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【投稿小説】第二次性徴異常発育症候群 性転換症 第三十四話 夏の情夜
作 kyosuke
隼人と菜緒は夕食後、ドライブインシアターイベントが開催される会場に自動車で入る。チケットを見せるとノベルティグッズが入った手提げ袋を貰い係員の誘導で駐車する。
「ピックアップトラックとかなら荷台から見てもいいかも……」
「スクリーンがおおきなぁ……」
トイレは大型トレーラータイプが三台用意、キッチンカーまで用意されており映画鑑賞に向けの食品が並ぶがアルコール飲料は提供されてない、これはドライバーが不意に呑んでしまい飲酒運転になる事を恐れを危惧した主催者側の決断である。ノベルティグッツが入った手提げかばんから出て来たチケットに菜緒は言う。
「あっ、ポップコーンの無料引換券だ」
「じゃあ取りに行こう」
あくまでカップルを装っての護衛任務、アサルトライフルが入ったケースも楽器ケースに偽装しているのである。襲撃の恐れは無いとは言い切れない……。
「(問題はないとおもうが……)」
本当に欲に眼が眩むと事の善悪がつかなくなるのだ。隼人はそう思いつつも愛車から出る。
「これで全部と……」
「助かりました、宗介さん」
玲と宗介は日菜子がご愛用しているスーパーマーケット“丸頓屋”に来ていた、元々は食品問屋でどちらかと言うと飲食店向けの食材販売を主にしていたが近年は一般小売も手掛けている。実家が料亭をしている日菜子にとっては馴染みがあり、彼女の愛車は三沢自動車が長年販売している軽トラ“キャロル”……実家で使っていたモノである。
「久しぶりに顔を出した方々ですからね」
就職や転任で三沢市から転出した門下生らが顔を出してそのまま宴会になったのである。調理に追われ買い出しに行くタイミングを失い困っていた所に宗介が来たので頼まれた訳だ。最もデートも兼ねているかもしれないが。
「ん?」
国道の方から響くエンジンサウンドは不快に聞こえるのも消音器を外している違法改造されたバイクから発しているのだ。
「この辺りって道路が広いから走りやすい上に集会に適した場所も多いから、あんまり夜間は近寄りたくないって言う人も多いんですよ」
正弘と玲の父親である将や伯父の迅が学生時代の時には暴走族同士の抗争が絶えずPCのサイレンが毎晩鳴り響いた、そして遂には数名命を落としてしまい暴力団やらも絡んでいた事もあり沈静化したのである。
「一ノ瀬運輸の社員って」
「その時の抗争を知っている方も少なくはないですからね……」
補導や保護観察で済めば御の字、これは宗介も分かる。
「じゃあ戻るか」
宗介は運転席のドアを開けようとした時に気が付いた。暴走族の少年らは玲に狙いを定めていたのだ。宗介はヤレヤレと思う……穏便に済ませよう。
「……悪いが、彼女と遊ぶのなら諦めな、君らの様な不良とはお付き合いはしないよ……」
「あぁ~なにいってるんだぁ」
迫って来る暴走族の少年は凶器を取り出すも宗介は殺気を出さない。特攻服に刺繍された路怒男爵と捻りも無いチーム名を見た玲は直ぐに新興と分かる。玲も身構えた瞬間に別のエンジンサウンドが鳴り響いた。
「芋野郎、これ以上彼女に付きまとうと酷い目に逢うぞ……」
ロードウルフの舘が言う。眼光鋭く路怒男爵の数人も少したじろく。
「玲、いくぞ」
一礼した玲は助手席に座ると同時に宗介はキャロルを急発進させた。足回りは少々イジっている事は宗介もハンドル握り挙動で分かる。
「玲、通報したのか?」
「うん……恐らく追って来る」
宗介もバイク二台が迫って来た事はバックミラーで分かる。時間帯的に交通量が少ないから立ち塞がれる。バイクから二人が降りて来る、手には凶器……幾ら何でも宗介も無事では済まされない。
「玲、何があってもあけるな」
宗介はそう言うと車外へと下りる。バイクを運転していた二人は直ぐにキャロルの方に近寄ろうとした瞬間バイク二台を弾き飛ばされバイク二台は路面を転がり大破する。
「!」
