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【投稿小説】とある温泉宿で起きたこと 後編 

作 ととやす
挿絵 海渡ひょう  https://skima.jp/profile?id=92480

前編はこちら

11
〜〜〜
頭が痛い。本来ならあり得ない『真咲』の記憶を無理矢理ねじ込まれているからだろうか。
(俺は男で!海斗とは親友の、はず、なのに)
その一方で『真咲』は海斗とは恋人で、既に何度も何度も身体を重ねている。その事実が実感として思い起こされるのだ。
そんな俺の思いなどお構いなしに、背後から俺を、というより俺の胸を抱きしめる格好の海斗。存在感たっぷりのバストは、腕が動かされる度にぷるんぷるん震える。
「あっ、や、やめろ・・・」
一度収まった火照りが再び押し寄せる。
「真咲って、本当におっぱい大きいよな~」
「っ!」
顔が真っ赤になるのがわかった。気を抜くとすぐに乙女そのものな反応をしてしまうのが情けない。身体が女だからなのか、感情の起伏がとても激しくてうまくコントロールできないのだろうか。
「あっ、ちょっ・・・やんっ!」
海斗はその大きな両手を俺の胸と股間に滑り込ませ、ゆっくりと指を動かす。
もう、頭の中はパニックだ。
(俺ッ!親友のはずの海斗に女の子の大事な部分弄られてっ!)
事態を直視できず、身体が強張る。
「こんなにデッカくて柔らかいのに、形も綺麗だしな〜最高♪」
「あ、あぅ・・・」
照れたらいいのか、怒ったらいいのか。
海斗が俺の身体に顔を寄せて、クンクンと鼻で嗅ぎ回る。ややあって愉快そうな声で、
「真咲のエッチな匂い・・・いい匂いだぁ。ゾクゾクするぜ」
「あ、やぁっ!」
さっきまで自分で慰めていた『あたし』、否。俺の体臭を嗅がれている・・・。また耳まで赤くなった。股間の敏感な部分を指でくすぐられる。
「ひゃあっ!」
「本当に感じやすいな。もう、ぬるぬるだぜ?」
見せつけるようにぬめった液を滴らせた太い指を鼻先に突き付けられる。そこからふわりとまるでチーズのような香りが鼻をついた。これって、まさか・・・あたしの!?
思わず絶句する。
この状況がどれだけヤバイかわかっていても、脚も痺れて動けない。
そんな俺を余所に、海斗はしゃがみこんで俺の股間に顔を近づけて行く。
「ああ・・・いい匂いだ。真咲のアソコの匂い、ホントに興奮する」
「やあっ! あっ、だ、ダメ・・・ダメェ! か、嗅ぐなぁ〜!」
「そう? その割にはここ、ほぅら」
海斗が股間を指でつぅっと撫でた。
「ひうっ!」
全身にびりびりっとした刺激が走る。
「こんなにトロトロにして?」
「やだぁ・・・だめぇ・・・」
「そんなこと言って。腰動かしてるじゃん!」
「だって・・・」
そう。そうなのだ。いつの間にか海斗の指から与えられる刺激に合わせて腰を振り、より気持ちイイところを探してしまっていたのだ。
(だって・・・だって、海斗にアソコ触ってもらうの、何だかすっごく、気持ちがいいんだもん・・・ッ!)
だから。
「もっと、もっとしてぇ・・・ッ!」
女の子が『彼氏』にそうおねだりするのはきっと変なことじゃないんだ、よね?

