、あずみちゃんはもどかしそうに足を先輩の体に絡ませて、下腹部を先輩の腰に押し付けて動かし始めた。先輩の豊かな胸に擦り付けるように頭を埋めているせいか、くぐもったあえぎ声が間断なくこぼれてくる。突然始まった倒錯的な性劇に、僕は身動き一つできなかった。
だけどエルの一言が、固まっていた僕を激昂させた。

「うふふ。お笑いだわ。『治療する』って結局そういうこと? ありすちゃん、本当はあずみを取り戻したかっただけじゃないの? 自分のお気に入りの”ペット”として」
「黙れっ! その格好のまま、外に放り出してやろうか?」

僕はエルに怒鳴りつけていた。あずみちゃんをこんなにしたのはエルだ! それに僕は、有栖川先輩を信じるって決めたんだ。だから、これはあずみちゃんのためでもあるんだ。そう思うことに決めた。

僕の声に、先輩は驚いたように身を起こしてこちらを見た。そして目を閉じて頭を振った。僕はそばにあったタオルでエルに目隠しをして、ついでに口にもハンカチを詰め込んでやった。そして二人の痴態を見ないように背を向けてしゃがんだ。

初めのうちは、あずみちゃんのささやくような嬌声が、聞こえても我慢できた。だけど次第に部屋も熱気を帯び始め、湿っぽくて甘い二人の体臭が香ってくると、口に含んでいるレモンの飴の効き目も弱くなってきていた。

「はっ、 うんっ、 オネエサマ……、んふぅっ、 ひやぁっ! も、モット、 ダメっ! イヤ……、モット強く。 そこぉっ! ふあぁんっ!」

シーツの上を滑らかに擦る様な、”しゅるっ、しゅるっ”という音に混じって、こらえきれないような嗚咽や嬌声に、僕も次第に興奮を抑えきれなくなってきていた。
エルも興奮しているのか身をくねらせ、時折足を摺り寄せるようにしていた。
そして、”くちゅくちゅ”という、あきらかな水音が混じり始める頃には、ミルクの様な甘い香りと、熟れ切った柑橘類の2種類の微妙な違いを嗅ぎ分けられるほどに、僕の感覚も鋭くなってきていた。甘い香りはあずみちゃんの体臭で、柑橘系の香りは有栖川先輩のつけているコロンの匂いだろうか? 背後で繰り広げられているであろう、成熟した大人の女性と、幼さが残る少女の倒錯的な睦み事が、自然と脳裏にイメージされる。僕の中にまだ強く残る男の性欲が、振り返りたい衝動を何度も掻き立て、疼き始めた体を慰めるように、下着の中に自然に手が伸びていた。そして偶然にも、鏡台の鏡が先輩とあずみちゃんの痴態を部分的に映してしているのに気がついたときには、もう股間を弄る手の動きが止められなくなっていた。
あずみちゃんの悶える声、先輩の艶を帯びた息継ぎの音、肌と肌とシーツと肉体が奏でる狂騒曲が、背中の後ろで繰り広げられている行為を鮮やかに想像させる。艶雛のさえずりにあわせて僕も喘ぎ、瑞々しい果実を咀嚼するような水音にあわせて、僕の手も動いていた。
先輩の匂いが強く香ると、僕の指は激しく淫裂をまさぐり、あずみちゃんの香りを強く感じれば、胸の膨らみからこみ上げる切なさに、焦がれていた。
肌を擦りあう音と漂ってくる匂いを頼りに背後の光景を想像しながら、僕は犯され、犯していた。

 *******************************************

「鶉谷くん、しっかりしなさい!」
「はぁ、はぁっ……?」

誰かがぼくの顔を覗き込んでる。有栖川先輩だ……。やめてよ、ほっぺたを叩かないでよ。痛いじゃないか。それより手を離してよ。ぼく、まだイけてないんだ、邪魔しないでよ……。

「鶉谷くん!」
「せんぱい、ずるいよ。あずみちゃんばっかり……」
「鶉谷くん……。わかったわ。一緒に、シャワーを浴びましょうか?」

ぼくは先輩に手を引かれて、シャワールームへと入っていた。着乱れた服はいつの間にか脱がされていた。
冷たい水をかけられ、僕はようやく正気を取り戻していた。

「せ、先輩! ぼ、僕……」
「しっかりして、鶉谷くん。でも、ごめんね。もっとあなたのことも、気遣うべきだった」

そういって先輩は詫びたけど、僕は恥ずかしさでいっぱいだった。二人の痴態にオナニーを始めてしまったことも、先輩に裸を見られていることも。
裸……、先輩も裸だ。思えば先輩の体を、こんなに間近で見るのは初めてだ。頭は冷えたけど、熾った体はまだ冷めていない。そのことが、自分でも信じられないような言葉を口にしていた。

「悪いと思っているのなら、僕にもしてください」
「鶉谷……くん?」

シャワーの音に嬌声を隠してもらいながら、僕は先輩に身をゆだねた。

 *******************************************

僕と先輩が身支度を整えたところで、先輩はエルの拘束を解いた。

「ぷはぁっ……。酷いわ、ありすちゃん! 私だけ生殺しだなんて。私にもシテくれないの?」
「お姉さま、ワタシが男に戻れたら、一日中でも犯し続けてあげますわ。さぁ、着替えて案内してください」
「そんなに急がなくてもいいじゃない。一戦こなしてからってのはどう?」
「バイブでも突っ込んで差し上げましょうか? お姉さま」
「わかったわよぉ……」

やる気のなさそうなエルを促しながら、先輩は外出の準備を終えると、僕に言った。

「鶉谷くん。あずみをお願い。暫くはその……、発作も起きないと思うから」

ベッドですやすやと眠っているあずみちゃんを、ちらと伺いながら僕は言った。

「先輩、僕も行きます。先輩一人だなんて、危険すぎます」
「ワタシなら大丈夫。でも、もし私が戻ってこなかったら、この鍵を使ってあの引き出しを開けなさい。中に信用金庫の鍵が入っているわ。お金もね。それを使ってどこへでもいいから、逃げなさい。そして、二度とこの事件にかかわらないように」
「そんな、先輩……」
「戻ってこなかったら、の話よ。必ず戻ってくるから、留守番していてね」

先輩は僕の不安を払拭するように明るい表情で微笑んで、ふてくされた表情でぶつぶつと不平を鳴らしているエルの手を引いて、出かけていった。

<つづきはこちら>

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  • 男の子が女の子に変身してひどい目にあっちゃうような小説を作ってます。イラストはパートナーの巴ちゃん画のオレの変身前後の姿。リンクフリーです。本ブログに掲載されている文章・画像のうち著作物であるものに関しては、無断転載禁止です。わたし自身が著作者または著作権者である部分については、4000文字あたり10000円で掲載を許可しますが、著作者表記などはきちんと行ってください。もちろん、法的に正しい引用や私的複製に関しては無許可かつ無料でOKです。適当におだてれば無料掲載も可能です。
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