濃紺色に下部を耐摩耗塗装されたスカニア重トレーラーはループ上にあるフォグランプを点灯しており車外へと下りて来た男性は虚を突かれた路怒男爵のメンバー一人の視界に拳が写った瞬間暗転した。その時には彼は道路に倒れていた。
「一ノ瀬社長!」
「……この様なクソガキには言葉よりもな拳が効くんだよ」
因みにブルバーと呼ばれる本来は野生動物との衝突時に車体大破を防ぐプロテクターによりスカニアは無事である。吹き飛ばされたバイク二台はハンドル周りが損壊しており操作不能……残りの三人は迅の顔を見た瞬間に悟った、これはもう勝てない。
「テメーら、かくごはいいんだな?」
「社長、過剰は……」
「わかっているさ、俺はな」
何時の間にか一ノ瀬運輸のロゴがパネルバンに刻まれた三沢ロードポーターと呼ばれる四t車が止まっておりドライバーが降り、同時に各所に散らばっていたが仲間の危機に集まってしまった路怒男爵の面々を次々と叩きのめしていく。
「橘さん」
「わかりました」
手加減はするが正気に戻るのか心配だ。正弘さんがキレると収まるまで時間を要する。既に夜の九時を過ぎているがこの騒ぎだ……直ぐにPCが来た。こうなると路怒男爵の面々は逃げるしかないのだ。
「正弘も久しぶりに暴れたな」
「最近のガキは引き際を知らんのかな……たく、一撃で倒れるもんかね?」
顔面が腫れた路怒男爵は駆け付けた警察官に確保されて連行……夜須も久しぶりの光景だ。
「丸頓屋の方も逃げられた……喧嘩相手が舘だったら分かるけどな」
夜須は玲を見ると不安な表情になり宗介は寄り添っていた。
「バイク二台を弾き飛ばすとはなぁ」
「車線の真ん中に止める方が悪いさ……所有者は?」
迅の言葉に夜須は苦笑する。PC後部座席で項垂れているのだ。両サイドに警察官が乗り込んでいる。
ドライブインシアターイベントが終わり、隼人と菜緒は予定通り別荘へと向かう……今回は軍人もガッツリ出て来たので隼人は職業上気にする所であり、菜緒も分かる。ドライブインシアターの良さは会話が出来つつ鑑賞出来る……菜緒は隼人を見て思う、本当に恋人だったら……。
隼人と菜緒は夕食後、ドライブインシアターイベントが開催される会場に自動車で入る。チケットを見せるとノベルティグッズが入った手提げ袋を貰い係員の誘導で駐車する。
「ピックアップトラックとかなら荷台から見てもいいかも……」
「スクリーンがおおきなぁ……」
トイレは大型トレーラータイプが三台用意、キッチンカーまで用意されており映画鑑賞に向けの食品が並ぶがアルコール飲料は提供されてない、これはドライバーが不意に呑んでしまい飲酒運転になる事を恐れを危惧した主催者側の決断である。ノベルティグッツが入った手提げかばんから出て来たチケットに菜緒は言う。
「あっ、ポップコーンの無料引換券だ」
「じゃあ取りに行こう」
あくまでカップルを装っての護衛任務、アサルトライフルが入ったケースも楽器ケースに偽装しているのである。襲撃の恐れは無いとは言い切れない……。
「(問題はないとおもうが……)」
本当に欲に眼が眩むと事の善悪がつかなくなるのだ。隼人はそう思いつつも愛車から出る。
「これで全部と……」
「助かりました、宗介さん」
玲と宗介は日菜子がご愛用しているスーパーマーケット“丸頓屋”に来ていた、元々は食品問屋でどちらかと言うと飲食店向けの食材販売を主にしていたが近年は一般小売も手掛けている。実家が料亭をしている日菜子にとっては馴染みがあり、彼女の愛車は三沢自動車が長年販売している軽トラ“キャロル”……実家で使っていたモノである。
「久しぶりに顔を出した方々ですからね」
就職や転任で三沢市から転出した門下生らが顔を出してそのまま宴会になったのである。調理に追われ買い出しに行くタイミングを失い困っていた所に宗介が来たので頼まれた訳だ。最もデートも兼ねているかもしれないが。
「ん?」
国道の方から響くエンジンサウンドは不快に聞こえるのも消音器を外している違法改造されたバイクから発しているのだ。
「この辺りって道路が広いから走りやすい上に集会に適した場所も多いから、あんまり夜間は近寄りたくないって言う人も多いんですよ」