12
海斗の顔が俺のあそこに近づき、そして。
「んっ・・・!」
舌が中に、入って・・・くる! なんて、きも、ち・・・いい・・・よすぎる。
脚ががくがくしちゃって、俺は思わず海斗の頭を押さえて、それでやっと立ってられた。
中だけじゃなくて、アソコの内側をつぅっとなぞるように舐められたり、クリトリス?の周りを焦らすように舐め回されり、舌全体で膨らんだ股間を舐められたり、リズムを変えてつつかれたり・・・。
(ヤバい・・・気持ちいいよぉ)
自分でも、濡れてるのがわかってしまった。
「や、いやぁっ、は、恥ずかしいっ!」
「可愛いよ、真咲♡」
俺の知る海斗からは聞いたことのない甘い声に胸がキュンキュンと疼く。真咲にとっては毎日聞く言葉なのだろうが、正樹である俺にとって、これは・・・。
「ふぁぁっ!」
ゾクゾクっときた。これでついに俺の腰が砕けてしまった。耳元で囁かれただけでこんなになっちゃうなんて、変じゃないだろうか。ぺたっと床にへたり込むと、目の前には真剣な表情の海斗の顔。普段俺を見るニヤけた馬鹿面とは違う。愛おしい・・・守るべきものを見る優しい目をしていた。それに見惚れていると顔がほんの僅か離れ、傾いて、そして唇が近づいてくる。
・・・あ、だめ。 次にされることは、分かっていた。
「んっ・・・」
柔らかい唇同士が触れ合い、舌を絡めてくる。おずおずと差し出した俺の舌を、海斗が舐め、吸い上げる。気持ちいい・・・。俺は手を海斗の分厚い肩の後にまわして、身体をくっつける。柔らかい胸と硬い胸がくっついて、俺の胸が押し潰れる。
(温かい・・・柔らかい・・・)
気づけば俺は夢中になって海斗の舌を吸っていた。たっぷりと時間をかけてキスをして、俺は夢の中にいるようなフワフワとした気持ちだった。
「このままだと冷えるから」
と湯船に二人で浸かる。促されるまま海斗に背を向け、湯船の縁を掴んで四つん這いに近い体勢になる。
クパァ・・・
太く逞しい指で女陰が押し広げられる。恥ずかしい。やがて俺は本番の気配を感じ始めた。海斗は男性自身を俺の股の孔へ当てがう。それは愛しい恋人との時間を紡ぐため、固く太く屹立していて。男の頃の俺には向けられることのなかった情欲が、剥き出しのまま女の俺にぶつけられる。
「あ、ああっ・・・いやぁ・・・」
「悦んでるくせに・・・」
「い、言わない、でぇ・・・」
ゆっくりと、ゆっくりと海斗の逸物が俺の女陰を押し広げ、侵入を始める。
ニュルン!
驚くほど滑らかに俺の孔はそれを受け入れて包み込む。この身体は何度もそうやって海斗を迎え入れているのだと感じざるを得なかった。アソコに広がるくすぐったい感覚が、徐々に痺れるような、そして蕩けるような気持ち良さへと変わってゆく。 全身を貫かれ、他の誰かのモノにされてしまっているような、初めての、不思議な感覚。
脚を広げて、海斗のチ◯ポが挿る角度を変える。くんっ!と一息に奥まで入り込んだ海斗のアレが、俺にとっての気持ちいいスポットを捉えた。
「あぁぁぁぁぁ〜〜〜ん♡」
身体をのぞけって、俺は情けない声をあげてしまう。快楽に打ち震える女そのものの。
「まだ挿れただけなのに、今日は随分と感じてるじゃんか」
愉快そうに笑う海斗に、俺は心からの本当を告げる。
「きょ、今日はいつもより・・・気持ちイイ、のかも・・・?」

