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【投稿小説】第二次性徴異常発育症候群 性転換症 第三十二話 育ちと格式
作 kyosuke
久留実らも別荘に戻る為にプレジャーボートに乗り込む。学生らで催す“夜会”があるのでその準備だ。
「今回は欠席と言うのも納得しましたわ」
「ガキどもが残念がるが仕方ないさ……」
玲も慣れては来たが朱鳥や陸が通っている所は本当に名門なのだ。
「次回は是非、玲さんも一緒に……」
「……」
玲は苦笑するしかない、背後に居る陽菜さんの表情は嬉しそうなのだ。この分だとドレスやらフォーマル関係は困らないかもしれない。
「誠が事故った!」
邸宅の居間にて航が叫ぶと甚之助は淡々と説明する。
「はい、三沢市の幹線道路にてウィンカー無しでの左折車に衝突……放り出されましたが路上駐車してあったSUVの天井に背後から落下、意識がありましたが救急搬送されてます」
執事の甚之助が言うには緊急搬送された先の病院で免許証に記載された誠の名字にピンと来た医者が一ノ瀬運輸の隠居に問い合わせた事で事故に遭った事を知って帰省中の社も事故車引き取りに行くことになる。
「全身打撲で済んだか……事故現場は」
甚之助は電子端末で表示した場所を見た将は言う。衝突された軽自動車には母親と児童が乗っており左折した先にはコンビニ状況は推測出来た。恐らく児童がトイレと言いだして母親が後方確認をせずにハンドルを切った、誠のバイクもそれなりに速度が出ていたので止まり切れずに……。
「軽自動車の保険会社は何と言ってきている?」
「戒様によれば被害者は非を認めてますから保険会社もその方向で処理すると……ただSUVの方は揉めそうになる様子」
「ほぉ~名刺まで渡しって?」
将の眼が鋭くなるのも理解する、職業上路上駐車されると困る事が多いのだ。社から送られて来た画像を見て直ぐに職業が分かる。
「ホストクラブか……兄に任せた方がいいかな?」
航はキョトンすると将は言う。
「一ノ瀬運輸の社員は学生時代は不良で族だった奴が多いから夜の街で働いている同級生を一人は知っているからな……日下部先生にも聞いてみるか」
将がスマホを操作して会話を始めた。
「戒爺さん、申し訳ない……色々と」
「入院は数日か」
幸い帰省するので着替えは愛車のバイクに装着出来る専用鞄に入れていたので持って来てもらった。
「バイクに詳しい社員に見て貰った、バラさないと確かな事は言えないがメインフレームが歪んでいる可能性がある」
「……」
廃車、誠は天井を見て思う。一度ダメージを受けたフレームの耐久性は怪しいのだ。バイク屋の店主なら修理費を考えると買い替えるのもお勧めする。
「後は保険の事だが道を塞いだ軽自動車のドライバーは非を認めている、ただな……SUVの持ち主が喰ってかかってきたさ」
社は霧さんの事、霧山 秀介と言う社員と共に事故現場に来た時には既に誠は緊急搬送されていたが軽自動車のドライバーである母親に詰め寄っていたので社が間に入り押し問答に……誠もゾッとする。
「うぁ、やば、いっいたい」
先程の精密検査では骨折は無かったが精密検査の為に数日の入院は確定している。事故の状況を考えると重症にもなりえたからだ。
「親父来るかな?」
「来るってさ……将さんらも戻って来るし」
「忙しいんだ」
「俺も明日には東京に戻るしな……明後日からは仕事に戻る、後はSUVの持ち主は素性が分かったからな」
社は思う、あの幹線道路で路上駐車するとは……。
翌日、航が病室を訪れる……医者によればもう一日経過観察、そして保険の外交員に話を聞くと加害者の軽自動車側は解決済みであるがSUV側は交渉中……相手の素性も把握しており聞けば歌舞伎町界隈では絶縁状が回り、故郷の三沢市に戻って来たロクデナシである。