正弘と玲の父親である将や伯父の迅が学生時代の時には暴走族同士の抗争が絶えずPCのサイレンが毎晩鳴り響いた、そして遂には数名命を落としてしまい暴力団やらも絡んでいた事もあり沈静化したのである。
「一ノ瀬運輸の社員って」
「その時の抗争を知っている方も少なくはないですからね……」
補導や保護観察で済めば御の字、これは宗介も分かる。
「じゃあ戻るか」
宗介は運転席のドアを開けようとした時に気が付いた。暴走族の少年らは玲に狙いを定めていたのだ。宗介はヤレヤレと思う……穏便に済ませよう。
「……悪いが、彼女と遊ぶのなら諦めな、君らの様な不良とはお付き合いはしないよ……」
「あぁ~なにいってるんだぁ」
迫って来る暴走族の少年は凶器を取り出すも宗介は殺気を出さない。特攻服に刺繍された路怒男爵と捻りも無いチーム名を見た玲は直ぐに新興と分かる。玲も身構えた瞬間に別のエンジンサウンドが鳴り響いた。
「芋野郎、これ以上彼女に付きまとうと酷い目に逢うぞ……」
ロードウルフの舘が言う。眼光鋭く路怒男爵の数人も少したじろく。
「玲、いくぞ」
一礼した玲は助手席に座ると同時に宗介はキャロルを急発進させた。足回りは少々イジっている事は宗介もハンドル握り挙動で分かる。
「玲、通報したのか?」
「うん……恐らく追って来る」
宗介もバイク二台が迫って来た事はバックミラーで分かる。時間帯的に交通量が少ないから立ち塞がれる。バイクから二人が降りて来る、手には凶器……幾ら何でも宗介も無事では済まされない。
「玲、何があってもあけるな」
宗介はそう言うと車外へと下りる。バイクを運転していた二人は直ぐにキャロルの方に近寄ろうとした瞬間バイク二台を弾き飛ばされバイク二台は路面を転がり大破する。
「!」
濃紺色に下部を耐摩耗塗装されたスカニア重トレーラーはループ上にあるフォグランプを点灯しており車外へと下りて来た男性は虚を突かれた路怒男爵のメンバー一人の視界に拳が写った瞬間暗転した。その時には彼は道路に倒れていた。
「一ノ瀬社長!」
「……この様なクソガキには言葉よりもな拳が効くんだよ」
因みにブルバーと呼ばれる本来は野生動物との衝突時に車体大破を防ぐプロテクターによりスカニアは無事である。吹き飛ばされたバイク二台はハンドル周りが損壊しており操作不能……残りの三人は迅の顔を見た瞬間に悟った、これはもう勝てない。
「テメーら、かくごはいいんだな?」
「社長、過剰は……」
「わかっているさ、俺はな」
何時の間にか一ノ瀬運輸のロゴがパネルバンに刻まれた三沢ロードポーターと呼ばれる四t車が止まっておりドライバーが降り、同時に各所に散らばっていたが仲間の危機に集まってしまった路怒男爵の面々を次々と叩きのめしていく。
「橘さん」
「わかりました」
手加減はするが正気に戻るのか心配だ。正弘さんがキレると収まるまで時間を要する。既に夜の九時を過ぎているがこの騒ぎだ……直ぐにPCが来た。こうなると路怒男爵の面々は逃げるしかないのだ。
「正弘も久しぶりに暴れたな」
「最近のガキは引き際を知らんのかな……たく、一撃で倒れるもんかね?」
顔面が腫れた路怒男爵は駆け付けた警察官に確保されて連行……夜須も久しぶりの光景だ。
「丸頓屋の方も逃げられた……喧嘩相手が舘だったら分かるけどな」
夜須は玲を見ると不安な表情になり宗介は寄り添っていた。
「バイク二台を弾き飛ばすとはなぁ」
「車線の真ん中に止める方が悪いさ……所有者は?」
迅の言葉に夜須は苦笑する。PC後部座席で項垂れているのだ。両サイドに警察官が乗り込んでいる。
ドライブインシアターイベントが終わり、隼人と菜緒は予定通り別荘へと向かう……今回は軍人もガッツリ出て来たので隼人は職業上気にする所であり、菜緒も分かる。ドライブインシアターの良さは会話が出来つつ鑑賞出来る……菜緒は隼人を見て思う、本当に恋人だったら……。
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