ひょうモザイク2


13
パン!パン!パン!パン!
狭い部屋付きの露天風呂に、肉と肉がぶつかる音が響く。それに合わせて、
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あんっ♡」
だらし無く肉欲を貪る女の声が追いかけてくる。一突きされる度にたわわに実った大きな乳房を震わせて、俺たちは恋人同士の時間を過ごす。
「真咲がッ!可愛いこと言うからッ!もう加減なんてしてやらねぇッ!」
「きゃあ♡ あぁん♡ 気持ちイイ♡ 激しいッ♡ もっと、もっとしてカイちゃん♡♡」
本来の真咲が海斗のことをカイちゃんなんて呼んでたかどうかなど知らない。俺・・・あたしは今自身の意志でこいつのことをいつの間にかそう読んでいた。
ニュルニュルと何の抵抗もなく海斗のペニスの出し挿れを許すあたしの女陰は、やはり幾度となく海斗と愛し合った証なんだ。真咲としての記憶では、カイちゃんが初カレなんだから。
(だから・・・あたしのオ◯ンコはカイちゃん専用なんだ♡)
その合間にも指が、舌が、唇が、俺の柔肌を這い回る。撫で回す。舐め回す。
「あはぁぁぁっ・・・」
「真咲、すごく可愛いよ!」
ゾクゾクゾク・・・ッ!
今はどこを触られても、何を言われてもたまらなく、嬉しくて気持ちイイ。全身を温かな幸福が包んでいって。
一層あたしの尻を突くペースが上がっていく。カイちゃんもそろそろ限界が近いのか、息を荒げていっている。
(・・・あぁ、嬉しい。あたしで気持ち良くなってくれてるんだ♡)
堪らなく愛おしくて。おへその下がキュンと疼いた。
「あぁ、ヤバっ! も、もう出そ・・・ッ」
「いいよきてぇ!もっと気持ちヨクしてぇ!?」
勢いつけての深い一挿し。と同時に、腹の中に熱い液が注がれ、あたしは視界がチカチカと瞬くのを感じていた。自分が、女としてイッたのだ。そう理解する間も無く、俺の意識は闇の底へと消えていった。

14
「ん・・・」
朧げながら意識が戻ってきた。どうやらあのまま気を失っていたようで、俺は浴衣を着せられて部屋の布団で寝かされていたようだった。ちらりと目線を壁掛けの時計にやると、もう夜明けも近いようだった。顔だけを起こして海斗の方を見ようと努力するが、身体を起こす力が出ない。だめだ。なんか胸が押し潰されて苦しいけど、顔さえ持ち上げられない。
(っていうか俺、なんであんなことを・・・俺は男で、海斗は親友だったはずなのに!?)
先程までの痴態が夢幻でないことはこの身体に残る熱が伝えてくれていた。つまりそれはさっき俺の言動は紛れもない事実ということで。
(穴があったら入りてぇ!)
寝ぼけ眼にそんなことを考えていると、隣で寝ていたであろう海斗が立ち上がってこっちにやってくる気配がした。
(ああ、ちゃんとこいつも布団に入れていたのか)
俺が安心して、そのまま眠りの世界に沈みこもうとした、その時だった。
「真咲・・・」
えっ・・・えっ?
俺の上に、海斗が覆いかぶさってきた。
「海斗、なにしてるんだよ」
俺は上に乗っかってきた海斗を払いのけようとするが、どっかりとして動かない。さっきまでの疲労と、悲しいことに女の身になって力が弱くなってしまったこととが相まって、俺は身動きできないでいた。
「重いって・・・お、おぃ!」
返事が無い。睡魔が否応なく襲いかかって来るのに、上に乗る海斗がそれを許さない。
「・・・っんんっ、やぁっ!」
俺は声を上げ、目を見開いた。海斗が指で俺の身体をつぅっとなぞっている。
「ひゃあっ! な、なにっ! どうして、こらっ!ひゃんっ!」
ビリビリとした痺れが身体を走り、その度に跳ねてしまう。暴れて抜け出そうとするけれど、どうしても身体が言うことを聞いてくれない。海斗は止めどなく俺の身体のあちこちに触れていく。
「海斗ぉ、やめっ、んやあっ! やめろ、やめろって!」
「真咲、やっぱエロいよな。浴衣の上からでもこんなに感じてるなんて・・・」
「ま、真咲だなんて・・・あっ、呼ぶ・・・なぁ、んんっ!」
同じ発音。だけど、男と女とで微妙な言い回しの違いが今の俺にははっきりと感じ取れた。心臓が激しいリズムで早鐘を打つ。頭に血が昇って、顔も真っ赤になって火照っているのだってわかる。
(女の、真咲って呼ばれてると・・・自分が俺なのかあたしなのか分からなくなっちゃうよぉ)
ただでさえ今の俺の中には、男として生きてきた記憶だけじゃなく、女の『真咲』の記憶もあるのだ。
「真咲は真咲じゃん?」
海斗はそんな俺の心情を知ってか知らずか、そのまま背中を指でなぞり続ける。
「だ、ダメだって! こ、こら、やめろって!」
じわじわと身体が熱を帯びてくるのが分かった。いや、正直に言うと、股間がまたじっとりと湿り気を帯び始めているのが分かってしまった。
だんだん頭がぼんやりと霞みがかっていく。次第に海斗の太い指で触れられるのに悦びを感じ始めてきた。先ほどの情事のように。
「はぁ、はあっ、はっ、あっ」
息が荒くなってくる。
「ダ、ダメぇ」
「いーじゃん。彼氏彼女なんだしさー。それに、そう言ってる割には抵抗しないじゃんか」
「だって、力が入らないんだもん・・・」
その言葉は事実でもあり、半分は嘘だった。
(気持ちイイよぉ・・・もっと触って欲しい・・・!)
それが本音だった。これがこの身体の、真咲の望みだった。