「親父……」
「相手側に怪我がないだけでも上出来だ……かあさんには巧く伏せている」
航は椅子に座るとバイクの写真を見せる、自身も免許を保有しある程度は整備も出来る。そして誠が使用していたバイクも元々は自分が使っていた。
「ごめんなさい」
「謝る必要はないさ……何度かコケたしな、ただフレームの新品は高いしな」
そこに玲が病室に……サマーワンピースを着ており靴もレディース用スニーカーだ。
「紹介するよ、将さんの娘になる玲だ。この前までは息子だったけどな」
玲は頭を下げるとベットの上で上半身を起こした状態で横になっていた誠も会釈する。
「性転換発症者って聞いたけど可愛いな、朱鳥に似ているな」
まだ痛みが残っているのか辛そうな表情を見せる。玲も事故の概要は知っているがよく重症にならなかったと思う。
「社はもう仕事か?」
「はい」
誠はため息をついた。バイクの事もあるのだが……。
「所で玲って何か部活でもしているのか?」
「あ~創作ダンスで、授業で柔道が出来なくなったから。それで補習も兼ねて……」
玲の足元に置かれたスポーツバックに航は何となく理解した、確かにこの胸に密着されるなら失神しても悔いは無いと言う中学男子が多いのは察しが付く。
玲は創作ダンスグループの面々と共に自主練に励んでいた。空調がある体育館と言えとも熱い。授業で使う体育服にして正解である。因みに夏季休暇中は私服登校も許可されているのでオシャレに敏感なお年頃にとってはありがたい。
「本当に熱心ね」
「授業だけじゃ不安になるから……ダンスなんてやった事もないし」
小学校の同級生で今は他のクラスになった女子生徒は苦笑するが玲は小学生の時から責任感は強い、リーナが恋を抱くのも分かる程に。
「親類の所を訪ねたんだよね?」
「うん、自分の所は分家。この先の冠婚葬祭もあるし……」
そこにリーナが来る、校内の自販機から紙パックドリンクを買って来たのだ。
「正弘さんの結婚が先か、それとも本家の御隠居の葬儀が先かよね」
リーナが知っているのは父親が教えたからだ。楊家にとっては恩義がある家の一つである。
「暑い」
玲が言うとリーナが天井を見て言う。
「空調効いてない?」
複数の生徒も同じ事を言う。これが少年だったら頭から水を被れば良いのだが……それが出来ないもどかしさ。
「空気が循環してないからね、下に大きな扇風機を置けばいいけど」
絵梨も汗だくである……大きな扇風機は今の校舎と共に出来た旧体育館で全部稼働しているのだ。数年後には取り壊すと言う噂がある、老朽化もあるが最大の問題は立地条件から不良の溜まり場でもある。
「ねえ、この後プールに行かない?市民プール」
「いいね~」
玲も断る理由はない、これを想定して水着も持ってきているのだ。
三沢市市民プールは市が所有する運動公園敷地内にある遊戯施設であり幼児から大人まで楽しめる。巨大な遊具もあるのはモノ作りの街である三沢市ならではであり、施設内も地元企業が試作した製品が寄付と言う形で置かれる事も多く、更衣室のロッカーも“耐久試験”名目で置かれている。
「学校指定……」
「まあ、校内で泳ぐかな~とおもって」
更衣室にて絵梨のジト目に玲は苦笑するしかない、仕方なく私物の水着を着る。視線が凄いのも分かる……。
「あっ、リーナじゃん」
「麻里香も来ていたんだ……」
小学校時代の同級生であった枝島 麻里香、今は隣の学区にある中学校の生徒で玲とも親しく接していた。
「……りーな、隣に居るっ子って」
「玲」
「……え!まさか」
「性転換発症したのよ、球磨先生から聞いてない」
球磨先生とは小学校時代の恩師の一人だ。一応知らせている。まあ添付した画像は退院当日のセーラー服姿にしたのはリーナの気配りだ。