15
海斗は抵抗できない俺を仰向けに寝かせ、浴衣(気がつけば女性ものを着させられていたようだった)を前からはだけさせる。形の良い豊満なバストは、覚えのない花柄のレースが施された黒いブラジャーに包まれていた。
海斗は手を大きく広げ、ブラジャー越しに俺の乳を揉み始める。
「いくつだっけ?」
「な、何がだよぉ?」
すると海斗はちょうど乳首の上の生地を指でくるくるとなぞった。
「ひゃぁっんっ!」
思わず身体がのけぞってしまう。ブラの下で乳首がキュッと固くなるのが自分でも分かった。
「おっぱい。何カップだっけ?」
こいつは本当に!!
そんなもの、昨日今日女になった俺が分かるはず・・・。
「・・・じ、Gカップ・・・70の・・・」
(なん、で?)
意に反して口をついて出た言葉に驚愕する。だが、確かに自分のバストと頭の中で検索するとG70というカップがパッと出てきてしまうのだった。真咲としての記憶が、俺にとって当たり前のものになってきているのか!?
「やっぱデッカいなぁ・・・揉み応えあるわ」
「や、やだ・・・い、言わない、でぇ」
中×生くらいまでは周りの女の子と変わらなかったのに。高校生になってから一気に膨らみ始めた記憶が蘇る。女子校の友人にはイジられたし、電車で会う男性たちにいやらしい目で見られたことも。それがトラウマで大学に入ったころはやや男性不信だったのに。今や『あたし』は海斗にそれを弄ばれて羞恥に頬を染める女なんだ。
(カイちゃん、あたしのトップが94だよって言ったらどんな顔するかなぁ)
海斗に触れられる度、心の中でどんどん『あたし』が、真咲の存在が大きくなっていく。あたしは本当は男の正樹なのに、違和感がどんどんなくなっていく。怖い。だけどそれ以上に自分の体が熱くなって・・・。
カイちゃんがあたしの乳首をブラ越しに指でキュッとつまむ。既にビンビンに勃ち上がった乳首は、それだけであたしの全身に快楽を与えてくる。
「んはぁんっ♡」
あたしは顔を横に背ける。すると海斗は慣れた手つきでブラのホックを外し、一気にまくりあげようとする。
「きゃあっ♡」
彼氏に脱がされて悦ぶ女、まさにそう表現する他ない甘えた声。
「嬉しそうじゃん?」
「だって、あたし、あたし、んっ・・・」
カイちゃんが唇を重ねてきた。 舌と、唾が入り込んでくる。身体を重ね、彼の背中に手を回してぎゅっと抱きしめる。
(どうしてだろう。なんか、安心する・・・)
彼の身体がとても大きく感じられる。 女になって一回りは背も縮んだからだろうか。彼の大きな腕に包まれているだけで安心感を覚えてしまう。
(でも、あたしは、俺は、いいの、かな?)
チクリと胸が痛む。本来は男のはずで、彼とは親友だったはずなのに。本当は、彼とこんなことをできるはずはないのに。
そんなドロっとする心と、彼を愛しく思う心があたしの中で蠢いている。
だけど、そんなあたしの心の内なんて置いてけぼりで情事は進んでいく。カイちゃんの舌を恐る恐るに咥内に迎え入れる。途端に全身が弛緩していく。
「ん、ふぁっ・・・」
ダメだ、これは。幸福感が身体を支配し、そのままフワリと浮いてしまうようだった。頭の中はそんな風に浮ついてしまっているのに下半身が熱っぽくなって疼き出す。
(あぁ、これはもう、濡れて・・・)
抑えきれない愛液が染み出しているのがよく分かってしまった。それを自覚するとまた更に彼と身体を重ねたくなってしまう。あたしは、カイちゃんに飢えていた。
(もっと、もっとカイちゃんが欲しい・・・)
長い口付けの中あたしの頭はそのことでいっばいいっぱいだった。

16
カイちゃんの手が、あたしの下半身に伸びてゆく。
「や、やだぁ・・・お願い・・・」
自分でもよく分かった。声が、甘い。甘えた声になってる。 カイちゃんは何も言わずに指でショーツ越しにあたしの股間をそっと撫で上げた。
「あんっ♡」
「気持ちよさそうじゃん?」
「う、うん・・・やばいかも、これ♡」
力は全然入ってくれないし、それなのにこの柔肌はどこを触られても敏感に反応してしまっている。
「んぁぁ、やんっ、あっ、あぁっ!」
嬌声は止まらない。そのうちに慣れた手つきでショーツが剥がれ、いよいよあたしは生まれたままの姿にされてしまった。さっきのお風呂と違い、一旦着ているところから裸になったので全然違う胸の高鳴りがあった。
「すごっ真咲、ビッショビショじゃん」
「は、恥ずかしい・・・」
返す言葉も無い。穿いた覚えのないセクシーな黒いショーツとあたしの股座の間には透明な粘液がへばり付いて糸を引いているのが嫌ってほどよく分かる。
カイちゃんはそのままショーツを放り投げ、あたしの股間に顔を近づけて、スンスンと鼻を鳴らした。
「良い匂い♪」
その言葉にあたしの顔がカッと熱くなる。続け様に、
「相変わらず結構濃いよね、アソコ」
「やだぁ・・・やめて・・・」
カイちゃんからの意地悪にあたしは顔を両手で覆い隠すしかなかった。
(なんでお手入れしてこなかったんだろう)
なんて風に考えてしまうこと自体もうあたしがすっかり女の子になっちゃってるということなんだろう。親友だった海斗に、いいように弄ばれている。
(悔しい・・・だけど)
女体の快楽を感じ、そしてあたしは海斗の見たことのない表情・・・愛しい人を見つめる優しい笑顔に触れることができている。それも、その対象はあたし自身なんだ。これはあたしが俺だった時の望みの結果・・・なのだろうか。