「全然……じゃあ」
麻里香も玲に好意を寄せていた事はリーナも把握はしている。
「色々とバタバタして小学校の同級生全員に知らせてなくって……」
「麻里香~おまたっ……えっ」
「あっ、津田さん。お久しぶり」
津田 可南子は玲を見てキョトンする、こんな絵梨と並ぶ爆乳少女と何時知り合ったか……迷っていると絵梨は言う。
「玲、この分だと東中に行った子は知らない子が多いわ」
絵梨の言葉に可南子は驚く。東中とは三沢市立東中学校の事であり炭鉱全盛期に開校した中学校で今は三沢自動車株式会社本社工場や関連企業や工場のお陰で生徒数は維持している。
「驚いた……球磨先生も知らせるの躊躇するよね」
「絵梨並に大きいって……」
麻里香と可南子も胸のサイズや形状は中学女子の平均である……それが見せつけられるのは水着姿だ。
「アイツラは既に知っているかな」
「多分ね、ただ玲の事はよく知っているから接触してないだけよ……入院する前に番長グループ全員KOしちゃったからね」
二人は納得した、数える程だがリーナにちょっかい出した上級生に口答えして体を押された瞬間にはその上級生は玲の突きで白目を向き、頭に雛と星が回った光景を見た事があるからだ。流水プールに身を任せつつも会話する玲達……そこに近寄って来る少年らに玲は気が付く。何れもツーブロックに近い髪形をしており少々ヤンチャな感じだが肉体は引き締まっている。
「リーナ、隣に居る美少女は」
「一ノ瀬君よ、亘二」
「……マジかよ、球磨先生ブロックしたな」
「って……三年の峰沢らをシメたって言う」
「あの時はリーナが連れ込まれていたからね……全員分からせないと面倒な事になっていたから」
何人かは別の小学校だったのか玲とは初対面、ただ新堂 亘二と瀬藤 敦は父親が三沢自動車本社工場に勤めで双方社宅団地住まいなので仲が良い。
「絵梨と並ぶ巨乳が玲かよ……」
まあ残念がるのも分かる、二人も玲の父親の怖さはよく知っているのだ。
「東中の番長が手を出さない理由って?」
「玲の実家が運送業しているけど社員ドライバーの殆どが学生時代にヤンキーか暴走族だった面々さ。東中の番長もそれを知っていたとしたら?」
敦は遠目になった表情で言うと東中の同級生らは納得した。
「兄の正弘さんも人情味に溢れているけど……ただ」
「篝さんに既に尻に載られていると……分かるわ、あの人もスゴいから」
リーナも目の前で正弘さんとの熱々な関係を見せつけられ小学生でも分かる程に熱々である。
「あっ……理子も来ていた事忘れていた」
「ヤベ……妹ら押し付けていたから」
亘二も敦も小学三年の妹が居るのだが幼馴染の峠道 理子に頼む事が多い……最近はマセて来た。こうなると中学男子には手に負えない訳である。
「プールからあがるか」
夏とは言え身体が冷えるので上がる事にした、複数の入り口があるのだが何れも階段状で立てる様にしている。それ故にスイムパンツも丈があるとは言え股間部の盛り上がりは隠せない。
「(い、意外と大きかった)」
亘二も敦も小学校で使っていたモノを着用しており一物のサイズが大きくなっている事に気が付いてないのだ。
「あれ、楊に久遠じゃん……ん?」
理子は視線が合った巨乳美少女が目を背けた事に不振に想いそのまま腐れ縁幼馴染二人に視線を送る。亘二も敦も呆れる表情で言う。
「玲よ」
「……峠道さんお久しぶり。発症してから全く連絡とってなかった」
「球磨先生も驚いたでしょうね……」
最も自分はお喋りだから拡散を防ぐ意味が強かったのだろう。傍に居る少女は亘二の妹である香奈と敦の妹である朱美、小学校では何度か顔を合わせた事がある。
「玲さんって、っ!」
「うあっ、凄い胸……理子姉よりも」