17
「これだけ濡れてるから、もう前戯はいいかな?」
こくりと頷くと、カイちゃんはニッと嬉しそうに微笑みを浮かべた。この段になって気づいたけど、いつの間にか太ももやシーツまでぐつしょりと濡れていた。それだけじゃなく、お尻を伝う液の感触まで。
(確かにこれだけ濡れてたら十分過ぎるくらいだよね)
カイちゃんも裸になり、互いに生まれたままの姿になってギュッと抱き合う。肌と肌が密着して心地よい。だけど、それは長くは続かなくて。気がつくと、あたしは両脚を広げられたまま寝かされていた。
なんとなくカイちゃんの裸と目線を直視することができず、目を背けてしまう。そんな耳元へ
「いくよ」
という優しい声色。心臓が激しく脈を打つ。ドキドキという胸の音が聞こえてしまってるんじゃないかってほどに。
(あぁ、言わないで欲しかったかもなぁ)
真咲の身体は何度も何度も海斗を受け入れているし、あたし自身もお風呂場で既に一度彼に抱かれている。だけどこうして宣言されてコトに及ぶとどうしたって身構えてしまうじゃん!
・・・そういうところ、ホントにカイちゃんだな。
「んっ・・・」
怒張したカイちゃんのあそこがあたしの中に押し入ってくる。力を入れることができず、あたしはなすがままにそれを受け入れる。
「んんっ、あっ、やっ♡」
グッと少し乱暴に奥の方まで押し込まれる。
「ふぅっ、んんっ」
ちょっとだけ頭を起こすと、凄まじい光景が目に映った。
(うわぁ・・・これは女の子しか見られない景色ね)
大きなおっぱいの向こう側。男の頃は決して見たことのなかった、勃起したカイちゃんのチ◯ポがあたしのアソコにゆっくりと入っていく結合部。さっきは後ろからだったからなぁなんて・・・なんとも呑気に思ってしまう。
って、ちょっと待った!
「ちょっと! ひ、避妊はぁ?!」
「え? 車ん中で今日は大丈夫って言ってなかった?」
思わず頭の中で計算する。えっと、今は確かに大丈夫な時期か。僅かな間でそこまで考えが回ってしまうなんて!
「っていうか普通にそういうのは挿れる前に言ってよぉ!」
「ごめんって!次から気をつけるから!」
「もう!」
プクーッと口を膨らませるあたし。しかし、間抜け面のカイちゃんを見てるとなんだか吹き出して笑ってしまう。つられて彼も笑った。風呂場の時と違い、あたしも凄くリラックスしている自覚がある。挿入されたアソコも、痛みや圧迫感なんかより、それ以上の満足感?のようなものがあった。
(あぁ、あたしは本当に親友のこいつとセックスしちゃうんだな)
昨日までだったらタチの悪い冗談にもならなかった関係になってしまって。
(こいつと、カイちゃんと恋人同士か)
きっと大変だろう。それはよくよく知っている。だけど、きっと楽しいはずだ。
何故だろう。彼の柔らかな笑みを見つめながら、その時のあたしはそれだけは確信していた。

ひょうモザイク3

18
カイちゃんが腰を動かし始めた。ゆっくりと、じっくりと。
「あぁん♡いやぁぁん♡」
それは次第に勢いを増して。
「真咲、かわいいよ」
「あんっ、あんっ、あっあっあっ♡」
胸がブルンブルンと震える。それだけで感じてしまう。彼のペニスが動く度に、あたしの孔が擦れて気持ち良くなっていく。彼の固い肌と自分の柔らかい肌が触れ合う。厚い胸板にたわわな乳房が押し潰される。
海斗と真咲
彼とあたし
男と女
あたしは逞しい男性に抱かれ、挿れられ、咽び泣く。あたしの肢体は異性のそれを受け入れて悦びに悶えている。

カイちゃんの動きが徐々に大胆さを増していく。
「あっあっあっやばっ♡ そこ気持ちイイ! もっともっと♡」
頭の中がチカチカと瞬いてあたしは愛しい人の名を呼ぶ。
「あっ、あっ、あっ♡ カイちゃん、カイちゃん! き、気持ちイイよぉ♡ キ、シュゥ、キシュしてぇ♡ ん、んんんっ、あぁっんっ♡」
熱く唇を重ね、あたしはカイちゃんの舌を舐め回す。ディープキスしたまま押し倒され、腰の動きは最高潮を迎えた。
「んんんっ!? んんっ、んっあっはぁっん♡」
声が裏返る。目の前に星が瞬いて、急速にあたしの視界が狭まっていく。気がつけばあたしは彼の背に手を回し、力の限り抱きしめながら叫んでいた。
「あぁ〜ん♡ あっ、やっ、カイちゃっ♡ 気持ちイッ! 出して・・・出して出して出してぇ♡ あたしの膣内に出してぇ〜♡」
「ッ! 真咲ッそろそろ・・・ッ」
ドクンッ!
あたしの中でカイちゃんのチ◯ポが一際大きく膨れたと同時に、あたしの中にドロリとした熱く液が注がれていく。
「あぁぁぁぁ〜〜〜〜んんん!!!」
あたしは手で、足で、全身の力でカイちゃんにすがりつく。そのままあたしの意識はホワイトアウトしていくのだった。
「大好きだよ、真咲」

19
中に出されてからも、あたしと海斗のセックスは終わらなかった。 あたし自身の踏ん切りがついてしまったからか、そこからは文字通り、転げるように女としての快楽に溺れていった。
そこから何時間もかけて、あたしたちは貪るように何度も何度もセックスを楽しんだ。言葉も無く、お互いが限界を迎えるまで、あたしたちは激しく求めあった。でも、止められない。止められるはずもなかった。
女の快感に飲み込まれ、海斗と身体を重ねるごとにあいつに感じていた親友としての感情は全て彼への恋愛感情に置き換わっていった。夜明けを迎える頃には男の正樹としての自分は押し流され、心のほぼ全部が女の真咲としてのそれに置き換えられてしまっていたと、はっきりと分かってしまった。だが、それは自分が望んでしたことだった。
大学で出会い、男同士の友情を深める内に海斗は正樹の中で大きな位置を占めていた。もっと彼を知りたいという気持ち。男のままだったら恐らくそれ以上の進展はなかっただろう。たぶんだけど、恋愛関係にはならなかったはずだ。だけど不思議な湯の効力で女になり、真咲として、彼女として扱われる中で初めて見た海斗の表情。それはあまりに魅力的で・・・端的に言って、あたしは彼を女の子として愛してしまったのだ。

長かった夜が明け、いつの間にか二人とも眠ってしまっていたみたいだった。目を開くとカイちゃんもちょうど目を覚ましたようで、少し照れくさそうに笑った後、
「おいで」
そうあたしを呼んだ。正直言って夜通しのエッチでフラフラだ。だけどあの目で、あの声で求められるなら。吸い寄せられるように身を寄せる。もう、身体が疼き始めている。