理子も苦笑するしかなく、出来るだけ丁寧に性転換症について説明した。
久留実らも別荘に戻る為にプレジャーボートに乗り込む。学生らで催す“夜会”があるのでその準備だ。
「今回は欠席と言うのも納得しましたわ」
「ガキどもが残念がるが仕方ないさ……」
玲も慣れては来たが朱鳥や陸が通っている所は本当に名門なのだ。
「次回は是非、玲さんも一緒に……」
「……」
玲は苦笑するしかない、背後に居る陽菜さんの表情は嬉しそうなのだ。この分だとドレスやらフォーマル関係は困らないかもしれない。
「誠が事故った!」
邸宅の居間にて航が叫ぶと甚之助は淡々と説明する。
「はい、三沢市の幹線道路にてウィンカー無しでの左折車に衝突……放り出されましたが路上駐車してあったSUVの天井に背後から落下、意識がありましたが救急搬送されてます」
執事の甚之助が言うには緊急搬送された先の病院で免許証に記載された誠の名字にピンと来た医者が一ノ瀬運輸の隠居に問い合わせた事で事故に遭った事を知って帰省中の社も事故車引き取りに行くことになる。
「全身打撲で済んだか……事故現場は」
甚之助は電子端末で表示した場所を見た将は言う。衝突された軽自動車には母親と児童が乗っており左折した先にはコンビニ状況は推測出来た。恐らく児童がトイレと言いだして母親が後方確認をせずにハンドルを切った、誠のバイクもそれなりに速度が出ていたので止まり切れずに……。
「軽自動車の保険会社は何と言ってきている?」
「戒様によれば被害者は非を認めてますから保険会社もその方向で処理すると……ただSUVの方は揉めそうになる様子」
「ほぉ~名刺まで渡しって?」
将の眼が鋭くなるのも理解する、職業上路上駐車されると困る事が多いのだ。社から送られて来た画像を見て直ぐに職業が分かる。
「ホストクラブか……兄に任せた方がいいかな?」
航はキョトンすると将は言う。
「一ノ瀬運輸の社員は学生時代は不良で族だった奴が多いから夜の街で働いている同級生を一人は知っているからな……日下部先生にも聞いてみるか」
将がスマホを操作して会話を始めた。
「戒爺さん、申し訳ない……色々と」
「入院は数日か」
幸い帰省するので着替えは愛車のバイクに装着出来る専用鞄に入れていたので持って来てもらった。
「バイクに詳しい社員に見て貰った、バラさないと確かな事は言えないがメインフレームが歪んでいる可能性がある」
「……」
廃車、誠は天井を見て思う。一度ダメージを受けたフレームの耐久性は怪しいのだ。バイク屋の店主なら修理費を考えると買い替えるのもお勧めする。
「後は保険の事だが道を塞いだ軽自動車のドライバーは非を認めている、ただな……SUVの持ち主が喰ってかかってきたさ」
社は霧さんの事、霧山 秀介と言う社員と共に事故現場に来た時には既に誠は緊急搬送されていたが軽自動車のドライバーである母親に詰め寄っていたので社が間に入り押し問答に……誠もゾッとする。
「うぁ、やば、いっいたい」
先程の精密検査では骨折は無かったが精密検査の為に数日の入院は確定している。事故の状況を考えると重症にもなりえたからだ。
「親父来るかな?」
「来るってさ……将さんらも戻って来るし」
「忙しいんだ」
「俺も明日には東京に戻るしな……明後日からは仕事に戻る、後はSUVの持ち主は素性が分かったからな」
社は思う、あの幹線道路で路上駐車するとは……。
翌日、航が病室を訪れる……医者によればもう一日経過観察、そして保険の外交員に話を聞くと加害者の軽自動車側は解決済みであるがSUV側は交渉中……相手の素性も把握しており聞けば歌舞伎町界隈では絶縁状が回り、故郷の三沢市に戻って来たロクデナシである。
「親父……」
「相手側に怪我がないだけでも上出来だ……かあさんには巧く伏せている」
航は椅子に座るとバイクの写真を見せる、自身も免許を保有しある程度は整備も出来る。そして誠が使用していたバイクも元々は自分が使っていた。
「ごめんなさい」
「謝る必要はないさ……何度かコケたしな、ただフレームの新品は高いしな」
そこに玲が病室に……サマーワンピースを着ており靴もレディース用スニーカーだ。
「紹介するよ、将さんの娘になる玲だ。この前までは息子だったけどな」
玲は頭を下げるとベットの上で上半身を起こした状態で横になっていた誠も会釈する。
「性転換発症者って聞いたけど可愛いな、朱鳥に似ているな」
まだ痛みが残っているのか辛そうな表情を見せる。玲も事故の概要は知っているがよく重症にならなかったと思う。
「社はもう仕事か?」
「はい」
誠はため息をついた。バイクの事もあるのだが……。
「所で玲って何か部活でもしているのか?」
「あ~創作ダンスで、授業で柔道が出来なくなったから。それで補習も兼ねて……」
玲の足元に置かれたスポーツバックに航は何となく理解した、確かにこの胸に密着されるなら失神しても悔いは無いと言う中学男子が多いのは察しが付く。
玲は創作ダンスグループの面々と共に自主練に励んでいた。空調がある体育館と言えとも熱い。授業で使う体育服にして正解である。因みに夏季休暇中は私服登校も許可されているのでオシャレに敏感なお年頃にとってはありがたい。
「本当に熱心ね」
「授業だけじゃ不安になるから……ダンスなんてやった事もないし」
小学校の同級生で今は他のクラスになった女子生徒は苦笑するが玲は小学生の時から責任感は強い、リーナが恋を抱くのも分かる程に。
「親類の所を訪ねたんだよね?」
「うん、自分の所は分家。この先の冠婚葬祭もあるし……」
そこにリーナが来る、校内の自販機から紙パックドリンクを買って来たのだ。
「正弘さんの結婚が先か、それとも本家の御隠居の葬儀が先かよね」
リーナが知っているのは父親が教えたからだ。楊家にとっては恩義がある家の一つである。
「暑い」
玲が言うとリーナが天井を見て言う。
「空調効いてない?」
複数の生徒も同じ事を言う。これが少年だったら頭から水を被れば良いのだが……それが出来ないもどかしさ。
「空気が循環してないからね、下に大きな扇風機を置けばいいけど」
絵梨も汗だくである……大きな扇風機は今の校舎と共に出来た旧体育館で全部稼働しているのだ。数年後には取り壊すと言う噂がある、老朽化もあるが最大の問題は立地条件から不良の溜まり場でもある。
「ねえ、この後プールに行かない?市民プール」
「いいね~」
玲も断る理由はない、これを想定して水着も持ってきているのだ。
三沢市市民プールは市が所有する運動公園敷地内にある遊戯施設であり幼児から大人まで楽しめる。巨大な遊具もあるのはモノ作りの街である三沢市ならではであり、施設内も地元企業が試作した製品が寄付と言う形で置かれる事も多く、更衣室のロッカーも“耐久試験”名目で置かれている。
「学校指定……」
「まあ、校内で泳ぐかな~とおもって」
更衣室にて絵梨のジト目に玲は苦笑するしかない、仕方なく私物の水着を着る。視線が凄いのも分かる……。
「あっ、リーナじゃん」
「麻里香も来ていたんだ……」
小学校時代の同級生であった枝島 麻里香、今は隣の学区にある中学校の生徒で玲とも親しく接していた。
「……りーな、隣に居るっ子って」
「玲」
「……え!まさか」
「性転換発症したのよ、球磨先生から聞いてない」
球磨先生とは小学校時代の恩師の一人だ。一応知らせている。まあ添付した画像は退院当日のセーラー服姿にしたのはリーナの気配りだ。
「全然……じゃあ」
麻里香も玲に好意を寄せていた事はリーナも把握はしている。
「色々とバタバタして小学校の同級生全員に知らせてなくって……」