(あたしはもう、あたしとして生きるから)
あたしは心の中で、『正樹』に別れを告げた。淫らな愛液が割れ目から滴り落ちていた。

20
カイちゃんを布団に仰向けに寝かし、あたしはその上に跨った。彼のイチモツをあたしの鈴口にあてがい、そして
「いひぃんっ!」
カクンと腰を落とし、ズプッという音とともに一気に奥まで入ってしまう。視界の中に火花が散った。全身を駆け巡る快楽に身を任せ、膝ををバネにして上下運動を繰り返す。繰り返す度にごりっごりっとあたしの中が擦れる。
「あ、あひっ、ひっ♡」
「もっと良くしてあげるからな」
「あ、はぁっん♡ カイちゃん、ダメッ♡ 激しっ♡」
下から突き上げられ、胸がたっぷんたっぷんと大きく揺れる。それだけで乳首がジンジンと痺れて気持ち良い。
その時だった。
「朝食のお時間でございます・・・」
コンコンと戸を叩く音。そして扉が開いた。「あっ」という暇も無かった。扉の向こうには豪勢な和風の朝食を配膳に来た若女将。露骨に固まってしまっていた。だが、それも当然だろう。何しろ、大股を広げた女が下から男性に突かれ喘いでいたのだから。しかも最悪なことにあたしが邪魔になって海斗は若女将に気づいていない!
「あっ!」
一気に冷静になる自分がいた。
(めちゃめちゃ恥かしい、じゃん!)
だって今、あの人にあたしの女の全てを見られている。その羞恥からか、知らず知らずのうちにあたしは膣をキュッと締めてしまっていたみたいで・・・
「うぉぉ!しっ、締め付けヤベェ! 真咲ィ、気持ち良すぎるっ!」
こいつ、まだ事態を把握していない!
「ストップストップストップ!もうダメだってぇ!」
「今更何恥ずかしがってんだよ!一晩中愛しあった仲じゃねぇかよ!」
「違う、そうじゃなあぃやぁぁぁんっ♡」
変な方向に興奮してしまったのか、海斗の鼻息が荒くなる。そんなあたしたちの様子をまるで目を逸らすことなく見つめる若女将。あぁ、なんとかフォローしたい!
だけどあたしはそれどころじゃ・・・。絶頂を間近に控えた海斗からの激しい突き上げに、堪えようと思っていても声が出てしまう。
「やぁん♡ いいっ♡ カイちゃんのぉおっきい♡ 奥まで入れてぇ♡ はぁっ♡ やっ、やっ、やっやぁぁぁん♡」
エッチな部分を全部見られている。そう思うだけでさらにあたしの身体は興奮を増していく。
キュュン♡
「出っ、出るぅぅぅ!!!」
勢いよく突き上げられて、あたしは今までで一番大きな声で叫んだ。
「あぁあああああああぁぁぁっ♡ いっ、イックゥゥゥゥゥゥゥ♡♡♡」
頭の中が真っ白になってゆく。薄れゆく意識の中、笑顔を貼り付けた若女将が後退り、ゆっくりと戸を閉めたのが見えた、気がした。

21
「あの、ほんとすみませんでした」
「? ナンノコトデショウネ??」
チェックアウトの際、若女将に謝罪したのだが。都合よく、なかったこととして処理してくれるらしい。迷惑料や追加料金もなし。あぁ、助かった・・・。
あたしは真咲のものだろう花柄のワンピースに身を包み、この不思議な宿を後にした。帰り際、若女将から
「あなたの望みは叶いましたか?」
と聞かれたように思えた。驚いて振り返ったがそこには誰もおらず、終ぞその真意を確かめることはできなかった。

こうしてあたしは海斗のボロ車に乗って日常へ戻った。やはりというべきか、両親や友人一同、あたしは生まれた時から女だったというコトになっていたみたいだった。しかも、あたしの元の下宿は綺麗さっぱり無くなっており、代わりに海斗と同棲する少し広めのアパートに住んでいた。環境のギャップで色々とやらかしもあったけれど、真咲としての知識を活かしていくうちにものの一週間ほどで違和感なく過ごせるようになっていった。

そんな日が続いたある昼下がり。あたしたちは部屋で二人、午後のコーヒーを味わっていた。
実はつい三十分ほど前まで、あたしは犬みたいにバックから突かれていた。時間に空きがあれば身体を求め合うのは爛れた関係なのだろうか。でも、あたしたちは互いのことを深く理解し合えていると思っている。
たぶん、 元から男と女だったら、こんな関係にはならなかったと思う。あたしが男としても、女としても彼と接してきたというのが大きいのかなって。本来はそれぞれの立場しか見ることのできない側面を両方知っている。・・・頼んでもないのに急に女の子にされちゃったんだ。そのくらいの役得はいいよね?

「いやー次はどこに行こうか! きっと楽しいぞ〜!」
なんてはしゃぐ海斗に、
「好きだよ」
はっきり言ってやる。口をパクパクさせちゃって。いつも突拍子ないコトしてくるお返しだ。そこからすました顔でこいつの馬鹿げた計画の話を聞いてやるのだ。いつものように。
あたしと海斗の新しい思い出はこれからも増え続けていくのだ。これまでよりも、ずっと近い場所で。

コメント

記憶は残ってるっぽいけど、もとから女だったことに上書きされたEND
本来の男性だった自分の痕跡が消えて亡くなったに等しいことを考えれば結構ビターエンドかな?
くっついた親友が良いやつだったのが救いと言えば救い

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