「麻里香~おまたっ……えっ」
「あっ、津田さん。お久しぶり」
津田 可南子は玲を見てキョトンする、こんな絵梨と並ぶ爆乳少女と何時知り合ったか……迷っていると絵梨は言う。
「玲、この分だと東中に行った子は知らない子が多いわ」
絵梨の言葉に可南子は驚く。東中とは三沢市立東中学校の事であり炭鉱全盛期に開校した中学校で今は三沢自動車株式会社本社工場や関連企業や工場のお陰で生徒数は維持している。
「驚いた……球磨先生も知らせるの躊躇するよね」
「絵梨並に大きいって……」
麻里香と可南子も胸のサイズや形状は中学女子の平均である……それが見せつけられるのは水着姿だ。
「アイツラは既に知っているかな」
「多分ね、ただ玲の事はよく知っているから接触してないだけよ……入院する前に番長グループ全員KOしちゃったからね」
二人は納得した、数える程だがリーナにちょっかい出した上級生に口答えして体を押された瞬間にはその上級生は玲の突きで白目を向き、頭に雛と星が回った光景を見た事があるからだ。流水プールに身を任せつつも会話する玲達……そこに近寄って来る少年らに玲は気が付く。何れもツーブロックに近い髪形をしており少々ヤンチャな感じだが肉体は引き締まっている。
「リーナ、隣に居る美少女は」
「一ノ瀬君よ、亘二」
「……マジかよ、球磨先生ブロックしたな」
「って……三年の峰沢らをシメたって言う」
「あの時はリーナが連れ込まれていたからね……全員分からせないと面倒な事になっていたから」
何人かは別の小学校だったのか玲とは初対面、ただ新堂 亘二と瀬藤 敦は父親が三沢自動車本社工場に勤めで双方社宅団地住まいなので仲が良い。
「絵梨と並ぶ巨乳が玲かよ……」
まあ残念がるのも分かる、二人も玲の父親の怖さはよく知っているのだ。
「東中の番長が手を出さない理由って?」
「玲の実家が運送業しているけど社員ドライバーの殆どが学生時代にヤンキーか暴走族だった面々さ。東中の番長もそれを知っていたとしたら?」
敦は遠目になった表情で言うと東中の同級生らは納得した。
「兄の正弘さんも人情味に溢れているけど……ただ」
「篝さんに既に尻に載られていると……分かるわ、あの人もスゴいから」
リーナも目の前で正弘さんとの熱々な関係を見せつけられ小学生でも分かる程に熱々である。
「あっ……理子も来ていた事忘れていた」
「ヤベ……妹ら押し付けていたから」
亘二も敦も小学三年の妹が居るのだが幼馴染の峠道 理子に頼む事が多い……最近はマセて来た。こうなると中学男子には手に負えない訳である。
「プールからあがるか」
夏とは言え身体が冷えるので上がる事にした、複数の入り口があるのだが何れも階段状で立てる様にしている。それ故にスイムパンツも丈があるとは言え股間部の盛り上がりは隠せない。
「(い、意外と大きかった)」
亘二も敦も小学校で使っていたモノを着用しており一物のサイズが大きくなっている事に気が付いてないのだ。
「あれ、楊に久遠じゃん……ん?」
理子は視線が合った巨乳美少女が目を背けた事に不振に想いそのまま腐れ縁幼馴染二人に視線を送る。亘二も敦も呆れる表情で言う。
「玲よ」
「……峠道さんお久しぶり。発症してから全く連絡とってなかった」
「球磨先生も驚いたでしょうね……」
最も自分はお喋りだから拡散を防ぐ意味が強かったのだろう。傍に居る少女は亘二の妹である香奈と敦の妹である朱美、小学校では何度か顔を合わせた事がある。
「玲さんって、っ!」
「うあっ、凄い胸……理子姉よりも」
理子も苦笑するしかなく、出来るだけ丁寧に性転換症について説明した。
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